(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061426
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成システム、画像形成装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 25/20 20060101AFI20240425BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240425BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20240425BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20240425BHJP
B41J 3/60 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
B41J25/20
G03G21/00 370
G03G21/00 386
B41J21/00 Z
B41J29/46 Z
B41J3/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169366
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中村 真澄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英明
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061HV01
2C061HV33
2C187AC06
2C187AC08
2C187AD14
2C187AF01
2C187BF60
2C187CD07
2C187DB30
2C187DC06
2C187HA14
2C187HA27
2H270LA39
2H270LA44
2H270LA75
2H270LC02
2H270LC10
2H270MC55
2H270MC78
2H270MD17
2H270MD29
2H270MF17
2H270MH09
2H270PA14
2H270PA75
2H270QB11
2H270RA03
2H270RA27
2H270RC03
2H270RC09
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】記録媒体に対して複数頁の原稿画像を割り当てる場合に、原稿画像を割り当て可能な領域が狭くなることを抑制すること。
【解決手段】画像形成装置200は、記録媒体PPに画像を形成する画像形成部20と、画像形成部の動作を制御する制御部310と、を備え、制御部310は、記録媒体に対して複数の原稿画像の頁P1,P3を割り当てる際に、隣り合う複数の原稿画像の頁P1,P3間の距離d13が、基準値よりも大きい場合に、当該頁間に見当合わせ用の基準画像TMを形成するように、画像形成部20の動作を制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体に対して複数の原稿画像の頁を割り当てる際に、
隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が、基準値よりも長い場合に、当該頁間に前記記録媒体の表裏に形成する画像同士の位置合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成部の動作を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
情報を報知する報知部を備え、
前記制御部は、
1枚の前記記録媒体に対して形成される前記基準画像の数量が、予め設定された閾値未満である場合に、形成される前記基準画像の数量が前記閾値未満である旨の情報を報知するように、前記報知部の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の原稿画像の頁間の対象位置に前記基準画像を形成しないで、当該対象位置の周囲に前記基準画像を形成する場合に、
前記制御部は、前記対象位置の周囲の前記基準画像の位置に基づいて、前記対象位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
第1方向に隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が前記基準値よりも長い場合に、前記第1方向に交差する第2方向に沿う直線を、前記基準画像として形成するように、前記画像形成部の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記基準値は、第1基準値であり、
前記制御部は、
前記記録媒体の端部と、当該記録媒体の端部に最も近い前記原稿画像の頁との間の距離が、前記第1基準値と異なる第2基準値よりも大きい場合に、前記記録媒体の端部と当該記録媒体の端部に最も近い前記原稿画像の頁との間に、見当合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成部の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
制御装置と画像形成装置が接続されている画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
前記制御装置に接続され、前記制御装置との間で通信を行う画像形成装置通信部と、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記制御装置は、
前記画像形成装置に接続され、前記画像形成装置との間で通信を行う制御装置通信部と、
前記画像形成部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体に対して複数の原稿画像の頁を割り当てる際に、
隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が、基準値よりも長い場合に、当該頁間に前記記録媒体の表裏に形成する画像同士の位置合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成部の動作を制御することを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置の動作を制御する制御方法であって、
前記記録媒体に対して複数の原稿画像の頁を割り付ける際に、
隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が、基準値よりも大きい場合に、当該頁間に見当合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成装置の動作を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
記録媒体に画像を形成する画像形成部の動作を制御する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記記録媒体に対して複数の原稿画像の頁を割り当てる際に、
隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が、基準値よりも長い場合に、当該頁間に前記記録媒体の表裏に形成する画像同士の位置合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成部の動作を制御する処理を前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム、画像形成装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ジョブに基づいて画像を形成する画像形成部と、画像形成部を制御する制御部とを備える画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の画像形成装置の制御部は、記録媒体の片面に複数の印刷画像の頁を形成するように、画像形成部の動作を制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の技術では、記録媒体に対して複数頁の原稿画像を割り当てる場合に、表裏に形成する画像同士の位置合わせ用の基準画像を全ての頁の周囲に印字すると、記録媒体に対して原稿画像を割り当て可能な領域が狭くなる場合がある。
【0004】
本発明は、記録媒体に対して複数頁の原稿画像を割り当てる場合に、原稿画像を割り当て可能な領域が狭くなることを抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記記録媒体に対して複数の原稿画像の頁を割り当てる際に、隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が、基準値よりも長い場合に、当該頁間に前記記録媒体の表裏に形成する画像同士の位置合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成部の動作を制御する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、記録媒体に対して複数頁の原稿画像を割り当てる場合に、原稿画像を割り当て可能な領域が狭くなることを抑制することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【
図2】ヘッドモジュールのノズル面を示す底面図である。
【
図3】複数の原稿画像の頁が割り付けられ、複数の原稿画像の頁の周囲にトンボマークが付された記録媒体PPを示す平面図である。
【
図4】
図3に示す記録媒体の一部を拡大して示す平面図である。
【
図5】
図3に示す記録媒体の一部を拡大して示す平面図である。
【
図6】
図3に示す記録媒体の一部を拡大して示す平面図である。
【
図7】
図3に示す記録媒体の一部を拡大して示す平面図である。
【
図8】一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図9】一実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【
図10】画像形成装置における制御処理の手順を示すフローチャートである。
【
図11】第2実施形態に係る画像形成システムを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る画像形成装置、画像形成システム、画像形成装置の制御方法、及びプログラムについて説明する。なお、
図2において、直交する3方向として、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向を示す矢印を記載する。Y軸方向は、記録媒体PPの搬送方向に沿う。X軸方向は、記録媒体PPの幅方向に沿う方向である。Z軸方向は、記録媒体PPの厚さ方向に沿う。本明細書において、平面視とは対象をその法線方向から見ることをいう。
【0009】
<第1実施形態に係る画像形成装置200の全体構成>
図1は、一実施形態に係る画像形成装置200を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置200は、オンデマンド方式のライン走査型インクジェット記録装置である。なお、画像形成装置200は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリント機能又はスキャナ機能等を有するMFP(Multifunction Peripheral)であってもよい。画像形成装置200は、両面印刷機能を有する。画像形成装置200は、電子写真方式により画像形成を行うものであってもよい。
【0010】
図1に示すように、一実施形態に係る画像形成装置200は、搬入部210、前処理部220、印刷部230、第1加熱部240、第2加熱部250、記録媒体反転部260、及び搬出部270を備える。画像形成装置200に記録媒体PPにインクを吐出して画像形成する。インクは、液体の一例である。
【0011】
搬入部210は、複数の記録媒体PPを収容する搬入トレイ211A,211Bと、搬入トレイ211の記録媒体PPを1枚ずつ分離して送り出す給送装置212A,212Bとを備える。搬入部210は、前処理部220に対して記録媒体PPを供給する。
【0012】
前処理部220は、搬入部210から供給された記録媒体PPに対して、必要に応じて塗布液としての前処理液を塗布する。前処理部220は、処理液を記録媒体PPの印刷面に付与する処理液付与部221を含む。処理液は、インクを凝集させ、裏写り等を防止する。
【0013】
印刷部230は、記録媒体PPに対してインクを付与して所要の印刷を行う。印刷部230は、ドラム10、ヘッドモジュール20、入口シリンダ234、及び出口シリンダ235を備える。入口シリンダ234は、前処理部220から搬送された記録媒体PPを受け取り、ドラム10に渡す。出口シリンダ235は、ドラム10によって搬送された記録媒体PPを受け取り、第1加熱部240に渡す。ドラム10は、記録媒体PPを搬送する搬送部の一例である。
【0014】
ヘッドモジュール20は、ヘッドモジュール20A,20B,20C,20D,20Eを含む。なお、ヘッドモジュール20A,20B,20C,20D,20Eを区別しない場合には、ヘッドモジュール20と記載する。ヘッドモジュール20は、記録媒体PPに画像を形成する画像形成部の一例である。
【0015】
ヘッドモジュール20Aは、シアン(C)のインクを吐出する。ヘッドモジュール20Bは、マゼンタ(M)のインクを吐出する。ヘッドモジュール20Cは、イエロー(Y)のインクを吐出する。ヘッドモジュール20Dは、ブラック(K)のインクを吐出する。ヘッドモジュール20Eは、その他の特殊なインクを吐出してもよい。特殊なインクとしては、例えば、白色のインク、金色のインク、銀色のインクなどが挙げられる。
【0016】
複数のヘッドモジュール20は、ドラム10の外周面10aに沿って配置されている。ヘッドモジュール20は、ドラム10の径方向において、外周面10aと隙間を空けて配置されている。記録媒体PPは、ドラム10の外周面10a上に配置され、ドラム10の回転に伴ってドラム10の周方向に搬送される。
【0017】
ドラム10の外周面には、記録媒体PPを保持する記録媒体グリッパが設けられている。ドラム10の外周面には、複数の吸引穴が分散して形成されている。ドラム10は、吸引穴からドラム10の内部に向かう吸い込み気流を発生されることにより、記録媒体PPをドラム10の外周面に保持する。ドラム10は、記録媒体PPを保持した状態で、回転することにより、記録媒体PPをヘッドモジュール20に対向する位置へ搬送する。記録媒体PPは、ドラム10の外周面とヘッドモジュール20との間に配置される。
【0018】
ヘッドモジュール20の各々は、記録媒体PPに対してインクを吐出することにより、記録媒体PPの表面に画像を形成する。印刷部230は、画像が形成された後の記録媒体PPを、第1加熱部240へ送出する。
【0019】
第1加熱部240は、記録媒体PPを乾燥するヒーター241を備える。第1加熱部240は、記録媒体PPを搬送する搬送部242を含む。第1加熱部240は、搬送部242により記録媒体PPを搬送しながら、ヒーター241により加熱する。ヒーター241は、例えば、赤外線を記録媒体PPに照射することにより、記録媒体PPに付着するインクを加熱乾燥する。
【0020】
第2加熱部250は、記録媒体PPを加熱するヒーター251を備える。第2加熱部250は、記録媒体PPを搬送する搬送部252を含む。第2加熱部250は、搬送部252により記録媒体PPを搬送しながら、ヒーター251により加熱する。ヒーター251は、例えば、紫外線を記録媒体PPに照射することにより、記録媒体PPに付着するインクを加熱する。また、第2加熱部250の下流には、記録媒体PPを冷却する冷却部が設けられていてもよい。冷却部は、例えば、記録媒体PPに送風するファンを有する。
【0021】
第2加熱部250は、乾燥した後の記録媒体PPを搬出部270へ送出する。両面印刷を行う場合には、第2加熱部250は、記録媒体PPを記録媒体反転部260へ送出する。
【0022】
記録媒体反転部260は、記録媒体PPを反転させる記録媒体反転機構261、及び反転された記録媒体PPを搬送する反転搬送部262を備える。記録媒体反転部260は、第2加熱部250から送出された記録媒体PPを、記録媒体反転機構261によって反転し、反転搬送部262によって、印刷部230へ送出する。印刷部230は、記録媒体反転部260から送出された記録媒体PPの傾きを補正し、ドラム10へ搬送する。
【0023】
搬出部270は、印刷後の記録媒体PPが積載される複数のトレイ271を備える。搬出部270は、第2加熱部250から送出された複数の記録媒体PPを、互いに揃えられた状態で積載する。
【0024】
なお、記録媒体PPは、紙の媒体でもよく、その他の媒体でもよい。記録媒体PPは、シート材でもよく、シート材はカットシート材でもよい。シート材は例えば壁紙などの大判のシート材でもよい。
【0025】
<記録ヘッド>
図2は、ヘッドモジュールのノズル面を示す底面図である。
図3に示されるヘッドモジュール20は、ベース部材21に保持された複数の記録ヘッド23を有する。ヘッドモジュール20は、X軸方向に並べられている。ヘッドモジュール20のノズル面には、複数のノズルNが形成されている。複数のノズルNは、X軸方向に並ぶノズル列を形成する。
【0026】
記録ヘッド23は、インクが流れるインク流路、インクを吐出するための駆動素子、インクに圧力を付与する圧力室、インクを吐出するノズルが形成されたノズルプレート等を含む。駆動素子は、例えば圧電素子である。圧力室内のインクは、駆動素子が駆動することにより、圧力が上昇し、ノズルNから吐出される。ノズルNから吐出されたインク滴は、記録媒体上に着弾する。
【0027】
なお、本実施形態の画像形成装置200は、オンデマンド方式のライン走査型インクジェット記録装置でもよい。そのため、ヘッドモジュール20の複数の記録ヘッド23は、記録媒体PPの搬送方向と直交する方向に並べられて設けられている。画像形成装置200は、ライン走査型インクジェット記録装置への適用に限らず、その他の方式を用いた記録装置にも適用可能である。その他の方式の記録装置として、例えば、記録ヘッドが、主走査方向に移動しながら、記録媒体の表面に画像を形成するシリアル走査型プリンタがある。主走査方向は、例えばX軸方向に沿う。
【0028】
<原稿画像の頁>
次に、
図3を参照して、記録媒体PPに割り付けられる複数の原稿画像の頁P(頁P1~P7)について説明する。
図3は、複数の原稿画像の頁が割り付けられ、複数の原稿画像の頁の周囲にトンボマークが付された記録媒体PPを示す平面図である。
図4~
図7は、
図3に示す記録媒体PPの一部を拡大して示す平面図である。
【0029】
記録媒体PPは、平面視において、矩形状を成し、長辺PE1,PE2及び短辺PE3,PE4を有する。長辺PE1,PE2は、記録媒体PPの長手方向aに沿う端であり、短辺PE3,PE4は、記録媒体PPの短手方向bに沿う端である。記録媒体PPは、4つの角部C1~C4を有する。角部C1は、長辺PE1と短辺PE3とが交差する角部である。角部C2は、長辺PE1と短辺PE4とが交差する角部である。角部C3は、長辺PE2と短辺PE3とが交差する角部である。角部C4は、長辺PE2と短辺PE4とが交差する角部である。
【0030】
記録媒体PPには、複数の原稿画像の頁Pが割り当てられている。複数の原稿画像の頁Pは、頁P1~P7を含む。記録媒体PPでは、例えば7つの頁P1~P7が割り当てられている。頁P1~P7を割り当てることを、「面付ける」と記載する場合もある。
【0031】
複数の頁P1~P7は、矩形状を成している。頁P1~P4は、例えば同じ大きさである。頁P5は、頁P1よりも大きな面積を有する。頁P6は、頁P1よりも小さい面積を有する。頁P7は、頁P5よりも大きな面積を有する。複数の頁P1,P3,P5,P6は、長辺PE1に近い位置に配置され、長手方向aに沿って並ぶ。複数の頁P2,P4,P7は、長辺PE2に近い位置に配置され、長手方向aに沿って並ぶ。
【0032】
<原稿画像の頁P1>
図4に示すように、頁P1は、角部C1に近い位置に配置されている。頁P1,P3は、記録媒体PPの長手方向aに隣り合う。頁P1は、長辺PE11,PE12及び短辺PE13,PE14を有する。長辺PE11,PE12は、記録媒体PPの短手方向bに沿う。短辺PE13,PE14は、記録媒体PPの長手方向aに沿う。
【0033】
長辺PE11は、記録媒体PPの短辺PE3に近い位置に配置されている。長辺PE12は、記録媒体PPの短辺PE3に対して、長辺PE11よりも遠い位置に配置されている。短辺PE13は、記録媒体PPの長辺PE1に近い位置に配置されている。短辺PE14は、記録媒体PPの長辺PE1に対して、短辺PE13よりも遠い位置に配置されている。
【0034】
<原稿画像の頁P2>
図5に示すように、頁P2は、角部C3に近い位置に配置されている。頁P1,P2は、記録媒体PPの短手方向bに隣り合う。頁P2は、長辺PE21,PE22及び短辺PE23,PE24を有する。長辺PE21,PE22は、記録媒体PPの短手方向bに沿う。短辺PE23,PE24は、記録媒体PPの長手方向aに沿う。
【0035】
長辺PE21は、記録媒体PPの短辺PE3に近い位置に配置されている。長辺PE22は、記録媒体PPの短辺PE3に対して、長辺PE21よりも遠い位置に配置されている。短辺PE24は、記録媒体PPの長辺PE2に近い位置に配置されている。短辺PE23は、記録媒体PPの長辺PE2に対して、短辺PE24よりも遠い位置に配置されている。
【0036】
<原稿画像の頁P3>
図4に示すように、頁P1,P3は、記録媒体PPの長手方向aに隣り合う。頁P3は、長辺PE31,PE32及び短辺PE33,PE34を有する。長辺PE31,PE32は、記録媒体PPの短手方向bに沿う。短辺PE33,PE34は、記録媒体PPの長手方向aに沿う。
【0037】
長辺PE31は、頁P1に近い位置に配置されている。長辺PE32は、頁P1に対して、長辺PE31よりも遠い位置に配置されている。短辺PE33は、記録媒体PPの長辺PE1に近い位置に配置されている。短辺PE34は、記録媒体PPの長辺PE1に対して、短辺PE33よりも遠い位置に配置されている。
【0038】
<原稿画像の頁P4>
図5に示すように、頁P2,P4は、記録媒体PPの長手方向aに隣り合う。頁P3,P4は、記録媒体PPの短手方向bに隣り合う。頁P4は、長辺PE41,PE42及び短辺PE43,PE44を有する。長辺PE41,PE42は、記録媒体PPの短手方向bに沿う。短辺PE43,PE44は、記録媒体PPの長手方向aに沿う。
【0039】
長辺PE41は、頁P2に近い位置に配置されている。長辺PE42は、頁P2に対して、長辺PE41よりも遠い位置に配置されている。短辺PE44は、記録媒体PPの長辺PE2に近い位置に配置されている。短辺PE43は、記録媒体PPの長辺PE2に対して、短辺PE44よりも遠い位置に配置されている。
【0040】
<原稿画像の頁P5>
図6に示すように、頁P3,P5は、記録媒体PPの長手方向aに隣り合う。頁P5は、長辺PE51,PE52及び短辺PE53,PE54を有する。長辺PE51,PE52は、記録媒体PPの短手方向bに沿う。短辺PE53,PE54は、記録媒体PPの長手方向aに沿う。
【0041】
長辺PE51は、頁P3に近い位置に配置されている。長辺PE52は、頁P3に対して、長辺PE51よりも遠い位置に配置されている。短辺PE53は、記録媒体PPの長辺PE1に近い位置に配置されている。短辺PE54は、記録媒体PPの長辺PE1に対して、短辺PE53よりも遠い位置に配置されている。
【0042】
<原稿画像の頁P6>
頁P6は、角部C2に近い位置に配置されている。頁P5,P6は、記録媒体PPの長手方向aに隣り合う。頁P6は、長辺PE61,PE62及び短辺PE63,PE64を有する。長辺PE61,PE62は、記録媒体PPの短手方向bに沿う。短辺PE63,PE64は、記録媒体PPの長手方向aに沿う。
【0043】
長辺PE62は、記録媒体PPの短辺PE4に近い位置に配置されている。長辺PE61は、記録媒体PPの短辺PE4に対して、長辺PE62よりも遠い位置に配置されている。短辺PE63は、記録媒体PPの長辺PE1に近い位置に配置されている。短辺PE64は、記録媒体PPの長辺PE1に対して、短辺PE63よりも遠い位置に配置されている。
【0044】
頁P6の長辺PE61,PE62は、頁P5の長辺PE51,PE52よりも短い。頁P6の短辺PE63と記録媒体PPの長辺PE1との間の距離は、頁P5の短辺PE53と記録媒体PPの長辺PE1との間の距離よりも長い。
【0045】
<原稿画像の頁P7>
図7に示すように、頁P7は、角部C4に近い位置に配置されている。頁P4,P7は、記録媒体PPの長手方向aに隣り合う。頁P7は、頁P5,P6と、記録媒体PPの短手方向bに隣り合う。頁P7は、長辺PE71,PE72及び短辺PE73,PE74を有する。長辺PE71,PE72は、記録媒体PPの長手方向aに沿う。短辺PE73,PE74は、記録媒体PPの短手方向bに沿う。
【0046】
長辺PE72は、記録媒体PPの長辺PE2に近い位置に配置されている。長辺PE71は、記録媒体PPの長辺PE2に対して、長辺PE72よりも遠い位置に配置されている。短辺PE74は、記録媒体PPの短辺PE4に近い位置に配置されている。短辺PE73は、記録媒体PPの短辺PE4に対して、短辺PE74よりも遠い位置に配置されている。
【0047】
頁P7の長辺PE71,PE72は、頁P5の短辺PE54よりも長い。頁P7の長辺PE71,PE72は、頁P6の短辺PE64よりも長い。頁P7の短辺PE73,PE74は、頁P6の長辺PE42よりも長い。
【0048】
<トンボマーク>
次に、
図3~
図7を参照して、記録媒体PPに付されたトンボマークTMについて説明する。記録媒体PPには、複数のトンボマークTMが付されている。複数のトンボマークTMは、トンボマークTM11~TM14,TM21~TM23,TM31~TM33,及びTM41~TM44を含む。なお、トンボマークTM11~TM14,TM21~TM23,TM31~TM33,及びTM41~TM44を区別しない場合には、トンボマークTMと記載する。トンボマークTMは、例えば、L字形、T字形、I字形、及び十字形を成すように形成されている。トンボマークTMは、記録媒体PPの表裏に形成する原稿画像同士の位置合わせ用の基準画像の一例である。トンボマークTMは、記録媒体PPの長手方向aに沿う直線、及び短手方向bに沿う直線を含むことができる。
【0049】
トンボマークTM11~TM14は、記録媒体PPの角部C1~C4の近傍に配置されている。トンボマークTM11~TMは、例えばL字形を成している。トンボマークTM11~TM14は、長手方向aに沿う線分と、短手方向bに沿う線分とを有する。トンボマークTM1は、角部C1よりも内側に配置されている。なお、「内側」とは、記録媒体PPを平面視した場合に、記録媒体PPの中心に近い方を指し、「外側」とは、記録媒体PPの中心から遠い方を指す。トンボマークTM1は、頁P1よりも外側に配置されている。
【0050】
トンボマークTM12は、角部C2よりも内側に配置されている。トンボマークTM12は、頁P6よりも外側に配置されている。トンボマークTM13は、角部C3よりも内側に配置されている。トンボマークTM13は、頁P2よりも外側に配置されている。トンボマークTM14は、角部C4よりも内側に配置されている。トンボマークTM14は、頁P7よりも外側に配置されている。
【0051】
トンボマークTM11,TM21~TM23,TM12は、記録媒体PPの長辺PE1に近い位置に配置され、記録媒体PPの長手方向aに並ぶ。トンボマークTM21~TM23は、例えばT字形を成している。トンボマークTM21は、頁P1,P3よりも外側に配置されている。なお、トンボマークTM21は、頁P1,P3よりも外側に配置されていない部分を含んでもよい。トンボマークTM21は、記録媒体PPの長手方向aにおいて、頁P1,P3間に配置されている。トンボマークTM21は、長手方向aにおいて、頁P1,P3間に配置されていない部分を含んでもよい。
【0052】
トンボマークTM22は、頁P3,P5よりも外側に配置されている。なお、トンボマークTM22は、頁P3,P5よりも外側に配置されていない部分を含んでもよい。トンボマークTM22は、記録媒体PPの長手方向aにおいて、頁P3,P5間に配置されている。トンボマークTM22は、長手方向aにおいて、頁P3,P5間に配置されていない部分を含んでもよい。
【0053】
トンボマークTM23は、頁P5,P6よりも外側に配置されている。なお、トンボマークTM23は、頁P5,P6よりも外側に配置されていない部分を含んでもよい。トンボマークTM23は、記録媒体PPの長手方向aにおいて、頁P5,P6間に配置されている。トンボマークTM22は、長手方向aにおいて、頁P5,P6間に配置されていない部分を含んでもよい。
【0054】
トンボマークTM13,TM31~TM33,TM14は、記録媒体PPの長辺PE2に近い位置に配置され、記録媒体PPの長手方向aに並ぶ。トンボマークTM31,TM32は、例えばT字形を成している。トンボマークTM33は、例えばI字形を成している。トンボマークTM31は、頁P2,P4よりも外側に配置されている。なお、トンボマークTM31は、頁P2,P4よりも外側に配置されていない部分を含んでもよい。トンボマークTM31は、記録媒体PPの長手方向aにおいて、頁P2,P4間に配置されている。トンボマークTM31は、長手方向aにおいて、頁P2,P4間に配置されていない部分を含んでもよい。
【0055】
トンボマークTM32は、頁P4,P7よりも外側に配置されている。なお、トンボマークTM32は、頁P4,P7よりも外側に配置されていない部分を含んでもよい。トンボマークTM32は、記録媒体PPの長手方向aにおいて、頁P4,P7間に配置されている。トンボマークTM32は、長手方向aにおいて、頁P4,P7間に配置されていない部分を含んでもよい。
【0056】
トンボマークTM33は、頁P7よりも外側に配置されている。トンボマークTM33は、記録媒体PPの長手方向aにおいて頁P7の中央付近配置されている。
【0057】
トンボマークTM41~TM44は、記録媒体PPの長手方向aに並ぶ。トンボマークTM41~TM44は、記録媒体PPの短手方向bにおける中央に配置されている。トンボマークTM41は、例えばT字形を成す。トンボマークTM42,TM43は、例えば十字形を成す。トンボマークTM44は、例えばI字形を成す。
【0058】
トンボマークTM41は、記録媒体PPの短辺PE3に近い位置に配置されている。トンボマークTM41は、頁P1,P2よりも外側に配置されている。なお、トンボマークTM41は、頁P1,P2よりも外側に配置されていない部分を含んでもよい。トンボマークTM41は、記録媒体PPの短手方向bにおいて、頁P1,P2間に配置されている。トンボマークTM41は、短手方向bにおいて、頁P1,P2間に配置されていない部分を含んでもよい。
【0059】
トンボマークTM42は、頁P1~P4に囲まれた領域に配置されている。トンボマークTM21,TM42,TM31は、記録媒体PPの短手方向bに並ぶ。
【0060】
トンボマークTM43は、頁P3~P5,P7に囲まれた領域に配置されている。トンボマークTM22,TM43,TM32は、記録媒体PPの短手方向bに並ぶ。
【0061】
トンボマークTM44は、記録媒体PPの短辺PE4に近い位置に配置されている。トンボマークTM44は、頁P6,P7よりも外側に配置されている。なお、トンボマークTM44は、頁P6,P7よりも外側に配置されていない部分を含んでもよい。トンボマークTM12,TM44,TM14は、記録媒体PPの短手方向bに並ぶ。
【0062】
なお、頁P5~P7に囲まれた領域には、トンボマークTMが付されていない。頁P5~P7に囲まれた領域に、トンボマークTMが付されていてもよい。
【0063】
<トンボ付加判定/形状選択処理>
次に、トンボ付加判定/形状選択処理について説明する。画像形成装置200は、複数の原稿画像の頁P間の余白領域の幅に基づいて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。画像形成装置200は、記録媒体PPの端(又は印刷可能領域PRの端)と、原稿画像の頁Pとの間の余白領域の幅に基づいて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。
【0064】
画像形成装置200は、頁Pの幅に基づいて、トンボマークTMの部分を形成するか否かを判定することができる。例えば、頁P間の幅が、記録媒体PPの長手方向aに沿う場合には、画像形成装置200は、トンボマークTMの部分として、長手方向aと交差する短手方向bと平行の線分を形成することができる。例えば、頁P間の幅が、短手方向bに沿う場合には、画像形成装置200は、トンボマークTMの部分として、短手方向bと交差する長手方向aと平行の線分を形成することができる。このように、長手方向aに平行な線分を形成するか否かを判定すること、及び、短手方向bに平行な線分を形成するか否かを判定することにより、画像形成装置200は、トンボマークTMの形状を選定することができる。
【0065】
画像形成装置200は、トンボマークTMが形成される位置に応じて、トンボマークTMの形状を選択してもよい。画像形成装置200は、トンボマークTMの形状として、L字形、T字形、I字形、及び十字形を選択することができる。また、画像形成装置200は、トンボマークTMが形成される位置に応じて、L字形、T字形、及びI字形の向きを選択することができる。
【0066】
<頁の長辺間の場合;ケース1>
画像形成装置200は、複数の頁Pの長辺間の幅に応じて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。ここでは、
図4に示す頁P1,P3の長辺PE12,PE31間の幅d13に基づいて、トンボマークTM21を形成するか否かを判定する場合について説明する。長辺PE12,PE31は、記録媒体PPの長手方向aにおいて隣り合う。
【0067】
画像形成装置200は、頁P1,P3の長辺PE12,PE31間の幅d13が判定閾値dilよりも長い場合に、トンボマークTM12のうち、短手方向bに沿う線分を形成すると判定する。画像形成装置200は、頁P1,P3の長辺PE12,PE31間の幅d13が判定閾値dil以下である場合に、トンボマークTMのうち、短手方向bに沿う線分を形成しないと判定する。なお、トンボマークTMを形成しないことを、トンボマークTMを間引くと記載する場合がある。
【0068】
<頁の短辺間の場合;ケース2>
画像形成装置200は、複数の頁の短辺間の幅に応じて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。ここでは、頁P1,P2の短辺PE14,PE23間の幅d12に基づいて、トンボマークTM41を形成するか否かを判定する場合について説明する。短辺PE14,PE23は、記録媒体PPの短手方向bにおいて隣り合う。
【0069】
画像形成装置200は、頁P1,P2の短辺PE14,PE23間の幅d12が判定閾値disより長い場合に、トンボマークTM41のうち、長手方向aに沿う線分を形成すると判定する。画像形成装置200は、頁P1,P2の短辺PE14,PE23間の幅d13が判定閾値dis以下である場合に、トンボマークTMのうち、長手方向aに沿う線分を形成しないと判定する。判定閾値disは、判定閾値dilと異なっていてもよく、同じでもよい。
【0070】
<記録媒体PPの端(長辺)と頁の辺との間の場合;ケース3>
画像形成装置200は、記録媒体PPの端(長辺)と頁の辺との間の幅に応じて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。画像形成装置200は、記録媒体PPの印刷可能領域PRの長辺と頁Pの辺との間の幅に応じて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。記録媒体PPの端と、この端に最も近い頁Pの辺との間の幅に応じて、トンボマークTMを形成するか否か判定してもよいが、画像形成装置200は、印刷可能領域PRの辺と、この辺に最も近い頁Pの辺と間の幅に応じて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。
【0071】
ここでは、印刷可能領域PRの長辺PRE1と、頁P1の短辺PE13との間の幅dr11に基づいて、トンボマークTM11のうち、長手方向aに沿う線分を形成するか否かを判定する場合について説明する。印刷可能領域PRの長辺PRE1は、記録媒体PPの長手方向aに沿う。長辺PRE1は、記録媒体PPの長辺PE1に近い位置に配置されている。長辺PRE1は、記録媒体PPの短手方向bにおいて、記録媒体PPの端である長辺PE1と、頁P1の短辺PE13との間に配置されている。
【0072】
画像形成装置200は、印刷可能領域PRの長辺PRE1と、頁P1の短辺PE13との間の幅dr11が判定閾値dovより長いである場合に、トンボマークTM11のうち、長手方向aに沿う線分を形成すると判定する。画像形成装置200は、長辺PRE1と短辺PE13との間の幅dr11が判定閾値dov未満である場合に、トンボマークTMのうち短辺PE13に沿う線分(長手方向aに平行な線分)を形成しないと判定する。
【0073】
<記録媒体PPの端(短辺)と頁の辺との間の場合;ケース4>
画像形成装置200は、記録媒体PPの端(短辺)と頁の辺との間の幅に応じて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。画像形成装置200は、記録媒体PPの印刷可能領域PRの短辺と頁の辺との間の幅に応じて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。
【0074】
ここでは、印刷可能領域PRの短辺PRE3と、頁P1の長辺PE11との間の幅dr31に基づいて、トンボマークTM11のうち、短手方向bに沿う線分を形成するか否かを判定する場合について説明する。印刷可能領域PRの短辺PRE3は、記録媒体PPの短手方向bに沿う。短辺PRE3は、記録媒体PPの短辺PE3に近い位置に配置されている。短辺PRE3は、記録媒体PPの長手方向aにおいて、記録媒体PPの端である短辺PE3と、頁P1の長辺PE11との間に配置されている。
【0075】
画像形成装置200は、印刷可能領域PRの短辺PRE3と、頁P1の長辺PE11との間の幅dr31が判定閾値doh(≧dov)より長い場合に、トンボマークTM11のうち、短手方向bに沿う線分を形成すると判定する。画像形成装置200は、短辺PRE3と長辺PE11との間の幅dr31が判定閾値doh以下である場合に、トンボマークTMのうち長辺PE11に沿う線分(短手方向bに平行な線分)を形成しないと判定する。
【0076】
<トンボマークTMを形成しない場合の例>
次に、
図6を参照して、トンボマークTMを形成しない場合の例について説明する。例えば、記録媒体PPでは、頁P5~P7に囲まれる領域には、トンボマークTMが形成されない。
【0077】
画像形成装置200は、頁P5,P6の長辺PE52,PE61間の幅d56が判定閾値dil以下であるので、トンボマークTMのうち、短手方向bに沿う線分を形成しないと判定する。画像形成装置200は、頁P6の短辺PE64と、頁7の長辺PE71との間の幅d67が判定閾値dis(dil)以下であるので、トンボマークTMのうち、長手方向aに沿う線分を形成しないと判定する。ここでは、トンボマークTMのうち、長手方向aに沿う線分、及び、短手方向bに沿う線分の両方が形成されないので、トンボマークTMが形成されないことになる。
【0078】
<トンボマークTMのうち、長手方向aに沿う線分を形成しない場合の例>
次に、トンボマークTMのうち、長手方向aに沿う線分を形成しない場合の例について説明する。ここでは、短手方向bに沿う線分のみを有するトンボマークTM44を形成する場合について説明する。例えば、記録媒体PPでは、記録媒体PPの短辺PE4と、頁P6,P7との間であって、短手方向bの中央の位置には、トンボマークTM44が形成される。
【0079】
画像形成装置200は、印刷可能領域PRの短辺PRE4と、頁P7の短辺PE74との間の幅dr47が判定閾値dohより長い場合に、トンボマークTM44のうち、短手方向bに沿う線分を形成すると判定する。画像形成装置200は、頁P6の短辺PE64と、頁7の長辺PE71との間の幅d67が判定閾値dis(dil)未満であるので、トンボマークTM44のうち、長手方向aに沿う線分を形成しないと判定する。ここでは、トンボマークTM44のうち、短手方向bに沿う線分が形成され、長手方向aに沿う線分が形成されないので、トンボマークTMは、短手方向bに沿う線分部分のみを有するI字形のトンボマークTMとなる。トンボマークTM44は、短手方向bに平行な直線となる。
【0080】
<トンボマークTMを形成しない位置の算出>
次に、トンボマークTMを形成しないと判定した位置(対象位置)の算出方法について説明する。上述したように、記録媒体PPでは、頁P5~P7に囲まれる領域には、トンボマークTMが形成されない。この間引きトンボTCの位置は、破線で図示されている。
【0081】
画像形成装置200は、間引きトンボTCの周囲のトンボマークTMの位置から間引きトンボTCの位置を算出することができる。
図3に示されるように、記録媒体PPの長手方向aにおいて、間引きトンボTCは、トンボマークTM43,TM44間に配置されている。記録媒体PPの短手方向bにおいて、間引きトンボTCは、トンボマークTM23,TM33間に配置されている。画像形成装置200は、長手方向aにおいて、トンボマークTM43,TM44の中央、且つ、短手方向bにおいて、トンボマークTM23,TM33の中央の位置を、間引きトンボTCの中心位置として算出することができる。
【0082】
また、画像形成装置200は、間引きトンボTCの周囲に、トンボマークTMが少ない場合には、間引きトンボの位置を算出できないと決定することができる。また、画像形成装置200は、頁Pに対するトンボマークTMの数量に基づいて、表裏見当精度を判定することができる。
【0083】
<画像形成装置のハードウェア構成>
次に
図8を参照して、画像形成装置200のハードウェア構成について説明する。
図8は、一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図8に示すハードウェア構成は、必要に応じて追加の構成要素を含むことができる。ハードウェアは、必要に応じて
図8に示される構成要素を備えていなくてもよい。
【0084】
画像形成装置200は、制御部310及びセンサ・メカトロ部320を含む読み取り・搬送制御機構330、画像コントローラ340、画像印刷部350、ユーザ操作部360及び表示部370を有する。画像コントローラ340は、画像生成部342を有する。画像印刷部350は、ヘッド制御部352を有する。
【0085】
読み取り・搬送制御機構330は、表面(第1面)に印刷対象の印刷画像(複数の原稿画像の頁P1~P7)および表裏見当調整用のトンボマークTMが印刷された記録媒体PPを画像形成装置200内で搬送し、記録媒体PP上のトンボマークTMの位置を検出する機能を有する。トンボマークTMは、記録媒体PPの裏面(第2面)に印刷する任意の頁の画像を、記録媒体PPの表面に印刷された画像に合わせて補正するために使用される。トンボマークTMを用いることで、記録媒体PPの裏面に印刷する画像の位置の調整、拡大率の変更、回転または変形の少なくともいずれかを実施することができる。拡大率の変更により、画像は拡大または縮小される。
【0086】
制御部310は、CPU(Central Processing Unit)312、記憶部314、制御インタフェース(I/F)316及び通信インタフェース(I/F)318を有する。センサ・メカトロ部320は、タイミングセンサ322、搬送ローラエンコーダ324、搬送モータ326及びイメージセンサ328を有する。イメージセンサ328は、印刷画像とトンボマークTMとを読み取り、読み取り画像データを生成してもよい。
【0087】
例えば、CPU312は、画像形成装置200の制御プログラムを実行することで、トンボマークTMの位置を検出するために、センサ・メカトロ部320を制御する。CPU312は、ユーザ操作部360を介して画像コントローラ340が受ける面付け情報を取得してもよい。面付け情報は、1枚の記録媒体PPに割り付ける頁の数と頁の配置に関する情報を含む。また、後述するように、CPU312は、面付け情報を取得することなく、記録媒体PP上のトンボマークTMの位置情報を算出してもよい。
【0088】
記憶部314は、CPU312で使用するワークデータ等を保持する。また、記憶部314は、CPU312が制御I/F316を介してセンサ・メカトロ部320から得た画像データを保持する。記憶部314は、画像コントローラ340が受ける面付け情報を保持してもよい。さらに、記憶部314は、CPU312が通信I/F318を介してユーザ操作部360から得た設定情報を保持してもよい。
【0089】
例えば、記憶部314は、CPU312が実行する制御プログラムを記憶してもよい。なお、CPU312が実行する制御プログラムは、CPU312に内蔵ROM(Read Only Memory)に格納されてもよい。記憶部314は、ROMおよびRAM(Random Access Memory)を含んでもよく、フラッシュメモリを含んでもよい。
【0090】
制御I/F316は、CPU312からの制御指示をセンサ・メカトロ部320に出力し、センサ・メカトロ部320から受信した画像情報等をCPU312に出力する。CPU312からの制御指示は、搬送モータ326の動作指示及びイメージセンサ328の動作指示を含む。センサ・メカトロ部320からの応答は、イメージセンサ328が読み取った用紙の表面の画像データを含む。
【0091】
通信I/F318は、CPU312と画像生成部342との間の通信と、CPU312とユーザ操作部360との間の通信とを制御する。例えば、通信I/F318は、イメージセンサ328から受信する画像データに基づいてCPU312が検出するトンボマークTMの位置を、画像コントローラ340内の画像生成部342へ転送する。また、通信I/F318は、ユーザ操作部360から受信したセンサ・メカトロ部320による画像の読み取り機能の設定情報をCPU312に出力する。
【0092】
画像生成部342は、記録媒体PPの表面に印刷する印刷画像と、表裏見当用のトンボマークとを含む画像データを生成する。また、画像生成部342は、記録媒体PPの裏面に印刷する印刷画像を含む画像データを生成する。画像印刷部350は、画像生成部342により生成された画像データを受信し、ヘッド制御部352を制御して、記録媒体PPの表面または裏面に画像を印刷する。
【0093】
画像生成部342は、CPU312が検出したトンボマークTMの位置に基づいて、記録媒体PPの裏面に印刷する画像の位置の調整、拡大率の変更、回転または変形の少なくともいずれかを実施し、記録媒体PPの裏面に印刷する画像データを生成する。ここで、記録媒体PPの表面および裏面に複数の頁Pが割り付けられ、頁毎に印刷画像が印刷される場合、画像生成部342は、各頁Pに対応するトンボマークTMの検出位置に基づいて、記録媒体PPの裏面の各頁Pの印刷画像の変形等の調整を実施する。これにより、記録媒体PPの表面に印刷された印刷画像に合わせて記録媒体PPの裏面に印刷画像を印刷することができる。
【0094】
ユーザ操作部360は、例えば、ユーザによる操作を受け付けるタッチパネル等の入力装置を含む。例えば、ユーザ操作部360は、1枚の記録媒体PPに割り付ける頁Pの数と頁Pの配置を含む面付け情報を受け付け、トンボマークTMの検出機能を有効または無効にする設定情報を受け付ける。さらに、ユーザ操作部360は、画像形成装置200を動作させるための印刷開始、印刷枚数、拡大率・縮小率、カラー・モノクロ等の各種指示を受け付ける。
【0095】
表示部370は、ユーザによるユーザ操作部360の操作に基づいて、操作内容等を表示する。なお、ユーザ操作部360は、表示部370の表示画面上に、表示部370と一体化して設けられてもよい。表示部370は、各種情報を報知する報知部の一例である。報知部は、表示部370に限定されず、例えば、音声を出力するスピーカを含んでもよい。
【0096】
制御部310は、1枚の記録媒体PPに対して付加されるトンボマークTMの数量が、予め設定された閾値未満である場合に、形成されるトンボマークTMの数量が閾値未満である旨の情報を報知するように、表示部370の動作を制御できる。表示部370は、制御部310からの信号に基づいて、トンボマークTMの数量が閾値未満である旨の情報を表示することができる。ユーザは、表示部370に表示された情報に基づいて、印刷ジョブを再設定することができる。
【0097】
<機能構成>
次に、
図9を参照して、画像形成装置200の機能構成について説明する。
図8は、画像形成装置200の機能ブロック図である。
図8に示すCPU312は、ROM等の記憶部314に記憶されているプログラムを実行することで、
図9に示すシステム制御部121、メモリ制御部122、通信制御部123、印刷制御部124、搬送制御部125、UI制御部126、原稿画像データ受付部131、トンボ付加判定/形状選択部132、間引きトンボ位置算出部133、及び表裏見当精度判定部134の各機能を実現する。なお、制御部310と接続された外部機器、センサ、及び処理部等は、これらの各機能の一部を実行してもよい。例えば、制御部310に接続されたセンサ・メカトロ部320、画像コントローラ340、画像印刷部350、ユーザ操作部360、及び表示部370は、各機能の一部を実行してもよい。
【0098】
画像形成装置200は、外部機器から印刷画像を含んだ印刷情報(印刷ジョブ)を受け取ることができる。画像形成装置200は、例えば外部機器から印刷ジョブの実行の指示を受け、印刷ジョブの内容に従って印刷を行う。画像形成装置200は、画像形成装置200の記憶部314に格納されている印刷ジョブの内容に従って印刷することができる。
【0099】
システム制御部121は、画像形成装置200の全体の動作を制御する。メモリ制御部122は、ROM及びRAM等の記憶部314の動作を制御する。記憶部314は、センサ・メカトロ部320、画像コントローラ340、及びユーザ操作部360から入力したデータを保存できる。通信制御部123は、制御部310に接続されている外部機器等との通信制御を行う。
【0100】
印刷制御部124は、ヘッドモジュール20によるインクの吐出を制御する。印刷制御部124は、印刷ジョブの開始、一時停止、再開、完了の動作を実行する。
【0101】
搬送制御部125は、搬送部による記録媒体PPの搬送を制御する。搬送部は、記録媒体PPを搬送するためのドラム10、及び搬送モータ326を含んでもよい。搬送制御部125は、搬送部の駆動及び停止を制御できる。
【0102】
UI制御部126は、ユーザ操作部360から入力した信号に応じた処理を行う。UI制御部126は、ユーザ操作部360を介して表示部370に信号を出力して、表示部370に各種情報を表示させるように出力処理を要求する。
【0103】
ユーザ操作部360は、ユーザによる入力結果の処理をUI制御部126に要求してもよい。表示部370は、UI制御部126から要求された内容を出力する。
【0104】
原稿画像データ受付部131は、原稿画像データ受付処理を実行する。原稿画像データ受付部131は、原稿画像データについて、記録媒体PPのサイズ、面付け数、原稿画像サイズ(頁ごと)、原稿画像位置(頁ごと)、などの情報を確認する。原稿画像データ受付部131は、記憶部314に記憶されているデータを読み取ることにより、記録媒体PPのサイズ、面付け数、原稿画像サイズ(頁ごと)、原稿画像位置(頁ごと)、などの情報を認識できる。
【0105】
トンボ付加判定/形状選択部132は、原稿画像データ受付部131で確認したデータに基づいて、判定対象箇所を決定し、判定対象箇所に対して、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。トンボ付加判定/形状選択部132は、隣り合う原稿画像の頁間の余白領域の幅に基づいて、当該余白領域にトンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。トンボ付加判定/形状選択部132は、判定対象箇所の位置、及び余白領域の幅に基づいて、トンボマークTMの形状を選択してもよい。記憶部314は、トンボマークTMを形成しないと判定した、判定対象箇所の位置に関する情報を保存する。記憶部314は、間引きトンボTCの位置に関する情報を保存する。
【0106】
間引きトンボ位置算出部133は、間引きトンボTCの位置を算出する。間引きトンボ位置算出部133は、間引きトンボTCの周辺のトンボマークTM(TM23,TM33,TM43,TM44)の位置に基づいて、間引きトンボTCの位置を算出することができる。
【0107】
表裏見当精度判定部134は、表裏見当精度の予測及び判定を実行する。表裏見当精度判定部134は、例えば、記録媒体PPにおける間引きトンボTCの数量に基づいて、表裏見当精度を予測できる。表裏見当精度判定部134は、例えば、原稿画像当たりのトンボマークTMの数量に基づいて、表裏見当精度を予測できる。表裏見当精度判定部134は、表裏見当ずれ量が閾値未満である場合に、表裏見当精度が十分であると判定してもよい。
【0108】
なお、システム制御部121、メモリ制御部122、通信制御部123、印刷制御部124、搬送制御部125、UI制御部126、原稿画像データ受付部131、トンボ付加判定/形状選択部132、間引きトンボ位置算出部133、及び表裏見当精度判定部134は、記憶部314に記憶されているプログラムにより、ソフトウェアで実現できる。これらのシステム制御部121、メモリ制御部122、通信制御部123、印刷制御部124、搬送制御部125、原稿画像データ受付部131、トンボ付加判定/形状選択部132、間引きトンボ位置算出部133、及び表裏見当精度判定部134のうち全部又は一部を、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアで実現してもよい。
【0109】
また、プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイル情報でCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録され、このような記録媒体を介して、画像形成装置200に提供され得る。また、プログラムは、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、半導体メモリ等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録され、このような記録媒体を介して、画像形成装置200に提供され得る。また、プログラムは、インターネット等のネットワーク経由でインストールする態様で画像形成装置200に提供されるものでもよい。また、プログラムは、画像形成装置200内のROM等に予め組み込まれていてもよい。
【0110】
また、制御部310は、制御部310に接続されたコンピュータが実行する機能を実行してもよい。同様に制御部310に接続されたコンピュータは、制御部310が実行する機能を実行してもよい。
【0111】
<画像形成装置の制御方法>
次に、
図10を参照して、画像形成装置200の制御方法について説明する。
図10は、画像形成装置における制御処理の手順を示すフローチャートである。画像形成装置200は、原稿画像データの面付け及びユーザのジョブ設定が完了した後に、
図10に示す制御処理を実行することができる。
【0112】
画像形成装置200の制御部310は、原稿画像データ受付処理を実行する(ステップS101)。画像形成装置200は、原稿画像データについて、記録媒体PPのサイズ、面付け数、原稿画像サイズ(頁ごと)などの情報を確認(認識)する。
【0113】
次に、画像形成装置200は、トンボ付加判定処理及び形状選択処理を実行する(ステップS102)。画像形成装置200は、ステップS101で確認した情報に基づいて、判定対象箇所を決定する。画像形成装置200は、判定対象箇所について、表裏見当合わせ用トンボを形成するか否かを判定する。画像形成装置200は、当該画像原稿(頁)に対して隣接する余白領域の幅に応じて、表裏見当合わせ用のトンボマークTMを形成するか否かを判定する。
【0114】
判定対象箇所は、当該原稿画像(頁)の四隅を含む。画像形成装置200は、記録媒体PPのサイズに対して、複数の原稿画像の頁の合計の面積が一定値以上である場合に、原稿画像の頁に対する判定対象箇所を増やすことができる。
【0115】
画像形成装置200は、表裏見当合わせ精度が低い方のトンボマークTMよりも、表裏見当合わせ精度が高い方のトンボマークTMを優先的に選択することができる。
【0116】
画像形成装置200は、表裏見当合わせ用のトンボマークTMを形成しないと判定した位置について、記憶することができる。画像形成装置200は、複数の画像原稿の頁Pに対して、トンボ付加判定処理及び選択処理を実行する。
【0117】
次に、画像形成装置200は、表裏見当合わせ用のトンボマークTMを形成しない対象箇所の有無について確認(認識)する(ステップS103)。表裏見当合わせ用のトンボマークTMを形成しないと判定した判定対象箇所を「間引きトンボ」と記載する場合がある。また、表裏見当合わせ用のトンボマークTMを形成しないことを、「トンボを間引く」と記載する場合がある。画像形成装置200は、表裏見当合わせ用のトンボマークTMを形成しない判定対象箇所がある場合には、間引きトンボTCがあると判定し(ステップS103;YES)、ステップS104に進む。画像形成装置200は、表裏見当合わせ用のトンボマークTMを付加しない判定対象箇所がない場合には、間引きトンボTCがないと判定し(ステップS103;NO)、ステップS105に進む。
【0118】
ステップS104では、画像形成装置200は、間引きトンボ位置算出処理を実行する。画像形成装置200は、ステップS102において、表裏見当合わせ用のトンボマークTMを形成しないと判定した、判定対象箇所の位置(間引きトンボTCの位置)を算出する。例えば、画像形成装置200は、表裏見当合わせ用のトンボマークTMを形成しない判定対象箇所に対して、X軸方向における両側及びY軸方向における両側に存在するトンボマーク(TM23,TM33,TM43,TM44)の位置を、間引きトンボTCの(中心)位置として算出する。画像形成装置200は、間引きトンボTCの位置を算出できない場合には、その旨を記録する。例えば、画像形成装置200は、間引きトンボTCに隣り合う判定対象箇所に対してもトンボマークTMを形成しない場合には、間引きトンボTCの位置を算出できない。例えば、画像形成装置200は、隣り合う判定対象箇所の両方について、トンボを形成しない場合には、両方の判定対象箇所について、間引きトンボTCの位置を算出できない。
【0119】
次に、画像形成装置200は、表裏見当精度予測処理を実行する(ステップS105)。画像形成装置200は、ステップS102による処理の結果、及びステップS104による処理の結果に基づいて、表裏見当精度の予測を実行する。画像形成装置200は、例えば、1枚の記録媒体PPにおけるトンボマークTMの数量に基づいて、表裏見当精度を予測することができる。画像形成装置200は、例えば、1枚の記録媒体PPにおける間引きトンボTCの数量に基づいて、表裏見当精度を予測してもよい。
【0120】
次に、画像形成装置200は、表裏見当精度の判定を実行する(ステップS106)。画像形成装置200は、表裏見当精度が一定の条件を満たすか否かを判定する。表裏見当精度が一定の条件を満たす場合(ステップS106;YES)、画像形成装置200は、ここでの処理を終了する。表裏見当精度が一定の条件を満たさない場合(ステップS106;NO)、画像形成装置200は、ステップS107に進む。画像形成装置200は、例えば単位面積当たりの間引きトンボの数量に基づいて、表裏見当精度が一定の条件を満たすか否かを判定することができる。画像形成装置200は、単位面積当たりの間引きトンボTCの数量が一定の基準値を超える場合、表裏見当精度が一定の基準を満たさないと判定する。
【0121】
ステップS107では、画像形成装置200は、面付け修正通知処理を実行する。画像形成装置200は、表裏見当精度が低い場合に、表裏見当精度が低いことを、ユーザに報知する。画像形成装置200は、表裏見当ずれ発生するおそれがあることを表示部370に表示する。画像形成装置200は、原稿画像データの作成の再実施、及びユーザによるジョブ設定の再実施が必要である旨を表示部370に表示する。画像形成装置200は、ステップS107での処理の終了後、ここでの処理を終了する。
【0122】
<画像形成装置の作用効果>
実施形態に係る画像形成装置200は、記録媒体PPを搬送する搬送部であるドラム10と、記録媒体PPに画像を形成する画像形成部であるヘッドモジュール20と、ヘッドモジュール20の動作を制御する制御部310と、を備える。制御部310は、記録媒体PPに対して複数の原稿画像の頁Pを割り付ける際に、隣り合う複数の原稿画像の頁P間の距離(幅)が、基準値(判定閾値dil、判定閾値dis)よりも大きい場合に、当該頁間にトンボマークTMを形成するように、ヘッドモジュール20の動作を制御する。
【0123】
このような構成の画像形成装置200によれば、複数の原稿画像の頁P間の距離に応じて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。画像形成装置200では、頁間の幅d12,d13が判定閾値dis,dilを超える場合に、トンボマークTMを形成すると判定することができる。画像形成装置200では、頁間の幅d67,d56が判定閾値dis,dil未満である場合に、トンボマークTMを形成しないと判定することができる。そのため、画像形成装置200では、頁P間の距離が狭い場合に、トンボマークTMを形成しない。その結果、記録媒体PPに対して複数頁の原稿画像を割り当てる場合に、原稿画像を割り当て可能な領域が狭くなることを抑制することができる。画像形成装置200では、トンボマークTMを用いて、表裏見当合わせを行うことができる。画像形成装置200では、表裏見当合わせの精度を確保しつつ、原稿画像を割り当て可能な領域が狭くなることを抑制することができる。
【0124】
また、画像形成装置200は、情報を報知する表示部370を備え、制御部310は、1枚の記録媒体PPに対して形成されるトンボマークTMの数量が、予め設定された閾値未満である場合に、形成されるトンボマークTMの数量が閾値未満である旨の情報を報知するように、表示部370の動作を制御することができる。この構成の画像形成装置200によれば、1枚の記録媒体PPに形成されるトンボマークTMの数量が少ない場合には、その旨をユーザに報知することができる。ユーザは、表示部370に表示された情報を視認することにより、トンボマークTMの数量が少ないことを認識できる。ユーザは、トンボマークTMの数量が少ない場合に、印刷ジョブを再設定することができる。ユーザは、原稿画像を割り当て可能な領域が狭くならないように印刷ジョブを再設定することができる。その結果、原稿画像を割り当て可能な領域が狭くなることが抑制される。
【0125】
また、画像形成装置200では、対象位置にトンボマークTMを形成しないで、当該対象位置(間引きトンボTC)の周囲にトンボマークTM(TM23,TM33,TM43,TM44)を形成する場合に、制御部310は、対象位置の周囲のトンボマークTM23,TM33,TM43,TM44の位置に基づいて、対象位置である間引きトンボTCの位置を算出することができる。
【0126】
また、画像形成装置200の制御部310は、長手方向aに隣り合う複数の原稿画像の頁P1,P3間の幅d13が判定閾値dilよりも大きい場合に、トンボマークTMの部分として、短手方向bに沿う直線を形成するように、ヘッドモジュール20の動作を制御することができる。制御部310は、短手方向bに隣り合う複数の原稿画像の頁P1,P2間の幅d12が判定閾値disよりも大きい場合に、トンボマークTMの部分として、長手方向aに沿う直線を形成するように、ヘッドモジュール20の動作を制御することができる。この構成の画像形成装置200によれば、頁間の幅が判定閾値よりも大きい場合に、この幅と交差する方向に延びるトンボマークTMの部分を形成することができる。
【0127】
制御部310は、長手方向aに隣り合う複数の原稿画像の頁P1,P3間の幅d13が判定閾値dil以下場合に、トンボマークTMの部分として、短手方向bに沿う直線を形成しないように、ヘッドモジュール20の動作を制御することができる。制御部310は、短手方向bに隣り合う複数の原稿画像の頁P1,P2間の幅d12が判定閾値dis以下の場合に、トンボマークTMの部分として、長手方向aに沿う直線を形成しないように、ヘッドモジュール20の動作を制御することができる。この構成の画像形成装置200によれば、頁間の幅が狭い場合に、この幅と交差する方向に延びるトンボマークTMの部分を間引くことができる。
【0128】
また、画像形成装置200の制御部310は、記録媒体PPの端部である長辺又は短辺と、当該端部である長辺又は短辺に最も近い原稿画像の頁Pとの間の距離が、判定閾値dov,dohよりも大きい場合に、記録媒体PPの端部と当該端部に最も近い原稿画像の頁Pとの間に、トンボマークTMを形成するように、ヘッドモジュール20の動作を制御することができる。この構成の画像形成装置200によれば、記録媒体PPの端部と、原稿画像の頁Pとの間に、トンボマークTMを形成することができる。画像形成装置200では、記録媒体PPの端部の原稿画像の頁Pとの間の幅が狭い場合には、トンボマークTMを形成しないようにすることができる。これにより、原稿画像を割り当て可能な領域が狭くなることが抑制される。また、画像形成装置200では、原稿画像の頁間にトンボマークTMを形成する場合の判定閾値(第1基準値)dis,dilと、記録媒体PPの端部と原稿画像の頁との間にトンボマークTMを形成する場合の判定閾値(第2基準値)dov,dohと異なるようにすることができる。これにより、トンボマークTMが付される対象位置に応じて、基準値を変えて、トンボマークTMを形成するか否かを判定することができる。
【0129】
<第2実施形態に係る画像形成システム>
次に第2実施形態に係る画像形成システム1について説明する。
図11は、第2実施形態に係る画像形成システムを示す概略構成図である。
図12は、DEF装置のブロック構成図である。第2実施形態に係る画像形成システム1が第1実施形態に係る画像形成装置200と違う点は、画像形成装置200と接続されたDEF装置(Digital Front End装置)2を備える点である。DEF装置2は、第1実施形態の画像形成装置200の制御部310において実行される処理の一部を実行する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様の説明は省略する。
【0130】
図11に示されるように、第2実施形態に係る画像形成システム1は、画像形成装置200と、DEF装置2とを備える。画像形成装置200は、DEF装置2に接続され、DEF装置2との間で通信を行う通信部として通信I/F318を備える(
図8参照)。通信I/F318は、画像形成装置通信部の一例である。
【0131】
DEF装置2は、LAN(Local Area Network)等の有線または無線のネットワーク(通信網)を介して複数のコンピュータに接続されており、コンピュータからの印刷データを含む印刷要求を受け取る。
【0132】
コンピュータは、搭載するアプリケーションによって作成等されたデータと印刷設定から、任意のPDL(Page Description Language:ページ記述言語)で、印刷データと印刷設定情報等を含む印刷要求を生成する。コンピュータは、生成した印刷要求を、画像形成システム1のDFE装置2に送信する。
【0133】
DFE装置2は、コンピュータからネットワークを介して送信されてきた印刷要求を受信する。DEF装置2は、受信した印刷要求の印刷データ、印刷設定情報等を画像出力装置3が処理可能な形式の描画データと印刷制御情報に変換する。DEF装置2は、描画データ及び印刷制御情報を画像形成装置200に出力する。
【0134】
画像形成装置200として、高速プリンタ装置等が用いられている。画像形成装置200は、DFE装置2からの描画データと印刷制御情報に基づいて、所定の印刷方式、例えば、電子写真方式で、用紙やフィルム等の記録媒体に画像を印刷出力する。
【0135】
図12に示されるように、DEF装置2は、CPU31、ROM32、RAM33、不揮発性メモリ34、入力デバイス35、DFE本体表示部36及び通信I/F37を備える。これらのCPU31、ROM32、RAM33、不揮発性メモリ34、入力デバイス35、DFE本体表示部36及び通信I/F37は、バス38に接続されている。
【0136】
DEF装置2は、制御装置の一例である。DEF装置2は、画像形成装置200のヘッドモジュール(画像形成部)20の動作を制御する制御部を備える。DEF装置2の制御部は、CPU31、ROM32、RAM33、及び不揮発性メモリ34を含む。DEF装置2は、上記の画像コントローラ340と同じ処理を実行することができる。DEF装置2は、上記のトンボ付加判定/形状選択部132と同じ処理を実行することができる。DEF装置2は、第1実施形態に係る画像形成装置200における処理の一部又は全部を実行してもよい。
【0137】
ROM32は、DFE装置2としての基本プログラム、DFE装置2で実行すべき部分のプログラム及びシステムデータを記憶している。
【0138】
RAM33は、CPU31のワークメモリとして利用されるとともに、画像データ及びその他のデータ等を記憶する。
【0139】
CPU31は、ROM32内のプログラムに基づいて、RAM33をワークメモリとして利用して、DFE装置2の各部を制御して、DFE装置2としての基本処理を実行するとともに、DFE装置2が実行すべき部分を実行する。
【0140】
不揮発性メモリ34は、NVRAM、ハードディスク等が用いられ、DFE装置2の電源がOFFのときにも記憶内容を保持するメモリである。不揮発性メモリ34は、システム設定値や各種データがCPU31の制御下で格納される。
【0141】
入力デバイス35は、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、タッチパネル等の入力UI(ユーザインターフェイス)である。入力デバイス35は、CPU31の制御下で、各種命令や文字等の入力を受け付ける。
【0142】
DFE本体表示部36は、例えば液晶ディスプレイである。DFE本体表示部36は、タッチパネルを備えたディスプレイでもよい。DFE本体表示部36は、CPU31の制御下で、各種情報を表示する。
【0143】
通信I/F37は、通信回線Lやネットワークが接続され、通信回線Lを通して画像出力装置3と通信するとともに、ネットワークを介してコンピュータと通信する。
【0144】
このような第2実施形態の画像形成システム1においても、上記の第1実施形態に係る画像形成装置200と同様の作用効果を奏する。第1実施形態の画像形成装置200の制御部310で実行される処理の一部は、画像形成装置200に接続されたDEF装置2によって実行することができる。
【0145】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0146】
上記で説明した実施形態の制御部で実行される各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるCPUのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0147】
本発明の一態様は、以下のとおりでもよい。
【0148】
<1>
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体に対して複数の原稿画像の頁を割り当てる際に、
隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が、基準値よりも長い場合に、当該頁間に前記記録媒体の表裏に形成する画像同士の位置合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成部の動作を制御することを特徴とする画像形成装置。
<2>
情報を報知する報知部を備え、
前記制御部は、
1枚の前記記録媒体に対して形成される前記基準画像の数量が、予め設定された閾値未満である場合に、形成される前記基準画像の数量が前記閾値未満である旨の情報を報知するように、前記報知部の動作を制御することを特徴とする上記の<1>に記載の画像形成装置。
<3>
前記複数の原稿画像の頁間の対象位置に前記基準画像を形成しないで、当該対象位置の周囲に前記基準画像を形成する場合に、
前記制御部は、前記対象位置の周囲の前記基準画像の位置に基づいて、前記対象位置を算出することを特徴とする上記の<1>又は<2>に記載の画像形成装置。
<4>
前記制御部は、
第1方向に隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が前記基準値よりも大きい場合に、前記第1方向に交差する第2方向に沿う直線を、前記基準画像として形成するように、前記画像形成部の動作を制御することを特徴とする上記の<1>~<3>の何れか一つに記載の画像形成装置。
<5>
前記基準値は、第1基準値であり、
前記制御部は、
前記記録媒体の端部と、当該記録媒体の端部に最も近い前記原稿画像の頁との間の距離が、前記第1基準値と異なる第2基準値よりも大きい場合に、前記記録媒体の端部と当該記録媒体の端部に最も近い前記原稿画像の頁との間に、見当合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成部の動作を制御することを特徴とする上記の<1>~<4>の何れか一つに記載の画像形成装置。
<6>
制御装置と画像形成装置が接続されている画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
前記制御装置に接続され、前記制御装置との間で通信を行う画像形成装置通信部と、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記制御装置は、
前記画像形成装置に接続され、前記画像形成装置との間で通信を行う制御装置通信部と、
前記画像形成部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体に対して複数の原稿画像の頁を割り当てる際に、
隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が、基準値よりも長い場合に、当該頁間に前記記録媒体の表裏に形成する画像同士の位置合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成部の動作を制御することを特徴とする画像形成システム。
<7>
記録媒体に画像を形成する画像形成装置の動作を制御する制御方法であって、
前記記録媒体に対して複数の原稿画像の頁を割り当てる際に、
隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が、基準値よりも大きい場合に、当該頁間に前記記録媒体の表裏に形成する画像同士の位置合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成装置の動作を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
<8>
記録媒体に画像を形成する画像形成部の動作を制御する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記記録媒体に対して複数の原稿画像の頁を割り当てる際に、
隣り合う前記複数の原稿画像の頁間の距離が、基準値よりも長い場合に、当該頁間に前記記録媒体の表裏に形成する画像同士の位置合わせ用の基準画像を形成するように、前記画像形成部の動作を制御する処理を前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0149】
200 画像形成装置
1 画像形成システム
2 DEF装置(制御装置、制御部)
10 ドラム(搬送部)
20 ヘッドモジュール(画像形成部)
37 通信I/F(制御装置通信部)
310 制御部
318 通信I/F(画像形成装置通信部)
370 表示部(報知部)
d13,d12,d56,d67 原稿画像の頁間の幅(距離)
dr11,dr31 記録媒体の端部と原稿画像の頁との間の幅(距離)
P,P1~P7 原稿画像の頁
PE1,PE2 記録媒体の長辺(記録媒体の端部)
PE3,PE3 記録媒体の短辺(記録媒体の端部)
PP 記録媒体
TM,TM11~TM14、TM21~TM23、TM31~TM33,TM41~TM44 トンボマーク(見当合わせ用の基準画像)
a 記録媒体の長手方向(第1方向、第2方向)
b 記録媒体の短手方向(第1方向、第2方向)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0150】