(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006332
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】自動両面印刷システム、反転輸送システム、印刷システムの制御装置、及び両面印刷方法
(51)【国際特許分類】
B65H 15/02 20060101AFI20240110BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240110BHJP
B41J 3/60 20060101ALI20240110BHJP
B65H 31/00 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
B65H15/02 A
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J3/60
B65H31/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107121
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】高田 堅介
【テーマコード(参考)】
2C056
3F054
3F102
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EC12
2C056EC30
2C056FC02
2C056HA28
2C056HA30
2C056HA47
3F054AA01
3F054AB01
3F054AC01
3F054BJ00
3F102AA01
3F102AB01
3F102BA13
(57)【要約】
【課題】強力なインク乾燥系を必要としないことで、装置を小型化し、省電力で自動両面印刷が実現可能な自動両面印刷システム、反転輸送システム、印刷システムの制御装置、及び両面印刷方法を提供する。
【解決手段】給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体に印字し排紙装置に積層させる画像記録装置により記録媒体の第1面への印字を開始させ、第1面の印字が完了すると、排紙装置に積層された記録媒体を輸送装置により反転装置へ輸送させ、第1面の印字が完了してから所定時間経過後に反転装置により記録媒体の表裏を反転させ、表裏が反転された記録媒体を輸送装置により給紙装置へ輸送させ、画像記録装置により第2面への印字を開始させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、前記印字された記録媒体を排紙装置に積層させる画像記録装置と、
前記積層された記録媒体を輸送する輸送装置と、
前記積層された記録媒体の表裏を反転させる反転装置と、
少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記画像記録装置により前記記録媒体の第1面への印字を開始させ、
前記第1面の印字が完了すると、前記排紙装置に積層された記録媒体を前記輸送装置により前記反転装置へ輸送させ、
前記第1面の印字が完了してから所定時間経過後に前記反転装置により前記記録媒体の表裏を反転させ、
前記表裏が反転された記録媒体を前記輸送装置により前記給紙装置へ輸送させ、
前記画像記録装置により前記記録媒体の前記第1面の反対面である第2面への印字を開始させる、
自動両面印刷システム。
【請求項2】
前記反転装置は、前記積層された記録媒体に空気を送風する送風機構を備える、
請求項1に記載の自動両面印刷システム。
【請求項3】
前記送風機構は、送風する空気の湿度を調整する調湿機構を備える、
請求項2に記載の自動両面印刷システム。
【請求項4】
前記調湿機構は、前記空気の湿度を50~80%Rhに調整する、
請求項3に記載の自動両面印刷システム。
【請求項5】
前記所定時間は、30分以上である、
請求項1に記載の自動両面印刷システム。
【請求項6】
給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、反転装置により前記記録媒体の表裏を反転させ、排紙装置に積層させる画像記録装置と、
前記積層された記録媒体を輸送する輸送装置と、
少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記画像記録装置により前記記録媒体の第1面への印字を開始させ、
前記第1面の印字が完了すると、前記排紙装置に積層された記録媒体を前記輸送装置により前記給紙装置へ輸送させ、
前記画像記録装置により前記印字を完了してから所定時間経過後に前記記録媒体の前記第1面の反対面である第2面への印字を開始させる、
自動両面印刷システム。
【請求項7】
前記インクは、水を含有する水性インクである、
請求項1から6のいずれか1項に記載の自動両面印刷システム。
【請求項8】
前記画像記録装置は、インクジェット方式で前記水性インクを付与する、
請求項7に記載の自動両面印刷システム。
【請求項9】
給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、前記印字された記録媒体を排紙装置に積層させる画像記録装置の前記排紙装置に積層された記録媒体を輸送する輸送装置と、
前記積層された記録媒体の表裏を反転させる反転装置と、
少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記画像記録装置により前記記録媒体の第1面への印字が完了し、前記排紙装置に積層された記録媒体を前記輸送装置により前記反転装置へ輸送させ、
前記第1面の印字が完了してから所定時間経過後に前記反転装置により前記記録媒体の表裏を反転させ、
前記表裏が反転された記録媒体を前記輸送装置により前記給紙装置へ輸送させる、
反転輸送システム。
【請求項10】
給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、前記印字された記録媒体を排紙装置に積層させる画像記録装置と、
前記積層された記録媒体を輸送する輸送装置と、
前記積層された記録媒体の表裏を反転させる反転装置と、
を備える印刷システムの制御装置であって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記画像記録装置により前記記録媒体の第1面への印字を開始させ、
前記第1面の印字が完了すると、前記排紙装置に積層された記録媒体を前記輸送装置により前記反転装置へ輸送させ、
前記第1面の印字が完了してから所定時間経過後に前記反転装置により前記記録媒体の表裏を反転させ、
前記表裏が反転された記録媒体を前記輸送装置により前記給紙装置へ輸送させ、
前記画像記録装置により前記記録媒体の前記第1面の反対面である第2面への印字を開始させる、
印刷システムの制御装置。
【請求項11】
給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、反転装置により前記記録媒体の表裏を反転させ、排紙装置に積層させる画像記録装置と、
前記積層された記録媒体を輸送する輸送装置と、
を備える印刷システムの制御装置であって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記画像記録装置により前記記録媒体の第1面への印字を開始させ、
前記第1面の印字が完了すると、前記排紙装置に積層された記録媒体を前記輸送装置により前記給紙装置へ輸送させ、
前記画像記録装置により前記印字を完了してから所定時間経過後に前記記録媒体の前記第1面の反対面である第2面への印字を開始させる、
印刷システムの制御装置。
【請求項12】
給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、前記印字された記録媒体を排紙装置に積層させる画像記録装置により前記記録媒体の第1面への印字を開始させ、
前記第1面の印字が完了すると、前記排紙装置に積層された記録媒体を輸送装置により反転装置へ輸送させ、
前記第1面の印字が完了してから所定時間経過後に前記反転装置により前記記録媒体の表裏を反転させ、
前記表裏が反転された記録媒体を前記輸送装置により前記給紙装置へ輸送させ、
前記画像記録装置により前記記録媒体の前記第1面の反対面である第2面への印字を開始させる、
両面印刷方法。
【請求項13】
給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、反転装置により前記記録媒体の表裏を反転させ、排紙装置に積層させる画像記録装置により前記記録媒体の第1面への印字を開始させ、
前記第1面の印字が完了すると、前記排紙装置に積層された記録媒体を輸送装置により前記給紙装置へ輸送させ、
前記画像記録装置により前記印字を完了してから所定時間経過後に前記記録媒体の前記第1面の反対面である第2面への印字を開始させる、
両面印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動両面印刷システム、反転輸送システム、印刷システムの制御装置、及び両面印刷方法に係り、特に両面印刷の機構を持たない印刷機において自動で両面印刷する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
オフセット印刷機を代表とする枚葉印刷機では、生産性向上を目的にした両面印刷機が存在する。オフセット印刷機における自動両面機構は、2組以上の印字部を持ち、反転胴などにより用紙を反転させて両面への印字を実現している。本方式であれば、生産性を落とすことなく両面印刷が可能である。
【0003】
一方で、インクジェット方式での枚葉印刷機では、インクジェットヘッドが高価なため、1組の印字部と反転胴を持ち、表面を印刷した用紙を反転させて、再度印字部に搬送することで両面印刷する方式が多く採用されている。この方式の場合、両面印刷では生産性が半分になる。また、特許文献1には、片面の印刷が終わった記録媒体を排出トレイから給紙部に戻し、記録媒体を反転させて再度給紙を行うことで両面印刷を行う技術が開示されている。
【0004】
また、インクジェット方式の印刷で使用されるインクには、水性インクがある。水性インクは環境適正が高い特徴があるが、インク中の水分を飛ばすためには大きなエネルギーを与える乾燥が必要であり、また記録媒体が水分により膨張することでカックルなどの変形が起きやすい。
【0005】
水性インクジェット枚葉印刷機で自動両面機能を付与しようとすると、上記原理課題からインク乾燥した直後はインク中の溶剤成分の記録媒体への浸透が完了しておらず、インク膜は弱い状態である。さらに記録媒体の温度が高いため、インク層が剥がれやすくなり、ブロッキング及び傷などの印刷故障を起こしやすい。これを防止するためには浸透を促進するため高温環境下で乾燥し、記録媒体を徐冷する機構が必要となり、装置の大型化及びコストアップにつながる。また、印刷直後はカックルなどの変形が進んでいる最中であり、特に高濃度画像の印刷の場合、変形を起因とした用紙ジャムが起きやすいという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1には、片面印刷機の自動両面印刷機構について開示されているが、具体的な構成は記載されていない。特に、水性インクジェット印刷機特有の印刷直後の用紙のブロッキング及びカックル変形に対する対応は記載されておらず、印刷直後に搬送、反転、及び再給紙をしてしまうと、ブロッキング、傷、及び用紙ジャムといった不具合が発生してしまう問題点があった。
【0008】
また、上記を解決しようとするとより強いインク乾燥システムが必要となり、搬送パスの延長による装置の大型化、及び乾燥装置の追加による大電力が必要となるという問題点があった。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、強力なインク乾燥系を必要としないことで、装置を小型化し、省電力で自動両面印刷が実現可能な自動両面印刷システム、反転輸送システム、印刷システムの制御装置、及び両面印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本開示の第1態様に係る自動両面印刷システムは、給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、印字された記録媒体を排紙装置に積層させる画像記録装置と、積層された記録媒体を輸送する輸送装置と、積層された記録媒体の表裏を反転させる反転装置と、少なくとも1つのプロセッサと、を備え、少なくとも1つのプロセッサは、画像記録装置により記録媒体の第1面への印字を開始させ、第1面の印字が完了すると、排紙装置に積層された記録媒体を輸送装置により反転装置へ輸送させ、第1面の印字が完了してから所定時間経過後に反転装置により記録媒体の表裏を反転させ、表裏が反転された記録媒体を輸送装置により給紙装置へ輸送させ、画像記録装置により記録媒体の第1面の反対面である第2面への印字を開始させる自動両面印刷システムである。本態様によれば、強力なインク乾燥系を必要としないので、装置を小型化し、かつ省電力で自動両面印刷を実現することができる。
【0011】
本開示の第2態様に係る自動両面印刷システムは、第1態様に係る自動両面印刷システムにおいて、反転装置は、積層された記録媒体に空気を送風する送風機構を備える。第1面への印刷が高画像濃度の場合は、記録媒体のカックル変形が大きいため、第2面への印字前にカックルを低減するような工程を実施しないとジャムが起きやすくなる。送風機構を備えることにより、積層された記録媒体の変形を低減することができる。
【0012】
本開示の第3態様に係る自動両面印刷システムは、第2態様に係る自動両面印刷システムにおいて、送風機構は、送風する空気の湿度を調整する調湿機構を備える。これにより、積層された記録媒体の変形を低減することができる。
【0013】
本開示の第4態様に係る自動両面印刷システムは、第3態様に係る自動両面印刷システムにおいて、調湿機構は、空気の湿度を50~80%Rhに調整する。これにより、積層された記録媒体の変形を低減することができ、送風機構の結露を防止することができる。
【0014】
本開示の第5態様に係る自動両面印刷システムは、第1態様から第4態様のいずれか1つに係る自動両面印刷システムにおいて、所定時間は、30分以上である。これにより、記録媒体の第1面に付与されたインクの強度を十分に得ることができる。
【0015】
上記目的を達成するために、本開示の第6態様に係る自動両面印刷システムは、給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、反転装置により記録媒体の表裏を反転させ、排紙装置に積層させる画像記録装置と、積層された記録媒体を輸送する輸送装置と、少なくとも1つのプロセッサと、を備え、少なくとも1つのプロセッサは、画像記録装置により記録媒体の第1面への印字を開始させ、第1面の印字が完了すると、排紙装置に積層された記録媒体を輸送装置により給紙装置へ輸送させ、画像記録装置により印字を完了してから所定時間経過後に記録媒体の第1面の反対面である第2面への印字を開始させる自動両面印刷システムである。本態様によれば、強力なインク乾燥系を必要としないので、装置を小型化し、かつ省電力で自動両面印刷を実現することができる。
【0016】
本開示の第7態様に係る自動両面印刷システムは、第1態様から第6態様のいずれか1つに係る自動両面印刷システムにおいて、インクは、水を含有する水性インクである。本態様によれば、水性インクを付与して印字する画像記録装置を適用した場合であっても、自動両面印刷を実現することができる。
【0017】
本開示の第8態様に係る自動両面印刷システムは、第7態様に係る自動両面印刷システムにおいて、画像記録装置は、インクジェット方式で水性インクを付与する。本態様によれば、インクジェット方式で水性インクを付与する画像記録装置を適用した場合であっても、自動両面印刷を実現することができる。
【0018】
本開示の第9態様に係る反転輸送システムは、給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、印字された記録媒体を排紙装置に積層させる画像記録装置の排紙装置に積層された記録媒体を輸送する輸送装置と、積層された記録媒体の表裏を反転させる反転装置と、少なくとも1つのプロセッサと、を備え、少なくとも1つのプロセッサは、画像記録装置により記録媒体の第1面への印字が完了し、排紙装置に積層された記録媒体を輸送装置により反転装置へ輸送させ、第1面の印字が完了してから所定時間経過後に反転装置により記録媒体の表裏を反転させ、表裏が反転された記録媒体を輸送装置により給紙装置へ輸送させる反転輸送システムである。本態様によれば、強力なインク乾燥系を必要としないので、装置を小型化し、かつ省電力で自動両面印刷を実現することができる。
【0019】
本開示の第10態様に係る印刷システムの制御装置は、給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、印字された記録媒体を排紙装置に積層させる画像記録装置と、積層された記録媒体を輸送する輸送装置と、積層された記録媒体の表裏を反転させる反転装置と、を備える印刷システムの制御装置であって、少なくとも1つのプロセッサを備え、少なくとも1つのプロセッサは、画像記録装置により記録媒体の第1面への印字を開始させ、第1面の印字が完了すると、排紙装置に積層された記録媒体を輸送装置により反転装置へ輸送させ、第1面の印字が完了してから所定時間経過後に反転装置により記録媒体の表裏を反転させ、表裏が反転された記録媒体を輸送装置により給紙装置へ輸送させ、画像記録装置により記録媒体の第1面の反対面である第2面への印字を開始させる印刷システムの制御装置である。本態様によれば、強力なインク乾燥系を必要としないので、装置を小型化し、かつ省電力で自動両面印刷を実現することができる。
【0020】
本開示の第11態様に係る印刷システムの制御装置は、給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、反転装置により記録媒体の表裏を反転させ、排紙装置に積層させる画像記録装置と、積層された記録媒体を輸送する輸送装置と、を備える印刷システムの制御装置であって、少なくとも1つのプロセッサを備え、少なくとも1つのプロセッサは、画像記録装置により記録媒体の第1面への印字を開始させ、第1面の印字が完了すると、排紙装置に積層された記録媒体を輸送装置により給紙装置へ輸送させ、画像記録装置により印字を完了してから所定時間経過後に記録媒体の第1面の反対面である第2面への印字を開始させる印刷システムの制御装置である。本態様によれば、強力なインク乾燥系を必要としないので、装置を小型化し、かつ省電力で自動両面印刷を実現することができる。
【0021】
本開示の第12態様に係る両面印刷方法は、給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、印字された記録媒体を排紙装置に積層させる画像記録装置により記録媒体の第1面への印字を開始させ、第1面の印字が完了すると、排紙装置に積層された記録媒体を輸送装置により反転装置へ輸送させ、第1面の印字が完了してから所定時間経過後に反転装置により記録媒体の表裏を反転させ、表裏が反転された記録媒体を輸送装置により給紙装置へ輸送させ、画像記録装置により記録媒体の第1面の反対面である第2面への印字を開始させる両面印刷方法である。本態様によれば、強力なインク乾燥系を必要としないので、装置を小型化し、かつ省電力で自動両面印刷を実現することができる。
【0022】
本開示の第13態様に係る両面印刷方法は、給紙装置から給紙された枚葉の記録媒体の一方の面にインクを付与して印字し、反転装置により記録媒体の表裏を反転させ、排紙装置に積層させる画像記録装置により記録媒体の第1面への印字を開始させ、第1面の印字が完了すると、排紙装置に積層された記録媒体を輸送装置により給紙装置へ輸送させ、画像記録装置により印字を完了してから所定時間経過後に記録媒体の第1面の反対面である第2面への印字を開始させる両面印刷方法である。本態様によれば、強力なインク乾燥系を必要としないので、装置を小型化し、かつ省電力で自動両面印刷を実現することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、装置を小型化し、かつ省電力で自動両面印刷を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、自動両面印刷システムの構成図である。
【
図2】
図2は、反転装置の概略構成を示す構成図である。
【
図3】
図3は、反転装置による用紙の表裏の反転を説明するための図である。
【
図5】
図5は、自動両面印刷システムを用いた自動両面印刷方法の処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、自動両面印刷システムの構成図である。
【
図8】
図8は、自動両面印刷システムを用いた自動両面印刷方法の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
【0026】
<第1の実施形態>
〔自動両面印刷システムの構成〕
図1は、自動両面印刷システム10の構成図である。自動両面印刷システム10は、枚葉の記録媒体である用紙の一方の面を連続して所定枚数印刷して積層し、積層された用紙を所定時間経過後に反転し、その後他方の面を連続して印刷することで、用紙の一方の面と他方の面との両面に印刷が可能なシステムである。自動両面印刷システム10は、画像記録装置20、輸送装置30、反転装置32、及び統合制御装置48を備える。なお、自動両面印刷システム10のうち、輸送装置30、反転装置32、及び統合制御装置48は、反転輸送システムを構成する。
【0027】
画像記録装置20は、インクジェット方式で用紙の表面(第1面)に水性インクを付与して画像を印字する印刷装置である。画像記録装置20は、給紙部22、印字部24、乾燥部26、及び排紙部28を備える。
【0028】
給紙部22(「給紙装置」の一例)は、不図示の給紙台を備える。給紙台には、用紙Pが一方の面を鉛直方向の上方に向けて積層されたパレット14が装填される。また、給紙部22は、給紙台の位置を昇降させる不図示の昇降機構を備える。給紙部22は、不図示の用紙位置センサの検出結果に基づいて用紙Pの積層量に応じて給紙台を昇降させることで、パレット14に積層される用紙Pの高さを一定に維持し、用紙Pを1枚ずつ印字部24に給紙する。
【0029】
印字部24は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色の水性インクを吐出する不図示のインクジェットヘッドを備える。水性インクとは、水を含有するインクであり、詳細には、水及び水に可溶な溶媒に、染料及び顔料等の色材を溶解又は分散させたインクである。各インクジェットヘッドには、不図示の各色の水性インクを貯留するインクタンクにより水性インクが供給される。各インクジェットヘッドは、用紙Pの一方の面に対して水性インクを吐出し、用紙Pの一方の面に画像を印字する。
【0030】
乾燥部26は、印字部24と排紙部28との間の用紙Pの経路に設けられる。乾燥部26は、用紙Pに吐出された水性インクを乾燥させるための温風ヒータ及び赤外線ヒータなどを含む不図示の乾燥装置を備える。
【0031】
排紙部28(「排紙装置」の一例)は、不図示の排紙台を備える。排紙台には、用紙Pを積層するためのパレット14が装填される。排紙部28は、印字部24によって一方の面に画像が印字された用紙Pを、一方の面を鉛直方向の上方に向けて排紙台に装填されたパレット14に積層する。
【0032】
排紙部28は、排紙台の位置を昇降させる不図示の昇降機構を備える。排紙部28は、不図示の用紙位置センサの検出結果に基づいて用紙Pの積層量に応じて排紙台を昇降させることで、パレット14に積層される用紙Pの高さを一定に維持する。
【0033】
このように、第1の実施形態に係る画像記録装置20は、給紙台に装填されるパレット14の用紙Pと、排紙台のパレット14に排紙される用紙Pとは、表裏の向きが同じとなる。
【0034】
輸送装置30は、積層された用紙Pを輸送する無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)である。輸送装置30は、画像記録装置20の排紙部28から用紙Pが積層されたパレット14を取り出し、取り出したパレット14を予めプログラムされた経路に沿って反転装置32へ輸送する。また、輸送装置30は、反転装置32から受け取ったパレット14を予めプログラムされた経路に沿って画像記録装置20の給紙部22へ輸送し、パレット14を装填する。
【0035】
反転装置32は、積層された用紙を保持して表裏を反転させるターナーである。反転装置32は、輸送装置30によって搬送されたパレット14に積層された用紙Pの束の上下を反転させてパレット14に載置することで、各用紙Pの表裏を反転させる。
【0036】
統合制御装置48(「印刷システムの制御装置」の一例)は、パーソナルコンピュータ、又はワークステーションが適用される。統合制御装置48は、不図示のネットワークを介して画像記録装置20、輸送装置30、及び反転装置32と通信可能に接続される。ネットワークは、各種機器を通信接続する有線、又は無線のLAN(Local Area Network)を含む。ネットワークは、複数のLAN同士を接続するWAN(Wide Area Network)を含んでもよい。
【0037】
統合制御装置48は、画像記録装置20、輸送装置30、及び反転装置32を統合して制御し、用紙Pの自動両面印刷を実行する。統合制御装置48は、画像記録装置20を制御する。すなわち、統合制御装置48は、給紙部22の昇降機構に昇降の指示を与え、印字部24に印字の指示を与え、排紙部28の昇降機構に昇降の指示を与える。
【0038】
統合制御装置48は、輸送装置30を制御する。すなわち、統合制御装置48は、輸送装置30に給紙部22へのパレット14の装填指示を与え、輸送装置30に排紙部28からのパレット14の取り出し指示を与える。
【0039】
統合制御装置48は、反転装置32を制御する。すなわち、統合制御装置48は、反転装置32に用紙Pの反転指示を与える。
【0040】
統合制御装置48による制御は、自動両面印刷の制御に限定されず、通常の印刷機でオペレータが実施する作業を自動制御してもよい。例えば、統合制御装置48は、反転装置32による反転待ちの間に画像記録装置20において別のジョブの印字を実施してもよい。また、統合制御装置48は、画像記録装置20における用紙Pのサイズ及び乾燥温度などの印刷条件の変更を自動で実施してもよい。
【0041】
〔反転装置の構成〕
図2は、反転装置32の概略構成を示す構成図である。反転装置32は、パレット14に積層された用紙Pの間の全域に送風することで、用紙Pのシーズニングを行うシーズニング機構34を備える。シーズニング機構34は、ファン36、調湿機38、及び包囲部材40を備える。
【0042】
ファン36は、パレット14の上に積層された用紙Pの束の側面から空気を送風する送風機構である。ファン36は、用紙Pの幅方向(
図2においてY方向)の全域、及び用紙Pの束の用紙積層方向(
図2においてZ方向)の全域に同時にX方向に送風可能に構成される。これにより、ファン36が発生させた風は、各用紙Pの間の全域に供給される。ファン36は、複数のファンによって構成されてもよい。
【0043】
調湿機38(「調湿機構」の一例)は、ファン36が送風する空気の湿度を調整する湿度調整機構である。調湿機38は、例えば空気の湿度を50~80%Rhに調整する。
【0044】
包囲部材40は、パレット14の上に積層された用紙Pの束の周囲を包囲する部材である。包囲部材40は、用紙Pの束に対してファン36とは反対側に配置される側板42、及び用紙Pの束の天面に配置される天板44を備える。
【0045】
側板42には、複数の排気穴42Aが設けられる。ファン36によって各用紙Pの間に供給された空気は、排気穴42Aを通って包囲部材40の外部へ排気される。包囲部材40は、用紙Pの束の位置を規制することで、ファン36からの送風による用紙PのX方向の移動、及び用紙PのZ方向の舞い上がりを防止する。シーズニング機構34は、さらに用紙Pの束のY方向側及び-Y方向側に、用紙Pの±Y方向の移動を規制する側板を備えてもよい。
【0046】
図3は、反転装置32による用紙Pの表裏の反転を説明するための図である。反転装置32は、パレット14に載置された用紙Pの束の上下を反転して再びパレット14に載置することで、各用紙Pの表裏をまとめて反転する。
【0047】
図3のF3Aは、パレット14に用紙Pの束が積層された状態を示している。ここでは、パレット14には、各用紙Pの第1面Fを鉛直方向の上方向(Z方向)、第2面Bを鉛直方向の下方向(-Z方向)に向けて用紙Pが積層されているものとする。
【0048】
図3のF3Bは、F3Aに示した状態から、用紙Pの束の上下を不図示の挟み込み機構で挟み込み、パレット14から持ち上げた状態を示している。F3Bに示す状態では、各用紙Pの第1面FはZ方向、第2面Bは-Z方向を向いている。
【0049】
図3のF3Cは、F3Bに示した状態から、挟み込み機構で挟み込んだ用紙Pの束の上下を反転させる途中の状態を示している。ここでは、Y方向に平行な方向を軸として用紙Pの束を回転させているが、用紙Pの束の上下を反転する方法は限定されない。
【0050】
図3のF3Dは、F3Bに示した状態から、F3Cに示した状態を経由して用紙Pの束の上下を反転させた状態を示している。すなわち、F3Dに示す状態では、各用紙Pの第2面BはZ方向、第1面Fは-Z方向を向いている。
【0051】
図3のF3Eは、F3Dに示した状態から、用紙Pの束をパレット14に載置した状態を示している。すなわち、パレット14には、各用紙Pの第2面BをZ方向、第1面Fを-Z方向に向けて用紙Pが積層されている。
【0052】
以上のように、用紙Pの表裏を反転するとは、用紙Pの一方の面が向いている方向を180度変更することである。反転装置32は、パレット14に積層された用紙Pの表裏をまとめて反転させることができる。
【0053】
〔統合制御装置〕
図4は、統合制御装置48のブロック図である。統合制御装置48は、プロセッサ50、メモリ52、通信インターフェース54、入力装置56、及び表示装置58を備える。
【0054】
プロセッサ50は、メモリに記憶された命令を実行する。プロセッサ50のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の機能部として作用する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、画像処理に特化したプロセッサであるGPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるPLD(Programmable Logic Device)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0055】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、又はCPUとFPGAの組み合わせ、あるいはCPUとGPUの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の機能部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の機能部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント又はサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の機能部として作用させる形態がある。第2に、SoC(System On Chip)等に代表されるように、複数の機能部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の機能部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0056】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0057】
メモリ52は、プロセッサ50に実行させるための命令を記憶する。メモリ52は、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)を含む。プロセッサは、RAMを作業領域とし、ROMに記憶された自動両面印刷プログラムを含む各種のプログラム及びパラメータを使用してソフトウェアを実行し、かつROM等に記憶されたパラメータを使用することで、自動両面印刷システム10を制御するための各種の処理を実行する。
【0058】
通信インターフェース54は、ネットワークを介した通信を行うためのインターフェースである。統合制御装置48は、通信インターフェース54を介して画像記録装置20、輸送装置30、及び反転装置32と通信する。
【0059】
入力装置56は、キーボード及びマウスなどの入力デバイスである。ユーザは、入力装置56を用いて自動両面印刷システム10に関する各種の指示を入力する。
【0060】
表示装置58は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ及びプロジェクタなどである。表示装置58には、自動両面印刷システム10に関する各種の情報が表示される。
【0061】
〔自動両面印刷方法〕
図5は、自動両面印刷システム10を用いた自動両面印刷方法の処理を示すフローチャートである。自動両面印刷方法は、統合制御装置48のプロセッサ50がメモリ52に記憶された自動両面印刷プログラムを実行することで実現される。両面印刷プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体によって提供されてもよい。この場合、統合制御装置48は、非一時的記憶媒体から自動両面印刷プログラムを読み取り、メモリ52に記憶させてもよい。
【0062】
ここでは、自動両面印刷システム10は、所定枚数の用紙Pの第1面の印字を第1のジョブ、同じ用紙Pの第2面の印字を第1のジョブとは異なる第2のジョブとして扱う。ジョブとは、1回の指示によって実行される印字動作の処理単位である。
【0063】
ステップS1では、統合制御装置48は、画像記録装置20に第1のジョブを実行させる。画像記録装置20は、統合制御装置48の制御に従い、第1のジョブとして用紙Pの第1面への印字を行う。すなわち、画像記録装置20は、給紙部22の給紙台に装填されたパレット14に積層された用紙Pを1枚ずつ給紙し、印字部24において用紙Pの第1面に印字する。また、画像記録装置20は、印字した用紙Pを排紙部28から排紙し、排紙部28の排紙台に装填されたパレット14に順次積層する。
【0064】
ここでは、給紙部22の給紙台に装填されたパレット14には、
図3のF3Aに示すように、各用紙Pの第1面FをZ方向、第2面Bを-Z方向に向けて用紙Pが積層されている。また、排紙部28の排紙台に装填されたパレット14にも、同様に各用紙Pの第1面FをZ方向、第2面Bを-Z方向に向けて用紙Pが積層される。
【0065】
ステップS2では、統合制御装置48は、第1のジョブが完了したか、すなわち、給紙部22のパレット14に積層された全ての用紙Pの第1面に印字されたか否かを判定する。
【0066】
給紙部22のパレット14に印字していない用紙Pが残っている場合は、ステップS1の処理を継続する。一方、給紙部22のパレット14に積層された全ての用紙Pの第1面に印字された場合は、ステップS3の処理へ移行する。
【0067】
ステップS3では、統合制御装置48は、画像記録装置20に排紙部28の排紙台を最も低い位置である最下降点まで駆動させる。画像記録装置20は、統合制御装置48の制御に従い、排紙部28の排紙台を最も低い位置である最下降点に下降させる。
【0068】
ステップS4では、統合制御装置48は、輸送装置30に画像記録装置20から反転装置32へ用紙Pを輸送させる。輸送装置30は、統合制御装置48の制御に従い、排紙部28の排紙台から用紙Pが積層されたパレット14を取り出し、用紙Pが積層されたパレット14を反転装置32へ移動させる。統合制御装置48は、排紙部28から第1のジョブのパレット14が取り出された後に、画像記録装置20に第1のジョブ及び第2のジョブとは異なるジョブの印字を行わせてもよい。
【0069】
ステップS5では、統合制御装置48は、反転装置32へ移動させた用紙Pの第1面への印字が完了してから所定時間経過したが否かを判定する。所定時間は、例えば30分である。所定時間は、用紙の種類及び印字条件に応じて変更してもよい。
【0070】
第1面への印字が完了してから所定時間が経過していない場合は、ステップS5の処理を継続する。一方、第1面への印字が完了してから所定時間経過した場合は、ステップS6の処理へ移行する。
【0071】
ステップS6では、統合制御装置48は、反転装置32に用紙Pの表裏を反転させる。反転装置32は、統合制御装置48の制御に従い、パレット14に積層された用紙Pの表裏を反転させる。これにより、パレット14は、
図3のF3Eに示すように、各用紙Pの第2面BをZ方向、第1面Fを-Z方向に向けて用紙Pが積層された状態となる。
【0072】
ここでは、反転装置32において所定時間が経過するまで用紙Pを放置しているが、輸送装置30において所定時間が経過するまで用紙Pを放置してもよい。この場合、輸送装置30は、所定時間経過後に用紙Pを反転装置32へ輸送し、反転装置32において用紙Pの表裏を反転すればよい。用紙Pを放置する場所は、輸送装置30及び反転装置32の稼働状況に応じて決めればよい。
【0073】
ステップS7では、統合制御装置48は、画像記録装置20のジョブの切り替えが行われたか否か、すなわち第2のジョブに切り替えられたかを判定する。第2のジョブに切り替えられていない場合は、ステップS7の処理を継続する。一方、第2のジョブに切り替えられた場合は、ステップS8の処理へ移行する。
【0074】
ステップS8では、統合制御装置48は、画像記録装置20に給紙部22の給紙台を最も低い位置である最下降点まで駆動させる。画像記録装置20は、統合制御装置48の制御に従い、給紙部22の給紙台を最も低い位置である最下降点に下降させる。
【0075】
ステップS9では、統合制御装置48は、輸送装置30に反転装置32から画像記録装置20へ用紙Pを輸送させる。輸送装置30は、統合制御装置48の制御に従い、反転装置32から用紙Pが積層されたパレット14を取り出し、用紙Pが積層されたパレット14を給紙部22に装填する。給紙部22に装填されたパレット14には、各用紙Pの第2面BをZ方向、第1面Fを-Z方向に向けて積層されている。
【0076】
ステップS10では、統合制御装置48は、画像記録装置20に給紙部22の給紙台を印刷位置まで駆動させる。画像記録装置20は、統合制御装置48の制御に従い、給紙部22の給紙台を印刷位置まで駆動する。
【0077】
ステップS11では、統合制御装置48は、画像記録装置20に第2のジョブを実行させる。画像記録装置20は、統合制御装置48の制御に従い、第2のジョブとして用紙Pの第2面への印字を開始する。すなわち、画像記録装置20は、給紙部22の給紙台に装填されたパレット14に積層された用紙Pを1枚ずつ給紙し、印字部24において用紙Pの第1面に印字する。また、画像記録装置20は、印字した用紙Pを排紙部28から排紙し、排紙部28の排紙台に装填されたパレット14に順次積層する。
【0078】
給紙部22に装填されたパレット14には、各用紙Pの第2面BをZ方向、第1面Fを-Z方向に向けて積層されているため、印字部24は、ステップS1で印字した第1面とは反対面である第2面に印字することができる。
【0079】
ステップS12では、統合制御装置48は、第2のジョブが完了したか、すなわち、給紙部22のパレット14に積層された全ての用紙Pの第2面に印字されたか否かを判定する。
【0080】
給紙部22のパレット14に印字していない用紙Pが残っている場合は、ステップS12の処理を継続する。一方、給紙部22のパレット14に積層された全ての用紙Pの第2面に印字された場合は、本フローチャートの処理を終了する。
【0081】
以上のように、第1の実施形態に係る自動両面印刷方法によれば、第1面の印字が完了した用紙Pは、輸送装置30により画像記録装置20の外に輸送され、所定時間静置されることで第1面のインクが乾燥される。また、用紙Pは、所定時間経過後に表裏が反転され、画像記録装置20の給紙部22に積層され、第2面への印刷が実行される。このように、用紙Pへのインク溶剤浸透時間を設けることで、裏面印刷に要求される膜強度、用紙変形を確保することができる。したがって、強力なインク乾燥系を使用せずに自動両面印刷を実現することができる。
【0082】
また、統合制御装置48を設け、上記を一括制御することで、片面専用の画像記録装置20であっても簡便に両面印刷が可能となる。さらに、自動両面印刷システム10のうちの反転輸送システムを使用することで、市場に設置済みの画像記録装置20であっても追加で自動両面印刷機能を付与することができる。
【0083】
第1面の印字完了から所定時間を静置することで、用紙Pへのインク溶剤浸透及びカックル変形が落ち着いた後に第2面の印字を行うことができ、ブロッキング、傷、及び用紙ジャムを防止することができる。また、画像記録装置20の乾燥パス延長が不要となり、画像記録装置20のコストアップ及び設置面積を拡大する必要がなくなる。
【0084】
本実施形態では、反転装置32に送風機構としてファン36を設け、用紙Pの間に空気を通すことで、シーズニング効果により水性インク特有の用紙変形(カックル)を抑制することができる。高画像濃度の印字ではカックルが悪いため、本機能により第2面の印字時の搬送における用紙ジャムを軽減し、安定した用紙搬送を実現することができる。さらに、調湿機38によりファン36の風を調湿することで、乾燥による失われた用紙Pの水分を戻し、カックルをより抑制することが可能となる。
【0085】
ファン36は、ターナーの用紙揃えで使用する送風機構と兼用してもよい。また、反転装置32は輸送装置30が備えてもよい。
【0086】
さらに、統合制御装置48は、複数の画像記録装置20を制御してもよい。2台以上の画像記録装置20を使用することで、複数のジョブを効率よく実行でき、効率的な印字が可能になる。
【0087】
〔調湿機の湿度の設定〕
インクジェットヘッドにより水性インクが付与されて印字された用紙Pは、付与された水性インク中の水分を除去するため、乾燥部26において乾燥される。乾燥部26での乾燥強度は、用紙Pの水性インクが付与された印字部の残水分量が一定値以下になるように選択される。したがって、乾燥部26の乾燥において、用紙Pの水性インクが付与されていない非印字部では、用紙Pの中の水分が失われる。このため、印字部と非印字部とでの用紙Pの中の水分量が異なることで用紙Pの伸び及び縮みが局所的に発生し、用紙Pの変形が生じてしまう。
【0088】
これに対し、シーズニング機構34におけるファン36からの湿潤風により、用紙Pの非印字部の失われた水分を戻すことで、用紙Pの変形を低減することができる。この際の湿潤風の湿度は、相対的に高いほど用紙Pの変形を低減するのに必要な時間を低減することできる。しかしながら、例えば湿度90%Rhの湿潤風では、調湿機38の周辺が結露する可能性が高まり、用紙Pに結露水が付着しトラブルになることがある。したがって、湿潤風の湿度の上限は、80%Rh程度が好ましい。
【0089】
一方で、一般的に用紙Pの保管湿度は60±10%Rhが最適である。したがって、湿潤風の湿度の下限を50%Rhとすることで、未印字の記録媒体の状態に近づけることができる。
【0090】
以上から、ファン36から用紙Pへ供給する空気の湿度は、50%Rh以上、80%Rh以下の範囲にあることが好ましい。すなわち、調湿機38は、空気の湿度を50%Rh以上、80%Rh以下に調整することが好ましい。これにより、高画像濃度時のカックル変形を抑制することができる。
【0091】
〔第1面への印字が完了してから表裏を反転するまでの用紙を放置する所定時間〕
インクジェットヘッドにより水性インクが付与されて印字された用紙Pは、乾燥部26を通過することで、水性インク中の水分が除去される。一方で、水性インク中には高沸点の溶剤成分が含まれており、この溶剤成分は乾燥部26を通過するだけでは除去しきれず、用紙Pに残留する。特にコート紙などの表面塗工された用紙Pでは、出力(排紙)直後は溶剤成分がコート層に入り込むことで、コート層を軟化させインク膜がはがれやすくなる。一方、所定時間経過すると溶剤成分の浸透が進み、コート層を抜け原紙層まで浸透することでインク膜の強度が高まる。
【0092】
用紙Pを放置する所定時間とインク膜強度との関係を実験により調べた。用紙Pには、1種類の水性インクを使用し、出力可能な最大滴量で全面にベタ画像を印字した。ここでは、実験に用いる画像の条件として、1ノズルでの平均インク滴量が5.0plであり、1200dpi(dots per inch)×1200dpiの解像度とした。すなわち、インク付与量は、5pl×1200dpi×1200dpi=7.2μl/inch2である。
【0093】
また、用紙Pとして、日本メーカ製の用紙を3種類、日本国外メーカ製の用紙を3種類の、計6種類の用紙を用いた。
【0094】
日本メーカ製の用紙は、坪量157gsm(grams per square meter)のOKトップコート(王子製紙株式会社製、「トップコート」は登録商標)、坪量157gsmのOKトップコートマット(王子製紙株式会社製、「トップコート」は登録商標)、及び坪量310gsmのボンアイボリー(登録商標:王子製紙株式会社製)である。
【0095】
日本国外メーカ製の用紙は、坪量150gsmのFLo Gloss Text(Sappi社製)、坪量270gsmのFLo Gloss Cover(Sappi社製)、及び坪量150gsmのCondat gloss(LECTA社製)である。
【0096】
実験は、印字して積層した100枚の用紙の両端を手で保持しながら持ち上げる動作を1回実施し、この作業後に両端の保持部分のインク膜の剥がれ及びこすれの状態を評価した。この作業を、印字してからの経過時間である所定時間の条件を変更して評価した。所定時間の条件は、印字直後、0.5時間後、1時間後、及び2時間後である。
【0097】
評価結果は、以下の4種類に分類した。評価A、Bが合格であり、評価C、Dが不合格である。
【0098】
A:取扱時の剥がれ/こすれなし
B:取扱時の剥がれ/こすれが1枚当たりポツ1~3個
C:取扱時の剥がれ/こすれが1枚当たりポツ数個
D:取扱時の剥がれ/こすれが一定面積で発生
【0099】
図6は、実験結果を示す表である。OKトップコート(「トップコート」は登録商標)は、印字直後はD判定であったが、0.5時間後、1時間後、2時間後においてA判定であった。
【0100】
OKトップコートマット(「トップコート」は登録商標)は、印字直後及び0.5時間後はD判定であったが、1時間後がB判定であり、2時間後がA判定であった。
【0101】
ボーンアイボリーは、印字直後はD判定であったが、0.5時間後、1時間後、2時間後においてA判定であった。
【0102】
FLo Gloss Textは、印字直後及び0.5時間後はD判定であったが、1時間後がB判定であり、2時間後がA判定であった。
【0103】
FLo Gloss Coverは、印字直後はD判定であったが、0.5時間後、1時間後、2時間後においてA判定であった。
【0104】
Condat glossは、印字直後及び0.5時間後はD判定であり、1時間後がC判定であったが、2時間後がA判定であった。
【0105】
以上のように、いずれの用紙であっても、出力直後は膜強度が弱いことがわかった。膜強度が弱い状態で反転作業、及び第2面への印字を実施すると、圧力がかかった部分での膜剥がれ、及び搬送ガイド部とのこすれによる傷が発生し、印刷品質が確保できない。
【0106】
また、おおよそ0.5時間経過(「30分以上」の一例)することで十分な膜強度が得られており、反転及び第2面への印字が可能となることがわかった。詳細には、どの用紙も所定時間は2時間あれば十分な膜強度が得られることがわかった。
【0107】
なお、浸透性が相対的に悪い用紙、及び高画像濃度の印刷では、0.5時間では不足する場合があり、そのような用紙Pは所定時間を延ばして対応する必要がある。用紙Pの紙種及びインク滴量から所定時間を統合制御装置48で判断してもよい。
【0108】
なお、所定時間の上限は、用紙Pの両面のジョブを完了する必要のある時間から逆算すればよく、例えば8時間であり、好ましくは4時間である。
【0109】
<第2の実施形態>
〔自動両面印刷システムの構成〕
図7は、自動両面印刷システム12の構成図である。なお、
図1と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。自動両面印刷システム12は、用紙の一方の面を連続して印刷して表裏を反転して所定枚数積層し、所定時間経過後に他方の面を印刷することで、用紙の両面に印刷が可能なシステムである。自動両面印刷システム12の画像記録装置20は、反転装置60を備える。
【0110】
反転装置60は、反転渡し胴60A、反転胴60B、及び反転渡し胴60Cを備える。反転装置60は、反転渡し胴60A、及び反転渡し胴60Cで把持する用紙端を変更せずに用紙Pの反転及び非反転を切り替えることが可能であり、排紙部28における反転及び非反転の積層を切り替えることができる。
【0111】
印字部24によって第1面に印字された用紙Pは、印字部24から反転装置60へ受け渡される。反転渡し胴60Aは、不図示のグリッパによって用紙Pの一方の端を把持し、反転胴60Bへ送る。反転胴60Bは、用紙Pの第1面と第2面とを反転して反転渡し胴60Cに受け渡す。反転渡し胴60Cは、反転胴60Bによって第1面と第2面とを反転された用紙Pの他方の端を不図示のグリッパによって把持して、排紙部28に受け渡す。
【0112】
このように、第2の実施形態に係る画像記録装置20は、第1面に画像を印字した場合、給紙台に装填されるパレット14の用紙Pと、排紙台のパレット14に排紙される用紙Pとは、表裏の向きが逆となる。
【0113】
一方、印字部24によって第2面に印字された用紙Pは、印字部24から反転装置60へ受け渡される。反転渡し胴60Aは、不図示のグリッパによって用紙Pの一方の端を把持し、反転胴60Bへ送る。反転胴60Bは、用紙Pの第1面と第2面とを反転せずに反転渡し胴60Cに受け渡す。反転渡し胴60Cは、反転胴60Bから受け渡された用紙Pの他方の端を不図示のグリッパによって把持して、排紙部28に受け渡す。
【0114】
このように、第2の実施形態に係る画像記録装置20は、第2面に画像を印字した場合、給紙台に装填されるパレット14の用紙Pと、排紙台のパレット14に排紙される用紙Pとは、表裏の向きが同じとなる。なお、第2面に画像を印字した場合に、反転胴60Bにおいて用紙Pの第1面と第2面とを反転をしてもよい。
【0115】
反転装置60に、用紙Pに湿潤風を送風することで、用紙Pのシーズニングを行うシーズニング機構を設けてもよい。
【0116】
〔自動両面印刷方法〕
図8は、自動両面印刷システム12を用いた自動両面印刷方法の処理を示すフローチャートである。自動両面印刷システム12は、用紙Pの第1面の印字を第1のジョブ、同じ用紙Pの第2面の印字を第2のジョブとして扱う。
【0117】
ステップS21では、統合制御装置48は、画像記録装置20に第1のジョブを実行させる。画像記録装置20は、統合制御装置48の制御に従い、第1のジョブとして用紙Pの第1面への印字を行う。すなわち、画像記録装置20は、給紙部22の給紙台に装填されたパレット14に積層された用紙Pを1枚ずつ給紙し、印字部24において用紙Pの第1面に印字する。また、画像記録装置20は、反転装置60において印字した用紙Pの表裏を反転させる。さらに、画像記録装置20は、反転させた用紙Pを排紙部28から排紙し、排紙部28の排紙台に装填されたパレット14に順次積層する。
【0118】
ここでは、給紙部22に装填されたパレット14には、
図3のF3Aに示すように、各用紙Pの第1面FをZ方向、第2面Bを-Z方向に向けて積層されている。排紙部28に装填されたパレット14には、
図3のF3Eに示すように、各用紙Pの第2面BをZ方向、第1面Fを-Z方向に向けて用紙Pが積層される。
【0119】
ステップS22では、統合制御装置48は、第1のジョブが完了したか、すなわち、給紙部22のパレット14に積層された全ての用紙Pの第1面に印字されたか否かを判定する。
【0120】
給紙部22のパレット14に印字していない用紙Pが残っている場合は、ステップS21の処理を継続する。一方、給紙部22のパレット14に積層された全ての用紙Pの第1面に印字された場合は、ステップS23の処理へ移行する。
【0121】
ステップS23では、統合制御装置48は、画像記録装置20に、排紙部28の排紙台を最も低い位置である最下降点まで駆動させる。画像記録装置20は、統合制御装置48の制御に従い、排紙部28の排紙台を最も低い位置である最下降点に下降させる。
【0122】
続くステップS24では、統合制御装置48は、輸送装置30に画像記録装置20から画像記録装置20の外の所定位置へ用紙Pを輸送させる。輸送装置30は、統合制御装置48の制御に従い、排紙部28からパレット14に積層された用紙Pを取り出し、取り出したパレット14に積層された用紙Pを所定位置へ移動させる。所定位置に移動されたパレット14には、各用紙Pの第2面BをZ方向、第1面Fを-Z方向に向けて用紙Pが積層されている。所定位置において、用紙Pのシーズニングを行ってもよい。統合制御装置48は、排紙部28から第1のジョブのパレット14が取り出された後に、画像記録装置20に第1のジョブ及び第2のジョブとは異なるジョブの印字を行わせてもよい。
【0123】
次のステップS25では、統合制御装置48は、所定位置へ移動させた用紙Pの第1面への印字が完了してから所定時間経過したが否かを判定する。所定時間は、例えば30分である。所定時間は、用紙の種類及び印字条件に応じて変更してもよい。
【0124】
第1面への印字が完了してから所定時間が経過していない場合は、ステップS25の処理を継続する。一方、第1面への印字が完了してから所定時間経過した場合は、ステップS26の処理へ移行する。
【0125】
ステップS26では、統合制御装置48は、画像記録装置20のジョブの切り替えが行われたか否か、すなわち第2のジョブに切り替えられたかを判定する。第2のジョブに切り替えられていない場合は、ステップS26の処理を継続する。一方、第2のジョブに切り替えられた場合は、ステップS27の処理へ移行する。
【0126】
ステップS27では、統合制御装置48は、画像記録装置20に給紙部22の給紙台を最も低い位置である最下降点まで駆動させる。画像記録装置20は、統合制御装置48の制御に従い、給紙部22の給紙台を最も低い位置である最下降点に下降させる。
【0127】
ステップS28では、統合制御装置48は、輸送装置30に所定位置から画像記録装置20へ用紙Pを輸送させる。輸送装置30は、統合制御装置48の制御に従い、所定位置から用紙Pが積層されたパレット14を取り出し、用紙Pが積層されたパレット14を給紙部22に装填する。給紙部22に装填されたパレット14には、各用紙Pの第2面BをZ方向、第1面Fを-Z方向に向けて積層されている。
【0128】
ステップS29では、統合制御装置48は、画像記録装置20に給紙部22の給紙台を印刷位置まで駆動させる。画像記録装置20は、統合制御装置48の制御に従い、給紙部22の給紙台を印刷位置まで駆動する。
【0129】
ステップS30では、統合制御装置48は、画像記録装置20に第2のジョブを実行させる。画像記録装置20は、統合制御装置48の制御に従い、用紙Pの第2面への印字を開始する。給紙部22に装填されたパレット14には、各用紙Pの第2面BをZ方向、第1面Fを-Z方向に向けて用紙Pが積層されるため、印字部24は、ステップS1で印字した第1面とは反対側の第2面に印字することができる。
【0130】
ステップS31では、統合制御装置48は、第2のジョブが完了したか、すなわち、給紙部22のパレット14に積層された全ての用紙Pの第2面に印字されたか否かを判定する。
【0131】
給紙部22のパレット14に印字していない用紙Pが残っている場合は、ステップS30の処理を継続する。一方、給紙部22のパレット14に積層された全ての用紙Pの第2面に印字された場合は、本フローチャートの処理を終了する。
【0132】
以上のように、第2の実施形態に係る自動両面印刷方法によれば、第1面の印字が完了した用紙Pは、反転後に排紙され、積層される。そして、用紙Pは、輸送装置30により画像記録装置20の外に輸送され、所定時間静置されることで第1面のインクが乾燥される。その後、用紙Pは、画像記録装置20の給紙部22に積層され、第2面への印刷が実行される。したがって、強力なインク乾燥系を使用せずに自動両面印刷を実現することができる。
【0133】
自動両面印刷システム12によれば、画像記録装置20の内部で用紙Pを反転することができるため、反転装置32が不要となる。また、画像記録装置20は、反転装置60により、登録された印刷ジョブに応じて片面印刷なら非反転、両面印刷なら反転して集積することが可能になる。また、反転装置32では大量に集積した用紙Pの束を一度にまとめて反転するため、積層枚数が多い場合には用紙Pにかかる圧力が大きくなり、ブロッキングの要因となるが、反転装置60ではその影響はない。
【0134】
<その他>
本実施形態では、記録媒体として枚葉の用紙の例を説明したが、記録媒体は樹脂シート、フィルム、その他材質及び形状を問わず、様々なシート体を用いることができる。また、記録媒体は、一定の間隔をおいてミシン目が形成された連帳用紙であってもよい。この場合、ミシン目が形成された個所を順次反対方向に折り曲げることで、折り畳まれた状態でパレット上に積層されてもよい。
【0135】
本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0136】
10…自動両面印刷システム
12…自動両面印刷システム
14…パレット
20…画像記録装置
22…給紙部
24…印字部
26…乾燥部
28…排紙部
30…輸送装置
32…反転装置
34…シーズニング機構
36…ファン
38…調湿機
40…包囲部材
42…側板
42A…排気穴
44…天板
48…統合制御装置
50…プロセッサ
52…メモリ
54…通信インターフェース
56…入力装置
58…表示装置
60…反転装置
60A…反転渡し胴
60B…反転胴
60C…反転渡し胴
S1~S13、S21~S31…自動両面印刷方法のステップ