(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061990
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】画像形成制御装置、画像形成制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240430BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20240430BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240430BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/393 105
B41J29/38 206
G03G21/00 500
H04N1/00 002Z
H04N1/00 567L
H04N1/00 567M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169699
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】巣瀬 浩一
(72)【発明者】
【氏名】服部 幸子
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061HJ02
2C061HJ04
2C061HK11
2C061HK19
2C061HM03
2C061HN08
2C061HN15
2C061HN24
2C061KK26
2C061KK28
2C061KK31
2H270KA57
2H270KA59
2H270LA19
2H270LD03
2H270LD15
2H270MB01
2H270MC56
2H270MC61
2H270MC65
2H270MC67
2H270MF01
2H270MF08
2H270PA37
2H270PA53
2H270PA83
2H270QA08
2H270QA13
2H270QA18
2H270QA19
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZD01
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB22
5C062AB32
5C062AB35
5C062AC04
5C062AC13
5C062AC15
5C062AC55
5C062AC58
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF06
(57)【要約】
【課題】ジョブが切り替わる直前で欠陥が検出されても、正常に印刷された記録媒体と、欠陥検出された記録媒体とが混じらないようにする。
【解決手段】実施形態の画像形成制御装置は、検査結果で欠陥が検出されたか否かを判定し、欠陥が検出された場合、欠陥が検出された記録媒体を画像形成装置に再出力させる再出力制御部と、欠陥の判定において正常であると判定された正常読取画像に対応する正常記録媒体を、第一のトレイに出力するように制御し、欠陥の判定において欠陥が検知された欠陥読取画像に対応する欠陥記録媒体と、欠陥記録媒体の後続の後続記録媒体とを、第二のトレイに出力するように制御し、再出力される再出力記録媒体を第一のトレイに出力するように制御する出力先制御部と、先行ジョブの印刷条件、後続ジョブの印刷条件、及び、読取部と出力先との位置関係から、後続ジョブの開始タイミングを判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置により先行ジョブに基づいて画像形成された記録媒体が、読取部により読み取られた読取画像の検査結果を、検査装置から取得する取得部と、
前記検査結果で欠陥が検出されたか否かを判定し、前記欠陥が検出された場合、欠陥が検出された記録媒体を前記画像形成装置に再出力させる再出力制御部と、
前記欠陥の判定において正常であると判定された正常読取画像に対応する正常記録媒体を、第一のトレイに出力するように制御し、前記欠陥の判定において欠陥が検知された欠陥読取画像に対応する欠陥記録媒体と、前記欠陥記録媒体の後続の後続記録媒体とを、第二のトレイに出力するように制御し、再出力される再出力記録媒体を前記第一のトレイに出力するように制御する出力先制御部と、
前記先行ジョブの印刷条件、後続ジョブの印刷条件、及び、前記読取部と出力先との位置関係から、前記後続ジョブの開始タイミングを判定する判定部と、
を備える画像形成制御装置。
【請求項2】
欠陥検出動作を優先させる欠陥検出動作優先モード、又は、生産性を優先させる生産性優先モードの設定を受け付ける設定部を更に備え、
前記判定部は、前記欠陥検出動作優先モードが設定されている場合、前記先行ジョブの印刷条件、後続ジョブの印刷条件、及び、前記読取部と出力先との位置関係に応じて、開始待ち時間を設けることにより、前記後続ジョブの開始タイミングを遅らせ、前記生産性優先モードが設定されている場合、前記開始待ち時間を設けない、
請求項1に記載の画像形成制御装置。
【請求項3】
前記開始待ち時間は、前記先行ジョブの欠陥検出の終了を示す欠陥検出終了通知を前記検査装置から受信するまでの時間である、
請求項2に記載の画像形成制御装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記欠陥検出動作優先モードが設定されており、かつ、前記後続ジョブの印刷条件に、前記後続ジョブに基づいて画像形成された記録媒体の折り動作が含まれている場合、前記開始待ち時間を設けると判定する、
請求項2又は3に記載の画像形成制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記読取部と出力先との距離が閾値より小さい場合、前記開始待ち時間を設けると判定する、
請求項2又は3に記載の画像形成制御装置。
【請求項6】
前記第一のトレイは、前記画像形成装置に接続された後処理装置の第一の後処理トレイであり、
前記第二のトレイは、前記後処理装置の第二の後処理トレイである、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成制御装置。
【請求項7】
画像形成制御装置が、画像形成装置により先行ジョブに基づいて画像形成された記録媒体が、読取部により読み取られた読取画像の検査結果を、検査装置から取得するステップと、
前記画像形成制御装置が、前記検査結果で欠陥が検出されたか否かを判定し、前記欠陥が検出された場合、欠陥が検出された記録媒体を前記画像形成装置に再出力させるステップと、
前記画像形成制御装置が、前記欠陥の判定において正常であると判定された正常読取画像に対応する正常記録媒体を、第一のトレイに出力するように制御し、前記欠陥の判定において欠陥が検知された欠陥読取画像に対応する欠陥記録媒体と、前記欠陥記録媒体の後続の後続記録媒体とを、第二のトレイに出力するように制御し、再出力される再出力記録媒体を前記第一のトレイに出力するように制御するステップと、
前記画像形成制御装置が、前記先行ジョブの印刷条件、後続ジョブの印刷条件、及び、前記読取部と出力先との位置関係から、前記後続ジョブの開始タイミングを判定するステップと、
を含む画像形成制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、
画像形成装置により先行ジョブに基づいて画像形成された記録媒体が、読取部により読み取られた読取画像の検査結果を、検査装置から取得する取得部と、
前記検査結果で欠陥が検出されたか否かを判定し、前記欠陥が検出された場合、欠陥が検出された記録媒体を前記画像形成装置に再出力させる再出力制御部と、
前記欠陥の判定において正常であると判定された正常読取画像に対応する正常記録媒体を、第一のトレイに出力するように制御し、前記欠陥の判定において欠陥が検知された欠陥読取画像に対応する欠陥記録媒体と、前記欠陥記録媒体の後続の後続記録媒体とを、第二のトレイに出力するように制御し、再出力される再出力記録媒体を前記第一のトレイに出力するように制御する出力先制御部と、
前記先行ジョブの印刷条件、後続ジョブの印刷条件、及び、前記読取部と出力先との位置関係から、前記後続ジョブの開始タイミングを判定する判定部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成制御装置、画像形成制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷部の欠陥を検出し、欠陥検出された印刷物などの記録媒体を別のトレイに排出し、記録媒体を再出力することで欠陥のある記録媒体を取り除いて印刷を継続する欠陥検知技術が従来から知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、画像形成装置もしくは画像形成装置の後続に連結する周辺機に中間トレイを設けておいて、そこに欠陥検出した用紙の後続用紙を退避させておいて、欠陥検出したページを再印刷して排出し終わったら、中間トレイに退避しておいた用紙を排出する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、ジョブが切り替わる直前で欠陥を検出した際に、正常に印刷された記録媒体と、欠陥検出された記録媒体とが混じってしまう問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ジョブが切り替わる直前で欠陥を検出した際に、正常に印刷された記録媒体と、欠陥検出された記録媒体とが混じらないようにする画像形成制御装置、画像形成制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像形成装置により先行ジョブに基づいて画像形成された記録媒体が、読取部により読み取られた読取画像の検査結果を、検査装置から取得する取得部と、前記検査結果で欠陥が検出されたか否かを判定し、前記欠陥が検出された場合、欠陥が検出された記録媒体を前記画像形成装置に再出力させる再出力制御部と、前記欠陥の判定において正常であると判定された正常読取画像に対応する正常記録媒体を、第一のトレイに出力するように制御し、前記欠陥の判定において欠陥が検知された欠陥読取画像に対応する欠陥記録媒体と、前記欠陥記録媒体の後続の後続記録媒体とを、第二のトレイに出力するように制御し、再出力される再出力記録媒体を前記第一のトレイに出力するように制御する出力先制御部と、前記先行ジョブの印刷条件、後続ジョブの印刷条件、及び、前記読取部と出力先との位置関係から、前記後続ジョブの開始タイミングを判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ジョブが切り替わる直前で欠陥が検出されても、正常に印刷された記録媒体と、欠陥検出された記録媒体とが混じらないようにすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の画像形成システムの装置構成の例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態の検査装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態のエンジンコントローラ、プリントエンジン及び検査装置の機能構成の例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態のエンジン制御部の機能構成の例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態のプリントエンジン、検査装置及び後処理装置の機械的な構成、及び、用紙の搬送経路について説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施形態のマスター画像生成部の機能構成の例を示す図である。
【
図7A】
図7Aは、P3の用紙について欠陥が検知された場合の、用紙の搬送状態を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、P3の欠陥が検知された後、再印刷であるP3´以降のページが給紙されて搬送されている状態を示す図である。
【
図7C】
図7Cは、再印刷であるP8´までの給紙が終わり、続きであるP9を給紙トレイから給紙しようとしている状態を示す図である。
【
図7D】
図7Dは、P10までの排紙が完了した状態を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、先行ジョブの最終紙で欠陥が検出された状態における従来の動作を説明するための図である。
【
図8B】
図8Bは、先行ジョブの最終紙で欠陥が検出された状態における従来の動作を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施形態のエンジン制御部の動作切り替え設定の例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態のエンジン制御部の印刷開始制御の例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態の印刷開始判定(ステップS13)の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、画像形成制御装置、画像形成制御方法及びプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
なお、下記実施の形態では、画像形成装置が、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機である場合を例にして説明するが、画像形成装置は、複写機、プリンタ、スキャナ装置又はファクシミリ装置等、任意でよい。
【0011】
[装置構成の例]
図1は、実施形態の画像形成システムの全体構成の例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システム100は、DFE(Digital Front End)1、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3、検査装置4及び後処理装置5を備える。
【0012】
DFE1は、受信された印刷ジョブに基づいて、印刷出力する画像データ、即ち出力対象画像であるビットマップデータを生成し、生成されたビットマップデータをエンジンコントローラ2に出力する。
【0013】
エンジンコントローラ2は、DFE1から受信されたビットマップデータに基づいてプリントエンジン3を制御し、プリントエンジン3に画像形成出力を実行させる画像形成制御装置である。また、本実施形態に係るエンジンコントローラ2は、DFE1から受信されたビットマップデータを検査装置4に送信する。このビットマップデータは、プリントエンジン3による画像形成出力の結果を検査装置4が検査する際に参照される検査用画像の元となる情報である。
【0014】
プリントエンジン3は、エンジンコントローラ2の制御に従い、ビットマップデータに基づいて画像形成出力を実行する画像形成装置である。
【0015】
検査装置4は、エンジンコントローラ2から入力されたビットマップデータに基づいて、マスター画像を生成する。そして、検査装置4は、プリントエンジン3により出力された用紙(記録媒体の一例)を読取装置で読み取ることにより生成された読取画像と、上記マスター画像と比較することにより、出力結果の検査を行う画像検査装置である。
【0016】
検査装置4は、マスター画像と読取画像との比較により出力結果に欠陥があると判定した場合、欠陥として認定されたページを示す情報をエンジンコントローラ2に通知すると共に、そのページの再印刷、即ちリカバリ印刷を依頼する。これにより、エンジンコントローラ2によって欠陥ページの再印刷制御が実行される。
【0017】
後処理装置5は、プリントエンジン3によって出力された記録媒体の後処理を行う。例えば、後処理装置5は、プリントエンジン3によって出力された用紙(記録媒体の一例)の製本及びステープル等の後処理を行う。本実施形態の画像形成システム100は、この後処理装置5に搭載されている後処理トレイを利用して、欠陥検出されたページを正常なページとは別のトレイに排出し、再印刷の際にページ狂いを起こさないようにする。
【0018】
ここで、本実施形態に係るエンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4のハードウェア構成の例について、
図2を参照して説明する。
【0019】
[ハードウェア構成の例]
図2は、実施形態の検査装置4のハードウェア構成の例を示す図である。なお、
図2は、検査装置4のハードウェア構成の例を示すが、エンジンコントローラ2及びプリントエンジン3のハードウェア構成の例についても
図2と同様である。
【0020】
図2に示すように、本実施形態に係る検査装置4は、PC(Personal Computer)及びサーバ等の情報処理装置(コンピュータ)と同様のハードウェア構成を備える。即ち、本実施形態に係る検査装置4は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス90を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60、操作部70及び専用デバイス80が接続されている。
【0021】
CPU10は演算手段であり、検査装置4全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)、各種の制御プログラム及びアプリケーション・プログラム等が格納されている。
【0022】
I/F50は、バス90と、各種のハードウェア及びネットワーク等とを接続し制御する。LCD60は、ユーザが検査装置4の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボード及びマウス等、ユーザが検査装置4に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
【0023】
専用デバイス80は、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4において、専用の機能を実現するためのハードウェアである。例えばプリントエンジン3の場合は、専用デバイス80は、画像形成出力対象の用紙を搬送する搬送機構、紙面上に画像形成出力を実行するプロッタ装置、及び、紙面上に出力された画像を読み取る読取装置等である。また例えば、エンジンコントローラ2及び検査装置4の場合は、専用デバイス80は、高速に画像処理を行うための専用の演算装置である。このような演算装置は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成される。
【0024】
このようなハードウェア構成において、ROM30、HDD40若しくは光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がそれらのプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るエンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0025】
本実施形態のエンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4で実行されるプログラムは、例えばインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0026】
また例えば、本実施形態のエンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のエンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0027】
また例えば、本実施形態のエンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0028】
[機能構成の例]
図3は、実施形態のエンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4の機能構成の例を示す図である。
図3においては、データの送受信を実線で、用紙(記録媒体の一例)の流れを破線で示している。
【0029】
図3に示すように、本実施形態に係るエンジンコントローラ2は、データ取得部201、エンジン制御部202及びビットマップ送信部203を備える。また、本実施形態に係るプリントエンジン3は、印刷処理部31を備える。また、本実施形態に係る検査装置4は、読取部400、読取画像取得部401、マスター画像生成部402、検査制御部403及び比較検査部404を備える。
【0030】
データ取得部201は、DFE1から入力されるビットマップデータを取得し、ビットマップデータと、1ページ分のビットマップデータを識別するための情報である固有番号とを関連付けて記憶する。また、データ取得部201は、画像形成出力する画像を構成する各画素の情報であるビットマップデータをエンジン制御部202及びビットマップ送信部203に転送し、エンジン制御部202及びビットマップ送信部203夫々を動作させる。
【0031】
エンジン制御部202は、データ取得部201から転送されたビットマップデータに基づき、プリントエンジン3に画像形成出力を実行させる。また、エンジン制御部202は、ビットマップデータに関連付けられた固有番号を検査装置4に通知すると共に、検査装置4からフィードバックされるエラー判定に基づき、エラーとなったページの再印刷を制御する。このエラーとなったページは、上述した固有番号によって識別される。
【0032】
ビットマップ送信部203は、データ取得部201が取得したビットマップデータを、マスター画像生成の為に検査装置4に送信する。
【0033】
印刷処理部31は、エンジンコントローラ2から入力されるビットマップデータを取得し、印刷用紙(記録媒体の一例)に対して画像形成出力を実行し、印刷済みの用紙を出力する画像形成部である。本実施形態に係る印刷処理部31は、電子写真方式の一般的な画像形成機構によって実現されるが、インクジェット方式等の他の画像形成機構を用いることも可能である。
【0034】
読取部400は、印刷処理部31によって印刷が実行されて出力された印刷用紙の紙面上に形成された画像を読み取り、読取データを出力する画像読取装置により実現される。読取部400は、例えば印刷処理部31によって出力された印刷用紙の、検査装置4内部における搬送経路に設置されたラインスキャナであり、搬送される印刷用紙の紙面上を走査することによって紙面上に形成された画像を読み取る。
【0035】
読取画像取得部401は、印刷用紙の紙面が読取部400によって読み取られることによって生成された読取画像の情報を取得する。読取画像取得部401により取得された読取画像の情報は、比較検査のために比較検査部404に入力される。尚、比較検査部404への読取画像の入力は検査制御部403の制御によって実行される。その際、検査制御部403が読取画像を取得してから、読取画像を比較検査部404に入力する。
【0036】
マスター画像生成部402は、上述したようにエンジンコントローラ2から入力されたビットマップデータを取得し、上記検査対象の画像と比較するための検査用画像であるマスター画像を生成する。即ち、マスター画像生成部402は、読取画像の検査を行うための検査用画像であるマスター画像を出力対象画像に基づいて生成する検査用画像生成部として機能する。なお、マスター画像生成部402によるマスター画像の生成処理については後に詳述する。
【0037】
検査制御部403は、検査装置4全体の動作を制御する制御部であり、検査装置4に含まれる各機能ブロックは検査制御部403の制御に従って動作する。また、本実施形態に係る検査制御部403は、読取画像の検査結果に応じて読取部400によって紙面が読み取られた用紙の排出先を制御する。
【0038】
比較検査部404は、読取画像取得部401から入力される読取画像とマスター画像生成部402が生成したマスター画像とを比較し、意図した通りの画像形成出力が実行されているか否かを判定する。比較検査部404は、膨大な計算量を迅速に処理するために上述したようなASICによって構成される。
【0039】
比較検査部404は、上述したようにRGB各色8bitで表現された200dpiの読取画像及びマスター画像を対応する画素毎に比較し、夫々の画素毎に上述したRGB各色8bitの画素値の差分値を算出する。検査制御部403は、比較検査部404により算出された差分値と閾値との大小関係に基づき、読取画像における欠陥の有無を判定する。即ち、検査制御部403は、検査装置4に含まれる各部を制御することにより画像検査部として機能する。
【0040】
尚、差分値と閾値との大小関係の比較方法として、本実施形態に係る検査制御部403は、夫々の画素について比較検査部404によって算出された差分値を画像上の所定範囲毎に合計し、その合計値について設定された閾値と合計値とを比較する。このように各画素の差分値を合計する所定範囲としては、例えば数ドット~数十ドット四方若しくは百数十ドット四方の範囲である。
【0041】
検査制御部403は、このような比較検査によって読取画像に欠陥が発見された場合、欠陥の発見されたページをエンジン制御部202に通知する。これにより、エンジン制御部202は、欠陥の発見されたページを再度データ取得部201から取得し、そのページの再印刷の実行を制御する。
【0042】
図4は、実施形態のエンジン制御部202の機能構成の例を示す図である。実施形態のエンジン制御部202は、取得部221、再出力制御部222、出力先制御部223、判定部224及び設定部225を備える。
【0043】
取得部221は、画像形成装置(プリントエンジン3)により先行ジョブに基づいて画像形成された記録媒体が、読取部400により読み取られた読取画像の検査結果を、検査装置4から取得する。
【0044】
再出力制御部222は、検査結果で欠陥が検出されたか否かを判定し、欠陥が検出された場合、欠陥が検出された記録媒体を画像形成装置(プリントエンジン3)に再出力させる。
【0045】
出力先制御部223は、欠陥の判定において正常であると判定された正常読取画像に対応する正常記録媒体を、第一のトレイに出力するように制御し、欠陥の判定において欠陥が検知された欠陥読取画像に対応する欠陥記録媒体と、欠陥記録媒体の後続の後続記録媒体とを、第二のトレイに出力するように制御し、再出力される再出力記録媒体を第一のトレイに出力するように制御する。
【0046】
判定部224は、欠陥検出動作を優先させる欠陥検出動作優先モードが設定されている場合、先行ジョブの印刷条件、後続ジョブの印刷条件、及び、読取部と出力先との位置関係に応じて、開始待ち時間を設けることにより、後続ジョブの開始タイミングを遅らせる。また、判定部224は、生産性を優先させる生産性優先モードが設定されている場合、開始待ち時間を設けない。
【0047】
開始待ち時間は、例えば先行ジョブの欠陥検出の終了を示す欠陥検出終了通知を検査装置4から受信するまでの時間である。
【0048】
設定部225は、欠陥検出動作優先モード又は生産性優先モードの設定を受け付ける。例えば、欠陥検出動作優先モード又は生産性優先モードの設定は、操作部70(例えば、タッチパネル等)を介してユーザから受け付ける。
【0049】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本実施形態における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサ、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)及び回路モジュール等のデバイスを含む。
【0050】
次に、実施形態のプリントエンジン3、検査装置4及び後処理装置5の機械的な構成、及び、用紙(記録媒体の一例)の搬送経路について、
図5を参照して説明する。
【0051】
図5は、実施形態のプリントエンジン3、検査装置4及び後処理装置5a~5bの機械的な構成、及び、用紙(記録媒体の一例)の搬送経路について説明するための図である。
【0052】
プリントエンジン3(画像形成装置)は、無端状移動手段である中間転写ベルト302に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン及びブラック(以下、それぞれY、M、C、Kと記す。)の各色の感光体ドラム303Y、303M、303C及び303K(以降、総じて感光体ドラム303とする)が並べられた構成を備える。各色の感光体ドラム303の表面においてトナーにより現像された各色の画像は、中間転写ベルト302によって重ね合わせられフルカラー画像が形成される。
【0053】
形成されたフルカラー画像は、給紙トレイ300より給紙され、レジストローラ301により用紙の搬送される用紙に二次転写ローラ304によって紙面上に転写される。
【0054】
その後、用紙はさらに搬送され、定着装置305にて画像が定着され、検査装置4に搬送される。
【0055】
両面印刷が行われる場合は、画像形成が行われた後、搬送経路中の反転ローラ306が用紙の表裏を逆転したのち、両面給紙ローラ307が用紙を搬送し、再度、用紙が二次転写ローラ304の位置まで搬送される。
【0056】
上述の読取部400は、検査装置4内部における用紙の搬送経路において用紙の両面側に夫々設けられた撮像部406a及び406bによって実現される。撮像部406a及び406bは、レジストローラ301から搬送された用紙の夫々の面を読み取ることによって、読取画像を生成し、読取画像を検査装置4内部の情報処理装置によって構成される読取画像取得部401に出力する。
【0057】
また、読取部400によって紙面が読み取られた用紙は検査装置4内部を更に搬送され、後処理装置5aもしくは後処理装置5bに搬送される。用紙は、検査装置4における検査結果に応じて、排紙トレイ(後処理トレイ)500乃至502のいずれかに排出される。
【0058】
図5の例では、上述の正常記録媒体が出力される第一のトレイは、検査装置4を介して画像形成装置(プリントエンジン3)に接続された後処理装置5a及び5bの後処理トレイ500又は501(第一の後処理トレイ)である。また、上述の異常記録媒体が出力される第二のトレイは、後処理装置5bの後処理トレイ502(第二の後処理トレイ)である。
【0059】
なお、
図5の例では後処理装置5は、後処理装置5a及び5bの2台のみの接続となっているが、単機連結も可能であり、さらに複数台連結を行い、後加工を実現してもよい。また、接続される後処理装置5によっては排紙口を増減することが可能である。
【0060】
次に、マスター画像生成部402に含まれる機能の詳細について
図6を参照して説明する。
【0061】
[機能構成の例]
図6は、実施形態のマスター画像生成部402の機能構成の例を示す図である。
図6に示すように、実施形態のマスター画像生成部402は、少値多値変換処理部421、解像度変換処理部422、色変換処理部423及びサイズ変倍処理部424を備える。
【0062】
少値多値変換処理部421は、有色/無色で表現された二値画像に対して少値/多値変換処理を実行して多値画像を生成する。本実施形態に係るビットマップデータは、プリントエンジン3に入力するための情報であり、プリントエンジンはCMYK(Cyan,Magenta,Yellow及びblacK)各色二値の画像に基づいて画像形成出力を実行する。これに対して検査対象の画像である読取画像は、基本三原色であるRGB(Red,Green及びBlue)各色多階調の多値画像であるため、少値多値変換処理部421により先ず二値画像が多値画像に変換される。多値画像としては、例えばCMYK各8bitで表現された画像を用いることができる。
【0063】
尚、本実施形態においては、プリントエンジン3がCMYK各色二値の画像に基づいて画像形成出力を実行する場合を例とし、マスター画像生成部402に少値多値変換処理部421が含まれる場合を例とするが、これは一例である。即ち、プリントエンジン3が多値画像に基づいて画像形成出力を実行する場合は、少値多値変換処理部421は省略可能である。
【0064】
解像度変換処理部422は、少値多値変換処理部421によって生成された多値画像の解像度を、検査対象の画像である読取画像の解像度に合わせるように解像度変換を行う。本実施形態においては、読取部400は200dpiの読取画像を生成するため、解像度変換処理部422は、少値多値変換処理部421によって生成された多値画像の解像度を200dpiに変換する。
【0065】
色変換処理部423は、解像度変換処理部422によって解像度が変換された画像を取得して色変換を行う。上述したように、本実施形態に係る読取画像はRGB形式の画像であるため、色変換処理部423は、解像度変換処理部422によって解像度変換された後のCMYK形式の画像をRGB形式に変換する。これにより、画素毎にRGB各色8bit(合計24bit)で表現された200dpiの多値画像が生成される。即ち、本実施形態においては、少値多値変換処理部421、解像度変換処理部422及び色変換処理部423が、検査用画像生成部として機能する。
【0066】
サイズ変倍処理部424は、色変換処理部423までの処理によって生成されたRGB8bit、200dpiの画像に対して、変倍処理を施すことにより、プリントエンジン3の読取部400から検査装置4に入力される読取画像とマスター画像とのサイズを合わせ、画像の位置ずれを低減させる。
【0067】
実施形態の画像形成システム100は、欠陥検出動作優先モードでは、印刷ジョブの切り替わりにおいて、先行ジョブの検査制御部403での欠陥検出が終わるまで、エンジン制御部202にて後続ジョブの印刷開始を待機させる。これにより実施形態の画像形成システム100によれば、正常なページ群の中に欠陥のあるページが紛れ込むことを防ぎ、損紙を減らすことができる。
【0068】
以下、本実施形態に係る再印刷の処理について説明する。
【0069】
先ず、本実施形態に係る再印刷の態様について説明する。以下の説明においては、基本的な再印刷の例として、P1からP10までの10枚の用紙(記録媒体の一例)が片面印刷によって出力される場合を説明する。
【0070】
図7A乃至7Dは、P3の用紙について欠陥が検知された場合の、用紙の搬送状態を示す図である。P1及びP2については、既に検査をパスして後処理装置6の後処理トレイ501に向かって搬送されている状態である。また、P4及びP5は既に紙面に対して画像が転写された後の状態であり、P6及びP7は、給紙トレイ300から給紙されて転写位置に搬送される途中であり、P8は給紙トレイ300から給紙されるタイミングである。
【0071】
図7Aに示すような状態において、P3について欠陥が検知されると、上述したように、検査制御部403が、P3を識別するための固有番号の情報をエンジン制御部202に通知する。これにより、エンジン制御部202は、既に給紙が開始されているP8の次に、P3の再印刷が実行されるように、データ取得部201からP3のビットマップデータを取得し、P3のビットマップデータをプリントエンジン3に送信する。また、P3のビットマップデータのプリントエンジン3への送信に応じて、ビットマップ送信部203もP3のビットマップデータをマスター画像生成部402に送信する。
【0072】
図7Bは、P3の欠陥が検知された後、再印刷であるP3´以降のページが給紙されて搬送されている状態を示す図である。欠陥が検出された以降の用紙が、後処理トレイ501に排出されてしまうと、落丁した状態でユーザの手に渡ることになってしまう。そのため、欠陥が検出された以降の用紙は、別の排出トレイである後処理トレイ502に排出される。P6からP8のように、二次転写ローラ304を通る前の用紙も、現像が開始されている可能性があるため、別の排出トレイである後処理トレイ502に排出される。
【0073】
図7Cは、再印刷であるP8´までの給紙が終わり、続きであるP9を給紙トレイ300から給紙しようとしている状態を示す図である。また、P3´、P4´については欠陥が無く後処理トレイ501に向かって搬送されている。
図7Dは、P10までの排紙が完了した状態を示す図である。
【0074】
次に、本実施形態に係る印刷ジョブの切り替わり時の再印刷の態様について説明する。Pa1からPa10までの10枚の用紙(記録媒体の一例)が片面印刷で後処理トレイ501へ排紙され、Pb1からPb10までの10枚の用紙が片面印刷を実施後、後処理機にて折りを実施し後処理トレイ500に排紙される場合を例にして説明する。
【0075】
まず
図8A及び8Bを参照して、従来の問題点について説明する。従来の問題点の説明では、実施形態の画像形成システム100の動作と区別するため、
図8A及び8B内で参照される符号にダッシュを付与して説明する。
【0076】
図8A及び8Bは、先行ジョブの最終紙Pa10で欠陥が検出された状態における従来の動作を説明するための図である。従来のプリントエンジン3’は、生産性向上のため後続ジョブにより印刷されるPb1からPb5を連続で給紙している場合がある。このような場合、従来のプリントエンジン3’は、落丁を防ぐため、欠陥があったPa10だけでなく一旦既に給紙されているPb1からPb5を後処理トレイ502’にいったん排出し終わった後に再印刷を開始する。しかし、折り動作を行う用紙では、生産性を高くするため用紙と用紙との搬送間隔を詰めて搬送している可能性がある(生産性を保つために既に後続ジョブの給紙がスタートしている場合がある。)。そのため、従来の後処理装置5a’が、急に排紙先を変更しようとすると、
図8Bのように想定以上に用紙同士の間隔が詰まってしまいジャムが発生してしまう可能性がある。
【0077】
また、
図8Aの構成例では、欠陥検出された用紙が排出される後処理トレイ502’よりも、後続ジョブの印刷物が排出される後処理トレイ500’の方が、検知装置4’に近い。この場合、先行紙の欠陥検出が遅れると、後続ジョブの排紙トレイ切り替えが間に合わず、欠陥検出された用紙が後処理トレイ502’に排出できない可能性がある。
【0078】
上述のように、先行ジョブPa1-Pa10及び後続ジョブPb1-Pb10の印刷条件(この例では後処理の種類)と、排紙先の位置関係とから、連続してジョブを実施すると、先行ジョブ最終紙のPa10で欠陥検出された場合に、正常なページ群の中に欠陥のあるページが紛れ込む可能性がある。
【0079】
そこで、実施形態の画像形成システム100では、エンジン制御部202は、検査制御部403から先行ジョブの欠陥検出が終わったという通知がくるまで、次のジョブを抑制する。これにより、正常なページ群の中に欠陥のあるページが紛れ込むことを防ぎ、損紙を減らすことができる。
【0080】
まず、本動作は、例えばエンジンコントローラ2に取り付けられた操作部70により、切り替えることが出来る。
【0081】
図9は、実施形態のエンジン制御部202の動作切り替え設定の例を示すフローチャートである。はじめに、操作部70が、印刷を開始する前の設定として、印刷条件が異なるジョブ(後続ジョブ)で欠陥検出を待たずに印刷実行するか否かを選択する操作をユーザから受け付ける(ステップS1)。
【0082】
欠陥検出を待たずに印刷実行する選択操作を受け付けた場合(ステップS1,Yes)、つまり生産性を優先させる場合は、エンジン制御部202は生産性優先モードに設定される(ステップS2)。
【0083】
欠陥検出を待たずに印刷実行する選択操作ではなく、欠陥検出を優先する選択操作を受け付けた場合(ステップS1,No)、エンジン制御部202は欠陥検出動作優先モードに設定される(ステップS3)。欠陥検出動作優先モードでは、生産性を落としてでも、欠陥検出した用紙は確実に欠陥ページ用のトレイに排出され、リカバリ印刷が行われる。
【0084】
次に、印刷時のジョブの開始タイミングの制御を実現するエンジン制御部202の振る舞いについて説明する。
【0085】
図10は、実施形態のエンジン制御部202の動作例を示すフローチャートである。まず、エンジン制御部202(設定部225)は、DFE1から印刷ジョブの要求を受け付けると、まず欠陥検出を実施する設定になっているか否かを確認する(ステップS11)。そもそも欠陥検出を実施しない場合は(ステップS11,No)、エンジン制御部202は、そのまま印刷を実行する(ステップS15)。
【0086】
欠陥検出を実施する設定の場合(ステップS11,Yes)、エンジン制御部202(出力先制御部223)は、今から印刷実行使用している用紙の設定(紙種/紙厚)、及び後処理内容等を確認し、欠陥検出時に欠陥ページ排出用の第二トレイ(
図7Bの例では、後処理トレイ502)に排出可能か否かを確認する(ステップS12)。
【0087】
第二トレイに排出可能でない場合(ステップS12,No)、エンジン制御部202は、印刷実行の開始を中断する(ステップS14)。このとき、エンジン制御部202は、例えば操作部70を介して、ユーザに対して印刷が出来ないという内容だけでなく、印刷条件を変更するように促しても良い。
【0088】
第二トレイに排出可能である場合(ステップS12,Yes)、エンジン制御部202は、印刷開始判定を経て(ステップS13)、印刷処理部31に印刷を開始させる。
【0089】
次に、上述のステップS13の印刷開始判定の処理例について説明する。
【0090】
図11は、実施形態の印刷開始判定(ステップS13)の処理例を示すフローチャートである。まず、エンジン制御部202は、既に印刷中のジョブがあるかどうか確認する(ステップS21)。印刷中のジョブ(先行ジョブ)が無ければ(ステップS21,No)、エンジン制御部202は、印刷処理部31に印刷処理を開始させる(ステップS26)。
【0091】
一方、印刷中のジョブ(先行ジョブ)がある場合(ステップS21,Yes)は、上述の
図9のフローにより設定された動作切り替え設定が欠陥検出動作優先モードであるか否かを確認する(ステップS22)。
【0092】
動作切り替え設定が欠陥検出動作優先モードでない場合(ステップS22,No)、すなわち、動作切り替え設定が生産性優先モードであれば、エンジン制御部202は、印刷処理部31に印刷処理を開始させる(ステップS26)。
【0093】
動作切り替え設定が欠陥検出動作優先モードである場合(ステップS22,Yes)、エンジン制御部202(判定部224)は、印刷条件(例えば、印刷中のジョブ、用紙の設定(紙種/紙厚)、及び、後処理内容等)、及び、読取部400と出力先との位置関係に基づき、開始待ち時間を設けることによって、ジョブ間隔を開ける必要があるか否かを判定する(ステップS23)。
【0094】
例えば、判定部224は、欠陥検出動作優先モードが設定されており、かつ、後続ジョブの印刷条件に、後続ジョブに基づいて画像形成された記録媒体の折り動作が含まれている場合、開始待ち時間を設けると判定する。また例えば、判定部224は、読取部400と出力先(例えば、
図5では、排紙トレイ500乃至502のいずれか)との距離が閾値より小さい場合、開始待ち時間を設けると判定する。
図5の例では、判定部224は、出力先が、排紙トレイ500の場合、読取部400との距離が閾値より小さいと判定する(開始待ち時間を設けると判定する)。
【0095】
エンジン制御部202(判定部224)は、ジョブ間隔を開けなくても欠陥検出時に欠陥ページの排紙トレイを切り替えて機内の用紙をすべて排出できる場合、ジョブ間隔を開ける必要がないと判定する。ジョブ間隔を開ける必要がない場合(ステップS23,No)、エンジン制御部202は、印刷処理部31に印刷処理を開始させる(ステップS26)。
【0096】
ジョブ間隔を開ける必要がある場合(ステップS23,Yes)、エンジン制御部202(判定部224)は、現在印刷中のジョブの最終紙までの欠陥検出が終わっているか否かを判定する(ステップS24)。例えば、エンジン制御部202(判定部224)は、印刷中ジョブの最終紙までの欠陥検出結果の通知を、検査制御部403から受信している場合、印刷中ジョブの最終紙までの欠陥検出が終わっていると判定する。
【0097】
印刷中ジョブの最終紙までの欠陥検出が終わっていない場合(ステップS24,No)、エンジン制御部202は、印刷中ジョブの最終紙までの欠陥検出が終わるまで待つ。印刷中ジョブの最終紙までの欠陥検出が終わっている場合(ステップS24,Yes)、印刷中ジョブの最終紙まで欠陥がなかったかを判定する(ステップS25)。
【0098】
印刷中ジョブの最終紙まで欠陥がなかった場合(ステップS25,Yes)、エンジン制御部202は、印刷処理部31に印刷処理を開始させる(ステップS26)。印刷中ジョブの最終紙まで欠陥があった場合(ステップS25,No)、エンジン制御部202は、印刷実行を中断し(ステップS27)、当該印刷中ジョブの欠陥を検出したページからリカバリ印刷を、印刷処理部31に実施させる(ステップS28)。
【0099】
エンジン制御部202は、ステップS27の処理により中断していた印刷実行開始前のジョブを、リカバリ印刷の完了を待ってから(ステップS24に戻る)、印刷処理部31に実施させる。もし、ステップS25の処理において、リカバリ印刷中に再度欠陥検出をした場合(ステップS25,No)、再度印刷実行を中断し(ステップS27)、リカバリ印刷を実施する(ステップS28)。すなわち、ステップS27で中断していた印刷の実行は、リカバリ印刷で欠陥検出がないことが分かってから再開される。
【0100】
以上、説明したように、実施形態の画像形成制御装置(エンジンコントローラ2)では、取得部221が、画像形成装置(プリントエンジン3)により先行ジョブに基づいて画像形成された記録媒体が、読取部400により読み取られた読取画像の検査結果を、検査装置4から取得する。再出力制御部222が、検査結果で欠陥が検出されたか否かを判定し、欠陥が検出された場合、欠陥が検出された記録媒体を画像形成装置に再出力させる。出力先制御部223が、欠陥の判定において正常であると判定された正常読取画像に対応する正常記録媒体を、第一のトレイ(
図5の例では、後処理トレイ500又は501)に出力するように制御し、欠陥の判定において欠陥が検知された欠陥読取画像に対応する欠陥記録媒体と、欠陥記録媒体の後続の後続記録媒体とを、第二のトレイ(
図5の例では、後処理トレイ502)に出力するように制御し、再出力される再出力記録媒体を前記第一のトレイに出力するように制御する。そして、判定部224が、先行ジョブの印刷条件、後続ジョブの印刷条件、及び、読取部400と出力先との位置関係から、後続ジョブの開始タイミングを判定する。
【0101】
これにより実施形態の画像形成制御装置(エンジンコントローラ2)によれば、ジョブが切り替わる直前で欠陥が検出されても、正常に印刷された記録媒体と、欠陥検出された記録媒体とが混じらないようにすることができる。例えば、欠陥検出用のトレイに欠陥検出したページを排紙できずに、欠陥検出したページが、正常トレイに排紙されるのを防ぐことができる。
【0102】
例えば、従来は、生産性を保つために既に後続ジョブの給紙がスタートしている場合があるが、先行ジョブで欠陥検出が起きると、再出力時にページ狂いが起きないようにするために正常に印刷されていたとしても一度破棄する必要があり、損紙となっていた。
【0103】
実施形態の画像形成制御装置(エンジンコントローラ2)によれば、例えば特許文献1のように複数の用紙を一次的に保持する中間トレイを備える後処理装置等の特殊な後処理周辺機を接続しなくても、従来周辺機のままで、欠陥検出したページが、正常トレイに排紙されるのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0104】
1 DFE
2 エンジンコントローラ
3 プリントエンジン
4 検査装置
5 後処理装置
10 CPU
20 RAM
30 ROM
31 印刷処理部
40 HDD
50 I/F
60 LCD
70 操作部
80 専用デバイス
90 バス
100 画像形成システム
201 データ取得部
202 エンジン制御部
203 ビットマップ送信部
221 取得部
222 再出力制御部
223 出力先制御部
224 判定部
225 設定部
300 給紙トレイ
301 レジストローラ
302 中間転写ベルト
303 感光体ドラム
304 二次転写ローラ
305 定着装置
306 反転ローラ
307 両面給紙ローラ
400 読取部
401 読取画像取得部
402 マスター画像生成部
403 検査制御部
404 比較検査部
406a及び406b 撮像部
421 少値多値変換処理部
422 解像度変換処理部
423 色変換処理部
424 サイズ変倍処理部
500~502 排紙トレイ(後処理トレイ)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0105】