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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059584
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】超音波資格認定システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240423BHJP
   A61B 8/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G06Q50/10
A61B8/00
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174765
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】18/047,346
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】399043060
【氏名又は名称】フジフィルム ソノサイト インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビン ダット
(72)【発明者】
【氏名】ポール ダンセット
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ダフィー
(72)【発明者】
【氏名】高山 英俊
(72)【発明者】
【氏名】井上 知己
(72)【発明者】
【氏名】松本 剛
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE30
4C601GA18
4C601GA24
4C601GA25
4C601GB03
4C601JC06
4C601LL19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自動超音波資格認定のためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】超音波検査者資格認定を超音波検査候補者に対して発行するための資格認定システムであって、超音波システム101は、コンピューティングデバイス102と、コンピューティングデバイスに接続されて超音波データを生成する超音波プローブ103を含む。コンピューティングデバイスは、超音波データに基づいて、自動審査の一部として、超音波検査スコアを生成し、超音波検査スコアに基づいて、超音波検査候補者を自動審査から審査者による手作業審査に転送する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波検査候補者に超音波検査者資格認定を発行するための資格認定システムにおいて、
コンピューティングデバイスに接続され、超音波データを生成する超音波プローブと、
前記コンピューティングデバイスであって、
前記超音波データに基づいて、自動審査の一部として、超音波検査スコアを生成し、
前記超音波検査スコアに基づいて、前記超音波検査候補者を前記自動審査から審査者による手作業審査に転送する前記コンピューティングデバイスと、
を備える資格認定システム。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスは、ニューラルネットワークを実装し、前記自動審査の一部として前記超音波データに基づいて画質スコアを生成し、前記超音波検査スコアは前記画質スコアに基づいている、請求項1に記載の資格認定システム。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスは、
前記超音波データに基づいて、解剖学的構造を判定し、
複数のニューラルネットワークの中から、前記解剖学的構造に基づいて、前記ニューラルネットワークを選択する、請求項2に記載の資格認定システム。
【請求項4】
前記超音波プローブは、タッチ感知面を含み、前記タッチ感知面上にグリップの向きを生成するプロセッサを更に備え、前記コンピューティングデバイスは、前記グリップの向きに基づいて前記超音波検査スコアを生成する、請求項1に記載の資格認定システム。
【請求項5】
前記超音波プローブは、患者に対する前記超音波プローブの圧力の大きさ示す圧力データを生成する圧力センサを含み、前記コンピューティングデバイスは、前記圧力データに基づいて前記超音波検査スコアを生成する、請求項1に記載の資格認定システム。
【請求項6】
音声コンテンツを記録する音声プロセッサを更に備え、前記コンピューティングデバイスは、前記音声コンテンツに基づいて前記超音波検査スコアを生成する、請求項1に記載の資格認定システム。
【請求項7】
前記超音波プローブは、前記超音波プローブにおける動きデータを生成する慣性測定ユニットを含み、前記コンピューティングデバイスは、前記動きデータに基づいて前記超音波検査スコアを生成する、請求項1に記載の資格認定システム。
【請求項8】
前記超音波検査候補者における動きデータを生成するセンサシステムを更に備え、前記コンピューティングデバイスは、前記動きデータに基づいて前記超音波検査スコアを生成する、請求項1に記載の資格認定システム。
【請求項9】
前記センサシステムは、前記超音波検査候補者によって着用されるウェアラブルセンサを含む、請求項8に記載の資格認定システム。
【請求項10】
ダミー患者を含むシミュレータシステムを更に備え、前記超音波プローブは、前記ダミー患者に超音波を送信して、前記ダミー患者からの前記超音波の反射に基づいて前記超音波データを生成する、請求項1に記載の資格認定システム。
【請求項11】
超音波検査候補者の検査結果を記憶する資格認定データベースを更に備え、前記コンピューティングデバイスは、前記超音波検査候補者とは異なる超音波検査候補者の少なくとも一部に関する前記資格認定データベースの前記検査結果に基づいて、前記超音波検査候補者を前記自動審査から前記手作業審査に転送する、請求項1に記載の資格認定システム。
【請求項12】
超音波検査候補者に超音波検査者資格認定を発行するための資格認定システムであって、
超音波画像を生成する超音波システムと、
前記資格認定システムのハードウェアに少なくとも部分的に実装され、
前記超音波画像の第1のサブセットに関して画質スコアを生成し、
前記画質スコアに基づいて、前記超音波画像の第2のサブセットを審査者コンピューティングデバイスに通信する、候補者資格認定アプリケーションと、
を備える資格認定システム。
【請求項13】
前記審査者コンピューティングデバイスを更に備える、請求項12に記載の資格認定システム。
【請求項14】
前記第1のサブセットと前記第2のサブセットとは互いに相違する、請求項12に記載の資格認定システム。
【請求項15】
前記候補者資格認定アプリケーションは、前記画質スコアのうちの少なくとも1つが閾値スコアを下回っていることに基づいて、前記画質スコアのうちの前記少なくとも1つを改善するための前記超音波検査候補者のためのガイダンスを決定し、前記ガイダンスを視覚的表現で表示する表示装置を更に備える、請求項12に記載の資格認定システム。
【請求項16】
前記視覚的表現は、トレーニングビデオ、超音波プローブのアイコン、前記超音波プローブを移動させる方向を示す矢印、及び前記超音波プローブを保持するためのグリップの向きのアイコンのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の資格認定システム。
【請求項17】
前記候補者資格認定アプリケーションは、前記画質スコアのパーセンテージの少なくとも1つが閾値スコアを上回ることに基づいて、前記超音波画像の前記第2のサブセットを前記審査者コンピューティングデバイスに通信し、前記第1のサブセットが指定された解剖学的構造の少なくとも1つの超音波画像を含み、前記第1のサブセットは、指定された撮像モードで前記超音波システムを用いて生成される少なくとも1つの超音波画像を含み、前記第1のサブセットは、指定された検査プロトコルに従って生成される少なくとも1つの超音波画像を含む、請求項12に記載の資格認定システム。
【請求項18】
前記候補者資格認定アプリケーションは、ニューラルネットワークを実装して前記画質スコアを生成する、請求項12に記載の資格認定システム。
【請求項19】
前記ニューラルネットワークは、前記超音波システムの超音波プローブのグリップの向き、前記超音波プローブの移動量、前記超音波検査候補者の移動量、音声コンテンツ、前記超音波プローブによって患者に加えられる圧力の大きさ、及び前記超音波システムを動作させて前記超音波画像を生成するために前記超音波検査候補者によって費やされる時間の量のうちの少なくとも1つに基づいて前記画質スコアを生成する、請求項18に記載の資格認定システム。
【請求項20】
超音波データを生成する超音波プローブと、
前記超音波データに基づいて、超音波画像を生成するコンピューティングデバイスと、
前記超音波画像に基づいて画質スコアを生成するために前記コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されるニューラルネットワークと、
前記画質スコアに基づいて超音波検査者資格認定を発行する資格認定デバイスと、
を備える超音波検査資格認定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、超音波システムに関する。より具体的には、本明細書に開示される実施形態は、超音波資格認定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、超音波システムは、可聴スペクトルを超える周波数の音波を体内に送信し、音波が体内部分から反射することによって生じるエコー信号を受信し、エコー信号を画像生成のための電気信号に変換することによって超音波画像を生成する。それらの超音波システムは、非侵襲的であり、即時の撮像結果を提供することができるため、超音波システムは介護施設で広く使用されている。これらの介護施設のほとんどでは、資格認定された超音波オペレータの需要は、利用可能な資格認定された超音波オペレータの数をはるかに超えている。
【0003】
資格認定された超音波オペレータの需要と供給のこの相違は、一部には、超音波オペレータを資格認定するために介護施設によって使用される資格認定システムの広範な訓練及び審査プロセスに起因する。例えば、資格認定された超音波オペレータになるために訓練している候補者(例えば、学生)は、多くの場合、様々な医学的状態を伴う様々な患者に対して超音波検査を実施し、介護施設で審査者が手作業で審査及び承認するために、超音波データ(例えば、撮像結果)を提出する必要がある。この審査プロセスは、通常、審査者は、超音波検査中に各候補者の超音波データを審査することができないため、超音波検査中に候補者にリアルタイムなフィードバックを提供することができない。この問題は、例えば、介護施設内の異なる患者に基づいて、複数の候補者が審査のための超音波検査データを同時に生成している場合に悪化する。したがって、候補者は、数日又は数週間などの超音波検査のかなり後になるまで、審査者からフィードバックを受信できない場合がある。したがって、超音波検査は、候補者が審査者フィードバックを受信したときに候補者の記憶に残っていない可能性があり、その結果、候補者はフィードバックを十分に利用できず、候補者の資格認定プロセスが遅くなる可能性がある。
【0004】
従来の資格認定システムは、人間の判断に依存するため、必然的に主観的であり、多くの場合は不正確である。これは、審査者が、超音波データをそれが許容できない場合でも許容できると判断する可能性があり、逆もまた同様であるからである。更に、従来の資格認定システムは、一般に、(介護施設内及び/又は異なる介護施設にわたる)審査者間で標準化されていないため、1人の審査者は超音波データを許容できないと判断し、別の審査者は同じ超音波データを許容できると判断する可能性がある。また、審査者(例えば、1人又は複数の上級臨床医)への依存は、審査者が候補者による提出物を審査し、一般に資格認定プログラムを監督するための時間からみると、介護施設に多大なリソースを負担させることなる。
【0005】
更に、緊急の手当を必要とする超音波検査(例えば、患者における遊離流体の決定)の場合、候補者は、生きている患者の検査に基づいて審査するために超音波データを提出することができない可能性がある。これらの場合、資格認定システムは、訓練又はシミュレータシステムを介して模擬超音波画像を生成することができ、候補者は、資格認定システムの審査者に模擬超音波画像を提出することができる。しかしながら、審査者は、通常、擬似超音波画像が真の超音波画像ではないことを認識しているため、擬似超音波画像を等級付けするときに固有の偏りを有する。したがって、審査者は、擬似超音波画像が真の超音波画像ではなく擬似画像であるため、擬似超音波画像を許容可能として等級付けする可能性がある。
【0006】
したがって、従来の超音波資格認定システムは、資格認定プロセスに遅延をもたらし、介護施設に負担がかかり、訓練が不十分であるが、それにもかかわらず超音波オペレータが資格認定される可能性がある。したがって、超音波検査を必要とする患者は、利用可能な最良の介護より劣る介護を受ける可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
自動超音波資格認定のためのシステム及び方法が記載される。幾つかの実施形態において、超音波検査者資格認定を超音波検査候補者に発行するための資格認定システムは、コンピューティングデバイスと、コンピューティングデバイスに接続されて超音波データを生成するように構成される超音波プローブとを含む。コンピューティングデバイスは、超音波データに基づいて、自動審査の一部として、超音波検査スコアを生成するように構成される。コンピューティングデバイスは、超音波検査スコアに基づいて、超音波検査候補者を自動審査から審査者による手作業審査に転送するように構成される。
【0008】
幾つかの実施形態において、超音波検査者資格認定を超音波検査候補者に発行するための資格認定システムは、超音波画像を生成するように構成される超音波システムを含む。資格認定システムは候補者資格認定アプリケーションを含み、候補者資格認定アプリケーションは、少なくとも部分的に資格認定システムのハードウェアに実装されるとともに、超音波画像の第1のサブセットに関して画質スコアを生成して、画質スコアに基づいて超音波画像の第2のサブセットを審査者コンピューティングデバイスに通信するように構成される。
【0009】
幾つかの実施形態において、超音波検査資格認定システムは、超音波データを生成するように構成される超音波プローブを含む。超音波検査資格認定システムは、超音波データに基づいて超音波画像を生成するように構成されるコンピューティングデバイスを含む。超音波検査資格認定システムは、超音波画像に基づいて画質スコアを生成するためにコンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されるニューラルネットワークを含む。超音波検査資格認定システムは、画質スコアに基づいて超音波検査者資格認定を発行するように構成される資格認定デバイスを含む。
【0010】
幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスによって実施される方法は、コンピューティングデバイスに接続される超音波プローブから超音波データを受信することを含む。方法は、コンピューティングデバイスを用いて、超音波データに基づき画質スコアを生成することを含む。方法は、画質スコアに基づいて、超音波データをユーザ資格認定のために審査者コンピューティングデバイスに通信することを含む。
【0011】
幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスによって実施される方法は、コンピューティングデバイスに接続される超音波プローブから超音波データを受信することを含む。方法は、コンピューティングデバイスを用いて、超音波データに基づき画質スコアを生成することを含む。方法は、画質スコアに基づいて、ユーザ資格認定のために審査者コンピューティングデバイスへの超音波データの通信を停止すること含む。
【0012】
幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスによって実施される方法は、コンピューティングデバイスに接続される超音波プローブから超音波データを受信することを含む。方法は、コンピューティングデバイスを用いて、超音波データに基づき画質スコアを生成することを含む。方法は、画質スコア及び超音波データをユーザ資格認定のために資格認定サーバに通信することを含む。
【0013】
幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスによって実施される方法は、超音波画像を受信することを含む。方法は、超音波画像の第1のサブセットに関する画質スコアを生成することを含む。方法は、画質スコアに基づいて、超音波画像の第2のサブセットをユーザ資格認定のために審査者コンピューティングデバイスに通信することを含む。
【0014】
幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスによって実施される方法は、超音波画像を受信することを含む。方法は、コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されるニューラルネットワークを用いて、超音波画像に関する画質スコアを生成することを含む。方法は、画質スコアに基づいて、超音波検査資格認定を発行することを含む。
【0015】
超音波資格認定のための他のシステム、機械、及び方法も記載される。
【0016】
添付図面は、例を示しており、したがって、例示的な実施形態であり、範囲を限定するものとは見なされない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は幾つかの実施形態に係る資格認定システムを実施するための環境を示す図である。
図2図2は幾つかの実施形態に係るグリップの向きを決定するためのセンサ領域を有する超音波プローブを示す図である。
図3図3は幾つかの実施形態に係る1又は複数の超音波画像及び1又は複数の二次入力に基づいて候補者の評価に関連するデータを生成するシステムを示す図である。
図4図4は幾つかの実施形態に係る超音波検査者資格認定を超音波検査候補者に発行するために資格認定システムによって実施されるプロセスのデータフロー図である。
図5図5は幾つかの実施形態に係る超音波検査者資格認定を超音波検査候補者に発行するために資格認定システムによって実施されるプロセスのデータフロー図である。
図6図6は幾つかの実施形態に係る超音波検査資格認定システムによって実施されるプロセスのデータフロー図である。
図7図7は幾つかの実施形態に係るコンピューティングデバイスによって実施される方法のデータフロー図である。
図8図8は幾つかの実施形態に係るコンピューティングデバイスによって実施される方法のデータフロー図である。
図9図9は幾つかの実施形態に係るコンピューティングデバイスによって実施される方法のデータフロー図である。
図10図10は幾つかの実施形態に係るコンピューティングデバイスによって実施される方法のデータフロー図である。
図11図11は幾つかの実施形態に係るコンピューティングデバイスによって実施される方法のデータフロー図である。
図12図12は幾つかの実施形態に係る、本明細書に記載の動作のうちの1又は複数を実行することができるコンピューティングデバイスの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
自動超音波資格認定のためのシステム及び方法が記載される。幾つかの実施形態において、超音波検査者資格認定を超音波検査候補者に発行するための資格認定システムは、コンピューティングデバイスと、コンピューティングデバイスに接続されて超音波データを生成するように構成される超音波プローブとを含む。コンピューティングデバイスは、超音波データに基づいて、自動審査の一部として、超音波検査スコアを生成するように構成される。コンピューティングデバイスは、超音波検査スコアに基づいて、超音波検査候補者を自動審査から審査者による手作業審査に転送するように構成される。
【0019】
従来の超音波資格認定システムは、資格認定プロセスに遅延が生じる可能性があり、介護施設のリソースに負担がかかり、訓練が不十分でないにもかかわらず超音波オペレータが資格認定される可能性があり、その結果、超音波検査を必要とする患者は、利用可能な最良の介護よりも劣る介護しか受けられない可能性がある。
【0020】
本明細書で開示される超音波資格認定のためのシステム、デバイス、及び方法の実施形態は、従来の資格認定システムを超える多くの利点を構成する。本明細書に開示される実施形態は、偏りをなくして、従来の超音波資格認定システムと比較して資格認定の速度を改善する。本明細書に開示される実施形態は、超音波検査中の候補者へのリアルタイムなフィードバックを容易にし、検査が候補者の記憶に残っている間に、候補者が遅延のないフィードバックを直ちに超音波検査に組み込むことができるようにする。この即時性は、手作業の審査者からのフィードバックに依存する従来の資格認定システムでは不可能である。本明細書に開示される超音波資格認定の実施形態は、資格認定の候補者によって提出された超音波データの検討及び等級付けにおいて客観的であり、偏りがない。これに対し、従来の資格認定システムは、専ら手作業による審査に依存し得るため、必然的に主観的であり、偏っている。本明細書に開示される実施形態は、介護施設内で、及び異なる介護施設間で標準化することができる資格認定プロセスを容易にする。これに対し、従来の資格認定システムは、通常、その場その場であり、介護施設全体で標準化されていない。本明細書に開示される実施形態は、従来の資格認定システムと比較して、審査者(例えば、訓練を受けた臨床医)の時間要求などの介護施設内のリソースの負担を軽減する。
【0021】
本明細書における「1つの実施形態」、「一実施形態」、「1つの例」、又は「一例」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な箇所における「1つの実施形態では」又は「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。以下の図に示すプロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア、又は両方の組み合わせを備える処理ロジックによって実行される。プロセスは、幾つかの順次の動作に関して以下に説明されるが、説明される動作の幾つかは、異なる順序で実行されてもよいことを理解すべきである。更に、幾つかの動作は、順次ではなく並列に実行されてもよい。
【0022】
本明細書において、「及び/又は」という用語は、存在し得るオブジェクト間の3つの関係を表す。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在する場合、AとBの両方が存在する場合、及びBのみが存在する場合を表すことができ、A及びBは単数であっても複数であってもよい。
【0023】
図1は、幾つかの実施形態に係る資格認定システム101を実施するための環境を示す図100である。資格認定システムは、候補者105(例えば、資格認定された超音波オペレータになるように訓練している生徒)によって操作され得る超音波システムを含む。超音波システム101は、プローブ103と、通信リンクを介してプローブに接続されるコンピューティングデバイス102とを含む。プローブとコンピューティングデバイスとの間の通信リンクは、有線、無線、又はそれらの組み合わせとすることができる。コンピューティングデバイス102は、タブレット、スマートフォン、ヘッドアップディスプレイ、ゴーグル、眼鏡、超音波機、又はそれらの組み合わせなどの任意の適切なコンピューティングデバイスを含むことができる。図1に示されるように、コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装され得る1又は複数のニューラルネットワーク(NN)106を含むことができる。コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイスのプロセッサ(図1には示されていない)によって実装され得る候補者資格認定アプリケーション107も含む。例えば、コンピューティングデバイスのメモリは、プロセッサによって実行されるときにコンピューティングデバイスに候補者資格認定アプリケーションを実施させる命令を記憶することができる。図1に示されるように、候補者資格認定アプリケーション107はシミュレータシステム108に接続される。幾つかの実施形態では、シミュレータシステム108がダミー患者を含み、超音波プローブは、以下で更に詳細に説明するように、ダミー患者に超音波を送信し、ダミー患者からの超音波の反射に基づいて超音波データを生成する。
【0024】
図1に示されるように、超音波システム101はネットワーク109(例えば、コンピューティングネットワーク)に接続される。幾つかの実施形態において、プローブ103及びコンピューティングデバイス102のうちの1又は複数は、超音波システムをネットワークに接続するためにネットワーク109に接続される。一例において、ネットワークは、介護施設(例えば、病院)によって運営される安全なWi-Fiネットワークなどの介護施設ネットワークを含む。資格認定システムは、ネットワーク109に接続されるサーバシステム111を含むことができ、それにより、サーバシステムは、候補者によって操作されるコンピューティングデバイス102と通信する。サーバシステム111は、検査結果、審査者フィードバック、超音波データ、超音波データに関するメタデータなどの、候補者の資格認定に関するデータをアーカイブするための資格認定データベースを含むことができる。一例では、サーバシステムがニューラルネットワークのデータベースを含み、候補者によって操作されるコンピューティングデバイス102は、サーバシステムによって供給される1又は複数のニューラルネットワークを含むことができる。例えば、ニューラルネットワーク106は、サーバシステム111から受信された1又は複数のニューラルネットワークを含むことができる。幾つかの実施形態において、資格認定アプリケーション107は、候補者によって実行されている検査タイプを決定し、サーバシステムは、検査タイプに適したニューラルネットワークを検索して、候補者のコンピューティングデバイス上で実施するためにニューラルネットワークを資格認定アプリケーションに提供する。幾つかの実施形態では、候補者のコンピューティングデバイスが複数のコンピューティングデバイスを含む。幾つかの実施形態において、候補者のコンピューティングデバイスは、サーバシステムと、サーバによって「クラウド内」に実装されるニューラルネットワークとを含む。或いは、サーバシステムは、介護施設によって維持されるサーバシステムなどの、候補者のコンピューティングデバイスから分離することができる。
【0025】
また、資格認定システムは、例えば、候補者のための資格認定プロセスの一部として、候補者105によって提出された超音波データを手作業で審査及び等級付けするために、訓練され資格認定された超音波検査者などの審査者112によって操作される審査者コンピューティングデバイス113を含むこともできる。審査者コンピューティングデバイス113は、審査者コンピューティングデバイスのプロセッサ(図1には示されていない)によって実施され得る審査者資格認定アプリケーション114を含むことができる。例えば、審査者コンピューティングデバイスのメモリは、プロセッサによって実行されるときに審査者コンピューティングデバイスに審査者資格認定アプリケーションを実施させる命令を記憶することができる。審査者は、審査者資格認定アプリケーションのユーザインタフェースを介して、候補者によって供給された超音波データを審査するなど、資格認定審査の一部として任意の適切な機能を果たし、フィードバック(例えば、コメント、等級付けなど)を候補者に戻して、サーバシステム上でデータをアーカイブすることができる。
【0026】
患者104の超音波検査中、超音波検査候補者105は、超音波システム101(例えば、プローブ103及びコンピューティングデバイス102)を使用して、資格認定システムによる資格認定のための超音波データを生成することができる。一例では、従来の資格認定システムとは異なり、資格認定システムは、必ずしも手作業審査のために超音波データを審査者に送信するのではなく、代わりに、候補者のコンピューティングデバイス102上などの、1又は複数のニューラルネットワーク106を実装して、超音波データの特性を自動的に決定し、超音波検査中にリアルタイムで特性に基づくフィードバックを候補者105に提供する。ニューラルネットワークによって生成されたフィードバックは、資格認定の一部としてアーカイブするために、コンピューティングデバイス102によってサーバシステム111に通信することもできる。
【0027】
ニューラルネットワーク106は、超音波データに基づいて任意の適切な出力を生成することができる。幾つかの実施形態において、資格認定システムは、ニューラルネットワークを実装して、0~1の数などの超音波画像の品質指標を生成し、この場合、0は低品質を示し、1は優れた品質を示す、又は「合格」又は「不合格」などのバイナリラベルである。幾つかの実施形態において、バイナリラベルは、超音波画像が許容可能なビューを含む確率など、ニューラルネットワークによって生成された指標の確率に閾値を適用することによって生成される。幾つかの実施形態において、閾値は、画質閾値、又は他の指標閾値である。幾つかの実施形態において、画像品質指標は、画像が所定の動作を実行するのに十分な品質を有することを示す。幾つかの実施形態において、ニューラルネットワークは、ニューラルネットワークを訓練するために使用される損失関数の適切な選択によって、バイナリラベルを直接生成するように訓練される(例えば、最初に確率を生成し、それに閾値を適用することなく)。候補者資格認定アプリケーション107は、コンピューティングデバイス102のユーザインタフェースを介して、候補者に品質指標を表示することができる。これに加えて又は代えて、候補者資格認定アプリケーション107は、ニューラルネットワーク106によって生成された品質指標に基づいて文字等級A、B、C、D、又はFを割り当てることなどによって、超音波画像の品質に基づいて等級を生成することができる。等級は、超音波データから生成された超音波画像が気胸状態を決定するのに「十分良好」であるかどうかなど、超音波データの有用性の表示とすることができる。
【0028】
ニューラルネットワーク106は、任意の適切な入力を受信して、候補者の品質指標及び/又は等級を生成することができる。前述したように、ニューラルネットワークは、候補者105による超音波検査中に生成された1又は複数の超音波画像を受信することができる。更に、ニューラルネットワークは、図3に関して更に詳細に説明するように、候補者の品質指標及び/又は等級を生成するための1又は複数の二次(例えば、追加)入力を含むことができる。
【0029】
幾つかの実施形態において、超音波プローブ103は、力、加速度、角速度、及び磁場のうちの1又は複数を測定することができる慣性測定ユニット(IMU)を含む。IMUは、加速度計、ジャイロスコープ、及び磁力計の組み合わせを含むことができ、座標系におけるヨー角、ピッチ角、及びロール角などの6つの自由度を表すデータを含む位置及び/又は方向データを生成することができる。これに加えて又は代えて、超音波システムは、超音波プローブの位置及び/又は方向データを決定するためのカメラを含むことができる。位置及び/又は方向データは、プローブの移動を示すことができる。ニューラルネットワークは、位置及び/又は方向データを、超音波画像に加えて二次入力として処理することができる。
【0030】
幾つかの実施形態において、ニューラルネットワークは、検査中の候補者の挙動の表示も二次入力として受信する。例えば、熟練していない又は訓練されていない超音波オペレータは、超音波検査中に熟練した又は訓練されたオペレータよりもプローブを移動させる場合があり、これは患者に不快感を引き起こす可能性がある。したがって、候補者の挙動を示す二次入力の一例は、候補者の動きデータを含む。例えば、候補者は、検査中の候補者の動きデータ(例えば、候補者の腕の動きの程度)を決定する動きセンサを彼らの衣服に装着することができる。別の例では、プローブは、候補者の動きデータを収集するための1又は複数の動きセンサ(例えば、IMU、ジャイロ、位置/方向センサ、移動センサ、又は他の動きセンサ)を含む。これに加えて又は代えて、検査室内のカメラが動きデータを生成することができる。一例において、ニューラルネットワークへの二次入力は、候補者がプローブ/超音波システムを使用して超音波画像の取得を開始するときから始まって、候補者が審査のために超音波画像を生成及び保存するのにかかる時間などの時間量を含む。例えば、「熟練していない」オペレータは、適切な超音波画像が得られる適切な場所にプローブを移動させるのに多くの時間を要する場合があり、この過剰な時間は、患者に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0031】
これに加えて又は代えて、候補者の挙動を示す二次入力は、候補者、患者、及び/又は検査を見ている別の人によって話された音声コンテンツを含めて、音声コンテンツを含むことができる。例えば、音声コンテンツは、候補者と患者との間の会話を含むことができ、それにより、ニューラルネットワークは、検査中に次に何を期待すべきかを患者に伝えることなどによって、患者と肯定的なコミュニケーションが行われているときに候補者についてより良いスコアを生成するように訓練され得る。一例では、患者が「あなたは私を傷付けています」と言うか、又は部屋の中の誰かが候補者にプローブを特定の方法で動かすように告げる(例えば、候補者が、適切な視界にするために助けを得る)。図2は、幾つかの実施形態に係るグリップの向きを決定するためのセンサ領域205を有する超音波プローブ201を示す図200である。幾つかの実施形態において、超音波プローブ201は、超音波プローブ103、又は別の超音波プローブに相当する。幾つかの実施形態において、超音波プローブ201は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2022年10月11日に出願された「CONFIGURING ULTRASOUND SYSTEMS BASED ON SCANNER GRIP」と題する代理人整理番号105767P025の米国特許出願第18/045,477号に記載されているように、グリップの向きを決定するためのセンサ領域を有する超音波プローブに相当する。図2に示されるように、超音波プローブ201は、グリップの向きを検出するためのセンサ領域205と、レンズ203に接続されたトランスデューサとを含む。図2では、センサ領域205が楕円体として示されている。しかしながら、センサ領域205は、任意の適切な形状とすることができる。幾つかの実施形態において、センサ領域205は、超音波プローブ201の表面を実質的に覆い、例えば、センサ領域は、レンズ203を含む又は除く超音波プローブ201を実質的に全て覆うことができる。幾つかの実施形態において、センサ領域205は、ユーザが通常把持する領域(例えば、プローブのトランスデューサヘッド部よりも狭いプローブの握り部)をカバーする。
【0032】
幾つかの実施形態において、超音波プローブ201のトランスデューサは、超音波トランスデューサアレイと、超音波トランスデューサアレイに接続された電子機器とを含み、患者の解剖学的構造に超音波信号を送信して、患者の解剖学的構造から反射された超音波信号を受信する。超音波プローブ201は、センサ領域205の中、上、又は下に、グリップの向きを決定するための任意の適切なタイプのセンサを含むことができる。幾つかの実施形態において、超音波プローブ201は、タッチスクリーン技術で一般的であるように、ユーザのタッチ又はタッチの近接によって引き起こされる静電容量又は静電容量の変化を測定することができる静電容量センサを含む。これに加えて又は代えて、超音波プローブ201は、ユーザがプローブを握ることによって引き起こされる圧力の大きさを決定するように構成された圧力センサを含むことができる。
【0033】
幾つかの実施形態において、超音波システムは、センサ領域205のセンサからセンサデータを受信し、センサデータを表すグリップマップ207を生成する。図2に示されるように、グリップマップ207は、二次元(2D)グリッド(例えば、行列)状のセンサデータを含む。グリッドのノードは、センサ領域205のセンサに対応することができ、センサからのセンサデータを含むことができる。一例として、図2のセンサ領域205に示されるクロスハッチングの各交点は、グリップの向きを決定するためのセンサ、したがって2Dグリッド内のノードに対応することができる。センサデータは、0~5の整数スケールなどで、センサ上の圧力の大きさを示すマルチレベルインジケータを含むことができる。例えば、「0」は、ユーザの手からの圧力がセンサで検出されないことを示すことができ、「1」は、ユーザの手からの少量の圧力がセンサで検出されることを示すことができる。「2」は、「1」よりも大きいユーザの手からの圧力量がセンサで検出されたことを示すことができ、「5」は、ユーザの手からの最大圧力量がセンサで検出されたことを示すことができる。ニューラルネットワーク(例えば、図1のNN106)は、候補者の品質指標及び/又は等級を生成するために超音波画像に加えて、グリップマップ207などのグリップの向きを二次入力として受信することができる。二次入力の他の例は、圧力データ(例えば、プローブから患者にどれだけの圧力が加えられるか)、時間データ(例えば、候補者が超音波検査を実行するために超音波システムを動作させるのにかかる時間)などを含む。
【0034】
図3は、幾つかの実施形態に係る1又は複数の超音波画像及び1又は複数の二次入力に基づいて候補者の評価に関連するデータを生成するシステムを示す図300である。図3に示されるように、ニューラルネットワーク303は、出力309を生成するために、前述したように、一次入力としての超音波画像301と、1又は複数の二次入力305とを受信する。ニューラルネットワーク303は、図1のニューラルネットワーク106の一例である。幾つかの実施形態において、出力309は、候補者の評価に関連するデータ、例えば、超音波検査中の候補者の品質指標、等級、及び/又はスコアを含む。ニューラルネットワーク303は、任意の適切な方法で超音波画像301を1又は複数の二次入力305と組み合わせることができる。幾つかの実施形態では、ニューラルネットワークは、二次入力と超音波画像とを連結し、ニューラルネットワークの上位(第1)層で連結されたデータを処理する。幾つかの実施形態において、ニューラルネットワークは、ニューラルネットワークの1又は複数の層で超音波画像を処理し、結果(例えば、超音波画像に基づく特徴マップ)をニューラルネットワークの後続の層のための二次入力と連結する。
【0035】
幾つかの実施形態において、ニューラルネットワーク303は、複数のネットワーク及び/又はセクションを含む。各セクションは、1又は複数のニューラルネットワークを含むことができる。幾つかの実施形態において、ニューラルネットワークは、2つのセクションを使用して超音波画像を処理し、第2のセクションは二次入力を受信する。ニューラルネットワーク303は、第1及び第2のセクションから出力された結果のうちの1又は複数を、超音波画像及び二次入力のうちの1又は複数と組み合わせることができる。幾つかの実施形態では、1又は複数の超音波画像301が第1のニューラルネットワークに入力され、第1のニューラルネットワークの出力(例えば、特徴マップ、又は他の出力)が1又は複数の二次入力305と組み合わされて第2のニューラルネットワークに入力され、出力309を生成する。幾つかの実施形態では、1又は複数の二次入力305が第1のニューラルネットワークに入力され、第1のニューラルネットワークの出力が1又は複数の超音波画像301と組み合わされて第2のニューラルネットワークに入力され、出力309を生成する。
【0036】
幾つかの実施形態において、ニューラルネットワーク303は、二次入力305に相対的な重みを割り当てる重みベクトルを受ける。例えば、重みベクトルは、例えば、プローブ方向データを音声データよりも重く重み付けすることによって、二次入力に多かれ少なかれ重点を置くために、0~1のユーザ割り当て値を含むことができる。重みがユーザによって割り当てられた重みを含むことを可能にすることによって、資格認定システムは、時間がたつにつれて超音波検査における現在の傾向と一致するように調整することができる。例えば、現在は、最新技術では、時間的データ(例えば、候補者が超音波検査を実行するのにかかる時間)にかなりの重点を置くようにしてもよい。将来は、現在の技術水準は変化し、圧力データにより重点を置くようにしてもよい。資格認定システムは、重みベクトルを介してこれらの変化に容易に対応することができる。幾つかの実施形態において、資格認定システムは、ニューラルネットワーク303による自動化された審査と、審査者(例えば、図1の審査者112)によって実行される手作業による審査との組み合わせに基づいて候補者を資格認定する。例えば、資格認定システムは、能力の閾値が満たされるまで、候補者資格認定アプリケーション及び上記のニューラルネットワークを使用した超音波データの自動審査に超音波データの審査を制限することができる。能力の閾値が満たされると、資格認定システムは、手作業審査の一部として審査するために、候補者から審査者に超音波データを提供することができる。
【0037】
能力の閾値の一例として、候補者が、直近の5つの検査など、規定の検査回数の合格スコア(例えば、バイナリ「合格」ラベル又はA若しくはBの文字等級)を受け取ることが挙げられる。これに加えて又は代えて、能力の閾値は、膀胱スキャン又は超音波プロトコルによるスキャンなどのために、ある種の検査に合格する(例えば、許容可能な文字等級を受け取る)ことを必要とし得る。超音波プロトコルの一例は、外傷患者の腹水、心膜液、気胸、及び/又は血胸を検出するように設計される、外傷における超音波検査による拡張集中評価(eFAST)である。一例では、深部静脈血栓症(DVT)の有無を診断するための下肢の血管エコー検査のために、資格認定システムは、幾つかの基準断面が中心側から末梢側に連続して観察されるかどうかを評価することができる。別の例では、腹部の検査について、病院ごとに複数の代表部位を観察する順序が予め定められている場合、資格認定システムは、予め定められた順序に従って検査が行われたか否かを評価することができる。したがって、資格認定システムは、候補者によって実行された試験の履歴に基づいて自動審査から手作業審査に候補者を転送することができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、候補者を資格認定するために、資格認定システムは、幾つかの審査の反復を課し、各反復には、最初にニューラルネットワークによる自動審査を含み、その後、自動審査の成功完了時に審査者による手作業審査が続く。幾つかの実施形態において、資格認定システムは、例えば困難さ、内容、患者の対応可能性、及び他の特性などによって、1又は複数の特性に基づいて審査プロセスの反復をグループ化する。例えば、第1の反復は膀胱の超音波検査を含むことができ、第2の反復は超音波プロトコルによる超音波検査を含むことができ、第3の反復は心臓の解剖学的構造の超音波検査を含むことができ、第4の反復はシミュレータシステム(例えば、シミュレータシステム108)を使用した超音波検査を含むことができる(より詳細に後述する)などである。
【0039】
幾つかの実施形態において、資格認定システムは、超音波検査候補者の検査結果及び検査データを記憶する資格認定データベースを含む。例えば、資格認定データベースは、ニューラルネットワークへの入力として使用されるデータ、及び図3に示すようにニューラルネットワークによって生成されたデータ、例えば超音波画像、センサデータ、動きデータ、方向データ、候補者及び/又は患者によって話された音声、グリップマップ、検査スコア、画質スコアなどを記憶することができる。図1のサーバシステム111は、資格認定データベースを含むことができる。資格認定データベースに記憶されたデータは、ニューラルネットワークへの入力として提供することができる。したがって、ニューラルネットワークは、候補者によって行われた現在の検査から得たデータだけでなく、候補者によって行われた過去の検査から得たデータに基づいて、超音波検査候補者の検査スコアを生成することができる。資格認定システムは、例えば、現在の検査に対してより困難な閾値(より高いスコア閾値など)及び以前の検査に対してより容易な閾値を使用することなど、以前の検査を現在の検査とは異なるように重み付けするように構成され得る。一例では、資格認定データベースからのデータは、超音波検査候補者のデータの履歴に基づいて検査スコアを決定論的に生成する決定木に提供される。これに加えて又は代えて、資格認定データベースからのデータは、超音波検査候補者のデータの履歴から検査スコアを生成するように訓練されたニューラルネットワークに提供され得る。
【0040】
図4は、幾つかの実施形態における、超音波検査者資格認定を超音波検査候補者に発行するための資格認定システムによって実施されるプロセス400のデータフロー図である。図1及び図4を参照すると、資格認定システムは、コンピューティングデバイス102に接続されたプローブ103を含む超音波システムを含む。幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、プロセス400を実行するために、1又は複数のプロセッサと、プロセッサに接続されたメモリとを含む。幾つかの実施形態において、プロセス400は、処理ロジックを使用して実行される。処理ロジックは、ハードウェア(回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用マシン上で実行されるものなど)、ファームウェア、又はそれらの組み合わせを含むことができる。ブロック401では、超音波プローブを使用して超音波データが生成される。ブロック402では、超音波データに基づいて、自動審査の一部として、超音波検査スコアが生成される。幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、自動審査の一部として超音波データに基づいて画質スコアを生成するために、1又は複数のニューラルネットワーク106を実装するように構成され、超音波検査スコアは画質スコアに基づく。幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、超音波データに基づいて解剖学的構造を判定するように実装される。次いで、コンピューティングデバイスは、複数のニューラルネットワークの中から解剖学的構造に基づいてニューラルネットワークを選択することができる。
【0041】
幾つかの実施形態では、超音波プローブがタッチ感知面を含み、プロセッサはタッチ感知面上にグリップの向きを生成するように実装される。プロセッサは、前述したように、グリップの向きをグリップマップとして表すことができる。コンピューティングデバイスは、グリップの向きに基づいて超音波検査スコアを生成するように実装される。幾つかの実施形態において、超音波プローブは、患者に対する超音波プローブの圧力の大きさを示す圧力データを生成するように実装された圧力センサを含み、コンピューティングデバイスは、圧力データに基づいて超音波検査スコアを生成するように実装される。幾つかの実施形態において、資格認定システムは、音声コンテンツを記録するように実装された音声プロセッサを含み、コンピューティングデバイスは、音声コンテンツに基づいて超音波検査スコアを生成するように実装される。
【0042】
幾つかの実施形態では、超音波プローブは、超音波プローブの動きデータを生成するように実装された慣性測定ユニットを含み、コンピューティングデバイスは、動きデータに基づいて超音波検査スコアを生成するように実装される。幾つかの実施形態において、資格認定システムは、超音波検査候補者の動きデータ(例えば、検査中に超音波検査候補者がどのように移動するかを示すデータ)を生成するように実装されたセンサシステムを含み、コンピューティングデバイスは、動きデータに基づいて超音波検査スコアを生成するように実装される。幾つかの実施形態において、センサシステムは、超音波検査候補者によって装着されるように構成されたウェアラブルセンサを含む。動きデータは、ウェアラブルセンサによって検知されたデータに基づいて生成することができる。幾つかの実施形態では、資格認定システムがシミュレータシステム(例えば、図1のシミュレータシステム108)を含む。シミュレータシステムはダミー患者を含むことができ、超音波プローブは、ダミー患者に超音波を送信し、ダミー患者からの超音波の反射に基づいて超音波データを生成するように実装することができる。図4に示されるように、コンピューティングデバイスは、ブロック403において、超音波検査スコアに基づいて、超音波検査候補者に関連するデータを自動審査から審査者による手作業審査に転送する。ニューラルネットワークに基づく自動審査から審査者に基づく手作業審査に超音波検査候補者を転送することによって、コンピューティングデバイスは、資格認定プロセスを通じて、超音波検査証明書を発行する目標に近づけるように、超音波検査候補者を向上させる。幾つかの実施形態では、資格認定システムは、候補者が自動審査から手作業審査に転送されるときに候補者のデータを匿名化し、その結果、審査者は候補者を識別することができない。この匿名化は、審査者による固有のバイアスを除去することができる。
【0043】
幾つかの実施形態において、資格認定システムは、前述したように、超音波検査候補者の検査結果を記憶する資格認定データベースを含む。コンピューティングデバイスは、超音波検査候補者とは異なる超音波検査候補者の少なくとも幾つかについての資格認定データベースからの検査結果に基づいて、超音波検査候補者を自動審査から手作業審査に転送することができる。幾つかの実施形態において、資格認定システムは、手作業審査を通過した超音波検査候補者、及び自動審査でどのタイプの検査を通過したかなど、それらが互いに共通して有するものを見るように訓練される。次いで、資格認定システムは、現在の超音波検査候補者が、他の超音波検査候補者が合格した自動審査における検査にも合格した場合にのみ、現在の超音波検査候補者に関連するデータを自動審査から手作業審査に転送することができる。このようにして、資格認定システムは、現在の超音波検査候補者の能力の予測因子として他の超音波検査候補者のデータを使用することができる。資格認定データベースからのデータは、現在の超音波検査候補者の能力を予測するように訓練されたニューラルネットワークに提供することができる。ニューラルネットワークは、図1に示すようなニューラルネットワークであってもよく、追加のニューラルネットワークであってもよい。
【0044】
幾つかの実施形態において、資格認定システムは、複数の超音波検査候補者のデータ(例えば、資格認定データベースからのデータ)を使用して、現在の候補者の等級などの検査スコアを決定する。例えば、資格認定システムは、複数の候補者の複数の試験スコアを見て、それらの試験スコアに従って、候補者の上位半分に合格等級を割り当て、候補者の下位半分に不合格等級を割り当てることなどによって、又は候補者の上位30%に合格等級を割り当て、候補者の下位70%に不合格等級を割り当てることによって、「曲線上」に等級付けすることができる。
【0045】
図5は、幾つかの実施形態における、超音波検査者資格認定を超音波検査候補者に発行するための資格認定システムによって実施されるプロセス500のデータフロー図である。図1及び図5を参照すると、資格認定システムは、超音波画像を生成するように構成された超音波システム101を含む(ブロック501)。資格認定システムは、少なくとも部分的に資格認定システムのハードウェアに実装され、超音波画像の第1のサブセットの画質スコアを生成し(ブロック502)、画質スコアに基づいて超音波画像の第2のサブセットを審査者コンピューティングデバイスに通信する(ブロック503)ように構成された候補者資格認定アプリケーション107を含む。例えば、画像の第1のサブセットは、撮像されている第1の解剖学的構造(例えば、膀胱)、第1の超音波プロトコル(例えば、eFAST)、第1の検査プリセット(例えば、ブラダプリセット)などに対応することができ、画像の第2のサブセットは、撮像されている第2の解剖学的構造(例えば、肺)、第2のプロトコル(例えば、eFAST以外のプロトコル)、第2の検査タイプ(例えば、心臓プリセット)などに対応することができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、超音波画像の第1のサブセット及び超音波画像の第2のサブセットは、互いに相違する(disjoint)。幾つかの実施形態では、資格認定システムは、コンピューティングデバイス102に接続された審査者コンピューティングデバイス113を含む。幾つかの実施形態において、候補者資格認定アプリケーションは、画質スコアのうちの少なくとも1つが閾値スコアを下回ることに基づいて、画質スコアのうちの少なくとも1つを改善するための超音波検査候補者のガイダンスを決定する。資格認定システムは、ガイダンスを視覚的表現で表示する表示装置を含むことができる。幾つかの実施形態において、視覚的表現は、訓練ビデオ、超音波プローブのアイコン、超音波プローブを移動させる方向を示す矢印、及び超音波プローブを保持するためのグリップの向きのアイコンのうちの少なくとも1つを含む。
【0047】
幾つかの実施形態において、候補者資格認定アプリケーションは、画質スコアの割合の少なくとも1つが閾値スコアを上回ることに基づいて、超音波画像の第2のサブセットを審査者コンピューティングデバイスに通信する。例えば、候補者資格認定アプリケーションは、画質スコアの割合が閾値スコアよりも大きい場合、超音波画像の第2のサブセットを通信する。幾つかの実施形態では、第1のサブセットは、特定の解剖学的構造の少なくとも1つの超音波画像を含む。幾つかの実施形態では、第1のサブセットは、指定された撮像モードで超音波システムを用いて生成された少なくとも1つの超音波画像を含む。幾つかの実施形態では、第1のサブセットは、指定された検査プロトコルに従って生成された少なくとも1つの超音波画像を含む。
【0048】
幾つかの実施形態において、候補者資格認定アプリケーションは、画質スコアを生成するニューラルネットワークを含む。幾つかの実施形態において、ニューラルネットワークは、超音波システムの超音波プローブのグリップの向き(例えば、図2に関して前述したようなグリップマップ)、超音波プローブの移動量、超音波検査候補者の移動量、音声コンテンツ、超音波プローブによって患者に加えられる圧力の大きさ、及び超音波システムを動作させて超音波画像を生成するために超音波検査候補者によって取られた時間の量のうちの少なくとも1つに基づいて画質スコアを生成する。
【0049】
図6は、幾つかの実施形態に係る超音波検査資格認定システムによって実施されるプロセス600のデータフロー図である。図1及び図6を参照すると、超音波検査資格認定システムは、超音波データを生成するように構成された超音波プローブ103を含む(ブロック601)。超音波検査資格認定システムは、超音波データに基づいて超音波画像を生成するように構成されたコンピューティングデバイス102を含む(ブロック602)。超音波検査資格認定システムは、超音波画像に基づいて画質スコアを生成するためにコンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されたニューラルネットワーク106を含む(ブロック603)。超音波検査資格認定システムは、画質スコアに基づいて超音波検査者資格認定を発行するように構成された資格認定デバイス(例えば、コンピューティングデバイスのプロセッサによって少なくとも部分的に実装される)を含む(ブロック604)。
【0050】
幾つかの実施形態において、超音波検査資格認定システムは、候補者のスコアの履歴に基づいて証明書を発行する。幾つかの実施形態では、超音波検査資格認定システムは、候補者のスコアが他の候補者の2/3のスコアよりも大きい場合に証明書を発行する。幾つかの実施形態において、超音波検査資格認定システムは、候補者が全ての候補者の上位3分の1又は他の基準にあるときに証明書を発行する。
【0051】
幾つかの実施形態において、資格認定システムは、超音波検査中に候補者にガイダンスを提供する。例えば、ガイダンスは、コンピューティングデバイスのユーザインタフェース上の候補者資格認定アプリケーションによって表示されるヒントを含むことができる。資格認定システムは、ニューラルネットワークのうちの1又は複数を使用してガイダンスを決定することができる。例えば、ニューラルネットワークは、超音波データ(例えば、超音波画像)に基づいて、超音波画像の品質を改善するために撮像パラメータを調整する必要があると決定することができる。撮像パラメータの例には、ゲイン、深度、及び検査タイプが含まれる。ニューラルネットワークは、撮像パラメータの調整を生成することができ、候補者資格認定アプリケーションは、ニューラルネットワークからの推奨された調整に従って撮像パラメータを調整するためのメッセージをユーザインタフェース上に表示することができる。
【0052】
幾つかの実施形態において、ガイダンスは、プローブの移動の表示を含む。資格認定システムは、例えば、方向矢印を表示すること、「プローブを患者の中心に向かって移動させる」という音声推奨をブロードキャストすること、プローブの触覚フィードバック、それらの組み合わせなどによって、ユーザインタフェースを介してガイダンスを伝達する。幾つかの実施形態では、ガイダンスは、候補者への特定の訓練の推奨を含む。例えば、資格認定システムは、ニューラルネットワーク出力、実行されている超音波検査のタイプ、撮像されている解剖学的構造、撮像パラメータ、及び超音波データのうちの1又は複数に基づいて、訓練材料のデータベースから訓練材料を決定して、候補者の超音波検査技術を向上させることができる。サーバシステムは、訓練資料のデータベースを維持し、候補者コンピューティングデバイスからの要求に応じて推薦訓練資料を候補者資格認定アプリケーションに提供することができる。
【0053】
幾つかの実施形態では、資格認定システムは、資格認定システムに候補者によって提供される要求(例えば、候補者要求)に基づいてガイダンスを生成し、候補者コンピューティングシステムに伝達する。候補者要求は、話され、タイプされ、ジェスチャされるなどとすることができる。例えば、候補者は、「助けて、プローブをどのように保持するのか?」と話したり、ヘルプが必要であることを示すために、空中で「X」をスワイプするなど、指定された方法でプローブを用いてジェスチャしたりすることができる。幾つかの実施形態では、資格認定システムは、候補者からの明示的な要求なしに候補者のためのガイダンスを生成することができる。例えば、資格認定システムは、コンピューティングデバイス内のニューラルネットワークの出力から、候補者が超音波検査に合格していないと判定することができる(例えば、ニューラルネットワークは、不合格スコアに対応する品質メトリックを生成している)。したがって、資格認定システムは、候補者に超音波システムの適切な使用を指示するガイダンスを候補者に通信することができる。幾つかの実施形態では、資格認定システムが現在の超音波データの候補者にガイダンスを通信する場合、資格認定システムは、候補者を資格認定するために現在の超音波データを受け入れない。むしろ、資格認定システムは、候補者が新しい超音波データに対して提供されるガイダンスなしに新しい超音波データを生成し、資格認定に向けて検討するためにこの新しい超音波データを提出することが要求される。
【0054】
図1に戻って参照すると、資格認定システムは、候補者105によって操作されるコンピューティングデバイスに接続されたシミュレータシステム108を含む。シミュレータシステム108は、生きている患者が利用できない場合に、生きている患者の超音波検査をエミュレートするためのハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせを含む。例えば、遊離流体の検出などの緊急の手当を必要とする一部の種類の超音波検査及び患者の状態では、そのような状態が生命を脅かす可能性があるため、候補者がその状態で生きている患者に近づいて、資格認定の目的で訓練中の超音波検査を実行することは実現的には不可能であり得る。したがって、資格認定システムは、画像データを生成することができるシミュレータシステムを含む。例えば、資格認定システムは、超音波プローブによって撮像することができるダミー患者(例えば、胴体及び頭部、全身ダミーなど)を含むことができる。ダミー患者は、人工の解剖学的構造を含むことができ、超音波プローブ及びコンピューティングデバイスは、人工の解剖学的構造の超音波画像を生成することができる。
【0055】
幾つかの実施形態では、シミュレータシステムは、超音波画像を模倣するが、超音波システムによって送信された超音波信号から直接導出されない画像データを生成する。例えば、画像データは、ダミー患者上の接触点又は接触面積などのプローブの位置及び方向データ、並びにプローブの6自由度に対応するデータに基づいて、シミュレータシステムによって生成され得る。幾つかの実施形態において、シミュレータシステムは、候補者によって設定された撮像パラメータに基づいて画像データを生成する。位置データ、方向データ、及び撮像パラメータは、例えばベクトルに集約され、ニューラルネットワーク106に入力として供給することができる。ニューラルネットワークは、超音波画像のように見える画像を生成するように訓練することができ、この画像は、候補者を認証するために資格認定システムによって使用することができる。
【0056】
幾つかの実施形態において、シミュレータシステム108によって生成された画像は、自動審査の一部として前述したように、候補者のコンピューティングデバイス102の1又は複数のニューラルネットワークによって審査される。例えば、ニューラルネットワークは、画像の品質メトリック、又は画像の等級を生成することができる。幾つかの実施形態では、資格認定システムは、グラウンドトゥルース画像に基づいて画像の品質メトリック又は等級を決定する。例えば、資格認定システムは、様々な解剖学的構造及び検査タイプについて訓練された専門家によって収集されたグラウンドトゥルース画像のデータベースを含むことができる。資格認定システムは、シミュレータシステムによって生成された画像を、平均二乗誤差(例えば、画像から抽出された画素又は特徴)などのグラウンドトゥルース画像と比較して、画像の品質メトリック又は等級を決定することができる。幾つかの実施形態では、ニューラルネットワークは、シミュレータシステムによって生成された画像の品質メトリック又は等級を生成するために、シミュレータシステムによって生成された画像に加えて、第2の(又は条件付き)入力として正解画像を受信する。
【0057】
図7は、図1のコンピューティングデバイス102などの、幾つかの実施形態に係るコンピューティングデバイスによって実施される方法700のデータフロー図である。方法700は、ブロック701において、コンピューティングデバイスに接続された超音波プローブから超音波データを受信することを含む。幾つかの実施形態において、超音波プローブは、ダミー患者に超音波信号を送信し、超音波信号に基づいて超音波データを決定するようにコンピューティングデバイスによって命令される。ブロック702において、超音波データに基づいてコンピューティングデバイスによって画質スコアが生成される。幾つかの実施形態において、画質スコアは、コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されたニューラルネットワークを用いて生成される。幾つかの実施形態では、超音波データに基づいて解剖学的構造が判定され、ニューラルネットワークは、複数のニューラルネットワークの中から解剖学的構造に基づいて選択される。ブロック703において、超音波データは、画質スコアに基づいて、ユーザの資格認定のために審査者コンピューティングデバイスに通信される。
【0058】
幾つかの実施形態では、超音波プローブから追加の超音波データが受信され、追加の超音波データに基づいて、コンピューティングデバイスによって追加の画質スコアが生成される。幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、追加の画質スコアに基づいて、ユーザの資格認定のために追加の超音波データを審査者コンピューティングデバイスに通信しないことを決定する。幾つかの実施形態では、追加の画質スコアを改善するためのガイダンスがコンピューティングデバイスのユーザインタフェースに表示される。幾つかの実施形態では、ガイダンスには、プローブを移動させる命令、撮像パラメータの調整、及び検査タイプのうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態では、追加の画質スコア及び追加の超音波データに基づいて、訓練材料が選択される。幾つかの実施形態では、トレーニング材料は、ユーザが利用するためにコンピューティングデバイス上に公開される。
【0059】
図8は、図1のコンピューティングデバイス102など、幾つかの実施形態に係るコンピューティングデバイスによって実施される方法800のデータフロー図である。方法800は、ブロック801において、コンピューティングデバイスに接続された超音波プローブから超音波データを受信することを含む。ブロック802において、超音波データに基づいてコンピューティングデバイスによって画質スコアが生成される。ブロック803において、画質スコアに基づいて、ユーザ資格認定のための審査者コンピューティングデバイスへの超音波データの通信が停止される。画質スコアが閾値品質スコアを下回っているので、コンピューティングデバイスは超音波データの通信を停止することができる。したがって、資格認定システムは、超音波データが「十分に良好」ではないと判定すると、審査者は、手作業審査の一部として超音波データの評価に時間を費やす。したがって、資格認定システムは、手作業による審査のみに依存し、審査者の時間を浪費し得る従来の資格認定システムよりも効率的である。
【0060】
図9は、図1のコンピューティングデバイス102などの、幾つかの実施形態に係るコンピューティングデバイスによって実施される方法900のデータフロー図である。方法900は、ブロック901において、コンピューティングデバイスに接続された超音波プローブから超音波データを受信することを含む。ブロック902において、超音波データに基づいてコンピューティングデバイスによって画質スコアが生成される。ブロック903において、画質スコア及び超音波データは、ユーザ資格認定のために資格認定サーバに通信される。
【0061】
図10は、図1のコンピューティングデバイス102などの、幾つかの実施形態に係るコンピューティングデバイスによって実施される方法1000のデータフロー図である。方法1000は、ブロック1001において超音波画像を受信することを含む。ブロック1002において、超音波画像の第1のサブセットに関する画質スコアが生成される。ブロック1003において、超音波画像の第2のサブセットは、画質スコアに基づいて、ユーザ資格認定のために審査者コンピューティングデバイスに通信される。幾つかの実施形態では、超音波画像の第1のサブセット及び超音波画像の第2のサブセットは、互いに相違する。例えば、画像の第1のサブセットは、撮像されている第1の解剖学的構造(例えば、膀胱)、第1の超音波プロトコル(例えば、eFAST)、第1の検査プリセット(例えば、ブラダプリセット)などに対応することができ、画像の第2のサブセットは、撮像されている第2の解剖学的構造(例えば、肺)、第2のプロトコル(例えば、eFAST以外のプロトコル)、第2の検査タイプ(例えば、心臓プリセット)などに対応することができる。
【0062】
幾つかの実施形態において、方法1000は、超音波画像の第1のサブセット及び画質スコアをユーザの資格認定のために資格認定サーバに通信することを含む。幾つかの実施形態では、方法1000は、超音波画像を生成した候補者コンピューティングデバイスにコメントを通信することを含む。幾つかの実施形態では、コメントは、第2のサブセットを審査者コンピューティングデバイスに伝達することを示す。幾つかの実施形態では、コメントは、第1のサブセットの画質スコアのうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態では、コメントは、第1のサブセットの少なくとも1つの超音波画像が不合格等級に対応する画質スコアを有することを示す。幾つかの実施形態では、方法1000は、画像閾値の数を取得することを含む。幾つかの実施形態では、コメントは、少なくとも第1のサブセットの超音波画像の画像閾値の数が合格等級に対応する画質スコアを有することを示す。
【0063】
図11は、図1のコンピューティングデバイス102及び/又は審査者コンピューティングデバイス113などの幾つかの実施形態に係るコンピューティングデバイスによって実施される方法1100のデータフロー図である。方法1100は、ブロック1101において超音波画像を受信することを含む。ブロック1102において、超音波画像における画質スコアは、コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されたニューラルネットワークを使用して生成される。ブロック1103において、画質スコアに基づいて超音波検査資格認定が発行される。
【0064】
図12は、幾つかの実施形態に係る本明細書に記載の動作のうちの1又は複数を実行することができる例示的なコンピューティングデバイス1200のブロック図である。コンピューティングデバイス1200は、LAN、イントラネット、エクストラネット、及び/又はインターネット内の他のコンピューティング装置に接続されてもよい。コンピューティングデバイスは、クライアントサーバネットワーク環境におけるサーバマシンの能力において、又はピアツーピアネットワーク環境におけるクライアントの能力において動作することができる。コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバコンピューティング、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はそのマシンによって取られるべき動作を指定する命令セット(シーケンシャル又はその他)を実行することができる任意のマシンによって提供されてもよい。更に、単一のコンピューティングデバイスのみが示されているが、「コンピューティングデバイス」という用語はまた、本明細書で説明される方法を実行するために命令のセット(又は複数のセット)を個別に又は一緒に実行するコンピューティングデバイスの任意の集合を含むと解釈されるべきである。幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイス1200は、アクセスポイント及びパケット転送構成要素のうちの1又は複数とすることができる。
【0065】
例示的なコンピューティングデバイス1200は、処理デバイス(例えば、汎用プロセッサ、PLDなど)1202、メインメモリ1204(例えば、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、読み出し専用メモリ(ROM))と、スタティックメモリ1206(例えば、フラッシュメモリ及びデータ記憶デバイス1218)とを含むことができ、これらはバス1230を介して互いに通信することができる。処理デバイス1202は、マイクロプロセッサ、中央処理デバイスなどのような1又は複数の汎用処理デバイスによって提供されてもよい。例示的な例では、処理デバイス1202は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ若しくは命令セットの組み合わせを実装するプロセッサを備えてもよい。処理デバイス1202はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどのような、1又は複数の専用処理デバイスを備えてもよい。処理デバイス1202は、本明細書で説明した動作及び工程を実行するために、本開示の1又は複数の態様に従って、本明細書で説明した動作を実行するように構成することができる。
【0066】
コンピューティングデバイス1200は、ネットワーク1220と通信することができるネットワークインタフェースデバイス1208を更に含むことができる。コンピューティングデバイス1200はまた、ビデオ表示ユニット1210(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス1212(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス1214(例えば、マウス)、及び音響信号生成デバイス1216(例えば、スピーカ、及び/又はマイクロフォン)を含むことができる。一実施形態では、ビデオ表示ユニット1210、英数字入力デバイス1212、及びカーソル制御デバイス1214は、単一の構成要素又はデバイス(例えば、LCDタッチスクリーン)に組み合わされてもよい。
【0067】
データ記憶デバイス1218は、コンピュータ可読記憶媒体1228を含むことができ、コンピュータ可読記憶媒体には、本開示の1又は複数の態様に係る、例えば、本明細書に記載の動作を実行するための命令などの命令1226の1又は複数のセットを記憶することができる。また、命令1226は、コンピュータ可読媒体も構成するコンピューティングデバイス1200、メインメモリ1204、及び処理デバイス1202による実行中に、メインメモリ1204内及び/又は処理デバイス1202内に完全に又は少なくとも部分的に存在してもよい。更に、命令は、ネットワークインタフェースデバイス1208を介してネットワーク1220を介して送信又は受信することができる。
【0068】
コンピュータ可読記憶媒体1228は、例示的な例では単一の媒体であるように示されているが、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、1又は複数の命令セットを格納する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中又は分散データベース及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むと解釈されるべきである。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語はまた、機械による実行のための命令のセットを記憶、符号化、又は搬送することができ、機械に本明細書に記載の方法を実行させる任意の媒体を含むと解釈されるべきである。したがって、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、ソリッドステートメモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むが、これらに限定されないと解釈されるべきである。
【0069】
特に明記しない限り、「送信する」、「決定(判定)する」、「受信する」、「生成する」などの用語は、コンピューティングデバイスのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作して、コンピューティングデバイスのメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報記憶装置、送信装置又は表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換するコンピューティングデバイスによって実行又は実施される動作及びプロセスを指す。また、本明細書で使用される「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語は、異なる要素間を区別するためのラベルを意味し、それらの数値指定に従って必ずしも順序を意味しなくてもよい。
【0070】
また、本明細書に記載の例は、本明細書に記載の動作を実行するための装置に関する。この装置は、必要な目的のために特別に構成されてもよく、又はコンピューティングデバイスに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされた汎用コンピューティングデバイスを備えてもよい。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読非一時的記憶媒体に記憶されてもよい。
【0071】
本明細書に記載の方法及び例示的な例は、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的に関連しない。本明細書に記載の教示に従って様々な汎用システムを使用することができ、又は必要な方法工程を実行するためのより特殊化された装置を構築することが便利であることが分かり得る。様々なこれらのシステムに必要な構造は、上記の説明に記載されているように現れる。
【0072】
上記の説明は、例示的なものであり、限定的なものではない。本開示は、特定の例示的な実施例を参照して説明されたが、本開示は、説明された実施例に限定されないことが認識される。本開示の範囲は、特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に、以下の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0073】
本明細書で使用される場合、単数形「1つ」、「1つ」及び「その」は、文脈が別段明確に示唆しなければ、複数形も含むことが意図される。「備える」、「備えている」、「含む」、及び/又は「含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1又は複数の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことが更に理解される。したがって、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。
【0074】
幾つかの代替の実装形態では、記載された機能/動作は、図に記載された順序から外れて行われてもよいことにも留意すべきである。例えば、連続して示される2つの図は、実際には、関与する機能/動作に応じて、実質的に同時に実行されてもよく、又は時には逆の順序で実行されてもよい。
【0075】
方法動作が特定の順序で説明されたが、記載された動作の間に他の動作が実行されてもよく、記載された動作は、それらがわずかに異なる時間に発生するように調整されてもよく、又は記載された動作は、処理に関連する様々な間隔で処理動作の発生を可能にするシステムに分散されてもよいことを理解すべきである。
【0076】
様々なユニット、回路、又は他の構成要素は、1又は複数のタスクを実行する「ように構成される」又は「ように構成可能である」として説明され又は特許請求の範囲に記載され得る。そのような文脈では、「ように構成される」又は「ように構成可能である」という語句は、ユニット/回路/構成要素が動作中に1又は複数のタスクを実行する構造(例えば、回路)を含むことを示すことによって構造を暗示するために使用される。したがって、ユニット/回路/構成要素は、指定されたユニット/回路/構成要素が現在動作していない(例えば、オンではない)場合でも、タスクを実行するように構成されている、又はタスクを実行するように構成可能であると言うことができる。「ように構成される」又は「ように構成可能である」という言語と共に使用されるユニット/回路/構成要素は、ハードウェア、例えば、回路、動作を実施するために実行可能なプログラム命令を格納するメモリなどを含む。ユニット/回路/構成要素が、1又は複数のタスクを実行する「ように構成される」、又は1又は複数のタスクを実行する「ように構成可能である」ことを明記することは、そのユニット/回路/構成要素について35U.S.C.112第6段落を呼び出さないことを明確に意図している。更に、「ように構成される」又は「ように構成可能である」は、問題のタスクを実行することができる態様で動作するようにソフトウェア及び/又はファームウェア(例えば、ソフトウェアを実行するFPGA又は汎用プロセッサ)によって操作される一般的な構造(例えば、汎用回路)を含むことができる。「ように構成される」は、製造プロセス(例えば、半導体製造設備)を、1又は複数のタスクを実施又は実行するように適合されたデバイス(例えば、集積回路)を製造するように適合させることを含むこともできる。「ように構成可能である」は、開示された機能を実行するように構成されるようにプログラムされていない装置に能力を与えるプログラムされた媒体を伴わない限り、ブランク媒体、プログラムされていないプロセッサ若しくはプログラムされていない汎用コンピュータ、又はプログラムされていないプログラマブル論理デバイス、プログラマブルゲートアレイ、若しくは他のプログラムされていない装置に適用されないことが明確に意図される。
【0077】
上記の説明は、説明を目的として、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、実施形態の原理及びその実際の用途を最もよく説明し、それによって、他の当業者が、企図される特定の用途に適し得る実施形態及び様々な修正を最もよく利用できるようにするために選択及び説明された。したがって、本実施形態は、例示的であり、限定的ではないと考えられるべきであり、本発明は、本明細書に与えられた詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及び均等物の範囲内で修正され得る。
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【外国語明細書】