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特開2024-57692情報処理装置、情報処理方法、プログラム、撮影システムおよび解析システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057692
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、撮影システムおよび解析システム
(51)【国際特許分類】
   G06V 10/98 20220101AFI20240418BHJP
   E01C 23/01 20060101ALI20240418BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240418BHJP
   G06V 20/56 20220101ALI20240418BHJP
【FI】
G06V10/98
E01C23/01
G06T7/00 Q
G06T7/00 650A
G06V20/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164509
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 泉
【テーマコード(参考)】
2D053
5L096
【Fターム(参考)】
2D053AA33
2D053AA34
2D053AB06
2D053FA02
5L096BA03
5L096CA04
5L096DA01
5L096FA52
5L096FA59
5L096FA69
5L096GA51
5L096MA01
(57)【要約】
【課題】移動体に設置された撮影装置により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を容易に確認すること。
【解決手段】データ取得装置9は、移動体6に設置された撮影装置7により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を示す位置情報2011~2041を表示する表示画面2000を生成する生成部83を備える。位置情報2011~2041は、地図上の位置を示し、表示画面2000は、地図2100に位置情報2011~2041を重畳して表示する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置された撮影装置により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を示す位置情報を表示する表示画面を生成する生成手段を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記位置情報は、地図上の位置を示し、
前記表示画面は、前記地図に前記位置情報を重畳して表示する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示画面は、対象領域を前記移動体の移動方向に沿って複数の撮影領域に分けて前記撮影装置により撮影した地図上の経路を示す経路情報と、前記位置情報と、を前記地図に重畳して表示する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件は、複数の条件を含み、
前記表示画面は、前記複数の条件における何れかの条件を示す条件情報を、前記位置情報に対応付けて表示する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記位置情報が示す位置における撮影時間を示す時間情報を、前記位置情報に対応付けて表示する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記位置情報が示す位置における構造物を示す構造物情報を、前記位置情報に対応付けて表示する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記位置情報が示す位置において、前記撮影装置により再度撮影しても、前記所定の条件を満たさないことを予測する予測情報を、前記位置情報に対応付けて表示する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の条件を満たすか否かは、前記撮影画像を画像解析することが可能か否かにより判断される請求項1記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定の条件を満たすか否かは、前記撮影画像の輝度を示す輝度情報に基づき判断される請求項1記載の情報処理装置。
【請求項10】
移動体に設置された撮影装置により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を示す位置情報を表示する表示画面を生成する生成ステップを実行する情報処理方法。
【請求項11】
移動体に設置された撮影装置により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を示す位置情報を表示部に表示する表示ステップを実行する情報処理方法。
【請求項12】
請求項10または11記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
移動体に設置された撮影装置を備えた撮影システムであって、
前記撮影装置により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を示す位置情報を表示部に表示させる表示制御手段を備えた撮影システム。
【請求項14】
前記位置情報を表示する表示画面を生成する生成手段を備え、
前記表示制御手段は、前記表示画面を前記表示部に表示させる請求項13記載の撮影システム。
【請求項15】
請求項13または14記載の撮影システムと、前記撮影画像を解析する解析装置と、を備えた解析システムであって、
前記所定の条件を満たすか否かは、前記解析装置により前記撮影画像を画像解析することが可能か否かにより判断される解析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、撮影システムおよび解析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、損傷が発生している位置の緯度経度情報に基づき、その緯度経度に一番近い道路のIDとキロポストを特定し、地図上の該当する道路の上に損傷が発生している旨を示すマークをキロポストの値とともに表示する道路状況管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006―112127公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、移動体に設置された撮影装置により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を容易に確認することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、移動体に設置された撮影装置により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を示す位置情報を表示する表示画面を生成する生成手段を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、移動体に設置された撮影装置により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る状態検査システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】車載装置が車両に設置されて撮像する状態を模式的に示す図である。
図3】データ取得装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図4】管理装置および解析装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図5】状態検査システムの機能構成の一例を示す図である。
図6】画像情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
図7】解析情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
図8】画像の確認処理を示すフローチャートである。
図9】表示画面の一例である。
図10】データ解析処理の一例を示すシーケンス図である。
図11】測定情報の更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
●実施形態●
●システムの概略
まず、図1および図2を用いて、状態検査システムの概略について説明する。図1は、実施形態に係る状態検査システムの全体構成の一例を示す図である。図1に示されている状態検査システム1は、情報処理システムの一例であり、移動体システム60によって取得された各種データを用いて、路面等の構造物のひび割れ等の性状を測定調査するためのシステムである。
【0010】
構造物は、歩道面、車が走行する車道面(路面)、電車が走行する線路、法面、トンネルの内面、または道路上の構造物等である。なお、道路上の構造物は、例えば、路端部上に設置される標識や電柱等である。以降の説明においては、車両等の移動体6が走行する路面の性状を検査する場合について説明する。状態検査システム1は、例えば、一方に長く延びる構造物を一定の区間に区切ってその表面性状を検査する場合に利用される。
【0011】
状態検査システム1は、移動体システム60、解析システム4、国、自治体の通信端末1100および委託事業者の通信端末1200によって構成されている。移動体システム60は、撮影システムの一例であり、データ取得装置9およびデータ取得装置9を搭載した車両等の移動体6によって構成されている。データ取得装置9は、測定装置の一例であり、構造物を計測する計測装置の例である撮影装置7、並びにGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)センサ8を有している。GNSSは、GPS(Global Positioning System)または準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称である。GNSSセンサ8は、センサ装置の一例である。移動体システム60は、移動体6を走行させながら路面等の構造物の撮影を行う。
【0012】
撮影装置7は、例えば、移動体6のルーフ後部に、進行方向とは反対の方向に向けて設けられ、移動体6の後方の路面Rを撮像する。なお、撮影装置7は、移動体6のルーフの前部に進行方向と同じ方向に向けて設けてもよいし、移動体6のルーフの側部に進行方向と直角(または略直角)方向に向けて設けてもよい。また、撮影装置7は、移動体6の前方のナンバープレート周辺に設置されてもよい。
【0013】
撮影装置7は、路面Rの所定範囲を撮像するステレオカメラである。ステレオカメラは、例えば、左右に並べた二つのカメラの視差情報を利用し、解析対象の路面Rに形成された凹凸等の奥行き情報を得るためのカメラである。ステレオカメラは、移動体6の進行方向に対して画像の一部が重なり合うタイミングで撮像を繰り返し行う。ステレオカメラは、移動体6への搭載を考慮すると1台のみ設置されることが好ましい。なお、路面幅が広い道路に対応するために、路面Rの幅方向全体を撮像可能なように複数台設置し、幅方向に対しても画像の一部が重なり合うように複数台が同時に撮像を行ってもよい。この場合、ステレオカメラは、斜め下方の路面Rに向くように一列に並べて配置される。
【0014】
移動体6は、専用車に限られず、宅配便等の一般車両であってもよい。撮影装置7を一般車両に取り付けることにより、専用車のようなコストをかけずに、ひび・わだち・平たん性・IRIを出力可能なデータを走行撮影・計測することができる。ステレオカメラが1台のみである場合、移動体6が一般車両であっても、搭載が容易である。
【0015】
解析システム4は、管理装置3および解析装置5によって構築されている。解析システム4を構成する管理装置3および解析装置5は、通信ネットワーク100を介して移動体システム60、通信端末1100および通信端末1200と通信することができる。通信ネットワーク100は、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。
【0016】
なお、通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)またはLTE(Long Term Evolution)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。
【0017】
また、管理装置3および解析装置5は、NFC(Near Field Communication)(登録商標)等の近距離通信技術による通信機能を備えていてもよい。
【0018】
解析装置5は、情報処理装置の一例であり、データ取得装置9によって取得された各種データを解析するPC等のコンピュータである。解析装置5は、路面Rの状態を解析するための専用アプリケーションプログラムがインストールされている。解析装置5から管理装置3への各種データの受け渡し方法はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等を使った人的な移動であってもよい。
【0019】
管理装置3は、解析装置5から受け渡された各種解析情報を管理するPC等のコンピュータである。また、管理装置3は、撮影画像データおよびセンサデータ、解析情報、並びに詳細分析結果を用いて、国、自治体または委託事業者等の道路管理者に提出するためのレポートを生成する。管理装置3によって生成されたレポートのデータは、委託事業者を介して国、自治体に、電子データまたは書類に印刷した状態で提出される。管理装置3によって生成されるレポートは、調査記録表、点検表、調査台帳または調書等と称される。なお、管理装置3は、PCに限られず、スマートフォンまたはタブレット端末等であってもよい。また、解析システム4は、管理装置3と解析装置5を、一台の装置または端末として構築する構成であってもよい。
【0020】
通信端末1200は、委託事業者に備えられており、通信端末1100は、国、自治体に備えられている。管理装置3、通信端末1100および通信端末1200は、解析装置5と通信可能な端末装置の例であり、解析装置5で管理される各種データが閲覧可能である。
【0021】
図2は、移動体により撮像する状態を模式的に示す図である。
【0022】
図2に示すように、撮影装置7は、移動体6の移動方向に続く対象領域を、所定幅の重複する撮像領域(画像重複部)を含むように異なる時刻に異なるフレーム(撮影画像)として撮像する。画像重複部は、例えば撮像画像の幅の10~30%にされる。なお、図2においては、ステレオカメラが備える合計2つの撮像素子のいずれか1つが異なる時刻に撮像するフレームが模式的に示されている。
【0023】
このように撮影された撮影画像は、輝度画像データとして解析装置5へ送信され、解析装置5においてAIや人手により画像解析されるが、解析装置5で解析するときに、輝度が過不足であったり、輝度情報自体が欠落したりしていて、画像解析が困難であることが判明することがあった。
【0024】
この場合、移動体6を再度走行させて、撮影装置7により再度撮影する必要があるが、画像解析が困難な一部の撮影画像のために全ての撮影をやり直したり、対象領域が遠方である場合には次に撮影するまでの日数がかかったりする課題があった。
【0025】
以上の課題に鑑みて、本実施形態は、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を容易に確認することにより、当該撮影位置における再撮影を容易に行うことを目的とする。
【0026】
●ハードウエア構成
次に、図2および図4を用いて、状態検査システム1を構成する各装置のハードウエア構成について説明する。なお、図2および図4に示されているハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。
【0027】
○データ取得装置のハードウエア構成○
図2は、データ取得装置のハードウエア構成の一例を示す図である。データ取得装置9は、図1に示されているような撮影装置7およびセンサ装置8とともに、データ取得装置9の処理または動作を制御するコントローラ900を備える。
【0028】
撮影装置7は、第1カメラ71および第2カメラ72を備える。撮影装置7は、第1カメラ71および第2カメラ72により撮影された路面Rの撮影画像データをコントローラ900に提供する。
【0029】
具体的には、撮影装置7は、第1カメラ71および第2カメラ72によりそれぞれ撮影された輝度画像データ、および第1カメラ71および第2カメラ72による視差情報を示す視差画像データをコントローラ900に提供する。
【0030】
撮影装置7を構成する第1カメラ71および第2カメラ72による撮影処理は、コントローラ900によって制御される。コントローラ900は、第1カメラ71および第2カメラ72の露出位置を含む各種パラメータの設定、撮影開始および終了の指示、並びに撮影画像の記録等を行う。なお、撮影装置7は、第1カメラ71、第2カメラ72からなる一つのステレオカメラであることが好ましいが、二以上のステレオカメラを備えていてもよい。
【0031】
コントローラ900は、撮影装置I/F(Interface)901、センサ装置I/F902、バスライン910、CPU(Central Processing Unit)911、ROM(Read Only Memory)912、RAM(Random Access Memory)913、HD(Hard Disk)914、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ915、ネットワークI/F916、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ918、メディアI/F922、外部機器接続I/F923およびタイマ924を備えている。
【0032】
これらのうち、撮影装置I/F901は、撮影装置7との間で各種データまたは情報の送受信を行うためのインターフェースである。センサ装置I/F902は、センサ装置8との間で各種データまたは情報の送受信を行うためのインターフェースである。バスライン910は、図3に示されているCPU911等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0033】
また、CPU911は、データ取得装置9全体の動作を制御する。ROM912は、IPL等のCPU911の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM913は、CPU911のワークエリアとして使用される。HD914は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ915は、CPU911の制御にしたがってHD914に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ネットワークI/F916は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。
【0034】
DVD-RWドライブ918は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW917に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-RやBlu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等であってもよい。
【0035】
メディアI/F922は、フラッシュメモリ等の記録メディア921に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。外部機器接続I/F923は、ディスプレイ、キーボードおよびポインティングデバイスを有する外部PC930等の外部機器を接続するためのインターフェースである。タイマ924は、時間計測機能を有する計測装置である。タイマ924は、コンピュータによるソフトタイマでもよい。
【0036】
○管理装置のハードウエア構成○
図4は、管理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。管理装置3の各ハードウエア構成は、300番台の符号で示されている。図4に示されているように、管理装置3は、コンピュータによって構築されており、図4に示されているように、CPU301、ROM302、RAM303、HD304、HDDコントローラ305、ディスプレイ306、外部機器接続I/F308、ネットワークI/F309、バスライン310、キーボード311、ポインティングデバイス312、DVD-RWドライブ314、およびメディアI/F316を備えている。
【0037】
これらのうち、CPU301は、管理装置3全体の動作を制御する。ROM302は、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HD304は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ305は、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ306は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の各種情報を表示する。ディスプレイ306は、表示部の一例である。
【0038】
外部機器接続I/F308は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USBメモリやプリンタ等である。ネットワークI/F309は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン310は、図4に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0039】
また、キーボード311は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス312は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ314は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW313に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-RやBlu-ray) Disc等であってもよい。メディアI/F316は、フラッシュメモリ等の記録メディア315に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0040】
○解析装置のハードウエア構成○
図4は、解析装置のハードウエア構成の一例を示す図である。解析装置5の各ハードウエア構成は、括弧内の500番台の符号で示されている。図4に示されているように、解析装置5は、コンピュータによって構築されており、図4に示されているように、管理装置3と同様の構成を備えているため、各ハードウエア構成の説明を省略する。なお、通信端末1100.1200も、コンピュータによって構築され、管理装置3と同様の構成を備えているが、各ハードウエア構成の説明は省略する。
【0041】
なお、上記各プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内または国外へ提供されることができる。例えば、実施形態に係る解析システム4は、本発明に係るプログラムが実行されることで本発明に係る解析方法を実現する。
【0042】
●機能構成
図5は、第1の実施形態に係る状態検査システムの機能構成の一例を示す図である。なお、図5には、図1に示されている装置のうち、後述の処理または動作に関連しているものが示されている。
【0043】
○データ取得装置の機能構成○
まず、データ取得装置9の機能構成について説明する。データ取得装置9は、通信部91、判断部92、撮影装置制御部93、センサ装置制御部94、撮影画像データ取得部95、センサデータ取得部96、時刻データ取得部97、要求受付部98および記憶・読出部99を有している。また、データ取得装置9は、図2に示されているROM912およびHD915によって構築される記憶部9000を有している。
【0044】
これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD914からRAM913上に展開されたデータ取得装置用のプログラムに従ったCPU911からの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、データ取得装置9は、図3に示されているROM912およびHD914によって構築される記憶部9000を有している。
【0045】
通信部91は、主に、ネットワークI/F916に対するCPU911の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置との間で各種データまたは情報の通信を行う。通信部91は、例えば、撮影画像データ取得部95およびセンサデータ取得部96によって取得された取得データを、解析装置5に対して送信する。通信部91は、送信手段および受信手段の一例である。判断部92は、CPU911の処理によって実現され、各種判断を行う。
【0046】
撮影装置制御部93は、主に、撮影装置I/F901に対するCPU911の処理によって実現され、撮影装置7による撮影処理を制御する。センサ装置制御部94は、主に、センサ装置I/F902に対するCPU911の処理によって実現され、センサ装置8に対するデータ取得処理を制御する。
【0047】
撮影画像データ取得部95は、主に、撮影装置I/F901に対するCPU911の処理によって実現され、撮影装置7から輝度画像データ、および視差画像データを取得する。撮影画像データ取得部95は、例えば、撮影装置制御部93からの1回の撮影トリガによって、例えば、路面Rの道幅方向のステレオ画像を構成するために必要な画像を取得することができる。
【0048】
センサデータ取得部96は、主に、センサ装置I/F902に対するCPU911の処理によって実現され、センサ装置8による検知結果であるセンサデータを取得する。センサデータ取得部96は、距離情報取得部および位置情報取得部の一例である。時刻データ取得部97は、主に、タイマ924に対するCPU911の処理によって実現され、撮影画像データ取得部95またはセンサデータ取得部96によってデータが取得された時刻を示す時刻データを取得する。
【0049】
要求受付部98は、主に、外部機器接続I/F923に対するCPU911の処理によって実現され、CPU911の処理によって実現され、外部PC930等から所定の要求を受け付ける。
【0050】
記憶・読出部99は、主に、CPU911の処理によって実現され、記憶部9000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部9000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0051】
受付部81は、主に、外部PC930等に備えられるキーボードまたはポインティングデバイスに対するCPU911の処理によって実現され、各種の選択または入力を受け付ける。受付部32は、外部PC930等に備えられるディスプレイに対する各種選択または入力を受け付ける。表示制御部82は、主に、CPU911の処理によって実現され、ディスプレイに、各種画像を表示させる。生成部83は、CPU911の処理によって実現され、表示画面の生成等を行う。生成部83は、生成手段の一例である。
【0052】
○管理装置の機能構成○
続いて、管理装置3の機能構成について説明する。管理装置3は、通信部31、受付部32、表示制御部33、判断部34、評価対象データ生成部35、検出部36、地図データ管理部37、レポート生成部38および記憶・読出部39を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開され管理装置用のプログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、管理装置3は、図4に示されているROM302およびHD304によって構築される記憶部3000を有している。
【0053】
通信部31は、主に、ネットワークI/F309に対するCPU301の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置との間で各種データまたは情報の通信を行う。通信部31は、例えば、解析装置5との間で、路面状態の解析に係る各種データを送受信する。通信部31は、送信手段および受信手段の一例である。
【0054】
受付部32は、主に、キーボード311またはポインティングデバイス312に対するCPU301の処理によって実現され、利用者から各種の選択または入力を受け付ける。受付部32は、ディスプレイ306に対する各種選択または入力を受け付ける。表示制御部33は、主に、CPU301の処理によって実現され、ディスプレイ306に、各種画像を表示させる。判断部34は、CPU301の処理によって実現され、各種判断を行う。受付部32は、操作受付手段の一例である。
【0055】
評価対象データ生成部35は、CPU301の処理によって実現され、評価対象のデータを生成する。検出部36は、主に、CPU301の処理によって実現され、評価対象データ生成部35によって生成された評価対象データを用いて、路面の状態の検出処理を行う。地図データ管理部37は、主に、CPU301の処理によって実現され、外部サーバ等から取得した地図情報を管理する。地図情報は、地図上の任意の位置における位置情報を含む。
【0056】
レポート生成部38は、主に、CPU301の処理によって実現され、評価結果に基づいて、道路管理者に提出する評価レポートを生成する。
【0057】
記憶・読出部39は、主に、CPU301の処理によって実現され、記憶部3000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部3000から各種データ(または情報)を読み出したりする。記憶・読出部39は、更新手段の一例である。
【0058】
○解析装置の機能構成○
続いて、解析装置5の機能構成について説明する。解析装置5は、通信部51、判断部52、データ管理部53、生成部54、設定部55、解析部56および記憶・読出部59を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開され解析装置用のプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、解析装置5は、図4に示されているROM502およびHD504によって構築される記憶部5000を有している。
【0059】
通信部51は、主に、ネットワークI/F509に対するCPU501の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置との間で各種データまたは情報の通信を行う。通信部51は、例えば、データ取得装置9から送信された、撮影画像データおよびセンサデータを受信する。また、通信部51は、例えば、管理装置3等との間で、各種データを送受信する。通信部51は、送信手段および受信手段の一例である。判断部52は、位置生成手段の一例であり、CPU501の処理によって実現され、各種判断を行う。
【0060】
データ管理部53は、主に、CPU501の処理によって実現され、路面状態の評価に係る各種データの管理を行う。データ管理部53は、例えば、データ取得装置9から送信された撮影画像データおよびセンサデータを、取得データ管理DB5001に登録する。また、データ管理部53は、例えば、管理装置3によって処理または生成されたデータを、処理データ管理DB5003に登録する。生成部54は、主に、CPU501の処理によって実現され、路面に係る各種画像データを生成する。
【0061】
生成部54は、CPU301の処理によって実現され、各種生成を行う。設定部55は、CPU301の処理によって実現され、各種設定を行う。解析部56は、CPU301の処理によって実現され、各種解析を行う。
【0062】
記憶・読出部59は、主に、CPU501の処理によって実現され、記憶部5000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部5000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
○通信端末の機能構成○
【0063】
続いて、通信端末1100の機能構成について説明する。通信端末1100は、通信部1101、受付部1102、表示制御部1103、判断部1104および記憶・読出部1105を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HDからRAM上に展開され通信端末用のプログラムに従ったCPUからの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、通信端末1100は、図4に示されているROMおよびHDによって構築される記憶部1106を有している。
【0064】
通信部1101は、主に、ネットワークI/Fに対するCPUの処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置との間で各種データまたは情報の通信を行う。通信部1101は、送信手段および受信手段の一例である。
【0065】
受付部1102は、主に、キーボードまたはポインティングデバイスに対するCPUの処理によって実現され、利用者から各種の選択または入力を受け付ける。表示制御部1103は、主に、CPUの処理によって実現され、ディスプレイに、各種画像を表示させる。判断部1104は、CPU301の処理によって実現され、各種判断を行う。受付部1102は、操作受付手段の一例である。
【0066】
記憶・読出部1105は、主に、CPUの処理によって実現され、記憶部1106に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部1106から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0067】
続いて、通信端末1200の機能構成について説明する。通信端末1200は、通信部1201、受付部1202、表示制御部1203、判断部1204および記憶・読出部1205を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HDからRAM上に展開され通信端末用のプログラムに従ったCPUからの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また通信端末1200は、図4に示されているROMおよびHDによって構築される記憶部1206を有している。
【0068】
通信部1201は、主に、ネットワークI/Fに対するCPUの処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置との間で各種データまたは情報の通信を行う。
【0069】
受付部1202は、主に、キーボードまたはポインティングデバイスに対するCPUの処理によって実現され、利用者から各種の選択または入力を受け付ける。表示制御部1203は、主に、CPUの処理によって実現され、ディスプレイに、各種画像を表示させる。判断部1204は、CPU301の処理によって実現され、各種判断を行う。
【0070】
記憶・読出部1205は、主に、CPUの処理によって実現され、記憶部1206に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部1206から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0071】
図6は、画像情報管理テーブルの一例を示す概念図である。画像情報管理テーブルは、撮影画像情報に関連付けられた各種情報を管理するためのテーブルである。記憶部9000には、図6に示されているような画像情報管理テーブルによって構成されている画像情報管理DB9001が構築されている。
【0072】
この画像情報管理テーブルでは、撮影データ毎に、対象領域を移動体6の移動方向に沿って複数の撮影領域に分けて撮影装置7により撮影された複数の撮影画像が撮影順に記憶され、複数の画像情報のそれぞれに対して、位置情報、時刻情報、および確認情報が関連づけられて管理されている。
【0073】
撮影データは、対象領域を移動体6の移動方向に沿って複数の撮影領域に分けて撮影装置7により撮影開始してから撮影終了するまでのデータを示す。
【0074】
画像情報は、対象領域を移動体6の移動方向に沿って複数の撮影領域に分けて撮影装置により撮影したそれぞれの撮影画像を示す。
【0075】
位置情報は、画像情報を取得したときの位置を示し、時刻情報は、画像情報を取得した時刻を示す。
【0076】
確認情報は、画像情報が所定の条件を満たさない場合の、条件を示す条件情報、構造物情報、および予測情報を含む。図6の例では、画像情報のデータが無い場合の「データ無し」、画像情報の輝度が上限値以下でない場合の「高輝度NG」、および画像情報の輝度が下限値以上でない場合の「低輝度NG」が、それぞれ条件情報として画像情報に関連づけられて管理されている。
【0077】
また、構造物情報としての「トンネル内」および予測情報としての「再撮影見合せ」が、それぞれ画像情報に関連づけられて管理されている。
【0078】
構造物情報は、位置情報が示す位置における構造物を示し、予測情報は、位置情報が示す位置において撮影装置により再度撮影しても所定の条件を満たさないことを予測する情報を示す。
【0079】
○解析情報管理テーブル
図7は、解析情報管理テーブルの一例を示す概念図である。解析情報管理テーブルは、測定情報を解析した一次解析情報および二次解析情報を管理するためのテーブルである。記憶部3000には、図7に示されているような解析情報管理テーブルによって構成されている解析情報管理DB3001が構築されている。この解析情報管理テーブルでは、区間情報ごとに、測定情報、位置情報、付加情報、一次解析情報および二次解析情報が関連づけられて管理されている。
【0080】
測定情報は、撮影装置7は、第1カメラ71および第2カメラ72によりそれぞれ撮影された輝度画像データ、および第1カメラ71および第2カメラ72による視差情報を示す視差画像データを含む。
【0081】
位置情報は、測定情報を取得した始点の位置情報と、終点の位置情報を含む。付加情報は、測定情報を測定した測定日、測定時間、およびその時の天候を含む。
【0082】
一次解析情報は、AI解析等により人手を介すること無く解析されたひび割れ等を示す数値情報である。二次解析情報は、自動的な解析に加え、人手を介した解析も行われる。一次解析情報との差異は、人手を介することやより詳細の情報を盛り込むことでより高精度となること、解析項目がより多いこと、である。詳細の情報を盛り込みの例として、一次解析でのひび割れ率出力は、ひび割れ本数カウントのみで行われるのに対して、二次解析においては、試験法便覧に基づいて、ひび割れ本数カウント情報のみならず、パッチング(部分補修痕)の面積カウント情報も用いた出力がなされること、である。また、解析項目の一例としては、前述のひび割れ率、わだち掘れ量、平たん性、IRI、MCI等である。
【0083】
●実施形態の処理または動作
図8は、画像の確認処理を示すフローチャートである。
【0084】
データ取得装置9の受付部81が、撮影データを指定する操作を受け付けると、記憶・読出部99は、画像情報管理DB9001の指定された撮影データから最初の撮影順の画像情報を読み出して、判断部92は、画像情報に輝度データが含まれるか判断する(ステップS31)。
【0085】
ステップS31で輝度データが含まれない場合は、記憶・読出部99は、「輝度データ無し」という確認情報を画像情報に対応付けて画像情報管理DB9001に書き込む(ステップS32)。
【0086】
ステップS31で輝度データが含まれる場合は、判断部92は、画像情報の輝度が上限値を超えているか判断する(ステップS33)。この上限値は、解析装置5により撮影画像を画像解析することが可能な値に設定される。
【0087】
ステップS33で上限値を超えている場合は、記憶・読出部99は、「高輝度NG」という確認情報を画像情報に対応付けて画像情報管理DB9001に書き込む(ステップS34)。
【0088】
ステップS33で上限値を超えていない場合は、判断部92は、画像情報の輝度が下限値未満か判断する(ステップS35)。この下限値は、解析装置5により撮影画像を画像解析することが可能な値に設定される。
【0089】
ステップS35で下限値未満の場合は、記憶・読出部99は、「低輝度NG」という確認情報を画像情報に対応付けて画像情報管理DB9001に書き込む(ステップS36)。
【0090】
記憶・読出部99は、画像情報管理DB9001から画像情報に対応する位置情報を読み出して、判断部92は、記憶・読出部99が読み出した位置情報と、地図情報と、に基づき、撮影画像がトンネル内で撮影されたものであるか判断する(ステップS37)。地図情報は、記憶部9000に記憶されたものでもよく、管理装置3の地図データ管理部37から取得されてもよい。
【0091】
ステップS37にてトンネル内で撮影された画像であると判断された場合は、記憶・読出部99は、「再撮影見合せ」「トンネル内」という確認情報を画像情報に対応付けて画像情報管理DB9001に書き込む(ステップS38)。
【0092】
判断部92は、指定された撮影データにおける全ての撮影画像を確認したか判断し(ステップS39)、次の画像が残っている場合には、記憶・読出部99は、画像情報管理DB9001の指定された撮影データから、次の撮影順の画像情報を読み出して(ステップS40)、ステップS31に戻って処理を継続する。
【0093】
ステップS39で全ての撮影画像を確認した場合には、記憶・読出部99は、画像情報管理DB9001の指定された撮影データの画像情報、位置情報、時刻情報および条件情報を読み出して、生成部83は、画像情報管理DB9001から読み出された各種情報と、地図情報と、に基づき、表示画面を生成し、表示制御部82は、外部PC930等に備えられるディスプレイに表示画面を表示する(ステップS41)。ステップS41は、生成ステップおよび表示ステップの一例である。
【0094】
以上のフローチャートでは、ステップS37にてトンネル内で撮影された画像であると判断された場合に、ステップS38で「再撮影見合せ」と判断したが、ステップS37にてトンネル内で撮影された画像でないと判断された場合に、さらに以下の判断を行っても良い。
【0095】
すなわち、ステレオカメラとは別に移動体6の前方の画像を撮影し、樹木や高層建築物のような日照遮蔽物が存在した場合には、移動体6に設けられた照度計で計測される照度値に基づき、「再撮影見合せ」と判断してもよい。
【0096】
具体的には、日照遮蔽物が存在した場合には、同じ測定時間帯のオープンスカイ状態での照度A(例えば、過去30分~1時間以内で最も高い照度値)と、同じ季節にとりうる最高照度値B(予め計測、記憶された値)との照度比を閾値と比較することにより、「再撮影見合せ」と判断してもよい。最高照度値Bは、最高照度値をそのまま使うのではなく、再撮影可能な時間帯に幅を持たせるために、最高照度値Bの1.0倍未満かつ0.6倍以上の値を用いてもよい。
【0097】
図9は、表示画面の一例である。図9は、図8のステップS41において、生成部83により生成され、表示制御部82によりディスプレイに表示される表示画面2000を示す。
【0098】
表示画面2000は、地図2100に撮影データ毎の経路情報2010~2070を重畳して表示し、経路情報2010~2070のそれぞれに位置情報2011~2041を重畳して表示する。
【0099】
経路情報2010~2070は、対象領域を移動体6の移動方向に沿って複数の撮影領域に分けて撮影装置7により撮影した地図2100上の経路を示しており、生成部83は、図6に示した撮影データ毎の位置情報と、地図情報とに基づき、地図2100に撮影データ毎の経路情報2010~2070を重畳して表示する表示画面2000を生成する。
【0100】
位置情報2011~2041は、所定の条件を満たさない撮影画像の地図上の撮影位置を示し、生成部83は、図6に示した撮影データ毎の確認情報および位置情報と、地図情報とに基づき、地図2100に撮影データ毎の経路情報2010~2070に位置情報2011~2041を重畳して表示する表示画面2000を生成する。
【0101】
表示画面2000は、確認情報2011C~2041Cを、位置情報2011~2041に対応付けて表示する。
【0102】
確認情報2011C~2041Cは、条件情報、区間情報、時間情報、構造物情報、および、予測情報を含む。
【0103】
ここで、条件情報は、位置情報2011~2041が示す位置における撮影画像が満たさない所定の条件を示し、時間情報は、位置情報2011~2041が示す位置における撮影時間を示し、構造物情報は、位置情報2041が示す位置における構造物を示し、予測情報は、位置情報2041が示す位置において、撮影装置により再度撮影しても、所定の条件を満たさないことを予測する情報を示す。
【0104】
生成部83は、図6に示した撮影データ毎の確認情報および位置情報と、地図情報とに基づき、位置情報2011~2041に対応付けて確認情報2011C~2041Cを表示する表示画面2000を生成する。
【0105】
具体的には、表示画面2000は、撮影データ1にかかる経路情報2010に重畳させて位置情報2011を表示し、位置情報2011に対応付けて確認情報2011Cを表示する。
【0106】
確認情報2011Cは、条件情報を示す「高輝度NG」、高輝度NGと判断された画像情報が連続する区間の長さである区間情報を示す「約**m」、および時間情報を示す「日時×××」を含む。
【0107】
これにより、ユーザは、位置情報2011および区間情報に基づき、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を容易に確認できるため、再撮影のために移動体を効率的に移動させることができる。
【0108】
また、ユーザは、撮影画像が所定の条件を満たさない理由が「高輝度NG」、すなわち明るすぎることが原因であることを確認できるとともに、時間情報が例えば日光の強い時間を示す場合は、日光の弱い時間に再撮影することを判断できる。
【0109】
次に、表示画面2000は、撮影データ3にかかる経路情報2030に重畳させて位置情報2031を表示し、位置情報2031に対応付けて確認情報2031Cを表示する。
【0110】
確認情報2031Cは、条件情報を示す「低輝度NG」、低輝度NGと判断された画像情報が連続する区間の長さである区間情報を示す「約**m」、および時間情報を示す「日時×××」を含む。
【0111】
これにより、ユーザは、位置情報2031および区間情報に基づき、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を容易に確認できるため、再撮影のために移動体を効率的に移動させることができる。
【0112】
また、ユーザは、撮影画像が所定の条件を満たさない理由が「低輝度NG」、すなわち暗すぎることが原因であることを確認できるとともに、時間情報が例えば日光の弱い時間を示す場合は、日光の強い時間に再撮影することを判断できる。
【0113】
さらに、表示画面2000は、撮影データ4にかかる経路情報2040に重畳させて位置情報2041を表示し、位置情報2041に対応付けて確認情報2041Cを表示する。
【0114】
確認情報2041Cは、条件情報を示す「低輝度NG」、低輝度NGと判断された画像情報が連続する区間の長さである区間情報を示す「約**m」、時間情報を示す「日時×××」、構造物情報を示す「トンネル内」、および予測情報を示す「再撮影見合せ」を含む。
【0115】
これにより、ユーザは、位置情報2031および区間情報に基づき、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を容易に確認できる。
【0116】
また、ユーザは、撮影画像が所定の条件を満たさない理由が「低輝度NG」、すなわち暗すぎることが原因であることを確認できるとともに、構造物情報を示す「トンネル内」、および予測情報を示す「再撮影見合せ」に基づき、再撮影しても撮影画像が所定の条件を満たすことが困難であると判断して、再撮影のために移動体を移動させることが断念できる。
【0117】
以上説明した表示画面2000は、管理装置3に設けられる生成部により生成されてもよい。その場合、管理装置3の通信部31が、表示画面2000を示す表示画面情報をデータ取得装置9へ送信し、データ取得装置9の通信部91が表示画面情報を受信し、データ取得装置9の表示制御部82が、表示画面2000をディスプレイに表示させる。
【0118】
○データ解析処理○
図10は、データ解析処理の一例を示すシーケンス図である。
【0119】
通信端末1100、1200の処理は、通信端末1100の処理について説明するが、通信端末1200の処理についても同様である。
【0120】
データ取得装置9の通信部91は、測定情報と、位置情報と、付加情報を対応付けて管理装置3へ送信し、管理装置3の通信部31は、これらの情報を受信する(ステップS1)。ステップS1は、受信ステップの一例である。
【0121】
ステップS1で受信した位置情報および測定情報に対応する位置情報および測定情報が、解析情報管理DB3001に記憶されていない場合、記憶・読出し部39は、ステップS1で受信した位置情報、付加情報と対応付けて、ステップS1で受信した測定情報を解析情報管理DB3001に記憶させる。
【0122】
また、ステップS1で受信した位置情報および測定情報に対応する位置情報および測定情報が、解析情報管理DB3001に既に記憶されており、所定の更新条件を満たす場合には、記憶・読出し部39は、ステップS1で受信した位置情報、付加情報と対応付けて、ステップS1で受信した測定情報を解析情報管理DB3001に記憶させて更新する(ステップS2)。
【0123】
通信部31は、ステップS2で記憶または更新された測定情報を、位置情報と一次解析要求と対応付けて解析装置5へ送信し、解析装置5の通信部51は、これらの情報を受信する(ステップS3)。
【0124】
解析部56は、ステップS3で受信した一次解析要求に基づき、ステップS3で受信した測定情報を一次解析して、一次解析情報を位置情報および測定情報と対応付けて記憶部5000に記憶させる(ステップS4)。
【0125】
通信部51は、ステップS4で解析した一次解析情報を、ステップS3で受信した位置情報と対応付けて管理装置3へ送信し、管理装置3の通信部31は、これらの情報を受信する(ステップS5)。
【0126】
ステップS5で受信した位置情報および一次解析情報に対応する位置情報および一次解析情報が、解析情報管理DB3001に記憶されていない場合、記憶・読出し部39は、ステップS5で受信した位置情報と対応付けて、ステップS5で受信した一次解析情報を解析情報管理DB3001に記憶させる。
【0127】
また、ステップS5で受信した位置情報および一次解析情報に対応する位置情報および一次解析情報が、解析情報管理DB3001に既に記憶されている場合、記憶・読出し部39は、ステップS5で受信した位置情報と対応付けて、ステップS5で受信した一次解析情報を解析情報管理DB3001に記憶させて更新する(ステップS6)。ステップS6は、更新ステップの一例である。
【0128】
通信部31は、ステップS6で記憶または更新された一次解析情報を、位置情報と測定情報と対応付けて通信端末1100へ送信し、通信端末1100の通信部1101は、これらの情報を受信する(ステップS7)。
【0129】
表示制御部1203は、ステップS7で受信した一次解析情報を、位置情報および測定情報と対応付けてディスプレイに表示させ(ステップS8)、受付部1102は、ステップS8で表示した一次解析情報に対する二次解析要求を受け付ける(ステップS9)。
【0130】
表示制御部1203は、ディスプレイに表示される地図上の位置情報に対応する位置に、一次解析情報および測定情報を表示してもよく、更新された一次解析情報および測定情報を他の一次解析情報および測定情報に対して識別できるように表示してもよい。
【0131】
通信部1101は、ステップS9で受け付けられた二次解析要求を、位置情報と対応付けて管理装置3へ送信し、管理装置3の通信部31は、これらの情報を受信する(ステップS10)。
【0132】
通信部31は、ステップS10で受信した二次解析要求および位置情報を、解析装置5へ送信し、解析装置5の通信部51は、これらの情報を受信する(ステップS11)。
【0133】
解析部56は、ステップS11で受信した二次解析要求および位置情報に基づき、ステップS4で位置情報と対応付けて記憶部5000に記憶されている測定情報を二次解析して、二次解析情報を位置情報および測定情報と対応付けて記憶部5000に記憶させる(ステップS12)。
【0134】
通信部51は、ステップS12で解析した二次解析情報を、ステップS11で受信した位置情報と対応付けて管理装置3へ送信し、管理装置3の通信部31は、これらの情報を受信する(ステップS13)。
【0135】
ステップS13で受信した位置情報および二次解析情報に対応する位置情報および二次解析情報が、解析情報管理DB3001に記憶されていない場合、記憶・読出し部39は、ステップS13で受信した位置情報と対応付けて、ステップS13で受信した二次解析情報を解析情報管理DB3001に記憶させる。
【0136】
また、ステップS13で受信した位置情報および二次解析情報に対応する位置情報および二次解析情報が、解析情報管理DB3001に既に記憶されている場合、記憶・読出し部39は、ステップS13で受信した位置情報と対応付けて、ステップS13で受信した二次解析情報を解析情報管理DB3001に記憶させて更新する(ステップS14)。
【0137】
通信部31は、ステップS14で記憶または更新された二次解析情報を、位置情報と測定情報と対応付けて通信端末1100へ送信し、通信端末1100の通信部1101は、これらの情報を受信する(ステップS15)。
【0138】
表示制御部1203は、ステップS15で受信した二次解析情報を、位置情報および測定情報と対応付けてディスプレイに表示させる(ステップS16)
【0139】
表示制御部1203は、ディスプレイに表示される地図上の位置情報に対応する位置に、二次解析情報および測定情報を表示してもよく、更新された二次解析情報を他の二次解析情報に対して識別できるように表示してもよい。
【0140】
以上において、解析装置5は管理装置3と一体であってもよく、その場合、送受信に係るステップS3、S5、S11およびS13は不要であり、ステップS4およびS12は、管理装置3が備える解析部が実行する。
【0141】
また、通信端末1100または1200は管理装置3と一体であってもよく、その場合、送受信に係るステップS7、S10およびS15は不要であり、ステップS8およびS16は表示制御部33が実行し、ステップS9は受付部32が実行する。
【0142】
以上のように、管理装置3は、路面Rを測定した測定情報を解析要求に基づくことなく解析した一次解析情報と、測定情報を一次解析情報および解析要求に基づき解析した二次解析情報と、を管理することにより、解析要求を受けた後で路面Rを測定する場合に比べて、迅速に解析情報を得ることができるとともに、解析要求を受ける前に予め最終品質で解析する場合に比べて、必要な測定情報について無駄なく効率的に解析情報を得ることができる。
【0143】
特に、移動体6として宅配便等の一般車両を用いる場合は、専用車のようなコストをかけずに、解析要求を受ける前に路面Rを容易に測定することができて、AI等を用いたり、簡単な内容を解析したりすることにより、最終品質で解析する場合に比べて、容易に一次解析情報を得ることができる。
【0144】
そして、ユーザは、更新されない一次解析情報に基づき解析要求を出すか否かを判断する場合に比べて、更新された一次解析情報に基づき解析要求を出すか否かを適切に判断することができる。
【0145】
すなわち、古い一次解析情報では、解析要求の必要性が判断できない場合でも、更新された一次解析情報に基づき、解析要求の必要性を判断することが可能になる。
【0146】
また、管理装置3が、更新された一次解析情報を送信することにより、ユーザは、通信端末1100、1200が受信した更新された一次解析情報を確認して、解析要求を出すか否かを適切に判断することができて、管理装置3は、更新された一次解析情報に基づく適切な解析要求を受信することができる。
【0147】
また、表示制御部33が、一次解析情報をディスプレイ306に表示させることにより、ユーザは、解析要求を出すか否かを適切に判断することができる。
【0148】
すなわち、ユーザは測定情報のみを確認しただけでは、よほど熟練者でないと、解析要求を出すか否かを判断することが困難であるが、測定情報を簡易解析した一次解析情報を確認することにより、解析要求を出すか否かを適切に判断することができる。
【0149】
なお、表示制御部33が、測定情報と一次解析情報を対応付けてディスプレイ306に表示させることにより、ユーザは、解析要求を出すか否かをより適切に判断することができる。
【0150】
また、表示制御部33が、更新された一次解析情報をディスプレイ306に表示させることにより、ユーザは、更新された一次解析情報を確認して、解析要求を出すか否かを適切に判断することができて、受付部32は、更新された一次解析情報に基づく適切な解析要求を受け付けることができる。
【0151】
図11は、測定情報の更新処理を示すフローチャートであり、図10のステップS2に対応する具体的な処理を示す。
【0152】
判断部34が、ステップS1で受信した位置情報および測定情報に対応する位置情報および測定情報が、解析情報管理DB3001に記憶されていないと判断した場合(ステップ21)、記憶・読出し部39は、ステップS1で受信した位置情報、付加情報と対応付けて、ステップS1で受信した測定情報を解析情報管理DB3001に記憶させる(ステップS22)。
【0153】
一方、ステップS21で、受信した位置情報および測定情報に対応する位置情報および測定情報が解析情報管理DB3001に既に記憶されていると判断した場合、判断部34は、ステップS1で受信した位置情報に対応付けられた二次解析情報が、解析情報管理DB3001に記憶されているか判断する(ステップS23)。
【0154】
これにより、路面Rの位置に応じて、新たに測定情報を記憶させたり、既存の測定情報を更新することができるため、路面Rの位置に応じて、新たに一次解析情報を記憶させたり、既存の一次解析情報を更新させることができる。
【0155】
ステップS23で、二次解析情報が解析情報管理DB3001に既に記憶されていると判断した場合、判断部34は、解析情報管理DB3001に記憶されている二次解析情報に対応する測定情報の測定日に対して、ステップS1で受信した測定情報の測定日が所定日数以上経過しているか判断する(ステップS24)。
【0156】
ステップS24で、所定日数以上経過していない場合には、処理を終了し、所定日数以上経過している場合には、記憶・読出し部39は、ステップS1で受信した位置情報、付加情報と対応付けて、ステップS1で受信した測定情報を解析情報管理DB3001に記憶させて更新する(ステップS27)。
【0157】
これにより、既に記憶されている二次解析情報に対応する測定情報の測定日に対して、ステップS1で受信した測定情報の測定日が所定日数以上経過していない場合には、路面Rが経年劣化している可能性は低いと見做して、測定情報を更新しないため、不必要に一次解析情報を解析して更新させることが防止される。
【0158】
一方、既に記憶されている二次解析情報に対応する測定情報の測定日に対して、ステップS1で受信した測定情報の測定日が所定日数以上経過している場合には、路面Rが経年劣化している可能性が高いと見做して、測定情報を更新するため、路面Rが経年劣化していることを一次解析情報から確認することが可能になる。
【0159】
ステップS27で測定情報が更新された場合、図10のステップS2~S6で説明したように、一次解析情報も更新される。
【0160】
ステップS23で、二次解析情報が解析情報管理DB3001に記憶されていないと判断した場合、判断部34は、ステップS1で受信した測定情報が所定の更新条件を満たしているか判断する(ステップS25)。
【0161】
ステップS25で更新条件を満たしている場合は、ステップS27へ移行して、記憶・読出し部39は、ステップS1で受信した位置情報、付加情報と対応付けて、ステップS1で受信した測定情報を解析情報管理DB3001に記憶させて更新する。
【0162】
これにより、受信した付加情報が所定の更新条件を満たす場合には、測定情報を更新することにより、一次解析情報を解析して更新させることができる。
【0163】
具体的には、既に記憶されている測定情報の測定時間が夕方であったのに対して、ステップS1で受信した測定情報の測定時間が昼間だった場合、昼間の方が測定精度がよいと見做して、更新条件を満たすものとする。
【0164】
また、既に記憶されている測定情報の測定時の天候が雨天であったのに対して、ステップS1で受信した測定情報の測定時の天候が晴天だった場合、晴天の方が測定精度がよいと見做して、更新条件を満たすものとする。
【0165】
すなわち、精度のよい測定情報に更新することにより、精度のよい一次解析情報を解析することができる。
【0166】
一方、ステップS25で更新条件を満たしていない場合は、判断部34は、ステップS1で受信した付加情報が所定の更新条件を満たしているか判断する(ステップS26)。
【0167】
ステップS26で更新条件を満たしている場合は、ステップS27へ移行して、記憶・読出し部39は、ステップS1で受信した位置情報、付加情報と対応付けて、ステップS1で受信した測定情報を解析情報管理DB3001に記憶させて更新し、ステップS26で更新条件を満たしていない場合は、処理を終了する。
【0168】
●まとめ●
[第1態様]
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の一例であるデータ取得装置9は、移動体6に設置された撮影装置7により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を示す位置情報2011~2041を表示する表示画面2000を生成する生成部83を備える。
【0169】
これにより、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を容易に確認できるため、当該撮影位置における再撮影を容易に行うことができる。
【0170】
[第2態様]
第1態様において、位置情報2011~2041は、地図上の位置を示し、表示画面2000は、地図2100に位置情報2011~2041を重畳して表示する。
【0171】
これにより、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を地図上で容易に確認することができる。なお、位置情報2011~2041は、地図上に重畳して表示されるものに限られず、例えば、緯度や経度を文字情報で示すものでもよく、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置の近傍の構造物等の目印を示すものであってもよい。
【0172】
[第3態様]
第2態様において、表示画面2000は、対象領域を移動体6の移動方向に沿って複数の撮影領域に分けて撮影装置7により撮影した地図2100上の経路を示す経路情報2010~2070と、位置情報2011~2041と、を地図2100に重畳して表示する。
【0173】
これにより、対象領域の経路における、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を容易に確認することができる。
【0174】
[第4態様]
第1~第3態様の何れかにおいて、所定の条件は、複数の条件を含み、表示画面2000は、複数の条件における何れかの条件を示す条件情報を含む確認情報2011C~2041Cを、位置情報2011~2041に対応付けて表示する。
【0175】
これにより、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置について、複数の条件におけるどの条件を満たさないかを確認することができる。
【0176】
[第5態様]
第1~第4態様の何れかにおいて、位置情報2011~2041が示す位置における撮影時間を示す時間情報を含む確認情報2011C~2041Cを、位置情報2011~2041に対応付けて表示する。
【0177】
これにより、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置について、撮影時間に基づき所定の条件を満たさない原因を判断することが可能になる。
【0178】
[第6態様]
第1~第5態様の何れかにおいて、位置情報2041が示す位置における構造物を示す構造物情報を含む確認情報2041Cを、位置情報2041に対応付けて表示する。
【0179】
これにより、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置について、トンネル等の構造物の有無に基づき所定の条件を満たさない原因を判断することが可能になる。
【0180】
[第7態様]
第1~第6態様の何れかにおいて、位置情報2041が示す位置において、撮影装置により再度撮影しても、所定の条件を満たさないことを予測する予測情報を含む確認情報2041Cを、位置情報2041に対応付けて表示する。
【0181】
これにより、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置について、再度撮影することによる無駄な工数を低減することが可能になる。
【0182】
[第8態様]
第1~第7態様の何れかにおいて、所定の条件を満たすか否かは、撮影画像を画像解析することが可能か否かにより判断される。
【0183】
これにより、撮影画像を画像解析する前に、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を確認して、当該撮影位置で再度撮影することにより、撮影画像を画像解析する際に、対象となる撮影画像が欠落する事態を防止できる。
【0184】
[第9態様]
第1~第8態様の何れかにおいて、所定の条件を満たすか否かは、撮影画像の輝度を示す輝度情報に基づき判断される。
【0185】
これにより、輝度が所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を確認して、当該撮影位置で再度撮影することにより、輝度が所定の条件を満たす撮影画像を得ることが可能になる。
【0186】
[第10態様]
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、移動体に設置された撮影装置により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を示す位置情報2011~2041を表示する表示画面2000を生成する生成ステップS41を実行する。
【0187】
[第11態様]
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、移動体に設置された撮影装置により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を示す位置情報2011~2041を表示部に表示する表示ステップS41を実行する。
【0188】
[第12態様]
本発明の一実施形態に係るプログラムは、第10または11態様の情報処理方法をコンピュータに実行させる。
【0189】
[第13態様]
本発明の一実施形態に係る撮影システムの一例である移動体システム60は、移動体6に設置された撮影装置7を備え、撮影装置7により撮影され、所定の条件を満たさない撮影画像の撮影位置を示す位置情報2011~2041を外部PC930の表示部に表示させる表示制御部82を備える。
【0190】
[第14態様]
第13態様において、位置情報2011~2041を表示する表示画面2000を生成する生成部83を備え、表示制御部82は、表示画面2000を外部PC930の表示部に表示させる。
【0191】
[第15態様]
本発明の一実施形態に係る解析システムの一例である状態検査システム1は、第13または14態様記載の移動体システム60と、撮影画像を解析する解析装置5と、を備え、所定の条件を満たすか否かは、解析装置5により撮影画像を画像解析することが可能か否かにより判断される。
【0192】
●補足●
上記で説明した実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本実施形態における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)および従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0193】
1 状態検査システム(情報処理システムの一例)
3 管理装置
4 解析システム
5 解析装置(情報処理装置の一例)
6 移動体
7 撮影装置
8 センサ装置
8 GNSSセンサ
9 データ取得装置(通信端末の一例)
92 判断部
93 撮影装置制御部(角度変更部の一例)
96 センサデータ取得部(距離情報取得部、位置情報取得部の一例)
31 通信部(受信手段の一例)
32 受付部(操作受付手段の一例)
33 表示制御部(表示制御手段の一例)
34 判断部
35 評価対象データ生成部(評価対象データ生成手段の一例)
36 検出部(検出手段の一例)
38 レポート生成部(評価情報生成手段の一例)
39 記憶・読出部(更新手段の一例)
3001 解析情報管理DB
51 通信部(送信手段の一例)
52 判断部(位置生成手段の一例)
54 生成部(画像生成手段の一例)
55 設定部(設定手段の一例)
56 解析部(解析手段の一例)
59 記憶・読出部(記憶制御手段の一例)
60 移動体システム(撮影システムの一例)
71、72 第1、第2の撮影装置
1100 通信端末(端末装置の一例)
1200 通信端末(端末装置の一例)
2000 表示画面
2010、2020、2030、2040、2060、2070 経路情報
2011、2031、2041 位置情報
2011C、2031C、2041C 確認情報(条件情報、時間情報、構造物情報、および予測情報)
2100 地図
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11