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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000593
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ウォールスルー空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/037 20190101AFI20231226BHJP
   F24F 1/028 20190101ALI20231226BHJP
   F24F 1/02 20190101ALI20231226BHJP
   F24F 7/013 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
F24F1/037
F24F1/028
F24F1/02 441B
F24F1/02 441A
F24F7/013 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099340
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000173809
【氏名又は名称】一般財団法人電力中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】東 朋寛
(72)【発明者】
【氏名】張 莉
【テーマコード(参考)】
3L049
3L050
【Fターム(参考)】
3L049BB10
3L049BB11
3L049BD05
3L050AA08
(57)【要約】
【課題】ウォールスルー空調システムにおいて、換気処理能力の向上、及び、快適性と空調効率を向上させる。
【解決手段】室内熱交換器11、室外熱交換器12、伝熱管の外側に吸着剤が塗布される吸着剤熱交換器13を筐体1の内部に配し、圧縮機14、経路切換え手段、膨張手段を介して所望の状態にされた冷媒が循環されるヒートポンプサイクルを構築し、吸着剤熱交換器13による流通流体の水分の吸着・脱着動作により、冷却除湿の温度制御、水分の補給を不要とした加湿制御を効率よく行い、適切な温度・湿度を保つ。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内熱交換器、室外熱交換器、伝熱管の外側に吸着剤が塗布される吸着剤熱交換器が配される吸着剤熱交換手段とを有し、圧縮手段、経路切換え手段、膨張手段を介して所望の状態にされた冷媒が循環されるヒートポンプサイクルと、
前記ヒートポンプサイクルが収容され、室内流通開口、室外流通開口、窓の室内側の面に臨む窓流通開口を有すると共に、空気の流れを所望状態に設定する送風手段を有し、壁面に沿って配される筐体と、
運転モードの指示の情報に基づいて、前記経路切換え手段の動作を制御すると共に、運転モードの指示の情報に基づいて、前記送風手段の動作を制御する制御手段とを備えた
ことを特徴とするウォールスルー空調システム。
【請求項2】
請求項1に記載のウォールスルー空調システムにおいて、
前記制御手段は、
前記吸着剤熱交換手段を蒸発器として作用させた際に、室内の空気を前記窓流通開口から前記窓の室内側の面に吹き付けるように前記送風手段を動作させる
ことを特徴とするウォールスルー空調システム。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2に記載のウォールスルー空調システムにおいて、
前記ヒートポンプサイクルは、
前記吸着剤熱交換手段の前記吸着剤熱交換器が一つの吸着剤熱交換器で構成され、
前記圧縮手段で圧縮された冷媒の供給を、前記室内熱交換器の一方側、もしくは、前記室外熱交換器の一方側に切換える経路切換え手段と、
前記室外熱交換器の他方側と前記吸着剤熱交換器の一方側とを接続すると共に、第1膨張弁が配された第1冷媒経路と、
前記室内熱交換器の他方側と前記吸着剤熱交換器の他方側とを接続すると共に、第2膨張弁が配された第2冷媒経路とを有し、
前記圧縮手段で圧縮された冷媒が流通することで、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器、前記吸着剤熱交換器が凝縮器として働き、前記圧縮手段で圧縮された冷媒が前記第1膨張弁、前記第2膨張弁で絞られて流通することで、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器、前記吸着剤熱交換器が蒸発器として働く
ことを特徴とするウォールスルー空調システム。
【請求項4】
請求項1もしくは請求項2に記載のウォールスルー空調システムにおいて、
前記ヒートポンプサイクルは、
前記圧縮手段で圧縮された冷媒の供給を、前記室内熱交換器の一方側、もしくは、前記室外熱交換器の一方側に切換える経路切換え手段と、
前記室外熱交換器の他方側と前記吸着剤熱交換手段の一方側とを接続すると共に、第1膨張弁が配された第1冷媒経路と、
前記室内熱交換器の他方側と前記吸着剤熱交換手段の他方側とを接続すると共に、第2膨張弁が配された第2冷媒経路とを有し、
前記吸着剤熱交換手段の前記吸着剤熱交換器が第1吸着剤熱交換器、第2吸着剤熱交換器で構成され、
前記圧縮手段で圧縮された冷媒が流通することで、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器が凝縮器として働き、前記圧縮手段で圧縮された冷媒が前記第1膨張弁、前記第2膨張弁で絞られて流通することで、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器が蒸発器として働くと共に、
前記吸着剤熱交換手段には、
前記経路切換え手段により前記圧縮手段で圧縮された冷媒の流通方向が切り換えられた際に、前記第1吸着剤熱交換器、前記第2吸着剤熱交換器が、凝縮器、蒸発器として働くように経路を制御する経路制御手段が備えられている
ことを特徴とするウォールスルー空調システム。
【請求項5】
請求項4に記載のウォールスルー空調システムにおいて、
前記経路制御手段は、
前記第1吸着剤熱交換器、前記第2吸着剤熱交換器の一方側には、前記第1冷媒経路に接続される第1吸着剤切換え手段が配され、
前記第1吸着剤熱交換器、前記第2吸着剤熱交換器の他方側には、前記第2冷媒経路に接続される第2吸着剤切換え手段が配され、
前記第1吸着剤切換え手段により、前記第1冷媒経路と、前記第1吸着剤熱交換器、前記第2吸着剤熱交換器の一方側との接続が切り換えられ、
前記第2吸着剤切換え手段により、前記第2冷媒経路と、前記第1吸着剤熱交換器、前記第2吸着剤熱交換器の他方側との接続が切り換えられ、
更に、前記第1吸着剤切換え手段、前記第2吸着剤切換え手段により、前記第1吸着剤熱交換器の一方側と、前記第2吸着剤熱交換器の他方側との接続、前記第1吸着剤熱交換器の他方側と、前記第2吸着剤熱交換器の一方側との接続が切り換えられ、
前記第1吸着剤熱交換器の一方側と、前記第2吸着剤熱交換器の他方側との接続、前記第1吸着剤熱交換器の他方側と、前記第2吸着剤熱交換器の一方側との接続が一つの接続経路で構成され、前記接続経路には、第3膨張弁が配され、
前記経路制御手段では、
前記第1吸着剤切換え手段、前記第2吸着剤切換え手段、前記第3膨張弁の動作により、前記第1吸着剤熱交換器が蒸発器、もしくは、凝縮器として、前記第2吸着剤熱交換器が凝縮器、もしくは、蒸発器として、交互に動作される
ことを特徴とするウォールスルー空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプサイクルの空調装置を備えたウォールスルー空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビルの空調装置として、壁際の筐体内に熱交換器類のヒートポンプサイクルを構築する機器が格納され、居住室内の空調を行うウォールスルー空調システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
従来から提案されているウォールスルー空調システムは、筐体内にヒートポンプサイクルの機器が格納されているので、外部からの冷媒や冷温水などの熱源を必要とせずに空調を実施することができる。また、換気機能を有している技術も多く、筐体内のダクト、予め壁面に設けられたダクトを通して、外気導入、室内空気の排気を行うことができる。
【0004】
上述したウォールスルー空調システムでは、ヒートポンプサイクルによる冷却除湿を行っている。このため、除湿時に蒸発温度を下げるため、単位消費電力当たりの空調能力(空調効率)が低下する。そして、吹き出し空気の相対湿度が高くなるのが現状である。加湿時には別途加湿手段が必要であり、加湿用の水分やエネルギーの供給が必要である。更に、換気の処理能力には限界があり、換気量を増加させると空調負荷が増大する問題があった。
【0005】
したがって、ウォールスルー空調システムの分野においては、換気処理能力の向上、及び、快適性と空調効率を向上させることが望まれているのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6809692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、換気処理能力の向上、及び、快適性と空調効率を向上させることができるウォールスルー空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ヒートポンプサイクルの空調装置を備えたウォールスルー空調システムにおいて、空調装置の熱交換器の一つとして、伝熱管の外側に吸着剤(デシカント)が塗布される吸着剤熱交換器を適用し、流体の水分の吸着と脱着を行うことで、除湿時の温度、湿度の調整を行い、換気処理能力の向上、及び、快適性と空調効率の向上を図ったものである。
【0009】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明のウォールスルー空調システムは、室内熱交換器、室外熱交換器、伝熱管の外側に吸着剤が塗布される吸着剤熱交換器が配される吸着剤熱交換手段とを有し、圧縮手段、経路切換え手段、膨張手段を介して所望の状態にされた冷媒が循環されるヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルが収容され、室内流通開口、室外流通開口、窓の室内側の面に臨む窓流通開口を有すると共に、空気の流れを所望状態に設定する送風手段を有し、壁面に沿って配される筐体と、運転モードの指示の情報に基づいて、前記経路切換え手段の動作を制御すると共に、運転モードの指示の情報に基づいて、前記送風手段の動作を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項1に係る本発明では、吸着剤熱交換手段の吸着剤熱交換器による流通流体の水分の吸着・脱着動作により、ドレンの発生しない除湿制御、水分の補給を不要とした加湿制御を効率よく行い、適切な温度・湿度を保つことができる。室内流通開口、室外流通開口、窓の室内側の面に臨む窓流通開口を有しているため、換気処理能力の向上、及び、窓の室内側の面の環境を適切に調整することができる。
【0011】
そして、請求項2に係る本発明のウォールスルー空調システムは、請求項1に記載のウォールスルー空調システムにおいて、前記制御手段は、前記吸着剤熱交換器を蒸発器として作用させた際に、室内の空気を前記窓流通開口から前記窓の室内側の面に吹き付けるように前記送風手段を動作させることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る本発明では、吸着剤熱交換装置の吸着剤熱交換器の吸着動作により空気を除湿して、窓流通開口から窓に向けて除湿空気を吹き出すことで、例えば、暖房時に窓の結露を防止することができる。
【0013】
また、請求項3に係る本発明のウォールスルー空調システムは、請求項1もしくは請求項2に記載のウォールスルー空調システムにおいて、前記ヒートポンプサイクルは、前記吸着剤熱交換手段が一つの吸着剤熱交換器で構成され、前記圧縮手段で圧縮された冷媒の供給を、前記室内熱交換器の一方側、もしくは、前記室外熱交換器の一方側に切換える経路切換え手段と、前記室外熱交換器の他方側と前記吸着剤熱交換器の一方側とを接続すると共に、第1膨張弁が配された第1冷媒経路と、前記室内熱交換器の他方側と前記吸着剤熱交換器の他方側とを接続すると共に、第2膨張弁が配された第2冷媒経路とを有し、前記圧縮手段で圧縮された冷媒が流通することで、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器、前記吸着剤熱交換器が凝縮器として働き、前記圧縮手段で圧縮された冷媒が前記第1膨張弁、前記第2膨張弁で絞られて流通することで、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器、前記吸着剤熱交換器が蒸発器として働くことを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る本発明では、圧縮手段で圧縮された冷媒を流通させることで、室内熱交換器、室外熱交換器、吸着剤熱交換器が凝縮器として働き、圧縮手段で圧縮された冷媒が第1膨張弁、第2膨張弁で絞られて流通することで、室内熱交換器、室外熱交換器、吸着剤熱交換器が蒸発器として働き、冷暖房・除加湿が実施される。
【0015】
また、請求項4に係る本発明のウォールスルー空調システムは、請求項1もしくは請求項2に記載のウォールスルー空調システムにおいて、前記ヒートポンプサイクルは、前記圧縮手段で圧縮された冷媒の供給を、前記室内熱交換器の一方側、もしくは、前記室外熱交換器の一方側に切換える経路切換え手段と、前記室外熱交換器の他方側と前記吸着剤熱交換手段の一方側とを接続すると共に、第1膨張弁が配された第1冷媒経路と、前記室内熱交換器の他方側と前記吸着剤熱交換手段の他方側とを接続すると共に、第2膨張弁が配された第2冷媒経路とを有し、前記吸着剤熱交換手段が第1吸着剤熱交換器、第2吸着剤熱交換器で構成され、前記圧縮手段で圧縮された冷媒が流通することで、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器が凝縮器として働き、前記圧縮手段で圧縮された冷媒が前記第1膨張弁、前記第2膨張弁で絞られて流通することで、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器が蒸発器として働くと共に、前記吸着剤熱交換手段には、前記経路切換え手段により前記圧縮手段で圧縮された冷媒の流通方向が切り換えられた際に、前記第1吸着剤熱交換器、前記第2吸着剤熱交換器が、凝縮器、蒸発器として働くように経路を制御する経路制御手段が備えられていることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る本発明では、圧縮手段で圧縮された冷媒を流通させることで、室内熱交換器、室外熱交換器、吸着剤熱交換器が凝縮器として働き、圧縮手段で圧縮された冷媒が第1膨張弁、第2膨張弁で絞られて流通することで、室内熱交換器、室外熱交換器、吸着剤熱交換器が蒸発器として働き、冷暖房・除加湿が実施される。そして、経路切換え手段により圧縮手段で圧縮された冷媒の流通方向が切り換えられた際に、第1吸着剤熱交換器、第2吸着剤熱交換器が、凝縮器、蒸発器として働き、流通する流体の水分の吸着と脱着とが並行して実施される。
【0017】
また、請求項5に係る本発明のウォールスルー空調システムは、請求項4に記載のウォールスルー空調システムにおいて、前記経路制御手段は、前記第1吸着剤熱交換器、前記第2吸着剤熱交換器の一方側には、前記第1冷媒経路に接続される第1吸着剤切換え手段が配され、前記第1吸着剤熱交換器、前記第2吸着剤熱交換器の他方側には、前記第2冷媒経路に接続される第2吸着剤切換え手段が配され、前記第1吸着剤切換え手段により、前記第1冷媒経路と、前記第1吸着剤熱交換器、前記第2吸着剤熱交換器の一方側との接続が切り換えられ、前記第2吸着剤切換え手段により、前記第2冷媒経路と、前記第1吸着剤熱交換器、前記第2吸着剤熱交換器の他方側との接続が切り換えられ、更に、前記第1吸着剤切換え手段、前記第2吸着剤切換え手段により、前記第1吸着剤熱交換器の一方側と、前記第2吸着剤熱交換器の他方側との接続、前記第1吸着剤熱交換器の他方側と、前記第2吸着剤熱交換器の一方側との接続が切り換えられ、前記第1吸着剤熱交換器の一方側と、前記第2吸着剤熱交換器の他方側との接続、前記第1吸着剤熱交換器の他方側と、前記第2吸着剤熱交換器の一方側との接続が一つの接続経路で構成され、前記接続経路には、第3膨張弁が配され、前記経路制御手段では、前記第1吸着剤切換え手段、前記第2吸着剤切換え手段、前記第3膨張弁の動作により、前記第1吸着剤熱交換器が蒸発器、もしくは、凝縮器として、前記第2吸着剤熱交換器が凝縮器、もしくは、蒸発器として、交互に動作されることを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る本発明では、第1吸着剤切換え手段、第2吸着剤切換え手段、第3膨張弁の動作により、第1吸着剤熱交換器と第2吸着剤熱交換器を、蒸発器、もしくは、凝縮器として交互に動作させ、流通する流体の水分の吸着と脱着とを並行して実施する。
【発明の効果】
【0019】
本発明のウォールスルー空調システムは、吸着剤熱交換手段を用いることで、換気処理能力の向上、及び、快適性と空調効率を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例に係るウォールスルー空調システムの外観を説明する全体構成図である。
図2】本発明の一実施例に係るウォールスルー空調システムの空気流路の系統図である。
図3】本発明の一実施例に係るウォールスルー空調システムの冷媒の回路を説明する冷媒回路図である。
図4】経路切換え手段の動作説明図である。
図5】冷房除湿時の冷媒回路図である。
図6】冷房加湿時の冷媒回路図である。
図7】暖房加湿時の冷媒回路図である。
図8】暖房結露防止時の冷媒回路図である。
図9】循環運転の際の冷媒回路図である。
図10】本発明の他の実施例に係るウォールスルー空調システムの空気流路の系統図である。
図11】本発明の他の実施例に係るウォールスルー空調システムの冷媒回路図である。
図12】吸着剤熱交換手段の動作説明図である。
図13】冷房除湿時の冷媒回路図である。
図14】冷房加湿時の冷媒回路図である。
図15】暖房加湿時の冷媒回路図である。
図16】暖房結露防止時の冷媒回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1図2に基づいて本発明の一実施例に係るウォールスルー空調システムの全体の構成を説明する。図1には本発明の一実施例に係るウォールスルー空調システムのヒートポンプサイクルの空調装置の構成要素の外観を説明する全体構成、図2にはヒートポンプサイクルの空調装置の空気流路を説明するための系統の状態を示してある。
【0022】
図1に示すように、ウォールスルー空調システムは、ヒートポンプサイクルの空調装置が筐体1の中に格納されている。筐体1は、ガラス窓(窓)2を有する壁面3に沿って配置され、室内に空気を供給する給気口4(室内流通開口)、室内の空気を還気する還気口5(室内流通開口)、外に空気を排気する排気口6(室外流通開口)、窓2に空気を吹き付けるために窓2の室内側の面に臨む窓給気口7(窓流通開口)を有している。
【0023】
給気口4からは、室内に向けて給気SAが流通し、還気口5からは、室内からの還気RAが流通し、排気口6からは、室内からの空気が外に排気(排気EA)される。そして、窓給気口7からは、除湿された空気(窓給気WA)が窓2の室内側の面に吹き出され(例えば、暖房時)、窓2の結露が防止される(例えば、暖房時に窓2の結露が防止される)。
【0024】
筐体1の中には、室内熱交換器11、室外熱交換器12、伝熱管の外側に吸着剤(デシカント)が塗布される吸着剤熱交換器13が配された吸着剤熱交換手段が設けられている。そして、圧縮手段としての圧縮機14、後述する経路切換え手段、後述する膨張手段を介して所望の状態にされた冷媒が循環されるヒートポンプサイクルが構築されている。
【0025】
図1図2に示すように、筐体1の中には、空気の流れを所望状態に設定する送風手段として、室内側送風機15、室外側送風機16、吸着剤側送風機17が備えられている。給気SA、外気OA、還気RA、排気EA、窓給気WAの送風経路には、運転状況に応じて適宜開閉制御されるダンパー18が備えられている。
【0026】
吸着剤熱交換器13による流通流体の水分の吸着・脱着動作により、冷却除湿の温度制御、水分の補給を不要とした加湿制御を効率よく行うことができ、適切な温度・湿度を保つことができる。そして、給気口4、還気口5、排気口6、窓2に空気を吹き付けるための窓給気口7を有しているため、換気処理能力の向上、及び、窓の室内側の面の環境を適切に調整することができる。
【0027】
図3図4に基づいてヒートポンプサイクルの冷媒の回路を説明する。図3にはウォールスルー空調システムの冷媒の回路、図4(a)には第1位置における経路切換え手段の状況、図4(b)には第2位置における経路切換え手段の状況を示してある。
【0028】
図3に示すように、圧縮機14で圧縮された冷媒(圧縮冷媒)が送られて経路を切り換える経路切換え手段21が備えられ、経路切換え手段21を介して、室外熱交換器12、もしくは、室内熱交換器11のいずれかに圧縮冷媒供給が切り換えられる。つまり、室外熱交換器12の冷媒経路の一方側(図中左側)、及び、室内熱交換器11の冷媒経路の一方側(図中左側)には、それぞれ、経路切換え手段21が接続されている。
【0029】
経路切換え手段21は、室外熱交換器12の一方側(図中左側)につながるポート21a、圧縮機14の出口側につながるポート21b、室内熱交換器11の一方側(図中左側)につながるポート21c、圧縮機14の出口側につながるポート21dが備えられている。経路切換え手段21は、制御手段20の指令により、運転モードに応じて第1位置、第2位置に切換えられる。
【0030】
図4(a)に示すように、第1位置の経路切換え手段21は、ポート21aとポート21bが連通し、ポート21cとポート21dが連通する状態に切り換えられる。これにより、圧縮機14で圧縮された圧縮冷媒が室外熱交換器12に送られ、室内熱交換器11を流通した冷媒が圧縮機14に送られる。即ち、圧縮機14からの冷媒は、図3中時計回り方向に送られる。
【0031】
また、図4(b)に示すように、第2位置の経路切換え手段21は、ポート21aとポート21dが連通し、ポート21bとポート21cが連通する状態に切り換えられる。これにより、圧縮機14で圧縮された圧縮冷媒が室内熱交換器11に送られ、室外熱交換器12を流通した冷媒が圧縮機14に送られる。即ち、圧縮機14からの冷媒は、図3中反時計回り方向に送られる。
【0032】
図3に示すように、室外熱交換器12の他方側(図中右側)には第1冷媒経路23を介して吸着剤熱交換器13の一方側(図中上側)が接続され、第1冷媒経路23には第1膨張弁24が配されている。また、室内熱交換器11の他方側(図中右側)には第2冷媒経路25を介して吸着剤熱交換器13の他方側(図中下側)が接続され、第2冷媒経路25には第2膨張弁26が配されている。
【0033】
第1膨張弁24、第2膨張弁26は、制御手段20の指令により、運転モードに応じて絞り状態と開き状態とに制御される。尚、状況に応じて、第1膨張弁24、第2膨張弁26絞りの度合いが調整され、冷媒の圧力・温度が任意に調整されることもある。
【0034】
上記構成により、室内熱交換器11、室外熱交換器12、吸着剤熱交換器13、圧縮機14、経路切換え手段21、第1膨張弁24、第2膨張弁26は構成されるヒートポンプシステムが構築される。
【0035】
ヒートポンプサイクルの空調装置は吸着剤熱交換器13を備えているため、流通流体の水分の吸着・脱着を行うことができ、ドレンの発生しない除湿制御、水分の補給を不要とした加湿制御を効率良く行い、適切な温度・湿度を保つことができる。そして、換気処理能力を向上させ、例えば暖房運転時には、吸着剤熱交換器13で水分を吸着した空気を窓の室内側の面に吹き付けて窓の結露を防止することができる。
【0036】
つまり、冷房運転時には、蒸発器としての室内熱交換器と吸着剤熱交換器13を用い、除湿運転時には吸着剤熱交換器13による水分の吸着を用い、暖房運転時には凝縮器としての室内熱交換器と吸着剤熱交換器13を用いている。除湿時は、吸着剤熱交換器13により水分を吸着しているため、ドレン配管が不要になり、また、吹出し空気の温度を必要以上に低下させることなく除湿を行うことができる。従って、効率良く空調運転を実施することが可能になる。
【0037】
また、暖房運転時には、吸着剤熱交換器13による水分の脱着を用い、換気運転時には、吸着剤熱交換器13による処理を実施している。加湿運転時は、無給水加湿のため水の供給が不要で、ヒートポンプサイクルの凝縮熱を用いるため省エネルギーとなる。
【0038】
そして、換気運転時は、吸着剤熱交換器13により、潜顕熱処理能力が高く、多くの風量を処理して換気量を増加させることができる。
【0039】
本発明は、ヒートポンプサイクルの空調装置が筐体1の中に格納されたウォールスルー空調システムにおいて、圧縮機14で圧縮された冷媒が流通することで、室内熱交換器11、室外熱交換器12、吸着剤熱交換器13が凝縮器として働き、圧縮機14で圧縮された冷媒が第1膨張弁24、第2膨張弁26で絞られて流通することで、室内熱交換器11、室外熱交換器12、吸着剤熱交換器13が蒸発器として働き、主に、図5から図9に示した運転モードが実施される。
【0040】
図5から図9に基づいて、上記構成のウォールスルー空調システムの運転モードの主な具体例を説明する。
【0041】
図5には冷房除湿モードにおける空調装置の概略系統、図6には冷房加湿モードにおける空調装置の概略系統、図7には暖房加湿モードにおける空調装置の概略系統、図8には暖房結露防止モードにおける空調装置の概略系統、図9には循環モードにおける空調装置の概略系統を示してあり、図5(a)、図6(a)、図7(a)、図9(a)は吸着時の状態、図5(b)、図6(b)、図7(b)、図9(b)は脱着時の状態である。
【0042】
図5に基づいて冷房除湿モードを説明する。
【0043】
図5(a)に示すように、吸着時の冷房除湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第1位置に動作され、第1膨張弁24が絞り状態に動作され、第2膨張弁26が全開状態に動作される。
【0044】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室外熱交換器12を通過し、第1膨張弁24で絞られて吸着剤熱交換器13、第2膨張弁26、室内熱交換器11の順に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、室外熱交換器12が凝縮器として働き、吸着剤熱交換器13、室内熱交換器11が蒸発器として働く。
【0045】
外気OAが吸着剤熱交換器13を通り、水分が吸着されて(除湿されて)室内への給気SAとされる。還気RAが室内熱交換器11を通り、室内への給気SAとされて室内が冷却される。
【0046】
図5(b)に示すように、脱着時の冷房除湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第1位置に動作され、第1膨張弁24が全開状態に動作され、第2膨張弁26が絞り状態に動作される。
【0047】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室外熱交換器12を通過し、第1膨張弁24、吸着剤熱交換器13を通過し、第2膨張弁26で絞られて、室内熱交換器11の順に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、室外熱交換器12、吸着剤熱交換器13が凝縮器として働き、室内熱交換器11が蒸発器として働く。
【0048】
還気RAが吸着剤熱交換器13を通り、水分が脱着されて吸着剤熱交換器13が再生され、室外熱交換器12を通り排気EAとされる。
【0049】
図5(a)の吸着時の運転と、図5(b)の脱着時の運転とを交互に繰り返すことにより、吸着剤熱交換器13による除湿と、吸着剤熱交換器13の再生を行いながら冷房除湿(換気)運転を行うことができる。
【0050】
図6に基づいて冷房加湿モードを説明する。冷房加湿モードは、冬季の暖房負荷が低い場合を想定し、冷房加湿を行うモードとなっている。
【0051】
図6(a)に示すように、吸着時の冷房加湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第1位置に動作され、第1膨張弁24が絞り状態に動作され、第2膨張弁26が全開状態に動作される。
【0052】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室外熱交換器12を通過し、第1膨張弁24で絞られて吸着剤熱交換器13、第2膨張弁26、室内熱交換器11の順に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、室外熱交換器12が凝縮器として働き、吸着剤熱交換器13、室内熱交換器11が蒸発器として働く。
【0053】
還気RAが吸着剤熱交換器13を通り、水分が脱着されて吸着剤熱交換器13が再生され、高湿空気が室外熱交換器12を通り排気EAとされる。還気RAが室内熱交換器11を通り、室内への給気SAとされて室内が冷却される。
【0054】
図6(b)に示すように、脱着時の冷房加湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第1位置に動作され、第1膨張弁24が全開状態に動作され、第2膨張弁26が絞り状態に動作される。
【0055】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室外熱交換器12を通過し、第1膨張弁24、吸着剤熱交換器13を通過し、第2膨張弁26で絞られて、室内熱交換器11の順に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、室外熱交換器12、吸着剤熱交換器13が凝縮器として働き、室内熱交換器11が蒸発器として働く。
【0056】
還気RAが室内熱交換器11を通り、室内への給気SAとされて室内が冷却され、外気OAが吸着剤熱交換器13を通り、水分が脱着され、高湿空気が給気SAとされる。
【0057】
図6(a)の吸着時の運転と、図6(b)の脱着時の運転とを交互に繰り返すことにより、還気RAの水分を吸着剤熱交換器13に吸着すると共に、吸着した水分を外気OAに脱着し、外部からの給水を行うことなく、冷房加湿運転を行うことができる。
【0058】
図7に基づいて暖房加湿モードを説明する。
【0059】
図7(a)に示すように、吸着時の暖房加湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第2位置に動作され、第1膨張弁24が全開状態に動作され、第2膨張弁26が絞り状態に動作される。
【0060】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室内熱交換器11を通過し、第2膨張弁26で絞られて吸着剤熱交換器13、第1膨張弁24、室外熱交換器12の順に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、室外熱交換器12、吸着剤熱交換器13が蒸発器として働き、室内熱交換器11が凝縮器として働く。
【0061】
還気RAが室内熱交換器11を通り、室内への給気SAとされて室内が暖められる。還気RAが吸着剤熱交換器13を通り、水分が吸着されて(除湿されて)室外熱交換器12を通り排気EAとされる。このため、室外熱交換器12の着霜を抑制することができる。
【0062】
尚、第1膨張弁24の絞り度合いを任意の状態に制御することで、室外熱交換器12の能力、外部の環境に応じて、冷媒の圧力・温度を任意に調整し、室外熱交換器12を最適に運用することができる。例えば、冷媒の温度を任意の状態に設定して、室外熱交換器12の着霜を抑制することができる。
【0063】
図7(b)に示すように、脱着時の暖房加湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第2位置に動作され、第1膨張弁24が絞り状態に動作され、第2膨張弁26が全開状態に動作される。
【0064】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室内熱交換器11、吸着剤熱交換器13を通過し、第1膨張弁24で絞られて、室外熱交換器12の順に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、室外熱交換器12が蒸発器として働き、室内熱交換器11、吸着剤熱交換器13が凝縮器として働く。
【0065】
還気RAが室内熱交換器11を通り、室内への給気SAとされて室内が暖められる。外気OAが吸着剤熱交換器13を通り、水分が脱着され、高湿空気が給気SAとされる。外気OAが室外熱交換器12を通り、排気EAとされる。
【0066】
図7(a)の吸着時の運転と、図7(b)の脱着時の運転とを交互に繰り返すことにより、還気RAの水分を吸着剤熱交換器13に吸着すると共に、吸着した水分を外気OAに脱着し、外部からの給水を行うことなく、暖房加湿運転を行うことができる。
【0067】
図8に基づいて暖房結露防止モードを説明する。
【0068】
図8に示すように、吸着時の暖房結露防止モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第2位置に動作され、第1膨張弁24が全開状態に動作され、第2膨張弁26が絞り状態に動作される。
【0069】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室内熱交換器11を通過し、第2膨張弁26で絞られて吸着剤熱交換器13、第1膨張弁24、室外熱交換器12の順に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、室外熱交換器12、吸着剤熱交換器13が蒸発器として働き、室内熱交換器11が凝縮器として働く。
【0070】
還気RAが室内熱交換器11を通り、室内への給気SAとされて室内が暖められる。還気RAが吸着剤熱交換器13を通り、水分が吸着されて(除湿されて)低湿度の空気となり、窓給気WAとされる。これにより、暖房時に窓2(図1参照)の結露が防止される。尚、低湿度の空気を壁面3(図1参照)に適宜供給することで、適切な場所(例えば、湿気が多い場所)の結露を防止することができる。
【0071】
図には示していないが、例えば、中間期における冷房負荷の低い条件の運転では、低温の外気をそのまま室内に導入し、ヒートポンプサイクルを停止して送風機のみの動作で空調を行うことができる。
【0072】
図9に基づいて暖房加湿時の循環モードを説明する。
【0073】
図9(a)に示すように、吸着時の循環モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第2位置に動作され、第1膨張弁24が全開状態に動作され、第2膨張弁26が絞り状態に動作される。
【0074】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室内熱交換器11を通過し、第2膨張弁26で絞られて吸着剤熱交換器13、第1膨張弁24、室外熱交換器12の順に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、室外熱交換器12、吸着剤熱交換器13が蒸発器として働き、室内熱交換器11が凝縮器として働く。
【0075】
還気RAが室内熱交換器11を通り、室内への給気SAとされて室内が暖められる。外気OAが吸着剤熱交換器13を通り、水分が吸着されて、室外熱交換器12を通り排気EAとされる。
【0076】
図9(b)に示すように、脱着時の還気循環モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第2位置に動作され、第1膨張弁24が絞り状態に動作され、第2膨張弁26が全開状態に動作される。
【0077】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室内熱交換器11、吸着剤熱交換器13を通過し、第1膨張弁24で絞られて、室外熱交換器12の順に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、室外熱交換器12が蒸発器として働き、室内熱交換器11、吸着剤熱交換器13が凝縮器として働く。
【0078】
還気RAが室内熱交換器11を通り、室内への給気SAとされて室内が暖められる。還気RAが吸着剤熱交換器13を通り、水分が脱着されて吸着剤熱交換器13が再生され、高湿空気が室内への給気SAとされる。
【0079】
図9(a)の吸着時の運転と、図9(b)の脱着時の運転とを交互に繰り返すことにより、外気の導入を行わず、循環運転を行うことができる。暖房除湿、冷房加湿、冷房除湿の運転においても、外気を導入しない運転を行うことができる。外気を導入しないため、より急速な冷暖房、除湿加湿を行うことが可能になる。
【0080】
図10図11図12に基づいて本発明の他の実施例に係るウォールスルー空調システムを説明する。
【0081】
図10には本発明の他の実施例に係るウォールスルー空調システムのヒートポンプサイクルの空調装置の空気流路を説明するための系統の状態、図11には本発明の他の実施例係るウォールスルー空調システムの冷媒の回路、図12(a)には第1位置における経路制御手段(第1吸着剤切換え手段、第2吸着剤切換え手段、第3膨張弁)の状況、図12(b)には第2位置における経路制御手段(第1吸着剤切換え手段、第2吸着剤切換え手段、第3膨張弁)の状況を示してある。
【0082】
本実施例のウォールスルー空調システムは、吸着剤熱交換手段として、第1吸着剤熱交換器、第2吸着剤熱交換器を備え、経路切換え手段により冷媒の流通方向が切り換えられた際に、第1吸着剤熱交換器、第2吸着剤熱交換器が、凝縮器、蒸発器として働くように経路を制御する経路制御手段(2つの脱着切替弁、第3膨張弁)が備えられている。
【0083】
吸着剤熱交換手段を除く他の構成は図1から図4に示した構成と同一であるため、以下の説明では重複する部分の説明は省略し、吸着剤熱交換手段の構成を説明してある。
【0084】
図10に示すように、吸着剤熱交換手段31が第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33で構成されている。筐体1の中には、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33に対応して2つの吸着剤側送風機17が備えられている。また、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33に対応して、空気経路、及び、ダンパー18が2系統設けられている。
【0085】
図11に示すように、吸着剤熱交換手段31には、経路切換え手段21により圧縮機14で圧縮された冷媒の流通方向が切り換えられた際に、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33が、凝縮器、蒸発器として働くように経路を制御する経路制御手段が備えられている。
【0086】
第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33の一方側(図中上側)には、第1冷媒経路23に接続される第1吸着剤切換え手段34が配されている。第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33の他方側(図中下側)には、第2冷媒経路25に接続される第2吸着剤切換え手段35が配されている。
【0087】
第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35は、制御手段20の指令により、運転モードに応じて第1位置、第2位置に切換えられる(後述する図12参照)。
【0088】
第1吸着剤切換え手段34の一方側(図中上側)と、第2吸着剤熱交換器33の他方側(図中下側)との接続、第1吸着剤熱交換器32の他方側(図中下側)と第2吸着剤熱交換器33の一方側(図中上側)との接続が、一つの接続経路36で構成されている。接続経路36には常時絞り動作される第3膨張弁37が配されている。
【0089】
第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35の切り換えにより、第1冷媒経路23と第2吸着剤熱交換器33の一方側(図中上側)、第2吸着剤熱交換器33の他方側(図中下側)と接続経路36(第3膨張弁37)の下側、接続経路36(第3膨張弁37)の上側と第1吸着剤熱交換器32の一方側(図中上側)、第1吸着剤熱交換器32の他方側(図中下側)と第2冷媒経路25が接続される(第1位置)。
【0090】
また、第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35の切り換えにより、第1冷媒経路23と第1吸着剤熱交換器32の一方側(図中上側)、第1吸着剤熱交換器32の他方側(図中下側)と接続経路36(第3膨張弁37)の下側、接続経路36(第3膨張弁37)の上側と第2吸着剤熱交換器33の一方側(図中上側)、第2吸着剤熱交換器33の他方側(図中下側)と第2冷媒経路25が接続される(第2位置)。
【0091】
即ち、第1吸着剤切換え手段34は、第1冷媒経路23につながるポート34a、第2吸着剤熱交換器33の一方側(図中上側)につながるポート34b、第1吸着剤熱交換器32の一方側(図中上側)につながるポート34c、接続経路36につながるポート34dが備えられている。
【0092】
また、図12に示すように、第2吸着剤切換え手段35は、接続経路36につながるポート35a、第2吸着剤熱交換器33の他方側(図中下側)につながるポート35b、第1吸着剤熱交換器32の他方側(図中下側)につながるポート35c、第2冷媒経路25につながるポート35dが備えられている。
【0093】
図12(a)に示すように、第1位置の第1吸着剤切換え手段34は、ポート34aとポート34bが連通し、ポート34cとポート34dが連通する状態に切り換えられる。第1位置の第2吸着剤切換え手段35は、ポート35aとポート35bが連通し、ポート35cとポート35dが連通する状態に切り換えられる。
【0094】
また、図12(b)に示すように、第2位置の第1吸着剤切換え手段34は、ポート34aとポート34cが連通し、ポート34bとポート34dが連通する状態に切り換えられる。第2位置の第2吸着剤切換え手段35は、ポート35aとポート35cが連通し、ポート35bとポート35dが連通する状態に切り換えられる。
【0095】
第1吸着剤切換え手段34の動作、第2吸着剤切換え手段35の動作、第3膨張弁37の絞り動作により、第1吸着剤熱交換器32が蒸発器、もしくは、凝縮器として、第2吸着剤熱交換器33が凝縮器、もしくは、蒸発器として、交互に動作される。
【0096】
図13から図16に基づいて、上記構成のウォールスルー空調システムの運転モードの主な具体例を説明する。
【0097】
図13には冷房除湿モードにおける空調装置の概略系統、図14には冷房加湿モードにおける空調装置の概略系統、図15には暖房加湿モードにおける空調装置の概略系統、図16には暖房結露防止モードにおける空調装置の概略系統を示してあり、図13(a)、図14(a)、図15(a)は経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)が第1位置の状態、図13(b)、図14(b)、図15(b)は経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)が第2位置の状態である。
【0098】
図13に基づいて冷房除湿モードを説明する。
【0099】
図13(a)に示すように、冷房除湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第1位置に動作され、第1膨張弁24、第2膨張弁26が全開状態に動作される。そして、経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)が第1位置に動作される。
【0100】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室外熱交換器12、第1膨張弁24を通過し、第1吸着剤切換え手段34から第2吸着剤熱交換器33に送られる。これにより、室外熱交換器12、第2吸着剤熱交換器33が凝縮器として働く。
【0101】
第2吸着剤熱交換器33を出た冷媒は、第3膨張弁37で絞られて第1吸着剤熱交換器32に送られ、第2吸着剤切換え手段35から室内熱交換器11に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、第1吸着剤熱交換器32、室内熱交換器11が蒸発器として働く。
【0102】
外気OAが第1吸着剤熱交換器32を通り、水分が吸着されて(除湿されて)室内への給気SAとされる。還気RAが第2吸着剤熱交換器33を通り、第2吸着剤熱交換器33の水分が脱着されて第2吸着剤熱交換器33が再生されて排気EAとされる。そして、還気RAが室内熱交換器11を通り、室内への給気SAとされて室内が冷却される。
【0103】
図13(b)に示すように、冷房除湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第1位置に動作され、第1膨張弁24、第2膨張弁26が全開状態に動作される。そして、経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)が第2位置に動作される。
【0104】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室外熱交換器12、第1膨張弁24を通過し、第1吸着剤切換え手段34から第1吸着剤熱交換器32に送られる。これにより、室外熱交換器12、第1吸着剤熱交換器32が凝縮器として働く。
【0105】
第1吸着剤熱交換器32を出た冷媒は、第3膨張弁37で絞られて第2吸着剤熱交換器33に送られ、第2吸着剤切換え手段35から室内熱交換器11に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、第2吸着剤熱交換器33、室内熱交換器11が蒸発器として働く。
【0106】
外気OAが第2吸着剤熱交換器33を通り、水分が吸着されて(除湿されて)室内への給気SAとされる。還気RAが第1吸着剤熱交換器32を通り、第1吸着剤熱交換器32の水分が脱着されて第1吸着剤熱交換器32が再生されて排気EAとされる。そして、還気RAが室内熱交換器11を通り、室内への給気SAとされて室内が冷却される。
【0107】
経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)の動作を第1位置と第2位置とに交互に繰り返すことで、冷房除湿モードの運転時に、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33での水分の吸着、水分の脱着が並行して実施され、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33により水分の吸脱着を連続して行うことができる。
【0108】
図14に基づいて冷房加湿モードを説明する。冷房加湿モードは、冬期に暖房負荷が低い場合の運転が想定され、冷房加湿を行うことができる。
【0109】
図14(a)に示すように、冷房加湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第1位置に動作され、第1膨張弁24、第2膨張弁26が全開状態に動作される。そして、経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)が第1位置に動作される。
【0110】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室外熱交換器12、第1膨張弁24を通過し、第1吸着剤切換え手段34から第2吸着剤熱交換器33に送られる。これにより、室外熱交換器12、第2吸着剤熱交換器33が凝縮器として働く。
【0111】
第2吸着剤熱交換器33を出た冷媒は、第3膨張弁37で絞られて第1吸着剤熱交換器32に送られ、第2吸着剤切換え手段35から室内熱交換器11に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、第1吸着剤熱交換器32、室内熱交換器11が蒸発器として働く。
【0112】
還気RAが第1吸着剤熱交換器32を通り、水分が吸着されて排気される。外気OAが第2吸着剤熱交換器33を通り、第2吸着剤熱交換器33の水分が脱着されて、高湿空気が室内への給気SAとされて室内が加湿される。
【0113】
図14(b)に示すように、冷房加湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第1位置に動作され、第1膨張弁24、第2膨張弁26が全開状態に動作される。そして、経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)が第2位置に動作される。
【0114】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室外熱交換器12、第1膨張弁24を通過し、第1吸着剤切換え手段34から第1吸着剤熱交換器32に送られる。これにより、室外熱交換器12、第1吸着剤熱交換器32が凝縮器として働く。
【0115】
第1吸着剤熱交換器32を出た冷媒は、第3膨張弁37で絞られて第2吸着剤熱交換器33に送られ、第2吸着剤切換え手段35から室内熱交換器11に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、第2吸着剤熱交換器33、室内熱交換器11が蒸発器として働く。
【0116】
還気RAが第2吸着剤熱交換器33を通り、水分が吸着されて排気される。外気OAが第1吸着剤熱交換器32を通り、第1吸着剤熱交換器32の水分が脱着されて、高湿空気が室内への給気SAとされて室内が加湿される。
【0117】
経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)の動作を第1位置と第2位置とに交互に繰り返すことで、冷房加湿モードの運転時に、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33での水分の吸着、水分の脱着が並行して実施され、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33により水分の吸脱着を連続して行うことができる。
【0118】
図15に基づいて暖房加湿モードを説明する。
【0119】
図15(a)に示すように、暖房加湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第2位置に動作され、第1膨張弁24、第2膨張弁26が全開状態に動作される。そして、経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)が第1位置に動作される。
【0120】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室内熱交換器11、第2膨張弁26を通過し、第2吸着剤切換え手段35から第1吸着剤熱交換器32に送られる。これにより、室内熱交換器11、第1吸着剤熱交換器32が凝縮器として働く。
【0121】
第1吸着剤熱交換器32を出た冷媒は、第3膨張弁37で絞られて第2吸着剤熱交換器33に送られ、第1吸着剤切換え手段34から室外熱交換器12に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、第2吸着剤熱交換器33、室外熱交換器12が蒸発器として働く。
【0122】
還気RAが第2吸着剤熱交換器33を通り、水分が吸着されて排気される。水分が吸着された排気は、低湿度の外気OAとなって室外熱交換器12に送られる。低湿度の外気OAが室外熱交換器12に導入されるため、室外熱交換器12に対する着霜が抑制される。外気OAが第1吸着剤熱交換器32を通り、第2吸着剤熱交換器33の水分が脱着されて、高湿空気が室内への給気SAとされて室内が加湿される。
【0123】
図15(b)に示すように、暖房加湿モードが実施される場合、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第2位置に動作され、第1膨張弁24、第2膨張弁26が全開状態に動作される。そして、経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)が第2位置に動作される。
【0124】
圧縮機14で圧縮された冷媒が室内熱交換器11、第2膨張弁26を通過し、第2吸着剤切換え手段35から第2吸着剤熱交換器33に送られる。これにより、室内熱交換器11、第2吸着剤熱交換器33が凝縮器として働く。
【0125】
第2吸着剤熱交換器33を出た冷媒は、第3膨張弁37で絞られて第1吸着剤熱交換器32に送られ、第1吸着剤切換え手段34から室内熱交換器12に送られ、圧縮機14に循環される。これにより、第1吸着剤熱交換器32、室内熱交換器12が蒸発器として働く。
【0126】
還気RAが第1吸着剤熱交換器32を通り、水分が吸着されて排気される。水分が吸着された排気は、低湿度の外気OAとなって室外熱交換器12に送られる。低湿度の外気OAが室外熱交換器12に導入されるため、室外熱交換器12に対する着霜が抑制される。外気OAが第1吸着剤熱交換器32を通り、第1吸着剤熱交換器32の水分が脱着されて、高湿空気が室内への給気SAとされて室内が加湿される。
【0127】
経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)の動作を第1位置と第2位置とに交互に繰り返すことで、暖房加湿モードの運転時に、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33での水分の吸着、水分の脱着が並行して実施され、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33により水分の吸脱着を連続して行うことができる。
【0128】
尚、第1膨張弁24の絞り度合いを任意の状態に制御することで、室外熱交換器12の能力、外部の環境に応じて、冷媒の圧力・温度を任意に調整し、室外熱交換器12を最適に運用することができる。例えば、冷媒の温度を任意の状態に設定して、室外熱交換器12の着霜を抑制することができる。
【0129】
図16に基づいて暖房結露防止モードを説明する。
【0130】
図16に示すように、暖房結露防止モードが実施される場合、暖房加湿モードと同様に、制御手段20(図3参照)により、経路切換え手段21が第2位置に動作され、第1膨張弁24、第2膨張弁26が全開状態に動作される。そして、経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)が第1位置、第2位置に動作される。
【0131】
蒸発器として働く第1吸着剤熱交換器32、もしくは、第2吸着剤熱交換器33に対して還気RAが送られ、水分が吸着されて低湿度の空気となり、窓給気WAとされる。これにより、暖房時に窓2(図1参照)の結露が防止される。尚、低湿度の空気を壁面3(図1参照)に適宜供給することで、適切な場所(例えば、湿気が多い場所)の結露を防止することができる。
【0132】
経路制御手段(第1吸着剤切換え手段34、第2吸着剤切換え手段35)の動作を第1位置と第2位置とに交互に繰り返すことで、暖房結露防止モードの運転時に、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33での水分の吸着、水分の脱着が並行して実施され、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33により水分の吸脱着を連続して行うことができる。
【0133】
上述したウォールスルー空調システムでは、吸着剤熱交換器13、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33による流通流体の水分の吸着・脱着動作により、冷却除湿の温度制御、水分の補給を不要とした加湿制御を効率よく行い、適切な温度・湿度を保つことができる。そして、給気口4、還気口5、排気口6、窓給気口7、窓2の室内側の面に臨む窓給気口7を有しているため、換気処理能力の向上、及び、窓2の室内側の面の環境を適切に調整することができる。
【0134】
したがって、吸着剤熱交換手段(吸着剤熱交換器13、第1吸着剤熱交換器32、第2吸着剤熱交換器33)を用いることで、ウォールスルー空調システムにおいて、換気処理能力の向上、及び、快適性と空調効率を向上させることが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、ヒートポンプサイクルの空調装置を備えたウォールスルー空調システムの産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0136】
1 筐体
2 ガラス窓(窓)
3 壁面
4 給気口
5 還気口
6 排気口
7 窓給気口
11 室内熱交換器
12 室外熱交換器
13 吸着剤熱交換器
14 圧縮機
15 室内側送風機
16 室外側送風機
17 吸着剤側送風機
18 ダンパー
20 制御手段
21 経路切換え手段
23 第1冷媒経路
24 第1膨張弁
25 第2冷媒経路
26 第2膨張弁
31 吸着剤熱交換手段
32 第1吸着剤熱交換器
33 第2吸着剤熱交換器
34 第1吸着剤切換え手段
35 第2吸着剤切換え手段
36 接続経路
37 第3膨張弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図12
図13
図14
図15
図16