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特開2024-62970基板支持モジュール及びそれを含む基板処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062970
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】基板支持モジュール及びそれを含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183464
(22)【出願日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0138221
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】316008145
【氏名又は名称】ウォニク アイピーエス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WONIK IPS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75,Jinwisandan-ro,Jinwi-myeon,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do,17709,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン スンヨル
(72)【発明者】
【氏名】パク キョンワン
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA32
5F131AA34
5F131BA01
5F131BA17
5F131BA24
5F131BA37
5F131CA03
5F131CA06
5F131CA22
5F131EB54
5F131EB56
5F131EB68
5F131EB78
5F131EB81
5F131HA21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板支持ピンを介して基板を支持した状態において、基板内の均一な温度を維持できる基板支持モジュール及びそれを含む基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板を支持するための基板支持モジュールであって、基板を処理する処理空間に設けられる支持部と、支持部上に設けられ、基板を支持する複数の基板支持ピン20と、を含み、基板支持ピンは、少なくとも一部が、内部空間Sが形成される中空形状である。また、基板支持ピンは、支持面22に隣接する位置での外径を小さく、下側に行くほど外径が大きい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するための基板支持モジュールであって、
前記基板を処理する処理空間に設けられる支持部と、
前記支持部上に設けられ、前記基板を支持する複数の基板支持ピンと、を含み、
前記基板支持ピンは、
少なくとも一部が、内部空間が形成される中空形状であることを特徴とする基板支持モジュール。
【請求項2】
前記基板支持ピンは、
側面に複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板支持モジュール。
【請求項3】
前記基板支持ピンは、
前記基板と接触する支持面が曲率を有して、凹状又は凸状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板支持モジュール。
【請求項4】
前記基板支持ピンは、
前記基板と接触する基板支持部と、前記基板支持部の下側で前記基板支持部と区分して設けられる支持ロッド部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板支持モジュール。
【請求項5】
前記支持ロッド部は、
前記基板支持部に下側に一体に延びて形成されていることを特徴とする請求項4に記載の基板支持モジュール。
【請求項6】
前記支持ロッド部は、
前記基板支持部と分離可能に前記基板支持部を下側で支持することを特徴とする請求項4に記載の基板支持モジュール。
【請求項7】
前記基板支持部は、内部空間が形成される中空構造であり、
前記支持ロッド部は、内部空間の形成を防止するためのソリッド構造であることを特徴とする請求項4に記載の基板支持モジュール。
【請求項8】
前記基板支持部は、内部空間の形成を防止するためのソリッド構造であり、
前記支持ロッド部は、内部空間が形成される中空構造であることを特徴とする請求項4に記載の基板支持モジュール。
【請求項9】
前記基板支持部の外径のうち最大値である第1外径は、前記支持ロッド部の外径のうち最小値である第2外径よりも等しいか小さいことを特徴とする請求項4に記載の基板支持モジュール。
【請求項10】
前記基板支持部は、
上側に行くほど、外径が徐々に又は段階的に減少することを特徴とする請求項4に記載の基板支持モジュール。
【請求項11】
前記支持ロッド部は、
上側に行くほど、外径が徐々に又は段階的に減少することを特徴とする請求項4に記載の基板支持モジュール。
【請求項12】
前記基板支持部及び前記支持ロッド部は、
互いに異なる材質で形成されていることを特徴とする請求項4に記載の基板支持モジュール。
【請求項13】
前記基板支持部は、
窒化ホウ素(BN)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al23)及び石英の少なくともいずれか一つ又はそれらの組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項12に記載の基板支持モジュール。
【請求項14】
前記支持部は、
長さを有し、水平に配置される支持バーと、前記支持バー上面のうち前記基板支持ピンに対応する位置に設けられ、前記基板支持ピンが設けられる設置部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板支持モジュール。
【請求項15】
前記支持ロッド部は、
前記支持部の上側に一体に延長形成されていることを特徴とする請求項4に記載の基板支持モジュール。
【請求項16】
基板を支持するための基板支持モジュールであって、
前記基板を処理する処理空間に設けられる支持部と、
前記支持部上に設けられ、前記基板を支持する複数の基板支持ピンと、を含み、
前記基板のうち接触領域の熱容量に対する前記基板支持ピンの熱容量の比は、1以上40以下であることを特徴とする基板支持モジュール。
【請求項17】
基板を支持するための基板支持モジュールであって、
前記基板を処理する処理空間に設けられる支持部と、
前記支持部上に設けられ、前記基板を支持する複数の基板支持ピンと、を含み、
前記基板支持ピンは、ソリッド(Solid)構造であり、
前記基板と接触する基板支持部と、前記基板支持部の下側で前記基板支持部と区分して設けられる支持ロッド部と、を含むことを特徴とする基板支持モジュール。
【請求項18】
前記支持ロッド部は、
上面に前記基板支持部の少なくとも一部が挿入されて配置される挿入溝を含むことを特徴とする請求項17に記載の基板支持モジュール。
【請求項19】
前記挿入溝は、
内面が前記基板支持部の側面と離隔するように内径が前記基板支持部の外径より大きいことを特徴とする請求項18に記載の基板支持モジュール。
【請求項20】
前記基板支持ピンは、
側面に複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項17に記載の基板支持モジュール。
【請求項21】
内部に基板処理のための処理空間を形成するプロセスチャンバと、
前記処理空間に設けられ、前記基板を支持する請求項1~20のいずれか1項に記載の基板支持モジュールと、を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項22】
前記基板支持モジュールは、
前記処理空間内に、垂直方向に複数の基板が配置されるように上下に複数個配置されることを特徴とする請求項21に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置の技術分野に関し、より詳細には、基板を支持するための基板支持モジュール及びそれを含む基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、基板処理装置とは、基板に対する蒸着、エッチング、熱処理など基板処理を行う装置であり、基板を処理空間に導入して支持した状態で基板処理を行う。
【0003】
このとき、基板処理装置は、基板を支持する基板支持部に基板を載置した状態で基板処理を行うことができ、基板を外部から導入して基板支持部に載置するか、基板を基板支持部から外部に搬出するために基板を基板支持部から離隔して支持するための基板支持ピン及び基板支持モジュールが設けられている。
【0004】
また、他の例として、従来の基板処理装置は、基板支持ピン及び基板支持モジュールを介して基板を支持した状態において基板処理を行ってもよく、より具体的には基板支持モジュールが垂直方向に多数個配置された状態で、各基板支持モジュールの基板支持ピンに基板がロードされた状態で基板処理を行うことができる。
【0005】
一方、基板が大面積化するにつれて基板の撓みを防止し、基板を安定的に支持するために基板支持ピンも増え、基板支持ピンと接触する基板の支持位置も増加し、これにより、基板内の素子領域に基板支持ピンが接触することがある。
【0006】
このような基板と基板支持ピンとの接触は、基板に多様な影響を及ぼすが、特に基板と基板支持ピンとの間の熱容量差によって基板内の支持位置と他の位置との間で温度偏差が発生するという問題があった。
【0007】
具体的には、従来の基板支持ピンは、基板と比較して熱容量が比較的非常に大きく、これにより、処理空間内の温度の雰囲気組成にも温度変化速度が異なるため、基板支持ピンと基板との間に温度差が生じており、これにより基板支持ピンの影響を受ける基板内の支持位置と他の位置との間で温度偏差が発生するという問題があった。
【0008】
特に、処理空間を開放して基板を導入又は搬出した後と、処理空間の工程温度組成のための温度上昇のように温度変化が発生する過程で、基板支持ピンと基板との間の熱容量差による温度差により、基板内の温度偏差及び工程不均衡が深刻化するという問題があった。
【0009】
このような基板内の温度偏差及び工程不均衡は、基板内支持位置の素子に対する特性としてしきい値電圧を含む物性を変化させ、特に、ディスプレイ素子の場合、色差を引き起こすという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するために、基板内の均一な温度を維持できる基板支持モジュール及びそれを含む基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記のような本発明の目的を達成するために創案されたものであり、本発明は、基板を支持するための基板支持モジュールであって、前記基板を処理する処理空間に設けられる支持部と、前記支持部上に設けられ、前記基板を支持する複数の基板支持ピンと、を含み、前記基板支持ピンは、少なくとも一部が、内部空間が形成される中空形状である基板支持モジュールを開示する。
【0012】
前記基板支持ピンは、側面に複数の貫通孔が形成されてもよい。
【0013】
前記基板支持ピンは、前記基板と接触する支持面が曲率を有し、凹状又は凸状に形成されてもよい。
【0014】
前記基板支持ピンは、前記基板と接触する基板支持部と、前記基板支持部の下側で前記基板支持部と区分して設けられる支持ロッド部と、を含むことができる。
【0015】
前記支持ロッド部は、前記基板支持部に下側に一体に延びて形成されてもよい。
【0016】
前記支持ロッド部は、前記基板支持部と分離可能に前記基板支持部を下側で支持することができる。
【0017】
前記基板支持部は、内部空間が形成される中空構造であり、前記支持ロッド部は、内部空間の形成を防止するためのソリッド構造であってもよい。
【0018】
前記基板支持部は、内部空間の形成を防止するためのソリッド構造であり、前記支持ロッド部は、内部空間が形成される中空構造であってもよい。
【0019】
前記基板支持部の外径のうち最大値である第1外径は、前記支持ロッド部の外径のうち最小値である第2外径よりも等しいか小さくてもよい。
【0020】
前記基板支持部は、上側に行くほど、外径が徐々に又は段階的に減少してもよい。
【0021】
前記支持ロッド部は、上側に行くほど、外径が徐々に又は段階的に減少してもよい。
【0022】
前記基板支持部及び前記支持ロッド部は、互いに異なる材質で形成されてもよい。
【0023】
前記基板支持部は、窒化ホウ素(BN)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al23)及び石英の少なくともいずれか一つ又はそれらの組み合わせで構成されてもよい。
【0024】
前記支持部は、長さを有し、水平に配置される支持バーと、前記支持バー上面のうち前記基板支持ピンに対応する位置に設けられ、前記基板支持ピンが設けられる設置部と、を含むことができる。
【0025】
前記支持ロッド部は、前記支持部の上側に一体に延長形成されてもよい。
【0026】
また、本発明は、基板を支持するための基板支持モジュールであって、前記基板を処理する処理空間に設けられる支持部と、前記支持部上に設けられ、前記基板を支持する複数の基板支持ピンと、を含み、前記基板のうち接触領域の熱容量に対する前記基板支持ピンの熱容量の比は、1以上40以下である基板支持モジュールを開示する。
【0027】
さらに、本発明は、基板を支持するための基板支持モジュールであって、 前記基板を処理する処理空間に設けられる支持部と、前記支持部上に設けられ、前記基板を支持する複数の基板支持ピンと、を含み、前記基板支持ピンは、ソリッド(Solid)構造であり、前記基板と接触する基板支持部と、前記基板支持部の下側で前記基板支持部と区分して設けられる支持ロッド部とを含む基板支持モジュールを開示する。
【0028】
前記支持ロッド部は、上面に前記基板支持部の少なくとも一部が挿入されて配置される挿入溝を含むことができる。
【0029】
また、本発明は、内部に基板処理のための処理空間を形成するプロセスチャンバと、前記処理空間に設けられ、前記基板を支持する基板支持モジュールと、を含む基板処理装置を開示する。
【0030】
前記基板支持モジュールは、前記処理空間内に、垂直方向に複数の基板が配置されるように上下に複数個配置されてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明による基板支持モジュール及びそれを含む基板処理装置は、基板支持ピンと基板との間の熱容量差を低減させ、基板支持ピンと基板との間の温度差を減少させることができる利点がある。
【0032】
特に、本発明による基板支持モジュール及びそれを含む基板処理装置は、基板支持ピンと基板が同様の熱容量を有することにより、それら間の温度差を減少させ、基板内の基板支持ピンとの接触位置と他の位置との間の温度偏差を減らすことができる利点がある。
【0033】
また、本発明による基板支持モジュール及びそれを含む基板処理装置は、基板内の温度及び工程均一度を向上させ、基板支持ピンを介した基板内の素子領域接触にも素子の特性低下を防止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明による基板処理装置の概略的な様子を示す斜視図である。
図2図1による基板処理装置のうち基板支持モジュールの様子を示す斜視図である。
図3図1による基板処理装置のうち基板支持ピンの第1実施例を示す図面である。
図4図1による基板処理装置のうち基板支持ピンの第2実施例を示す図面である。
図5図1による基板処理装置のうち基板支持ピンの第3実施例を示す図面である。
図6図1による基板処理装置の一実施例による基板支持ピンの様子を示す断面図である。
図7図1による基板処理装置のうち基板支持ピンの第4実施例を示す図面である。
図8図7による基板支持ピンの内部の様子を示す断面図である。
図9】本発明による基板処理装置のうち基板支持ピンの主要実施例及び基板の経時による温度変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明による熱媒体供給装置及びそれを含む基板処理装置について添付の図面を参照して説明すると以下の通りである。
【0036】
本発明による基板処理装置は、図1に示すように、内部に基板処理のための処理空間を形成するプロセスチャンバ30と、前記処理空間に設けられ、前記基板1を支持する基板支持モジュール40を含む。
【0037】
ここで、本発明の処理対象となる基板1は、半導体、LCD、LED、OLED、ガラス、太陽光基板など、処理対象となる基板であればどのような構成も適用可能である。
【0038】
特に、本発明の処理対象となる基板1は、格子状に形成される多数の素子領域と多数の素子領域との間に非素子領域を形成することができ、これによち非素子領域は、メッシュ状に行列を形成することができる。
【0039】
一方、本発明による基板処理装置の基板処理工程は、蒸着工程、エッチング工程、熱処理工程などを含む意味で理解することができ、特にノンフレキシブル基板上にフレキシブル基板を形成する工程、フレキシブル基板上にパターンを形成する工程、フレキシブル基板分離などの一連の工程、フレキシブル基板を熱処理して乾燥する工程などを含むことができる。
【0040】
一方、前記基板1は、説明の便宜上、図1では、複数の基板支持モジュール40に単一の基板が設けられるものとして図示したが、より好ましくは、複数の基板支持モジュール40に対応して複数の基板1をロードして処理することができる。
【0041】
前記プロセスチャンバ30は、複数の基板1が処理される処理空間Sを形成する構成であってもよい。
【0042】
例えば、前記プロセスチャンバ30は、内部に密閉された処理空間を形成する略六面体形状のチャンバ本体31と、チャンバ本体31の外側面上に設けられ、チャンバ本体31を補強する補強リブ(図示せず)を含むことができる。
【0043】
前記チャンバ本体31は、石英、ステンレス鋼、アルミニウム、グラファイト、シリコンカーバイト又は酸化アルミニウムの少なくともいずれか一つで作製することができる。
【0044】
一方、前記チャンバ本体31は六面体であり、前面に基板1が搬入及び搬出される開口部32が形成され、開口部32に隣接する側面に互いに対向する側壁が形成され、開口部の対向面に背面が形成され得る。
【0045】
一方、前記プロセスチャンバ30は、前記開口部32を開閉するための開閉ドア33が設けることができ、開閉ドア33は、開口部32が形成される前面外側に前後、左右又は上下方向に摺動可能に設けられ、開口部を開閉することができる。
【0046】
前記基板支持モジュール40は、処理空間に設けられ、基板1を支持する構成であり、様々な構成が可能である。
【0047】
特に、前記基板支持モジュール40は、処理空間内に上下方向に複数の基板1を導入した状態で基板処理が行われるように、処理空間内に垂直方向に互いに離隔して複数個配置することができる。
【0048】
すなわち、前記基板支持モジュール40は、処理空間内に垂直方向に複数の基板1が配置されるように上下に複数個配置することができる。
【0049】
一方、前記基板支持モジュール40は、後記する基板支持ピン20を介して基板1に接触して支持することができるが、従来は、非素子領域に接触位置を形成して素子領域への影響を最小化していた。
【0050】
しかし、基板1が次第に大型化するにつれて基板1の撓みを防止し、素子領域を次第に増やしていく傾向であり、必要に応じて、基板支持ピン20を素子領域に支持することができ、この過程で基板支持ピン20と基板1中の接触領域との間の温度差による基板1内の温度偏差が発生する問題があった。
【0051】
このような問題点を改善するために、本発明による基板支持モジュール40は、基板1内の接触領域と温度が同一又は類似に維持される基板支持ピン20を含む。
【0052】
したがって、本発明による基板支持モジュールは、図2に示すように、前記基板1を処理する処理空間に設けられる支持部10と、前記支持部10上に設けられ、前記基板1を支持する複数の基板支持ピン20とを含む。
【0053】
前記支持部10は、処理空間に設けられ、基板支持ピン20が設けられる構成であり、様々な構成が可能である。
【0054】
例えば、前記支持部10は、長さを有し、水平に配置される支持バー11と、支持バー11の上面のうち基板支持ピン20に対応する位置に設けられ、基板支持ピン20が設けられる設置部12を含むことができる。
【0055】
例えば、前記支持バー11は、プロセスチャンバ30の前面と背面にそれぞれ隣接する位置で互いに対向する側壁を横切って設けられる構成であってもよい。
【0056】
このとき、前記支持バー11は、プロセスチャンバ30の前面と背面にそれぞれ隣接する位置で垂直方向に一定間隔で互いに離隔して複数個設けられることができる。
【0057】
一方、前記支持バー11は、両端がプロセスチャンバ30を貫通して水平に設けられ、上面に後記する基板支持ピン20が設けられるための設置部12が垂直に形成されている。
【0058】
したがって、前記設置部12に後記する基板支持ピン20が挿入又は配置されて設けられてもよい。
【0059】
一方、他の例として、前記設置部12を省略し、後記する支持ロッド部200が支持バー11上に一体に形成されてもよい。
【0060】
また、同様の例として、支持バー11上に設置部12が一体に形成された状態で、後記する支持ロッド部200が省略され、基板支持部100が設置部12に挿入又は配置されて設けられてもよく、この場合、後記する支持ロッド部200の構成が設置部12構成に同様に適用することができる。
【0061】
前記基板支持ピン20は、支持部10上に設けられ、基板1を支持する構成であり、複数個設けられてもよい。
【0062】
このとき、前記基板支持ピン20中の少なくとも一つは、少なくとも一部は内部空間Sが形成される中空形状で形成される。
【0063】
ここで、中空形状は、内部に内部空間Sが形成される中空(Hollow)構造であり、一端及び他端の開放の有無とは無関係な形状を意味する。
【0064】
また、後記するソリッド形状は、中空形状と対比する形状であり、内部に別途の空間が形成されず、物理的構造で満たされた形状を意味するか、外力による物理的変化のない剛体構造を前提とするものではないところ、弾性を有するかどうかは関係ない。
【0065】
前記基板支持ピン20は、図3に示すように、第1実施例として、全体として円柱状の単一ボディで形成され、内部の少なくとも一部に内部空間Sが形成される中空構造であってもよい。
【0066】
すなわち、前記基板支持ピン20は、内部空間Sが形成される中空構造を適用することにより、体積に影響される熱容量を減らして基板1接触領域との熱容量差を減らすことができる。
【0067】
このとき、前記基板支持ピン20は、単に同一の外径及び内径を有する単一ボディで形成されてもよく、他の例として、単一ボディとして外径及び内径のうち少なくとも一つが上側に行くほど徐々に又は段階的に小さくなるように構成することができる。
【0068】
前記基板支持ピン20は、基板1に接触する支持面22が上端部に形成され、このとき、支持面22は、フラットに形成されてもよく、他の例として、曲率を有し、凹状又は凸状に形成されていてもよい。
【0069】
また、前記支持面22は、基板1との接触面積を最小化するために、貫通口が形成されてもよく、このとき、貫通口は、平面上の基板支持ピン20の最外郭円形と同心となるように形成することができる。
【0070】
一方、前記基板支持ピン20は、第2実施例として、図4に示すように、側面に複数の貫通孔21を形成することができる。
【0071】
すなわち、前記基板支持ピン20は、側面に複数の貫通孔21が形成されることにより、質量を減らして全体的な熱容量を低減させることができる。
【0072】
このとき、前記貫通孔21は、側面に強度及び耐久性を担保する水準で多数個形成することができる。
【0073】
また、本発明による基板支持ピン20は、第3実施例として、図5に示すように、基板1と接触する基板支持部100と、基板支持部100下側で基板支持部100と区分して設けられる支持ロッド部200とを含むことができる。
【0074】
前記基板支持部100は、基板1と接触して基板1を支持する構成であり、基板支持ピン20の上端部をなす構成であってもよい。
【0075】
このとき、前記基板支持部100は、上面に、前述した支持面22が形成されており、円柱状に形成することができる。
【0076】
前記支持ロッド部200は、基板支持部100の下側で基板支持部100と区分して設けられる構成であり、様々な構成が可能である。
【0077】
例えば、前記支持ロッド部200は、図5及び図6に示すように、基板支持部100と別の物理的構成であり、互いに分離可能に設けられてもよい。
【0078】
すなわち、前記支持ロッド部200は、基板支持部100と分離可能な別の構成であり、基板支持部100が支持ロッド部200に載置又は挿入して設けることができる。
【0079】
また、他の例として、前記支持ロッド部200は、第4実施例として、図7及び図8に示すように、基板支持部100の下側に一体に延びて形成され、この場合、単一ボディとして基板支持部100と支持ロッド部200とが一体であり、材質又は半径に応じて互いに区分することができる。
【0080】
すなわち、前記基板支持部100及び支持ロッド部200は、一体に形成されて半径に応じて互いに区分することができ、このとき、支持ロッド部200は、基板支持部100から半径が拡張又は縮小され、延長形成することができる。
【0081】
一方、前記基板支持部100及び支持ロッド部200の少なくとも一部は、中空構造で形成されもよい。
【0082】
例えば、前記基板支持部100は、内部空間Sが形成される中空構造であり、このとき、支持ロッド部200は、内部空間Sの形成を防止するソリッド構造で適用することができる。
【0083】
これにより、基板1と直接接触して基板1への影響が大きい基板支持部100が比較的低い質量及び体積を有することにより、熱容量を下げ、基板1との熱容量差を低減することができる。
【0084】
また、他の例として、図6に示すように、前記基板支持部100は、内部空間Sの形成を防止するためのソリッド構造であり、支持ロッド部200は、内部空間Sが形成される中空構造であってもよい。
【0085】
すなわち、前記基板支持部100がソリッド構造を有することにより、基板1と直接接触及び支持する基板支持部100の硬度及び耐久性を強化し、基板1支持の安定性を強化しながらも、支持ロッド部200を中空構造に形成して基板支持ピン20全体の質量及び体積を低減させて熱容量を下げることができる。
【0086】
一方、前述した基板支持部100及び支持ロッド部200は、互いに異なる外径で形成されることにより区分することができ、一例として、基板支持部100の外径のうち最大値である第1外径D1が、支持ロッド部200の外径のうち最小値である第2外径D2よりも等しいか小さく形成することができる。
【0087】
すなわち、前記基板支持部100は、支持ロッド部200より小さい外径で形成することができ、上側に行くほど、外径を徐々に又は段階的に減少させることができる。
【0088】
これにより、前記基板支持部100は、基板1と接触する支持面22に隣接する位置での外径を小さくすることにより、質量及び体積を低減して基板1の接触位置に影響が大きく及ぶ部分での熱容量を下げ、下側に行くほど外径を大きくすることにより、基板1支持のための安定性を向上させることができる利点がある。
【0089】
この過程で、前記支持ロッド部200はまた、上側に行くほど、外径が徐々に又は段階的に減少するように設計することができる。
【0090】
より具体的には、前記基板支持部100と支持ロッド部200とを一体に形成する場合、外径は3mm以上10mm以下に形成することができ、内径は最大8.5mmに形成することができる。
【0091】
一方、この場合、外径と内径との差を最大1.5mmに形成して作製することができる。
【0092】
また、前記基板支持部100と支持ロッド部200が互いに分離可能な2個のボディで形成される場合、支持ロッド部200の外径である第2外径D2は、5mm以上10mm以下に形成することができ、基板支持部100の外径である第1外径D1は、第2外径D2より1mm小さい範囲に形成することができる。
【0093】
また、前述した外径と内径の比率により体積を低減させることにより熱容量を低減できるところ、このとき、外径に対する内径の比率は、0.7以上0.95以下の範囲に設定することができ、外径に対する内径の比率が0.7より小さい場合、中空形状の形成にも体積低減率が低く、熱容量低減の効率が低下し、0.95を超える場合、耐久性が低くなり、安定した基板1支持機能を担保しにくい問題がある。
【0094】
一方、前記基板支持部100及び前記支持ロッド部200は、前述するように、外径の違いによって互いに区分することができ、さらに、異種材料で形成することにより、互いに区分することができる。
【0095】
例えば、前記基板支持部100は、熱容量を下げるために、熱容量に影響を及ぼす比熱及び密度の低い材質で構成することができる。
【0096】
より具体的には、前記基板支持部100は、窒化ホウ素(BN)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al23)及び石英の少なくともいずれか一つ又はそれらの組み合わせで構成することができ、これら材質は、SUS材質と比較すると密度が比較的低く、全体的な熱容量を下げることができる。
【0097】
特に、前記基板支持部100は、熱容量が低く、基板1の支持位置と熱容量差が少なく、且つ基板1と接触して基板1を支持しなければならないところ、比較的硬度が低く、基板1に接触しながらも基板損傷を減らすことができる窒化ホウ素(BN)で構成することができる。
【0098】
一方、前記支持ロッド部200は、基板支持部100と同様に窒化ホウ素(BN)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al23)及び石英のいずれか一つ又はそれらの組み合わせで構成することができ、前述した例示以外のセラミック系の材質を使用することもできることはもちろんである。
【0099】
前記支持ロッド部200は、前述した支持部10に上側に一体に延びて形成されることにより、支持部10と同じ材質で形成されてもよいことはもちろんである。
【0100】
一方、本発明による基板支持モジュールは、他の実施例として、基板1を処理する処理空間に設けられる支持部10と、支持部10上に設けられて基板1を支持する複数の基板支持ピン20とを含み、基板1中の接触領域の熱容量に対する基板支持ピン20の熱容量の比は、1以上40以下で形成される。
【0101】
すなわち、前記基板支持ピン20は、基板1中の接触領域の熱容量に対する基板支持ピン20熱容量の比が1以上40以下で形成される。
【0102】
このとき、前記熱容量は、比熱と質量の積で導出される値であり、より具体的には密度、比熱及び体積の積で導出することができる。
【0103】
前記基板1の熱容量は、基板支持ピン20と基板1との間に接触する接触領域の熱容量で決定でき、基板支持ピン20の熱容量は、基板支持ピン20全体の熱容量又は基板支持ピン20の予め設定された高さ、例えば、支持面22の最上端から10mmまでの体積に対する熱容量で決定することができる。
【0104】
また、他の例として、基板支持部100の体積に対する熱容量で決定することができる。
【0105】
一方、前述したように、窒化ホウ素(BN)、石英、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)のいずれか一つ又はそれらの組み合わせを通じて形成することにより、従来のSUS材質に比べて熱容量を下げることができ、中空構造を適用することにより質量を下げて熱容量を低減させることができる。
【0106】
一方、本発明による基板支持モジュールは、他の実施例として、基板1を処理する処理空間に設けられる支持部10と、支持部10に設けられて基板1を支持する複数の基板支持ピン20とを含み、基板支持ピン20は、ソリッド(Solid)構造であり、基板1と接触する基板支持部100と、基板支持部100下側で基板支持部100と区分して設けられる支持ロッド部200とを含む。
【0107】
すなわち、前述した中空構造とは異なり、基板支持部100と支持ロッド部200がすべてソリッド構造で適用することができ、このとき、支持ロッド部200は、上面に基板支持部100の少なくとも一部が挿入され配置されるように挿入溝201が形成されてもよい。
【0108】
このとき、前記挿入溝201は、内面が基板支持部100の側面から離隔するように、内径が基板支持部100の外径より大きく形成されてもよい。
【0109】
すなわち、前記挿入溝201は、基板支持部100挿入部分の側面が内面から離隔するように内径が形成されていることにより、基板支持部100の熱膨張による接触による損傷を防止することができる。
【0110】
一方、本実施例による基板支持ピン20は、前述した中空構造の適用なしにソリッド構造で適用される構成が異なるだけで、前述した基板支持部100及び支持ロッド部200の構成が同じように適用することができる。
【0111】
以下、本発明による基板処理装置及び基板支持ピンの効果について添付の図面を参照して説明する。
【0112】
本発明による様々な実施例の基板支持ピンは、図9に示すように、従来の基板支持ピンと比較すると、基板1と熱容量の差が小さく、基板1との間に経時的な温度偏差が小さく維持されることを確認することができた。
【0113】
このとき、図9は、開閉ドア33の開放S1及び閉鎖S2時間の間の基板1に対する温度である第1温度T1と、従来の基板支持ピンによる温度である第2温度T2と、プロセスチャンバ30の内部温度T3と、本発明による基板支持ピンの各実施例による温度を提示した。
【0114】
より具体的には、第1実施例、すなわち単一ボディで内部に中空が形成される石英材質の基板支持ピンの温度である第4温度T4と、第3実施例のうち2個のボディで基板支持部100がホウ素で形成され、支持ロッド部200が石英で形成される基板支持ピンの温度である第5温度T5と、第3実施例のうち2個のボディで基板支持部100が酸化ジルコニウム(ZrO2)で形成され、支持ロッド部200が石英で形成される基板支持ピンの温度である第6温度T6と、第4実施例のうち基板支持部100と支持ロッド部200とが石英材質の一体に形成される基板支持ピンの温度である第7温度T7をそれぞれ表示した。
【0115】
図9に示すように、開閉ドア33の開放S1後に、内部温度T3が時間とともに下降し、開閉ドア33の閉鎖S2後に内部温度T3が時間にともに上昇し、その影響で各構成の温度も下降後に上昇する。
【0116】
特に、低い熱容量で基板1の第1温度T1が急激に変化し、本発明による実施例の第4実施例のうち基板支持部100と支持ロッド部200が石英材質の一体に形成される基板支持ピンの第7温度T7、第1実施例、すなわち単一ボディで内部に中空が形成される石英材質の基板支持ピンの第4温度T4、第3実施例のうち2個のボディで基板支持部100がホウ素で形成され、支持ロッド部200が石英で形成される基板支持ピンの第5温度T5、第3実施例のうち2個のボディで基板支持部100が酸化ジルコニウム(ZrO2)で形成され、支持ロッド部200が石英で形成される基板支持ピンの第6温度T6の順に基板1との熱容量差が小さくなり、基板1の第1温度T1との偏差が小さいことを確認することができた。
【0117】
一方、従来の基板支持ピンの第2温度T2は、第1温度T1と最も大きな温度偏差を示すところ、本発明による基板支持ピン及びそれを含む基板処理装置が、従来の基板支持ピンに比べて基板1接触領域との熱容量差が小さくなることを確認することができた。
【0118】
以上は、本発明によって実施することができる好ましい実施例の一部について説明したものに過ぎず、周知のように本発明の範囲は、前記の実施例に限定して解釈されるべきではなく、前述した本発明の技術的思想とその根幹をなす技術思想はすべて本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
10 支持部
20 基板支持ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9