(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062965
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】フォルダブルデバイス用前面板及びフォルダブルデバイス
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240501BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240501BHJP
B32B 7/022 20190101ALI20240501BHJP
B32B 17/10 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/30 308Z
B32B7/022
B32B17/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183263
(22)【出願日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2022170554
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 彩子
(72)【発明者】
【氏名】植木 啓吾
【テーマコード(参考)】
4F100
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
4F100AG00A
4F100AG00C
4F100AJ02B
4F100AJ02D
4F100AJ02H
4F100AK02B
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4F100AR00B
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5C094AA31
5C094AA36
5C094DA06
5C094DA13
5G435AA07
5G435GG43
5G435HH05
(57)【要約】
【課題】ガラス製のカバーウィンドウを有するフォルダブルデバイス向けの前面板であって、美観性を有し、鉛筆硬度、耐衝撃性、及び飛散防止性に優れるフォルダブルデバイス向け前面板を提供する。
【解決手段】視認側から、超薄ガラス、衝撃吸収層、樹脂フィルムあるいは超薄ガラス、衝撃吸収層、の順に有する前面板であって、上記衝撃吸収層の測定温度25℃での周波数1.0×106Hzにおける貯蔵弾性率E‘が、2GPa以下であり、上記超薄ガラスの厚みが100μm以下である、前面板、及び上記前面板を用いたフォダブルデバイス。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認側から、超薄ガラス、衝撃吸収層、樹脂フィルムあるいは超薄ガラス、衝撃吸収層、の順に有する前面板であって、前記衝撃吸収層の測定温度25℃での周波数1.0×106Hzにおける貯蔵弾性率E‘が、2GPa以下であり、前記超薄ガラスの厚みが100μm以下である、前面板。
【請求項2】
請求項1に記載の前面板を用いたフォダブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォルダブルデバイス用前面板及びフォルダブルデバイスに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
フォルダブルデバイスに用いられるガラス製のカバーウィンドウとしては、典型的には、化学強化ガラスが使用されるが、薄い化学強化ガラスは鋭利に割れることがあるため、飛散防止の観点から、通常は、表面に樹脂フィルムが設けられている。
しかしながら、ガラス製のカバーウィンドウに樹脂フィルムを設けると、表面の平滑性の劣化や、折り曲げた跡の残存により美観が損なわれる、また、表面硬度が低下するという問題があった。
本発明の課題は、ガラス製のカバーウィンドウを有するフォルダブルデバイス向けの前面板であって、美観性を有し、鉛筆硬度、耐衝撃性、及び飛散防止性に優れるフォルダブルデバイス向け前面板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明者らは鋭意検討し、下記手段により上記課題が解消できることを見出した。
<1>
視認側から、超薄ガラス、衝撃吸収層、樹脂フィルムあるいは超薄ガラス、衝撃吸収層、の順に有する前面板であって、上記衝撃吸収層の測定温度25℃での周波数1.0×106Hzにおける貯蔵弾性率E‘が、2GPa以下であり、上記超薄ガラスの厚みが100μm以下である、前面板。
<2>
<1>に記載の前面板を用いたフォダブルデバイス。
【発明の効果】
【0004】
本発明によれば、ガラス製のカバーウィンドウを有するフォルダブルデバイスに用いることができる前面板であって、美観性を有し、鉛筆硬度、耐衝撃性、及び飛散防止性に優れるフォルダブルデバイス向け前面板を提供することにある。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)~(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、「アクリレート及びメタクリレートの少なくともいずれか」の意味を表す。「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」等も同様である。
本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。また、本明細書において表記される2価の基の結合方向は特に限定されない。
【0006】
<超薄ガラス>
超薄ガラスとは、厚みが100μm以下のガラスを指す。特に限定はしないが、例えば折曲げ性の観点から、50μm以下であることが好ましく、さらに30μm以下であることがより好ましい。また、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。化学強化処理されていることが好ましい。
【0007】
上記超薄ガラス表面に、保護層があってもよい。保護層は、WO2022/209923に開示されている、下記(A)~(C)のいずれか少なくとも1つを含む、保護層であることが好ましい。
(A)分子内に、1つ以上の水素結合性基と3つ以上の(メタ)アクリル基を有し、水素結合性のプロトン価が3.5mol/kg以上であり、(メタ)アクリル価が4.8mol/kg以上である重合性化合物の重合物
(B)金属配位結合を含む化合物
(C)ホスト-ゲスト結合を含む化合物
【0008】
上記保護層は滑り剤を含んでいてもよい。滑り剤としては、RS-90(DIC(株)製)等のフッ素含有化合物や、特開2015-168719に開示されている重合性樹脂(シリコーン含有化合物)を好適に使用できる。
【0009】
<衝撃吸収層>
衝撃吸収層は、測定温度25℃での周波数1.0×106Hzにおける貯蔵弾性率E‘が、2GPa以下である。耐衝撃性の観点から、1.5GPa以下が好ましく、さらに1.0GPa以下がより好ましく、さらに0.8GPa以下がより好ましく、さらに0.5GPa以下が最も好ましい。
【0010】
衝撃吸収層は、超薄ガラスとの密着性を高めるために、超薄ガラスとの表面張力が、10mN/m以下であってもよい。また、ボロン酸を含む成分や、シランカップリング剤等の密着剤を含んでも良い。その際、視認側の超薄ガラスと密着力が高いことが好ましい。視認側と反対側の層との密着性は高くてもよく、また、一方で、剥離しやすくしてもよい。
【0011】
衝撃吸収層は、25℃において、周波数10-1~1015Hz(1.0×10-1~1.0×1015Hz)の範囲にtanδの極大値を有することが好ましく、103~1015Hz(1.0×103~1.0×1015Hz)の範囲に極大値を有することがより好ましく、105~1015Hzの範囲に極大値を有することが更に好ましく、105~1010Hz(1.0×105~1.0×1010Hz)の範囲に極大値を有することが特に好ましい。この場合、25℃において、周波数10-1~1015Hzの範囲にtanδの極大値を少なくとも1つ有していればよく、周波数10-1~1015Hzの範囲にtanδの極大値を2つ以上有していてもよい。また、周波数10-1~1015Hzの範囲外の周波数の範囲に更にtanδの極大値を有していてもよく、この極大値が衝撃吸収層のtanδの最大値であってもよい。
【0012】
[動的粘弾性測定による貯蔵弾性率の測定及びtanδの算出]
本発明では、動的粘弾性測定装置を用いた引張変形モードにより、上記の25℃、周波数106Hzにおける貯蔵弾性率E’を求める。また、衝撃吸収層の25℃における周波数とtanδの関係についても同様に、動的粘弾性測定装置を用いた引張変形モードにより周波数-tanδのグラフを作成し、tanδの極大値及び極大値を示す周波数を求める。
具体的には、下記に記載の方法による。
【0013】
<試料作製方法>
後述する衝撃吸収層形成用組成物等の、衝撃吸収素材(衝撃吸収層材料又は衝撃吸収層構成材料とも称す)を溶剤に溶解、又は溶融させて得られた塗布液)を、剥離処理が施された剥離PET(ポリエチレンテレフタレート)シートの剥離処理面に、乾燥後の厚みが40μmになるよう塗布、乾燥させた後、剥離PETシートから衝撃吸収層を剥離し衝撃吸収層の試験片を作製する。
<測定方法>
動的粘弾性測定装置((株)アイティー計測制御社製、商品名:DVA-225)を用いて、あらかじめ温度25℃、相対湿度60%雰囲気下で2時間以上調湿した上記試験片について、「ステップ昇温・周波数分散」モードにおいて下記条件において測定を行った後、「マスターカーブ」編集にて25℃における周波数に対する、tanδ、貯蔵弾性率及び損失弾性率のマスターカーブを得る。得られたマスターカーブからtanδの極大値及び極大値を示す周波数を求める。
試料:5mm×50mm
試験モード:引張変形モード
つかみ間距離:20mm
設定歪み:0.10%
測定温度:-100℃~40℃
昇温条件:2℃/min
【0014】
(衝撃吸収層構成材料)
上記の25℃、周波数106Hz(1.0×106Hz)における貯蔵弾性率E’が1GPa以下である衝撃吸収層を構成する衝撃吸収層構成材料としては、樹脂から構成されていてもよいし、エラストマー(油展ゴムを含む)から構成されていてもよい。
【0015】
上記樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂((メタ)アクリル樹脂とも称し、(メタ)アクリル酸エステル樹脂等を意味する。)、並びにこれらの樹脂の変性樹脂等が挙げられる。ウレタン樹脂としては、ウレタン変性ポリエステル樹脂及びウレタン樹脂等が挙げられる。上記樹脂のなかでも、(メタ)アクリレート樹脂が好ましい。
【0016】
上記エラストマーとしては、共役ジエンのブロック(共)重合体及びその水素添加物、(メタ)アクリル系ブロック(共)重合体(例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステルをブロック単位として有する(共)重合体を意味する。)、スチレン系ブロック(共)重合体及びその水素添加物(芳香族ビニル化合物のポリマー(好ましくはポリスチレン)をブロック単位として有する(共)重合体及びその水素添加物であって、例えば、芳香族ビニル化合物のポリマーと共役ジエンを含むポリマーとのブロック共重合体及び芳香族ビニル化合物のポリマーと共役ジエンを含むポリマーとのブロック共重合体の水素添加物)、エチレン-α-オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体と金属イオン及び金属化合物のうちの少なくとも1種とよりなるエラストマー、アクロルニトリル-ブタジエン系ゴム等のニトリル系ゴム、ブチルゴム、アクリル系ゴム、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)及びジエン系エラストマー(1,2-ポリブタジエン等)などの熱可塑性エラストマー、シリコーン系エラストマー、並びに、フッ素系エラストマーなどを挙げることができる。
ただし、上記共役ジエンのブロック(共)重合体は、ポリスチレンブロックを含むことはない。
上記エラストマーとしては、(メタ)アクリル系ブロック(共)重合体又はスチレン系ブロック(共)重合体及びその水素添加物が好ましい。(メタ)アクリル系ブロック(共)重合体としては、ポリメタクリル酸メチルとポリn-ブチルアクリレートとのブロック共重合体(「PMMA-PnBAブロック共重合体」とも呼ぶ)等が好ましく挙げられる。スチレン系ブロック(共)重合体及びその水素添加物としては、イソプレン及びブタジエンの少なくとも一方を含むポリマーとポリスチレンとのブロック共重合体並びにその水素添加物等が好ましく挙げられる。上記イソプレン及びブタジエンの少なくとも一方を含むポリマーは、イソプレン及びブタジエン以外の構成成分として、例えば、ブテンを含んでいてもよい。
なかでも、上記エラストマーは、(メタ)アクリル系ブロック(共)重合体又はスチレン系ブロック(共)重合体の水素添加物がより好ましく、PMMA-PnBA共重合体、又は、イソプレン及びブタジエンの少なくとも一方を含むポリマーとポリスチレンとのブロック共重合体の水素添加物がさらに好ましい。
【0017】
衝撃吸収層が含み得る上記の樹脂又はエラストマーは、公知の方法で合成してもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、クラリティLA1114、クラリティLA2140、クラリティLA2250、クラリティLA2330、クラリティLA4285、ハイブラー5127、ハイブラー7311F、セプトン2104及びセプトン2063(いずれもクラレ社製、商品名)などが挙げられる。
衝撃吸収層は上記の樹脂及びエラストマーのうちの少なくとも一種を用いて構成されることが好ましい。
【0018】
上記の樹脂又はエラストマーの重量平均分子量は、溶剤への溶解性と上記貯蔵弾性率とのバランスの観点から、10,000~1,000,000が好ましく、50,000~500,000がより好ましい。
これらの樹脂又はエラストマーは、衝撃吸収層を構成する場合、これらの樹脂又はエラストマー(重合体)のみを構成材料とすることもできる。
また、後記のように、上記の樹脂又はエラストマーに加え、各種添加剤を用いて衝撃吸収層を構成する場合、衝撃吸収層における上記の貯蔵弾性率を考慮すると、衝撃吸収層を構成する固形分中、上記の樹脂又はエラストマーの含有量は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、上記の樹脂又はエラストマーの含有量に特に制限はないが、例えば、99.9質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。
上記の樹脂又はエラストマーと共に後記重合性基含有化合物及び重合開始剤を用いて衝撃吸収層を形成する場合、及び、上記の樹脂又はエラストマーを用いずに後記重合性基含有化合物及び重合開始剤を用いて衝撃吸収層を形成する場合の、これらの構成材料(樹脂、エラストマー、重合性基含有化合物及び重合開始剤)の全固形分中における含有量は、上記の樹脂又はエラストマーの含有量の記載を適用することができる。
【0019】
また、上記の樹脂又はエラストマーに加え、軟化剤、可塑剤、滑剤、架橋剤、架橋助剤、光増感剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、難燃剤、防菌剤、防かび剤、耐候剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、造核剤、顔料、染料、有機フィラー、無機フィラー、シランカップリング剤及びチタンカップリング剤等の添加剤、重合性基含有化合物、重合開始剤又は上記の樹脂又はエラストマー以外の重合体(以下、その他の重合体とも称す。)を含有する組成物を構成材料として用い、衝撃吸収層を形成することもできる。即ち、衝撃吸収層は、樹脂組成物又はエラストマー組成物を用いて形成されてもよい。
以下、衝撃吸収層の形成に用いられる組成物を、衝撃吸収層形成用組成物と称す。
【0020】
衝撃吸収層に添加される無機フィラーは、特に限定されないが、例えば、シリカ粒子、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、マイカ及びタルクを使用することができ、これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
衝撃吸収層への分散性の点から、シリカ粒子が好ましい。
【0021】
無機フィラーの表面は、衝撃吸収層を構成する樹脂との親和性を高めるため、無機フィラーに結合又は吸着し得る官能基を有する表面修飾剤で処理されてもよい。このような表面修飾剤としては、シラン、アルミニウム、チタニウム及びジルコニウム等の金属アルコキシド表面修飾剤、並びに、リン酸基、硫酸基、スルホン酸基及びカルボン酸基等のアニオン性基を有する表面修飾剤が挙げられる。
【0022】
無機フィラーの含有量は、衝撃吸収層における上記の貯蔵弾性率とtanδとのバランスを考慮すると、衝撃吸収層を構成する固形分中、1~40質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましく、5~15質量%が更に好ましい。無機フィラーのサイズ(平均一次粒径)は、10nm~100nmが好ましく、更に好ましくは15~60nmである。無機フィラーの平均一次粒径は電子顕微鏡写真から求めることができる。無機フィラーの粒径が上記の好ましい下限値以上であると、貯蔵弾性率の向上効果が得られ、上記の好ましい上限値以下であるとヘイズ上昇の原因となる場合がない。無機フィラーの形状は、板状、球形及び非球形のいずれであってもよい。
【0023】
無機フィラーの具体的な例としては、ELECOM V-8802(日揮触媒化成(株)製、平均一次粒径12nmの球形シリカ微粒子)、ELECOM V-8803(日揮触媒化成(株)製、異形シリカ微粒子)、MIBK-ST(日産化学工業(株)製、平均一次粒径10~20nmの球形シリカ微粒子)、MEK-AC-2140Z(日産化学工業(株)製、平均一次粒径10~20nmの球形シリカ微粒子)、MEK-AC-4130(日産化学工業(株)製、平均一次粒径40~50nmの球形シリカ微粒子)、MIBK-SD-L(日産化学工業(株)製、平均一次粒径40~50nmの球形シリカ微粒子)及びMEK-AC-5140Z(日産化学工業(株)製、平均一次粒径70~100nmの球形シリカ微粒子)等が挙げられる。
【0024】
衝撃吸収層に添加される粘着付与剤は、特に限定されないが、例えば、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、石油化学樹脂、水添石油化学樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂及びアルキルフェノール樹脂を使用することができる。これらの粘着付与剤は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
【0025】
粘着付与剤の含有量は、衝撃吸収層における上記の貯蔵弾性率とtanδとのバランスを考慮すると、衝撃吸収層を構成する固形分中、1~80質量%が好ましく、5~70質量%がより好ましい。
【0026】
粘着付与剤の具体的な例としては、スーパーエステルA75、同A115及び同A125(以上、いずれも荒川化学工業社製のロジンエステル樹脂)、ペトロタック60、同70、同90、同100、同100V及び同90HM(以上、いずれも東ソー社製の石油化学樹脂)、YSポリスターT30、同T80、同T100、同T115、同T130、同T145及び同T160(以上、いずれもヤスハラケミカル社製のテルペンフェノール樹脂)、並びに、YSレジンPX800、同PX1000、同PX1150及び同PX1250(以上、いずれもヤスハラケミカル社製のテルペン樹脂)等が挙げられる。
【0027】
衝撃吸収層に添加される軟化剤は、特に限定されないが、例えば、ナフテン系、パラフィン系及び芳香族系などの鉱物油系、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、梛子油、落花生油、木ろう、パインオイル及びオリーブ油などの植物油系、合成系などの各種ゴム用、並びに、樹脂用軟化剤のうちの少なくとも1種を使用することができる。上記の軟化剤の数平均分子量は、ブリードアウトが抑えられる点から、200以上が好ましく、300以上がより好ましく、べたつき感が抑えられる点から、1000以下が好ましく、800以下がより好ましい。
【0028】
軟化剤の含有量は、衝撃吸収層における上記の貯蔵弾性率とtanδとのバランスを考慮すると、衝撃吸収層を構成する固形分中、70質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましい。
【0029】
軟化剤の具体的な例としては、モレスコホワイトP-40、同P-55、同P-60、同P-70、同P-80、同P-100、同P-120、同P-150、同P-200、同P-260及び同P-350P(以上、いずれもMORESCO社製のパラフィン系オイル)、ダイアナプロセスオイルNS-24、同NS-100、同NM-26、同NM-68、同NM-150、同NM-280、同NP-24、同NU-80及び同NF-90(以上、いずれも出光興産社製のナフテン系オイル)並びにダイアナプロセスオイルAC-12、同AC-460、同AE-24、同AE-50、同AE-200、同AH-16及び同AH-58(以上、いずれも出光興産社製の芳香族系オイル)等が挙げられる。
【0030】
衝撃吸収層の形成に用いられる樹脂組成物又はエラストマー組成物等の衝撃吸収層形成用組成物に含まれ得る重合性基含有化合物としては、重合性基含有ポリマー、重合性基含有オリゴマー及び重合性基含有モノマーのいずれであってもよく、重合性基を有するエラストマー(ゴムを含む)であってもよい。具体的には、アートキュアRA331MB及び同RA341(以上、いずれも根上工業社製、商品名)、クラプレンUC-102M及び同203M(以上、いずれもクラレ社製、商品名)、セルムエラストマーSH3400M(アドバンストソフトマテリアルズ社製、商品名)等の市販品、並びに、後述のラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物が挙げられる。
【0031】
衝撃吸収層の形成に用いられる樹脂組成物又はエラストマー組成物に、重合性基含有化合物が含まれる場合、この組成物は更に重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤の具体例としては、後述の重合開始剤が挙げられる。
なお、衝撃吸収層は、上記の樹脂又はエラストマーを含有せず、重合性基含有化合物及び重合開始剤を少なくとも有する衝撃吸収層形成用組成物を用いて形成されることも好ましい。なかでも、重合性基としてラジカル重合性基を有するポリイソプレン等のゴムと重合開始剤とを有する組成物を用いて、硬化させて得られる衝撃吸収層が好ましく挙げられる。
【0032】
(衝撃吸収層の厚み)
衝撃吸収層の厚みは、衝撃吸収性をより向上させる観点から1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上80μm以下がより好ましく、10μm以上80μm以下が更に好ましい。
【0033】
(衝撃吸収層の形成方法)
衝撃吸収層の形成方法には特に限定はなく、例えば、コーティング法、キャスト法(無溶剤キャスト法及び溶剤キャスト法)、プレス法、押出法、射出成形法、注型法及びインフレーション法等が挙げられる。詳細には、上記衝撃吸収層構成材料を溶媒に溶解若しくは分散させた液状物、又は上記衝撃吸収材料を構成する成分(具体的には、上記樹脂又はエラストマー等)の溶融液を調製し、次いで、この液状物又は溶融液を樹脂フィルムに塗布し、その後、必要により溶媒の除去等をすることにより、樹脂フィルム(又はHC層付き樹脂フィルムの樹脂フィルム)上に衝撃吸収層を作製することができる。
上記溶媒は特に制限されず、例えば、HC層形成用硬化性組成物における溶媒の記載を適用することができ、メチルイソブチルケトン及びトルエン等が好ましく挙げられる。
また、溶媒と固形分との配合比についても、特に制限されず、適宜調整することができる。例えば、溶媒と固形分の合計量に対し、固形分の割合は10~90質量%とすることができる。
【0034】
また、剥離処理が施された剥離シートの剥離処理面に衝撃吸収層材料を上記と同様に塗布、乾燥し、衝撃吸収層を有するシートを形成し、このシートの衝撃吸収層を樹脂フィルムと貼り合せることで、樹脂フィルム(又はHC層付き樹脂フィルムの樹脂フィルム)上に衝撃吸収層を作製することもできる。
【0035】
衝撃吸収層が樹脂で構成されている場合、衝撃吸収層は、架橋されていない樹脂により構成されていてもよいし、少なくとも一部が架橋された樹脂により構成されていてもよい。樹脂を架橋する方法については特に限定はなく、例えば、電子線照射、紫外線照射、及び架橋剤(例えば、有機過酸化物等)を用いる方法から選ばれる手段が挙げられる。樹脂の架橋を電子線照射により行う場合は、得られた架橋前の衝撃吸収層に対し、電子線照射装置により電子線を照射することにより、架橋を形成することができる。また、紫外線照射の場合は、得られた架橋前の衝撃吸収層について、紫外線照射装置により紫外線を照射することにより、必要に応じて配合された光重合開始剤等の光増感剤の効果によって架橋を形成することができる。更に、架橋剤を用いる場合は、得られた架橋前の衝撃吸収層について、通常、窒素雰囲気下等、空気の存在しない雰囲気で加熱することにより、必要に応じて配合された有機過酸化物等の架橋剤、更には架橋助剤によって架橋を形成することができる。
上記重合性基含有化合物を含有する場合には、電子線照射、紫外線照射及び架橋剤を用いるいずれかの方法による架橋を行い、衝撃吸収層を形成することが好ましい。
【0036】
前述した衝撃吸収層は粘着剤、または、接着剤から形成されてもよい。
粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤等が好適に使用できる。
【0037】
<樹脂フィルム>
本発明に用いられる樹脂フィルムは、その材質は特に限定されない。
樹脂フィルムは、例えば、アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)系樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)系樹脂フィルム等のセルロースエステル系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタラート(PET)系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリイミド系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリアミドイミド系樹脂フィルム、及び、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体の樹脂フィルムを挙げることができる。
折り曲げ性と耐衝撃吸収の観点から、ポリエチレンテレフタラート(PET)系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリイミド系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリアミドイミド系樹脂フィルムが特に好適に使用できる。
更に上記樹脂フィルムは、その両面または、片面にハードコート層、及びまたは、耐擦層を含んでも良い。片面に含む場合は、視認側の面に配置されるのが好ましい。
【実施例0038】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれによって限定して解釈されるものではない。
【0039】
(実施例1)
(超薄ガラス1)
超薄ガラス1として化学強化処理超薄ガラス(厚さμ30μm)を使用した。
【0040】
(衝撃吸収層1)
衝撃吸収層1として厚み20μmの粘着剤SK-2057(綜研化学社製)を使用した。
【0041】
<衝撃吸収層1の貼合>
上記の超薄ガラス1の表面に、衝撃吸収層1を貼合した。具体的には、粘着剤SK-2057の両面に有する保護フィルムの片側を剥離し、露出した粘着剤面を超薄ガラス1の、衝撃吸収層1を有する側とは反対側の表面に接触させ、ゴムローラーで加圧して貼合した後、ゴムローラーの加圧面の保護フィルムを剥離して、貼合した。
【0042】
(樹脂フィルム1)
樹脂フィルム1として、厚さ44μmのPETフィルム(コスモシャインSRF TA044、東洋紡社製)を使用した。
【0043】
<樹脂フィルム1の貼合>
上記で得た衝撃吸収層1の、超薄ガラス1とは反対側の表面に、樹脂フィルム1を貼合した。具体的には、衝撃吸収層1上に樹脂フィルム1を押し当てて、ゴムローラーで加圧することで貼合した。
【0044】
(衝撃吸収層2)
衝撃吸収層2として、厚み20μmの粘着剤SK-2057(綜研化学社製)を使用した。
【0045】
<衝撃吸収層2の貼合>
上記の樹脂フィルム1の、超薄ガラス1を有する側とは反対側の表面上に、衝撃吸収層2を貼合した。具体的には、粘着剤SK-2057の両面に有する保護フィルムの片側を剥離し、露出した粘着剤面を樹脂フィルム1の、超薄ガラス1を有する側とは反対側の表面に接触させ、ゴムローラーで加圧して貼合した後、ゴムローラーの加圧面の保護フィルムを剥離して、前面板を作製した。
【0046】
(実施例2)
実施例2は、上記実施例1の衝撃吸収層1を、下記に示す衝撃吸収層形成用組成物CU-1を使用して作製した以外は、実施例1と同様に前面板を作製した。
【0047】
<衝撃吸収層形成組成物CU-1の調製>
(衝撃吸収層形成組成物CU-1)
クラリティLA2140(クラレ社製)を、MIBK(メチルイソブチルケトン)をあらかじめ入れておいたミキシングタンクに投入、攪拌した。各含有成分の含有量を以下に記載のとおりである。得られた組成物を孔径10μmのポリプロピレン製フィルターで濾過し、衝撃吸収層形成用組成物CU-1とした。
【0048】
クラリティLA2140 25.0質量部
MIBK 75.0質量部
【0049】
<衝撃吸収層1の作製>
上記超薄ガラス1の表面上に、上記で得た衝撃吸収層形成用組成物CU-1を塗布し、乾燥させて衝撃吸収層1を形成した。
塗布及び乾燥の方法は、具体的には、次の通りとした。特開2006-122889号公報の実施例1に記載のスロットダイを用いたダイコート法により、搬送速度30m/分の条件で、衝撃吸収層形成用組成物CU-1を乾燥後の膜厚が80μmになるように塗布し、雰囲気温度60℃で150秒間乾燥させ、衝撃吸収層1を作製した。
【0050】
(実施例3)
実施例3は、上記実施例2の衝撃吸収層2を、実施例2の衝撃吸収層1と同様に作製した以外は、実施例2と同様に前面板を作製した。
【0051】
(実施例4)
実施例4は、上記実施例1の樹脂フィルム1を、超薄ガラス2として化学強化処理超薄ガラス(厚さμ30μm)を使用して作製した以外は、実施例1と同様に前面板を作製した。
【0052】
(実施例5)
実施例5は、上記実施例4の衝撃吸収層2を、厚み20μmの粘着剤SK-2057(綜研化学社製)を用いて作製した以外は、実施例4と同様に前面板を作製した。
【0053】
(実施例6)
実施例6は、上記実施例2の樹脂フィルム1を、超薄ガラス2として化学強化処理超薄ガラス(厚さμ30μm)を使用して作製した以外は、実施例2と同様に前面板を作製した。
【0054】
(実施例7)
実施例7は、上記実施例3の樹脂フィルム1を、超薄ガラス2として化学強化処理超薄ガラス(厚さμ30μm)を使用して作製した以外は、実施例3と同様に前面板を作製した。
【0055】
[実施例11~17]
上記実施例1~7の超薄ガラス1の、衝撃吸収層1を有する側とは反対側(視認側)の表面上に下記に示す保護層を設け実施例11~17とした。
【0056】
<保護層形成用組成物の調製>
(保護層形成用組成物HC-1)
下記化合物(A-1)65.8質量部、A-TMMT(新中村化学工業社製)20質量部、アルミニウムアセチルアセトナート0.2質量部、イルガキュア127(BASF社製)4質量部、KBM-5103(信越化学工業社製)10質量部を、それぞれメチルイソブチルケトン100質量部をあらかじめ入れておいたミキシングタンクに順次入れて、溶解撹拌し、保護層形成用組成物HC-1を得た。
【0057】
(保護層形成用組成物HC-2)
A-TMMT(新中村化学工業社製)26.2質量部、下記化合物(A-1)7.1質量部、イルガキュア127(BASF社製)1.0質量部、下記導電性化合物A3.2質量部、メガファックRS-90(DIC社製)3.5質量部を、それぞれメチルイソブチルケトン50.4質量部をあらかじめ入れておいたミキシングタンクに順次入れて、溶解撹拌し、保護層形成用組成物HC-2を得た。
【0058】
【0059】
(実施例11)
実施例11は、上記実施例1の超薄ガラス1に、下記に示す方法で保護層を形成した保護層付き超薄ガラス1を用いて作製した以外は、実施例1と同様に前面板を作製した。
【0060】
<保護層付き超薄ガラス1の作製>
超薄ガラス1の衝撃吸収層1を貼合する側とは反対側の表面上に、保護層形成用組成物HC-1をバーコーターで塗布し、120℃で1分間乾燥させたのち、酸素濃度100ppmの条件下にて空冷水銀ランプを用いて、照度60mW/cm2、照射量60mJ/cm2の紫外線を照射し硬化させた。膜厚は、5μmであった。さらにその表面上に、保護層形成用組成物HC-2をバーコーターで塗布し、120℃で1分間乾燥させたのち、酸素濃度100ppmの条件下にて空冷水銀ランプを用いて、照度60mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射し硬化させた。膜厚は、1μmであった。以上のようにして、保護層付き超薄ガラス1を作製した。
【0061】
(実施例12~17)
実施例12~17は、上記実施例2~7のそれぞれにおいて、超薄ガラス1を、実施例11に記載の保護層付き超薄ガラス1を用いて作製した以外は、実施例2~7と同様に前面板を作製した。
【0062】
(実施例22)
実施例22は、上記実施例12の衝撃吸収層1を、下記の衝撃吸収層形成用組成物CU-2を使用して作製した以外は、実施例12と同様に前面板を作製した。
【0063】
<衝撃吸収層形成組成物CU-2の調製>
(衝撃吸収層形成組成物CU-2)
ハイブラー7311F(クラレ社製)を、MIBK(メチルイソブチルケトン)をあらかじめ入れておいたミキシングタンクに投入、攪拌した。各含有成分の含有量を以下に記載のとおりである。得られた組成物を孔径10μmのポリプロピレン製フィルターで濾過し、衝撃吸収層形成用組成物CU-1とした。
【0064】
ハイブラー7311F 25.0質量部
MIBK 75.0質量部
【0065】
(実施例32)
実施例32は、上記実施例12の衝撃吸収層1を、下記の衝撃吸収層形成用組成物CU-3を使用して作製した以外は、実施例12と同様に前面板を作製した。
【0066】
<衝撃吸収層形成組成物CU-3の調製>
(衝撃吸収層形成組成物CU-3)
セプトン2063(クラレ社製)を、MIBK(メチルイソブチルケトン)をあらかじめ入れておいたミキシングタンクに投入、攪拌した。各含有成分の含有量を以下に記載のとおりである。得られた組成物を孔径10μmのポリプロピレン製フィルターで濾過し、衝撃吸収層形成用組成物CU-1とした。
【0067】
セプトン2063 25.0質量部
MIBK 75.0質量部
【0068】
(貯蔵弾性率)
以下に測定温度25℃、周波数1.0×106Hzでの貯蔵弾性率を示す。
・クラリティLA2140 貯蔵弾性率0.1GPa
・SK-2057 貯蔵弾性率0.96GPa
・ハイブラー7311F 貯蔵弾性率0.57GPa
・セプトン2063 貯蔵弾性率0.01GPa
【0069】
(評価)
実施例1~7、11~17、22、32で作製した前面板に、落球試験および鉛筆硬度測定を行った。
【0070】
落球試験は、上記前面板の、超薄ガラス1の衝撃吸収層1を有する側とは反対側表面に、鉄球(直径32mm、重量130g)を高さ20cmから落下させて行った。
【0071】
JIS(JISは、Japanese Industrial Standards(日本工業規格)である) K5400に従い鉛筆硬度評価を行った。各実施例の前面板をを、温度25℃、相対湿度60%で2時間調湿した後、前面板の超薄ガラス1の衝撃吸収層1を有する側とは反対側の表面の任意の5箇所について、JIS S 6006に規定するH~9Hの試験用鉛筆を用いて750gの荷重にて引っ掻いた。その後、目視で傷が認められる箇所が0~2箇所であった鉛筆の硬度のうち、最も硬度の高い鉛筆硬度を評価結果とした。
【0072】
実施例1~7、11~17、22、32は、表面が平滑で、折り曲げて放置しても折り跡がつかないため美観性に優れた。また、鉛筆硬度試験は4H以上であり良好であった。落球試験の結果、ガラスの割れが発生しづらかった。また、実施例11~17、22、32は、前述の特徴に加え、落球試験で超薄ガラスが割れた際も、超薄ガラス破片が衝撃吸収層1から分離しづらく、安全性にも優れていた。
【0073】
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。