(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024057952
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】運搬装置
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20240418BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20240418BHJP
B62B 5/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B66F9/24 L
B62B3/02 Z
B62B5/00 F
B66F9/24 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164964
(22)【出願日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川邊 博史
【テーマコード(参考)】
3D050
3F333
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB06
3D050DD01
3D050GG01
3D050KK02
3D050KK13
3F333AA02
3F333AE02
3F333FA04
3F333FA05
3F333FA20
3F333FA21
3F333FA25
3F333FD01
3F333FD07
3F333FD11
3F333FD14
3F333FD15
3F333FE04
3F333FE05
3F333FE08
(57)【要約】
【課題】台車等の運搬対象物の回収に適切なAGVのフォーク幅で回収動作できる運搬装置を提供する。
【解決手段】本発明は、運搬装置であって、台車の台車幅を算出する台車幅算出部と、前記台車の車輪の端部間の車輪端部間距離を算出する車輪端部間距離算出部と、前記台車幅と前記車輪端部間距離に基づいて、前記運搬装置のフォーク幅を算出するフォーク幅算出部と、算出した前記フォーク幅に基づいて前記運搬装置のフォークの幅を変更するフォーク幅制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬装置であって、
台車の台車幅を算出する台車幅算出部と、
前記台車の車輪の端部間の車輪端部間距離を算出する車輪端部間距離算出部と、
前記台車幅と前記車輪端部間距離に基づいて、前記運搬装置のフォーク幅を算出するフォーク幅算出部と、
算出した前記フォーク幅に基づいて前記運搬装置のフォークの幅を変更するフォーク幅制御部と、
を有する運搬装置。
【請求項2】
前記運搬装置から前記台車のかご部までの第一の距離データを取得する第一のセンサを有し、
前記台車幅算出部は、前記第一のセンサで得られた前記第一の距離データに基づいて前記台車の台車幅を算出する、請求項1に記載の運搬装置。
【請求項3】
前記運搬装置から前記台車の車輪部までの第二の距離データを取得する第二のセンサを有し、
前記車輪端部間距離算出部は、前記第二のセンサで得られた前記第二の距離データに基づいて前記車輪端部間距離を算出する、請求項2に記載の運搬装置。
【請求項4】
前記フォーク幅算出部は、前記第一のセンサを用いた前記台車幅の算出と、前記第二のセンサを用いた前記車輪端部間距離の算出を、前記台車の種類に応じて切り替える、請求項3に記載の運搬装置。
【請求項5】
前記フォーク幅算出部は、前記車輪端部間距離が前記台車幅よりも大きい場合、前記フォーク幅を前記車輪端部間距離に設定する、請求項1から4のいずれか一に記載の運搬装置。
【請求項6】
前記フォーク幅算出部は、前記車輪端部間距離が前記台車幅よりも小さい場合、前記フォーク幅を前記台車幅に設定する、請求項1から4のいずれか一に記載の運搬装置。
【請求項7】
前記フォーク幅算出部は、前記第一のセンサを用いた前記台車幅の算出、および前記第二のセンサを用いた前記車輪端部間距離の算出のどちらも算出できない場合に、前記フォーク幅を算出せず異常を報知する、請求項3または4に記載の運搬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場または物流倉庫等では、パレットまたは台車等を使用して物を搬送することが一般的である。また、工場または物流倉庫等内では、様々な形態の台車等が混在している事例が多くあり、かご台車または6輪台車等が存在する。これらの複数の形状の台車とパレットの両方を搬送できるリフタータイプのAGV(Automatic Guided Vehicle)等の運搬装置が開発されている。
【0003】
AGV等によるパレットまたは台車等の運搬対象物の回収動作において、AGVは、運搬対象物の付近までは上位システム等からの指示を受けて走行を行う。そして、実際に台車またはパレットが置かれている位置または角度に合わせてのアプローチ動作においては、AGVが、運搬対象物の検出を行い、その位置を微調整している。台車等の運搬対象物の検出においては、測距センサ(LRF(Laser Range Finder)等)を用いて、台車のフレームまたは台車等に装着された識別板を検出し、台車の位置、角度、幅を求めることが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背の低い台車、識別板を装着できない台車等の場合には、台車を検出することができない。また、台車の車輪が、かご部からはみ出しているような場合、台車の回収時にAGVのフォーク部が台車の車輪に接触し、台車を押し出してしまう等、適切なフォーク幅で台車の回収動作を行うことができない。
【0005】
本発明は、台車等の運搬対象物の回収に適切なAGVのフォーク幅で回収動作できる運搬装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、運搬装置であって、台車の台車幅を算出する台車幅算出部と、前記台車の車輪の端部間の車輪端部間距離を算出する車輪端部間距離算出部と、前記台車幅と前記車輪端部間距離に基づいて、前記運搬装置のフォーク幅を算出するフォーク幅算出部と、算出した前記フォーク幅に基づいて前記運搬装置のフォークの幅を変更するフォーク幅制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、台車等の運搬対象物の回収に適切なAGVのフォーク幅で回収動作できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施の形態にかかる運搬装置の一例の斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態にかかる運搬装置の一例の側面図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態にかかる運搬装置の一例の上面図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態にかかる運搬装置の一例の正面図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態にかかる運搬装置の運搬対象物の一例であるかご台車の斜視図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態にかかる運搬装置の上面測距センサを用いたかご台車の検出範囲の一例の鳥瞰図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態にかかる運搬装置の上面測距センサを用いたかご台車の検出範囲の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態にかかる運搬装置の側面測距センサを用いたかご台車の検出範囲の一例の鳥瞰図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態にかかる運搬装置の側面測距センサを用いたかご台車の検出範囲の一例を説明するための図である。
【
図10-1】
図10-1は、本実施の形態にかかる運搬装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図10-2】
図10-2は、本実施の形態にかかる運搬装置によるかご台車の回収動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、運搬装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
まず、
図1~4を用いて、本実施の形態にかかる運搬装置の構成の一例について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる運搬装置の一例の斜視図である。
図2は、本実施の形態にかかる運搬装置の一例の側面図である。
図3は、本実施の形態にかかる運搬装置の一例の上面図である。
図4は、本実施の形態にかかる運搬装置の一例の正面図である。なお、後述する前後方向とは、
図2の左右方向を指し、左方向を前方、右方向を後方とする。後述する上下方向とは、
図2の上下方向を指すものとする。後述する左右方向とは、
図3の上下方向を指し、
図3の上方向を右方向、
図3の下方向を左方向とする。また、他の図面において前後方向、上下方向、および左右方向を説明する際は、
図2または
図3に対応した方向を指すものとする。
【0011】
運搬装置1は、本体2と、駆動車輪3と、駆動モータ4と、一対の従動車輪5と、一対のフォーク6と、昇降装置7と、昇降モータ8と、開閉装置9と、開閉モータ10と、側面測距センサ11と、演算装置12と、牽引部13と、上面測距センサ14と、を備える。
【0012】
駆動車輪3は、進行方向が可変の車輪である。駆動モータ4は、駆動車輪3を駆動する。駆動モータ4は、例えば、
図1に示すように、一対の駆動車輪3のそれぞれに個別に設置されても良い。駆動車輪3および駆動モータ4は、1個ずつ設けられていても良い。
【0013】
一対のフォーク6は、本体2から後方側に延在する長尺上の部材である。一対のフォーク6のそれぞれは、所定の間隔を空けて平行に配置されている。一対のフォーク6は、駆動車輪3の後方に設けられる。一対のフォーク6は、運搬対象物としてのパレットを持ち上げるためのものである。
【0014】
一対の従動車輪5は、一対のフォーク6のそれぞれの先端に設けられる。すなわち、一対の従動車輪5も、駆動車輪3の後方に設けられる。従動車輪5は、前後方向に対して垂直な方向に沿った回転軸を有する。
【0015】
昇降装置7は、一対のフォーク6を上下方向に沿って昇降させる。昇降モータ8は、昇降装置7を駆動する。開閉装置9は、一対のフォーク6および当該フォーク6に設けられる一対の従動車輪5の間隔を可変にする。開閉モータ10は、開閉装置9を駆動する。
【0016】
側面測距センサ11は、例えば、深度カメラ、測域センサ、3D-LiDAR等がある。この側面測距センサ11は、フォーク6に設置され、フォーク6と共に上下方向および前後方向に可動であっても良い。具体的には、側面測距センサ11は、運搬装置1からかご台車(台車の一例)20(
図5参照)の車輪部の一例である車輪22(
図5参照)までの距離データ(第二の距離データの一例)を検出(取得)する第二のセンサの一例である。本実施の形態では、側面測距センサ11は、運搬装置1の側面(例えば、運搬装置1の左右の面の下部)に設けられ、運搬装置1から車輪22までの距離データを検出する。
【0017】
演算装置12は、駆動モータ4を用いて運搬装置1の走行動作を制御する。また、演算装置12は、昇降モータ8および開閉モータ10を用いて一対のフォーク6の昇降開閉動作を制御する。
【0018】
牽引部13は、運搬対象物としてのかご台車20を牽引するためのものであり、フォーク6と共に上下方向に昇降する。
【0019】
上面測距センサ14は、側面測距センサ11と同様のものである。この上面測距センサ14は、本体2に設置される。具体的には、上面測距センサ14は、運搬装置1からかご台車20のかご部21(
図5参照)までの距離データ(第一の距離データ)を検出(取得)する第一のセンサの一例である。本実施の形態では、上面測距センサ14は、運搬装置1の上面に設けられ、運搬装置1からかご部21までの距離データを検出する。
【0020】
次に、
図5を用いて、本実施の形態にかかる運搬装置1により回収するかご台車20の一例について説明する。
図5は、本実施の形態にかかる運搬装置の運搬対象物の一例であるかご台車の斜視図である。
【0021】
AGV等の運搬装置1の運搬対象物であるかご台車20は、かご部21と、複数の車輪22と、底面部23と、を有する。運搬装置1は、牽引部13に、底面部23を引っかけてかご台車20を牽引する。また、運搬装置1は、フォーク6に底面部23を載せて運搬することも可能である。
【0022】
次に、
図6および
図7を用いて、本実施の形態にかかる運搬装置1の上面測距センサ14によるかご台車20の検出処理の一例について説明する。
図6は、本実施の形態にかかる運搬装置の上面測距センサを用いたかご台車の検出範囲の一例の鳥瞰図である。
図7は、本実施の形態にかかる運搬装置の上面測距センサを用いたかご台車の検出範囲の一例を説明するための図である。
【0023】
運搬対象物であるかご台車20の付近まで運搬装置1が走行後、上面測距センサ14は、かご台車20の検出を実施する。上面測距センサ14は、AGV等の運搬装置1の上面に取り付けられており、運搬装置1からかご部21までの距離データを取得する。取得した距離データは、運搬装置1から、かご部21の高さまでの距離データである。また、取得した距離データは、運搬装置1から、かご部21を構成するフレームまでの距離データであっても良い。後述する台車幅算出部121(
図10-1参照)によるかご台車20の位置、傾き、および幅の算出の精度を向上させる為に、かご部21に検出用の識別板を取り付け、かご台車20内の荷物に依存しない検出とすることもできる。ただし、かご部21の高さが上面測距センサ14より低いかご台車20の位置、傾き、および幅の算出はできない。
【0024】
次に、
図8および
図9を用いて、本実施の形態にかかる運搬装置1の側面測距センサ11によるかご台車20の検出処理の一例について説明する。
図8は、本実施の形態にかかる運搬装置の側面測距センサを用いたかご台車の検出範囲の一例の鳥瞰図である。
図9は、本実施の形態にかかる運搬装置の側面測距センサを用いたかご台車の検出範囲の一例を説明するための図である。
【0025】
運搬対象物の一例であるかご台車20の付近までAGV等の運搬装置1が走行後、側面測距センサ11を用いてかご台車20の検出を実施する。側面測距センサ11は、AGV等の運搬装置1の側面下部に取り付けられており、運搬装置1からかご台車20の車輪22までの距離データを取得する。ここで、取得した距離データは、運搬装置1から、車輪22の高さまでの距離データである。また、取得した距離データには、車輪22までの距離が含まれる。側面測距センサ11は、車輪22の位置および車輪端部間の距離を算出可能とする。
【0026】
かご台車20に備え付けられる車輪22を検出するため、側面測距センサ11は、上面測距センサ14とは異なり、かご部21の高さによらず、車輪22を検出可能ではあるが、車輪22の向きとかご台車20の向きは、関連性が無いため、かご台車20の傾きを検出することはできない。
【0027】
次に、
図10-1を用いて、本実施の形態にかかる運搬装置1の機能構成の一例について説明する。
図10-1は、本実施の形態にかかる運搬装置の機能構成の一例を示す図である。
【0028】
本実施の形態では、運搬装置1の演算装置12は、台車幅算出部121、車輪端部間距離算出部122、フォーク幅算出部123、およびフォーク幅制御部124を有する。
【0029】
台車幅算出部121は、かご台車20の幅である台車幅を算出する台車幅算出部の一例である。本実施の形態では、台車幅算出部121は、上面測距センサ14で得られた距離データに基づいて、かご台車20の幅である台車幅を算出する。
【0030】
車輪端部間距離算出部122は、かご台車20の車輪22の端部間の距離(以下、車輪端部間距離という)を算出する車輪端部間距離算出部の一例である。本実施の形態では、車輪端部間距離算出部122は、側面測距センサ11で得られた距離データに基づいて、車輪端部間距離を算出する。
【0031】
フォーク幅算出部123は、台車幅および車輪端部間距離に基づいて、運搬装置1が有する一対のフォーク6の幅であるフォーク幅を算出するフォーク幅算出部の一例である。具体的には、フォーク幅算出部123は、台車幅および車輪端部間距離に基づいて、かご台車20を回収可能なフォーク幅を算出する。
【0032】
本実施の形態では、フォーク幅算出部123は、車輪端部間距離が台車幅よりも大きい場合、フォーク幅を車輪端部間距離に設定しても良い。また、本実施の形態では、フォーク幅算出部123は、車輪端部間距離が台車幅よりも小さい場合、フォーク幅を台車幅に設定しても良い。
【0033】
また、フォーク幅算出部123は、上面測距センサ14を用いた台車幅の算出と、側面測距センサ11を用いた車輪端部間距離の算出を、かご台車29の種類に応じて切り替えても良い。例えば、背の低いかご台車20、識別板を取り付けられないかご台車20等の場合、フォーク幅算出部123は、予め、側面測距センサ11のみを用いた車輪端部間距離の算出にすることも可能である。一方、車輪22付近がラッピングされる等、車輪端部間距離を算出できない構成のかご台車20の場合、フォーク幅算出部123は、予め、上面測距センサ14のみを用いた台車幅の算出にすることも可能である。これにより、台車幅および車輪端部間距離の誤算出を防止し、かつ台車幅および車輪端部間距離の算出時間を削減することができる。
【0034】
さらに、フォーク幅算出部123は、上面測距センサ14を用いた台車幅の算出、および側面測距センサ11を用いた車輪端部間距離の算出のどちらも算出できない場合に、フォーク幅を算出せず異常を報知する。例えば、フォーク幅算出部123は、運搬装置1が有する表示部に、フォーク幅を算出できない旨を表示しても良い。または、例えば、フォーク幅算出部123は、運搬装置1がスピーカから、フォーク幅を算出できない旨の音を出力しても良い。
【0035】
フォーク幅制御部124は、フォーク幅算出部123により算出されるフォーク幅に基づいて、運搬装置1の一対のフォーク6の幅であるフォーク幅を変更するフォーク幅制御部の一例である。これにより、かご台車20等の運搬対象物の幅を検出するセンサと、かご台車20等の運搬対象物の車輪端部間の距離を検出するセンサと、の2つの検出結果を用いて、かご台車20等の運搬対象物の回収に適切な運搬装置1のフォーク幅で運搬対象物の回収動作できる。
【0036】
次に、
図10-2を用いて、本実施の形態にかかる運搬装置1によるかご台車20の回収動作の流れの一例について説明する。
図10-2は、本実施の形態にかかる運搬装置によるかご台車の回収動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【0037】
まず、AGV等の運搬装置1の演算装置12は、かご台車20の付近まで運搬装置1を移動させる(ステップS101)。この際、演算装置12は、AGV等の運搬装置1の上位システムで管理する地図情報に基づいて、かご台車20の付近まで運搬装置1の移動を行う。なお、前述の図では、かご台車20の正面に、AGV等の運搬装置1が移動しているが、上面測距センサ14および側面測距センサ11の検出範囲内に移動すれば、かご台車20の正面への移動であることには限らない。
【0038】
次に、台車幅算出部121は、上面測距センサ14を用いて、運搬装置1からかご台車20のかご部21までの距離データを取得する(ステップS102)。また、台車幅算出部121は、上面測距センサ14により取得した距離データを用いて、かご台車20の位置、傾き、および台車幅を算出する(ステップS103)。
【0039】
また、車輪端部間距離算出部122は、側面測距センサ11を用いて、運搬装置1からかご台車20の車輪22までの距離データを取得する(ステップS104)。そして、車輪端部間距離算出部122は、側面測距センサ11により取得した距離データを用いて、かご台車20の車輪位置、車輪端部間距離を算出する(ステップS105)。
【0040】
次に、フォーク幅算出部123は、上面測距センサ14と側面測距センサ11の両方でかご台車20を検出できたかを判定する(ステップS106)。言い換えると、フォーク幅算出部123は、台車幅および車輪端部間距離の両方を算出できたか否かを判定する。上面測距センサ14および側面測距センサ11の両方でかご台車20を検出できた場合(ステップS106:Yes)、台車幅および車輪端部間距離の両方が算出できた場合、フォーク幅算出部123は、ステップS108に示す処理に進む。一方、上面測距センサ14および側面測距センサ11の両方でかご台車20を検出できない場合(ステップS106:No)、言い換えると、台車幅および車輪端部間距離の両方が算出できない場合、フォーク幅算出部123は、ステップS107に示す処理に進む。
【0041】
ステップS107において、フォーク幅算出部123は、上面測距センサ14および側面測距センサ11のどちらかでも(少なくとも一方)で、かご台車20を検出できたか否かを判定する。上面測距センサ14および側面測距センサ11のどちらかでもかご台車20を検出できた場合(ステップS107:Yes)、フォーク幅算出部123は、ステップS111に示す処理に進む。一方、上面測距センサ14および側面測距センサ11のいずれでもかご台車20を検出できなかった場合(ステップS107:No)、フォーク幅算出部123は、フローを終了する。その際、フォーク幅算出部123は、台車幅および車輪端部間距離のいずれも算出できずフォーク幅を算出できない旨のエラー表示等を別途行っても良い。
【0042】
上面測距センサ14および側面測距センサ11の両方でかご台車20を検出できた場合(ステップS106:Yes)、フォーク幅算出部123は、車輪端部間距離が台車幅より長いか否かを判断する(ステップS108)。車輪端部間距離が台車幅より大きい場合(ステップS108:Yes)、フォーク幅算出部123は、ステップS109に示す処理に進む。一方、車輪端部間距離が台車幅より大きくない場合(ステップS108:No)、フォーク幅算出部123は、ステップS110に示す処理に進む。
【0043】
ステップS109において、フォーク幅算出部123は、AGV等の運搬装置1のフォーク幅を車輪端部間距離に設定する。また、ステップS110において、フォーク幅算出部123は、AGV等の運搬装置1のフォーク幅を台車幅に設定する。また、ステップS111において、フォーク幅算出部123は、フォーク幅を、台車幅または車輪端部間距離に設定する。
【0044】
その後、ステップS112において、フォーク幅制御部124は、一対のフォーク6の幅を、算出したフォーク幅に変更し、かご台車20の回収動作として、かご台車20へのアプローチ動作およびかご台車の持ち上げ動作を実施する。
【0045】
このように、本実施の形態にかかる運搬装置1によれば、かご台車20等の運搬対象物の幅を検出するセンサと、かご台車20等の運搬対象物の車輪端部間の距離を検出するセンサと、の2つの検出結果を用いて、かご台車20等の運搬対象物の回収に適切な運搬装置1のフォーク幅で運搬対象物の回収動作を行うことができる。
【0046】
なお、本実施の形態の運搬装置1で実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の運搬装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0047】
さらに、本実施の形態の運搬装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の運搬装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0048】
本実施の形態の運搬装置1で実行されるプログラムは、上述した各部(台車幅算出部121、車輪端部間距離算出部122、フォーク幅算出部123、およびフォーク幅制御部124)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ(演算装置12)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、台車幅算出部121、車輪端部間距離算出部122、フォーク幅算出部123、およびフォーク幅制御部124が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0049】
1 運搬装置
2 本体
3 駆動車輪
4 駆動モータ
5 従動車輪
6 フォーク
7 昇降装置
8 昇降モータ
9 開閉装置
10 開閉モータ
11 側面測距センサ
12 演算装置
13 牽引部
14 上面測距センサ
20 かご台車
21 かご部
22 車輪
23 底面部
121 台車幅算出部
122 車輪端部間距離算出部
123 フォーク幅算出部
124 フォーク幅制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】