(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000613
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】推定装置、推定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01B 7/30 20060101AFI20231226BHJP
G01C 17/38 20060101ALI20231226BHJP
H04M 1/72 20210101ALI20231226BHJP
【FI】
G01B7/30 M
G01C17/38 B
G01C17/38 S
H04M1/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099381
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】築地 秀和
(72)【発明者】
【氏名】澁澤 典夫
(72)【発明者】
【氏名】笹沼 亮介
【テーマコード(参考)】
2F063
5K127
【Fターム(参考)】
2F063AA37
2F063BB03
2F063BD15
2F063CA09
2F063DA01
2F063DA05
2F063DA21
2F063DC08
2F063DD06
2F063GA52
5K127BA03
5K127JA26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】磁気センサにより測定される測定値に基づいて対象物の位置または姿勢を推定する場合に参照される、測定値と対象物の位置または姿勢との対応関係を示す参照情報を精度よく更新できること。
【解決手段】推定装置は、予め定められた可動範囲にわたり、第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる間に少なくとも1つの磁気センサにより測定される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた測定値を示す、参照情報を更新するために利用される複数の更新情報を収集する収集部と、前記複数の更新情報を予め定められた分類条件に従ってクラスタリングするクラスタリング部と、前記複数の更新情報のうち分類された数が最大のクラスに含まれる少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新する更新部とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる少なくとも1つの磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部とを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定装置であって、
前記少なくとも1つの磁気センサにより測定された第1時点の測定値と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた前記少なくとも1つの磁気センサの測定値を示す参照情報とに基づいて、前記第1時点における前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢を推定する推定部と、
予め定められた可動範囲にわたり、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる間に前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた測定値を示す、前記参照情報を更新するために利用される複数の更新情報を収集する収集部と、
前記複数の更新情報を予め定められた分類条件に従ってクラスタリングするクラスタリング部と、
前記複数の更新情報のうち分類された数が最大のクラスに含まれる少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新する更新部と
を備える推定装置。
【請求項2】
前記更新部は、前記最大のクラスに含まれる更新情報の数が、前記複数の更新情報の数に基づいて定められる基準数より少ない場合、前記最大のクラスに含まれる前記少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新しない、請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記更新部は、前記最大のクラスに含まれる更新情報の数が、前記複数の更新情報の数の過半数より少ない場合、前記最大のクラスに含まれる前記少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新しない、請求項1に記載の推定装置。
【請求項4】
前記クラスタリング部は、前記複数の更新情報と前記参照情報とを前記予め定められた分類条件に従ってクラスタリングする、請求項1に記載の推定装置。
【請求項5】
前記クラスタリング部は、
前記最大のクラスに前記参照情報が含まれる場合、前記少なくとも1つの更新情報に示される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じたそれぞれの測定値、及び前記参照情報に示される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じたそれぞれの測定値を、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢ごとに平均することで、前記参照情報を更新し、
前記最大のクラスに前記参照情報が含まれない場合、前記少なくとも1つの更新情報に示される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じたそれぞれの測定値を、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢ごとに平均することで、前記参照情報を更新する、請求項4に記載の推定装置。
【請求項6】
前記クラスタリング部は、前記少なくとも1つの更新情報のうち最新の更新情報に基づいて、前記参照情報を更新する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項7】
前記収集部は、前記予め定められた可動範囲にわたって、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を等速で変更させる間に前記少なくとも1つの磁気センサにより等間隔で測定される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた測定値を示す前記複数の更新情報を収集する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項8】
前記第1部分及び前記第2部分は、表示部を構成し、
前記第2部分は、前記第1部分に対して予め定められた方向に移動することで、前記第1部分に対する位置を変化させ、前記表示部の前記予め定められた方向における表示画面の幅を変化させる、請求項1に記載の推定装置。
【請求項9】
前記第1部分及び前記第2部分は、表示部を構成して、
前記可動機構は、前記第2部分を前記第1部分に対して折り曲げ可能なヒンジ機構であり、
前記第2部分は、前記ヒンジ機構を介して前記第1部分に対して回転することで、前記第1部分に対する姿勢を変化させる、請求項1に記載の推定装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの磁気センサは、前記第2部分に設けられ、
前記ヒンジ機構は、前記第1部分と一体的に構成され、
前記磁石部は、前記ヒンジ機構に設けられる、請求項9に記載の推定装置。
【請求項11】
請求項1から10の何れか1つに記載の推定装置と、
前記第1部分と、
前記第2部分と、
前記可動機構と
を備える装置。
【請求項12】
第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる少なくとも1つの磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部とを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定方法であって、
前記少なくとも1つの磁気センサにより測定された第1時点の測定値と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた前記少なくとも1つの磁気センサの測定値を示す参照情報とに基づいて、前記第1時点における前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢を推定する段階と、
予め定められた可動範囲にわたり、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる間に前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた測定値を示す、前記参照情報を更新するために利用される複数の更新情報を収集する段階と、
前記複数の更新情報を予め定められた分類条件に従ってクラスタリングする段階と、
前記複数の更新情報のうち分類された数が最大のクラスに含まれる少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新する段階と
を備える推定方法。
【請求項13】
第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる少なくとも1つの磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部とを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記少なくとも1つの磁気センサにより測定された第1時点の測定値と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた前記少なくとも1つの磁気センサの測定値を示す参照情報とに基づいて、前記第1時点における前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢を推定する段階と、
予め定められた可動範囲にわたり、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる間に前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた測定値を示す、前記参照情報を更新するために利用される複数の更新情報を収集する段階と、
前記複数の更新情報を予め定められた分類条件に従ってクラスタリングする段階と、
前記複数の更新情報のうち分類された数が最大のクラスに含まれる少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新する段階と
を前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置、推定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「電動機により前記回転軸を、回転速度の時間変化率が既知である速度で1周以上回転させ、回転速度が時刻により既知の割合で変化する前記回転速度の時間変化率を用いて、前記磁界センサが出力する角度を補正するための参照表を作成」すると記載されている。特許文献2には、「各偏波チャネルのレンジプロフィールの大まかな形状を示す複数種類の指標と、複数偏波チャネルのレンジプロフィール間の関係を示す複数種類の指標を算出し、特徴量を組み合わせて目標識別を行う」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特許5263024号明細書
[特許文献2]特許4096867号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
磁気センサにより測定される測定値に基づいて対象物の位置または姿勢を推定する場合に参照される、測定値と対象物の位置または姿勢との対応関係を示す参照情報を精度よく更新できることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る推定装置は、第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる少なくとも1つの磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部とを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定装置でよい。前記推定装置は、前記少なくとも1つの磁気センサにより測定された第1時点の測定値と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた前記少なくとも1つの磁気センサの測定値を示す参照情報とに基づいて、前記第1時点における前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢を推定する推定部を備えてよい。前記想定装置は、予め定められた可動範囲にわたり、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる間に前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた測定値を示す、前記参照情報を更新するために利用される複数の更新情報を収集する収集部を備えてよい。前記推定装置は、前記複数の更新情報を予め定められた分類条件に従ってクラスタリングするクラスタリング部を備えてよい。前記推定装置は、前記複数の更新情報のうち分類された数が最大のクラスに含まれる少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新する更新部を備えてよい。
【0005】
前記推定装置において、前記更新部は、前記最大のクラスに含まれる更新情報の数が、前記複数の更新情報の数に基づいて定められる基準数より少ない場合、前記最大のクラスに含まれる前記少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新しなくてよい。
【0006】
いずれかの前記推定装置において、前記更新部は、前記最大のクラスに含まれる更新情報の数が、前記複数の更新情報の数の過半数より少ない場合、前記最大のクラスに含まれる前記少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新しなくてよい。
【0007】
いずれかの前記推定装置において、前記クラスタリング部は、前記複数の更新情報と前記参照情報とを前記予め定められた分類条件に従ってクラスタリングしてよい。
【0008】
いずれかの前記推定装置において、前記クラスタリング部は、前記最大のクラスに前記参照情報が含まれる場合、前記少なくとも1つの更新情報に示される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じたそれぞれの測定値、及び前記参照情報に示される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じたそれぞれの測定値を、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢ごとに平均することで、前記参照情報を更新し、前記最大のクラスに前記参照情報が含まれない場合、前記少なくとも1つの更新情報に示される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じたそれぞれの測定値を、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢ごとに平均することで、前記参照情報を更新してよい。
【0009】
いずれかの前記推定装置において、前記クラスタリング部は、前記少なくとも1つの更新情報のうち最新の更新情報に基づいて、前記参照情報を更新してよい。
【0010】
前記収集部は、前記予め定められた可動範囲にわたって、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を等速で変更させる間に前記少なくとも1つの磁気センサにより等間隔で測定される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた測定値を示す前記複数の更新情報を収集してよい。
【0011】
いずれかの前記推定装置において、前記第1部分及び前記第2部分は、表示部を構成してよい。前記第2部分は、前記第1部分に対して予め定められた方向に移動することで、前記第1部分に対する位置を変化させ、前記表示部の前記予め定められた方向における表示画面の幅を変化させてよい。
【0012】
いずれかの前記推定装置において、前記第1部分及び前記第2部分は、表示部を構成してよい。前記可動機構は、前記第2部分を前記第1部分に対して折り曲げ可能なヒンジ機構であり、前記第2部分は、前記ヒンジ機構を介して前記第1部分に対して回転することで、前記第1部分に対する姿勢を変化させてよい。
【0013】
いずれかの前記推定装置において、前記少なくとも1つの磁気センサは、前記第2部分に設けられてよい。前記ヒンジ機構は、前記第1部分と一体的に構成されてよい。前記磁石部は、前記ヒンジ機構に設けられてよい。
【0014】
本発明の一態様に係る装置は、何れか1つの前記推定装置と、前記第1部分と、前記第2部分と、前記可動機構とを備えてよい。
【0015】
本発明の一態様に係る推定方法は、第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる少なくとも1つの磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部とを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定方法でよい。前記推定方法は、前記少なくとも1つの磁気センサにより測定された第1時点の測定値と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた前記少なくとも1つの磁気センサの測定値を示す参照情報とに基づいて、前記第1時点における前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢を推定する段階を備えてよい。前記推定方法は、予め定められた可動範囲にわたり、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる間に前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた測定値を示す、前記参照情報を更新するために利用される複数の更新情報を収集する段階を備えてよい。前記推定方法は、前記複数の更新情報を予め定められた分類条件に従ってクラスタリングする段階を備えてよい。前記推定方法は、前記複数の更新情報のうち分類された数が最大のクラスに含まれる少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新する段階を備えてよい。
【0016】
本発明の一態様に係るプログラムは、第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる少なくとも1つの磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部とを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムでよい。前記プログラムは、前記少なくとも1つの磁気センサにより測定された第1時点の測定値と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた前記少なくとも1つの磁気センサの測定値を示す参照情報とに基づいて、前記第1時点における前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢を推定する段階を前記コンピュータに実行させてよい。前記プログラムは、予め定められた可動範囲にわたり、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる間に前記少なくとも1つの磁気センサにより測定される前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた測定値を示す、前記参照情報を更新するために利用される複数の更新情報を収集する段階を前記コンピュータに実行させてよい。前記プログラムは、前記複数の更新情報を予め定められた分類条件に従ってクラスタリングする段階を前記コンピュータに実行させてよい。前記プログラムは、前記複数の更新情報のうち分類された数が最大のクラスに含まれる少なくとも1つの更新情報に基づいて、前記参照情報を更新する段階を前記コンピュータに実行させてよい。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図2A】ローラブルスマートフォンについて説明するための図である。
【
図2B】ローラブルスマートフォンについて説明するための図である。
【
図3A】フォルダブルスマートフォンについて説明するための図である。
【
図3B】フォルダブルスマートフォンについて説明するための図である。
【
図6】参照情報の更新手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、本実施形態に係る装置10の機能ブロックの一例である。
図2A及び
図2Bは、装置10が所謂ローラブルスマートフォンの場合の外観図の一例を示す。
図3A及び
図3Bは、装置10が所謂フォルダブルスマートフォンの場合の外観図の一例を示す。
【0021】
装置10は、支持部材12、可動部材14、及び可動機構40を備える。支持部材12は、可動機構40を介して、支持部材12に対して可動部材14の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更可能に可動部材14を支持する。支持部材12は、可動機構40を介して予め定められた方向に沿って移動可能に可動部材14を支持してよい。支持部材12は、可動機構40が有する軸を中心に回転可能に可動部材14を支持してよい。支持部材12は、第1部分の一例であり、可動部材14は、第2部分の一例である。
【0022】
可動機構40は、可動部材14を支持部材12に対して移動または回転させる駆動力を提供する駆動源を有してよい。駆動源は、静電アクチュエータ、VCM(ボイスコイルモータ)、またはピエゾアクチュエータ等のアクチュエータでよい。可動機構40は、駆動源を有さず、可動部材14は、可動機構40を介して手動で支持部材12に対して移動または回転してもよい。
【0023】
装置10は、例えば、
図2A及び
図2Bに示すように、ディスプレイの表示画面が伸び縮みするローラブルスマートフォンでよい。支持部材12及び可動部材14は、表示部を構成してよい。可動部材14は、支持部材12に対して
図2Aに示す第1状態から、
図2Bに示す第2状態まで、X軸の方向に沿って移動してよい。これにより、表示画面50のX方向の幅が伸び縮みする。表示画面50は、例えば、Y軸に沿った回転軸を中心に巻き取り可能な有機ELディスプレイなど薄型のディスプレイでよい。
【0024】
装置10は、撮像装置が備えるズーム機構でもよい。可動部材14は、ズームレンズとズームレンズを保持する保持枠とを含み、支持部材12は、ズームレンズを保持する保持枠を光軸方向に移動可能に支持するガイド軸を含んでよい。
【0025】
装置10は、
図3A及び
図3Bに示すように、ディスプレイの表示画面を折り畳み可能なフォルダブルスマートフォンでよい。支持部材12及び可動部材14は、表示部を構成してよい。可動機構40は、可動部材14を支持部材12に対して折り曲げ可能なヒンジ機構でよい。支持部材12は、ヒンジ機構と一体的に構成されてよい。可動部材14は、ヒンジ機構を介して支持部材12に対して回転することで、支持部材12に対する姿勢を変化させてよい。可動部材14が、支持部材12に対して折り畳まれた状態から折り畳まれていない状態まで変化することで、支持部材12と可動部材14との成す角度θが0度から180度まで変化してよい。
【0026】
図1に戻り、装置10は、複数の磁気センサ20、及び磁石部30をさらに備える。磁気センサ20は、磁気センサ20が設けられた位置における磁場を測定し、磁場に応じた測定値(例えば電圧または電流)を出力する。磁気センサ20は、ホール素子でよい。本実施形態では、装置10が、4つの磁気センサ20を備える例について説明する。しかし、装置10が備える磁気センサ20の数は任意であり、装置10は、少なくとも1つの磁気センサ20を備えればよい。装置10は、支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢を可動範囲全体にわたって推定するために必要な数の磁気センサ20を備えればよい。磁気センサ20は、X軸、Y軸、及びZ軸方向のそれぞれの磁場に応じた測定値を出力してよい。しかし、本実施形態では、説明を簡略化するために、X軸、Y軸、及びZ軸の何れか1軸、例えば、X軸方向の磁場に応じた測定値に着目して説明する。
【0027】
磁石部30は、複数の磁気センサ20のそれぞれに磁場を提供する。可動部材14が支持部材12に対して移動する場合、磁石部30は、可動部材14に予め定められた方向に沿ってS極およびN極が交互に配置されてよい。複数の磁気センサ20は、支持部材12に設けられてよい。可動部材14が、支持部材12に対して予め定められた方向に沿って移動する場合には、複数の磁気センサ20は、予め定められた方向に沿って支持部材12に設けられてよい。複数の磁気センサ20は、予め定められた方向に沿って等間隔で支持部材12に設けられてよい。
【0028】
可動部材14が支持部材12に対して回転する場合、支持部材12は可動機構40と一体的に構成され、磁石部30は、可動機構40であるヒンジ機構、または支持部材12に設けられ、1つの磁気センサ20は、可動部材14に設けられてよい。
【0029】
装置10は、推定装置100、及び駆動制御部120をさらに備える。推定装置100は、複数の磁気センサ20のそれぞれの測定値に基づいて、支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢を推定する。駆動制御部120は、推定装置100により推定された支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢に基づいて、支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢が目標の位置または姿勢となるように、可動機構40を制御してよい。
【0030】
複数の磁気センサ20は、周囲の磁場を測定し、周囲の磁場の大きさを示す測定値を出力する。可動部材14が、支持部材12に対して移動または回転することで、複数の磁気センサ20のそれぞれの周囲の磁場が変化する。複数の磁気センサ20のそれぞれの測定値の変化は、支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢の変化と相関関係がある。したがって、複数の磁気センサ20のそれぞれの測定値と、支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢との関係が予め判明していれば、推定装置100は、複数の磁気センサ20のそれぞれにより測定される測定値から、支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢を推定できる。
【0031】
推定装置100は、推定部102、収集部104、クラスタリング部106、更新部108、及び記憶部110を備える。記憶部110は、支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢に応じた測定値を示す参照情報を記憶する。参照情報は、支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢に対応付けて、複数の磁気センサ20のそれぞれの測定値の組み合わせを示してよい。参照情報は、予め定められた可動範囲における支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢に応じた複数の磁気センサ20の測定値を示してよい。参照情報は、予め定められた可動範囲における支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢に応じた複数の磁気センサ20のそれぞれの測定値の組合せを示してよい。
【0032】
収集部104は、複数の磁気センサ20のそれぞれにより測定された磁場の大きさを示す測定値を予め定められた期間ごとに順次収集して、更新情報として記憶部110に記憶させてよい。収集部104は、複数の磁気センサ20のそれぞれにより測定された磁場の大きさを示す測定値と、複数の磁気センサ20のそれぞれにより測定された時刻を示すタイムスタンプとを順次収集して、更新情報として記憶部110に記憶させてよい。推定部102は、記憶部110に記憶されている複数の磁気センサ20のそれぞれにより測定された最新の測定値と、参照情報とに基づいて、支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢を推定する。
【0033】
図4及び
図5は、参照情報の一例を示す。
図4に示す参照情報は、可動部材14が支持部材12に対して予め定められた方向に沿って移動する場合における支持部材12に対する可動部材14の位置と、4つの磁気センサ20のそれぞれの測定値との関係を示す。
【0034】
参照情報は、工場出荷前に生成されてよい。駆動制御部120が、可動機構40を制御して、可動部材14を支持部材12に対して予め定められた可動範囲の一端から他端まで等間隔で移動させながら、複数の磁気センサ20のそれぞれの測定値を等間隔で取得する。駆動制御部120が、可動機構40を制御して、可動部材14を支持部材12に対して予め定められた可動範囲の一端から他端まで等間隔でかつ等速で移動させながら、複数の磁気センサ20のそれぞれの測定値を等間隔で取得してよい。これらの動作を複数回、繰り返すことで取得されたそれぞれの測定値と、予め定められた可動範囲の一端からの移動量とに基づいて、参照情報が、生成されてよい。
【0035】
図5に示す参照情報は、可動部材14が支持部材12に対して回転する場合における支持部材12に対する可動部材14の姿勢と、1つの磁気センサ20の測定値との関係を示す。駆動制御部120が、可動機構40を制御して、可動部材14を支持部材12に対して等間隔でかつ等速で回転させながら、磁気センサ20の測定値を等間隔で取得してよい。この動作を複数回、繰り返すことで取得されたそれぞれの測定値と、折り畳まれた状態からの回転量とに基づいて、参照情報が、生成されてよい。折り畳まれた状態のとき、すなわち角度θが0度のときの磁気センサ20の測定値と、折り畳まれていない状態のとき、すなわち角度θが180度のときの磁気センサ20の測定値とを取得してよい。この動作を複数回、繰り返すことで取得されたそれぞれの測定値と、折り畳まれた状態からの回転量とに基づいて、参照情報が、生成されてよい。
【0036】
上記の通り、参照情報は、工場出荷前に生成され、記憶部110に記憶される。しかし、装置10が使用される環境での磁場の大きさの違いなどの外乱により、磁気センサ20により測定される磁場の大きさと、支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢との相関関係が変化する場合がある。
【0037】
外乱は、装置10が存在する環境の磁場の大きさの違いによる一時的な外乱、装置10に外力が加わったことにより生じる可動部材14の移動または回転の速度が変化したことによる一時的な外乱を含む。外乱は、装置10が存在する環境の磁場の影響を受けて、装置10の筐体が着磁するなどで、装置10の磁化状態が変化してしまった場合による継続的な外乱を含む。
【0038】
一時的な外乱は、装置10が外乱の要因となる磁場の影響を受けない場所に移動したり、装置10への外力が取り除かれたりすれば、解消するので、参照情報を更新する必要はない。一方、継続的な外乱は、継続的に支持部材12に対する可動部材14の位置または姿勢の推定の精度に影響を与えるので、参照情報を更新することが好ましい。
【0039】
そこで、本実施形態では、一時的な外乱による影響と、継続的な外乱による影響とを分離した上で、継続的な外乱による影響のみを除去すべく、参照情報のキャリブレーションを実行する。
【0040】
収集部104は、予め定められた可動範囲にわたり、支持部材12に対する可動部材14の位置を変更させる間に複数の磁気センサ20により測定される支持部材12に対する可動部材14の位置に応じた測定値を示す更新情報を収集する。収集部104は、予め定められた可動範囲にわたり、支持部材12に対する可動部材14の位置を等速で変更させる間に複数の磁気センサ20により等間隔で測定される支持部材12に対する可動部材14の位置に応じた測定値を示す更新情報を収集する。可動部材14が等速で支持部材12に対して移動する場合、可動範囲の一端から移動した時間が距離に比例する。よって、収集部104は、可動範囲の一端から移動した時間に応じた測定値を、支持部材12に対する可動部材14の位置に応じた測定値を示す更新情報として、収集する。
【0041】
更新情報の数が基準数に達した段階で、クラスタリング部106は、収集された更新情報、及び現在の参照情報を予め定められた分類条件に従ってクラスタリングする。クラスタリング部106は、収集された更新情報、及び現在の参照情報のそれぞれの類似度に従ってクラスタリングしてよい。クラスタリング部106は、支持部材12に対する可動部材14の位置ごとの測定値同士の距離に基づいて、クラスタリングしてよい。クラスタリング部106は、支持部材12に対する可動部材14の位置ごとの測定値同士の距離の差が閾値以下の更新情報ごとに分類することで、クラスタリングしてよい。クラスタリング部106は、更新情報及び参照情報に示される支持部材12に対する可動部材14の位置ごとの測定値のうち、最小値同士及び最大値同士の距離に基づいて、クラスタリングしてよい。クラスタリング部106は、支持部材12に対する可動部材14の位置に応じた測定値の変化を示す波形同士の類似度に基づいて、クラスタリングしてよい。クラスタリング部106は、教師なし機械学習アルゴリズムに従って、収集された更新情報、及び現在の参照情報をクラスタリングしてよい。クラスタリング部106は、K-means法に従って、収集された更新情報、及び現在の参照情報をクラスタリングしてよい。K-means法は、データをパラメータの数に対応する次元の空間にプロットし、その距離によってデータを分類する手法である。
【0042】
更新部108は、最大のクラスに含まれる更新情報の数が、収集された更新情報の数の過半数以上である場合、最大のクラスに含まれる更新情報に基づいて、参照情報を更新する。最大のクラスに参照情報が含まれる場合には、更新部108は、最大のクラスに含まれる更新情報と、参照情報とに基づいて、参照情報を更新してよい。更新部108は、最大のクラスに含まれる更新情報に示される支持部材12に対する可動部材14の位置ごとの測定値の平均値で、更新情報を更新してよい。最大のクラスに参照情報が含まれる場合には、更新部108は、参照情報に示される支持部材12に対する可動部材14の位置ごとの測定値、及び最大のクラスに含まれる更新情報に示される支持部材12に対する可動部材14の位置ごとの測定値の平均値で、参照情報を更新してよい。
【0043】
更新部108は、最大のクラスに含まれる更新情報のうち最新の更新情報に基づいて、参照情報を更新してよい。更新部108は、最大のクラスに含まれる更新情報のうち最新の更新情報を参照情報として記憶部110に記憶してよい。
【0044】
図6は、参照情報の更新手順の一例を示すフローチャートである。装置10が通常の動作中に、推定装置100は、参照情報の更新を行ってよい。
【0045】
収集部104は、予め定められた可動範囲にわたり、支持部材12に対する可動部材14の位置を変更させる間に複数の磁気センサ20により測定される支持部材12に対する可動部材14の位置に応じた測定値を示す更新情報を収集する(S100)。可動部材14が可動範囲の一端から他端まで予め定められた速度で移動する間に、収集部104は、複数の磁気センサ20により測定される支持部材12に対する可動部材14の位置に応じた測定値を示す更新情報を等間隔で収集してよい。
【0046】
クラスタリング部106は、収集された更新情報の数が基準数に達したかどうかを判定する(S102)。収集された更新情報の数が基準数に達してなければ、収集部104は、さらに更新情報の収集を継続する。
【0047】
収集された更新情報の数が基準数に達していれば、クラスタリング部106は、収集された更新情報、及び現在の参照情報を予め定められた分類条件に従ってクラスタリングする(S104)。クラスタリングが完了した後、更新部108は、最大のクラスに含まれる更新情報の数が、収集された更新情報の数の過半数以上であるかどうかを判定する(S106)。最大のクラスに含まれる更新情報の数が、収集された更新情報の数の過半数を超えていなければ、更新部108は、参照情報の更新を行わずに、処理を終了し、収集部104は、更新情報の収集を継続する。
【0048】
最大のクラスに含まれる更新情報の数が、収集された更新情報の数の過半数以上であれば、更新部108は、最大のクラスに含まれる更新情報に基づいて、参照情報を更新する(S108)。最大のクラスに参照情報が含まれる場合には、更新部108は、最大のクラスに含まれる更新情報と、参照情報とに基づいて、参照情報を更新してよい。
【0049】
以上のとおり、本実施形態によれば、収集された更新情報を全て利用して参照情報を更新せず、まず、更新情報のクラスタリングを行う。これにより、一時的な外乱の影響を受けている可能性がある更新情報と、一時的な外乱の影響を受けておらず継続的な外乱の影響を受けている可能性がある更新情報とを分離する。更新部108は、一時的な外乱の影響を受けておらず継続的な外乱の影響を受けている可能性がある更新情報に基づいて、参照情報を更新できる。よって、精度よく参照情報を校正できる。
【0050】
図7、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0051】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0052】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CR-ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0053】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0054】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0055】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0056】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0057】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0058】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0059】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0060】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0061】
10 装置
12 支持部材
14 可動部材
20 磁気センサ
30 磁石部
40 可動機構
50 表示画面
100 推定装置
102 推定部
104 収集部
106 クラスタリング部
108 更新部
110 記憶部
120 駆動制御部
1200 コンピュータ
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1220 入力/出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1230 ROM