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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006121
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】真空ウエーハ搬送システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106717
(22)【出願日】2022-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】522245189
【氏名又は名称】蘇州芯慧聯半導体科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU XINHUILIAN SEMICONDUCTOR TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120226
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 知浩
(72)【発明者】
【氏名】長田厚
(72)【発明者】
【氏名】大木敬介
(72)【発明者】
【氏名】任潮群
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA04
5F131BA15
5F131BA19
5F131BB03
5F131BB04
5F131CA32
5F131CA39
5F131CA44
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB72
5F131DB76
5F131DB87
5F131GA14
5F131HA21
5F131HA23
5F131HA24
5F131HA28
5F131HA29
5F131JA34
(57)【要約】
【課題】本発明は、必要に応じてプロセスチャンバの後付けができ、かつプロセスチャンバを効率良く配置してデッドスペースを削減できる真空ウエーハ搬送システムを提供する。
【解決手段】ウエーハに対して所定の物理的処理又は化学的処理を実行するプロセスチャンバ12と、真空環境下においてウエーハを収容可能なバッファーチャンバ14と、ウエーハをプロセスチャンバ12に送り出し又はプロセスチャンバ12からウエーハを取り出すウエーハ搬送装置18を有するトランスファーチャンバ16と、を含む真空ウエーハ搬送システム10であって、複数のプロセスチャンバ12が、第一の直線方向Xに沿って増設可能であり、バッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16とが連通可能となるように一体的に配置された駆動モジュール28を構成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空環境下においてウエーハに対して所定の物理的処理又は化学的処理を実行するプロセスチャンバと、真空環境下において前記ウエーハを収容可能なバッファーチャンバと、前記ウエーハを前記プロセスチャンバに送り出し又は前記プロセスチャンバから前記ウエーハを取り出すウエーハ搬送装置を有するトランスファーチャンバと、を含む真空ウエーハ搬送システムであって、
複数の前記プロセスチャンバが、前記第一の直線方向に沿って増設可能であり、
前記バッファーチャンバと前記トランスファーチャンバとが連通可能となるように一体的に配置された駆動モジュールを構成する、真空ウエーハ搬送システム。
【請求項2】
前記駆動モジュールを前記第一の直線方向及び前記第一の直線方向に対して直交する第二の直線方向に沿って移動させるための駆動部を有する、請求項1に記載の真空ウエーハ搬送システム。
【請求項3】
複数の前記プロセスチャンバが前記第一の直線方向に沿って配置されてなるプロセスチャンバ群を複数群設け、
前記各プロセスチャンバ群同士の間には、所定の離間領域が設けられ、
前記駆動モジュールが前記離間領域に配置される、請求項1又は2に記載の真空ウエーハ搬送システム。
【請求項4】
前記駆動部は、リニアモータ駆動方式で駆動する、請求項2に記載の真空ウエーハ搬送システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の真空ウエーハ搬送システムを採用する真空ウエーハ搬送システムであって、
真空環境下において前記ウエーハを前記トランスファーチャンバから前記プロセスチャンバに移管する第1搬送ステップと、
前記プロセスチャンバにおいて所定の処理が施された前記ウエーハを、前記トランスファーチャンバを介して前記バッファーチャンバに移管する第2搬送ステップと、を含み、
前記駆動モジュールを移動させて、それぞれの前記プロセスチャンバに対して、前記第1搬送ステップと前記第2搬送ステップとを繰り返して実行する、真空ウエーハ搬送方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、プラズマアッシング装置、エッチング装置、CVD装置などに用いる真空ウエーハ搬送システム(クラスターツール)及び当該システムを使用する真空ウエーハ搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図2に示すように、従来の真空ウエーハ搬送システム(クラスターツールともいう)500は、主として、フープオープナ502と、プロセスチャンバ504と、ロードロックチャンバ506と、を有している。フープオープナ502とロードロックチャンバ506との間には、第1ゲートバルブ508が配置されている。ロードロックチャンバ506とプロセスチャンバ504との間には、第2ゲートバルブ510が配置されている(特許文献1参照)。
【0003】
上記真空ウエーハ搬送システム500によれば、フープオープナ502の開閉装置512によりフープが開放され、フープの内部に収容されたウエーハが搬送装置514により取り出される。このとき、ロードロックチャンバ506は、大気に開放されており、大気圧環境下の状態になっている。また、第1ゲートバルブ508が開かれており、フープオープナ502とロードロックチャンバ506との間が連通状態になっている。また、第2ゲートバルブ510が閉じられ、プロセスチャンバ504の気密性が維持される。
【0004】
次に、搬送装置514で保持されたウエーハがロードロックチャンバ506の内部に移動する。このとき、第1ゲートバルブ508及び第2ゲートバルブ510が閉じられ、ロードロックチャンバ506及びプロセスチャンバ504の気密性が維持される。そして、ロードロックチャンバ506の内部が真空引きされ、真空状態になる。
【0005】
次に、第2ゲートバルブ510が開かれ、ロードロックチャンバ506とプロセスチャンバ504とが連通状態になる。このとき、第1ゲートバルブ508が閉じられ、ロードロックチャンバ506とプロセスチャンバ504は、真空環境下になっている。
【0006】
次に、搬送装置514で保持されたウエーハがプロセスチャンバ504の内部に移動し、プロセスチャンバ504の内部で保持される。そして、第2ゲートバルブ510が閉じられる。これにより、プロセスチャンバ504が気密状態になる。
【0007】
次に、プロセスチャンバ504の内部において、ウエーハに対して所定の物理的又は化学的な処理(プロセス処理)が行われる。
【0008】
ウエーハに対する所定のプロセス処理が終了後、第2ゲートバルブ510が開かれ、ウエーハが搬送装置514によりロードロックチャンバ506の内部に移動する。
【0009】
次に、第1ゲートバルブ508が開かれ、ウエーハがロードロックチャンバ506からフープオープナ502側へ移動する。
【0010】
しかしながら、上記真空ウエーハ搬送システム500によれば、1個のプロセスチャンバ504しか搭載されておらず、ウエーハに対するプラズマ処理の効率が低いという問題があった。
【0011】
そこで、図3に示すように、複数のプロセスチャンバ522、524、526、528を備えた真空ウエーハ搬送システム520が提案されている。当該真空ウエーハ搬送システム520は、平面視において多角形状のトランスファーチャンバ530の周囲にゲートバルブ532を介して4個のプロセスチャンバ522、524、526、528が配置されている。トランスファーチャンバ530の内部には、ウエーハを搬送するための搬送装置534が配置されている。これにより、複数のウエーハに対してプラズマ処理を同時に実行することができ、処理効率を上げていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】JP2016-81936A(特開2016-81936号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、上記真空ウエーハ搬送システムでは、多角形状のトランスファーチャンバの周囲にプロセスチャンバが配置されている構成上、デッドスペースが多くなり、大型のクリーンルームが必要であった。また、4個以上のプロセスチャンバが必要となった場合には、新たなプロセスチャンバを後付けすることができない技術上の課題があった。
【0014】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、必要に応じてプロセスチャンバの後付けができ、かつプロセスチャンバを効率良く配置してデッドスペースを削減できる真空ウエーハ搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一形態は、真空環境下においてウエーハに対して所定の物理的処理又は化学的処理を実行するプロセスチャンバと、真空環境下においてウエーハを収容可能なバッファーチャンバと、ウエーハをプロセスチャンバに送り出し又はプロセスチャンバからウエーハを取り出すウエーハ搬送装置を有するトランスファーチャンバと、を含む真空ウエーハ搬送システムであって、複数のプロセスチャンバが、第一の直線方向に沿って増設可能であり、バッファーチャンバとトランスファーチャンバとが連通可能となるように一体的に配置された駆動モジュールを構成する。
【0016】
本発明の別の一形態は、上記の真空ウエーハ搬送システムを採用する真空ウエーハ搬送方法であって、真空環境下においてウエーハをトランスファーチャンバからプロセスチャンバに移管する第1搬送ステップと、プロセスチャンバにおいて所定の処理が施された前記ウエーハを、トランスファーチャンバを介してバッファーチャンバに移管する第2搬送ステップと、を含み、駆動モジュールを移動させて、それぞれのプロセスチャンバに対して、前記第1搬送ステップと前記第2搬送ステップとを繰り返して実行する、真空ウエーハ搬送方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、必要に応じてプロセスチャンバの後付けができ、かつプロセスチャンバを効率良く配置してデッドスペースを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の真空ウエーハ搬送システムの例示的な構成図である。
図2】従来の真空ウエーハ搬送システムの構成図である。
図3】従来の真空ウエーハ搬送システムから改良された真空ウエーハ搬送システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係る真空ウエーハ搬送システムについて説明する。なお、真空ウエーハ搬送システムは、クラスターツールとも称する。
【0020】
図1に示すように、真空ウエーハ搬送システム10は、ウエーハ(図示省略)に対して所定の物理的処理又は化学的処理を実行するプロセスチャンバ12と、少なくとも真空環境下においてウエーハを収容可能なバッファーチャンバ14と、ウエーハをプロセスチャンバ12に送り出し又はプロセスチャンバ12からウエーハを受け取るウエーハ搬送装置18を有するトランスファーチャンバ16と、を有している。
【0021】
なお、トランスファーチャンバ16は、トランスファーモジュールともいう。
【0022】
プロセスチャンバ12は、密閉状態を実現でき、真空環境下においてウエーハに対して所定の物理的処理又は化学的処理を実行する部屋である。プロセスチャンバ12は、ウエーハのプロセス処理に必要となるプロセス処理装置20を備えている。
【0023】
プロセスチャンバ12は、例えば立方体形状又は直方体形状の筐体である。プロセスチャンバ12の一つの側面には、ゲートバルブ22が設けられている。このため、ゲートバルブ22の開閉駆動によりプロセスチャンバ12の内部を大気に開放し、又は気密状態として大気を遮断することができる。
【0024】
プロセスチャンバ12は、例えばエッチング装置やアッシング装置などである。本実施形態では、10個のプロセスチャンバ12が配置されている。
【0025】
各プロセスチャンバ12は、部屋内部を真空状態にするための環境制御装置(真空ポンプ等)24を備えている。
【0026】
ここで、複数のプロセスチャンバ12が、第一の直線方向(図1中矢印X方向)に沿って配置されている。このように1つのプロセスチャンバ12の隣に次のプロセスチャンバ12が増設され、さらに次のプロセスチャンバ12が増設可能となる。直線上に位置する各プロセスチャンバ12のゲートバルブ22同士は、同じ方向を向くように配置されていることが好ましい。プロセスチャンバ12の個数は、ウエーハのプラズマ処理の効率の要求に応じて適宜調節することができる。なお、各プロセスチャンバ12の構成は、同じである。
【0027】
バッファーチャンバ14は、真空環境下においてウエーハを収容する。バッファーチャンバ14は、例えば立方体形状又は直方体形状の筐体である。
【0028】
トランスファーチャンバ16は、ウエーハを把持して、プロセスチャンバ12の内部に送り出し又はプロセスチャンバ12の内部からウエーハを取り出すウエーハ搬送装置18を備えている。ウエーハ搬送装置18として、例えば、ロボットアームが好ましい。
【0029】
トランスファーチャンバ16は、例えば立方体形状又は直方体形状の筐体である。また、トランスファーチャンバ16の各側面には、ゲートバルブ26が設けられている。このため、ゲートバルブ26の開閉駆動により、トランスファーチャンバ16の内部を大気に開放し、又は気密状態として大気を遮断することができる。
【0030】
バッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16は、相互に連通可能となるように一体的に配置された駆動モジュール28を構成する。バッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16との間には、開放することで相互に連通状態とし又は閉鎖することで両者を区画して気密状態にするためのゲートバルブ26が配置されている。しかしながら、当該ゲートバルブ26が設けられておらず、バッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16との間が常時、連通状態としてもよい。
【0031】
バッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16の内部は、真空状態(真空環境下)に維持することができる。具体的には、トランスファーチャンバ16がプロセスチャンバ12と接続(ドッキング)した後、トランスファーチャンバ16のゲートバルブ26とプロセスチャンバ12のゲートバルブ22の間に挟まれた大気圧状態の微小空間(図示省略)に対してプロセスチャンバ12の環境制御装置24により真空引きを行い、真空状態にする。そして微小空間の圧力がトランスファーチャンバ16の内部の圧力と同じ圧力になったタイミングでトランスファーチャンバ16のゲートバルブ26を開く。その後、トランスファーチャンバ16の内部の圧力(微笑空間の圧力も同じ)がプロセスチャンバ12の内部の圧力と同じ圧力になったタイミングでプロセスチャンバ12のゲートバルブ22を開く。これにより、トランスファーチャンバ16とプロセスチャンバ12とが連通状態になり、両者の間でウエーハの受け渡しが可能になる。
【0032】
なお、後述するようにロードロックチャンバ40のゲートバルブ42とトランスファーチャンバ16のゲートバルブ26との間でも微小空間が形成され得るが、これらの微小空間の体積は小さい方が好ましい。微小空間の体積を小さくすることにより、各チャンバの内部の圧力と同じ圧力になるまでの時間が短くなり、処理効率が向上する。
【0033】
複数のプロセスチャンバ12が第一の直線方向Xに沿って配置されたプロセスチャンバ群12A、12Bが、例えば2個配置されている。各プロセスチャンバ群12A、12Bの間には、所定の離間領域30が設けられている。バッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16が一体的に配置された駆動モジュール28は、離間領域30に配置されている。離間領域30を最小限の面積にすることが好ましい。
【0034】
離間領域30には、バッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16が一体的に配置された駆動モジュール28を第一の直線方向X及び第一の直線方向Xに対して直交する第二の直線方向Yに沿って移動させるための駆動部32が配置されている。例えば、駆動部32として、リニアモータ駆動機構が好ましい。このように、離間領域30を最小限の面積にしつつ、駆動モジュール28が駆動部32により駆動されて、トランスファーチャンバ16がプロセスチャンバ12及びロードロックチャンバ40と接続し、ウエーハの受け渡しが可能になる。
【0035】
なお、駆動部32は、プロセスチャンバ群12A、12Bの第一の直線方向Xに沿った長さに応じて、適宜延長することができる。これにより、多くのプロセスチャンバ12が第一の直線方向Xに沿って配置される構成において、駆動モジュール28の駆動領域が確保でき、トランスファーチャンバ16とプロセスチャンバ12を接続させることができる。
【0036】
図1では、2個のプロセスチャンバ群12A、12Bを配置した構成を示したが、2個に限定されるものではない。例えば、3個以上のプロセスチャンバ群を配置して、各プロセスチャンバ群の間に設けられた離間領域に、バッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16が一体的に配置された駆動モジュール28を配置することができる。
【0037】
2個のプロセスチャンバ群12A、12Bの近傍には、基板自動搬送装置(EFEM)34が配置されている。基板自動搬送装置34には、ウエーハを把持するとともに、所定の方向に移動可能なロボットハンド36が設けられている。基板自動搬送装置34には、複数、例えば4個のロードポート38が配置されている。各ロードポート38には、ウエーハを保管可能なフープが搭載される。
【0038】
基板自動搬送装置34の近傍には、ロードロックチャンバ40が配置されている。ロードロックチャンバ40は、ゲートバルブ42を備えている。ロードロックチャンバ40は、ゲートバルブ42の開閉動作により部屋の内部を大気に開放したり、また大気から遮断することができる。
【0039】
ロードロックチャンバ40は、部屋の内部を大気圧の気圧下(大気圧環境下)に維持したり、又は部屋の内部を真空引きにして真空状態(真空環境下)に維持することができる環境制御装置(真空ポンプ等)44を備えている。
【0040】
トランスファーチャンバ16がロードロックチャンバ40と接続(ドッキング)した後、トランスファーチャンバ16のゲートバルブ26とロードロックチャンバ40のゲートバルブ42の間に挟まれた大気圧状態の微小空間(図示省略)に対してロードロックチャンバ40の環境制御装置44により真空引きを行い、真空状態にする。そして微小空間の圧力がトランスファーチャンバ16の内部の圧力と同じ圧力になったタイミングでトランスファーチャンバ16のゲートバルブ26を開く。その後、トランスファーチャンバ16の内部の圧力(微笑空間の圧力)がロードロックチャンバ40の内部の圧力と同じ圧力になったタイミングでロードロックチャンバ40のゲートバルブ42を開く。これにより、トランスファーチャンバ16とロードロックチャンバ40とが連通状態になり、両者の間でウエーハの受け渡しが可能になる。
【0041】
以上のように、各ロードポート38に搭載されたフープからウエーハがロボットハンド36により取り出され、ロードロックチャンバ40の内部に移管される。ロードロックチャンバ40の内部に移管されたウエーハは、トランスファーチャンバ16のウエーハ搬送装置18により取り出され、トランスファーチャンバ16の内部に移管される。その後、ウエーハは、トランスファーチャンバ16のウエーハ搬送装置18によりプロセスチャンバ12の内部に移管される(第1搬送ステップという)。
【0042】
プロセスチャンバ12の内部で所定の物理的処理又は化学的処理(プロセス処理)が施されたウエーハは、トランスファーチャンバ16のウエーハ搬送装置18により取り出され、トランスファーチャンバ16を介してバッファーチャンバ14に移管される(第2搬送ステップという)。なお、ウエーハの移管時のゲートバルブの開閉動作に関する説明は、省略する。
【0043】
本実施形態では、バッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16を移動させて、それぞれのプロセスチャンバ12に対して、上述した第1搬送ステップ及び第2搬送ステップを繰り返して実行する。
【0044】
本実施形態によれば、各プロセスチャンバ12を第一の直線方向Xに沿って後付け配置でき、かつ隣接するプロセスチャンバ群12A、12Bの間に形成された離間領域30にバッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16が一体的に配置された駆動モジュール28を配置したことにより、システムの要求に応じて、複数のプロセスチャンバ12の後付け配置が自由になるとともに、デッドスペースを削減して小型化ができる。
【0045】
隣接するプロセスチャンバ群12A、12Bの間に形成された離間領域30の面積を最小限とすることにより、駆動モジュール28の移動距離を短縮してウエーハの受け渡しに要する時間を削減でき、またシステムのさらなる小型化が可能になる。
【0046】
駆動モジュール28の駆動部32がリニアモータ駆動方式で駆動されるため、駆動モジュール28の位置制御を正確に行うことができ、また駆動に伴い粉塵等が発生せず、運転コストを削減できる。また、駆動モジュール28の駆動領域を容易に延長することができる。
【0047】
本発明は、構造特徴について極めて詳細に説明してきたが、特許請求の範囲にて定義される本発明は、開示された特定の特徴に対して必ずしも限定される必要はない、ということを理解すべきである。むしろ、本実施形態では、特許請求の範囲に記載された発明を実現化するための好ましい一例として説明されているにすぎない。
【0048】
したがって、本実施形態では、発明の例示的な実施例が記述されている一方で、当業者においては、多数のバリエーションや他の具体化も起こり得る。発明の精神及び範囲から逸脱しない範囲で、このようなバリエーションや他の実施例の実現が可能である。本実施形態において使用されている文言遣いと用語は、要約と同様に、説明の目的のためであり、限定的な意味に解釈されるべきではない。
【0049】
なお、本実施形態は、本発明の一態様を示したものであり、本発明がこれに限られるものではない。本実施形態例に対する設計変更程度の差異は、当然に、本発明の技術的思想の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
10 真空ウエーハ搬送システム
12 プロセスチャンバ
12A プロセスチャンバ群
12B プロセスチャンバ群
14 バッファーチャンバ
16 トランスファーチャンバ
18 ウエーハ搬送装置
20 プロセス処理装置
22 ゲートバルブ
24 環境制御装置
26 ゲートバルブ
28 駆動モジュール
30 離間領域
32 駆動部
34 基板自動搬送装置
36 ロボットハンド
38 ロードポート
40 ロードロックチャンバ
42 ゲートバルブ
44 環境制御装置
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-10-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエーハが通過するゲートバルブと、内部を真空状態にするための環境制御装置と、を有し、真空環境下において前記ウエーハに対して所定の物理的処理又は化学的処理を実行するプロセスチャンバと、
真空環境下において前記ウエーハを収容可能なバッファーチャンバと、
前記ウエーハを前記プロセスチャンバに送り出し又は前記プロセスチャンバから前記ウエーハを取り出すウエーハ搬送装置と、前記ウエーハが通過するゲートバルブと、を有するトランスファーチャンバと、
を含む真空ウエーハ搬送システムであって、
複数の前記プロセスチャンバが、第一の直線方向に沿って増設可能であり、
前記バッファーチャンバと前記トランスファーチャンバとが連通可能となるように配置され、前記バッファーチャンバと前記トランスファーチャンバが一体的に駆動する駆動モジュールを構成し、
複数の前記プロセスチャンバが前記第一の直線方向に沿って配置されてなるプロセスチャンバ群を複数群設け、
前記各プロセスチャンバ群同士の間には、所定の離間領域が設けられ、
前記駆動モジュールが前記離間領域に配置される、真空ウエーハ搬送システム。
【請求項2】
前記トランスファーチャンバが前記プロセスチャンバと接続した後、前記トランスファーチャンバの前記ゲートバルブと前記プロセスチャンバの前記ゲートバルブとの間に挟まれた大気圧状態の微小空間に対して前記プロセスチャンバの前記環境制御装置により真空引きを行い、前記微小空間の圧力が前記トランスファーチャンバの内部圧力と同じ圧力になったタイミングで前記トランスファーチャンバの前記ゲートバルブを開き、その後、前記微小空間の圧力が前記プロセスチャンバの内部圧力と同じ圧力になったタイミングで前記プロセスチャンバの前記ゲートバルブを開いて、前記ウエーハの受け渡しを行う、請求項1に記載の真空ウエーハ搬送システム。
【請求項3】
前記駆動モジュールを前記第一の直線方向及び前記第一の直線方向に対して直交する第二の直線方向に沿って移動させるための駆動部を有する、請求項1又は2に記載の真空ウエーハ搬送システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の一形態は、ウエーハが通過するゲートバルブと、内部を真空状態にするための環境制御装置と、を有し、真空環境下において前記ウエーハに対して所定の物理的処理又は化学的処理を実行するプロセスチャンバと、真空環境下において前記ウエーハを収容可能なバッファーチャンバと、前記ウエーハを前記プロセスチャンバに送り出し又は前記プロセスチャンバから前記ウエーハを取り出すウエーハ搬送装置と、前記ウエーハが通過するゲートバルブと、を有するトランスファーチャンバと、を含む真空ウエーハ搬送システムであって、複数の前記プロセスチャンバが、第一の直線方向に沿って増設可能であり、前記バッファーチャンバと前記トランスファーチャンバとが連通可能となるように配置され、前記バッファーチャンバと前記トランスファーチャンバが一体的に駆動する駆動モジュールを構成し、複数の前記プロセスチャンバが前記第一の直線方向に沿って配置されてなるプロセスチャンバ群を複数群設け、前記各プロセスチャンバ群同士の間には、所定の離間領域が設けられ、前記駆動モジュールが前記離間領域に配置される
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
バッファーチャンバ14とトランスファーチャンバ16の内部は、真空状態(真空環境下)に維持することができる。具体的には、トランスファーチャンバ16がプロセスチャンバ12と接続(ドッキング)した後、トランスファーチャンバ16のゲートバルブ26とプロセスチャンバ12のゲートバルブ22の間に挟まれた大気圧状態の微小空間(図示省略)に対してプロセスチャンバ12の環境制御装置24により真空引きを行い、真空状態にする。そして微小空間の圧力がトランスファーチャンバ16の内部の圧力と同じ圧力になったタイミングでトランスファーチャンバ16のゲートバルブ26を開く。その後、トランスファーチャンバ16の内部の圧力(微空間の圧力も同じ)がプロセスチャンバ12の内部の圧力と同じ圧力になったタイミングでプロセスチャンバ12のゲートバルブ22を開く。これにより、トランスファーチャンバ16とプロセスチャンバ12とが連通状態になり、両者の間でウエーハの受け渡しが可能になる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
トランスファーチャンバ16がロードロックチャンバ40と接続(ドッキング)した後、トランスファーチャンバ16のゲートバルブ26とロードロックチャンバ40のゲートバルブ42の間に挟まれた大気圧状態の微小空間(図示省略)に対してロードロックチャンバ40の環境制御装置44により真空引きを行い、真空状態にする。そして微小空間の圧力がトランスファーチャンバ16の内部の圧力と同じ圧力になったタイミングでトランスファーチャンバ16のゲートバルブ26を開く。その後、トランスファーチャンバ16の内部の圧力(微空間の圧力)がロードロックチャンバ40の内部の圧力と同じ圧力になったタイミングでロードロックチャンバ40のゲートバルブ42を開く。これにより、トランスファーチャンバ16とロードロックチャンバ40とが連通状態になり、両者の間でウエーハの受け渡しが可能になる。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエーハが通過するゲートバルブと、内部を真空状態にするための環境制御装置と、を有し、真空環境下において前記ウエーハに対して所定の物理的処理又は化学的処理を実行するプロセスチャンバと、
真空環境下において前記ウエーハを収容可能なバッファーチャンバと、
前記ウエーハを前記プロセスチャンバに送り出し又は前記プロセスチャンバから前記ウエーハを取り出すウエーハ搬送装置と、前記ウエーハが通過するゲートバルブと、を有するトランスファーチャンバと、
を含む真空ウエーハ搬送システムであって、
複数の前記プロセスチャンバが、第一の直線方向に沿って増設可能であり、
前記バッファーチャンバと前記トランスファーチャンバとが連通可能となるように前記第一の直線方向に沿って配置され、前記バッファーチャンバと前記トランスファーチャンバが一体的に駆動する駆動モジュールを構成し、
複数の前記プロセスチャンバが前記第一の直線方向に沿って配置されてなるプロセスチャンバ群を複数群設け、
前記各プロセスチャンバ群同士の間には、所定の離間領域が設けられ、
前記駆動モジュールが前記離間領域に配置される、真空ウエーハ搬送システム。
【請求項2】
前記トランスファーチャンバが前記プロセスチャンバと接続した後、前記トランスファーチャンバの前記ゲートバルブと前記プロセスチャンバの前記ゲートバルブとの間に挟まれた大気圧状態の微小空間に対して前記プロセスチャンバの前記環境制御装置により真空引きを行い、前記微小空間の圧力が前記トランスファーチャンバの内部圧力と同じ圧力になったタイミングで前記トランスファーチャンバの前記ゲートバルブを開き、その後、前記微小空間の圧力が前記プロセスチャンバの内部圧力と同じ圧力になったタイミングで前記プロセスチャンバの前記ゲートバルブを開いて、前記ウエーハの受け渡しを行う、請求項1に記載の真空ウエーハ搬送システム。
【請求項3】
前記駆動モジュールを前記第一の直線方向及び前記第一の直線方向に対して直交する第二の直線方向に沿って移動させるための駆動部を有する、請求項1又は2に記載の真空ウエーハ搬送システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の一形態は、ウエーハが通過するゲートバルブと、内部を真空状態にするための環境制御装置と、を有し、真空環境下において前記ウエーハに対して所定の物理的処理又は化学的処理を実行するプロセスチャンバと、真空環境下において前記ウエーハを収容可能なバッファーチャンバと、前記ウエーハを前記プロセスチャンバに送り出し又は前記プロセスチャンバから前記ウエーハを取り出すウエーハ搬送装置と、前記ウエーハが通過するゲートバルブと、を有するトランスファーチャンバと、を含む真空ウエーハ搬送システムであって、複数の前記プロセスチャンバが、第一の直線方向に沿って増設可能であり、前記バッファーチャンバと前記トランスファーチャンバとが連通可能となるように前記第一の直線方向に沿って配置され、前記バッファーチャンバと前記トランスファーチャンバが一体的に駆動する駆動モジュールを構成し、複数の前記プロセスチャンバが前記第一の直線方向に沿って配置されてなるプロセスチャンバ群を複数群設け、前記各プロセスチャンバ群同士の間には、所定の離間領域が設けられ、前記駆動モジュールが前記離間領域に配置される。