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特開2024-63109配線基板、面状発光装置及びそれらの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063109
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】配線基板、面状発光装置及びそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/40 20060101AFI20240501BHJP
   H05K 3/10 20060101ALI20240501BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20240501BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20240501BHJP
   H01L 33/50 20100101ALN20240501BHJP
【FI】
H05K3/40 K
H05K3/10 E
H05K1/11 N
H05K3/00 N
H01L33/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029005
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2021162370の分割
【原出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝又 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】藏岡 賢
(72)【発明者】
【氏名】湊 永子
(57)【要約】
【課題】両面基板における部材の種類の増加を抑え、製造時間及び工程数の低減を図ることができる配線基板を提供する。
【解決手段】配線基板の製造方法は、絶縁性樹脂10と、絶縁性樹脂10の第2面10Bに対面して配置される表面に防錆層21が形成された金属部材20と、を有する基板30を準備する工程と、絶縁性樹脂10の第1面10A側から第1レーザ光L1を照射して、絶縁性樹脂10を貫通し、金属部材20における絶縁性樹脂10側の表面を内底面51Bとする有底穴51を形成する工程と、有底穴51の内底面51Bにおいて、金属部材20の表面に形成されている防錆層21を除去する工程と、導電性ペースト40を有底穴51に注入すると共に、注入した導電性ペースト40に連続する配線となるように絶縁性樹脂10の第1面10Aに導電性ペースト40を塗布する工程と、導電性ペーストを硬化させる工程と、を含む。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第2面に対面して配置される、表面に防錆層が形成された金属部材と、を有する基板を準備する工程と、
前記絶縁性樹脂の第1面側から第1レーザ光を照射して、前記絶縁性樹脂を貫通し、前記金属部材における前記絶縁性樹脂側の表面を内底面とする有底穴を形成する工程と、
前記有底穴の内底面において、前記金属部材の表面に形成されている前記防錆層を除去する工程と、
導電性ペーストを前記有底穴に注入すると共に、注入した前記導電性ペーストに連続する配線となるように前記絶縁性樹脂の第1面に前記導電性ペーストを塗布する工程と、
前記導電性ペーストを硬化させる工程と、を含む配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記導電性ペーストを注入及び塗布する工程は、マスクの開口部を介して前記導電性ペーストを注入及び塗布し、
平面視において、前記マスクの開口部と前記有底穴の開口部とが重なる面積は、前記有底穴の開口部の面積の40%以上70%以下である請求項1に記載の配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記防錆層を除去する工程は、前記有底穴の内底面の中心部に、前記第1レーザ光よりもエネルギーの大きい第2レーザ光を照射する請求項1又は請求項2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光は、同一のレーザを使用して照射する請求項3に記載の配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光は、COレーザを使用して照射する請求項3又は請求項4に記載の配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記防錆層を除去する工程は、前記有底穴の内底面の中心部に、前記第1レーザ光よりも波長の短い第3レーザ光を照射する請求項1又は請求項2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記防錆層を除去する工程は、前記有底穴の内底面の表面を針状の工具で研削する請求項1又は請求項2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記導電性ペーストを注入及び塗布する工程は、前記導電性ペーストに還元剤を含有させて行う請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記有底穴を形成する工程は、前記有底穴の内径が前記第2面側から前記第1面側に向かって大きくなるように前記有底穴を形成する請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記有底穴を形成する工程は、連続する前記金属部材における前記絶縁性樹脂側の表面を内底面とする複数の前記有底穴を並列に形成し、
前記導電性ペーストを注入及び塗布する工程は、並列に形成した複数の前記有底穴の内底面に接する前記導電性ペーストを前記第1面の前記導電性ペーストを介して連続させる請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記有底穴の最大径は、100μm以上500μm以下である請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の配線基板の製造方法によって配線基板を製造する工程と、
前記配線基板における前記金属部材に、発光素子を含む光源を配置する工程と、
前記金属部材を覆うように光反射部材を配置する工程と、
前記光反射部材を覆うように第1導光部材を配置する工程と、を含む面状発光装置の製造方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の配線基板の製造方法によって配線基板を製造する工程と、
前記配線基板における前記絶縁性樹脂の第1面及び前記導電性ペーストを覆うように光反射部材を配置する工程と、
前記絶縁性樹脂の第1面側に、発光素子を含む光源を配置する工程と、
前記光源及び前記光反射部材を覆うように導光部材を配置する工程と、
平面視において、前記導光部材の表面における前記光源と重なる位置に、光調整部材を配置する工程と、を含む面状発光装置の製造方法。
【請求項14】
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第2面に対面して配置され、前記第2面側の表面に防錆層が形成されている金属部材と、を有する基板と、
前記基板に配置される導電性ペーストと、を有し、
前記基板は、前記絶縁性樹脂を貫通し、前記金属部材における前記絶縁性樹脂側の表面を内底面とする有底穴を有し、
前記有底穴の内底面は、前記防錆層が除去されている領域を有し、
前記導電性ペーストは、前記防錆層が除去されている領域に対面するように前記有底穴の内部に位置し、かつ、前記有底穴の内部に位置する前記導電性ペーストに連続する配線となるように前記絶縁性樹脂の第1面に配置されている配線基板。
【請求項15】
前記基板は、連続する前記金属部材における前記絶縁性樹脂側の表面を内底面とする、並列する複数の前記有底穴を有し、
並列する複数の前記有底穴のそれぞれの内底面に接する前記導電性ペーストは、前記絶縁性樹脂の第1面に配置されている前記導電性ペーストによる配線を介して連続する請求項14に記載の配線基板。
【請求項16】
請求項14又は請求項15に記載の配線基板と、
前記配線基板における前記金属部材に配置されている発光素子を含む光源と、
前記金属部材を覆う光反射部材と、
前記光反射部材を覆う第1導光部材と、を有する面状発光装置。
【請求項17】
請求項14又は請求項15に記載の配線基板と、
前記配線基板における前記絶縁性樹脂の第1面及び前記導電性ペーストを覆う光反射部材と、
前記絶縁性樹脂の第1面側に配置されている発光素子を含む光源と、
前記光源及び前記光反射部材を覆う導光部材と、
平面視において、前記導光部材の表面における前記光源と重なる位置に配置されている光調整部材と、を有する面状発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線基板、発光装置及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多層配線基板の層間配線として、導電性ペーストを充填したビアが採用される場合がある。例えば、特許文献1には、基板の両面に銅箔による配線を有し、導電性ペーストを充填したビアを層間配線とする両面配線基板が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-210514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、製造時間及び工程数の低減を図ることができる配線基板、発光装置及びそれらの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に開示される配線基板の製造方法は、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第2面に対面して配置される、表面に防錆層が形成された金属部材と、を有する基板を準備する工程と、前記絶縁性樹脂の第1面側から第1レーザ光を照射して、前記絶縁性樹脂を貫通し、前記金属部材における前記絶縁性樹脂側の表面を内底面とする有底穴を形成する工程と、前記有底穴の内底面において、前記金属部材の表面に形成されている前記防錆層を除去する工程と、導電性ペーストを前記有底穴に注入すると共に、注入した前記導電性ペーストに連続する配線となるように前記絶縁性樹脂の第1面に前記導電性ペーストを塗布する工程と、前記導電性ペーストを硬化させる工程と、を含む。
【0006】
また、実施形態に開示される面状発光装置の製造方法は、実施形態に開示される配線基板の製造方法によって配線基板を製造する工程と、前記配線基板における前記金属部材に、発光素子を含む光源を配置する工程と、前記金属部材を覆うように光反射部材を配置する工程と、前記光反射部材を覆うように第1導光部材を配置する工程と、を含む。
【0007】
また、実施形態に開示される面状発光装置の製造方法は、実施形態に開示される配線基板の製造方法によって配線基板を製造する工程と、前記配線基板における前記絶縁性樹脂の第1面及び前記導電性ペーストを覆うように光反射部材を配置する工程と、前記絶縁性樹脂の第1面側に、発光素子を含む光源を配置する工程と、前記光源及び前記光反射部材を覆うように導光部材を配置する工程と、平面視において、前記導光部材の表面における前記光源と重なる位置に、光調整部材を配置する工程と、を含む。
【0008】
また、実施形態に開示される配線基板は、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第2面に対面して配置され、前記第2面側の表面に防錆層が形成されている金属部材と、を有する基板と、前記基板に配置される導電性ペーストと、を有し、前記基板は、前記絶縁性樹脂を貫通し、前記金属部材における前記絶縁性樹脂側の表面を内底面とする有底穴を有し、前記有底穴の内底面は、前記防錆層が除去されている領域を有し、前記導電性ペーストは、前記防錆層が除去されている領域に対面するように前記有底穴の内部に位置し、かつ、前記有底穴の内部に位置する前記導電性ペーストに連続する配線となるように前記絶縁性樹脂の第1面に配置されている。
【0009】
また、実施形態に開示される面状発光装置は、実施形態に開示される配線基板と、前記配線基板における前記金属部材に配置されている発光素子を含む光源と、前記金属部材を覆う光反射部材と、前記光反射部材を覆う第1導光部材と、を有する。
【0010】
また、実施形態に開示される面状発光装置は、実施形態に開示される配線基板と、前記配線基板における前記絶縁性樹脂の第1面及び前記導電性ペーストを覆う光反射部材と、前記絶縁性樹脂の第1面側に配置されている発光素子を含む光源と、前記光源及び前記光反射部材を覆う導光部材と、平面視において、前記導光部材の表面における前記光源と重なる位置に配置されている光調整部材と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の実施形態によれば、両面基板における部材の種類の増加を抑え、製造時間及び工程数の低減を図ることができる配線基板、発光装置及びそれらの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】実施形態に係る配線基板の一部を例示する第2面側の概略斜視図である。
図1B】実施形態に係る配線基板の一部を例示する第1面側の概略斜視図である。
図1C】実施形態に係る配線基板の一部を例示する第2面側の概略平面図である。
図1D】実施形態に係る配線基板の一部を例示する第1面側の概略平面図である。
図2A】実施形態に係るビア接続部を例示する第1面側の概略平面図である。
図2B図2AのIIB-IIB線における断面を例示する概略断面図である。
図2C】実施形態に係るビア接続部の他の例を示す第1面側の概略平面図である。
図3】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示するフローチャートである。
図4A】実施形態に係る配線基板の製造方法において、準備した基板を例示する概略断面図である。
図4B】実施形態に係る配線基板の製造方法において、金属部材の配線パターンを形成した状態を例示する概略断面図である。
図4C】実施形態に係る配線基板の製造方法において、有底穴を形成した状態を例示する概略断面図である。
図4D】実施形態に係る配線基板の製造方法において、防錆層の一部を除去した状態を例示する概略断面図である。
図4E】実施形態に係る配線基板の製造方法において、導電性ペーストを塗布した状態を例示する概略断面図である。
図4F】実施形態に係る配線基板の製造方法において、導電性ペーストを硬化させた状態を例示する概略断面図である。
図5A】実施形態に係る配線基板の製造方法において、導電性ペーストの配置に使用するマスクの一部を例示する概略平面図である。
図5B】実施形態に係る配線基板の製造方法において、導電性ペーストの配置に使用するマスクの変形例の一部を例示する概略平面図である。
図5C】実施形態に係る配線基板の製造方法において、導電性ペーストの配置に使用するマスクの他の変形例の一部を例示する概略平面図である。
図5D】実施形態に係る配線基板の製造方法において、導電性ペーストの配置に使用するマスクの他の変形例の一部を例示する概略平面図である。
図6A】第1及び第2実施形態に係る面状発光装置を例示する概略平面図である。
図6B図6Aの一部を拡大して例示する概略平面図である。
図6C】第1実施形態に係る面状発光装置における配線基板の一部を例示する概略平面図である。
図7】第1実施形態に係る面状発光装置について、図6BのVII-VII線における断面を例示する概略断面図である。
図8】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法を例示するフローチャートである。
図9A】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、実施形態に係る配線基板の製造方法によって製造した配線基板を例示する概略断面図である。
図9B】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光源を配置した状態を例示する概略断面図である。
図9C】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光反射部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図9D】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、第1導光部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図9E】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、第2導光部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図9F】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光調整部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図10A】第1導光部材の第1変形例に係る面状発光装置を例示する概略断面図である。
図10B】第1導光部材の第2変形例に係る面状発光装置を例示する概略断面図である。
図10C】第1導光部材の第3変形例に係る面状発光装置を例示する概略断面図である。
図11】第2実施形態に係る面状発光装置について、図6BのXI-XI線における断面を例示する概略断面図である。
図12】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法を例示するフローチャートである。
図13A】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、実施形態に係る配線基板の製造方法によって製造した配線基板を例示する概略断面図である。
図13B】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光反射部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図13C】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、貫通穴を形成した状態を例示する概略断面図である。
図13D】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光源を配置した状態を例示する概略断面図である。
図13E】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、接続部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図13F】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、第1導光部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図13G】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、第2導光部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図13H】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光調整部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本開示に係る技術的思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、発明を以下のものに限定しない。一つの実施形態において説明する内容は、他の実施形態及び変形例にも適用可能である。また、図面は実施形態を概略的に示すものであり、説明を明確にするため、各部材のスケールや間隔、位置関係等を誇張し、あるいは、部材の一部の図示を省略している場合がある。各図において示す方向は、構成要素間の相対的な位置を示し、絶対的な位置を示すことを意図したものではない。なお、同一の名称、符号については、原則として、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、実施形態について、「覆う」とは直接接する場合に限らず、間接的に、例えば他の部材を介して覆う場合も含む。
【0014】
[配線基板]
実施形態に係る配線基板1を、図1A乃至図2Bを参照しながら説明する。図1Aは、実施形態に係る配線基板の一部を例示する第2面側の概略斜視図であり、図1Bは、実施形態に係る配線基板の一部を例示する第1面側の概略斜視図である。図1Cは、実施形態に係る配線基板の一部を例示する第2面側の概略平面図であり、図1Dは、実施形態に係る配線基板の一部を例示する第1面側の概略平面図である。図2Aは、実施形態に係るビア接続部を例示する第1面側の概略平面図である。図2Bは、図2AのIIB-IIB線における断面を例示する概略断面図である。
図1A乃至図1Dに示すように、配線基板1は、両面に互いに異なるパターンの電気的な配線を設けることができる。両面の配線は、ビア接続部50によって接続されている。配線基板1の一方の面には、後記する金属部材20による配線が設けられ、反対側の面には後記する導電性ペースト40による配線が設けられている。ビア接続部50は、後記する有底穴51を有し、導電性ペースト40によって両面の配線を接続している。なお、ビア接続部50は、一例を図2Aに拡大して示している。
【0015】
配線基板1は、第1面10A及び第1面10Aの反対側の第2面10Bを有する絶縁性樹脂10と、絶縁性樹脂10の第2面10Bに対面して配置され、第2面10B側の表面に防錆層21が形成されている金属部材20と、を有する基板30と、基板30に配置される導電性ペースト40と、を有している。そして、基板30は、絶縁性樹脂10を貫通し、金属部材20における絶縁性樹脂10側の表面を内底面とする有底穴51を有し、有底穴51の内底面51Bは、防錆層21が除去されている領域52を有し、導電性ペースト40は、防錆層21が除去されている領域52に対面するように有底穴51の内部に位置し、かつ、有底穴51の内部に位置する導電性ペースト40に連続する配線となるように絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置されている。次に、配線基板1の各構成について説明する。
【0016】
(基板)
基板30は、配線基板1の基礎となる板状又はシート状の部材である。基板30の平面視形状は、例えば矩形状である。なお、基板30の平面視形状は特に限定されない。基板30は、絶縁性樹脂10と、絶縁性樹脂10の第2面10Bに対面して配置される配線となる金属部材20と、を有する。絶縁性樹脂10の第1面10Aには、配線となる導電性ペースト40が配置される。そして、絶縁性樹脂10を貫通して形成された配線となるビア接続部50(貫通穴及び導電性ペースト)を介して、金属部材20の配線及び導電性ペースト40の配線が接続される。
(絶縁性樹脂)
絶縁性樹脂10は、配線パターンが形成される土台となる絶縁性の板状又はシート状の部材である。絶縁性樹脂10は、第1面10A及び第1面10Aの反対側の第2面10Bを有しており、第1面10Aから第2面10Bまで貫通する貫通穴である有底穴51が形成されている。ここでは、絶縁性樹脂10は、ポリイミド層11及び樹脂層12の2層からなり、ポリイミド層11側が第1面10A、樹脂層12側が第2面10Bである。ポリイミド層11の厚さT3は、例えば12μm以上75μm以下であり、樹脂層12の厚さT2は、例えば5μ以上20μm以下である。なお、絶縁性樹脂10の材料や構造、厚さは特に限定されない。
【0017】
(金属部材)
金属部材20は、予め設定された配線パターンを形成する導電性の部材である。金属部材20の材料は、例えば、Ag、Al、Ni、Au、Cu、Ti、Pt、W等の単体金属又はこれらを含む合金とすることができる。ここでは、金属部材20は一例として銅箔を使用している。銅箔の厚さT1は、例えば12μm以上35μm以下である。金属部材20の配線パターンは、エッチングによって形成することができる。
金属部材20には、接続パッド部22を設けることができる。接続パッド部22は、ビア接続部50を設け易いように、例えば幅を広く形成する金属部材20の一部である。ここでは、矩形状の接続パッド部22が金属部材20の配線パターンの先端部に設けられ、平面視において、後記する導電性ペースト40による配線と重なる領域を有するように配置されている。接続パッド部22は、配線パターンと共にエッチングによって形成することができる。
【0018】
金属部材20の表面には、防錆処理が施されている。特に、絶縁性樹脂10に対面する表面には防錆層21が形成されている。防錆層21は、例えば、表面に凹凸を形成して粗化処理を施した粗化層、ZnやNi、Cr等のメッキ層、有機皮膜層等からなり、金属部材20としての銅箔の表面を形成している。防錆層21は、銅箔等の金属部材20の酸化を抑え、絶縁性樹脂10との密着性を高める。但し、防錆層21の電気抵抗は銅箔よりも大きい。このため、絶縁性樹脂10に対面する銅箔の表面に電気的接点を設けようとする場合、電気的接点における電気抵抗を小さくするために、防錆層21が除去されるのが好ましい。防錆層21は、例えば、レーザ光を照射して蒸発させることや、還元剤による化学反応、機械的な研削等の方法で除去することができる。防錆層21の厚さは、例えば0.1μm以上7μm以下である。また有底穴51の内底面51Bに対して、防錆層21が除去されている面積は、20%以上であればよく、40%以上が好ましく、55%以上がより好ましく、70%以上がさらにより好ましい。有底穴51の内底面51Bに対して、防錆層21が除去されている面積は、80%以下が好ましい。なお、有底穴51の内底面51Bに対して、防錆層21が除去されている面積は、100%であってもよい。これにより導電性ペースト40と金属部材20との電気抵抗を小さくすることができる。また防錆層21が除去されている領域は有底穴51中において1箇所だけでなく、複数箇所あっても良い。さらに、防錆層21を除去した箇所の金属部材20の表面に凹凸を設けてもよい。例えばレーザ等で防錆層21を除去する際に金属部材20の表面に微細な凹凸が形成される。この微細な凹凸は導電性ペースト40と金属部材20との接合を強固にすることができる。防錆層21を除去した箇所の金属部材20の表面粗さ(Ra)は、0.1μm~3.0μmが好ましく、0.2μm~1.5μmがより好ましい。
【0019】
(導電性ペースト)
導電性ペースト40は、第1面10Aに配置される配線を形成すると共に、第1面10Aに配置される配線と第2面10Bに対面して配置される金属部材20とを接続する部材である。導電性ペースト40は、第1面10Aに配線として配置されると共に、後記する有底穴51に配置されている。
銅箔の体積抵抗率が例えば1.7μΩ・cmであるのに対し、導電性ペースト40の体積抵抗率は、例えば10μΩ・cm以上100μΩ・cm以下である。導電性ペースト40の配線抵抗を小さくするために、配線の断面積を大きくすることができる。第1面10Aに配置される配線に係る導電性ペースト40の配線厚さT4は、配線基板1をできるだけ薄くするために、例えば10μm以上30μm以下としている。このため、導電性ペースト40の配線幅は、0.5mm以上2mm以下とするのが好ましい。
導電性ペースト40の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム等の単体若しくはその合金や混合粉末と樹脂バインダとの混合物である。樹脂バインダは、例えば、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。また、導電性ペースト40には有機酸等の還元剤を含むことが好ましい。これにより金属部材20との接続における電気抵抗を小さくする事が出来る。
【0020】
(有底穴)
有底穴51は、絶縁性樹脂10を貫通して貫通穴とし、かつ、その貫通穴を金属部材20により塞ぐことで有底穴として構成されている。有底穴51は、金属部材20に対面する位置に設けられ、金属部材20の表面が有底穴51の内底面51Bとなっている。ここでは、1つの接続パッド部22に対面する位置に、2つの有底穴51が設けられている。
(防錆層が除去されている領域)
防錆層21が除去されている領域52は、有底穴51の内底面51Bの一部であり、金属部材20の防錆層21が除去されている領域である。ここでは、領域52は、内底面51Bの中央部に設けられている。
【0021】
配線基板1において、基板30は、連続する金属部材20における絶縁性樹脂10側の表面を内底面51Bとする、並列する複数の有底穴51を有し、並列する複数の有底穴51のそれぞれの内底面51Bに接する導電性ペースト40は、絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置されている導電性ペースト40による配線を介して連続する。
ここでは、図2Aに示すように、連続する金属部材20で形成される1つの接続パッド部22に対し、並列する2つの有底穴51が設けられている。すなわち、2つの有底穴51は、内底面51Bの金属部材20が連続している。そして、第1面10Aの配線において連続する導電性ペースト40が、それぞれの内底面51Bにおいて防錆層21が除去されている領域52に接している。
また、導電性ペースト40は、平面視において、一定の幅からはみ出すように導電性ペースト40に連続して有底穴51の中に入り込んで配置される充填部41が形成されている。
【0022】
上記のような構成を備える配線基板1は、絶縁性樹脂10を貫通し、金属部材20における絶縁性樹脂10側の表面を内底面51Bとする有底穴51を有し、導電性ペースト40が有底穴51の内部に位置することで、導電性ペースト40と金属部材20との間の電気的接続を確実にすることができる。
配線基板1は、有底穴51の内底面51Bに、防錆層21が除去されている領域52を有し、導電性ペースト40が、防錆層21が除去されている領域52に対面するように有底穴51の内部に位置することで、導電性ペースト40と金属部材20との間の接続における電気抵抗を小さくすることができる。
配線基板1は、有底穴51の内部に位置する導電性ペースト40と、絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置されて配線となる導電性ペースト40と、が連続することで、ビア充填と配線とを1つの部材で行うことができ、両面基板における部材の種類の増加を抑えることができる。
配線基板1は、並列する複数の有底穴51のそれぞれの内底面51Bに接する導電性ペースト40が、絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置されている導電性ペースト40による配線を介して連続することで、導電性ペースト40と金属部材20との間の電気的接続をさらに確実にし、接続における電気抵抗をより小さくすることができる。
【0023】
なお、接続パッド部22の形状は、矩形状でもよく、台形状や曲線部分を含む形状でもよい。また、接続パッド部22を設けずに、金属部材20の配線パターンの一部に内底面51Bが位置するように有底穴51を設けてもよい。
また、1つの接続パッド部22又は連続する金属部材20の配線パターンに対して設ける有底穴51は1つでもよく、3つ以上でもよい。複数設ける場合には、図2Aに示すように、導電性ペースト40の配線と同じ方向に並んでいてもよく、導電性ペースト40の配線と異なる方向に並んでいてもよい。例えば、図2Cに示すように、長方形状の接続パッド部22Aの位置で導電性ペースト40の配線を終端させて、互いに異なる方向に有底穴51が3つずつ並ぶようにしてもよい。
【0024】
次に、実施形態に係る配線基板の製造方法S10を図3乃至図5Aを参照しながら説明する。配線基板の製造方法S10は、第1面10A及び第1面10Aの反対側の第2面10Bを有する絶縁性樹脂10と、絶縁性樹脂10の第2面10Bに対面して配置される、表面に防錆層21が形成された金属部材20と、を有する基板30を準備する工程S1と、絶縁性樹脂10の第1面10A側から第1レーザ光L1を照射して、絶縁性樹脂10を貫通し、金属部材20における絶縁性樹脂10側の表面を内底面51Bとする有底穴51を形成する工程S3と、有底穴51の内底面51Bにおいて、金属部材20の表面に形成されている防錆層21を除去する工程S4と、導電性ペースト40を有底穴51に注入すると共に、注入した導電性ペースト40に連続する配線となるように絶縁性樹脂10の第1面10Aに導電性ペースト40を塗布する工程S5と、導電性ペーストを硬化させる工程S6と、を備える。
【0025】
(基板を準備する工程)
基板を準備する工程S1は、絶縁性樹脂10の一方の面(第2面10B)に対面して金属部材20が配置されている基板30を準備する工程である。金属部材20は、一例として銅箔であり、絶縁性樹脂10側の表面に防錆層21が形成されている。
金属部材20は、絶縁性樹脂10の基材となるポリイミド層11に、接着層となる樹脂層12を介して貼り合わされている。金属部材20及び絶縁性樹脂10は、互いにシート状で貼り合わせたものが準備される。絶縁性樹脂10の材料や構造、厚さは特に限定されない。例えば、樹脂層12を設けずに、熱圧着等によって、金属部材20とポリイミド層11とを貼り合わせてもよい。基板30は、購入することで準備してもよい。また、ポリイミド層11及び樹脂層12をポリイミド樹脂で形成し絶縁性樹脂10を一体化した材料を用いても良い。
【0026】
(金属部材をエッチングする工程)
金属部材をエッチングする工程S2は、金属部材20に、エッチングにて配線パターンを形成する工程である。配線パターンの形成には、接続パッド部22の形成も含まれる。なお、基板を準備する工程S1において、すでに金属部材20の配線パターンが形成された基板を購入してもよい。その場合は、金属部材をエッチングする工程S2を省略することができる。
【0027】
(有底穴を形成する工程)
有底穴を形成する工程S3は、絶縁性樹脂10に、絶縁性樹脂10を貫通して有底穴51を形成する工程である。有底穴51が小さいと、後の工程において、導電性ペースト40が注入されにくい。また、有底穴51が大きいと、金属部材20を広く形成する必要が生じ、金属部材20の配線パターンの配置が制限されることになる。このため、有底穴51の最大径D1は、50μm以上800μm以下であり、100μm以上500μm以下が好ましく、200μm以上300μm以下がさらに好ましい。
【0028】
有底穴を形成する工程S3は、有底穴51の内径が第2面10B側から第1面10A側に向かって大きくなるように有底穴51を形成している。すなわち、有底穴51は、内底面51Bに向かって先細るテーパ状となっている。
有底穴を形成する工程S3では、有底穴51は、第1面10A側から第1レーザ光L1を照射して、樹脂を材料とする絶縁性樹脂10に形成する。使用するレーザは、加工速度の観点からCOレーザが好ましいが、グリーンレーザやUVレーザ等も用いる事ができる。
【0029】
また、有底穴を形成する工程S3において、連続する金属部材20における絶縁性樹脂10側の表面を内底面51Bとする複数の有底穴51を並列に形成する。そして、後記する導電性ペーストを注入及び塗布する工程S5において、並列に形成した複数の有底穴51の内底面51Bに接する導電性ペースト40を第1面10Aの導電性ペースト40を介して連続させている。
この工程S3では、一例として、連続する金属部材20で形成される1つの接続パッド部22に対面する位置に、2つの有底穴51を並列に形成している。接続パッド部22の絶縁性樹脂10側の表面は、2つの有底穴51の内底面51Bとなっている。そして、導電性ペーストを注入及び塗布する工程S5において、2つの有底穴51の内底面51Bに接する導電性ペースト40が、第1面10Aの導電性ペースト40を介して連続するように導電性ペースト40を注入及び塗布している。なお、有底穴51は、接続パッド部22かどうかに拘らず、金属部材20に対面する位置に形成すればよい。
【0030】
(防錆層を除去する工程)
防錆層を除去する工程S4は、有底穴51の内底面51Bの防錆層21を除去する工程である。この工程S4は、有底穴51の内底面51Bの中心部に、第1レーザ光L1よりもエネルギーの大きい第2レーザ光L2を照射している。第2レーザ光L2の照射によって、防錆層21が除去された領域52が内底面51Bに形成される。なお、防錆層21を除去するためには、樹脂の加工に適した第1レーザ光L1よりもエネルギーの大きい第2レーザ光L2が必要となる。また、第2レーザ光L2の照射による温度上昇で、内底面51Bの周囲の絶縁性樹脂10が溶融し、変形してしまう場合がある。このため、第2レーザ光L2は、内側面51Aから離れた内底面51Bの中心部に照射するのが好ましい。
【0031】
第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2は、同一のレーザを使用して照射するのも好ましい。同一のレーザを使うことで、有底穴51の内底面51Bにおける照射位置を調節するアライメント精度を高めることができる。また、装置の入れ替えが不要となり、製造工程における生産性を向上させることができる。
第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2は、COレーザを使用して照射するのも好ましい。COレーザは、レーザ光の波長が長いため、金属部材20への影響が小さく、例えば出力200W以上のハイパワーを照射し加工することができる。このため、絶縁性樹脂10および防錆層21の除去を効率的に行うことができる。
【0032】
第2レーザ光L2は、例えばマスクMLの開口部を介して照射している。マスクMLの開口部を通った第2レーザ光L2は、レンズで集光され、有底穴51の内底面51Bの中心部に照射される。マスクMLの開口部の形状は、例えば円形状とすることができる。内底面51Bにおいて、第2レーザ光L2が照射される面積は、内底面51Bの面積の20%以上60%以下であるのが好ましく、第2レーザ光L2が照射される領域の最大径は、例えば20μm以上300μm以下であり、50μm以上200μm以下が好ましい。
【0033】
(導電性ペーストを注入及び塗布する工程)
導電性ペーストを注入及び塗布する工程S5は、流動性を有する硬化前の導電性ペースト40を有底穴51及び絶縁性樹脂10の第1面10Aに塗布する工程である。導電性ペースト40の塗布は、例えば、ディスペンサのノズルから注入してもよく、スクリーン印刷により設けてもよく、ノズルから注入した後にスクリーン印刷をするなど、ノズル注入とスクリーン印刷との併用でもよい。
【0034】
導電性ペーストを注入及び塗布する工程S5は、一例として、マスクM1の開口部MA1を介して導電性ペースト40を注入及び塗布している。平面視において、マスクM1の開口部MA1と有底穴51の開口部とが重なる面積は、有底穴51の開口部の面積の40%以上70%以下であり、45%以上60%以下が好ましく、50%以上55%以下がさらに好ましい。導電性ペースト40の注入及び塗布は、マスクM1を使用して、スクリーン印刷やメタルマスク印刷によって行うことができる。
図5Aに示すように、マスクM1の開口部MA1は、平面視において、有底穴51の一部と重なっている。なお、図5Aは、基板30を第1面10A側からみた概略平面図であり、一例として、反対側の面である第2面10Bには、金属部材20の接続パッド部22が形成され、有底穴51の内底面51Bとなっている。導電性ペースト40は、開口部MA1と有底穴51とが重なる領域P11から、有底穴51に注入される。一例として、有底穴51の開口部は円形状であり、領域P11は、有底穴51の開口部から弓形を取り除いたような形状である。この工程S5は、領域P11の形状及び大きさを調節することによって、有底穴51に対して導電性ペースト40を注入する位置及び分量を調節することができる。
【0035】
図4Eに示すように、注入直後の内底面51Bは、導電性ペースト40に対面していない部分を有している。導電性ペースト40は、その流動性によって、内底面51Bに密着するように広がっていく。このとき、内底面51Bに対面している空気は、導電性ペースト40に押し出されるように、例えば、空気の流れA3として有底穴51から外部へ排出される。
【0036】
(導電性ペーストを硬化させる工程)
導電性ペーストを硬化させる工程S6は、塗布した導電性ペースト40を硬化させる工程である。導電性ペースト40の硬化は、例えば熱処理によって行う。
有底穴51の内部に位置する導電性ペースト40は、防錆層21が除去された領域52の全面に対面している。これにより、金属部材20と導電性ペースト40との間の接続における電気抵抗が小さくなる。また、領域52が空気に触れないことで、金属部材20の酸化を抑えることができる。
有底穴51の内部に位置する導電性ペースト40の体積は、有底穴51の体積の80%以上であり、90%以上が好ましく、100%がさらに好ましい。なお、有底穴51の内部に位置する導電性ペースト40の体積が、有底穴51の体積の100%に近づくほど、有底穴51の内部における導電性ペースト40の配線抵抗を小さくすることができる。
【0037】
上記のような構成を含む配線基板の製造方法S10は、絶縁性樹脂10の第1面10A側から第1レーザ光L1を照射して、絶縁性樹脂10を貫通し、金属部材20における絶縁性樹脂10側の表面を内底面51Bとする有底穴51を形成し、導電性ペースト40を有底穴51に注入することで、金属部材20と導電性ペースト40との電気的接続を確実に行うことができる。
【0038】
配線基板の製造方法S10は、有底穴51に導電性ペースト40を注入すると共に、注入した導電性ペースト40に連続する配線となるように絶縁性樹脂10の第1面10Aに導電性ペースト40を塗布し、導電性ペーストを硬化させることで、導電性ペースト40を絶縁性樹脂10の第1面10A及び有底穴51に、例えば一括で印刷して配置することができ、配線とビア充填とを簡易に行うことができる。また、導電性ペースト40は伸縮性があるため、配線基板1の曲げや反りに対して断線しにくく、信頼性の高い配線とすることができる。
【0039】
配線基板の製造方法S10は、平面視において、マスクM1の開口部MA1と有底穴51の開口とが重なる面積が、有底穴51の開口部の面積の45%以上60%以下であることで、マスクM1の開口部MA1を介して導電性ペースト40を注入直後の内底面51Bは、導電性ペースト40に対面していない部分を有する。それから、導電性ペースト40が、空気を押し出しながら内底面51Bに広がるため、気泡の発生を抑えて、内底面51Bと導電性ペースト40との密着性を良好にすることができる。
【0040】
配線基板の製造方法S10は、有底穴51の内底面51Bにおいて、金属部材20の表面に形成されている防錆層21を除去することで、防錆層21による抵抗値の上昇を抑えることができる。なお、最初から防錆層21が形成されていない金属部材20を使用した場合、有底穴を形成する工程S3における第1レーザ光L1の照射等によって金属部材20の温度が上昇し、表面の酸化が進んで接続における電気抵抗が高くなってしまう場合がある。配線基板の製造方法S10は、防錆層21が形成された金属部材20を使用して、導電性ペースト40と接続する前に防錆層21を除去することによって、確実に接続における電気抵抗を低くすることができる。防錆層21が形成されていない金属部材20とは、例えば、防錆処理として有機皮膜のみを設け、粗化層やメッキ層を設けていない銅箔である。
【0041】
配線基板の製造方法S10は、有底穴51の内径が第2面10B側から第1面10A側に向かって大きくなるようにテーパ状の有底穴51を形成することで、導電性ペースト40は、有底穴51の内側面51Aに密着させながら注入することができ、気泡の発生を抑えることができる。また、絶縁性樹脂10の第1面10Aと有底穴51の内側面51Aとのなす角が鈍角となって、導電性ペースト40の断線が生じにくい。
配線基板の製造方法S10は、有底穴51の内底面51Bの中心部のみに、第1レーザ光L1よりもエネルギーの大きい第2レーザ光L2を照射することで、内底面51Bの周囲の絶縁性樹脂10の溶融を抑えながら、防錆層21を除去することができる。
【0042】
(防錆層の除去の変形例)
防錆層21の除去は、防錆層を除去する工程S4において、有底穴51の内底面51Bの中心部に、第1レーザ光L1よりも波長の短い第3レーザ光L3を照射することで行ってもよい。第3レーザ光L3の照射は、すでに説明した第2レーザ光L2の照射と同様に行うことができる。第3レーザ光L3は、波長が短いことで、防錆層21を容易に除去することができる。一方、波長の短いレーザ光は、金属部材20を損傷してしまう場合がある。このような場合、例えば照射時間を短くしたり、出力を抑えたりすることで、金属部材20への影響を抑えることができる。
【0043】
防錆層21の除去は、有底穴51の内底面51Bの表面を針状の工具で研削することで行ってもよい。工具で研削する場合は、レーザ光を照射する場合よりも、内底面51Bに対する防錆層21が除去されている領域52の面積の割合を大きくすることができる。また、工具による研削では、領域52は、内底面51Bの中心部ではない位置に形成することができ、例えば内底面51Bの全面に形成してもよい。
【0044】
防錆層21の除去は、導電性ペーストを注入及び塗布する工程S5において、導電性ペースト40に還元剤を含有させて行ってもよい。導電性ペースト40に還元剤を含有させることで、防錆層21の除去のためのレーザ光の照射及び工具による研削は、省略することができ、工程数を減らすことができる。なお、防錆層21の除去は、レーザ光の照射、工具による研削又は導電性ペーストへの還元剤の添加のうち、何れか一つによって行ってもよく、二つ以上を組み合わせて行ってもよい。
【0045】
(導電性ペーストを塗布するマスクの変形例)
導電性ペースト40を注入及び塗布する工程S5において、領域P11に対するスクリーン印刷におけるスキージ(へら)を動かす方向によって、有底穴51に注入される導電性ペースト40の分量にばらつきが生じる場合がある。このような場合に、領域P11の形状を変更することで、改善を図ることができる。
【0046】
図5Bに示すように、マスクM2は、開口部MA2と有底穴51とが重なる領域P12が略L字状を呈している。マスクM2によって、領域P12が略L字状となることで、導電性ペースト40を略直角をなす2つの方向から有底穴51に注入することができる。これにより、導電性ペースト40は、分量のばらつきの低減を図りながら、有底穴51に注入することができる。
【0047】
また、図5Cに示すように、マスクM3は、接続パッド部22に対向する領域ごとに、開口部MA3と有底穴51とが重なる領域P13が、図において2つの略C字状を呈し、C字状の開口部分を互いに向き合うように形成されている。マスクM3によって、領域P13が略C字状となることで、導電性ペースト40を3つの方向から有底穴51に注入することができる。これにより、導電性ペースト40は、分量のばらつきのさらなる低減を図りながら、有底穴51に注入することができる。
【0048】
さらに、図5Dに示すように、マスクM4は、開口部MA4と有底穴51とが重なる領域P14が、1つの有底穴51において、2つの略平行する領域に分かれている。マスクM4によって、領域P14が2つの略平行する領域に分かれることで、導電性ペースト40を対向する2つの方向から有底穴51に注入することができる。これにより、導電性ペースト40は、分量のばらつきの低減を図りながら、有底穴51の内部においてより均一になるように注入することができる。また、マスクM4は、略平行する領域P14の間隔を調整することで、有底穴51に注入される導電性ペースト40の分量を微調整することができる。
【0049】
[面状発光装置]
次に、第1実施形態に係る面状発光装置1000Aを、図6A乃至図7を参照しながら説明する。面状発光装置1000Aは、図6A、6Bに示すように、光源100を並べて面状に発光するようにした装置であり、光源100それぞれの明るさ及び点消灯を独立して制御することができる。面状発光装置1000Aは、光源100の1個ずつが後記する反射層230で区切られており、1個の光源100が、明るさ及び点消灯の制御単位であるセルとなっている。図6Aは面状発光装置の全体の概略平面図、図6Bは、図6Aに示す面状発光装置の一部を拡大して例示する概略平面図である。図6Cは配線基板1Aの一例を示す概略平面図であり、光源100は、金属部材20の電極25Aに配置される。図7は、面状発光装置1000Aの一部を例示する概略断面図である。
面状発光装置1000Aは、すでに説明した配線基板1と、配線基板1における金属部材20の電極25Aに配置されている、発光素子110を含む光源100と、金属部材20を覆う光反射部材300と、光反射部材300を覆う第1導光部材210と、を有する。
【0050】
配線基板1は、既に説明した構成であるものが使用される。なお、配線基板1では、用途に応じて様々なパターンの配線を形成することができる。面状発光装置1000Aに使用される配線基板1は、面状発光装置1000Aのために、光源100が配置される電極や制御用の配線が形成されたものであり、これを配線基板1Aとして説明する。
【0051】
(光源)
光源100は、一対の素子電極130を有する発光素子110と、発光素子110の光取出し面側に配置される透光性部材120を有している。
発光素子110は、半導体積層体を含み、本実施形態においては透光性部材120が半導体積層体の上面側に配置され、下面側に一対の素子電極130を有している。半導体積層体としては、所望とする発光波長に応じて任意の組成を用いることができるが、例えば、青色又は緑色の発光が可能な窒化物半導体(InAlGa1-x-yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)やGaP、又は、赤色の発光が可能なGaAlAsやAlInGaPなどを用いることができる。また、使用する目的に応じて発光素子110の大きさや形状は適宜選択が可能である。
【0052】
透光性部材120は、例えば、透光性の樹脂材料からなり、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらを混合した樹脂等を用いることができる。透光性部材120は、蛍光体を含んでいてもよく、例えば、発光素子110からの青色の光を吸収し、黄色の光を放射する蛍光体を含むことにより、光源100から白色の光を出射させることができる。また、透光性部材120は、複数種類の蛍光体を含んでいてもよく、例えば、発光素子110からの青色の光を吸収して、緑色の光を放射する蛍光体と、赤色の光を放射する蛍光体と、を含むことによっても、光源100から白色の光を出射させることができる。
【0053】
このような蛍光体としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、βサイアロン蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン蛍光体(例えば、Mz(Si,Al)12(O,N)16(但し、0<z≦2であり、MはLi、Mg、Ca、Y、及びLaとCeを除くランタニド元素))、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si,Al)F:Mn)、若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、又は、ペロブスカイト、カルコパイライト等の量子ドット蛍光体等を用いることができる。
【0054】
(光反射部材)
光反射部材300Aは、光反射性を有するシート状の部材である。光反射部材300Aは、配線基板1Aにおける絶縁性樹脂10の第2面10Bに配置され、金属部材20を覆っている。ただし、ここでは、光反射部材300Aは、光源100を囲む開口部350Aを有し、開口部350Aは、平面視において、光源100の周囲を50μmから100μm程度離れて囲んでいるため、開口部350Aの内側に位置する一部を除き、金属部材20を覆っていることになる。これは、後記する第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法S100Aにおいても同様である。
【0055】
光反射部材300Aは、光源100からの光を有効に利用するために、高い反射率を有し、白色であることが好ましい。光反射部材300Aの反射率は、光源100の発する光の波長において、例えば90%以上であることが好ましく、94%以上がより好ましい。
光反射部材300Aには、多数の気泡を含む樹脂シート(例えば発泡樹脂シート)や、光拡散材を含む樹脂シート等を用いることができる。光反射部材300Aに用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、光拡散材としては、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛又はガラス等の公知の材料を用いることができる。
【0056】
(導光部材)
導光部材200は、光反射部材300Aを覆う第1導光部材210と、光源100を覆う第2導光部材220を備えている。第1導光部材210は、透光性を有する板状又はシート状の部材である。ただし、ここでは、第1導光部材210は、光源100を囲む開口部250を有している。そして、開口部250は、平面視において、光源100の周囲を100μmから200μm程度離れて囲んでおり、光反射部材300Aの開口部350Aに対向する位置で開口部350Aを内側に包含する大きさである。このため、第1導光部材210は、開口部250の内側に位置する一部を除き、光反射部材300Aを覆っていることになる。これは、後記する第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法S100A及び第1導光部材の第1乃至第3変形例においても同様である。また、第2導光部材220は、第1導光部材210の開口部250に充填され開口部350Aから光源100までを覆うように設置されている。
【0057】
第1導光部材210の材料は、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、又はガラス等の透光性を有する材料を用いることができる。特に、透明性が高く、安価なポリカーボネートを用いるのが好ましい。第2導光部材220の材料は、透明な樹脂であれば限定されないが、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
導光部材200は、反射層230によってセル毎に区切られている。反射層230は、隣のセルから、導光部材200を透過してくる光を抑えるために設けられている。反射層230は、導光部材200の材料である樹脂に、光拡散材を含有させて形成することができる。光拡散材は、例えば酸化チタン、シリカ、アルミナ等を用いることができる。
【0058】
(光調整部材)
面状発光装置1000Aは、光調整部材400を有していてもよい。光調整部材400は、光源100側からの光の一部を光反射部材300A側に反射させる膜状又は板状の部材である。光調整部材400は、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に配置されている。
光調整部材400の透過率は、光源100の光に対して、例えば20%以上60%以下であるのが好ましく、30%以上40%以下がさらに好ましい。光調整部材400の材料は、例えば、光拡散材を含む樹脂材料を用いてもよく、金属材料を用いてもよい。樹脂材料は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はこれらを混合した樹脂とすることができる。光拡散材は、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛又はガラス等の公知の材料とすることができる。光調整部材400は、平面視において光源100に対向する位置において光源100を包含する大きさであればよく、図6Bにおいては円形状であるが、矩形状等でもよい。
【0059】
上記のような構成を備える面状発光装置1000Aは、配線基板1Aにおける金属部材20の電極25Aに発光素子110を含む光源100が配置され、金属部材20を覆う光反射部材300Aを有することで、金属部材20による光の吸収を抑えることができ、光反射部材300Aを覆う第1導光部材210を有することで、光源100の光を効率よく取り出すことができる。
なお、面状発光装置1000Aは、1個の光源100を1個のセルとして明るさ及び点消灯の制御単位としているが、1個のセルに含まれる光源100の個数は、1個でもよく、複数でもよい。例えば、2行2列の4個の光源100や3行3列の9個の光源100を1個のセルとすることができる。
【0060】
[面状発光装置の製造方法]
次に、第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法S100Aを図8乃至図9Fを参照して説明する。図8は、面状発光装置の製造方法S100Aのフローチャートである。図9A乃至図9Fは、面状発光装置の製造方法S100Aを模式的に示す概略断面図である。
面状発光装置の製造方法S100Aは、配線基板の製造方法S10によって配線基板を製造する工程S110と、配線基板1Aにおける金属部材20の電極25Aに、発光素子110を含む光源100を配置する工程S120と、金属部材20を覆うように光反射部材300Aを配置する工程S130Aと、光反射部材300Aを覆うように第1導光部材210を配置する工程S141と、を含む。さらに、第2導光部材220を配置する工程S142、及び、光調整部材400を配置する工程S150を備えてもよい。
【0061】
(配線基板を製造する工程)
配線基板を製造する工程S110は、配線基板の製造方法S10によって配線基板1Aを製造する工程である。図9Aでは、金属部材20が配置されている絶縁性樹脂10の第2面10B側を図における上面としている。電極25Aの間隔は、光源100に合わせて調節して形成することができる。ここでは、電極25Aが一対の素子電極130と対面するような間隔G1Aとしている。配線基板1Aは、導電性ペースト40が配置されているが、図9A乃至図9Fにおける断面には示していない。
【0062】
(光源を配置する工程)
光源を配置する工程S120は、光源100を配線基板1Aに配置する工程である。面状発光装置の製造方法S100Aでは、光源100を配線基板1Aにおける金属部材20の電極25Aに配置する。この工程S120では、一対の素子電極130は、導電性の接着部材を介して電極25Aに接合される。導電性の接着部材としては、例えば、金、銀、銅等のバンプ、金、銀、銅、白金、アルミニウム等の金属粉末と樹脂バインダとの混合物である導電性ペースト、または、錫-銀-銅(SAC)系もしくは錫-ビスマス(SnBi)系のはんだを用いることができる。ここでは、はんだリフローによって光源100を配置している。なお、導電性の接着部材は、一対の素子電極130と電極25Aとの間に配置されている。
【0063】
(光反射部材を配置する工程)
光反射部材を配置する工程S130Aは、金属部材20を覆うように光反射部材300Aを配置する工程である。この工程S130Aでは、光反射部材300Aは、光源100を囲むように開口部350Aが形成されており、光源100が開口部350Aに位置するように配置される。光反射部材300Aの上面及び下面には、両面を接着面又は粘着面とする接着シートが貼付されている。接着シートは、ウレタン、アクリル樹脂等からなり、厚みは10μmから75μm程度である。さらに接着シートは酸化チタン、硫酸バリウム等を添加し反射率を向上させることが望ましい。接着性又は粘着性を有するシートとして、白色のボンディングシートを使用し、反射率をさらに大きくするために、白色のポリエチレンテレフタラートのシートと重ねてあるいはサンドイッチして使用することもできる。なお、光反射部材300Aは、接着シートを使用せずに、接着剤を塗布して配置してもよい。
【0064】
(第1導光部材を配置する工程)
第1導光部材を配置する工程S141は、光反射部材300Aを覆うように第1導光部材210を配置する工程である。この工程S141では、第1導光部材210は、光源100を囲むように開口部250が形成されている板状又はシート状の部材であり、光源100が開口部250に位置するように配置される。この工程S141では、第1導光部材210は、位置合わせをした後、加熱しながら配線基板1Aの方向に加圧して、光反射部材300Aに貼合している。この工程S141では、第1導光部材210は、所定の位置に予め形成されている反射層を有している(図7参照)。
【0065】
(第2導光部材を配置する工程)
面状発光装置の製造方法S100Aは、第2導光部材を配置する工程S142を備えてもよい。第2導光部材を配置する工程S142は、光源100を覆うように第2導光部材220を配置する工程である。この工程S142では、第2導光部材220は、第1導光部材210の開口部250から液状又はペースト状の樹脂を注入し、硬化させることで、光源100を覆うように配置することができる。第2導光部材220の材料は、第1導光部材210と同じでもよく、異なっていてもよい。この工程S142では、第1導光部材210と同じ材料を未硬化の状態で開口部250から注入して硬化させている。
なお、第1導光部材を配置する工程S141と第2導光部材を配置する工程S142とを合わせた工程が、導光部材を配置する工程S140である。
【0066】
(光調整部材を配置する工程)
面状発光装置の製造方法S100Aは、光調整部材を配置する工程S150を備えてもよい。光調整部材を配置する工程S150は、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に、光調整部材400を配置する工程である。この工程S150では、光調整部材400は、導光部材200上に材料となる樹脂を塗布して硬化させてもよく、膜状又は板状の部材を配置してもよい。この工程S150では、一例として、酸化チタンを含有するシリコーン樹脂を導光部材200の表面で光源100に対向する位置に塗布している。
【0067】
上記のような構成を備える面状発光装置の製造方法S100Aは、配線基板の製造方法S10によって配線基板の製造時間及び工程数の低減を図り、金属部材20の電極25Aに光源100を配置し、金属部材20を覆うように光反射部材300Aを配置し、光反射部材300Aを覆うように第1導光部材210を配置することで、面状発光装置の製造時間及び工程数をさらに低減することができる。
【0068】
(導光部材の変形例)
次に、第1導光部材の変形例を図10A乃至図10Cを参照して説明する。
図10Aに概略を示す第1導光部材の第1変形例に係る面状発光装置1001Aでは、反射層231は、断面形状が半楕円状である。反射層231は、断面において、光反射部材300Aに対面する位置で最も幅が太く、第1導光部材211の上面に向かうほど細くなるように設けるのが好ましい。この場合、第1導光部材211の上面に近い位置には、反射層231は設けられていない。
反射層231は、断面において、第1導光部材211の上面で最も幅が太く、下面に向かうほど細くなるように設けるのでもよい。この場合は、第1導光部材211の下面に近い位置には反射層231が設けられていない。
第1導光部材の第1変形例では、第1導光部材211を隣り合う光源100の間で区切る反射層231が、第1導光部材211の上面又は下面に近い位置に設けられていないことで、光の一部が反射層231で区画された範囲を超えて広がることができる。これにより、第1変形例は、隣り合う光源100同士の間の明暗の差を目立たせないようにすることができる。また、第1変形例は、第1導光部材211の上面又は下面に向かって反射層231の幅を調節することで、反射層231付近の明るさを調節することができる。
【0069】
図10Bに概略を示す第1導光部材の第2変形例に係る面状発光装置1002Aでは、反射層232は、断面形状が矩形状であり、第1導光部材212の下面から上面まで等幅で設けられている。また、反射層232は、隣り合う第1導光部材212との間に間隙240を有している。
反射層232を有する第1導光部材212は、例えば、反射層を設けていない第1導光部材を、それぞれが1つの光源100を含むように同じ大きさに個片化し、個片化した第1導光部材の外周面に反射層の材料を塗布することによって形成することができる。
第1導光部材の第2変形例は、隣り合う反射層232の間に間隙240を有することで、隣り合う光源100の間で反射層232が2層となり、2層の間に空気層を有することができる。これにより、第2変形例は、反射層232で区画された範囲を超える光の広がりをより強く抑制することができる。
【0070】
図10Cに概略を示す第1導光部材の第3変形例に係る面状発光装置1003Aでは、反射層233は、断面形状が矩形状であり、第1導光部材213の下面から上面まで等幅で設けられている。
反射層233を有する第1導光部材213は、例えば、第2変形例と同様に、反射層を設けていない第1導光部材を、それぞれが1つの光源100を含むように同じ大きさに個片化し、個片化した第1導光部材を予め格子状に形成した反射層233の格子に嵌め込むことで形成することができる。
第1導光部材の第3変形例は、第1導光部材213と反射層233とを別々に形成することで、それぞれ表面を有する第1導光部材213と反射層233と対面させることができる。これにより、第3変形例は、第1導光部材213と反射層233との境界における反射率を高めることができ、光の広がりの抑制と共に、光取出し効率の向上を図ることができる。
【0071】
なお、第1導光部材の第1乃至第3変形例において、光源100を囲む開口部250は、第1導光部材210と同様に形成している。また、第1乃至第3変形例は、第2実施形態に係る面状発光装置においても、同様に適用することができる。
【0072】
次に、第2実施形態に係る面状発光装置1000Bを、図11を参照しながら説明する。図11は、面状発光装置1000Bの一部を例示する概略断面図である。面状発光装置1000Bは、すでに説明した面状発光装置1000Aと同様に、配線基板1に光源100を並べて面状に発光するようにした装置である。面状発光装置1000Bでは、配線基板1の第1面10Aと第2面10Bとが表裏反転して用いられる。
面状発光装置1000Bは、配線基板1と、配線基板1における絶縁性樹脂10の第1面10A及び導電性ペースト40を覆う光反射部材300Bと、絶縁性樹脂10の第1面10A側に配置されている、発光素子110を含む光源100と、光源100及び光反射部材300Bを覆う導光部材200と、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に配置されている光調整部材400と、を有する。
【0073】
ここでは、面状発光装置1000Bのための配線基板1を配線基板1Bとし、面状発光装置1000Aと異なる点について説明する。
面状発光装置1000Bは、光源100及び光反射部材300Bの配置と、光源100の接続に係る構成とが面状発光装置1000Aと異なっている。なお、配線基板1Bにおける電極25Bの間隔は、配線基板1Aにおける電極25Aの間隔よりも大きい。
【0074】
(光源及び光反射部材の配置)
面状発光装置1000Bにおいて、光源100及び光反射部材300Bは、配線基板1Bにおける絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置されている。光反射部材300Bは、光源100と配線基板1Bとの間に介在するように配置されている。また、光反射部材300Bは、図11の破線で示すように、有底穴51に充填された導電性ペースト40と、第1面10Aに配置されている導電性ペースト40とを覆っている。光反射部材300Bの反射率や材料は、光反射部材300Aと同様である。
【0075】
(光源の接続)
光源100の一対の素子電極130は、光反射部材300B及び配線基板1Bを貫通して設けられている接続部材600を介して、配線基板1Bの金属部材20に接続されている。接続部材600は、金属部材20の表面まで延在し、金属部材20の表面と接続される領域550を有している。
なお、導光部材200及び光調整部材400については、面状発光装置1000Aと共通するため、説明を省略する。
【0076】
上記のような構成を備える面状発光装置1000Bは、配線基板1Bにおける絶縁性樹脂10の第1面10A側に発光素子110を含む光源100が配置され、絶縁性樹脂10の第1面10A及び導電性ペースト40を覆う光反射部材300Bを有することで、導電性ペースト40による光の吸収を抑えることができる。また、光源100及び光反射部材300Bを覆う導光部材200を有することで、光源100の光を効率よく取り出すことができる。また、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に配置されている光調整部材400を有することで、面状発光装置1000Bの光取出面における光源100の直上の光を弱めることができ、光取出面の輝度を均一に近づけることができる。
【0077】
次に、第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法S100Bを図12乃至図13Hを参照して説明する。図12は、面状発光装置の製造方法S100Bのフローチャートである。図13A乃至図13Hは、面状発光装置の製造方法S100Bを模式的に示す概略断面図である。
面状発光装置の製造方法S100Bは、配線基板の製造方法S10によって配線基板1Bを製造する工程S110と、配線基板1Bにおける絶縁性樹脂10の第1面10A及び導電性ペースト40を覆うように光反射部材300Bを配置する工程S131Bと、絶縁性樹脂10の第1面10A側に、発光素子110を含む光源100を配置する工程S121Bと、光源100及び光反射部材300Bを覆うように導光部材200を配置する工程S140と、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に、光調整部材400を配置する工程S150と、を含む。また、ここでは、面状発光装置の製造方法S100Bは、貫通穴510を形成する工程S132Bと、接続部材600を配置する工程S122Bとを備えている。なお、導光部材200を配置する工程S140及び光調整部材400を配置する工程S150は、面状発光装置の製造方法S100Aと説明が重複するため省略する。
【0078】
(配線基板を製造する工程)
配線基板を製造する工程S110は、配線基板の製造方法S10によって配線基板1Bを製造する工程である。図13Aでは、絶縁性樹脂10の第1面10A側を図における上面としている。ここでは、電極25Bの間隔は、配線基板1Aよりも大きい間隔G1Bである。配線基板1Bは、導電性ペースト40が配置されているが、図13A乃至図13Hにおける断面には示していない。
【0079】
(光反射部材を配置する工程)
光反射部材を配置する工程S131Bは、絶縁性樹脂10の第1面10A及び導電性ペースト40を覆うように光反射部材300Bを配置する工程である。この工程S131Bでは、光反射部材300Bは、光源100を囲む開口部は形成されていない。この工程S131Bでは、光反射部材300Bは、配線基板1Bの全面を覆うように配置することができる。この工程S131Bでは、光反射部材300Bは、図13B乃至図13Hに図示されていない位置で、有底穴51に充填された導電性ペースト40と、第1面10Aに配置されている導電性ペースト40とを覆っている。
光反射部材300Bの上面及び下面には、光反射部材300Aと同様に接着シートが貼付されている。また、光反射部材300Bの図における上面は、粘着性を有している。この粘着性によって、後記する光源を配置する工程S121Bにおいて、一対の素子電極130を保持し、光源100を固定することができる。なお、光反射部材300Bは、接着シートを使用せずに、接着剤を塗布して配置してもよい。光反射部材300Bは、貼合の後、加熱しながら配線基板1Bの方向に加圧される。これにより、光反射部材300Bは、配線基板1Bに対面していない上面側の表面が流動性を有する状態となり、続く工程における穴開け加工や光源の配置を行い易くなる。
【0080】
(貫通穴を形成する工程)
貫通穴を形成する工程S132Bは、光反射部材300B及び配線基板1Bを貫通する貫通穴510を形成する工程である。この工程S132Bでは、貫通穴510は、後の工程で配置される光源100の一対の素子電極130に対面する位置に、光反射部材300B及び絶縁性樹脂10を貫通して形成する。貫通穴510の絶縁性樹脂10の第2面10B側の開口部に接するように、電極25Bが位置している。
貫通穴を形成する工程S132Bでは、貫通穴510の形成は、光反射部材300B側から行ってもよく、絶縁性樹脂10の第2面10B側から行ってもよい。貫通穴510は、レーザ加工又はドリル加工することによって形成することができる。
【0081】
(光源を配置する工程)
光源を配置する工程S121Bは、光反射部材300Bに光源100を配置する工程である。この工程S121Bでは、一対の素子電極130が、貫通穴510に対面するように光源100を配置する。この工程S121Bでは、間隔G1Bは、例えば、2つの貫通穴510によって隔てられる間隔とすることができる。なお、上記したように、光反射部材300Bの図における上面は、粘着性を有しており、接続部材を配置する工程S122Bにおいて、接続部材600によって接続されるまでの間、光源100を固定することができる。
【0082】
(接続部材を配置する工程)
接続部材を配置する工程S122Bは、貫通穴510に接続部材600を充填し、電極25Bの表面に配置する工程である。この工程S122Bでは、接続部材600は、貫通穴510に充填され、一対の素子電極130と電極25Bとを接続する。
接続部材を配置する工程S122Bでは、接続部材600は、貫通穴510を充填した後、さらに電極25Bの表面に延在するように配置する。接続部材を配置する工程S122Bは、接続部材600が電極25Bの表面と接続される領域550を有することで、電気的接続を確実にすることができる。接続部材600の材料は、導電性ペースト40と同じ材料や、はんだを用いることができる。
【0083】
上記のような構成を備える面状発光装置の製造方法S100Bは、配線基板の製造方法S10によって配線基板の製造時間及び工程数の低減を図ることができる。また、絶縁性樹脂10の第1面10A及び導電性ペースト40を覆うように光反射部材300Bを配置し、絶縁性樹脂10の第1面10A側に光源100を配置することで、光源100のより近くに光反射部材300Bを配置することができ、光取出し効率の向上を図ることができる。
また、面状発光装置の製造方法S100Bは、光源100及び光反射部材300Bを覆うように導光部材200を配置し、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に、光調整部材400を配置することで、部材の増加を抑えながら、面状発光装置の製造時間及び工程数をさらに低減することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 配線基板
1A 配線基板(第1実施形態の面状発光装置)
1B 配線基板(第2実施形態の面状発光装置)
10 絶縁性樹脂
10A 第1面
10B 第2面
11 ポリイミド層
12 樹脂層
20 金属部材
21 防錆層
22 接続パッド部
30 基板
40 導電性ペースト
50 ビア接続部
51 有底穴
51A 内側面
51B 内底面
52 領域(防錆層が除去された領域)
100 光源
110 発光素子
120 透光性部材
130 素子電極
200 導光部材
210 第1導光部材
220 第2導光部材
250 開口部(第1導光部材)
300A 光反射部材
300B 光反射部材
350A 開口部(光反射部材)
400 光調整部材
600 接続部材
1000A 面状発光装置
1000B 面状発光装置
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図13H
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の前記第2面に対面して配置される、表面に防錆層が形成された金属部材と、を有する基板を準備する工程と、
前記絶縁性樹脂の前記第1面側から第1レーザ光を照射して、前記絶縁性樹脂を貫通し、前記金属部材における前記絶縁性樹脂側の表面を内底面とする有底穴を形成する工程と、
前記有底穴の前記内底面において、前記金属部材の表面に形成されている前記防錆層を除去する工程と、
導電性ペーストを前記有底穴に注入すると共に、注入した前記導電性ペーストに連続する配線となるように前記絶縁性樹脂の前記第1面に前記導電性ペーストを塗布する工程と、
前記導電性ペーストを硬化させる工程と、を含み、
前記防錆層を除去する工程において、前記防錆層を除去する第2レーザ光を照射して前記金属部材の表面に複数の凹凸を設ける配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記防錆層を除去する工程において、前記防錆層を除去した箇所の前記金属部材の表面粗さ(Ra)は0.1μm以上3.0μm以下である請求項1に記載の配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記防錆層を除去する工程において、前記有底穴の前記内底面に対して、前記防錆層が除去されている面積は、20%以上である請求項1又は請求項2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記防錆層を除去する工程において、前記有底穴の前記内底面に対して、前記防錆層が除去されている面積は、80%以下である請求項1から請求項3の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記防錆層を除去する工程において、前記有底穴の前記内底面の中心部に、前記第2レーザ光を照射する請求項1から請求項4の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記防錆層を除去する工程において、前記第2レーザ光は、前記第1レーザ光よりもエネルギーが大きい請求項1から請求項5の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記防錆層を除去する工程において、前記第2レーザ光は、前記第1レーザ光と同一のレーザを使用して照射する請求項1から請求項6の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記防錆層を除去する工程において、前記有底穴の前記内底面の中心部に、前記第1レーザ光よりも波長の短い第3レーザ光を照射する請求項1から請求項7の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記防錆層を除去する工程において、前記第2レーザ光を照射するレーザは、CO レーザ、グリーンレーザ、UVレーザの少なくとも一種である請求項1から請求項8の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記防錆層を除去する工程において、さらに前記防錆層を還元剤による化学反応により除去する請求項1から請求項9の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記基板を準備する工程において、前記金属部材は銅箔である請求項1から請求項10の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項12】
前記基板を準備する工程において、前記銅箔の厚さは12μm以上35μm以下である請求項11に記載の配線基板の製造方法。
【請求項13】
前記有底穴を形成する工程において、前記有底穴の最大径は、50μm以上800μm以下である請求項1から請求項12の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項14】
前記有底穴を形成する工程において、前記有底穴は、前記内底面に向かって先細るテーパ状である請求項1から請求項13の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項15】
前記導電性ペーストを硬化させる工程において、前記有底穴の内部に位置する前記導電性ペーストは、前記防錆層が除去された領域の全面に対面しており、
前記有底穴の内部に位置する前記導電性ペーストの体積は、前記有底穴の体積の80%以上である請求項1から請求項14の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項16】
請求項1から請求項15の何れか一項に記載の配線基板の製造方法によって配線基板を製造する工程と、
前記配線基板における前記金属部材に、発光素子を含む光源を配置する工程と、
前記金属部材を覆うように光反射部材を配置する工程と、
前記光反射部材を覆うように第1導光部材を配置する工程と、を含む面状発光装置の製造方法。
【請求項17】
請求項1から請求項15の何れか一項に記載の配線基板の製造方法によって配線基板を製造する工程と、
前記配線基板における前記絶縁性樹脂の前記第1面及び前記導電性ペーストを覆うように光反射部材を配置する工程と、
前記絶縁性樹脂の前記第1面側に、発光素子を含む光源を配置する工程と、
前記光源及び前記光反射部材を覆うように導光部材を配置する工程と、
平面視において、前記導光部材の表面における前記光源と重なる位置に、光調整部材を配置する工程と、を含む面状発光装置の製造方法。
【請求項18】
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の前記第2面に対面して配置され、前記第2面側の表面に防錆層が形成されている金属部材と、を有する基板と、
前記基板に配置される導電性ペーストと、を有し、
前記基板は、前記絶縁性樹脂を貫通し、前記金属部材における前記絶縁性樹脂側の表面を内底面とする有底穴を有し、
前記有底穴の前記内底面は、前記防錆層が除去されている領域を有し、
前記防錆層が除去されている領域は、前記金属部材の表面に複数の凹凸が設けられており、
前記導電性ペーストは、前記防錆層が除去されている領域に対面するように前記有底穴の内部に位置している配線基板。
【請求項19】
前記防錆層が除去されている領域における前記金属部材の表面粗さ(Ra)は0.1μm以上3.0μm以下である請求項18に記載の配線基板。
【請求項20】
前記有底穴の前記内底面に対して、前記防錆層が除去されている領域の面積は、20%以上である請求項18又は請求項19に記載の配線基板。
【請求項21】
前記有底穴の前記内底面に対して、前記防錆層が除去されている領域の面積は、80%以下である請求項18から請求項20の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項22】
前記有底穴の前記内底面の中央部に、前記複数の凹凸が設けられている請求項18から請求項21の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項23】
前記金属部材は銅箔である請求項18から請求項22の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項24】
前記銅箔の厚さは12μm以上35μm以下である請求項23に記載の配線基板。
【請求項25】
前記有底穴の最大径は、50μm以上800μm以下である請求項18から請求項24の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項26】
前記有底穴は、前記内底面に向かって先細るテーパ状である請求項18から請求項25の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項27】
前記有底穴の内部に位置する前記導電性ペーストは、前記防錆層が除去されている領域の全面に対面しており、
前記有底穴の内部に位置する前記導電性ペーストの体積は、前記有底穴の体積の80%以上である請求項18から請求項26の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項28】
請求項18から請求項27の何れか一項に記載の配線基板と、
前記配線基板における前記金属部材に配置されている発光素子を含む光源と、
前記金属部材を覆う光反射部材と、
前記光反射部材を覆う第1導光部材と、を有する面状発光装置。
【請求項29】
請求項18から請求項27の何れか一項に記載の配線基板と、
前記配線基板における前記絶縁性樹脂の前記第1面及び前記導電性ペーストを覆う光反射部材と、
前記絶縁性樹脂の前記第1面側に配置されている発光素子を含む光源と、
前記光源及び前記光反射部材を覆う導光部材と、
平面視において、前記導光部材の表面における前記光源と重なる位置に配置されている光調整部材と、を有する面状発光装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
[面状発光装置]
次に、第1実施形態に係る面状発光装置1000Aを、図6A乃至図7を参照しながら説明する。面状発光装置1000Aは、図6A、6Bに示すように、光源100を並べて面状に発光するようにした装置であり、光源100それぞれの明るさ及び点消灯を独立して制御することができる。面状発光装置1000Aは、光源100の1個ずつが後記する反射層230で区切られており、1個の光源100が、明るさ及び点消灯の制御単位であるセルとなっている。図6Aは面状発光装置の全体の概略平面図、図6Bは、図6Aに示す面状発光装置の一部を拡大して例示する概略平面図である。図6Cは配線基板1Aの一例を示す概略平面図であり、光源100は、金属部材20の電極25Aに配置される。図7は、面状発光装置1000Aの一部を例示する概略断面図である。
面状発光装置1000Aは、すでに説明した配線基板1と、配線基板1における金属部材20の電極25Aに配置されている、発光素子110を含む光源100と、金属部材20を覆う光反射部材300Aと、光反射部材300Aを覆う第1導光部材210と、を有する。