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特開2024-57592基材処理装置内のガスの混合を改善するためのガス導入管アセンブリ
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  • 特開-基材処理装置内のガスの混合を改善するためのガス導入管アセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057592
(43)【公開日】2024-04-24
(54)【発明の名称】基材処理装置内のガスの混合を改善するためのガス導入管アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20240417BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174383
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】63/415,388
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アルン・トッタパイユ
(72)【発明者】
【氏名】鄭 東洛
(72)【発明者】
【氏名】金 鐘隨
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030EA03
4K030EA06
4K030EA11
4K030JA01
4K030JA03
4K030JA06
5F045AA03
5F045AC12
5F045AC16
5F045AE21
5F045AE23
5F045AF02
5F045AF03
5F045AF04
5F045AF07
5F045DP03
5F045EC07
5F045EC08
5F045EF05
5F045GB11
5F045GB13
(57)【要約】
【課題】ガス導入管アセンブリが提示される。
【解決手段】アセンブリは、第一のプロセスガスを導入するように構成された第一の導入口および第二のプロセスガスを導入するように構成された第二の導入口と、第一の導入口からの第一のプロセスガスと第二の導入口からの第二のプロセスガスとを混合するように構成されたガス導入管であって、ガス導入管が、基材処理装置の反応チャンバと流体連通し、上部セグメントおよび下部セグメントを含む、ガス導入管と、を備え、第一の導入口および第二の導入口は、ガス導入管の上部セグメント内に配置され、かつ互いに真向かいに向かい合い、上部セグメントは収束円錐形状であり、下部セグメントは発散円錐形状であり、下部セグメント底部の長さに対する上部セグメント底部の長さの比は、0.1~0.9、好ましくは0.15~0.25とすることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材処理装置で使用されるガス導入管アセンブリであって、
第一のプロセスガスを導入するように構成された第一の導入口および第二のプロセスガスを導入するように構成された第二の導入口と、
前記第一の導入口からの前記第一のプロセスガスと前記第二の導入口からの前記第二のプロセスガスとを混合するように構成されたガス導入管であって、前記基材処理装置の反応チャンバと流体連通し、かつ上部セグメントおよび下部セグメントを備える、ガス導入管と、を備え、
前記第一の導入口および前記第二の導入口が、前記ガス導入管の前記上部セグメント内に配置され、かつ互いに真向かいに向かい合い、
前記ガス導入管の前記上部セグメントが収束円錐形状であり、
前記ガス導入管の前記下部セグメントが発散円錐形状であり、かつ、
前記ガス導入管の長さ(H)に対する前記上部セグメントの長さ(H1)の比を、0.1~0.9、好ましくは0.15~0.25とすることができる、ガス導入管アセンブリ。
【請求項2】
前記第一の導入口および前記第二の導入口が、互いに異なる直径を有する、請求項1に記載のガス導入管アセンブリ。
【請求項3】
前記第一の導入口および前記第二の導入口が、前記ガス導入管への接続領域において、発散円錐形状または収束円錐形状である、請求項1に記載のガス導入管アセンブリ。
【請求項4】
前記下部セグメントの底部の幅(W)に対する前記上部セグメントの底部の幅(W1)の比を、0.1~0.9、好ましくは約0.4~0.6とすることができる、請求項1に記載のガス導入管アセンブリ。
【請求項5】
基材処理装置であって、
基材を処理するための反応チャンバであって、基材支持体を含む反応チャンバと、
第一のプロセスガスおよび第二のプロセスガスを前記反応チャンバ内にそれぞれ導入するように構成された第一の導入口および第二の導入口と、
前記第一の導入口からの前記第一のプロセスガスと前記第二の導入口からの前記第二のプロセスガスとを混合するように構成されたガス導入管であって、前記ガス導入管が前記反応チャンバと流体連通し、かつ上部セグメントおよび下部セグメントを備える、ガス導入管と、
基材支持体とともに反応空間を画定するシャワーヘッドアセンブリであって、前記混合されたプロセスガスを前記反応空間に供給するために前記ガス導入管に接続された複数の孔を備える、シャワーヘッドアセンブリと、を備え、
前記第一の導入口および前記第二の導入口が、前記ガス導入管の前記上部セグメント内に配置され、かつ互いに真向かいに向かい合い、かつ
前記ガス導入管の前記上部セグメントが収束円錐形状であり、
前記ガス導入管の前記下部セグメントが発散円錐形状であり、
前記ガス導入管の長さ(H)に対する前記上部セグメントの長さ(H1)の比を、0.1~0.9、好ましくは0.15~0.25とすることができる、基材処理装置。
【請求項6】
前記反応チャンバからガスを排出するためのガス排出孔をさらに備える、請求項5に記載の基材処理装置。
【請求項7】
前記第一の導入口および前記第二の導入口が、互いに異なる直径を有する、請求項5~6のいずれか一項に記載の基材処理装置。
【請求項8】
前記第一の導入口および前記第二の導入口が、前記ガス導入管への接続領域において、発散円錐形状または収束円錐形状である、請求項5~6のいずれか一項に記載の基材処理装置。
【請求項9】
前記下部セグメントの底部の幅(W)に対する前記上部セグメントの底部の幅(W1)の比を、0.1~0.9、好ましくは約0.4~0.6とすることができる、請求項5~6のいずれか一項に記載の基材処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基材を処理するための基材処理装置に関し、特に基材を処理するために使用されるガスの混合を改善するために基材処理装置で使用されるガス導入管に関する。
【背景技術】
【0002】
図1の現在の反応チャンバ構成では、基材処理に使用されるガスは、シャワーヘッド3の上方のガス導入管7を通して供給される。
【0003】
ガス導入管7は、異なるプロセスガスが供給される2つのガス入口点、第一の導入口5および第二の導入口6を上部領域に有している。
【0004】
プロセスガスは、第一の導入口5または第二の導入口6、またはその両方を通って入ることができる。導入管の退出口/放出口は、シャワーヘッド7の後部容積である。導入管の放出口/退出口において、均質なガスの混合が期待される。
【0005】
混合が均一でない場合、ウエハ上の膜の均一性および特性に影響を与えることになる。第一の導入口5および第二の導入口6のガス質量流量が異なる場合、プロセスガスが均一に混合しない確率は増加することになる。
【0006】
このような欠点のため、本開示は、ガスのより良好な混合のために反応チャンバで使用するための改善されたガス導入管アセンブリを提示する。
【発明の概要】
【0007】
この「発明の概要」は、選択された概念を、単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、下記の開示の例示の実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に記述される。
【0008】
この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図してはおらず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0009】
一実施形態によれば、第一のプロセスガスを導入するように構成された第一の導入口および第二のプロセスガスを導入するように構成された第二の導入口と、第一の導入口からの第一のプロセスガスと第二の導入口からの第二のプロセスガスとを混合するように構成されたガス導入管であって、ガス導入管が、基材処理装置の反応チャンバと流体連通し、かつ上部セグメントおよび下部セグメントを含む、ガス導入管と、を備え、第一の導入口および第二の導入口が、ガス導入管の上部セグメント内に配置され、互いに真向かいに向かい合い、かつガス導入管の上部セグメントが収束円錐形状であり、ガス導入管の下部セグメントが発散円錐形状であり、ガス導入管の長さ(H)に対する上部セグメントの長さ(H1)の比を、0.1~0.9、好ましくは0.15~0.25とすることができる、基材処理装置で使用するためのガス導入管アセンブリが提供されてもよい。
【0010】
少なくとも1つの態様では、ガス導入管アセンブリの第一の導入口および第二の導入口は、互いに異なる直径を有する。
【0011】
少なくとも1つの態様では、ガス導入管アセンブリの第一の導入口および第二の導入口は、ガス導入管への接続領域において、発散円錐形状または収束円錐形状である。
【0012】
少なくとも1つの態様では、発散円錐底部の幅(W)に対する収束円錐底部の幅(W1)の比は、0.1~0.9、好ましくは0.4~0.6とすることができる。
【0013】
別の実施形態によれば、基材処理装置は、基材を処理するための反応チャンバであって、基材支持体を含む反応チャンバと、第一のプロセスガスおよび第二のプロセスガスを反応チャンバ内にそれぞれ導入するように構成された第一の導入口および第二の導入口と、第一の導入口からの第一のプロセスガスと第二の導入口からの第二のプロセスガスとを混合するように構成されたガス導入管であって、ガス導入管が反応チャンバと流体連通し、かつ上部セグメントおよび下部セグメントを含む、ガス導入管と、基材支持体とともに反応空間を画定するシャワーヘッドアセンブリであって、混合されたプロセスガスを反応空間に供給するためにガス導入管に接続された複数の孔を含む、シャワーヘッドアセンブリと、を備え、第一の導入口および第二の導入口はガス導入管の上部セグメント内に配置され、かつ互いに真向かいに向かい合い、かつガス導入管の上部セグメントは収束円錐形状であり、ガス導入管の下部セグメントは発散円錐形状であり、ガス導入管の長さ(H)に対する上部セグメントの長さ(H1)の比は、0.1~0.9、好ましくは0.15~0.25とすることができる。
【0014】
少なくとも1つの態様では、基材処理装置は、反応チャンバからガスを排出するためのガス排出孔をさらに備える。
【0015】
少なくとも1つの態様では、基材処理装置の第一の導入口および第二の導入口は、互いに異なる直径を有する。
【0016】
少なくとも1つの態様では、基材処理装置の第一の導入口および第二の導入口は、ガス導入管への接続領域において、発散円錐形状または収束円錐形状である。
【0017】
少なくとも1つの態様では、ガス導入管アセンブリの発散円錐底部の幅(W)に対する収束円錐底部の幅(W1)の比は、0.1~0.9、好ましくは0.4~0.6とすることができる。
【0018】
当然のことながら、図内の要素は単純および明瞭のために図示されており、また必ずしも実寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の図示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】反応チャンバのガス導入管を示す先行技術を図示する図である。
図2】本開示の実施形態によるガス導入管アセンブリおよび反応チャンバを図示する図である。
図3】本開示の別の実施形態による第一および第二の導入口の形状の変形形態を図示する図である。
図4】本開示の実施形態によるガス導入管の上面図である。
図5図1に示す先行技術と図2に示す本開示との間のガス混合効率の比較を図示する図である。
図6】本開示の別の実施形態による、H1/H比(ガス導入管の長さに対する上部セグメントの長さの比)の変化を図示する図である。
図7】本開示の別の実施形態によるW1/W比(発散円錐底部の幅に対する収束円錐底部の幅の比)の変化を図示する図である。
図8】H1/H比が0.25のガス導入管と、H1/H比が0.75のガス導入管との間のガス混合効率の比較を図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ある特定の実施形態および実施例を下記に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、後述する特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0021】
本明細書で使用される場合、「基材」という用語は、任意の下地材料を指してもよく、修正されてもよい、またはデバイス、回路、もしくは膜がその上に形成されてもよい、任意の下地材料を含む。「基材」は、連続的または非連続的、剛直または可撓性、固体または多孔質、およびそれらの組み合わせであってもよい。基材は、粉末、プレート、またはワークピースなどの任意の形態であってもよい。プレートの形態の基材は、様々な形状およびサイズのウエハを含んでもよい。基材は、例えば、ケイ素、シリコンゲルマニウム、酸化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、および炭化ケイ素を含む半導体材料から作製されてもよい。
【0022】
例として、粉末の形態の基材は、医薬品製造のための用途を有する場合がある。多孔質基材はポリマーを含んでもよい。ワークピースの例としては、医療機器(例えば、ステントおよびシリンジ)、宝石類、ツーリングデバイス、電池製造のための構成要素(例えば、アノード、カソード、またはセパレータ)、または光起電力電池の構成要素などが挙げられてもよい。
【0023】
連続基材は、堆積プロセスが生じるプロセスチャンバの境界を越えて延在してもよい。一部のプロセスでは、連続基材は、プロセスチャンバを通して移動してもよく、これによりプロセスは基材の端部に達するまで継続される。連続基材は、任意の適切な形態で連続基材の製造および出力を可能にするために、連続基材供給システムから供給されてもよい。
【0024】
連続基材の非限定的な例としては、シート、不織布膜、ロール、箔、ウェブ、可撓性材料、連続フィラメントまたは繊維(例えば、セラミック繊維またはポリマー繊維)の束が挙げられてもよい。連続基材はまた、非連続基材がその上へと取り付けられる担体またはシートを含んでもよい。
【0025】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、構造、またはデバイスの実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用される、単に理想化された表現にすぎない。
【0026】
示され、かつ記述された特定の実装は、本発明およびその最良の形態の例示であり、態様および実施の範囲をいかなるやり方でも、別の方法で限定することを意図しない。実際、簡潔のために、従来の製造、関連、調製、およびシステムの他の機能的態様を詳細に記述していない場合がある。さらに、様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的連結を表すことを意図する。多くの代替的もしくは追加的な機能的関係、または物理的接続が実際のシステムにおいて存在してもよく、また/または一部の実施形態では存在しなくてもよい。
【0027】
本明細書に記述される構成および/または取り組みは本質的に例示的であり、またこれらの特定の実施形態または実施例は、数多くの変形が可能であるため、限定的な意味と考えられるべきではないことが理解されるべきである。本明細書に記述される具体的なルーチンまたは方法は、任意の数の処理方策のうちの1つ以上を代表する場合がある。それ故に、例示された様々な動作は、例示される順序で実施されてもよく、他の順序で実施されてもよく、または一部の事例では省略されてもよい。
【0028】
本開示の主題は、本明細書に開示の様々なプロセス、システム、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性のすべての新規かつ自明でない組み合わせおよび部分的組み合わせだけでなく、そのありとあらゆる均等物も含む。
【0029】
本開示は、図を用いて説明される。
【0030】
複数のガスが半導体プロセスで使用されてもよい。また、プロセス後の基材の品質は、主にウエハ上の膜の均一性、厚さなどで測定されてもよい。
【0031】
この理由から、基材を処理するためのチャンバ内のガスが十分に混合されることが不可欠である。
【0032】
ガス導入口を有するチャンバの従来のレイアウトを図1に図示する。
【0033】
図1では、異なるガスをガス導入管7に導入するために使用される2つの導入口5、6がある。慣習的に、2つの導入口5、6からのガスの速さにより、ガスは、ガス導入管7内で渦を有して混合を強制すると考えられている。
【0034】
しかしながら、導入口5、6のプロセスガスの質量流量が異なる場合は、期待されるガスの混合が達成されないものと思われる。
【0035】
このガスの混合が不十分であるという問題を解決するための、本開示による実施形態を図2に示す。ガス導入管30は円筒形状でなくてもよい。反対に、ガス導入管30は2つの特徴的な形状の部品を有しており、これらについては後で説明する。
【0036】
第一のガスは第一の導入口21から来てもよく、また第二のガスは第二の導入口22から来てもよい。ガスは混合され、シャワーヘッドアセンブリ12の多数の孔13を通して噴霧されることになるまで下向きに移動してもよい。処理中の反応チャンバ11および反応空間14内の圧力は、通常、3~10T(torr)であってもよく、これはプロセスの状況を考慮して変更することができる。
【0037】
反応チャンバ11はまた、基材支持体10およびガス排出孔40も備える。シャワーヘッドアセンブリ12は、基材支持体10とともに反応空間14を形成し、そこでは、(ガス導入管30内で混合された)プロセスガスが、シャワーヘッドアセンブリ12の孔13を通して、基材処理のために供給されてもよい。孔は図面では直接見えない場合があるが、シャワーヘッドアセンブリ12には多数の孔13がある。
【0038】
図2のAは、第一および第二の導入口21、22ならびにガス導入管30がマニホールドを形成してもよいことを図示する。しかしながら、ガス導入管30は2つのセグメントを有し、その形状は互いに大きく異なっていてもよい。
【0039】
ガス導入管30の上部セグメント31は下向きに収束する円錐の形状であってもよく、また下部セグメント32は下向きに発散する円錐の形状であってもよい。
【0040】
2つの導入口21、22は、ガス導入管30を挟んで互いに真向かい側で向かい合っていてもよく、図4に図示する。
【0041】
ガス導入管30の2つのセグメントは、空洞内に増大した乱流および渦を生成することができ、最終的にガス混合の改善をもたらすことができる。
【0042】
本開示の効率は、図5および図7の試験結果で説明される。
【0043】
図5では、2つのガス導入管アセンブリ、すなわち、(a)従来の形状および(c)本開示の実施形態の形状には、試験のために同じ条件が与えられる。各事例について、導入口1(Ar)のガス流量は、導入口2(Ar+NH3)のガス流量の約3~4倍とすることができる。放出口は、各ガス導入管の底部に位置する。
【0044】
(b)および(d)は、試験における各ガスの不均一率をそれぞれモル分率で示す。
【0045】
従来の形状(a)のアルゴンガス不均一率は、1.69%(b)と測定され、一方で本開示の形状(c)のアルゴンガス不均一率は、0.21%(d)と測定された。また、従来の形状(a)におけるNH3ガス不均一率は30.5%と測定され、一方で本開示の形状(c)のNH3ガス不均一率は4.1%(d)と測定された。
【0046】
図5の結果から、不均一率は1.69%から0.21%(Ar)、30.5%から4.1%(Ar+NH3)へと大幅に減少しており、本開示の形状内でガスがより良好に混合されることを示している場合がある。
【0047】
ガス導入管30内で引き起こされる乱流および渦によってガスをより効率的に混合するための、第一の導入口21および第二の導入口22の形状を図3に提示する。
【0048】
図3(a)は、第一の導入口21(B)および第二の導入口22(C)のガス導入管30内への通路を図示する。図3の(b)および(c)では、第一および第二の導入口21、22のガス導入管30内への、異なる形状の通路を図示する場合がある。
【0049】
図3(b)では、ガス導入管30内への導入口21、22の通路の形状は、ガス導入管30に向かって発散円錐形状または収束円錐形状であってもよい。この図面は一例にすぎず、形状は発散円錐または収束円錐のどちらにすることもできる。
【0050】
直径または形状(収束/発散)は、ガスの最大限の混合に対する処理のために各導入口が有するガスの容積を考慮して変更することができる。
【0051】
導入口の形状とは別に、ガス導入管の長さ(H)に対するガス導入管の上部セグメントの長さ(H1)の比、H1/Hを変更することができる。
【0052】
図6は、比(H1/H)のいくつかのバリエーションを図示する。(a)の比は0.5であるが、それぞれ(b)の比は0.5未満であり、そして(c)の比は0.5超である。
【0053】
図8は、比の変化に対するガスの混合効率を図示する。
【0054】
図8(a)および(c)は両方とも、それぞれのH1/H比を除き、同一のガス流量を有する。第一の導入口(導入口1)にはArガスが投入され、第二の導入口(導入口2)にはArおよびNH3ガスの混合物が投入される。ガス混合効率は、出力で測定される。導入口1(Ar)のガス流量は、導入口2(Ar+NH3)のガス流量の9~10倍であってもよい。
【0055】
(a)のH1/H比は0.25であり、この場合、ArおよびNH3の不均一率はそれぞれ0.1%および4.35%であり、(c)のH1/H比は0.75であり、ArおよびNH3の不均一率はそれぞれ5.2%および136%である。
【0056】
図8を考慮すると、ガスの混合のためには、H1/H比が小さい方がより良好であると容易に推定することができる。
【0057】
H1/H比は、0.1~0.9で変化させることができるが、比が小さすぎるということは、収束円錐領域での混合時間がかなり短いことを意味することになる。したがって、H1/H比については、0.15~0.25の範囲が好ましい。
【0058】
図7では、本開示の異なる実施形態が図示されている。
【0059】
図7において、収束円錐(上部セグメント)底部の幅はW1と指定され、発散円錐(下部セグメント)底部の幅はWと指定される。
【0060】
W1/W比は、H1/H比と同様に、ガス混合効率を最大化するために、0.1~0.9で変化させることができる。しかしながら、W1/W比は通常、0.4~0.6、すなわち約0.5に設定される。
【0061】
上述の装置の配設は、本発明の原理の適用の単なる例示であり、また特許請求の範囲において定義されるように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、数多くの他の実施形態および修正がなされてもよい。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、その均等物の全範囲とともに添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】