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特開2024-62210遠隔コミュニケーションサーバ、遠隔コミュニケーションシステム、プログラム及び遠隔コミュニケーション方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062210
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】遠隔コミュニケーションサーバ、遠隔コミュニケーションシステム、プログラム及び遠隔コミュニケーション方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/54 20220101AFI20240430BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240430BHJP
   H04L 67/131 20220101ALI20240430BHJP
【FI】
H04L67/54
G06F3/0481
H04L67/131
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170064
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(71)【出願人】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】半田 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100203677
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 力
(72)【発明者】
【氏名】岡田 未央
(72)【発明者】
【氏名】半田 香
(72)【発明者】
【氏名】大澤 想
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 通孝
(72)【発明者】
【氏名】葛岡 英明
(72)【発明者】
【氏名】鳴海 拓志
(72)【発明者】
【氏名】和田 有史
(72)【発明者】
【氏名】塩崎 敬祐
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA56
5E555AA61
5E555BA02
5E555BA76
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC03
5E555BC09
5E555BD08
5E555CA18
5E555CA24
5E555CA42
5E555CB02
5E555DA23
5E555DB18
5E555DB32
5E555DB41
5E555DB53
5E555DD08
5E555EA03
5E555EA05
5E555EA20
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】仮想空間にログインする義務感を低減して、自然発生的及び気軽な遠隔コミュニケーションを誘発すること。
【解決手段】サーバ130は、複数のユーザに仮想空間を提供する出力データ生成部137と、仮想空間における複数のユーザの行動のログである行動ログから、複数のユーザに含まれる一人のユーザが仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、その一人のユーザが仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、その一人のユーザが仮想空間にログインする、又は、仮想空間からログアウトする予兆を、その複数のユーザの内、その一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示する提示部136と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザに仮想空間を提供する仮想空間提供部と、
前記仮想空間における前記複数のユーザの行動のログである行動ログから、前記複数のユーザに含まれる一人のユーザが前記仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、前記一人のユーザが前記仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、前記一人のユーザが前記仮想空間にログインする、又は、前記仮想空間からログアウトする予兆を、前記複数のユーザの内、前記一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示する提示部と、を備えること
を特徴とする遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項2】
前記一人のユーザは、前記複数のユーザの中から前記対象ユーザを選択して、前記提示部に設定することができること
を特徴とする請求項1に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項3】
前記提示部は、
前記対象ユーザがクライアント端末を用いて前記仮想空間にログインしている場合には、前記仮想空間提供部に指示することで、前記仮想空間において前記予兆を出力させ、
前記対象ユーザが前記仮想空間にログインしていない場合には、前記クライアント端末に指示を送ることにより、前記クライアント端末に前記予兆を出力させること
を特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項4】
前記仮想空間提供部は、前記仮想空間において、画像、テキスト及び音の少なくとも何れか一つを用いて前記予兆を出力すること
を特徴とする請求項3に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項5】
前記一人のユーザは、前記画像を用いるか、前記音を用いるか、前記画像及び前記音の両方を用いるか、を前記仮想空間提供部に設定できること
を特徴とする請求項4に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項6】
前記予兆を提示する時間は、前記一人のユーザが前記提示部に設定できること
を特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項7】
前記予兆を提示する時間を決定する提示時間決定部をさらに備えること
を特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項8】
前記提示時間決定部は、前記複数のユーザの何れかの予兆が前記仮想空間において常に提示されているように、前記時間を決定すること
を特徴とする請求項7に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項9】
前記提示部は、生活の中での前記一人のユーザの行動のログであるライフログから、前記一人のユーザの状態を予測して、前記一人のユーザの前記予兆とともに、前記状態を提示すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項10】
前記提示部は、前記状態から、前記一人のユーザの将来における状態を予測して、前記将来における状態を、前記一人のユーザに提示すること
を特徴とする請求項9に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項11】
前記提示部は、前記仮想空間提供部に、前記一人のユーザの行動に応じた痕跡を前記仮想空間において表示させること
を特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項12】
前記痕跡の内容は、前記一人のユーザが前記提示部に設定できること
を特徴とする請求項11に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項13】
前記痕跡の表示時間は、前記一人のユーザが前記提示部に設定できること
を特徴とする請求項11に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項14】
前記痕跡の表示時間を決定する提示時間決定部をさらに備えること
を特徴とする請求項11に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項15】
前記提示時間決定部は、前記複数のユーザの何れかの痕跡が前記仮想空間において常に表示されているように、前記表示時間を決定すること
を特徴とする請求項14に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項16】
前記痕跡の提示方法を決定する提示方法決定部をさらに備えること
を特徴とする請求項11に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項17】
前記痕跡の提示方法は、前記一人のユーザが前記提示方法決定部に予め設定し、
前記提示方法決定部は、前記一人のユーザの設定に従って、前記痕跡の提示方法を決定すること
を特徴とする請求項16に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項18】
前記提示方法決定部は、適応的に前記痕跡の提示方法を決定すること
を特徴とする請求項16に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【請求項19】
複数のユーザが使用する複数のクライアント端末と、前記複数のクライアント端末に仮想空間を提供する遠隔コミュニケーションサーバと、を備える遠隔コミュニケーションシステムであって、
前記遠隔コミュニケーションサーバは、
前記仮想空間を提供する仮想空間提供部と、
前記仮想空間における前記複数のユーザの行動のログである行動ログから、前記複数のユーザに含まれる一人のユーザが前記仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、前記一人のユーザが前記仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、前記一人のユーザが前記仮想空間にログインする、又は、前記仮想空間からログアウトする予兆を、前記複数のユーザの内、前記一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示する提示部と、を備えること
を特徴とする遠隔コミュニケーションシステム。
【請求項20】
コンピュータを、
複数のユーザに仮想空間を提供する仮想空間提供部、及び、
前記仮想空間における前記複数のユーザの行動のログである行動ログから、前記複数のユーザに含まれる一人のユーザが前記仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、前記一人のユーザが前記仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、前記一人のユーザが前記仮想空間にログインする、又は、前記仮想空間からログアウトする予兆を、前記複数のユーザの内、前記一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示する提示部、として機能させること
を特徴とするプログラム。
【請求項21】
仮想空間提供部が、複数のユーザに仮想空間を提供し、
提示部が、前記仮想空間における前記複数のユーザの行動のログである行動ログから、前記複数のユーザに含まれる一人のユーザが前記仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、前記一人のユーザが前記仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、前記一人のユーザが前記仮想空間にログインする、又は、前記仮想空間からログアウトする予兆を、前記複数のユーザの内、前記一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示すること
を特徴とする遠隔コミュニケーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遠隔コミュニケーションサーバ、遠隔コミュニケーションシステム、プログラム及び遠隔コミュニケーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のユーザが参加する仮想空間が使用されている。仮想空間では、ユーザは、他のユーザと遠隔コミュニケーションを図ることが可能である。しかしながら、遠隔コミュニケーションを図ることができるユーザは、仮想空間にログインしているユーザに限定され、仮想空間にログインしていないユーザとは遠隔コミュニケーションを図ることができない。
【0003】
これに対して、特許文献1には、仮想空間において過去に行われたイベントを、そのイベントに参加していなかったユーザの端末で再生できるようにする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-255075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術は、過去のイベントの再生は可能であるが、他のユーザと遠隔コミュニケーションを図るためには、そのユーザと遠隔コミュニケーションを行うための時間を調整しなければならない。このため、遠隔コミュニケーションの予定を入れたユーザは、予定された時間に仮想空間に必ずログインしなければならないという義務感を感じて、自然発生的又は気軽な遠隔コミュニケーションを図ることができない。
【0006】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、仮想空間にログインする義務感を低減して、自然発生的及び気軽な遠隔コミュニケーションを誘発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る遠隔コミュニケーションサーバは、複数のユーザに仮想空間を提供する仮想空間提供部と、前記仮想空間における前記複数のユーザの行動のログである行動ログから、前記複数のユーザに含まれる一人のユーザが前記仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、前記一人のユーザが前記仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、前記一人のユーザが前記仮想空間にログインする、又は、前記仮想空間からログアウトする予兆を、前記複数のユーザの内、前記一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示する提示部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本開示の一態様に係る遠隔コミュニケーションシステムは、複数のユーザが使用する複数のクライアント端末と、前記複数のクライアント端末に仮想空間を提供する遠隔コミュニケーションサーバと、を備える遠隔コミュニケーションシステムであって、前記遠隔コミュニケーションサーバは、前記仮想空間を提供する仮想空間提供部と、前記仮想空間における前記複数のユーザの行動のログである行動ログから、前記複数のユーザに含まれる一人のユーザが前記仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、前記一人のユーザが前記仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、前記一人のユーザが前記仮想空間にログインする、又は、前記仮想空間からログアウトする予兆を、前記複数のユーザの内、前記一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示する提示部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、複数のユーザに仮想空間を提供する仮想空間提供部、及び、前記仮想空間における前記複数のユーザの行動のログである行動ログから、前記複数のユーザに含まれる一人のユーザが前記仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、前記一人のユーザが前記仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、前記一人のユーザが前記仮想空間にログインする、又は、前記仮想空間からログアウトする予兆を、前記複数のユーザの内、前記一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示する提示部、として機能させることを特徴とする。
【0010】
本開示の一態様に係る遠隔コミュニケーション方法は、仮想空間提供部が、複数のユーザに仮想空間を提供し、提示部が、前記仮想空間における前記複数のユーザの行動のログである行動ログから、前記複数のユーザに含まれる一人のユーザが前記仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、前記一人のユーザが前記仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、前記一人のユーザが前記仮想空間にログインする、又は、前記仮想空間からログアウトする予兆を、前記複数のユーザの内、前記一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一又は複数の態様によれば、仮想空間にログインする義務感を低減して、自然発生的及び気軽な遠隔コミュニケーションを誘発することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1~3に係る遠隔コミュニケーションシステムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2】実施の形態1及び3におけるクライアント端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図3】コンピュータの一例を示すブロック図である。
図4】実施の形態1及び3におけるサーバの構成を概略的に示すブロック図である。
図5】仮想空間画像の一例を示す概略図である。
図6】実施の形態2におけるクライアント端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図7】実施の形態2におけるサーバの構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る遠隔コミュニケーションシステム100の構成を概略的に示すブロック図である。
遠隔コミュニケーションシステム100は、クライアント端末110と、サーバ130とを備える。
クライアント端末110は、少なくとも一つあればよい。
【0014】
クライアント端末110と、サーバ130とは、インターネット等のネットワーク101に接続されている。クライアント端末110は、ネットワーク101を介してサーバ130にアクセスすることにより、サーバ130が提供する仮想空間に参加することができる。ユーザは、仮想空間に参加するためには、クライアント端末110を用いて、仮想空間にログインする必要がある。サーバ130は、クライアント端末110に遠隔コミュニケーションのための仮想空間を提供する遠隔コミュニケーションサーバとして機能する。
【0015】
図2は、実施の形態1におけるクライアント端末110の構成を概略的に示すブロック図である。
クライアント端末110は、通信部111と、出力部112と、入力部113と、撮像部114と、記憶部115と、制御部120とを備える。
【0016】
通信部111は、ネットワーク101を介した通信を行う。
出力部112は、情報を出力する。例えば、出力部112は、情報を表示する表示画面を表示する。また、出力部112は、情報を示す音声を出力してもよい。
【0017】
入力部113は、指示の入力を受け付ける。
撮像部114は、対象を撮像して、その画像を取得する。
記憶部115は、クライアント端末110での処理に必要な情報及びプログラムを記憶する。
【0018】
制御部120は、クライアント端末110での処理を制御する。
制御部120は、処理部121と、行動ログ取得部122と、出力処理部123とを備える。
【0019】
処理部121は、クライアント端末110での処理を実行する。
例えば、処理部121は、通信部111を介してサーバ130にアクセスし、サーバ130が提供する仮想空間にログインする。そして、処理部121は、サーバ130からの出力データを処理することで、ユーザが仮想空間に参加できるようにする。
【0020】
そして、処理部121は、入力部113を介して、ユーザからの指示を受けて、その仮想空間での行動を制御する。
具体的には、処理部121は、入力部113を介して、ユーザから、仮想空間へのログイン、仮想空間での行動、及び、仮想空間からのログアウトに関する指示であるクライアント指示を受け付けて、そのクライアント指示を、通信部111を介して、サーバ130に送る。
【0021】
また、処理部121は、クライアント端末110での他の処理についても実行する。例えば、クライアント端末110に記憶されている様々なプログラムを実行することで、クライアント端末110での処理を実行する。具体的には、処理部121は、クライアント端末110の電源のオン及びオフの処理、通信処理、アラーム鳴動処理、撮像処理、その他の処理を実行する。
【0022】
行動ログ取得部122は、処理部121での処理を監視することで、ユーザが仮想空間で行った行動の履歴である行動ログを取得して、その行動ログを示す行動ログ情報を生成する。そして、行動ログ取得部122は、通信部111を介して、その行動ログ情報をサーバ130に送る。なお、行動ログ情報には、クライアント端末110を使用しているユーザを識別するための識別情報であるユーザ識別情報が含まれるものとする。
【0023】
例えば、行動ログ取得部122は、ユーザが予め定められた行動をした場合に、少なくとも、その行動を識別するための識別情報である行動識別情報と、その行動が行われた日時と、仮想空間においてその行動が行われた場所とを行動ログとして取得するものとする。
【0024】
出力処理部123は、サーバ130からの指示に応じて、サーバ130が提供する仮想空間に他のユーザがログインする予兆を、出力部112に出力させる。例えば、出力処理部123は、クライアント端末110のユーザが仮想空間にログインしていない場合に、サーバ130からの指示に応じて、他のユーザの予兆を出力部112に出力させる。
【0025】
以上に記載されたクライアント端末110は、例えば、図3に示されているようなコンピュータ10で実現することができる。
コンピュータ10は、メモリ11と、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ12と、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置13と、NIC(Network Interface Card)の通信インターフェース(以下、通信I/Fという)14と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置15と、キーボード又はマウス等の入力装置16とを備える。
【0026】
例えば、通信部111は、プロセッサ12が通信I/F14を利用することで実現可能である。
出力部112は、プロセッサ12が出力装置15を利用することで実現可能である。
入力部113は、プロセッサ12が入力装置16を利用することで実現可能である。
記憶部115は、プロセッサ12が補助記憶装置13を利用することで実現可能である。
なお、撮像部114は、図示しないカメラにより実現することができる。
【0027】
制御部120は、プロセッサ12が補助記憶装置13に記憶されているプログラムをメモリ11にロードして、そのプログラムを実行することで実現可能である。
なお、そのプログラムは、図示しないリーダ/ライタを介して記憶媒体から、又は、通信I/F14を介してネットワーク101から、補助記憶装置13にダウンロードされ、それから、メモリ11上にロードされてプロセッサ12により実行されるようにしてもよい。また、そのプログラムは、リーダ/ライタを介して記憶媒体から、あるいは、通信I/F14を介してネットワーク101から、メモリ11上に直接ロードされ、プロセッサ12により実行されるようにしてもよい。ここでの記憶媒体は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であることが望ましい。
【0028】
図4は、実施の形態1におけるサーバ130の構成を概略的に示すブロック図である。
サーバ130は、通信部131と、取得部132と、記憶部140と、提示設定決定部133と、提示時間決定部134と、提示方法決定部135と、提示部136と、出力データ生成部137とを備える。
【0029】
通信部131は、ネットワーク101を介した通信を行う。
取得部132は、通信部131を介して、サーバ130での処理に必要な情報を取得する。
例えば、取得部132は、クライアント端末110から、行動ログ情報を取得する。
また、取得部132は、クライアント端末110から、クライアント端末110のユーザが仮想空間に参加する際の種々の設定に関する情報を取得する。
さらに、取得部132は、クライアント端末110から、仮想空間へのログイン、仮想空間での行動、及び、仮想空間からのログアウトに関する指示であるクライアント指示を取得する。クライアント指示は、提示部336に与えられる。
【0030】
記憶部140は、サーバ130での処理に必要な情報及びプログラムを記憶する。
例えば、記憶部140は、行動ログデータベース(以下、行動ログDBという)141と、ユーザ情報データベース(以下、ユーザ情報DBという)142と、仮想環境データベース(以下、仮想環境DBという)143とを有する。
【0031】
行動ログDB141は、ユーザ毎に、クライアント端末110から送られてきた行動ログ情報を記憶する。
【0032】
ユーザ情報DB142は、ユーザ毎に、仮想空間におけるユーザに関する設定を示すユーザ情報を記憶する。ユーザ情報としては、例えば、仮想空間においてユーザの姿を表す画像であるアバター、及び、仮想空間においてユーザを識別するための識別情報である仮想ユーザ識別情報としてのアカウント名等がある。なお、ユーザ情報については、ユーザが仮想空間に参加する前、及び、ユーザが仮想空間に参加した後に、クライアント端末110の入力部113を介して、ユーザが入力するものとする。
【0033】
仮想環境DB143は、ユーザに仮想空間を提供するために必要な情報を記憶する。例えば、仮想空間における背景の画像、オブジェクトの画像、及び、後述する予兆の画像等の情報が記憶される。
【0034】
提示設定決定部133は、提示部136において、後述する予兆を提示するための条件を設定する。なお、条件は、例えば、仮想空間の管理者からの入力を受け付けることで、決定されればよい。例えば、提示設定決定部133は、予兆を提示するか否かを判断するための閾値を決定する。
【0035】
提示時間決定部134は、提示部136において、予兆を提示するための時間である提示時間を決定する。例えば、提示時間決定部134は、複数のユーザの何れかの予兆が仮想空間において常に提示されているように、提示時間を決定する。具体的には、提示時間決定部134は、予め定められた最低時間以上の時間であり、かつ、別の予兆が提示される時間と重複するように、ある予兆を提示する時間を決定する。言い換えると、提示時間決定部134は、仮想空間において、予兆が提示されていない時間が生じないように、ある予兆の提示時間を決定する。
【0036】
なお、提示時間決定部134は、ユーザ情報DB142において、あるユーザの予兆の提示時間が予め設定されている場合には、提示時間を、その設定されている時間に決定する。言い換えると、予兆の提示時間は、その予兆の対象となるユーザが設定することができる。
【0037】
提示方法決定部135は、予兆の提示方法を決定する。
例えば、提示方法決定部135は、ユーザ情報DB142において、あるユーザの予兆の提示方法が予め設定されている場合には、提示方法を、その設定されている方法に決定する。
また、提示方法決定部135は、ユーザが仮想空間にログインしている場合には、仮想空間の背景に応じて、予兆の提示方法を決定してもよい。例えば、ユーザに提供される仮想空間の背景が、そのユーザによって変更できる場合には、このような方法で決定することができる。なお、ユーザ毎の背景については、ユーザ情報DB142に記憶されているユーザ情報に含まれていればよい。
【0038】
さらに、提示方法決定部135は、予兆の提示方法について、他のユーザからの評価を受け付けることができる場合には、他のユーザの評価が最も高い提示方法を決定することができる。
なお、提示方法決定部135での提示方法の決定方法については、ユーザ毎に設定できるものとし、ユーザ情報DB142に記憶されているユーザ情報に含まれているものとする。
【0039】
提示部136は、取得部132からクライアント指示を受け取ると、クライアント指示に応じた仮想空間の画面を生成するように、出力データ生成部137に指示する。
【0040】
提示部136は、仮想空間における複数のユーザの行動のログである行動ログから、その複数のユーザに含まれる一人のユーザが仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、その一人のユーザが仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、その一人のユーザが仮想空間にログインする、又は、仮想空間からログアウトする予兆を、その複数のユーザの内、その一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示する。その一人のユーザは、その対象ユーザを複数のユーザから選択して、提示部136に設定することができる。例えば、選択された対象ユーザについては、ユーザ情報に含まれていればよい。第1の閾値と、第2の閾値とは、同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。
【0041】
例えば、提示部136は、行動ログDB141に記憶されている行動ログ情報を参照することで、ユーザ毎に、ログイン時間と、ログアウト時間とを確認することで、ユーザ毎に、時間帯毎のログイン確率及びログアウト確率を算出する。ログイン確率は、直近の一ヶ月といったように、予め定められた期間において、そのユーザがログインした回数に対する、時間帯毎にそのユーザがログインした回数の割合として算出することができる。また、ログアウト確率は、その予め定められた期間において、そのユーザがログアウトした回数に対する、時間帯毎にそのユーザがログアウトした回数の割合として算出することができる。
【0042】
提示部136は、ユーザ毎に算出したログイン確率が、提示設定決定部133で決定されている閾値以上である場合、又は、ユーザ毎に算出したログアウト確率が、提示設定決定部133で決定されている閾値以上である場合に、予兆を提示することを決定する。ここでは、予兆を提示することとしたユーザを、予兆提示ユーザとする。
また、提示部136は、ログイン確率又はログアウト確率が閾値以上となる時間帯になった場合に、予兆を提示することを決定してもよく、ログイン確率又はログアウト確率が閾値以上となる時間帯よりも予め定められた時間だけ前に、予兆を提示することを決定してもよい。
【0043】
提示部136は、対象ユーザがクライアント端末110を用いて仮想空間にログインしている場合には、出力データ生成部137に指示することで、仮想空間においてその予兆を出力させる。例えば、提示部136は、予兆提示ユーザの予兆を提示するように、出力データ生成部137に指示する。この場合、提示部136は、提示時間決定部134で決定された提示時間及び提示方法決定部135で決定された提示方法をその指示に含める。
【0044】
また、提示部136は、対象ユーザが仮想空間にログインしていない場合には、クライアント端末110に指示を送ることにより、そのクライアント端末110にその予兆を出力させる。例えば、提示部136は、通信部131を介して、仮想空間にログインしていないユーザが使用しているクライアント端末110に、予兆提示ユーザの予兆を提示するように指示する。このようなクライアント端末110を対象クライアント端末ともいう。
【0045】
出力データ生成部137は、複数のユーザに仮想空間を提供する仮想空間提供部として機能する。
例えば、出力データ生成部137は、ユーザが仮想空間にログインした場合に、提示部136からの指示に応じて、ユーザ情報DB142に記憶されているそのユーザのユーザ情報に従って、仮想環境DB143に記憶されている情報を用いて、仮想空間を表す出力データを生成する。そして、出力データ生成部137は、通信部131を介して、その出力データを、そのユーザが使用するクライアント端末110に送る。
【0046】
また、出力データ生成部137は、提示部136からの指示に応じて、その指示に含まれている提示時間だけ、その指示に含まれている提示方法で、予兆提示ユーザがログインすることを示す予兆出力をその仮想空間に含めることで、出力データを生成する。具体的には、出力データ生成部137は、仮想空間において、画像及び音の少なくとも何れか一方を用いて予兆を出力する。なお、予兆の対象となる一人のユーザは、画像を用いるか、音を用いるか、画像及び音の両方を用いるかを、提示部136を介して出力データ生成部137に設定できる。
【0047】
例えば、提示方法が、予兆を表す画像を示すことである場合、出力データ生成部137は、そのような画像である予兆画像を出力データに含めることで、仮想空間にその予兆画像を登場させる。
また、提示方法が、予兆を表す音を示すことである場合、出力データ生成部137は、そのような音である予兆音を出力データに含めることで、仮想空間にその予兆音を登場させる。
なお、提示部136からの指示に、予兆を提示するユーザである対象ユーザが含まれている場合には、出力データ生成部137は、その対象ユーザに提供する仮想空間にのみ予兆を提示する。
【0048】
図5は、予兆画像を含む仮想空間画像の一例を示す概略図である。
図5に示されているように、仮想空間画像102では、下方右端に「konekoさんがログインしそうです」という文字列が表示され、「koneko」のアカウント名を有するユーザがログインしそうである予兆が示されている。
【0049】
なお、実施の形態1では、図5に示されているように、仮想空間において、予兆がテキストである文字列で示されてもよく、例えば、予兆を表すシンボル等の記号又は絵が表示されてもよい。
また、ログインしていないユーザには、例えば、クライアント端末110の表示画面の一部に、予兆を示すシンボル、文字列又は絵等が表示されてもよく、音声等で予兆が示されてもよい。
【0050】
以上に記載されたサーバ130も、例えば、図3に示されているようなコンピュータ10で実現することができる。
例えば、通信部131は、プロセッサ12が通信I/F14を利用することで実現可能である。
記憶部140は、プロセッサ12が補助記憶装置13を利用することで実現可能である。
【0051】
取得部132、提示設定決定部133、提示時間決定部134、提示方法決定部135、提示部136及び出力データ生成部137は、プロセッサ12が補助記憶装置13に記憶されているプログラムをメモリ11にロードして、そのプログラムを実行することで実現可能である。
【0052】
以上のように、実施の形態1では、ユーザの過去の行動ログから、ユーザのログイン時期又はログアウト時期を推定し、他のユーザへ「予兆」を提示することができるため、他のユーザとの自発的な交流を促すことができる。このような自発的な交流は、義務感を感じさせることがないため、気軽に交流を行うことができる。
【0053】
また、他のユーザの予兆の提示を受けることにより、ユーザの自発的な行動の意思決定を促し、これにより、そのユーザの気持ちの切り替え、又は、そのユーザに時間経過を意識させることができる。
【0054】
以上に記載された実施の形態1では、クライアント端末110の行動ログ取得部122が行動ログを取得しているが、実施の形態1は、このような例に限定されない。例えば、サーバ130の提示部136又は出力データ生成部137が行動ログを取得して、行動ログDB141に記憶させてもよい。
【0055】
実施の形態2.
図1に示されているように、実施の形態2に係る遠隔コミュニケーションシステム200は、クライアント端末210と、サーバ230とを備える。
クライアント端末210は、少なくとも一つあればよい。
【0056】
図6は、実施の形態2におけるクライアント端末210の構成を概略的に示すブロック図である。
クライアント端末210は、通信部111と、出力部112と、入力部113と、撮像部114と、記憶部115と、制御部220とを備える。
【0057】
実施の形態2におけるクライアント端末210の通信部111、出力部112、入力部113、撮像部114及び記憶部115は、実施の形態1におけるクライアント端末110の通信部111、出力部112、入力部113、撮像部114及び記憶部115と同様である。
【0058】
制御部220は、クライアント端末210での処理を制御する。
制御部220は、処理部221と、行動ログ取得部122と、出力処理部223と、ライフログ取得部224とを備える。
実施の形態2における制御部220の行動ログ取得部122は、実施の形態1における制御部120の行動ログ取得部122と同様である。
【0059】
処理部221は、クライアント端末210での処理を実行する。
実施の形態2における処理部221は、実施の形態1における処理部121とほぼ同様の処理を行うが、サーバ230が提供する仮想空間にログインして、その仮想空間において予兆提示ユーザの予兆を提示する際に、その予兆提示ユーザの状態も提示する。
【0060】
出力処理部223は、サーバ130からの指示に応じて、サーバ130が提供する仮想空間に予兆提示ユーザがログインする予兆、又は、その仮想空間から予兆提示ユーザがログアウトする予兆を、出力部112に出力させる。実施の形態2では、出力処理部223は、予兆を出力させる際に、予兆提示ユーザの状態も提示させる。
【0061】
また、出力処理部223は、サーバ230からユーザの状態の予測結果が送られてきた場合には、通信部111を介して、その予測結果を受け取り、出力部112にその予測結果を出力させる。
【0062】
ライフログ取得部224は、クライアント端末110の動作を監視することで、クライアント端末110のユーザが、仮想空間以外の生活空間で行った行動の履歴であるライフログを取得して、そのライフログを示すライフログ情報を生成する。そして、ライフログ取得部224は、通信部111を介して、そのライフログ情報をサーバ230に送る。なお、ライフログ情報には、クライアント端末110を使用しているユーザのユーザ識別情報が含まれるものとする。
【0063】
例えば、ライフログ取得部224は、ユーザが予め定められた行動をした場合に、少なくとも、その行動を識別するための識別情報である行動識別情報と、その行動が行われた日時とをライフログとして取得するものとする。具体的には、ライフログ取得部224は、入力部113へのユーザの入力、及び、撮像部114により撮像されたユーザの画像等を監視して、ライフログを取得するものとする。
【0064】
図7は、実施の形態2におけるサーバ230の構成を概略的に示すブロック図である。
サーバ230は、通信部131と、取得部232と、記憶部240と、提示設定決定部133と、提示時間決定部134と、提示方法決定部135と、提示部236と、出力データ生成部237とを備える。
実施の形態2におけるサーバ230の通信部131、提示設定決定部133、提示時間決定部134及び提示方法決定部135は、実施の形態1におけるサーバ130の通信部131、提示設定決定部133、提示時間決定部134及び提示方法決定部135と同様である。
【0065】
取得部232は、通信部131を介して、サーバ230での処理に必要な情報を取得する。実施の形態2における取得部232は、実施の形態1における取得部132と同様の処理を行う他、以下の処理を行う。
取得部232は、クライアント端末210からライフログ情報も取得する。
【0066】
記憶部240は、サーバ230での処理に必要な情報及びプログラムを記憶する。
例えば、記憶部240は、行動ログDB141と、ユーザ情報DB142と、仮想環境DB143と、ライフログデータベース(以下、ライフログDBという)244とを有する。
実施の形態2における記憶部240の行動ログDB141、ユーザ情報DB142及び仮想環境DB143は、実施の形態1における記憶部140の行動ログDB141、ユーザ情報DB142及び仮想環境DB143と同様である。
【0067】
ライフログDB244は、ユーザ毎に、クライアント端末210から送られてきたライフログ情報を記憶する。
【0068】
提示部236は、実施の形態1における提示部136と同様の処理を行う他、以下の処理を行う。
提示部236は、複数のユーザの内の予兆を判断した一人のユーザである予兆提示ユーザの生活の中での行動のログであるライフログから、その予兆提示ユーザの状態を予測して、その予兆提示ユーザの予兆とともに、その状態を提示する。例えば、提示部236は、ライフログDB244に記憶されているライフログ情報を参照することで、ユーザ毎に、ユーザの状態を判断する。そして、提示部236は、予兆提示ユーザの予兆を提示する際に、予兆提示ユーザの状態も提示するように指示する。
【0069】
具体的には、ライフログとしてユーザの入力に関する情報が含まれている場合には、提示部236は、入力の速度又は入力ミスの回数等からユーザの疲労度又はやる気等を状態として特定することができる。また、ライフログとして撮像されたユーザの画像が含まれている場合には、提示部236は、その画像から、ユーザの疲労度、やる気又は感情を状態として特定することができる。
【0070】
なお、提示部236は、出力データ生成部237への指示及びクライアント端末210への指示に、予兆提示ユーザの状態を含める。
【0071】
さらに、提示部236は、予測したユーザの状態から、そのユーザの将来における状態を予測して、その将来における状態を、そのユーザに提示する。
例えば、提示部236は、ユーザ毎に、現在の状態から、将来の状態を予測する。将来の状態の予測は、例えば、予め機械学習を行うことで取得された予測モデルを用いて行えばよい。そして、提示部236は、通信部131を介して、その予測結果をクライアント端末210に送ることで、クライアント端末210にその予測結果をユーザに提示させる。
【0072】
ここでの予測は、例えば、現在の疲労度から将来のある時点における疲労度であったり、現在の疲労度から現在休憩を取れば、将来のある時点における疲労度の軽減率であったりすればよい。
このような予測は、周期的に行われてもよく、ログイン時又はログインしてから予め定められた時間が経過したとき等のように予め定められた時に行われてもよい。
【0073】
出力データ生成部237は、実施の形態1における出力データ生成部137と同様の処理を行う他、以下の処理を行う。
出力データ生成部237は、提示部236からの指示に応じて、予兆出力を仮想空間に含める際に、予兆提示ユーザの状態を予兆出力に含める。
【0074】
以上のように、実施の形態2では、ユーザに対して、現在の状態からの予測される結果をフィードバックすることで、適切な休憩を取る等の自発的な行動を促進することができる。
また、他のユーザの状態を提示することで、他のユーザの状態に応じた行動を自発的にとることができるようになる。
【0075】
実施の形態3.
図1に示されているように、実施の形態3に係る遠隔コミュニケーションシステム300は、クライアント端末110と、サーバ330とを備える。
実施の形態3に係る遠隔コミュニケーションシステム300のクライアント端末110は、実施の形態1に係る遠隔コミュニケーションシステム100のクライアント端末110と同様である。
【0076】
図4に示されているように、実施の形態3におけるサーバ330は、通信部131と、取得部132と、記憶部340と、提示設定決定部133と、提示時間決定部334と、提示方法決定部335と、提示部336と、出力データ生成部337とを備える。
実施の形態3におけるサーバ330の通信部131、取得部132及び提示設定決定部133は、実施の形態1におけるサーバ130の通信部131、取得部132及び提示設定決定部133と同様である。
【0077】
記憶部340は、サーバ330での処理に必要な情報及びプログラムを記憶する。
例えば、記憶部340は、行動ログDB141と、ユーザ情報DB142と、仮想環境DB343とを有する。
実施の形態3における記憶部340の行動ログDB141及びユーザ情報DB142は、実施の形態1における記憶部140の行動ログDB141及びユーザ情報DB142と同様である。
【0078】
仮想環境DB343は、ユーザに仮想空間を提供するために必要な情報を記憶する。実施の形態3では、仮想環境DB343は、実施の形態1と同様の内容を記憶する他、後述する痕跡を表示するための情報も記憶する。痕跡は、過去に仮想空間にログインしていたユーザの存在及び行動の少なくとも何れか一方を間接的に示す画像又はテキストである。
【0079】
提示時間決定部334は、提示部336において、予兆を提示するための提示時間及び痕跡を表示するための時間である表示時間を決定する。予兆の提示時間の決定方法は、実施の形態1と同様である。
提示時間決定部334は、複数のユーザの何れかの痕跡が仮想空間において常に表示されているように、あるユーザの痕跡の表示時間を決定すればよい。
具体的には、提示時間決定部334は、予め定められた最低時間以上の時間であり、かつ、別の痕跡が表示される時間と重複するように、ある痕跡を表示する時間を決定する。即ち、提示時間決定部334は、仮想空間において、必ず痕跡が表示されているように、言い換えると、痕跡が表示されていない時間が生じないように、ある痕跡の表示時間を決定する。
【0080】
なお、提示時間決定部334は、ユーザ情報DB342において、あるユーザの痕跡の表示時間が予め設定されている場合には、痕跡の表示時間を、その設定されている時間に決定する。言い換えると、痕跡の表示時間は、痕跡を残すユーザが決定することができる。
【0081】
提示方法決定部335は、予兆の提示方法及び痕跡の表示方法を決定する。予兆の提示方法は、実施の形態1と同様である。
例えば、提示方法決定部335は、ユーザ情報DB342において、あるユーザの痕跡の表示方法が予め設定されている場合には、表示方法を、その設定されている方法に決定する。表示方法の設定は、システムの管理者が行ってもよく、痕跡を残すユーザが任意に選択してもよい。例えば、痕跡を残すユーザは、デフォルトで決められている画像にするか、ユーザが作成した画像等の任意の画像にするかを選択すればよい。
【0082】
また、提示方法決定部335は、適応的に痕跡の表示方法を決定してもよい。例えば、提示方法決定部335は、仮想空間の背景に応じて、痕跡の表示方法を決定してもよい。具体的には、提示方法決定部335は、背景に応じて、最も視認性が高まる配色、配置及び効果を、画像処理技術又は機械学習により選択してもよい。ここでの効果は、痕跡を光らせる又は動かす等の表示効果である。また、提示方法決定部335は、痕跡が表示され始めてからの経過時間に応じて、痕跡の表示方法を決定してもよい。具体的には、提示方法決定部335は、痕跡が表示され始めてからの経過時間に応じて、痕跡が次第に薄れるようにしてもよく、痕跡の表示が次第に崩壊していくようにしてもよい。
【0083】
さらに、提示方法決定部335は、痕跡の表示方法について、他のユーザからの評価を受け付けることができる場合には、他のユーザの評価が最も高い表示方法で、痕跡を表示することもできる。
なお、提示方法決定部335での表示方法の決定方法については、ユーザ毎に設定できるものとし、ユーザ情報DB342に記憶されているユーザ情報に含まれているものとする。
【0084】
提示部336は、実施の形態1と同様の処理を行う他、以下の処理を行う。
提示部336は、出力データ生成部337に、仮想空間において、あるユーザの行動に応じた痕跡を表示させる。
【0085】
例えば、提示部336は、仮想空間にログインしているユーザが、痕跡を残すことを示すクライアント指示を入力した場合には、ユーザがログアウトした場合、又は、ユーザから指定された時間となった場合に、その痕跡を仮想空間に表示するように、出力データ生成部337に指示を出す。ユーザは、クライアント指示で、痕跡の内容、痕跡を表示する時間、及び、痕跡を表示する他のユーザの少なくとも何れか一つを定めることができるものとする。
【0086】
また、提示部336は、仮想空間にログインしているユーザが特定の行動を行った場合、例えば、仮想空間における一つの場所に、予め定められた閾値を超えて滞在した場合、仮想空間においておやつを食べた場合、又は、仮想空間において物若しくはサービスを購入した場合に、その痕跡を仮想空間に残してもよい。なお、ユーザがログインしてからログアウトするまでに、予め定められた閾値を超えて滞在した場所が複数ある場合には、全ての場所に痕跡が残されてもよく、最も長く滞在した場所に痕跡が残されてもよい。この場合には、提示部336は、ユーザがログアウトした場合に、その痕跡を仮想空間に表示するように、出力データ生成部337に指示を出す。
【0087】
出力データ生成部337は、実施の形態1と同様の処理を行う他、以下の処理を行う。
出力データ生成部337は、提示部336からの指示に応じて、仮想空間を表す出力データに、指示された痕跡を含める。痕跡の画像又はテキストについては、仮想環境DB343に記憶されているものとする。
【0088】
図5に示されているように、仮想空間画像102では、おやつを食べた痕跡を示す画像103a~103cが表示されている。
【0089】
以上のように、実施の形態3によれば、ユーザは、ログアウトした他のユーザの痕跡を仮想空間で見ることができるため、非同期な時間差でのコミュニケーションを図ることができる。
【0090】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0091】
(付記1)
複数のユーザに仮想空間を提供する仮想空間提供部と、
前記仮想空間における前記複数のユーザの行動のログである行動ログから、前記複数のユーザに含まれる一人のユーザが前記仮想空間にログインする可能性が第1の閾値以上の場合、又は、前記一人のユーザが前記仮想空間からログアウトする可能性が第2の閾値以上の場合に、前記一人のユーザが前記仮想空間にログインする、又は、前記仮想空間からログアウトする予兆を、前記複数のユーザの内、前記一人のユーザとは別のユーザである対象ユーザに提示する提示部と、を備えること
を特徴とする遠隔コミュニケーションサーバ。
【0092】
(付記2)
前記一人のユーザは、前記複数のユーザの中から前記対象ユーザを選択して、前記提示部に設定することができること
を特徴とする付記1に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0093】
(付記3)
前記提示部は、
前記対象ユーザがクライアント端末を用いて前記仮想空間にログインしている場合には、前記仮想空間提供部に指示することで、前記仮想空間において前記予兆を出力させ、
前記対象ユーザが前記仮想空間にログインしていない場合には、前記クライアント端末に指示を送ることにより、前記クライアント端末に前記予兆を出力させること
を特徴とする付記1又は2に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0094】
(付記4)
前記仮想空間提供部は、前記仮想空間において、画像、テキスト及び音の少なくとも何れか一つを用いて前記予兆を出力すること
を特徴とする付記3に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0095】
(付記5)
前記一人のユーザは、前記画像を用いるか、前記音を用いるか、前記画像及び前記音の両方を用いるか、を前記仮想空間提供部に設定できること
を特徴とする付記4に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0096】
(付記6)
前記予兆を提示する時間は、前記一人のユーザが前記提示部に設定できること
を特徴とする付記1から5の何れか一つに記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0097】
(付記7)
前記予兆を提示する時間を決定する提示時間決定部をさらに備えること
を特徴とする付記1から5の何れか一つに記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0098】
(付記8)
前記提示時間決定部は、前記複数のユーザの何れかの予兆が前記仮想空間において常に提示されているように、前記時間を決定すること
を特徴とする付記7に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0099】
(付記9)
前記提示部は、生活の中での前記一人のユーザの行動のログであるライフログから、前記一人のユーザの状態を予測して、前記一人のユーザの前記予兆とともに、前記状態を提示すること
を特徴とする付記1から8の何れか一つに記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0100】
(付記10)
前記提示部は、前記状態から、前記一人のユーザの将来における状態を予測して、前記将来における状態を、前記一人のユーザに提示すること
を特徴とする付記9に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0101】
(付記11)
前記提示部は、前記仮想空間提供部に、前記一人のユーザの行動に応じた痕跡を前記仮想空間において表示させること
を特徴とする付記1から10の何れか一つに記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0102】
(付記12)
前記痕跡の内容は、前記一人のユーザが前記提示部に設定できること
を特徴とする付記11に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0103】
(付記13)
前記痕跡の表示時間は、前記一人のユーザが前記提示部に設定できること
を特徴とする付記11又は12に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0104】
(付記14)
前記痕跡の表示時間を決定する提示時間決定部をさらに備えること
を特徴とする付記11又は12に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0105】
(付記15)
前記提示時間決定部は、前記複数のユーザの何れかの痕跡が前記仮想空間において常に表示されているように、前記表示時間を決定すること
を特徴とする付記14に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0106】
(付記16)
前記痕跡の提示方法を決定する提示方法決定部をさらに備えること
を特徴とする付記11に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0107】
(付記17)
前記痕跡の提示方法は、前記一人のユーザが前記提示方法決定部に予め設定し、
前記提示方法決定部は、前記一人のユーザの設定に従って、前記痕跡の提示方法を決定すること
を特徴とする付記16に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【0108】
(付記18)
前記提示方法決定部は、適応的に前記痕跡の提示方法を決定すること
を特徴とする付記16に記載の遠隔コミュニケーションサーバ。
【符号の説明】
【0109】
100,200,300 遠隔コミュニケーションシステム、 110,210 クライアント端末、 111 通信部、 112 出力部、 113 入力部、 114 撮像部、 115 記憶部、 120,220 制御部、 121,221 処理部、 122 行動ログ取得部、 123,223 出力処理部、 224 ライフログ取得部、 130,230,330 サーバ、 131 通信部、 132,232 取得部、 133 提示設定決定部、 134,334 提示時間決定部、 135,335 提示方法決定部、 136,236,336 提示部、 137,237,337 出力データ生成部、 140,240,340 記憶部、 141 行動ログDB、 142,342 ユーザ情報DB、 143,343 仮想環境DB、 244 ライフログDB。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7