(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061174
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】振動デバイス、振動ユニット及び振動装置
(51)【国際特許分類】
B06B 1/06 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
B06B1/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168937
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】長坂 昭吾
(72)【発明者】
【氏名】清水 良典
(72)【発明者】
【氏名】竹下 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】小林 健
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ジメルカ
(72)【発明者】
【氏名】竹井 裕介
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA05
5D107BB08
5D107CC01
5D107CC11
5D107CC12
5D107CD01
5D107CD03
5D107DE02
(57)【要約】
【課題】振動素子が発生させる振動を効果的に伝達することが可能な振動デバイス、振動ユニット及び振動装置を提供する。
【解決手段】振動デバイス2は、薄膜の面方向に並べて配置された複数の振動素子21を備え、複数の振動素子21は、夫々異なる振動での制御が可能である。例えば、振動デバイス2は、振動の周波数が異なる複数の振動素子21を備えている。また、例えば、振動デバイス2は、位相が異なる複数の振動素子21を備えている。振動ユニットVUは、振動デバイス2と、振動デバイス2が備える振動素子21の振動を制御する制御部とを備えている。振動装置VAは、振動デバイス2及び制御部と、振動デバイス2及び制御部を収容する筐体とを備え、筐体の外面に配置され、振動デバイス2が備える振動素子21に起因する振動を発生させる振動部を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜状に形成された複数の振動素子を備え、
前記複数の振動素子は、薄膜の面方向に並べて配置されており、
前記複数の振動素子は、それぞれ異なる振動での制御が可能である
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の振動デバイスであって、
前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、周波数が異なる
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の振動デバイスであって、
前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動の周波数の差は、1~50Hzである
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の振動デバイスであって、
前記複数の振動素子のうちの第3の振動素子の振動は、前記第1の振動素子と周波数が等しく位相が異なる
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の振動デバイスであって、
前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、周波数が等しく位相が異なる
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の振動デバイスであって、
前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、周波数が等しく逆位相である
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項7】
請求項1乃至請求項3、並びに請求項5及び請求項6のいずれか1項に記載の振動デバイスであって、
前記複数の振動素子の振動の周波数は、50~500Hzである
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項8】
請求項1乃至請求項3、並びに請求項5及び請求項6のいずれか1項に記載の振動デバイスと、
前記振動デバイスが備える振動素子の振動を制御する制御部と
を備えることを特徴とする振動ユニット。
【請求項9】
請求項1乃至請求項3、並びに請求項5及び請求項6のいずれか1項に記載の振動デバイスと、
前記振動デバイスが備える振動素子の振動を制御する制御部と、
前記振動デバイス及び前記制御部を収容する筐体と、
前記筐体の外面に配置され、前記振動デバイスが備える振動素子に起因する振動を発生させる振動部と
を備えることを特徴とする振動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動素子を備える振動デバイス、そのような振動デバイスを備える振動ユニット及びそのような振動ユニットを備える振動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
装置に触れた使用者に伝える振動を発生させる振動素子を用いた装置として、ゲーム用コントローラ等の操作用の装置、スマートフォン、タブレット型コンピュータ等の通信用の装置、その他様々な電子機器が普及している。例えば、特許文献1では、圧電アクチュエータ等の薄いシート形状(薄膜状)のアクチュエータ(振動素子)に駆動信号を供給することで、指の接触部を振動し、ユーザに振動を伝える入力装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にて開示されているような薄膜状の振動素子を用いる場合、振動の効果的な伝達が課題となる。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、薄膜状の振動素子を用いて効果的に振動を伝達することが可能な振動デバイスの提供を主たる目的とする。
【0006】
また、本発明は、本発明に係る振動デバイスを備える振動ユニットの提供を他の目的とする。
【0007】
また、本発明は、本発明に係る振動デバイスを備える振動装置の提供を更に他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願開示の振動デバイスは、薄膜状に形成された複数の振動素子を備え、前記複数の振動素子は、薄膜の面方向に並べて配置されており、前記複数の振動素子は、それぞれ異なる振動での制御が可能であることを特徴とする。
【0009】
また、前記振動デバイスにおいて、前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、周波数が異なることを特徴とする。
【0010】
また、前記振動デバイスにおいて、前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動の周波数の差は、1~50Hzであることを特徴とする。
【0011】
また、前記振動デバイスにおいて、前記複数の振動素子のうちの第3の振動素子の振動は、前記第1の振動素子と周波数が等しく位相が異なることを特徴とする。
【0012】
また、前記振動デバイスにおいて、前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、周波数が等しく位相が異なることを特徴とする。
【0013】
また、前記振動デバイスにおいて、前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第
2の振動素子の振動は、周波数が等しく逆位相であることを特徴とする。
【0014】
また、前記振動デバイスにおいて、前記複数の振動素子の振動の周波数は、50~500Hzであることを特徴とする。
【0015】
更に、本願開示の振動ユニットは、前記振動デバイスと、前記振動デバイスが備える振動素子の振動を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0016】
更に、本願開示の振動装置は、前記振動デバイスと、前記振動デバイスが備える振動素子の振動を制御する制御部と、前記振動デバイス及び前記制御部を収容する筐体と、前記筐体の外面に配置され、前記振動デバイスが備える振動素子に起因する振動を発生させる振動部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本願開示の振動デバイス等は、薄膜状の振動素子を複数備え、振動素子が発生させる振動を効果的に伝達することが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本願開示の振動装置の外観の一例を示す概略外観図である。
【
図2】本願開示の振動装置の外観の一例を示す概略外観図である。
【
図3】本願開示の振動装置の内部の一例を示す概略斜視図である。
【
図4】本願開示の振動デバイスの一例を模式的に示す概略外観図である。
【
図5】本願開示の振動ユニットの機能構成の一例を模式的に示す回路ブロック図である。
【
図6】人体の皮膚感覚に対する周波数の影響の一例を示すグラフである。
【
図7】異なる周波数で振動する波形の一例を示すグラフである。
【
図8】本願開示の振動デバイスの一例を模式的に示す概略外観図である。
【
図9】本願開示の振動ユニットの機能構成の一例を模式的に示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<適用例>
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。本願開示の振動装置は、使用者に対して、振動により状況又は情報を伝える装置、例えば、操作部及び表示部が一体型のゲーム装置、ゲーム装置用コントローラ等の装置に適用される。以下では、図面を参照しながら、ゲーム装置に適用した振動装置VAを例示して説明する。
【0020】
<振動装置VAの外観>
図1及び
図2は、本願開示の振動装置VAの外観の一例を示す概略外観図である。
図1は、振動装置VAの正面側を示す概略斜視図であり、
図2は、振動装置VAの背面側を示す概略斜視図である。振動装置VAは、略長方形の板状をなす筐体1を備え、筐体1の正面中央には、長方形状の液晶パネル等の表示部10が配置されており、表示部10の左右に使用者が把持する把持部11が配置されている。把持部11には、使用者が、親指で操作する操作ボタン等の操作部12が配置されている。筐体1の背面(外面)には、使用者の親指以外の指が触れる位置に、振動を発生させる振動部13が4箇所に配置されている。
【0021】
<振動装置VAの内部構造>
図3は、本願開示の振動装置VAの内部の一例を示す概略斜視図である。
図3は、振動装置VAの筐体1の正面に配置された表示部10を取り外し、内部の構造が視認できるよ
うに示している。なお、振動装置VAの内部を視認し易いように、
図3は、筐体1及び筐体1内に配置された振動デバイス2のみを示している。
図3に例示するように、筐体1内には、4個の振動デバイス2が配置されており、各振動デバイス2の配置位置は、筐体1の背面の振動部13の位置に対応している。このような配置により、振動デバイス2の振動が、筐体1の振動部13を介して使用者の指先に伝えられる。
【0022】
<振動デバイス2の構造>
図4は、本願開示の振動デバイス2の一例を模式的に示す概略外観図である。振動デバイス2は、基板20と、基板20上に配置された振動素子21と、基板20上に形成されたプリント配線22とを備えている。
【0023】
基板20は、例えば、可撓性を有する薄膜状のフレキシブルプリント基板(FPC基板)である。基板20は、略長方形状をなす素子配置部200と、素子配置部200の4頂点近傍からそれぞれ延びる端子配置部201とを有している。端子配置部201は、素子配置部200のそれぞれの頂点から長辺を延伸する方向(
図4中の上下方向)に延びている。
【0024】
基板20の素子配置部200には、薄膜状をなす4個の振動素子21が、薄膜の面方向に並べて配置されている。振動素子21の薄膜状とは、厚みが薄いシートのような形状であり、面方向とは、シートの広がり方向、即ち、薄い厚みの方向と略直交する方向を示す。
図4に例示する形態では、平面視で略正方形状をなす4個の振動素子21が、互いに重ならないように、2×2のマス目状に並べて配置されている。各振動素子21は、振動装置VAを使用する使用者の指が、筐体1に配置された振動部13に触れた場合に、複数の振動素子21に同時に触れる程度の大きさ及び配置となっている。なお、ここでいう平面視とは、薄膜の面に対する法線方向からの視点を示している。振動素子21は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電性を有するピエゾ素子(圧電素子)を用いて形成されており、通電により振動する。各振動素子21には、それぞれ一対の素子電極部210が形成されており、素子電極部210を介して通電を受ける。なお、以降の説明において、個々の振動素子21を区別して説明する場合、それぞれ第1振動素子21a、第2振動素子21b、第3振動素子21c及び第4振動素子21dと呼ぶものとする。
【0025】
各振動素子21には、それぞれ一対のプリント配線22が接続されている。プリント配線22の一端側は、振動素子21に接続する配線電極部220となっており、他端側は、端子部221となっている。プリント配線22は、配線電極部220が素子配置部200に位置し、配線電極部220から延びる端子部221側が端子配置部201に沿って形成されている。振動素子21の素子電極部210と、プリント配線22の配線電極部220とは、銀ペースト等の導電性の接着材(図示せず)にて電気的に接続されている。各端子部221は、各振動素子21の振動を制御する制御デバイス3(制御部・
図5等参照)に電気的に接続されている。
【0026】
<振動ユニットVUの制御構造>
振動装置VAが備える筐体1内には、振動デバイス2と共に、振動デバイス2が備える振動素子21の振動を制御する制御デバイス3が収容されており、振動デバイス2と制御デバイス3とで振動ユニットVUを構成している。
図5は、本願開示の振動ユニットVUの機能構成の一例を模式的に示す回路ブロック図である。振動ユニットVUが備える制御デバイス3は、制御回路30、発振回路31、増幅回路32等の構成を備えている。
図5に例示する形態では、発振回路31及び増幅回路32は、振動デバイス2毎に設けられており、一の制御回路30にて制御される。制御回路30は、振動デバイス2毎の振動を制御するプロセッサであり、各発振回路31に振動を制御する制御信号を出力する。各発振回路31は、入力された制御信号に基づく波形の電気信号を、それぞれ対応する増幅回路
32へ出力する。各増幅回路32は、入力された電気信号を増幅して振動素子21を駆動させる駆動信号を生成し、生成した駆動信号を、それぞれ対応する振動デバイス2へ出力する。各振動デバイス2は、駆動信号として入力された波形の電圧を、それぞれ対応する振動素子21に印加し、それぞれの振動素子21を振動させる。
【0027】
振動素子21の振動に係る波形は、サイン波、ノコギリ波、矩形波等の周期性を有する波形が使用される。以降では、サイン波で振動素子21を振動させる形態を例示して説明する。制御デバイス3にて制御することにより、各振動素子21は、異なる波形で振動させることが可能である。各振動素子21の振動の波形の振幅は、それぞれ異なるように制御することも可能であるが、ここでは、各振動素子21が、全て同一の振幅の波形で制御する形態を例示して説明する。
【0028】
各振動素子21は、振幅が同じで、周波数及び/又は位相が異なった振動を発生するように制御される。振幅は、各振動素子21に印加される電圧(駆動信号)の振幅、又は各振動素子21の物理的な歪みの幅を示す。各振動素子21の周波数は、50~500Hzの間で制御されるが、200Hz近傍が好ましい。異なる周波数で振動する振動素子21間の周波数の差は、1~50Hzの間で制御されるが、2~3Hzの範囲での制御が好ましい。同じ周波数で振動する振動素子21は、異なる位相で制御されるが、特に、逆位相とすることが好ましい。例えば、第1振動素子21aを200Hz及び第2振動素子21bを203Hzで制御し、第1振動素子21aと対角位置に配置される第3振動素子21cを200Hz及び第2振動素子21bと対角位置に配置される第4振動素子21dを203Hzで制御する。また、第1振動素子21aと第3振動素子21cとは逆位相となるように制御し、第2振動素子21bと第4振動素子21dとは逆位相となるように制御する。
【0029】
図6は、人体の皮膚感覚に対する周波数の影響の一例を示すグラフである。
図6では、横軸に周波数をとり、縦軸にパチニ小体が振動振幅を知覚する弁別閾値をとって、その関係を示している。パチニ小体とは、人体の皮膚に見られる機械受容体の一つである。
図6のグラフに示すように、パチニ小体は、200Hz近傍の周波数の振動に対して最も敏感であり、1μm程度の振幅でも知覚することができる。従って、各振動素子21の振動に係る周波数は、50~500Hzで制御することが好ましく、特に、200Hz近傍に制御することが好ましい。
【0030】
図7は、異なる周波数で振動する波形の一例を示すグラフである。
図7は、横軸に時間をとり、縦軸に信号値として電圧をとって、200Hzで振動する第1振動素子21aの波形と、203Hzで振動する第2振動素子21bの波形とを重畳して示している。図中実線が第1振動素子21aの波形であり、破線が第2振動素子21bの波形である。指等の人体の一部が、第1振動素子21a及び第2振動素子21bに同時に触れた場合、200Hzの振動の波形と、203Hzの振動の波形とを同時に触感することになる。一般に、人体の皮膚感覚は、一定の周波数の振動より、変化のある振動に対して、より敏感となる。200Hzと203Hzの異なる波形の振動を同時に触感することにより、人体は、これらの波形が合成された3Hzの擬似的なうなりを体感することになり、敏感に振動を知覚することができる。本願発明者らは、実験により、擬似的なうなりが1~50Hzの場合に、一定の周波数より敏感に振動を知覚することができ、特に、擬似的なうなりが2~3Hzの場合に、最も敏感に振動を知覚することができるとの知見を得た。従って、振動素子21間の周波数の差は、1~50Hzが好ましく、特に、2~3Hzとすることが好ましい。
【0031】
また、本願発明者らは、実験により、同じ周波数であっても、位相が異なる場合は、同位相より敏感に振動を知覚することができ、特に、逆位相とすることにより、最も敏感に
振動を知覚することができるとの知見を得た。よって、実施形態として、本願は、対角位置に配置された第1振動素子21a及び第3振動素子21cを逆位相で制御し、第2振動素子21b及び第4振動素子21dを逆位相で制御する制御方法を開示する。
【0032】
<振動デバイス2の他の形態>
図8は、本願開示の振動デバイス2の一例を模式的に示す概略外観図である。
図9は、本願開示の振動ユニットVUの機能構成の一例を模式的に示す回路ブロック図である。
図8及び
図9は、振動デバイス2の他の形態を示している。
図8及び
図9に例示する振動デバイス2は、第1振動素子21a乃至第4振動素子21dをそれぞれ独立させて個別に制御するのではなく、一組の発振回路31及び増幅回路32で複数の振動素子21を制御する形態である。
図8及び
図9に例示する形態では、第1振動素子21a及び第3振動素子21cを第1の組の発振回路31及び増幅回路32で制御し、第2振動素子21b及び第4振動素子21dを第2の組の発振回路31及び増幅回路32で制御している。一組の発振回路31及び増幅回路32で二の振動素子21を制御するため、制御される二の振動素子21は、同一の周波数で振動する。ただし、それぞれの振動素子21で、プリント配線22の極性を逆にすることにより、位相を反転させることが可能となる。
図8及び
図9に例示する形態において、本願開示の振動ユニットVUは、第1振動素子21a及び第3振動素子21cを、200Hzの周波数で逆位相となるように制御し、第2振動素子21b及び第4振動素子21dを、203Hzの周波数で逆位相となるように制御することが可能である。
【0033】
以上のように本願開示の振動デバイス2等は、複数の薄膜状の振動素子21を並べて配置し、それぞれ異なる振動となるように制御する。これにより、本願開示の振動デバイス2等は、使用者が敏感に知覚することが可能な振動を発生させることができるので、振動素子21が発生させる振動を効果的に伝達することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0034】
また、本願開示の振動デバイス2等は、振動素子21の振動周波数を50~500Hzとし、振動素子21間の周波数の差を1~50Hzとすることにより、更に、同じ振動周波数でも逆位相とすることにより、知覚しやすい振動を発生させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0035】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な形態で実施することが可能である。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の技術範囲は、請求の範囲によって説明するものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形及び変更は、全て本発明の技術範囲内のものである。
【0036】
例えば、前記実施形態では、4個の振動素子21を一組として振動デバイス2に組み込む形態を示したが、本発明はこれに限らず、2個、3個、5個以上等の複数の振動素子21を一の振動デバイス2に組み込むことが可能である。また、その場合、本発明に係る振動デバイス2は、それぞれの振動素子21の周波数及び位相は適宜設定することが可能である。更に、例えば、本発明に係る振動デバイス2は、複数の振動素子21のうち、周波数及び位相が同じ振動素子21を含むようにすることも可能である。
【0037】
また、例えば、前記実施形態では、本願開示の振動装置VAをゲーム装置用コントローラに適用する形態について説明したが、本願開示の振動装置VAは、これに限るものではない。本願開示の振動装置VAは、使用者に対して、振動により状況又は情報を伝えるスマートフォン、タブレット型コンピュータ等の様々な装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
VA 振動装置
VU 振動ユニット
1 筐体
13 振動部
2 振動デバイス
20 基板
21 振動素子
21a 第1振動素子
21b 第2振動素子
21c 第3振動素子
21d 第4振動素子
3 制御デバイス(制御部)
30 制御回路
31 発振回路
32 増幅回路
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動素子を備える振動デバイス、そのような振動デバイスを備える振動ユニット及びそのような振動ユニットを備える振動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
装置に触れた使用者に伝える振動を発生させる振動素子を用いた装置として、ゲーム用コントローラ等の操作用の装置、スマートフォン、タブレット型コンピュータ等の通信用の装置、その他様々な電子機器が普及している。例えば、特許文献1では、圧電アクチュエータ等の薄いシート形状(薄膜状)のアクチュエータ(振動素子)に駆動信号を供給することで、指の接触部を振動し、ユーザに振動を伝える入力装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にて開示されているような薄膜状の振動素子を用いる場合、振動の効果的な伝達が課題となる。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、薄膜状の振動素子を用いて効果的に振動を伝達することが可能な振動デバイスの提供を主たる目的とする。
【0006】
また、本発明は、本発明に係る振動デバイスを備える振動ユニットの提供を他の目的とする。
【0007】
また、本発明は、本発明に係る振動デバイスを備える振動装置の提供を更に他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、薄膜状に形成された複数の振動素子を備え、前記複数の振動素子は、薄膜の面方向に並べて配置されており、前記複数の振動素子は、それぞれ異なる振動での制御が可能であり、前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、周波数が異なることを特徴とする。
【0009】
更に、本願開示の振動デバイスは、薄膜状に形成された複数の振動素子を備え、前記複数の振動素子は、薄膜の面方向に並べて配置されており、前記複数の振動素子は、それぞれ異なる振動での制御が可能であり、前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動の周波数の差は、1~50Hzであることを特徴とする。
【0010】
また、前記振動デバイスにおいて、前記複数の振動素子のうちの第3の振動素子の振動は、前記第1の振動素子と周波数が等しく位相が異なることを特徴とする。
【0011】
更に、本願開示の振動デバイスは、薄膜状に形成された複数の振動素子を備え、前記複数の振動素子は、薄膜の面方向に並べて配置されており、前記複数の振動素子は、それぞれ異なる振動での制御が可能であり、前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、周波数が等しく位相が異なることを特徴とする。
【0012】
更に、本願開示の振動デバイスは、薄膜状に形成された複数の振動素子を備え、前記複数の振動素子は、薄膜の面方向に並べて配置されており、前記複数の振動素子は、それぞれ異なる振動での制御が可能であり、前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、等しい周波数で振動し、逆位相として伝わる振動を発生させることを特徴とする。
【0013】
また、前記振動デバイスにおいて、前記複数の振動素子の振動の周波数は、50~500Hzであることを特徴とする。
【0014】
更に、本願開示の振動ユニットは、前記振動デバイスと、前記振動デバイスが備える振動素子の振動を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0015】
更に、本願開示の振動装置は、前記振動デバイスと、前記振動デバイスが備える振動素子の振動を制御する制御部と、前記振動デバイス及び前記制御部を収容する筐体と、前記筐体の外面に配置され、前記振動デバイスが備える振動素子に起因する振動を発生させる振動部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本願開示の振動デバイス等は、薄膜状の振動素子を複数備え、振動素子が発生させる振動を効果的に伝達することが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本願開示の振動装置の外観の一例を示す概略外観図である。
【
図2】本願開示の振動装置の外観の一例を示す概略外観図である。
【
図3】本願開示の振動装置の内部の一例を示す概略斜視図である。
【
図4】本願開示の振動デバイスの一例を模式的に示す概略外観図である。
【
図5】本願開示の振動ユニットの機能構成の一例を模式的に示す回路ブロック図である。
【
図6】人体の皮膚感覚に対する周波数の影響の一例を示すグラフである。
【
図7】異なる周波数で振動する波形の一例を示すグラフである。
【
図8】本願開示の振動デバイスの一例を模式的に示す概略外観図である。
【
図9】本願開示の振動ユニットの機能構成の一例を模式的に示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<適用例>
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。本願開示の振動装置は、使用者に対して、振動により状況又は情報を伝える装置、例えば、操作部及び表示部が一体型のゲーム装置、ゲーム装置用コントローラ等の装置に適用される。以下では、図面を参照しながら、ゲーム装置に適用した振動装置VAを例示して説明する。
【0019】
<振動装置VAの外観>
図1及び
図2は、本願開示の振動装置VAの外観の一例を示す概略外観図である。
図1は、振動装置VAの正面側を示す概略斜視図であり、
図2は、振動装置VAの背面側を示す概略斜視図である。振動装置VAは、略長方形の板状をなす筐体1を備え、筐体1の正面中央には、長方形状の液晶パネル等の表示部10が配置されており、表示部10の左右に使用者が把持する把持部11が配置されている。把持部11には、使用者が、親指で操作する操作ボタン等の操作部12が配置されている。筐体1の背面(外面)には、使用者の親指以外の指が触れる位置に、振動を発生させる振動部13が4箇所に配置されている。
【0020】
<振動装置VAの内部構造>
図3は、本願開示の振動装置VAの内部の一例を示す概略斜視図である。
図3は、振動装置VAの筐体1の正面に配置された表示部10を取り外し、内部の構造が視認できるように示している。なお、振動装置VAの内部を視認し易いように、
図3は、筐体1及び筐体1内に配置された振動デバイス2のみを示している。
図3に例示するように、筐体1内には、4個の振動デバイス2が配置されており、各振動デバイス2の配置位置は、筐体1の背面の振動部13の位置に対応している。このような配置により、振動デバイス2の振動が、筐体1の振動部13を介して使用者の指先に伝えられる。
【0021】
<振動デバイス2の構造>
図4は、本願開示の振動デバイス2の一例を模式的に示す概略外観図である。振動デバイス2は、基板20と、基板20上に配置された振動素子21と、基板20上に形成されたプリント配線22とを備えている。
【0022】
基板20は、例えば、可撓性を有する薄膜状のフレキシブルプリント基板(FPC基板)である。基板20は、略長方形状をなす素子配置部200と、素子配置部200の4頂点近傍からそれぞれ延びる端子配置部201とを有している。端子配置部201は、素子配置部200のそれぞれの頂点から長辺を延伸する方向(
図4中の上下方向)に延びている。
【0023】
基板20の素子配置部200には、薄膜状をなす4個の振動素子21が、薄膜の面方向に並べて配置されている。振動素子21の薄膜状とは、厚みが薄いシートのような形状であり、面方向とは、シートの広がり方向、即ち、薄い厚みの方向と略直交する方向を示す。
図4に例示する形態では、平面視で略正方形状をなす4個の振動素子21が、互いに重ならないように、2×2のマス目状に並べて配置されている。各振動素子21は、振動装置VAを使用する使用者の指が、筐体1に配置された振動部13に触れた場合に、複数の振動素子21に同時に触れる程度の大きさ及び配置となっている。なお、ここでいう平面視とは、薄膜の面に対する法線方向からの視点を示している。振動素子21は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電性を有するピエゾ素子(圧電素子)を用いて形成されており、通電により振動する。各振動素子21には、それぞれ一対の素子電極部210が形成されており、素子電極部210を介して通電を受ける。なお、以降の説明において、個々の振動素子21を区別して説明する場合、それぞれ第1振動素子21a、第2振動素子21b、第3振動素子21c及び第4振動素子21dと呼ぶものとする。
【0024】
各振動素子21には、それぞれ一対のプリント配線22が接続されている。プリント配線22の一端側は、振動素子21に接続する配線電極部220となっており、他端側は、端子部221となっている。プリント配線22は、配線電極部220が素子配置部200に位置し、配線電極部220から延びる端子部221側が端子配置部201に沿って形成されている。振動素子21の素子電極部210と、プリント配線22の配線電極部220とは、銀ペースト等の導電性の接着材(図示せず)にて電気的に接続されている。各端子部221は、各振動素子21の振動を制御する制御デバイス3(制御部・
図5等参照)に電気的に接続されている。
【0025】
<振動ユニットVUの制御構造>
振動装置VAが備える筐体1内には、振動デバイス2と共に、振動デバイス2が備える振動素子21の振動を制御する制御デバイス3が収容されており、振動デバイス2と制御デバイス3とで振動ユニットVUを構成している。
図5は、本願開示の振動ユニットVUの機能構成の一例を模式的に示す回路ブロック図である。振動ユニットVUが備える制御デバイス3は、制御回路30、発振回路31、増幅回路32等の構成を備えている。
図5に例示する形態では、発振回路31及び増幅回路32は、振動デバイス2毎に設けられており、一の制御回路30にて制御される。制御回路30は、振動デバイス2毎の振動を制御するプロセッサであり、各発振回路31に振動を制御する制御信号を出力する。各発振回路31は、入力された制御信号に基づく波形の電気信号を、それぞれ対応する増幅回路32へ出力する。各増幅回路32は、入力された電気信号を増幅して振動素子21を駆動させる駆動信号を生成し、生成した駆動信号を、それぞれ対応する振動デバイス2へ出力する。各振動デバイス2は、駆動信号として入力された波形の電圧を、それぞれ対応する振動素子21に印加し、それぞれの振動素子21を振動させる。
【0026】
振動素子21の振動に係る波形は、サイン波、ノコギリ波、矩形波等の周期性を有する波形が使用される。以降では、サイン波で振動素子21を振動させる形態を例示して説明する。制御デバイス3にて制御することにより、各振動素子21は、異なる波形で振動させることが可能である。各振動素子21の振動の波形の振幅は、それぞれ異なるように制御することも可能であるが、ここでは、各振動素子21が、全て同一の振幅の波形で制御する形態を例示して説明する。
【0027】
各振動素子21は、振幅が同じで、周波数及び/又は位相が異なった振動を発生するように制御される。振幅は、各振動素子21に印加される電圧(駆動信号)の振幅、又は各振動素子21の物理的な歪みの幅を示す。各振動素子21の周波数は、50~500Hzの間で制御されるが、200Hz近傍が好ましい。異なる周波数で振動する振動素子21間の周波数の差は、1~50Hzの間で制御されるが、2~3Hzの範囲での制御が好ましい。同じ周波数で振動する振動素子21は、異なる位相で制御されるが、特に、逆位相とすることが好ましい。例えば、第1振動素子21aを200Hz及び第2振動素子21bを203Hzで制御し、第1振動素子21aと対角位置に配置される第3振動素子21cを200Hz及び第2振動素子21bと対角位置に配置される第4振動素子21dを203Hzで制御する。また、第1振動素子21aと第3振動素子21cとは逆位相となるように制御し、第2振動素子21bと第4振動素子21dとは逆位相となるように制御する。
【0028】
図6は、人体の皮膚感覚に対する周波数の影響の一例を示すグラフである。
図6では、横軸に周波数をとり、縦軸にパチニ小体が振動振幅を知覚する弁別閾値をとって、その関係を示している。パチニ小体とは、人体の皮膚に見られる機械受容体の一つである。
図6のグラフに示すように、パチニ小体は、200Hz近傍の周波数の振動に対して最も敏感であり、1μm程度の振幅でも知覚することができる。従って、各振動素子21の振動に係る周波数は、50~500Hzで制御することが好ましく、特に、200Hz近傍に制御することが好ましい。
【0029】
図7は、異なる周波数で振動する波形の一例を示すグラフである。
図7は、横軸に時間をとり、縦軸に信号値として電圧をとって、200Hzで振動する第1振動素子21aの波形と、203Hzで振動する第2振動素子21bの波形とを重畳して示している。図中実線が第1振動素子21aの波形であり、破線が第2振動素子21bの波形である。指等の人体の一部が、第1振動素子21a及び第2振動素子21bに同時に触れた場合、200Hzの振動の波形と、203Hzの振動の波形とを同時に触感することになる。一般に、人体の皮膚感覚は、一定の周波数の振動より、変化のある振動に対して、より敏感となる。200Hzと203Hzの異なる波形の振動を同時に触感することにより、人体は、これらの波形が合成された3Hzの擬似的なうなりを体感することになり、敏感に振動を知覚することができる。本願発明者らは、実験により、擬似的なうなりが1~50Hzの場合に、一定の周波数より敏感に振動を知覚することができ、特に、擬似的なうなりが2~3Hzの場合に、最も敏感に振動を知覚することができるとの知見を得た。従って、振動素子21間の周波数の差は、1~50Hzが好ましく、特に、2~3Hzとすることが好ましい。
【0030】
また、本願発明者らは、実験により、同じ周波数であっても、位相が異なる場合は、同位相より敏感に振動を知覚することができ、特に、逆位相とすることにより、最も敏感に振動を知覚することができるとの知見を得た。よって、実施形態として、本願は、対角位置に配置された第1振動素子21a及び第3振動素子21cを逆位相で制御し、第2振動素子21b及び第4振動素子21dを逆位相で制御する制御方法を開示する。
【0031】
<振動デバイス2の他の形態>
図8は、本願開示の振動デバイス2の一例を模式的に示す概略外観図である。
図9は、本願開示の振動ユニットVUの機能構成の一例を模式的に示す回路ブロック図である。
図8及び
図9は、振動デバイス2の他の形態を示している。
図8及び
図9に例示する振動デバイス2は、第1振動素子21a乃至第4振動素子21dをそれぞれ独立させて個別に制御するのではなく、一組の発振回路31及び増幅回路32で複数の振動素子21を制御する形態である。
図8及び
図9に例示する形態では、第1振動素子21a及び第3振動素子21cを第1の組の発振回路31及び増幅回路32で制御し、第2振動素子21b及び第4振動素子21dを第2の組の発振回路31及び増幅回路32で制御している。一組の発振回路31及び増幅回路32で二の振動素子21を制御するため、制御される二の振動素子21は、同一の周波数で振動する。ただし、それぞれの振動素子21で、プリント配線22の極性を逆にすることにより、位相を反転させることが可能となる。
図8及び
図9に例示する形態において、本願開示の振動ユニットVUは、第1振動素子21a及び第3振動素子21cを、200Hzの周波数で逆位相となるように制御し、第2振動素子21b及び第4振動素子21dを、203Hzの周波数で逆位相となるように制御することが可能である。
【0032】
以上のように本願開示の振動デバイス2等は、複数の薄膜状の振動素子21を並べて配置し、それぞれ異なる振動となるように制御する。これにより、本願開示の振動デバイス2等は、使用者が敏感に知覚することが可能な振動を発生させることができるので、振動素子21が発生させる振動を効果的に伝達することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0033】
また、本願開示の振動デバイス2等は、振動素子21の振動周波数を50~500Hzとし、振動素子21間の周波数の差を1~50Hzとすることにより、更に、同じ振動周波数でも逆位相とすることにより、知覚しやすい振動を発生させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0034】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な形態で実施することが可能である。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の技術範囲は、請求の範囲によって説明するものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形及び変更は、全て本発明の技術範囲内のものである。
【0035】
例えば、前記実施形態では、4個の振動素子21を一組として振動デバイス2に組み込む形態を示したが、本発明はこれに限らず、2個、3個、5個以上等の複数の振動素子21を一の振動デバイス2に組み込むことが可能である。また、その場合、本発明に係る振動デバイス2は、それぞれの振動素子21の周波数及び位相は適宜設定することが可能である。更に、例えば、本発明に係る振動デバイス2は、複数の振動素子21のうち、周波数及び位相が同じ振動素子21を含むようにすることも可能である。
【0036】
また、例えば、前記実施形態では、本願開示の振動装置VAをゲーム装置用コントローラに適用する形態について説明したが、本願開示の振動装置VAは、これに限るものではない。本願開示の振動装置VAは、使用者に対して、振動により状況又は情報を伝えるスマートフォン、タブレット型コンピュータ等の様々な装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
VA 振動装置
VU 振動ユニット
1 筐体
13 振動部
2 振動デバイス
20 基板
21 振動素子
21a 第1振動素子
21b 第2振動素子
21c 第3振動素子
21d 第4振動素子
3 制御デバイス(制御部)
30 制御回路
31 発振回路
32 増幅回路
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜状に形成された複数の振動素子を備え、
前記複数の振動素子は、薄膜の面方向に並べて配置されており、
前記複数の振動素子は、それぞれ異なる振動での制御が可能であり、
前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、周波数が異なる
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項2】
薄膜状に形成された複数の振動素子を備え、
前記複数の振動素子は、薄膜の面方向に並べて配置されており、
前記複数の振動素子は、それぞれ異なる振動での制御が可能であり、
前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動の周波数の差は、1~50Hzである
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の振動デバイスであって、
前記複数の振動素子のうちの第3の振動素子の振動は、前記第1の振動素子と周波数が等しく位相が異なる
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項4】
薄膜状に形成された複数の振動素子を備え、
前記複数の振動素子は、薄膜の面方向に並べて配置されており、
前記複数の振動素子は、それぞれ異なる振動での制御が可能であり、
前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、周波数が等しく位相が異なる
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項5】
薄膜状に形成された複数の振動素子を備え、
前記複数の振動素子は、薄膜の面方向に並べて配置されており、
前記複数の振動素子は、それぞれ異なる振動での制御が可能であり、
前記複数の振動素子のうちの第1の振動素子及び第2の振動素子の振動は、等しい周波数で振動し、逆位相として伝わる振動を発生させる
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項6】
請求項1及び請求項2、並びに請求項4及び請求項5のいずれか1項に記載の振動デバイスであって、
前記複数の振動素子の振動の周波数は、50~500Hzである
ことを特徴とする振動デバイス。
【請求項7】
請求項1及び請求項2、並びに請求項4及び請求項5のいずれか1項に記載の振動デバイスと、
前記振動デバイスが備える振動素子の振動を制御する制御部と
を備えることを特徴とする振動ユニット。
【請求項8】
請求項1及び請求項2、並びに請求項4及び請求項5のいずれか1項に記載の振動デバイスと、
前記振動デバイスが備える振動素子の振動を制御する制御部と、
前記振動デバイス及び前記制御部を収容する筐体と、
前記筐体の外面に配置され、前記振動デバイスが備える振動素子に起因する振動を発生させる振動部と
を備えることを特徴とする振動装置。