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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057333
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】開閉装置、液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20240417BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240417BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B41J29/00 A
B41J2/01 301
B41J2/01 401
B41J29/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163996
(22)【出願日】2022-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207181
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 朋
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 徳和
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EA24
2C056EC28
2C061AP01
2C061AQ05
2C061BB33
2C061CD08
2C061CD16
2C061CD17
(57)【要約】
【課題】複数の開閉部材を有する開閉装置において、インターロック機構の数を削減することを課題とする。
【解決手段】電源を供給する電源供給ユニット202と、スライド移動により開閉可能に設けられた前カバー7および後ろカバー8と、インターロックの作動、または解除を切り替えるスイッチ42aを有するインターロック機構40と、を備えた液体吐出装置1であって、前カバー7は、スイッチ42aの切り替え動作のための第1切替部38を有し、後ろカバー8は、スイッチ42aの切り替え動作のための第2切替部39を有し、前カバー7および後ろカバー8を共に閉じることにより、第1切替部38および第2切替部39がインターロック機構40に接近してスイッチ42aを切り替えることで、インターロックが解除され、前カバー7または後ろカバー8のうち少なくとも一方が開くことにより、インターロックが作動することを特徴とする。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源を供給する電源供給部と、
開閉可能に設けられた第1開閉部材および第2開閉部材と、
インターロックの作動、または解除を切り替えるスイッチを有するインターロック機構と、を備えた開閉装置であって、
前記第1開閉部材は、前記スイッチの切り替え動作のための第1切替部を有し、
前記第2開閉部材は、前記スイッチの切り替え動作のための第2切替部を有し、
前記第1開閉部材および前記第2開閉部材を共に閉じることにより、前記第1切替部および前記第2切替部が前記インターロック機構に接近して前記スイッチを切り替えることで、前記インターロックが解除され、
前記第1開閉部材または第2開閉部材のうち少なくとも一方が開くことにより、前記インターロックが作動することを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
電源を供給する電源供給部と、
開閉可能に設けられた第1開閉部材および第2開閉部材と、
インターロックの作動、または解除を切り替えるスイッチを有するインターロック機構と、
前記スイッチの切り替え動作のための第1切替部と、を備えた開閉装置であって、
前記インターロック機構は前記第2開閉部材に設けられ、
前記第1開閉部材および前記第2開閉部材を共に閉じることにより、前記第1切替部と前記インターロック機構とが互いに接近して前記スイッチを切り替えることで、前記インターロックが解除され、
前記第1開閉部材または第2開閉部材のうち少なくとも一方が開くことにより、前記インターロックが作動することを特徴とする開閉装置。
【請求項3】
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方を自動で閉じる位置へ移動させる移動機構を有する請求項1記載の開閉装置。
【請求項4】
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方が閉じられた位置を保持する保持機構を有する請求項1記載の開閉装置。
【請求項5】
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方が開かれることにより、開閉装置内部がその側面の側から外部に対して開放される請求項1記載の開閉装置。
【請求項6】
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方の開閉移動により開閉装置の外径サイズが変化しない請求項1記載の開閉装置。
【請求項7】
第1開閉部材および前記第2開閉部材が、それぞれ独立して開閉移動する請求項1記載の開閉装置。
【請求項8】
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方が閉じる位置へ移動する移動速度を減衰させる減衰機構を有する請求項1記載の開閉装置。
【請求項9】
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方は、その開いた位置において、開閉方向と交差する方向へ回転可能に設けられる請求項1記載の開閉装置。
【請求項10】
前記第1開閉部材および第2開閉部材はスライド移動により開閉する請求項1記載の開閉装置。
【請求項11】
請求項1から10いずれか1項に記載の開閉装置と、
液体吐出ヘッドを有する液体吐出部と、を備えた液体吐出装置。
【請求項12】
複数の前記液体吐出部を有し、
一方の前記液体吐出部と他方の前記液体吐出部を隔てる仕切り部材を有する請求項11記載の液体吐出装置。
【請求項13】
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方が閉じられた位置を保持する保持機構を有し、
前記保持機構が前記仕切り部材に設けられる請求項12記載の液体吐出装置。
【請求項14】
前記インターロック機構は、前記液体吐出部による液体吐出領域よりも外側に設けられる請求項11記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉装置としての液体吐出装置には、液体吐出ヘッドを有するキャリッジを主走査方向へ移動させる駆動部や、液体吐出ヘッドをメンテナンスするためのメンテナンスユニットを駆動させる駆動部が設けられる。このため液体吐出動作時には、開閉可能な開閉部材によってこの駆動部分を覆うことにより、駆動部分に触れることができない構成となっている。また開閉部材を開いた状態で、これらの駆動部分への通電を物理的に遮断するインターロック機構が設けられる。
【0003】
しかし複数の開閉部材を設けた液体吐出装置では、いずれの開閉部材が開いた状態でも駆動部分への通電を遮断する必要があり、開閉部材ごとにインターロック機構が設けられる。しかしこのような構成では、部品数の増加やコストアップといった問題がある。
【0004】
例えば特許文献1(特開2015-161922号公報)の画像形成装置には、第1前面ドア、第2前面ドア、側面ドアが設けられる。画像形成装置の筐体にはインターロック機構が設けられる。第1前面ドアが閉じた状態ではアクチュエータがインターロックスイッチに挿入されて画像形成動作が可能な状態であり、第1前面ドアを開くとアクチュエータが外されて画像形成動作ができなくなる。また、第1前面ドアを開かなければ側面ドアを開くことができず、第2前面ドアを開くと第1前面ドアも開く構成となっている。これらにより、第2前面ドア、側面ドアが開いた状態では第1前面ドアが必ず開いており、画像形成動作ができない状態になっている。
【0005】
特許文献1のようにそれぞれのドアの開閉動作を連動させることで、一つのインターロック機構のみにより、装置内を開放時にインターロックが作動状態になる構成を実現できる。しかし、それぞれの開閉部材を独立して開閉動作させる場合には、上記の構成を採用することができないなど、上記構成が必ずしも有効な対策とはならなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数の開閉部材を有する開閉装置において、インターロック機構の数を削減し、開閉装置全体の部品数を削減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、電源を供給する電源供給部と、開閉可能に設けられた第1開閉部材および第2開閉部材と、インターロックの作動、または解除を切り替えるスイッチを有するインターロック機構と、を備えた開閉装置であって、前記第1開閉部材は、前記スイッチの切り替え動作のための第1切替部を有し、前記第2開閉部材は、前記スイッチの切り替え動作のための第2切替部を有し、前記第1開閉部材および前記第2開閉部材を共に閉じることにより、前記第1切替部および前記第2切替部が前記インターロック機構に接近して前記スイッチを切り替えることで、前記インターロックが解除され、前記第1開閉部材または第2開閉部材のうち少なくとも一方が開くことにより、前記インターロックが作動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インターロック機構の数を削減し、開閉装置全体の部品数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る液体吐出装置の各カバーが閉じた状態の斜視図である。
図2図1の液体吐出装置の平面図である。
図3】液体吐出装置の各カバーが開いた状態の斜視図である。
図4図3の液体吐出装置の平面図である。
図5】前カバー内の気流を示す側面図である。
図6】前カバー内の気流を示す正面図である。
図7】インターロック機構を示す三面図である。
図8】液体吐出装置内の駆動部への電源供給およびこの駆動部とインターロック機構との関係を示す回路図である。
図9】インターロックを解除する過程を示す図で、先に前カバーを閉じる場合の図である。
図10】インターロックを解除する過程を示す図で、先に後ろカバーを閉じる場合の図である。
図11】前カバーを自動で閉じるセルフクロージング機構および閉じる方向の移動速度を減衰するダンパーを示す図で、前カバーを閉じる過程を示す図である。
図12】装置本体が前カバーを閉じた状態で保持する保持機構を示す図で、前カバーが保持される過程を示す図である。
図13】液体吐出装置の側面図で、(a)図は各カバーが閉じた状態の図、(b)図は各カバーが開いた状態の図、(c)図は(b)図から各カバーを回転させた状態の図である。
図14】左右方向、かつ内側に開閉するカバーを有する液体吐出装置の正面図で、各カバーが閉じた状態の図である。
図15図14の液体吐出装置の平面図である。
図16図15から右カバーが開いた状態の図である。
図17図15から左カバーが開いた状態の図である。
図18】一つのキャリッジに一つの液体吐出ヘッドユニットを設けた構成を示す図である。
図19】一つのキャリッジに二つの液体吐出ヘッドユニットを設けた構成を示す図である。
図20図19と液体吐出ヘッドユニットの配置が異なる図である。
図21】複数の液体吐出部と、左右に開閉するカバーとを有する液体吐出装置の平面図である。
図22】左右方向、かつ外側に開閉するカバーを有する液体吐出装置の正面図で、各カバーが閉じた状態の図である。
図23図22の液体吐出装置の平面図である。
図24図23から各カバーが開いた状態の平面図である。
図25】左右方向、かつ外側に開閉するカバーを有する液体吐出装置の平面図で、各カバーが閉じた状態の図である。
図26図25から前カバーが開いた状態の平面図である。
図27図25から後ろカバーが開いた状態の平面図である。
図28】インターロック機構および切替部の変形例を示す図である。
図29】インターロック機構および切替部の別の変形例を示す図である。
図30】各カバーが回転動作により開く構成の液体吐出装置の側面図である。
図31図30の液体吐出装置におけるインターロックの作動状態から解除状態への切り替えを示す図である。
図32図30とインターロック機構および切替部の配置が異なる液体吐出装置の平面図である。
図33図32の液体吐出装置の各カバーが閉じた状態の平面図である。
図34】電気回路によるインターロック機構を示す図で、インターロックが解除状態の図である。
図35図34のインターロック機構のインターロックが作動状態の図である。
図36】回転により各カバーが開く構成の液体吐出装置において、電気回路によるインターロック機構を示す図で、インターロックが解除状態の図である。
図37図36インターロック機構のインターロックが作動状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
図1に各カバーが閉じた状態の液体吐出装置1の斜視図、図2に平面図を示す。また図3に各カバーが開いた状態の液体吐出装置1の斜視図、図4に平面図を示す。図1の方向Xを液体吐出装置の前後方向あるいは副走査方向あるいは記録媒体搬送方向、方向Yを液体吐出装置の幅方向あるいは主走査方向、方向Zを上下方向とする。方向Xおよび方向Yはステージ上に配置された記録媒体の液体吐出面に平行な方向であるが、多少の誤差があってもよい。方向X,Y,Zは互いに直交する方向である。
【0012】
図1および図2に示すように、液体吐出装置1は、筐体2の前方にステージ3を有する。ステージ3はガイドレール4上に設けられる。ガイドレール4は方向Xに延在している。筐体2の前側に操作パネル5が設けられる。筐体2の側面にはインクカートリッジ6が着脱される。筐体2の上方には、開閉部材あるいはカバー部材としての前カバー7および後ろカバー8が設けられる。前カバー7は本実施形態の第1開閉部材で、後ろカバー8は本実施形態の第2開閉部材である。また本実施形態では、第1開閉部材および第2開閉部材を備えた開閉装置の一例として、後述の液体吐出部を備えた液体吐出装置1を例示している。ただし、本発明の開閉装置は、液体吐出部を備えない開閉装置であってもよい。
【0013】
ステージ3の上面は記録媒体を載置する載置面であり、平坦状をなしている。ステージ3の上面は方向Xおよび方向Yに平行な面である。ステージ3はガイドレール4上を移動し、方向Xの両方向に往復移動可能に設けられる。またステージ3はZ方向に昇降可能に設けられる。これにより、ステージ3に配置された記録媒体の高さを調整できる。
【0014】
前カバー7および後ろカバー8は移動可能に設けられる。例えば方向Xの両方向に移動可能に設けられる。前カバー7が後ろ方向に移動し、後ろカバー8が前方向に移動した図1の状態がそれぞれのカバーが閉じた状態である。これに対して、前カバー7が前方向に移動し、後ろカバー8が後ろ方向に移動した図3の状態がそれぞれのカバーが開いた状態である。このように前カバー7および後ろカバー8をスライドにより開閉する構成とすることにより、例えば上下に開閉する構成と比較すると、各カバーの開閉領域を含めた液体吐出装置の占有領域を小さくできる。前カバー7および後ろカバー8はその前後方向の両端に開口部を有する。前カバー7および後ろカバー8が閉じられた状態で、前カバー7と後ろカバー8とが前後方向に連続して配置される。なお、前カバー及び後ろカバーは後述の図30に示すように観音開きのような構成であってもよい。各カバーの開く方向や開く形態については、適宜好ましい形態を選択可能である。
【0015】
本実施形態においては、図3および図4に示すように、液体吐出装置1の装置本体部50は、筐体2、筐体2上に設けられる液体吐出部9A、9Bなどを有する。本実施形態では特に、装置本体部50は、液体吐出装置1の前カバー7および後ろカバー8以外の部分である。この装置本体部50に対して、前カバー7および後ろカバー8がX方向にスライド可能に設けられる。
【0016】
前カバー7および後ろカバー8が開くことで、液体吐出装置1内の液体吐出部が外側に開放される。液体吐出部を外部に開放することにより、メンテナンスユニット30や液体吐出ヘッドおよびその周辺の清掃、あるいはキャリッジの交換が可能になる。また、画像形成時には前カバー7および後ろカバー8が閉じられた状態になる。これにより、前カバー7あるいは後ろカバー8により液体吐出部9A、9Bが覆われ、液体吐出部9A、9Bのキャリッジなどの動作部が外部からアクセスできない状態になる。また前カバー7あるいは後ろカバー8内の閉じられた空間に液体吐出部9A、9Bを配置することにより、液体吐出動作時にインクミストが周辺に飛散することを防止するとともに、液体吐出部9A、9Bに設けられるファンによって前カバー7あるいは後ろカバー8内で気流を循環させ、発生したインクミストを前カバー7あるいは後ろカバー8内で循環させて回収することができる。
【0017】
本実施形態の液体吐出装置1は、方向Xに二つの液体吐出部9A、9Bを有する。液体吐出部9Aはカラーおよび白色のインクを吐出する。液体吐出部9Bは前処理液を吐出する。なお、各液体吐出部9A、9Bが吐出する液体は上記に限らず、カラーインク、白色のインク、前処理液のうち任意の液体を吐出する形態でもよい。特に、記録媒体が布帛の場合には、インクによる画像形成の前に前処理液を塗布することが好ましいため、どちらか一方の液体吐出部は前処理液を吐出する形態であることが好ましい。
【0018】
液体吐出部9A、9Bは、同様の構成を有するため、以下、液体吐出部9Aについて説明する。液体吐出部9Aは、キャリッジ10Aと、ガイドロッド11と、電装部12と、メンテナンスユニット30とを有する。液体吐出部9A、9Bあるいはキャリッジ10A、10Bを単に液体吐出部9あるいはキャリッジ10とも称する。
【0019】
ガイドロッド11は主走査方向に延在する。キャリッジ10はガイドロッド11に沿って主走査方向に移動可能に設けられる。キャリッジ10は複数の液体吐出ヘッドを有する。メンテナンスユニット30は、ガイドロッド11に対向する位置で、左右方向の一方側の液体吐出領域外に設けられる。
【0020】
電装部12は、基板や基板を覆う電装カバーなどからなる。電装部12は、液体吐出動作を制御する制御部を有する。
【0021】
メンテナンスユニット30は、液体吐出ヘッドのノズル面を清掃する払拭部材やノズル面を吸引する吸引機構などを有する。前記払拭部材は、ゴム等で構成されたワイパーでもよいし、不織布等から構成されるウェブでもよい。
【0022】
以上の液体吐出ヘッドについて、記録媒体に画像を形成する過程について説明する。
【0023】
まず記録媒体をステージ3に載置し、ガイドレール4上を搬送する。そして、液体吐出装置の後方側まで搬送し、液体吐出部9Bにより前処理液を記録媒体に塗布する。具体的には、キャリッジ10Bをガイドロッド11に沿って主走査方向へ移動させながら液体吐出ヘッドに設けられたノズルから前処理液を記録媒体に対して主走査方向にわたって塗布する。これを副走査方向の各位置で繰り返し行うことにより、記録媒体に前処理液が塗布される。その後、ステージ3を前方向へ移動させ、同様の方法で液体吐出部9Aによりカラーの各色を記録媒体に吐出する。記録媒体に白色の印刷をする場合には、例えばまず液体吐出部9Aにより白色のインクを吐出した後、再びステージ3を液体吐出部9Aの後方側まで移動させ、液体吐出部9Aによりカラーのインクを記録媒体に吐出させる。これにより、記録媒体に画像を形成できる。
【0024】
これらの液体吐出部9A、9Bには、前カバー7あるいは後ろカバー8が閉じられた状態で、各カバー内の閉空間でインクミストを循環させるための気流形成機構が設けられる。以下、この気流形成機構について図5および図6を用いて説明する。
【0025】
図5に示すように、前カバー7が閉じられた状態で、その内側に気流形成機構31が設けられる。気流形成機構31は、吸気ダクト311と、フィルタ312と、ファン313と、排気ダクト314とを有する。
【0026】
図5に矢印で示すように、ファン313によりキャリッジ10の移動領域側(つまり、ガイドロッド11側)から吸気ダクト311へ流れる気流が形成される。この気流は、フィルタ312を介して排気ダクト314から上方へ排気される。
【0027】
図6に示すように、気流形成機構31は液体吐出装置1の幅方向に2つ設けられる。排気ダクト314からの排気は、前カバー7の内側の面に沿って再び吸気ダクト311側へ流れる。これにより、前カバー7内で気流が循環する。
【0028】
以上のように循環気流の途中にキャリッジ10の移動領域を配置することができ、キャリッジ10の液体吐出ヘッド20から発生したインクミストを各カバー内で循環させ、回収できる。つまり、キャリッジ10の液体吐出ヘッド20からステージ3上の記録媒体200に対してインクが吐出されることで、液体吐出ヘッド20の周辺でインクミストが発生する。このインクミストが、ファン313によって形成された気流により吸気ダクト311側へ流れる。これにより、インクミストが周辺に付着することを抑制できる。
【0029】
液体吐出装置1には、ガイドレール11上を移動するキャリッジ10やメンテナンスユニット30に設けられる部材などの駆動部が設けられる。このため、安全性の基準から、各カバーが開いた状態で液体吐出装置1内の駆動部への通電を遮断するインターロック機構が設けられる。しかし、本実施形態のように複数のカバーを有する構成では、カバー毎にインターロック機構を設けると部品点数の増加やコストアップにつながるという課題があった。
【0030】
以下、液体吐出装置に設けられるインターロック機構について説明する。なお、本実施形態のインターロック機構とは、インターロックの作動および解除の切り替えを物理的に行うインターロックスイッチを有する機構のことである。そして、インターロックとは、ある条件が整わない場合に特定の動作ができない状態にするロック機構であり、具体的に本実施形態では、前カバー7および後ろカバー8が閉じた状態にならない場合に、前述の駆動部への通電を遮断し、駆動部が動作できない状態にするロック機構のことである。
【0031】
図4に示すように、液体吐出装置1は、筐体2上に設けられたインターロック機構40を有する。前カバー7はその内側に、第1切替部38を有する。後ろカバー8はその内側に、第2切替部39を有する。第1切替部38および第2切替部39は、後述のインターロック機構に設けられたスイッチの切り替え動作を行うための部材である。インターロック機構40は、液体吐出部9A、9Bの液体吐出領域外に設けられる。特に本実施形態では、インターロック機構40が方向Yのキャリッジ10A、10Bの移動領域外に設けられる。これにより、インターロック機構40に液体が付着することを抑制できる。
【0032】
図7はインターロック機構を示す三面図で、図7の上側に示す図がインターロック機構40の平面図、左下に示す図が正面断面図、右下に示す図が側面図である。
【0033】
図7に示すように、インターロック機構40は、筐体部41と、ロック本体部42と、押圧部43と、載置台44とを有する。筐体部41内にロック本体部42、押圧部43、載置台44が設けられる。
【0034】
筐体部41はロック本体部42等を有し、その左右方向に、第1切替部38が挿入される第1孔部41aと、第2切替部39が挿入される第2孔部41bとを有する。
【0035】
ロック本体部42はその上部にスイッチ42aを有する。スイッチ42aが押下されない状態でインターロックが作動状態である。これにより、液体吐出装置1内の前述の駆動部への通電が遮断される。一方、押圧部43がスイッチ42aを押下することにより、インターロックが解除されて液体吐出装置1内の駆動部に通電可能な状態になる。
【0036】
ロック本体部42は載置台44上に載置される。載置台44はL字状をなし、ロック本体部42を載置する載置部44aと、載置部44aの一端から垂直に延在し、第2切替部39により押圧される被押圧部44bとを有する。
【0037】
図8は液体吐出装置内の駆動部への電源供給およびこの駆動部とインターロック機構との関係を示す回路図である。
【0038】
図8に示すように、液体吐出装置に設けられた、電源供給部としての電源供給ユニット(PSU:Power Supply Unit)202が、AC電源201から交流電力が供給される。そして電源ユニット202は、コントロールボード203、そして、インターロック機構40を介して各モータへ電力を供給する。具体的には、キャリッジを主走査方向へ移動させる主走査モータ204、ステージ3(図1参照)を副走査方向へ移動させる副走査モータ205、そして、ステージ3を昇降させるステージ昇降モータ206へそれぞれ電力が供給される。
【0039】
インターロック機構40によるインターロックが作動状態になると、これらの各モータ204~206への電力供給が遮断され、キャリッジの主走査方向の移動、および、ステージの副走査方向および上下方向の移動ができない状態になる。
【0040】
次に、インターロックの作動状態および解除状態の切り替えについて図2図4図9図10を用いて説明する。
【0041】
図4に示すように、前カバー7および後ろカバー8が開いた状態では、第1切替部38および第2切替部39がインターロック機構40から離間している。この状態から、図2に示すように、前カバー7および後ろカバー8が閉じることにより、第1切替部38および第2切替部39がインターロック機構40に接近し、インターロック機構40の筐体部41に設けられた第1孔部41aおよび第2孔部41b(図7参照)からそれぞれ挿入される。これにより、インターロックが解除される。以下、インターロックを解除する様子について説明する。
【0042】
図9(a)はインターロック機構40内部を示す図で、前カバー7および後ろカバー8が開いた状態の図である。
【0043】
まず前カバー7が閉じることにより、図4図2のように第1切替部38がインターロック機構40へ接近する。これにより、図9(a)→図9(b)のように、押圧部43が第1切替部38に押されてロック本体部42に接近する。この状態では、押圧部43がスイッチ42aに非接触であり、インターロックが作動状態にある。
【0044】
この状態から、後ろカバー8を閉じることにより、図4図2のように第2切替部39がインターロック機構40へ接近する。これにより、図9(b)→図9(c)のように、載置部44の被押圧部44bが第2切替部39に押されて載置部44およびロック本体部42が図9の左方向へ移動する。これにより、ロック本体部42が押圧部43に接近し、押圧部43がスイッチ42aを押下する(スイッチ42aを切り替える)。これにより、インターロックが解除されて液体吐出装置1内の駆動部に通電可能な状態になる。
【0045】
次に、図9とは逆に、先に後ろカバー8が閉じられた場合について図10を用いて説明する。図10(a)は前カバー7および後ろカバー8が開いた状態である。
【0046】
後ろカバー8が閉じられることで、図10(a)→図10(b)のように、載置部44の被押圧部44bが第2切替部39に押圧されて載置部44およびロック本体部42が図10の左方向へ移動する。この状態では、押圧部43がロック本体部42に接近しておらず、押圧部43がスイッチ42aに非接触である。従って、インターロックは作動状態にある。そして、前カバー7が閉じられることで、図10(b)→図10(c)のように、押圧部43が第1切替部38に押されてロック本体部42に接近する。これにより、押圧部43がスイッチ42aを押下し、インターロックを解除する。
【0047】
なお、押圧部43および載置台44は液体吐出装置1の筐体2にその一端が接続されたバネにその他端が接続されている。前カバー7が開いて第1切替部38の押圧部43への押圧が解除される、あるいは、後ろカバー8が開いて第2切替部39の載置台44に対する押圧が解除されると、例えばそれぞれのバネ等による付勢力で、押圧部43あるいは載置台44は図10(a)の位置に復帰する。つまり、前カバー7および後ろカバー8のいずれかが開くことにより、押圧部43のスイッチ42aに対する押下状態が解除され、インターロックは再び作動状態になる。
【0048】
以上のように本実施形態では、図9(b)あるいは図10(b)のように、前カバー7および後ろカバー8の少なくともいずれか一方が開いた状態では、インターロックが作動状態になり、図9(c)および図10(c)のように、前カバー7および後ろカバー8の双方が閉じられることで、インターロックが解除される。このような構成により、前カバー7および後ろカバー8の両方が閉じられた状態でのみ液体吐出装置1内の駆動部に通電して駆動させることができる。またこのようなインターロックの作動状態および解除状態の切り替えを、押圧部43のスイッチ42aに対する押下の有無により切り替えることができる。つまり、物理的な動作により、インターロックの作動状態および解除状態の切り替えができる。従って、前カバー7および後ろカバー8いずれかが開いた状態で、ユーザーが装置内で駆動する駆動部に触れてしまうことを防止でき、装置の安全性の基準を満たすことができる。
【0049】
以上のように本実施形態の液体吐出装置では、複数の開閉部材を有する構成であっても、1つのインターロック機構のみにより、必要とされる安全性の基準を満たすことができる。従って、液体吐出装置に設けられるインターロック機構の数を削減およびコストダウンを実現できる。これにより、装置全体の部品数を削減できる。
【0050】
また前カバー7あるいは後ろカバー8が開くことにより、押圧部43あるいは載置部44は前述のバネの作用により図10(a)の位置に復帰する。
【0051】
前カバー7および後ろカバー8には、これらのカバーが閉じる位置へ移動する際に、その途中で閉じる方向への移動力を減衰させるとともに、自動で閉じる位置まで移動させるセルフクロージング機構が設けられる。以下、このセルフクロージング機構について、図11を用いて説明する。なお、前カバー7および後ろカバー8には同様の構成が設けられるため、以下の説明では前カバー7を例に説明する。
【0052】
図11(a)に示すように、液体吐出装置1は、カバー側レール45と、中間レール46と、本体側レール47とを有する。中間レール46は、本体側レール47に係合し、本体側レール47に対して図11の左右方向である液体吐出装置1の前後方向(図1参照)にスライド可能に設けられる。カバー側レール45は、中間レール46に係合し、中間レール46に対して液体吐出装置1の前後方向にスライド可能に設けられる。カバー側レール45は前カバー7に固定される。本体側レール47は装置本体部50に固定される。このような三段構成のレールが、装置本体部50と前カバー7との間に設けられる。
【0053】
装置本体部50は、本体側レール47の中間レール46と係合する側と反対側に、減衰機構としてのダンパー48、移動機構としてのバネ49、係合部51を有する。バネ49はコイルスプリングである。
【0054】
前カバー7が閉じる方向である図11(a)の右方向へ移動することにより、前カバー7に固定されたカバー側レール45も図11(a)の右方向へ移動する力を受ける。
【0055】
中間レール46と本体側レール47との間に生じる摩擦力は、中間レール46とカバー側レール45との間に生じる摩擦力よりも小さい。このため、カバー側レール45が図11(a)の右方向へ移動する力を受けることにより、図11(a)→図11(b)のように、カバー側レール45および中間レール46が、本体側レール47に対して図11(a)の右方向へ移動する。この移動により、カバー側レール45の一端部が係合部51およびバネ49に係合する。
【0056】
バネ49は、カバー側レール45に係合していない状態では本体側レール47に係止されており、図11(a)の伸長した状態に保持される。一方、バネ49がカバー側レール45に係合することにより、本体側レール47による係止力が解除される。これにより、バネ49が縮む方向の力がカバー側レール45に作用し、カバー側レール45は図11(b)の方向へ付勢される。
【0057】
図11(b)の位置で、中間レール46は本体側レール47内に収まり、それ以上本体側レール47に対して図11の右方向へ移動しない。このため、 バネ49による付勢力によって、カバー側レール45が中間レール46との間の摩擦力に抗して図11(b)の右方向へ引き込まれる。つまり、カバー側レール45が中間レール46および本体側レール47に対して図11の右方向へ移動し始める。またこの際、カバー側レール45は、ダンパー48によって図11(b)の右方向への移動速度が減衰される。以上により、図11(b)→図11(c)のように、カバー側レール45は緩やかに図11(c)の右方向へ引き込まれる。
【0058】
そして、最終的には図11(d)のように、カバー側レール45が中間レール46および本体側レール47に対して移動可能な図11の右端の位置まで移動し、前カバー7が閉じた状態になる。
【0059】
以上のように、バネ49の付勢力により各カバーが自動で閉まる構成とすることで、各カバーを確実に閉じることができる。また、各カバーが閉じる位置に近づくとその速度が減衰する構成とすることで、前カバー7および後ろカバー8との間で指を挟んで強い力を受けることを防止できる。
【0060】
また、前カバー7および後ろカバー8には、閉じられた状態を保持する保持機構が設けられる。この保持機構について以下に説明する。なお、前カバー7および後ろカバー8には同様の構成が設けられるため、以下の説明では前カバー7を例に説明する。
【0061】
図4に示すように、前カバー7と後ろカバー8との間には主走査方向に延在する、仕切り部材としての仕切り板23が設けられる。この仕切り板23は、図12(a)に示すように、保持機構としての係止部23aを有する。また前カバー7(あるいは後ろカバー8)は、カバー側被係止部52を有する。カバー側被係止部52は、バネにより前カバー7を閉じる方向と交差する方向へ付勢されており、図12の実施形態では図12の上方向へ付勢されている。
【0062】
前カバー7が閉じる方向へ移動することで、図12(a)→図12(b)→図12(c)のように、カバー側被係止部52が係止部23aを乗り越えて係止部23aに係止される。これにより、前カバー7が仕切り板23に対して固定され、前カバー7を開く方向に弱い力が生じたとしても、前カバー7が開くことを防止できる。従って、液体吐出装置1による液体吐出動作時に、前カバー7や後ろカバー8が開いてしまうことを抑制できる。また、各カバーを開く際には、カバー側被係止部52の係止部23aを解除し、各カバーを開く方向へ押すことで、各カバーを開くことができる。
【0063】
このように、係止部23aが、各カバーを閉じる位置に保持する保持機構を構成する。なお、本実施形態では仕切り板23に係止部23aを設けたが、装置本体部50のその他の位置に設けてもよい。
【0064】
本実施形態では、以上のセルフクロージング機構やロック機構を前カバー7および後ろカバー8にそれぞれ設けたが、そのいずれか一方であってもよい。
【0065】
またこの仕切り板23は、図4の左右方向である記録媒体搬送方向において液体吐出部9Aと液体吐出部9Bとの間に設けられる。これにより、一方の液体吐出部で発生したインクミストなどの液体が、他方の液体吐出部へ飛散して異なる液体が混合されることを防止できる。特に本実施形態の仕切り板23は、主走査方向のキャリッジ10の移動領域全域にわたって設けられており、キャリッジ10の移動領域全域にわたって、液体が他の液体吐出部側へ飛散することを防止できる。
【0066】
また図3に示すように、前カバー7および後ろカバー8は、下面側のみが完全に開口し、前後が部分的に開口した箱形状をなしている。別の言い方をすると、前カバー7および後ろカバー8は、前板部、後板部、両側板部、天板部からなり、前板部および後板部に部分的な開口部を有する。図3に示すように、前カバー7あるいは後ろカバー8が開くと、両側板が前後方向へ移動し、液体吐出装置1の側面の側が外部に対して開放される。これにより、液体吐出装置1の側面から液体吐出装置1の内部へアクセスすることができ、液体吐出装置1のメンテナンスや部品交換が容易になる。
【0067】
また前カバー7および後ろカバー8はそれぞれが独立して開閉移動可能に設けられる。これにより、液体吐出装置1内部のアクセスしたい部分に応じて、対応するカバーだけを開くことができる。
【0068】
また図1および図3を比較すると、前カバー7および後ろカバー8が閉じた状態および開いた状態において、液体吐出装置1の外径サイズは変化しない。これにより、液体吐出装置1の占有スペースを小さくできる。本実施形態では、前カバー7および後ろカバー8の双方が開くことにより、液体吐出装置1の外径サイズはほとんど変化させない構成としたが、そのいずれか一方であってもよい。
【0069】
図13(a)は前カバー7および後ろカバー8を閉じた状態の側面図である。この状態から、図13(b)のように前カバー7および後ろカバー8を開くことで、液体吐出装置1の前後方向の中央側の内部を外部に対して開放できる。なお、図13では液体吐出部などの液体吐出装置1の内部に設けられる部材の記載を省略している。
【0070】
図13(b)の状態では、液体吐出装置1の前方側の内部や後方側の電源ボックスに作業者がアクセスすることができない。これに対して本実施形態では、前カバー7あるいは後ろカバー8が開いた状態で、図13(c)に示すように、前カバー7あるいは後ろカバー8を、これらのカバーが開く方向である前後方向と交差する方向へ90度回転させることができる。つまり、主走査方向を仮想回転軸として、主走査方向と直交する面内で、前カバー7あるいは後ろカバー8を90度回転させることができる。前カバー7をこのように回転可能にすることで、前カバー7を開いた状態において液体吐出装置1の前方側の内部にアクセスすることが可能になる。これにより、例えば液体吐出部9Aのメンテナンスが可能になる。また、後ろカバー8を図14のように回転可能とすることで、後ろカバー8を開いた状態において液体吐出装置1の後方側に設けられた電源ボックスへのアクセスおよびその交換が可能になる。
【0071】
以上の説明では、複数の開閉部材が前後方向にスライドして液体吐出装置内を開閉する構成を説明したが、本発明はこれに限らない。例えば図14に示すように、液体吐出装置1は、液体吐出部などを有する装置本体部50の上部に、開閉部材あるいはカバー部材としての左カバー13および右カバー14を有する。図14の位置がそれぞれのカバーを閉じた状態であり、それぞれのカバーに示した矢印がそれぞれのカバーを開く方向である。左カバー13は本実施形態の第1開閉部材であり、右カバー14は本実施形態の第2開閉部材である。
【0072】
図15に示すように、左カバー13および右カバー14が閉じた状態では、液体吐出部が覆われている。一方、図16に示すように、右カバー14を左方向(図16の上方向)へ移動させることで液体吐出部9の右側の一部領域が開放される。また図17に示すように、左カバー13を右方向(図17の下方向)へ移動させることで液体吐出部9の左側の一部領域が開放される。
【0073】
図15に示すように、本実施形態のインターロック機構40は、装置本体部50の筐体2の左右方向の中央側であって、左カバー13および右カバー14が重なる位置に設けられる。左カバー13は第1切替部38を有し、右カバー14は第2切替部39を有する。
【0074】
左カバー13および右カバー14が閉じた状態では、第1切替部38および第2切替部39がインターロック機構40に挿入され、インターロックが前述の実施形態の図2のように解除状態である。一方で図16に示すように、右カバー14が開くことにより、第2切替部39がインターロック機構40から離間してインターロックが作動状態になる。また図17に示すように、左カバー13が開くと、第1切替部38がインターロック機構40から離間してインターロックが作動状態になる。またこれらのカバーを再び閉じることにより、図15のようにインターロックを解除状態にすることができる。以上のように本実施形態においても、1つのインターロック機構40のみにより、いずれかのカバーが開いた場合に駆動部への通電を遮断できる。従って、インターロック機構の数を削減し、装置全体の部品数を削減できる。
【0075】
上記実施形態では、液体吐出装置1が液体吐出部9を一つのみ有する構成を示した。この場合、例えば図18に示すように、液体吐出部9は、ガイドロッド11と、キャリッジ10と、キャリッジ10に設けられる液体吐出ヘッドユニット60を有する。液体吐出ヘッドユニット60は複数の液体吐出ヘッドからなるが、単一の液体吐出ヘッドであってもよい。液体吐出ヘッドユニット60は、前処理液、白色あるいはカラー色のインクを吐出する。また液体吐出装置が液体吐出部を3つ以上有していてもよい。また、図19に示すように、キャリッジ10が複数の液体吐出ヘッドユニット60A,60Bを有する構成であってもよい。この場合、例えば液体吐出ヘッドユニット60Aにより白色あるいはカラー色のインクが吐出され、液体吐出ヘッドユニット60Bにより前処理液が吐出される。また各液体吐出ヘッドユニット60A,60Bの配置は、図19のように副走査方向に並べて配置する構成の他、図20のように主走査方向に並べて配置してもよい。ただし、図21に示すように、カバーが左右開きする構成において、複数の液体吐出部9A、9Bを有していてもよい。左カバー13および右カバー14は、これらの液体吐出部9A,9Bを覆う前後方向の幅で設けられる。
【0076】
上記の実施形態では左カバー13および右カバー14が内側へ開く構成を示したが、本発明はこれに限らない。例えば図22に示すように、本実施形態の液体吐出装置1は、左カバー13および右カバー14が図22に矢印で示すように外側へ開く構成である。
【0077】
図23に示すように、装置本体部50の筐体2にインターロック機構40が設けられる。前述の実施形態と同様、左カバー13に設けられる第1切替部38および右カバー14に設けられる第2切替部39は、それぞれのカバーが閉じた状態でインターロック機構40に挿入され、インターロックが解除される。一方、図24に示すように、左カバー13が開くことで第1切替部38がインターロック機構40から離間し、右カバー14が開くことで第2切替部39がインターロック機構40から離間する。以上のように、1つのインターロック機構40のみにより、いずれかのカバーが開いた場合に駆動部への通電を遮断できる。従って、インターロック機構の数を削減し、装置全体の部品数を削減できる。
【0078】
図14のようにカバーが内側へ開く構成の方が、図22のように外側へカバーが開く構成と比較して、カバーの可動領域を含めた液体吐出装置の占有領域を小さくすることができる。
【0079】
また図25に示すように、前カバー7および後ろカバー8が前後に開く構成を採用することもできる。本実施形態においても、図26に示すように、前カバー7を開くことで前カバー7に設けられた第1切替部38がインターロック機構40から離間し、図27に示すように、後ろカバー8を開くことで後ろカバー8に設けられた第2切替部39がインターロック機構40から離間する。以上のように、1つのインターロック機構40のみにより、いずれかのカバーが開いた場合に駆動部への通電を遮断できる。従って、インターロック数を削減でき、装置全体の部品数を削減できる。
【0080】
以上の説明では、前カバー7あるいは左カバー13に設けられた第1切替部38が押圧部43を押圧し、後ろカバー8あるいは右カバー14に設けられた第2切替部39が載置台44を押圧する構成であったが、前カバー7あるいは左カバー13に設けられた第2切替部が載置台44を押圧し、後ろカバー8あるいは右カバー14に設けられた第1切替部が押圧部43を押圧する構成であってもよい。
【0081】
また図28に示すように、インターロック機構40が後ろカバー8に取り付けられ、前カバー7に設けられた第1切替部38がスイッチ42aを直に切り替える構成であってもよい。つまり図28に示す実施形態では、後ろカバー8が閉じられることにより、インターロック機構40が第1切替部38に接近する。また前カバー7が閉じられることにより、第1切替部38がインターロック機構40に接近してスイッチ42aを切り替える。これにより、インターロックが解除状態になる。このような構成により、1つのインターロック機構40のみによって、二つのカバーが閉じた際にはインターロックが作動し、いずれかのカバーが開いた場合にはインターロックが解除されて駆動部への通電を遮断する構成を実現できる。従って、インターロック機構の数を削減できる。これらの構成を左カバー13および右カバー14を有する開閉装置に適用できることはもちろんである。また、第1切替部38とインターロック機構40をそれぞれのいずれのカバーに設けるかの組み合わせも任意に選択できる。さらに、図7の構成と図28の構成を組み合わせてもよい。例えば、前カバー7に設けられた第1切替部38は押圧部43を押圧して間接的にスイッチ42aを切り替え、後ろカバー8にインターロック機構40が設けられる構成であってもよい。あるいは、前カバー7に設けられた第1切替部38は直にスイッチ42aを切り替え、後ろカバー8に設けられた第2切替部39が載置台44を押圧する構成であってもよい。
【0082】
また図7の実施形態では、インターロック機構40がスイッチ42aを押下する押圧部43と、スイッチ42aを含むロック本体部42を保持する保持部である載置台44を有する構成を例示したが、本発明はこれに限らない。例えば図29に示すように、本実施形態のインターロック機構40は、ロック本体部42と、二つの押圧部43A、43Bを有する。またロック本体部42は、第1スイッチ42a1と第2スイッチ42a2とを有する。第1スイッチ42a1および第2スイッチ42a2が共に押下されることによりインターロックが解除され、第1スイッチ42a1および第2スイッチ42a2の少なくともいずれか一方が押下されない状態になることにより、インターロックが作動する。
【0083】
本実施形態では、前カバー7あるいは左カバー13が閉じられることにより、第1切替部38(図2あるいは図15参照)が押圧部43Aを押圧し、第1スイッチ42a1を押下する。また後ろカバー8あるいは右カバー14が閉じられることにより、第2切替部39が押圧部43Bを押圧し、第2スイッチ42a2を押下する。これらにより、インターロックが解除される。このような構成により、1つのインターロック機構40のみによって、二つのカバーが閉じた際にはインターロックが作動し、いずれかのカバーが開いた場合にはインターロックが解除されて駆動部への通電を遮断する構成を実現できる。従って、インターロック機構の数を削減できる。
【0084】
いずれの実施形態においても、インターロック機構が液体吐出部による液体吐出領域よりも外側に設けられることで、液体吐出部から吐出される液体による汚れや、それに伴う液体の固着による故障を防ぐことができる。
【0085】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0086】
以上の実施形態では、第1開閉部材および第2開閉部材がスライドして開閉する開閉装置としての液体吐出装置を例示したが、本発明はこれに限らない。例えば図30に示す液体吐出装置1は、前カバー7および後ろカバー8が、左右方向に垂直な面に沿う方向へ開閉する。具体的には、前カバー7および後ろカバー8が図30の点線部→実線部のように回転して開き、実線部→点線部のように閉じる。
【0087】
本実施形態においても、図31(a)に示すように、前カバー7の保持部7aに第1切替部38が設けられ、後ろカバー8の保持部8aに第2切替部39が設けられる。インターロック機構40は、前述の実施形態の図4で示したように、液体吐出装置1の筐体に固定される。図31(a)は、前カバー7および後ろカバー8が開いた図30の実線の状態である。インターロック機構40は、押圧部43と、載置台44と、スイッチ42aを有するロック本体部42とを備える。ロック本体部42は載置台44に載置される。押圧部43は第1切替部38に押圧される部分が曲面状をなす。また載置台44は第2切替部39に押圧される部分が曲面状をなす。本実施形態では、押圧部43および載置台44が前後方向に配置される。
【0088】
図31(a)→図31(b)のように、まず前カバー7を閉じる方向へ移動させることにより、第1切替部38が押圧部43の曲面部に当接する。そして前カバー7を閉じることで、図31(b)→図31(c)のように、第1切替部38が押圧部43を押圧して、押圧部43をインターロック機構40側へ移動させる。この状態では、載置台44が押圧部43に接近しておらず、押圧部43はスイッチ42aに非接触である。そして図30(c)→図30(d)のように後ろカバー8を閉じる方向へ移動させることにより、第2切替部39が載置台44の曲面部に当接する。そして後ろカバー8を閉じることで、図30(d)→図30(e)のように、第2切替部39が載置台44を押圧して、載置台44を押圧部43側へ移動させる。これにより、押圧部43がスイッチ42aを押圧してスイッチ42aを切り替え、インターロックが作動状態から解除状態になる。また、いずれかのカバーが開くことにより、第1切替部38あるいは第2切替部39による押圧部43あるいは載置台44への押圧状態が解除され、押圧部43あるいは載置台44が付勢手段により図31(a)の位置に復帰する。つまり、いずれかのカバーを開くことにより、押圧部43によるスイッチ42aの押圧が解除されてインターロックが作動状態に切り替わる。なお、図31では先に前カバー7を閉じて後に後ろカバー8を閉じる場合を例示したが、逆の順で閉じても最終的に図31(e)の状態になるのは前述の実施形態と同様である。
【0089】
また図31では、第1切替部38あるいは第2切替部39が、押圧部43あるいは載置台44を前後方向に押圧する場合を示したが、本発明はこれに限らない。図32に示す実施形態では、インターロック機構40と第1切替部38および第2切替部39の配置が図31の実施形態とは異なっている。つまり、インターロック機構40は、押圧部43と載置台44が左右方向に配置され、第1切替部38および第2切替部39は左右方向の異なる位置に配置される。
【0090】
図33に示すように、前カバー7が閉じられると、第1切替部38が左右方向の一方側(図33の上側)から押圧部43を押圧する。また後ろカバー8が閉じられると、第2切替部39が左右方向の他方側(図33の下側)から載置台44を押圧する。これにより、前述の実施形態の図31(e)のように、押圧部43とインターロック機構40が互いに接近してスイッチ42aが切り替えられ、インターロックが作動状態から解除状態に切り替わる。
【0091】
以上のように、これらの実施形態においても、1つのインターロック機構40のみにより、いずれかのカバーが開いた場合にインターロックを作動させて駆動部への通電を遮断するとともに、両方のカバーを閉じることによりインターロックを解除できる。従って、インターロック機構の数を削減し、装置全体の部品数を削減できる。
【0092】
また以上の実施形態では、物理的な押圧によりスイッチ42aを切り替えてインターロックの作動および解除状態を切り替えるインターロック機構40を例示したが、本発明はこれに限らない。例えば図34に示す実施形態では、前カバー7および後ろカバー8が閉じられた位置では、第1切替部38および第2切替部39がインターロック機構40に挿入される。これにより、電気回路53がつながってインターロック機構40に通電され、インターロックが解除状態になる。一方で図35に示すように、前カバー7が開くと、第1切替部38がインターロック機構40から退避して電気回路53が第1切替部38の挿入位置で遮断され、インターロックが作動状態になる。なお、後ろカバー8を開いて第2切替部39をインターロック機構40から退避させた際も、同様に電気回路53が遮断されてインターロックが作動状態になる。また図34および図35では第1切替部38および第2切替部39が挿入されて電気回路53を形成する場合を例示したが、前カバー7あるいは後ろカバー8が閉じることにより、第1切替部38あるいは第2切替部39がインターロック機構40内の部材を押圧し、この部材が電気回路53をつなぐ構成であってもよい。さらに図34および図35では前カバー7および後ろカバー8がスライドにより開閉する場合を例示したが、図36および図37に示すように、前カバー7および後ろカバー8が回転して開閉する構成であっても、同様にインターロックの作動および解除状態を切り替えできる。つまり、図36のように各カバーが閉じた状態では第1切替部38および第2切替部39により電気回路53がつながってインターロックが解除状態になり、例えば図37のように前カバー7が開いて第1切替部38がインターロック機構40から退避すると、電気回路53が遮断されてインターロックが作動状態になる。
【0093】
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0094】
「液体」にはインクだけでなく塗料や前処理液、バインダー、オーバーコート液を含む。
【0095】
本願において、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッドを有するキャリッジを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体吐出装置には、液体が付着可能なものである記録媒体に対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0096】
この「液体吐出装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0097】
例えば、「液体吐出装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0098】
また、「液体吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0099】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0100】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0101】
また、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0102】
また、「液体吐出装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0103】
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【0104】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
<1>
電源を供給する電源供給部と、
開閉可能に設けられた第1開閉部材および第2開閉部材と、
インターロックの作動、または解除を切り替えるスイッチを有するインターロック機構と、を備えた開閉装置であって、
前記第1開閉部材は、前記スイッチの切り替え動作のための第1切替部を有し、
前記第2開閉部材は、前記スイッチの切り替え動作のための第2切替部を有し、
前記第1開閉部材および前記第2開閉部材を共に閉じることにより、前記第1切替部および前記第2切替部が前記インターロック機構に接近して前記スイッチを切り替えることで、前記インターロックが解除され、
前記第1開閉部材または第2開閉部材のうち少なくとも一方が開くことにより、前記インターロックが作動することを特徴とする開閉装置である。
<2>
電源を供給する電源供給部と、
開閉可能に設けられた第1開閉部材および第2開閉部材と、
インターロックの作動、または解除を切り替えるスイッチを有するインターロック機構と、
前記スイッチの切り替え動作のための第1切替部と、を備えた開閉装置であって、
前記インターロック機構は前記第2開閉部材に設けられ、
前記第1開閉部材および前記第2開閉部材を共に閉じることにより、前記第1切替部と前記インターロック機構とが互いに接近して前記スイッチを切り替えることで、前記インターロックが解除され、
前記第1開閉部材または第2開閉部材のうち少なくとも一方が開くことにより、前記インターロックが作動することを特徴とする開閉装置である。
<3>
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方を自動で閉じる位置へ移動させる移動機構を有する<1>または<2>記載の開閉装置である。
<4>
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方が閉じられた位置を保持する保持機構を有する<1>から<3>いずれか記載の開閉装置である。
<5>
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方が開かれることにより、開閉装置内部がその側面の側から外部に対して開放される<1>から<4>いずれか記載の開閉装置である。
<6>
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方の開閉移動により開閉装置の外径サイズが変化しない<1>から<5>いずれか記載の開閉装置である。
<7>
第1開閉部材および前記第2開閉部材が、それぞれ独立して開閉移動する<1>から<6>いずれか記載の開閉装置である。
<8>
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方が閉じる位置へ移動する移動速度を減衰させる減衰機構を有する<1>から<7>いずれか記載の開閉装置である。
<9>
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方は、その開いた位置において、開閉方向と交差する方向へ回転可能に設けられる<1>から<8>いずれか記載の開閉装置である。
<10>
前記第1開閉部材および第2開閉部材はスライド移動により開閉する<1>から<9>いずれか記載の開閉装置である。
<11>
<1>から<10>いずれか記載の開閉装置と、
液体吐出ヘッドを有する液体吐出部と、を備えた液体吐出装置である。
<12>
複数の前記液体吐出部を有し、
一方の前記液体吐出部と他方の前記液体吐出部を隔てる仕切り部材を有する<11>記載の液体吐出装置である。
<13>
前記第1開閉部材あるいは前記第2開閉部材の少なくとも一方が閉じられた位置を保持する保持機構を有し、
前記保持機構が前記仕切り部材に設けられる<12>記載の液体吐出装置である。
<14>
前記インターロック機構は、前記液体吐出部による液体吐出領域よりも外側に設けられる<11>から<13>いずれか記載の液体吐出装置である。
【符号の説明】
【0105】
1 液体吐出装置(開閉装置)
7 前カバー(第1開閉部材)
8 後ろカバー(第2開閉部材)
9A,9B 液体吐出部
13 左カバー(第1開閉部材)
14 右カバー(第2開閉部材)
23 仕切り板(仕切り部材)
23a 係止部(保持機構)
38 第1切替部
39 第2切替部
40 インターロック機構
42 ロック本体部
42a スイッチ
48 ダンパー(減衰機構)
49 バネ(移動機構)
202 電源供給ユニット(電源供給部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】
【特許文献1】特開2015-161922号公報
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