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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061465
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】加圧装置、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20240425BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
G03G15/16 103
G03G21/16 147
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169433
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】川崎 涼裕
(72)【発明者】
【氏名】古西 貴大
【テーマコード(参考)】
2H171
2H200
【Fターム(参考)】
2H171FA03
2H171FA15
2H171GA04
2H171JA08
2H171JA48
2H171KA06
2H171KA17
2H171KA26
2H171KA27
2H171LA08
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC05
2H171QC22
2H171SA11
2H171SA12
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA28
2H200FA17
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA44
2H200GB22
2H200HA02
2H200HB12
2H200JA02
2H200JB06
2H200JB10
2H200JC04
2H200JC07
2H200LA08
2H200LA17
2H200LA23
2H200LA24
2H200LA28
2H200LA29
(57)【要約】
【課題】被加圧ユニットのコストアップを抑制し、かつ、駆動源の駆動力をユニット駆動伝達部材へ良好に伝達することができる加圧装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】加圧装置たる二次転写装置は、回動可能に支持された被加圧ユニットたる二次転写ユニット40と、支持軸425に回動可能に支持され、二次転写ユニット40を加圧する加圧部材たる加圧アーム72と、駆動源たる二次転写モータ420の駆動力を二次転写ユニット40に伝達する駆動伝達機構とを備えている。駆動伝達機構は、加圧アーム72に設けられ、二次転写ユニット40のユニット駆動伝達部材たる二次転写二段ギヤ410に駆動力を伝達する加圧部材側駆動伝達部材たるアーム内出力ギヤ424を有し、支持軸425は、二次転写ユニット40の回動の支点と同軸上に設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動可能に支持された被加圧ユニットと、
支持軸に回動可能に支持され、前記被加圧ユニットを加圧する加圧部材と、
駆動源の駆動力を前記被加圧ユニットに伝達する駆動伝達機構とを備えた加圧装置において、
前記駆動伝達機構は、前記加圧部材に設けられ、前記被加圧ユニットのユニット駆動伝達部材に駆動力を伝達する加圧部材側駆動伝達部材を有し、
前記支持軸は、前記被加圧ユニットの回動の支点と同軸上に設けられていることを特徴とする加圧装置。
【請求項2】
請求項1に記載の加圧装置において、
前記支持軸の軸方向から見たとき、前記支持軸の軸中心と、前記加圧部材の前記被加圧ユニットとの当接箇所とを通る線と、前記加圧部材の前記被加圧ユニットへの加圧方向とでなす角度が、80°以上、100°以下であることを特徴とする加圧装置。
【請求項3】
請求項2に記載の加圧装置において、
前記加圧部材の前記被加圧ユニットの被加圧部を加圧する加圧部および前記被加圧部のいずれか一方は、前記軸方向から見たとき、前記支持軸の軸中心と、前記被加圧部と前記加圧部材との当接箇所とを通る線に重なる直線形状であることを特徴とする加圧装置。
【請求項4】
請求項1に記載の加圧装置において、
前記被加圧ユニットは、前記加圧部材の加圧方向で前記被加圧ユニットに対向する対向部材との間でニップを形成するニップ形成部材を備え、
前記加圧部材は、前記ニップ形成部材を加圧することを特徴とする加圧装置。
【請求項5】
請求項1に記載の加圧装置において、
前記被加圧ユニットは、前記支持軸に連結される連結軸を有し、
前記被加圧ユニットは、前記連結軸を支点にして回動することを特徴とする加圧装置。
【請求項6】
請求項1に記載の加圧装置において、
前記加圧部材の前記被加圧ユニットへの加圧力を調整する加圧力調整手段を有することを特徴とする加圧装置。
【請求項7】
請求項6に記載の加圧装置において、
前記加圧力調整手段は、前記加圧部材に当接するカム部材と、前記カム部材を回転駆動する加圧駆動源とを有することを特徴とする加圧装置。
【請求項8】
請求項1に記載の加圧装置において、
前記駆動伝達機構は、減速段数を複数有する歯車伝達機構であることを特徴とする加圧装置。
【請求項9】
請求項1に記載の加圧装置において、
前記駆動伝達機構は、前記駆動源から駆動力が伝達され、前記加圧部材に設けられた駆動伝達部材に前記駆動力を伝達する第一駆動伝達部材を有し、
前記第一駆動伝達部材は、前記支持軸と同軸上に設けられていることを特徴とする加圧装置。
【請求項10】
請求項1に記載の加圧装置において、
前記被加圧ユニットは、二次転写ユニットであることを特徴とする加圧装置。
【請求項11】
請求項1の加圧装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧装置、及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、対向部材に当接してニップを形成するニップ形成部材を有し、回動可能に支持された被加圧ユニットと、被加圧ユニットの被加圧部に当接してニップ形成部材が対向部材に当接するように被加圧ユニットを加圧する加圧部材と、被加圧ユニットのユニット駆動伝達部材へ駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達機構とを備えた加圧装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記加圧装置として、被加圧ユニットたる2次転写ユニットの下面に当接して前記2次転写ユニットを加圧する加圧部材たる加圧レバーを備えたものが記載されている。この加圧装置は、2次転写ユニットの回転支点と同軸上に駆動源たるローラ駆動モータから駆動力が伝達される従動ギヤ有する駆動伝達機構を備えている。従動ギヤには、ユニット駆動伝達部材たる転写ギヤが噛み合っている。これによれば、転写ギヤと噛み合う従動ギヤを2次転写ユニットの回転支点と同軸上に設けることで、二次転写ユニットが回動しても従動ギヤの回転中心から転写ギヤの回転中心までの距離関係を一定に保つことができ、従動ギヤと転写ギヤの噛み合いを維持できる旨が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、装置のレイアウトや減速比等により駆動伝達機構を、従動ギヤと転写ギヤの2つの駆動伝達部材では所望の機能が得られず、3つ以上の駆動伝達部材が必要な場合がある。この場合に、従動ギヤ以外の駆動伝達部材を、二次転写ユニットなどの被加圧ユニットに設けると、被加圧ユニットの部品点数が増加し、被加圧ユニットのコストアップにつながるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、回動可能に支持された被加圧ユニットと、支持軸に回動可能に支持され、前記被加圧ユニットを加圧する加圧部材と、駆動源の駆動力を前記被加圧ユニットに伝達する駆動伝達機構とを備えた加圧装置において、前記駆動伝達機構は、前記加圧部材に設けられ、被加圧ユニットのユニット駆動伝達部材に駆動力を伝達する加圧部材側駆動伝達部材を有し、前記支持軸は、前記被加圧ユニットの回動の支点と同軸上に設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、被加圧ユニットのコストアップを抑制し、かつ、駆動源の駆動力をユニット駆動伝達部材へ良好に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る画像形成装置としての電子写真方式のカラープリンタの概略構成図。
図2】加圧装置としての二次転写装置を示す斜視図。
図3】二次転写装置の手前側の要部を示す正面図。
図4】ローラ駆動伝達機構を示す斜視図。
図5】二次転写ローラの位置がずれたときのアーム内出力ギヤと二次転写二段ギヤの大径ギヤ部との位置関係について説明する図。
図6】加圧アームの当接部から芯金部に加わる力の方向を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて説明する。
図1は実施形態に係る画像形成装置としての電子写真方式のカラープリンタ(以下、「プリンタ」という)の概略構成図である。
このプリンタ100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kを備えている。また、像担持体ユニットとしての中間転写ユニット30、転写ユニットとしての二次転写ユニット40、記録材(記録媒体)としての用紙Pを収納するカセット60、定着装置90なども備えている。
【0009】
画像形成部となる4つの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、粉体の現像剤として、互いに異なる色のY、M、C、Kのトナーを用いる。それ以外は同様の構成になっている。画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、潜像担持体であるドラム状の感光体2Y、2M、2C、2K、ドラムクリーニング装置3Y、3M、3C、3K、除電装置、帯電装置6Y、6M、6C、6K、現像装置8Y、8M、8C、8K等を備えている。
【0010】
感光体2Y、2M、2C、2Kの表面は、帯電装置6Y、6M、6C、6Kで一様帯電される。次に、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの上方に配設された光書込ユニット101から発せられるレーザー光などの露光光によって光走査されて各色用の静電潜像が形成される。この静電潜像は、各色のトナーを有する現像装置8Y、8M、8C、8Kによって現像されて各色の像としてのトナー像Tになる。感光体2Y、2M、2C、2Kのトナー像Tは、無端状ベルトからなる中間転写ベルト31の外周面(表層側の面)上に一次転写されて担持される。
【0011】
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの下方には、中間転写ベルト31を張架しながら図中時計回り方向に無端移動(回転走行)せしめる中間転写ユニット30が配設されている。本実施形態では、中間転写ベルト31の表面移動方向をベルト移動方向aとする。
【0012】
中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31のほかに、駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、4つの一次転写ローラ35Y、35M、35C、35K、転写前ローラ37などを備えている。中間転写ベルト31は、駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、一次転写ローラ35Y、35M、35C、35K及び転写前ローラ37に巻き掛けられて支持され張架されている。そして、中間転写ベルト31は、駆動モータなどの駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ32の回転力により、同方向に無端移動して搬送される。
【0013】
中間転写ベルト31のループ外側の下方には、転写部材としての無端状ベルトである二次転写ベルト406を備えた二次転写ユニット40が配置されている。二次転写ベルト406は、分離ローラ401と、従動ローラ402,403、駆動ローラ404、テンションローラ405、寄り止めローラ409、及び、二次転写ローラ407、の各ローラに巻き掛けられている。二次転写ユニット40は、クリーニング部材や潤滑剤塗布装置などを備えていてもよい。
【0014】
テンションローラ405は、二次転写ベルト406の駆動ローラ404と寄り止めローラ409とに張架された領域に配置され、その領域をバネ408の付勢力によりループ内側へ向けて押圧している。このテンションローラ405の押圧により、二次転写ベルト406の駆動ローラ404と寄り止めローラ409とに張架された領域が二次転写ベルト406のループ内側へ凹む形で張架される。これにより、二次転写ベルト406の駆動ローラ404への巻き付き角度および寄り止めローラ409への巻き付き角度をそれぞれ90°以上にできる。
【0015】
二次転写ユニット40の下方には、用紙Pを複数枚重ねた束の状態で収容可能な収容部となるカセット60が配設されている。このカセット60は、束の一番上の用紙Pにローラ60aを当接させており、これを所定のタイミングで回転駆動させることで、用紙Pをカセット60から二次転写ニップN2に向かう搬送路65に向けて送り出す。搬送路65に送り出された用紙Pは、レジストローラ対61によって二次転写ニップN2内で中間転写ベルト31の外周面上のトナー像に同期するタイミングで二次転写ニップN2に送り出される。
【0016】
中間転写ベルト31の外周面上のトナー像は、二次転写電界やニップ圧の作用によって二次転写ニップN2で用紙P上に一括二次転写され、用紙Pの白色と相まってフルカラートナー像となる。
【0017】
二次転写ニップN2よりも用紙搬送方向(記録材搬送方向)bの下流側には、定着装置90が配設されている。図1に示すように、定着装置90は、定着ベルト94の支持ローラとして、加熱ローラ91、定着ローラ93、支持ローラ96、テンションローラ95を備えている。定着装置90は、定着ベルト94を挟んで定着ローラ93に当接する加圧ローラ92も備えている。トナー像が転写された用紙Pは定着装置90に送り込まれ、定着ローラ93と加圧ローラ92とが接触する定着ニップに挟まれる。定着装置90は、ニップ部の加圧と熱源を内部に備えた加熱ローラ91から定着ベルト94によって熱を用紙Pに伝え、フルカラートナー像中のトナーを軟化させて定着する。定着後の用紙Pは、定着装置90内から排出されて機外へと排出される。
【0018】
図2は、加圧装置としての二次転写装置400を示す斜視図であり、図3は、二次転写装置400の手前側の要部を示す正面図であり、図4は、ローラ駆動伝達機構450を示す斜視図である。
図2に示すように二次転写装置400は、被加圧ユニットたる二次転写ユニット40と、加圧ユニット70とを有している。
加圧ユニット70の加圧フレーム170の図中手前側の側板170aには、二次転写ベルト406を回転駆動するための駆動源たる二次転写モータ420が設けられている。二次転写ユニット40の図中手前側の側板40aには、ユニット駆動伝達部材としての二次転写二段ギヤ410が回転自在に支持されている。この二次転写二段ギヤ410の小径ギヤ部410bには、駆動ローラ404(図1参照)の軸に設けられた出力ギヤ411が噛み合っている。二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aは、後述する加圧アーム72に設けられたアーム内出力ギヤ424(図4参照)と噛み合っている。
【0019】
加圧ユニット70には、二次転写ローラ407を回転自在に支持している芯金部407aに当接する一対の加圧部材たる加圧アーム72が設けられている。これら加圧アーム72は、加圧フレーム170の側板170a,170bよりも軸方向内側に設けられている。図中奥側の加圧アームは、奥側の側板170bに設けられた支持軸426に回動自在に支持されている。図中手前側の加圧アームは、手前側の側板170aに設けられた支持軸425に回動自在に支持されている(図4参照)。
【0020】
加圧ユニット70は、図中手前側の加圧アーム72を回動させる第一加圧駆動装置78aと、図中奥側の加圧アームを回動させる第二加圧駆動装置78bとを有している。第一加圧駆動装置78aと第二加圧駆動装置78bは、同一の構成となっている。各加圧駆動装置の加圧駆動源たる加圧モータ71は、軸方向中央付近に配置されており、加圧モータ71の駆動力が、タイミングベルト75等を介してカム部材たる加圧カム74に伝達される。加圧カム74は、加圧アーム72の支持軸側と反対側の下部付近に設けられたカム受けローラ73に当接している。
【0021】
二次転写ユニット40は、鉛直方向下方へ移動させることで、加圧ユニット70に組み付けられる。このとき、二次転写ユニット40の連結軸412の奥側は、奥側の加圧アーム72を回転自在に支持する奥側の支持軸426に固定された溝427に支持される。一方、連結軸412の手前側の端部が、手前側の加圧アーム72が回転自在に支持された支持軸425の先端に取り付けられた連結穴部材413に挿入され、連結穴部材413に支持される。これにより、連結軸412は、加圧ユニット70の支持軸425,426と同軸上に位置し、二次転写ユニット40の回動の支点と、加圧アーム72の回動の支点とが同軸上になる。
【0022】
また、二次転写ユニット40は、加圧ユニット70に組み付けられることで、二次転写ローラの芯金部407aの奥側と手前側が加圧アーム72の当接部72aに当接し支持される。
【0023】
また、図3に示すように、加圧アーム72は、二次転写ユニット40の側板40aに対向配置され、軸方向からみたとき、二次転写ユニット40内に収まるように構成されている。これにより、二次転写装置400の小型化を図ることができる。
【0024】
本実施形態では、普通紙、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等、様々な種類の用紙Pが用いられる。そして、用紙Pの種類により最適な二次転写圧(ニップ圧)が異なる。そのため、本実施形態では、記録材の種類に応じて二次転写圧を調整する。例えば、本プリンタ本体が備える操作パネルをユーザーが操作して、カセット60にセットされた用紙Pの種類情報を入力する。本プリンタの制御部は、この入力された用紙Pの種類情報に基づいて、加圧モータ71の駆動時間を設定する。加圧モータ71がステッピングモータの場合は、の入力された用紙Pの種類情報に基づいてステップ数を設定する。
【0025】
設定された駆動時間(またはステップ数)駆動することで、カム受けローラ73に当接する加圧カム74の回転方向の位置が、用紙の種類に対応する位置となり、加圧アーム72の芯金部407aへの加圧力が、用紙の種類に対応する調整される。これにより、二次転写ニップにかかる力が、用紙の種類に対応する力に調整され、用紙の種類に対応した二次転写圧になる。
【0026】
図3図4に示すように、軸方向一方側には、二次転写ユニット40の二次転写二段ギヤ410へ二次転写モータ420の駆動力を伝達する駆動伝達機構たるローラ駆動伝達機構450を有している。
ローラ駆動伝達機構450は、二次転写モータ420のモータギヤ420aに噛み合う第一駆動伝達部材たる加圧側アイドラギヤ421と、加圧アーム72に設けられたアーム内ギヤ部430とを有している。加圧側アイドラギヤ421は、加圧アーム72と、加圧フレーム170の手前側の側板170aとの間に設けられており、支持軸425に回動自在に支持されている。
【0027】
アーム内ギヤ部430は、アーム内入力ギヤ422と加圧部材側駆動伝達部材たるアーム内出力ギヤ424とを有している。アーム内入力ギヤ422とアーム内出力ギヤ424は、加圧アーム72を貫通し、加圧アーム72に回転自在に支持された貫通軸423に取り付けられている。アーム内入力ギヤ422は、貫通軸423の加圧アーム72を挟んで二次転写モータ420側に取り付けられており、加圧側アイドラギヤ421に噛み合っている。アーム内出力ギヤ424は、貫通軸423の加圧アーム72を挟んで二次転写ユニット側に取り付けられており、二次転写ユニット40の二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aに噛み合っている。
【0028】
本実施形態では、加圧アーム72に設けられたアーム内入力ギヤ422と噛み合う加圧側アイドラギヤ421を、加圧アーム72の回動の支点である支持軸425に設けている。これにより、加圧アーム72が回動しても、加圧側アイドラギヤ421とアーム内入力ギヤ422との回転中心間距離は変動せず、アーム内入力ギヤ422と加圧側アイドラギヤ421との間の良好な噛み合いを維持できる。よって、加圧アーム72が回動しても、加圧側アイドラギヤ421からアーム内入力ギヤ422へ良好に二次転写モータ420の駆動力を伝達できる。
【0029】
また、本実施形態では、二次転写ユニット40の回動の支点である連結軸412が、支持軸425に連結され、二次転写ユニット40の回動支点と加圧アーム72の回動支点が同軸上に位置する。二次転写ユニット40は基本的に加圧アーム72とともに回動し、二次転写ユニット40が加圧アーム72とともに回動したとき、アーム内出力ギヤ424と二次転写二段ギヤ410との間の回転中心間距離が変動することがない。これにより、アーム内出力ギヤ424と二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aとの間の良好な噛み合いを維持できる。よって、二次転写ユニット40が加圧アーム72とともに回動したとき、アーム内出力ギヤ424から二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aへ良好に二次転写モータ420の駆動力を伝達できる。
【0030】
二次転写ユニット40の駆動ローラ404に規定のトルクを付与するために二次転写モータ420の回転速度を減速して出力ギヤ411に駆動力を伝達している。一段で所望の減速比を得ようとすると、出力側のギヤが大きくなりすぎてしまい、装置が大型化してしまう。そこで、本実施形態では、段ギヤ構成を複数設けて、複数段で減速を行うことで、各ギヤの大径化を抑制している。
【0031】
具体的には、モータギヤ420aとアーム内入力ギヤ422の間、アーム内出力ギヤ424と二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aとの間、二次転写二段ギヤ410の小径ギヤ部410bと出力ギヤ411との間の3段減速である。これにより、各ギヤの大径化を抑制して、所望の減速比を得ることができる。
【0032】
本実施形態のローラ駆動伝達機構450は、加圧アーム72に複数のギヤを設けている。これは、以下の理由からである。本実施形態では、上述したように、二次転写装置400の小型化のため、加圧アーム72を二次転写ユニット40と軸方向から対向する構成とし、軸方向から見たとき、加圧アーム72が二次転写ユニット40に収まるようにしている。また、本実施形態では、装置の小型化のために、軸方向から見たとき、二次転写モータ420が二次転写ユニット40からなるべくはみ出さないように配置している。そのため、図3に示すように、モータギヤ420aは、どうしても二次転写ユニット40の中央付近に位置する。その結果、図3に示すように、モータギヤ420aが加圧アーム72に対向することになる。
【0033】
二次転写ユニット40は、二次転写ベルト406の摩耗等により定期的に交換される。そのため、容易に加圧ユニットから着脱可能に構成されている。本実施形態では、二次転写ユニット40を加圧ユニット70に対して軸方向と直交する方向である図2の上下方向に容易に着脱可能にするために、出力ギヤ411は、加圧アーム72よりも内側に配置する必要がある。なぜなら、出力ギヤ411を、加圧アーム72より外側に配置すると、出力ギヤ411が設けられた駆動ローラ404の軸が、加圧アーム72にぶつかって、二次転写ユニット40を加圧ユニット70に対して着脱できないからである。
【0034】
そのため、二次転写モータ420の駆動力を、加圧アーム72を挟んで軸方向外側から内側へ伝達する必要がある。支持軸425の加圧アーム72よりも軸方向内側の部分にギヤを設け、支持軸425を用いて二次転写モータ420の駆動力を、加圧アーム72を挟んで軸方向外側から内側へ伝達することが考えられる。しかし、かかる構成においては、支持軸425にギヤを設けるスペースを確保する必要があり、図4に示す構成よりも、支持軸425に設けた連結穴部材413の位置が軸方向内側になってしまう。その結果、加圧アーム72と二次転写ユニットとの間の隙間が大きくなってしまい、装置が軸方向に大型化する。また、二次転写ユニット40に設けられるギヤの数が多くなり、二次転写ユニット40のコストがアップしてしまい、二次転写ユニット40の交換費用が高くなってしまう。その結果、メンテナンス費用が嵩むおそれがある。
【0035】
また、加圧アーム72を迂回して二次転写モータ420の駆動力を、加圧アーム72を挟んで軸方向外側から内側へ伝達する構成とした場合は、軸方向から見たとき、ギヤが、二次転写ユニットからはみ出してしまい、装置が大型化するおそれがある。
【0036】
一方、本実施形態では、加圧アーム72に複数のギヤからなるアーム内ギヤ部430を設けて、このアーム内ギヤ部430により二次転写モータ420の駆動力を、加圧アーム72を挟んで軸方向外側から内側へ伝達するようにした。これにより、加圧アーム72、二次転写モータ420およびローラ駆動伝達機構450のギヤを、軸方向から見たとき、二次転写ユニット内に収めることができ、二次転写装置400の大型化を抑制することができる。その結果、二次転写装置400が取り付けられる画像形成装置のレイアウトの自由度を高めることができる。また、画像形成装置の小型化も図ることができる。
【0037】
また、二次転写ユニット40の部品点数の増加を抑制でき、二次転写ユニット40の重量増を抑制でき、二次転写ユニット40を容易に鉛直方向に着脱することができる。これにより、二次転写ユニット40の交換作業性を高めることができる。また、二次転写ユニット40のコストアップを抑制でき、装置のメンテナンス費用を抑えることができる。
【0038】
また、本実施形態では、加圧フレーム170の手前側の側板170aと加圧アーム72との間の下方には、大きな余剰スペースがある。この余剰スペースに、アーム内入力ギヤ422を配置でき、軸方向からみたとき、二次転写ユニットからはみ出すことなく、アーム内入力ギヤ422を十分に大径化することができる。これにより、モータギヤ420aとアーム内入力ギヤ422との間で大きな減速比を得ることができる。
【0039】
また、加圧側アイドラギヤ421、加圧アーム72および二次転写ユニットの回動支点を同軸上に配置することで、上述したように加圧アーム72や二次転写ユニット40が回動しても、良好な噛み合いを維持できる。これにより、二次転写モータ420の駆動力を、良好に出力ギヤ411に伝達できる。
【0040】
また、本実施形態では、図3に示すように、加圧アーム72の二次転写ローラ407の芯金部407aに当接する当接部72aは平面となっている。また、図3に示す加圧アーム72の回動中心である支持軸425の軸中心O1と、当接部72aと芯金部407aとの当接位置とを結んだ破線Aに略重なるように当接部72aを構成している。具体的には、破線Aと加圧アーム72の芯金部407aに加える加圧力Fの方向とのなす角度を90±10°になるように構成している。
【0041】
かかる構成とすることで、二次転写ローラ407(の芯金部407a)の位置が、部品のばらつきにより狙いの位置からずれたときのアーム内出力ギヤ424と二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aとの噛み合いの影響を抑えることができる。以下、図面を用いて説明する。
【0042】
図5は、二次転写ローラ407(芯金部407a)の位置がずれたときのアーム内出力ギヤ424と二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aとの位置関係について説明する図である。図5の(a1)~(c1)が、実施例の場合であり、図5(a2)~(c2)は、比較例の場合を示している。なお、図5においては、支持軸425、芯金部407a、加圧アームの当接部72a、アーム内出力ギヤ424および二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aの位置関係を簡略化した図である。
【0043】
図5(a2)~(c2)に示す比較例は、支持軸425の軸中心と、当接部72aと芯金部407aとの当接位置とを結んだ線分Aに対して当接部72aが傾いており、線分Aと加圧アーム72の芯金部407aに加える加圧力Fの加圧方向とのなす角度θ2が90±10°の範囲外となっている。
【0044】
二次転写ローラの芯金部407aの位置が図5(a1)に示す理想的な位置から、図5(b1)に示すように、平面状の当接部72aの垂直方向にLmmずれた場合について考える。これは、芯金部407aが、当接部72aの垂直方向にずれたときが、最もアーム内出力ギヤ424と二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aとの位置関係が変化するためである。
【0045】
二次転写ローラの芯金部407aの位置が、図5(b1)に示すように、理想位置に対してずれていた場合、二次転写ローラ407を、二次転写ベルト406を介して中間転写ベルト31に当接させると、二次転写ユニット40が回動する。その結果、二次転写ユニット40の姿勢は、二次転写ローラの芯金部407aの位置が、理想位置にあるときに対して傾いた姿勢となる。これにより、二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aの位置が、図5(c1)に示すように変化する。
【0046】
一方、二次転写ローラ407を、二次転写ベルト406を介して中間転写ベルト31に当接させた状態においては、図5(a1)と(c1)の比較からわかるように、二次転写ローラ407(芯金部)は、二次転写ユニット40の回転方向において、二次転写ローラの芯金部407aが理想位置にあるときと同一の規定の位置に位置する。
【0047】
加圧アーム72は、二次転写ユニット40の回転方向において、上記規定の位置に位置する二次転写ローラ407の芯金部407aに当接しているため、加圧アーム72は、二次転写ローラの芯金部407aの位置が、理想位置にあるときと同一の姿勢となっている。その結果、アーム内出力ギヤ424の位置は、二次転写ローラの芯金部407aの位置が理想位置に対してずれても変動することがない。その結果、二次転写ローラ407(の芯金部407a)の位置が理想位置からずれてしまうと、アーム内出力ギヤ424と二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aとの噛み合いに影響が出てしまうのである。
【0048】
そこで、加圧アーム72を、二次転写ローラ407の芯金部以外に当接させることも考えられる。しかし、この場合は、二次転写ローラの芯金部407aの位置が理想位置からずれたときの二次転写ローラ407の中間転写ベルト31への当接圧のばらつきが大きくなる。また、芯金部407aを加圧する場合に比べて、部品公差の積み上げも多くなり、二次転写ローラ407の中間転写ベルト31への当接圧のばらつきが大きくなる。その結果、加圧カムの回転位置による加圧力のコントロールを正確に行えなくなってしまい好ましくない。
【0049】
図5(c1)と図5(c2)との比較からわかるように、芯金部407aに当接した状態において、線分Aと加圧アーム72の加圧方向とのなす角度が90°の本実施例の方が、二次転写ローラの芯金部407aの位置が理想的な位置から当接部72aの垂直方向にLmmずれた場合の大径ギヤ部410aの理想の噛み合い位置からのズレ量が比較例に対して抑えられている(L1<L2)。よって、支持軸425の軸中心と、当接部72aと芯金部407aとの当接位置とを結んだ線Aに当接部72aが重ならず、線分Aと加圧方向とのなす角度が90±10°の範囲外の比較例に比べて、二次転写ローラ407(の芯金部407a)の位置が、理想の位置からずれたときのアーム内出力ギヤ424と二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aとの噛み合いの影響を抑えることができる。
【0050】
図5(a1)では、支持軸425の軸中心と、当接部72aと芯金部407aとの当接位置とを結んだ線Aに当接部72aが重なり、当接部72aが芯金部407aに力を加える方向が、線Aに対して直交(90°)させている。しかし、当接部72aが芯金部407aに力を加える方向と線Aとのなす角度90°に対して±10°は、誤差範囲である。すなわち、90°±10°であれば、二次転写ローラ407(の芯金部407a)の位置が、理想の位置からずれたときのアーム内出力ギヤ424と二次転写二段ギヤ410の大径ギヤ部410aとの噛み合いの影響を、加圧方向と線Aとのなす角度90°のときとほぼ同程度に抑えることができる。
【0051】
また、本実施形態のように、支持軸425の軸中心O1と、当接部72aと芯金部407aとの当接位置とを結んだ線Aに当接部72aが重なる構成とすることで、以下の効果を得ることができる。すなわち、最も効率よく加圧アーム72から二次転写ローラの芯金部407aに力を伝えることができるという利点がある。
【0052】
図6は、加圧アーム72の当接部72aから芯金部407aに加わる力の方向を示す図であり、(a)が、本実施形態であり、(b)が比較例である。
図6(b)に示すように、支持軸425の軸中心と、当接部72aと芯金部407aとの当接位置とを結んだ線分Aに対して当接部72aが傾いている比較例においては、芯金部407aに加わる力Fが、回転方向の力F1と、半径方向の力F2とに分解されてしまう。その結果、力のロスが発生する。
【0053】
一方、図6(a)に示すように、本実施形態では、芯金部407aに加わる力Fすべてが、回転方向の力となり、最も効率よく加圧アーム72からの力を二次転写ローラに伝えることができる。
【0054】
なお、本実施形態では、二次転写ユニット40に二次転写二段ギヤ410を設けているが、この二次転写二段ギヤ410を加圧アーム72に設けてもよい。かかる構成とすることで、二次転写ユニットの部品点数をさらに削減でき、二次転写ユニットのコストダウンを図ることができ、二次転写ユニット40の交換費用を抑えることができる。その結果、装置のメンテナンスコストを削減することができる。
【0055】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、画像形成装置としては、プリンタではなく、複写機、ファクシミリ単体、あるいは、複写機、プリンタ、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。ベルト装置は二次転写ベルト装置に限られず種々のベルト装置に適用できる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0056】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
回動可能に支持された二次転写ユニット40などの被加圧ユニットと、支持軸425に回動可能に支持され、被加圧ユニットを加圧する加圧アーム72などの加圧部材と、二次転写モータ420などの駆動源の駆動力を被加圧ユニットに伝達するローラ駆動伝達機構450などの駆動伝達機構とを備えた二次転写装置400などの加圧装置において、駆動伝達機構は、加圧部材に設けられ、被加圧ユニットの二次転写二段ギヤ410などのユニット駆動伝達部材に駆動力を伝達するアーム内出力ギヤ424などの加圧部材側駆動伝達部材を有し、支持軸425は、被加圧ユニットの回動の支点と同軸上に設けられている。
これによれば、ユニット駆動伝達部材に駆動力を伝達する加圧部材側駆動伝達部材を加圧部材に設けることで、被加圧ユニットに設ける駆動伝達部材の数を減らすことができ、被加圧ユニットの部品点数の増加を抑制できる。よって、被加圧ユニットを、加圧ユニットあるいはこれを含む装置本体に対して脱着可能に構成する場合に、脱着ユニットしての被加圧ユニットの軽量化やコストダウンを図ることが可能となる。
また、加圧部材が回転自在に支持される支持軸を被加圧ユニットの回動の支点と同軸上に設けることで、被加圧ユニットの回動の支点から加圧部材側駆動伝達部材の回転中心までの距離が、加圧部材の回動で変動することがない。その結果、被加圧ユニットが加圧部材の加圧力により加圧部材とともに回動するときに、加圧部材側駆動伝達部材の回転中心からユニット駆動伝達部材の回転中心までの距離が変動しない。よって、加圧内駆動伝達部材とユニット駆動伝達部材との当接状態を維持でき、良好に加圧内駆動伝達部材からユニット駆動伝達部材に駆動力を伝達することができる。
【0057】
(態様2)
態様1において、支持軸425の軸方向から見たとき、支持軸425の軸中心と、加圧アーム72などの加圧部材の二次転写ユニット40などの被加圧ユニットとの当接箇所とを通る線と、加圧部材の被加圧ユニットへの加圧方向とでなす角度が、80°以上、100°以下である。
これによれば、図3図5を用いて説明したように、部品のばらつきにより被加圧ユニットの加圧アーム72などの加圧部材から加圧力を受ける芯金部407aなどの被加圧部が狙いの位置からずれたときの二次転写二段ギヤ410などのユニット駆動伝達部材と、アーム内出力ギヤ424などの加圧部材側駆動伝達部材との当接状態の変動を抑制できる。これにより、駆動伝達への影響を抑えることができる。また、図6を用いて説明したように、効率よく加圧アーム72からの力を被加圧ユニットに伝えることができる。
【0058】
(態様3)
態様2において、加圧アーム72などの加圧部材の二次転写ユニット40などの被加圧ユニットの芯金部407aなどの被加圧部を加圧する当接部72aなどの加圧部および被加圧部のいずれか一方は、軸方向から見たとき、支持軸425の軸中心と、被加圧部と加圧部との当接箇所とを通る線に重なる直線形状である。
これによれば、図3図5を用いて説明したように、軸方向から見たとき、支持軸425の軸中心と、芯金部407aなどの被加圧部と加圧アーム72などの加圧部材との当接箇所とを通る線(図3図5に示す破線A)と、加圧部材の被加圧部への加圧方向とでなす角度を略90°にすることができる。
【0059】
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、二次転写ユニット40などの被加圧ユニットは、加圧アーム72などの加圧部材の加圧方向で被加圧ユニットに対向する中間転写ベルト31などの対向部材との間でニップを形成する二次転写ローラなどのニップ形成部材を備え、加圧部材は、ニップ形成部材を加圧する。
これによれば、実施形態で説明したように、二次転写ローラ407などのニップ形成部材の中間転写ベルト31などの対向部材への当接圧のばらつきを抑えることができる。
【0060】
(態様5)
態様1乃至4いずれかにおいて、二次転写ユニット40などの被加圧ユニットは、支持軸425に連結される連結軸412を有し、被加圧ユニットは、連結軸412を支点にして回動する。
これによれば、実施形態で説明したように、二次転写ユニット40などの被加圧ユニットの回動の支点と、加圧アーム72などの加圧部材の回動の支点とを同軸にすることができる。
【0061】
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、加圧アームなどの加圧部材の二次転写ユニット40などの被加圧ユニットへの加圧力を調整する加圧駆動装置78などの加圧力調整手段を有する。
これによれば、実施形態で説明したように、二次転写ユニットなどの被加圧ユニットに加える加圧力を調整することができる。
【0062】
(態様7)
態様6において、加圧駆動装置78などの加圧力調整手段は、加圧アーム72などの加圧部材に当接する加圧カム74などのカム部材と、加圧モータ71などの加圧駆動源とを有する。
これによれば、実施形態で説明したように、加圧モータ71などの加圧駆動源の駆動時間などを制御することで、加圧アーム72などの加圧部材に当接する加圧カム74などカム部材の回転方向の位置が変更され、加圧部材の二次転写ユニット40などの被加圧ユニットへの加圧力を調整することができる。
【0063】
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、ローラ駆動伝達機構450などの駆動伝達機構は、減速段数を複数有する歯車伝達機構である。
これによれば、実施形態で説明したように、駆動伝達部材としての各ギヤの大径化を抑制して、所望の減速比を得ることができる。また、態様1、態様2の構成を有することで、ギヤの噛み合い精度の低下を抑制できる。
【0064】
(態様9)
態様1乃至8いずれかにおいて、ローラ駆動伝達機構450などの駆動伝達機構は、二次転写モータ420などの駆動源から駆動力が伝達され、加圧アーム72などの加圧部材に設けられた駆動伝達部材(本実施形態では、アーム内入力ギヤ422)に駆動力を伝達する加圧側アイドラギヤ421などの第一駆動伝達部材を有し、第一駆動伝達部材は、支持軸425と同軸上に設けられている。
これによれば、実施形態で説明したように、加圧アーム72などの加圧部材が回動しても、加圧側アイドラギヤ421などの第一駆動伝達部材と、この第一駆動伝達部材から駆動力が伝達されるアーム内入力ギヤ422などの加圧部材の駆動伝達部材との回転中心間距離は変動しない。よって、加圧部材が回動しても、第一駆動伝達部材と加圧部材の駆動伝達部材との当接状態を維持でき、良好に第一駆動伝達部材から加圧部材の駆動伝達部材に駆動力を伝達することができる。
【0065】
(態様10)
態様1乃至9いずれかにおいて、被加圧ユニットは、二次転写ユニット40である。
【0066】
(態様11)
画像形成装置において、態様1乃至10いずれかの加圧装置を備えた。
これによれば、装置のメンテナス費用を抑えることができる。
【符号の説明】
【0067】
30 :中間転写ユニット
31 :中間転写ベルト
33 :二次転写裏面ローラ
40 :二次転写ユニット
40a :側板
70 :加圧ユニット
71 :加圧モータ
72 :加圧アーム
72a :当接部
73 :カム受けローラ
74 :加圧カム
75 :タイミングベルト
78a :第一加圧駆動装置
78b :第二加圧駆動装置
170 :加圧フレーム
170a :側板
170b :側板
400 :二次転写装置
401 :分離ローラ
402 :従動ローラ
403 :従動ローラ
404 :駆動ローラ
405 :テンションローラ
406 :二次転写ベルト
407 :二次転写ローラ
407a :芯金部
408 :バネ
409 :寄り止めローラ
410 :二次転写二段ギヤ
410a :大径ギヤ部
410b :小径ギヤ部
411 :出力ギヤ
412 :連結軸
413 :連結穴部材
420 :二次転写モータ
420a :モータギヤ
421 :加圧側アイドラギヤ
422 :アーム内入力ギヤ
423 :貫通軸
424 :アーム内出力ギヤ
425 :支持軸
426 :支持軸
430 :アーム内ギヤ部
450 :ローラ駆動伝達機構
A :支持軸の軸中心と、当接部と芯金部との当接箇所を結んだ線分
N2 :二次転写ニップ
O1 :支持軸の軸中心
P :用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開2011-248270号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6