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特開2024-63952支援情報作成装置、支援情報作成システム、支援情報作成方法、および支援情報作成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063952
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】支援情報作成装置、支援情報作成システム、支援情報作成方法、および支援情報作成プログラム
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/00 20060101AFI20240507BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B61L23/00 A
H04N7/18 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172160
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川手 隆司
(72)【発明者】
【氏名】近 哲也
(72)【発明者】
【氏名】橘 昭頼
【テーマコード(参考)】
5C054
5H161
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054EA01
5C054EA05
5C054EA07
5C054FC12
5C054FC15
5C054FD07
5C054FE12
5C054FE18
5C054FF03
5C054GB01
5C054GB05
5C054HA30
5H161AA01
5H161MM05
5H161MM12
5H161NN10
5H161NN13
(57)【要約】
【課題】経路を移動する移動体を用いて取得した情報により、その経路における経路設備に関する詳細情報を取得する。
【解決手段】情報を格納可能な記録部と、情報を表示可能な表示部と、所定の操作情報を受け付ける受付部と、情報を処理する制御部とを備え、制御部は、外部を撮影可能な撮影手段を少なくとも1つ備えた移動体があらかじめ定められた所定経路を移動しつつ時刻情報に関連付けられて撮影手段によって撮影を実行して生成した撮像情報と、時刻情報と関連付けられた移動体の位置情報と、任意の位置に関する位置情報を含む地図情報とを取得し、撮像情報と位置情報と地図情報とを関連付けて移動体の走行を示すように生成した複数のアイコンを地図情報に対して重畳表示させ、受付部によって一のアイコンの操作を受け付けた場合に、操作を受け付けたアイコンの位置情報に基づいてアイコンの位置情報に関連付けされた撮像情報を、表示部に表示させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を格納可能な記録部と、
情報を表示可能な表示部と、
所定の操作情報を受け付ける受付部と、
前記記録部、前記表示部、および前記受付部との間で情報を処理する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記記録部に記録された、外部を撮影可能な撮影手段を少なくとも1つ備えた移動体があらかじめ定められた所定経路を移動しつつ、日時に関する時刻情報に関連付けられて前記撮影手段によって撮影を実行して生成した撮像情報と、前記時刻情報と関連付けられた前記移動体の位置情報と、任意の位置に関する情報を含む地図情報とを取得し、
前記撮像情報と前記位置情報と前記地図情報とを関連付けて、前記位置情報に基づいて前記移動体の走行を示すように生成した複数のアイコンを、前記地図情報に対して重畳表示可能に前記表示部に表示させ、
前記受付部によって一のアイコンの操作を受け付けた場合に、前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に基づいて、前記撮像情報に含まれる前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に関連付けされた前記撮像情報を、前記表示部に表示させる
支援情報作成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記アイコンの操作を受け付けた場合に、前記表示部において、前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に対応する前記撮像情報に基づく動画の再生を開始させる
請求項1に記載の支援情報作成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記所定経路の周辺に設置された経路設備に関する情報と任意地点の位置情報とを含む情報を有する台帳情報を取得し、
前記台帳情報を前記表示部に表示するとともに、前記台帳情報と前記撮像情報とが前記位置情報に基づいて関連付けされ、前記受付部からの前記台帳情報に対する操作に基づいて、前記表示部に、前記台帳情報に対する操作に対応させて、前記撮像情報に含まれる前記台帳情報に対応する画像を表示または前記台帳情報に対応する動画の再生を開始させる
請求項1に記載の支援情報作成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記時刻情報および前記位置情報に基づいて、互いに異なる時刻情報、かつ同一の位置情報に関連付けされた複数の撮像情報を、前記表示部に表示させる
請求項1に記載の支援情報作成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記複数の撮像情報の比較によって、前記撮像情報に含まれる対象物の変化を判定し、
前記判定の結果を前記記録部に格納する
請求項4に記載の支援情報作成装置。
【請求項6】
前記移動体が前記撮影手段を複数備えつつ前記所定経路を移動しつつ、互いに異なる方向の情景を撮像し、
前記制御部は、互いに異なる撮影手段によって撮影された互いに異なる方向の情景を前記表示部に同時に表示する
請求項1に記載の支援情報作成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記撮影手段によって撮像され、前記台帳情報に含まれる前記位置情報に対応した対象物を前記表示部に表示させ、
前記受付部から操作を受け付けた前記対象物の変化に関する情報を、前記対象物に関する情報および前記対象物の位置情報と関連付けて、前記記録部に格納する
請求項1に記載の支援情報作成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記撮像情報に基づいて、前記撮像情報に含まれる対象物までの距離を導出して、導出した結果を前記記録部に格納する
請求項1に記載の支援情報作成装置。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の支援情報作成装置と、
外部を撮影可能であって撮影した撮像情報を生成する少なくとも1つの撮影手段、および位置を測定して前記位置を示す位置情報を生成する測位部を備え、前記撮像情報と前記位置情報とを関連づけて出力する関連情報作成装置と、を備える
支援情報作成システム。
【請求項10】
情報を格納可能な記録部と、情報を表示可能な表示部と、所定の操作情報を受け付ける受付部と、情報を処理する制御部とを備えた支援情報作成装置における前記制御部が実行する支援情報作成方法であって、
前記記録部に記録された、外部を撮影可能な撮影手段を少なくとも1つ備えた移動体があらかじめ定められた所定経路を移動しつつ、日時に関する時刻情報に関連付けられて前記撮影手段によって撮影を実行して生成した撮像情報と、前記時刻情報と関連付けられた前記移動体の位置情報と、任意の位置に関する位置情報を含む地図情報とを取得し、
前記撮像情報と前記位置情報と前記地図情報とを関連付けて、前記位置情報に基づいて前記移動体の走行を示すように生成した複数のアイコンを、前記地図情報に対して重畳表示可能に前記表示部に表示させ、
前記受付部によって一のアイコンの操作を受け付けた場合に、前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に基づいて、前記撮像情報に含まれる前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に関連付けされた前記撮像情報を、前記表示部に表示させる
支援情報作成方法。
【請求項11】
前記制御部は、
前記撮像情報における前記時刻情報と同期された前記アイコンの位置情報を、前記地図情報における前記所定経路に一致させる補正を行った後に、前記表示部に、前記補正された前記アイコンを前記地図情報に重畳させて表示させる
請求項10に記載の支援情報作成方法。
【請求項12】
情報を格納可能な記録部と、情報を表示可能な表示部と、所定の操作情報を受け付ける受付部と、情報を処理する制御部とを備えた支援情報作成装置における前記制御部に実行させる支援情報作成プログラムであって、
前記制御部に、
前記記録部に記録された、外部を撮影可能な撮影手段を少なくとも1つ備えた移動体があらかじめ定められた所定経路を移動しつつ、日時に関する時刻情報に関連付けられて前記撮影手段によって撮影を実行して生成した撮像情報と、前記時刻情報と関連付けられた前記移動体の位置情報と、任意の位置に関する位置情報を含む地図情報とを取得し、
前記撮像情報と前記位置情報と前記地図情報とを関連付けて、前記位置情報に基づいて前記移動体の走行を示すように生成した複数のアイコンを、前記地図情報に対して重畳表示可能に前記表示部に表示させ、
前記受付部によって一のアイコンの操作を受け付けた場合に、前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に基づいて、前記撮像情報に含まれる前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に関連付けされた前記撮像情報を、前記表示部に表示させる
ことを実行させる支援情報作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援情報作成装置、支援情報作成システム、支援情報作成方法、および支援情報作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電路柱などの鉄道の沿線設備は、少なくとも1年に1回の詳細点検が法律で定められている。また、沿線設備には、飛来物や鳥類の営巣や樹木の侵入などが不定期に発生する可能性がある。そのため、沿線設備に対する点検として、多い場合には数日に1回の頻度で徒歩巡視を行う鉄道会社などもある。
【0003】
また、沿線設備の更新や新設も定期的に行われる。この場合、新設にあたっては敷設するエリアの規模を測定して、現地において建設の余地があるか否かを確認したり、更新にあたっては、現地において必要となる部品や工具を確認したりする作業が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-1476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した巡視点検においては、検査作業者が線路沿いを歩行することが多い。この場合、歩行に時間を要したり、電車や自動車と接触する可能性が生じたりする問題がある。また、巡視点検としては、検査作業者が営業車両に乗車しながら走行または停車(以下、運行という場合がある)の最中に目視で沿線設備である経路設備を点検する方法もある。しかしながら、作業者が営業車両に乗車して走行しながら目視する方法では、見落としの可能性も高いという問題がある。
【0006】
そのため、線路などの所定経路を移動する電車などの移動体に、外部を撮影可能な撮影部を設置して取得した情報によって、線路などの所定経路に設けられた経路設備である沿線設備に関する詳細な情報を取得できる技術が求められていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、所定の経路を移動する移動体を用いて取得した情報によって、所定の経路における沿線設備に関する詳細な情報を取得できる支援情報作成装置、支援情報作成システム、支援情報作成方法、および支援情報作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明による支援情報作成装置は、情報を格納可能な記録部と、情報を表示可能な表示部と、所定の操作情報を受け付ける受付部と、前記記録部、前記表示部、および前記受付部との間で情報を処理する制御部と、を備え、前記制御部は、前記記録部に記録された、外部を撮影可能な撮影手段を少なくとも1つ備えた移動体があらかじめ定められた所定経路を移動しつつ、日時に関する時刻情報に関連付けられて前記撮影手段によって撮影を実行して生成した撮像情報と、前記時刻情報と関連付けられた前記移動体の位置情報と、任意の位置に関する情報を含む地図情報とを取得し、前記撮像情報と前記位置情報と前記地図情報とを関連付けて、前記位置情報に基づいて前記移動体の走行を示すように生成した複数のアイコンを、前記地図情報に対して重畳表示可能に前記表示部に表示させ、前記受付部によって一のアイコンの操作を受け付けた場合に、前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に基づいて、前記撮像情報に含まれる前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に関連付けされた前記撮像情報を、前記表示部に表示させる。
【0009】
本発明の一態様による支援情報作成装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記アイコンの操作を受け付けた場合に、前記表示部において、前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に対応する前記撮像情報に基づく動画の再生を開始させる。
【0010】
本発明の一態様による支援情報作成装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記所定経路の周辺に設置された経路設備に関する情報と任意地点の位置情報とを含む情報を有する台帳情報を取得し、前記台帳情報を前記表示部に表示するとともに、前記台帳情報と前記撮像情報とが前記位置情報に基づいて関連付けされ、前記受付部からの前記台帳情報に対する操作に基づいて、前記表示部に、前記台帳情報に対する操作に対応させて、前記撮像情報に含まれる前記台帳情報に対応する画像を表示または前記台帳情報に対応する動画の再生を開始させる。
【0011】
本発明の一態様による支援情報作成装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記時刻情報および前記位置情報に基づいて、互いに異なる時刻情報、かつ同一の位置情報に関連付けされた複数の撮像情報を、前記表示部に表示させる。
【0012】
本発明の一態様による支援情報作成装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記複数の撮像情報の比較によって、前記撮像情報に含まれる対象物の変化を判定し、前記判定の結果を前記記録部に格納する。
【0013】
本発明の一態様による支援情報作成装置は、上記の発明において、前記移動体が前記撮影手段を複数備えつつ前記所定経路を移動しつつ、互いに異なる方向の情景を撮像し、前記制御部は、互いに異なる撮影手段によって撮影された互いに異なる方向の情景を前記表示部に同時に表示する。
【0014】
本発明の一態様による支援情報作成装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記撮影手段によって撮像され、前記台帳情報に含まれる前記位置情報に対応した対象物を前記表示部に表示させ、前記受付部から操作を受け付けた前記対象物の変化に関する情報を、前記対象物に関する情報および前記対象物の位置情報と関連付けて、前記記録部に格納する。
【0015】
本発明の一態様による支援情報作成装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記撮像情報に基づいて、前記撮像情報に含まれる対象物までの距離を導出して、導出した結果を前記記録部に格納する。
【0016】
本発明の一態様による支援情報作成システムは、上記の発明による支援情報作成装置と、外部を撮影可能であって撮影した撮像情報を生成する少なくとも1つの撮影手段、および位置を測定して前記位置を示す位置情報を生成する測位部を備え、前記撮像情報と前記位置情報とを関連づけて出力する関連情報作成装置と、を備える。
【0017】
本発明の一態様による支援情報作成方法は、情報を格納可能な記録部と、情報を表示可能な表示部と、所定の操作情報を受け付ける受付部と、情報を処理する制御部とを備えた支援情報作成装置における前記制御部が実行する支援情報作成方法であって、前記記録部に記録された、外部を撮影可能な撮影手段を少なくとも1つ備えた移動体があらかじめ定められた所定経路を移動しつつ、日時に関する時刻情報に関連付けられて前記撮影手段によって撮影を実行して生成した撮像情報と、前記時刻情報と関連付けられた前記移動体の位置情報と、任意の位置に関する位置情報を含む地図情報とを取得し、前記撮像情報と前記位置情報と前記地図情報とを関連付けて、前記位置情報に基づいて前記移動体の走行を示すように生成した複数のアイコンを、前記地図情報に対して重畳表示可能に前記表示部に表示させ、前記受付部によって一のアイコンの操作を受け付けた場合に、前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に基づいて、前記撮像情報に含まれる前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に関連付けされた前記撮像情報を、前記表示部に表示させる。
【0018】
本発明の一態様による支援情報作成方法は、前記制御部は、前記撮像情報における前記時刻情報と同期された前記アイコンの位置情報を、前記地図情報における前記所定経路に一致させる補正を行った後に、前記表示部に、前記補正された前記アイコンを前記地図情報に重畳させて表示させる。
【0019】
本発明の一態様による支援情報作成プログラムは、情報を格納可能な記録部と、情報を表示可能な表示部と、所定の操作情報を受け付ける受付部と、情報を処理する制御部とを備えた支援情報作成装置における前記制御部に実行させる支援情報作成プログラムであって、前記制御部に、前記記録部に記録された、外部を撮影可能な撮影手段を少なくとも1つ備えた移動体があらかじめ定められた所定経路を移動しつつ、日時に関する時刻情報に関連付けられて前記撮影手段によって撮影を実行して生成した撮像情報と、前記時刻情報と関連付けられた前記移動体の位置情報と、任意の位置に関する位置情報を含む地図情報とを取得し、前記撮像情報と前記位置情報と前記地図情報とを関連付けて、前記位置情報に基づいて前記移動体の走行を示すように生成した複数のアイコンを、前記地図情報に対して重畳表示可能に前記表示部に表示させ、前記受付部によって一のアイコンの操作を受け付けた場合に、前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に基づいて、前記撮像情報に含まれる前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に関連付けされた前記撮像情報を、前記表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明による支援情報作成装置、支援情報作成システム、支援情報作成方法、および支援情報作成プログラムによれば、所定の経路を移動する移動体を用いて取得した情報によって、所定の経路における経路設備に関する詳細な情報を取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施形態による支援情報作成システムを示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による関連情報作成装置を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施形態による支援情報作成装置を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による支援情報作成方法を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、本発明の一実施形態による支援情報作成装置における表示部に表示される基本的な表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の一実施形態による支援情報作成装置における表示部に表示される複数画像表示の表示画面の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の一実施形態による支援情報作成装置における表示部に表示される拡大画像表示の表示画面の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の一実施形態による支援情報作成方法によるデータ構成の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の一実施形態による支援情報作成装置における表示部に表示される対象物のポイント結果の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
【0023】
まず、本発明の理解を容易にするために、本発明者による鋭意検討について説明する。すなわち、本発明者は、上述した課題を解決するために種々検討を行った結果、移動体としての鉄道車両(以下、電車)の運転席などの所定位置に、例えばドライブレコーダなどの撮像可能および位置情報を取得可能な撮像測位装置を用いる方法を案出した。そして、この撮像測位装置を、移動体の所定位置、例えば電車の先頭の運転席および最後尾の運転席などに搭載して、所定経路としての線路およびその周辺を撮像して得られた画像や映像(以下、撮像情報)と、移動体としての電車の走行経路に基づく位置情報とを、互いに同期させて走行情報を生成する方法を案出した。ここで、位置情報は、GPS衛星との通信によって取得可能なGPS情報であっても、移動体の速度や加速度などから算出した情報であってもよい。
【0024】
取得した走行情報を読み込むことによって、撮像情報と位置情報とが関連付けされて、表示部に表示された所定の地図に走行軌跡を重畳表示させることが可能である。さらに、表示部の所定の地図に重畳表示された走行軌跡の表示アイコンを指定すると、指定した位置の走行動画を再生可能な情報処理装置および情報処理装置で実行可能なプログラムを提供する。なお、走行履歴の表示アイコン(以下、アイコン)は連続的な直線や曲線などの線状に表示しても良く、複数の点状、例えば進行方向に頂点を有する三角形状であって互いに不連続なアイコンとしても良い。不連続なアイコンで表示させる場合、位置情報に基づいて等距離ごとにアイコンを表示したり、時刻情報に基づいて等しい経過時間(等時間)ごとにアイコンを点状で表示させたりしても良い。
【0025】
本実施形態においては、映像情報に付随する位置情報とアイコンの位置情報とが第2制御部32の関連付部322によって関連付けされる。また、重畳部321によって地図情報に重畳表示されたアイコンの位置情報と、映像情報における位置情報とを互いに関連付けする。これらの処理によって、例えば第2受付部34によって一のアイコンの操作を受け付けた(アイコンがクリックされた)場合に、第2制御部32は、操作を受け付けたアイコンの位置情報に関連付けされた撮像情報の該当部分の画像を第2表示部35に表示したり撮像情報の該当部分からの映像を再生開始したりすることができる。
【0026】
電路柱などの沿線設備の位置情報などを含む管理台帳を専用ソフトで読み込むことによって、ソフト上のリストに沿線設備が表示され、リストを選択することで、その設備の最近傍の動画位置から再生が可能となる。これにより、対象の設備を効率的に巡視可能となる。また、表示画面の地図において沿線設備の位置をアイコンで重畳表示させて、アイコンを選択や指定することによって、最近傍の動画位置から撮像情報の再生が可能になるように構成する。さらに、撮像情報に対して任意地点における対象物の寸法(サイズ)を計測可能とする。これにより、現地に赴くことなく、必要な規模に関する情報(以下、規模情報)を取得できる。
【0027】
上述した構成によれば、ドライブレコーダなどの撮像測位装置を電車などの移動体に搭載して、鉄道の線路などの所定経路を運行情報にしたがって、通常の営業運行を行うだけで、所定経路の周辺に設けられた沿線設備や所定経路の任意の地点の異常の有無を巡視点検するためのデータを取得でき、点検用の車両を別途走行させる必要がない。これにより、所定経路の周辺に設けられた沿線設備の保守作業やメンテナンス作業などの効率を大幅に向上できる。さらに、現地に赴く前に、沿線設備の新設の予定地の規模を測定したり、更新すべき部品の寸法や型番を取得して把握したりすることができるので、事前踏査の手間を大幅に低減できる。以下に説明する一実施形態は、本発明者による以上の鋭意検討により案出されたものである。
【0028】
以上により、情報処理装置としての支援情報作成装置は、情報を格納可能な記録部と、情報を表示可能な表示部と、所定の操作情報を受け付ける受付部と、情報を処理する制御部と、を備え、制御部は、記録部に記録された、外部を撮影可能な撮影手段を少なくとも1つ備えた移動体があらかじめ定められた所定経路を移動しつつ、日時に関する時刻情報に関連付けられて前記撮影手段によって撮影を実行して生成した撮像情報と、前記時刻情報と関連付けられた前記移動体の位置情報と、任意の位置に関する位置情報を含む地図情報とを取得し、前記撮像情報と前記位置情報と前記地図情報とを関連付けて、前記位置情報に基づいて前記移動体の走行を示すように生成した複数のアイコンを、前記地図情報に対して重畳表示可能に前記表示部に表示させ、前記受付部によって一のアイコンの操作を受け付けた場合に、前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に基づいて、前記撮像情報に含まれる前記操作を受け付けたアイコンの位置情報に関連付けされた前記撮像情報を、前記表示部に表示させる、ことを実現できる。
【0029】
(支援情報作成システム)
まず、本発明の一実施形態による支援情報作成システムについて説明する。図1は、本実施形態による支援情報作成システム1を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、一実施形態による支援情報作成システム1は、線路などの所定経路の付近に設けられた電路柱や信号機などの経路設備としての沿線設備の点検を支援する支援情報を作成するシステムである。本実施形態において支援情報は、例えば、施設台帳データ(以下、施設台帳)である。本実施形態による支援情報作成システム1は、これらの施設台帳に記載のデータを利用して、支援情報を作成し、作成した支援情報を提供する。
【0031】
一実施形態による支援情報作成システム1は、関連情報作成装置2、支援情報作成装置3、および記録媒体4を備える。なお、支援情報作成装置3は、支援情報を提供する支援情報提供装置としても用いられる。記録媒体4は、関連情報作成装置2と支援情報作成装置3との間におけるデータの受け渡しを実行可能な記録媒体であり、例えば可搬型の記録メディアを採用できる。可搬型の記録媒体の場合、関連情報作成装置2および支援情報作成装置3に対してそれぞれ着脱可能に構成されている。なお、記録媒体4に記録されたデータは、所定のネットワークを介して関連情報作成装置2および支援情報作成装置3に送信されてもよい。
【0032】
(関連情報作成装置の構成)
図2は、本実施形態による関連情報作成装置2を示すブロック図である。図2に示すように、関連情報作成装置2は、移動体としての電車などに搭載されるドライブレコーダなどから構成されている。関連情報作成装置2は、第1制御部21、第1記録部22、第1受付部23、第1表示部24、第1撮影部25、第1センサ部26、および第1リーダライタ27が、バス28を介して接続された構成である。
【0033】
第1制御部21は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などから構成される。第1制御部21は、第1記録部22に記録されたプログラムにしたがって、関連情報作成装置2の動作を制御する。第1記録部22は、第1制御部21が実行するプログラム、第1制御部21の処理に必要な情報、および第1制御部21が処理した情報などを記録する。
【0034】
第1受付部23は、ユーザによる操作を受け付けるボタン、スイッチ、およびタッチパネルなどから構成され、ユーザ操作に応じた操作信号を第1制御部21に出力する。第1表示部24は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)などを用いた表示ディスプレイで構成され、第1制御部21による制御の下、種々の画像を表示する。なお、第1受付部23の機能の一部または全部がタッチパネルとして第1表示部24の表面に配置されてもよい。
【0035】
撮影手段または撮像手段としての第1撮影部25は、第1撮像カメラ251および第2撮像カメラ252を備える。なお、第1撮影部25は、さらにサイド撮像カメラ253を備えていても良く、第1撮像カメラ251のみを備えていたり、第2撮像カメラ252のみを備えていたりしても良い。第1撮像カメラ251、第2撮像カメラ252、およびサイド撮像カメラ253はそれぞれ、レンズユニット、撮像素子、および信号処理部(いずれも図示せず)を備えて構成される。レンズユニットは、被写体像を取り込んで撮像素子の撮像面に結像する。撮像素子は、レンズユニットが結像した被写体像を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などから構成される。信号処理部は、撮像素子からの電気信号に対して例えばA/D変換などの信号処理を行って、撮像情報の一部としての撮影画像データ(以下、撮影画像)を出力する。第1撮影部25を構成する第1撮像カメラ251、第2撮像カメラ252、およびサイド撮像カメラ253はそれぞれ、360度カメラ、ステレオ、またはサーモカメラや、LiDAR、TOFカメラなどの光学装置や、GPS装置搭載のカメラなどが採用できる。なお、第1撮影部25によって撮影された撮影映像、すなわち動画は、時系列に順次関連付けされた複数の撮影画像から構成されるため、動画は、撮影画像の概念に含まれるものである。
【0036】
第1撮像カメラ251は、移動体としての例えば電車の進行方向の前方を撮影可能に構成され、主に電車の進行方向の前方側を撮影することにより、対象物の正面側の撮影情報を取得する。第1撮像カメラ251は、電車の前部、例えば第1車両の運転席などに設けられる場合が多いが、必ずしも前部に限定されない。
【0037】
第1撮影部25がサイド撮像カメラ253を備える場合、サイド撮像カメラ253は、電車の進行方向に対して側方を撮影可能に構成される。サイド撮像カメラ253は、対象物の側部や下部、主に対象物の基部や基礎の部分を撮影可能に構成することが好ましい。これにより、対象物の側部や下部、基部や基礎の部分の撮影情報を取得できる。サイド撮像カメラ253は、電車の側部に設けられる場合が多いが、必ずしも側部に限定されない。
【0038】
第1撮影部25が第2撮像カメラ252を備える場合、第2撮像カメラ252は、電車の進行方向に対して後方を撮影可能に構成され、主に対象物の裏面側を撮影することにより、対象物の裏面側の撮影情報を取得する。第2撮像カメラ252は、電車の最後の車両の後部の運転席に設けられる場合が多いが、必ずしも後部に限定されない。
【0039】
第1撮像カメラ251、第2撮像カメラ252、およびサイド撮像カメラ253はそれぞれ別体で設けられていても、必要な撮影部を同じ筐体内に設けるように構成されていても良い。すなわち、第1撮影部25は、電車の進行方向に対して少なくとも1方向を撮影可能に構成する少なくとも1台の撮影部を備える。すなわち、本実施形態においては、第1撮影部25によって撮影される対象物は、正面側、基部や基礎の部分、または裏面側が撮影されて、1つの対象物に対して少なくとも1つ、多ければ3つ以上の撮影画像データを取得可能となる。
【0040】
第1センサ部26は、測位部としての第1測位部261および第1速度センサ262を備える。第1測位部261は、本発明による測位部に相当する。第1測位部261は、本発明に係る測位部に相当する。第1測位部261は例えば、地上の物体の位置を測定する測位手段であるGPS(Global Positioning System)を構成する複数のGPS衛星が出力する衛星の軌道情報を受信する。第1測位部261は、受信した軌道情報に基づいて、関連情報作成装置2の位置情報、すなわち関連情報作成装置2が設けられた車両の位置情報として緯度および経度を示す撮影位置情報を出力する。これにより、第1測位部261は、第1撮影部25の位置情報、すなわち、第1撮像カメラ251、第2撮像カメラ252、およびサイド撮像カメラ253の位置情報を出力可能となる。なお、第1測位部261としては、GPSを利用した構成に限らず、その他のGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用した構成を採用しても良い。第1速度センサ262は、関連情報作成装置2の速度、すなわち関連情報作成装置2が搭載された電車の速度を検出し、速度を示す撮影速度情報を出力する。第1センサ部26によって、電車の速度および加速度から位置情報を生成する構成にしても良い。
【0041】
第1制御部21は、第1撮影部25によって時系列で順次、撮影された複数の撮影画像に対して、撮影画像の撮影位置を示す撮影位置情報、撮影画像の撮影時における関連情報作成装置2の速度を示す撮影速度情報、および撮影画像が撮影された日時を示す日時および時刻の情報(以下、時刻情報)をそれぞれ関連付けた関連情報を生成する。ここで、撮影位置情報は、第1測位部261によって生成される。撮影速度情報は、第1速度センサ262によって出力される。
【0042】
第1測位部261における単位時間あたりに生成する撮影位置情報の数は、第1撮影部25を構成するそれぞれの撮像カメラ251(252,253)における単位時間あたりに生成する撮影画像の数、すなわちフレームレート以下の場合がある。この場合、第1制御部21は、撮影画像の生成時に撮影位置情報を生成できなかった場合に、撮影位置情報を補間により生成し、撮影画像に対して補間により生成した撮影位置情報を関連付ける。なお、補間は、直線補間を想定しているが、直線補間ができないカーブなどの場合は、近傍の線路形状のネットワークデータ(線路リンク)上を走行したと仮定して、この線路リンク上に沿ってデータを補正することも可能である。具体的に、第1制御部21は、前後の取得したGPSによる位置情報と、第1速度センサ262によって計測された速度や時間などから導出可能な走行データに基づいて補正する。また、第1制御部21は、時系列的に前後となる撮影位置情報と、走行データ(時速や距離など)とに基づいて補正してもよい。さらに、第1表示部24に地図情報と位置情報とを重畳表示させた状態で、位置情報を重畳表示させて、関連情報作成装置2を操作する作業者が位置の補正を行っても良い。
【0043】
本実施形態においては、第1撮像カメラ251、第2撮像カメラ252、およびサイド撮像カメラ253のそれぞれによって時系列に順次撮影された複数の撮影画像に対して、撮影画像の撮影位置を示す撮影位置情報をそれぞれ関連付けた関連情報を生成する。これにより、第1撮像カメラ251や、サイド撮像カメラ253や、第2撮像カメラ252によって撮影されて得られた撮像画像は、撮影位置情報によって関連付け可能である。
【0044】
第1撮像カメラ251、第2撮像カメラ252、およびサイド撮像カメラ253が撮影したそれぞれの撮像画像は、第1速度センサ262によって計測された電車の速度と撮影時刻とに基づいて、関連付け可能である。すなわち、第1撮像カメラ251、第2撮像カメラ252、およびサイド撮像カメラ253によって時系列に順次撮影されたそれぞれの撮影画像は、第1制御部21によって同期可能である。また、第1撮像カメラ251、第2撮像カメラ252、およびサイド撮像カメラ253を同時に起動させ、第1制御部21は、起動開始時点からの時間に基づいて撮影画像を同期させても良い。なお、第1制御部21は、起動開始時点からの時間以外にも、GPS衛星やGNSS衛星から受信した時刻情報に基づいて撮影画像を同期させることも可能である。
【0045】
第1リーダライタ27は、記録媒体4が挿着された際に、第1制御部21による制御の下、第1制御部21によって生成された関連情報を記録媒体4に記録する。関連情報は、関連情報作成装置2が電車に搭載され、線路を電車が走行している際に、第1測位部261によって測定された撮影位置情報を含む位置情報データベース41、および第1撮影部25によって撮影された複数の撮影画像からなる撮像情報データベース42を含む情報である。
【0046】
(支援情報作成装置)
図3は、本実施形態による支援情報作成装置3を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態による支援情報作成装置3は、例えばPC(Personal Computer)などから構成される。支援情報作成装置3は、第2リーダライタ31、第2制御部32、第2記録部33、第2受付部34、および第2表示部35が、バス36を介して接続された構成である。
【0047】
第2リーダライタ31は、本発明に係る関連情報取得部に相当する。第2リーダライタ31は、第2リーダライタ31に記録媒体4が挿着された際に、第2制御部32による制御の下、記録媒体4に記録された関連情報を取り込む。第2リーダライタ31により取り込まれた関連情報は、第2記録部33に記録される。
【0048】
なお、本実施形態では、可搬型の記録媒体4を利用して関連情報作成装置2から支援情報作成装置3に対して関連情報を受け渡す構成を採用したが、これに限らない。例えば、無線通信や有線通信を利用して関連情報作成装置2から支援情報作成装置3に対して関連情報を受け渡す構成を採用しても良い。この際、支援情報作成装置3に設けられ、通信を行う通信部は、本発明に係る関連情報取得部に相当する。また、記録媒体4に記録されたデータは、所定のネットワークを介して関連情報作成装置2および支援情報作成装置3に送信されてもよい。
【0049】
制御部としての第2制御部32は、本発明に係るプロセッサに相当する。第2制御部32は、CPUやFPGAなどから構成される。第2制御部32は、第2記録部33に記録された支援情報作成プログラムやその他のプログラムに従って、支援情報作成装置3全体の動作を制御する。第2制御部32は、重畳部321および関連付部322として機能を有するともに、さらに通常の情報処理に関する制御、例えば本発明に係る画像解析部、区分判別部、位置補正部、および情報作成部などの機能を有する。なお、第2制御部32の機能の詳細については、後述する。
【0050】
重畳部321は、複数の情報、例えば地図情報やアイコン対応する画像情報を出力する場合に、互いの情報を重畳して出力することによって、第2表示部35やその他の出力部に複数の情報を重畳表示する機能を有する。関連付部322は、複数の情報を関連付ける機能を有する。関連付部322は例えば、地図情報と位置情報とを関連付けたり、画像情報と位置情報とを関連付けたり、時刻情報と位置情報と画像情報とを関連付けたりする機能を有する。関連付部322は、画像情報と位置情報とを関連付け可能となる。
【0051】
記録部としての第2記録部33は、第2制御部32が実行する本発明に係る支援情報作成プログラムを含むプログラム、第2制御部32の処理に必要な情報、第2制御部32が処理した情報、および第2リーダライタ31によって取り込まれた関連情報などを記録する。第2制御部32の処理に必要な情報としては、カーナビゲーション装置等に用いられる地図情報や以下に示す学習モデルを例示することができる。すなわち、第2記録部33は、本発明に係る地図情報記録部に相当する。具体的に第2記録部33は、位置情報を読み出し可能、検索可能、および格納可能な位置情報データベース331、撮像情報を読み出し可能、検索可能、および格納可能な撮像情報データベース332、および地図情報を読み出し可能、検索可能、および格納可能な地図情報データベース333を有する。なお、これらの位置情報データベース331および撮像情報データベース332はそれぞれ、記録媒体4の位置情報データベース41および撮像情報データベース42と、適宜同期可能である。
【0052】
学習モデルは、沿線設備の種別ごとに設けられ、沿線設備が撮影された撮影画像(教師画像)に基づいて沿線設備の特徴を機械学習(例えば深層学習など)することにより得られたモデルである。第2制御部32は、学習モデルを用いた画像認識(AI(Artificial Intelligence)を用いた画像認識)により、関連情報に含まれる複数の撮影画像の少なくともいずれかの撮影画像に写り込んだ沿線設備(本発明に係る特定の施設(本実施形態では電路柱、信号機、および遮断器など)に相当)を認識可能となる。
【0053】
受付部としての第2受付部34は、所定の操作情報であるユーザ操作を受け付けるボタン、スイッチ、タッチパネルなどから構成され、ユーザ操作に応じた操作信号を第2制御部32に出力する。表示部としての第2表示部35は、液晶または有機ELなどを用いた表示ディスプレイで構成され、第2制御部32による制御の下、種々の画像を表示する。なお、第2受付部34の機能の一部または全部がタッチパネルとして第2表示部35の表面に配置されてもよい。
【0054】
(支援情報)
以上のように構成された支援情報作成システムによる支援情報処理方法について説明する。上述したように、本実施形態による支援情報作成システム1は、点検対象施設に相当する、電路柱や信号機などの沿線設備の点検を支援するための支援情報を作成して出力するシステムである。支援情報は、所定の施設台帳などに対して関連付けられた撮像情報、管理情報、および地図情報を例示できる。なお、支援情報としては、これらに限定されるものではない。
【0055】
(支援情報作成方法)
次に、上述のように構成された支援情報作成システム1による支援情報作成方法について説明する。図4は、本実施形態による支援情報作成方法を説明するためのフローチャートである。なお、ステップST1,ST8は作業者が実行し、ステップST2,ST3は、関連情報作成装置2が実行し、ステップST4~ST7は、支援情報作成装置3が実行する。
【0056】
まず、ステップST1において作業者などによって、撮像装置および位置情報取得装置としての関連情報作成装置を電車に搭載する。ここで、電車に関連情報作成装置2を搭載する場合には、撮像装置である第1撮影部25における第1撮像カメラ251を先頭車両の運転席に、電車の前方向の外部を撮像可能な状態で搭載する。また、必要に応じて、第2撮像カメラ252を最後尾車両の運転席に、電車の後方向の外部を撮像可能な状態で搭載する。また、必要に応じて、サイド撮像カメラ253を中間車両に搭載する。サイド撮像カメラ253は、電車の側方や上方などを撮影可能な状態で搭載することが好ましい。また、位置情報取得装置としての第1センサ部26は、電車の任意の位置に搭載可能であり、電車の走行時に、第1測位部261によって位置を取得するとともに、第1速度センサ262によって電車の速度を計測する。
【0057】
次に、ステップST2に移行して電車を走行させるとともに、関連情報作成装置2の第1撮影部25および第1センサ部26を稼働させる。これにより、電車の走行に伴って、第1撮像カメラ251によって電車が走行する走行経路としての線路に沿った前方向を撮影して、画像や映像を含む撮像情報を取得し、第2撮像カメラ252によって電車の線路に沿った後方向を撮影して撮像情報を取得する。これとともに、第1測位部261によって、位置情報を取得できる。なお、サイド撮像カメラ253によって電車の側方や上方の撮像情報を取得しても良い。
【0058】
次に、ステップST3に移行して、第1制御部21は、第1撮影部25から取得した撮像情報(前方および後方、必要に応じて側方および上方)と第1センサ部26から取得した位置情報とを関連付けて、第1記録部22に読み出し可能に格納する。また、第1制御部21は、取得した位置情報および撮像情報を第1記録部22に格納するとともに、取得した位置情報を記録媒体4の位置情報データベース41に出力して格納するとともに、取得した撮像情報を記録媒体4の撮像情報データベース42に出力して格納する。記録媒体4には、位置情報と撮像情報とが互いに関連付けられて格納される。ここで、位置情報と撮像情報との関連付けは、撮像情報に関連付けられた時刻情報と、この時刻情報における時刻での電車の位置情報とを同期することによって行われるが、必ずしもこの方法に限定されない。なお、ネットワークを介した外部の記録媒体4に格納する場合には、関連情報作成装置2からネットワークを通じて、外部の記録媒体4に、位置情報および撮像情報を送信する。
【0059】
次に、ステップST4に移行して支援情報作成装置3は、記録媒体4を介して位置情報データベース41から位置情報を読み出すとともに、読み出した位置情報に関連付けされた撮像情報を読み出す。支援情報作成装置3の第2制御部32は、読み出した位置情報に基づいて、記録部としての第2記録部33に格納されている地図情報と重ね合わせて、位置情報の補正の要否について判定する。第2制御部32は、読み出した撮像情報を併せて参照することにより、位置情報の補正の要否を判定するようにしても良い。なお、位置情報の補正の要否は、第2表示部35に表示された地図情報および位置情報や、地図情報に重畳された位置情報と、関連付けられた撮像情報とに基づいて作業者が判定することも可能である。この場合、作業者が補正の要否の判定結果を第2受付部34から入力し、入力された情報に基づいて、第2制御部32が補正の要否を判定するようにしても良い。
【0060】
ステップST4において第2制御部32が位置情報の補正は必要であると判定した場合(ステップST4:Yes)、ステップST5に移行する。ステップST5おいて第2制御部32は、地図情報に読み出した位置情報を重畳させて、位置情報の補正を行う。第2制御部32によって補正された位置情報は、撮像情報との関連付けを維持しつつ、第2記録部33に格納されるとともに、位置情報データベース41に格納される。なお、位置情報の補正は、第2表示部35に表示された地図情報および位置情報や、地図情報に重畳された位置情報と、関連付けられた撮像情報とに基づいて作業者が行うことも可能である。この場合、作業者が位置情報の補正を行う補正情報を第2受付部34から入力し、入力された補正情報に基づいて、第2制御部32が位置情報を補正するようにしても良い。
【0061】
他方、ステップST4において第2制御部32が位置情報の補正は不要であると判定した場合(ステップST4:No)、ステップST6に移行する。ステップST6において、第2制御部32は、第2受付部34からの作業者による判断およびその入力の受け付けに基づいて、施設台帳を読み込むか否かを判定する。
【0062】
第2制御部32が作業者による入力に基づいて、ステップST3において取得したデータを施設台帳を読み込むと判定した場合(ステップST6:Yes)、ステップST7に移行する。ステップST7において第2制御部32は、記録媒体4から位置情報に関連付けされた施設台帳を読み込む。その後、ステップST8に移行する。他方、ステップST6において第2制御部32が施設台帳を読み込まないと判定した場合(ステップST6:No)、ステップST8に移行する。ステップST8において作業者は、巡視や計測を実施する。以上により、本実施形態による支援情報作成処理が終了する。
【0063】
次に、以上のようにして作成された支援情報に基づいた本実施形態による表示方法について説明する。以下に説明する表示や出力に関しては、支援情報作成装置3の例えば第2表示部35に表示されたり出力されたりするが、その他の情報処理装置に設けられた表示部に表示したり、出力部に出力したりすることも可能である。
【0064】
図5は、本発明の一実施形態による支援情報作成装置3における表示部(第2表示部35)に表示される基本的な表示画面の一例を示す図である。図5に示すように、本実施形態においては、支援情報作成装置3の第2制御部32は、記録媒体4から施設台帳を読み込む。これにより、第2制御部32は、所定の路線を走行する電車に搭載した第1撮影部25によって撮像された撮像情報と、撮像情報に関連付けされた位置情報とを読み込む。
【0065】
第2制御部32は、第2表示部35の表示画面50に、撮像情報を撮像画像51、施設台帳に含まれる台帳情報を台帳リスト52、および地図情報を地図表示53として出力する。地図情報は、第2記録部33や記録媒体4などに地図情報データベース333にとして読み出し可能にあらかじめ格納され、第2制御部32が読み出して第2表示部35に出力する。位置情報は地図情報と対応しており、撮像情報は位置情報と関連付けされているため、撮像情報は地図情報に含まれる位置情報に対応している。これにより、位置情報は地図表示53に重畳して表示可能である。さらに、第2制御部32は、あらかじめ設定された地図表示53に重畳させて、例えば複数の走行アイコン53aなどによって、走行経路を表示可能である。同様に、走行経路の周辺の施設に関して施設アイコン53bを地図情報に重畳表示させる。この場合、第2制御部32は、施設アイコン53bを、図5に示す各種施設や各種設備のアイコン、例えば信号機、遮断機、距離標、および電路柱などのアイコンを用いて表示画面50に表示させることも可能である。また、撮像情報が位置情報と関連付けされ、地図情報に含まれる位置情報に対応している。これにより、表示画面50内の撮像画像51において、取得した撮像情報を、動画として再生させたり、停止させたり、撮像画像51の一部分(例えば選択領域51a)の拡大を行ったりするなどの操作が可能である。また、作業者が第2受付部34を用いて表示画面50内の所定部分を選択した場合(第2受付部34によって操作が受け付けられた場合)、例えば地図表示53に重畳表示されたアイコンや線路などをポインタなどでクリックすると、第2制御部32は、まず地図表示53の選択された位置に基づいて位置情報を特定する。続いて、第2制御部32は、第2記録部33や記録媒体4の撮像情報データベース42から、特定した位置情報に関連付けされた撮像情報を取り出し、選択された位置の位置情報に対応する撮像情報を選択して、表示画面50に撮像画像51として出力する。すなわち、アイコンなどのある地点で撮影された箇所に動画の再生位置を移行できる。
【0066】
また、第2制御部32が、第2記録部33や記録媒体4から電路柱や信号機などの沿線設備や危険が予測される箇所などの、任意の地点の位置情報などが登録された台帳情報を読み込む。第2制御部32は、第2表示部35の表示画面50に、台帳情報の一部を台帳リスト52として出力して表示する。施設台帳には、位置情報および撮像情報が関連付けされて含まれる。そのため、施設台帳の台帳リスト52の一部が選択される(第2受付部34によって操作が受け付けられる)と、選択された部分の台帳情報に関連付けされた位置情報および撮像情報が特定可能である。第2制御部32は、選択された台帳リスト52の部分に対応する位置情報に関連付けされた撮像情報を、撮像画像51を撮像情報データベース42から読み出して、第2表示部35の表示画面50に、撮像画像51として出力できる。これにより、第2受付部34によって、所定の形式で表示した台帳リスト52において、表示された登録設備の部分を選択することによって、登録された設備が撮影された箇所に動画の再生位置を移行できる。
【0067】
図6は、本実施形態による支援情報作成装置3における第2表示部35に表示される複数の撮像画像を表示する表示画面の一例を示す図である。上述したように、撮像情報は電車の走行において、時刻情報と関連付けされている。この場合、図6に示すように、第2制御部32は、電車の走行における時刻情報に基づいて、複数の異なる撮像情報に対して位置情報が共通する一方、異なる時刻や日時において撮像された撮像情報を少なくとも2つの撮像情報を抽出できる。この場合、第2制御部32は、同じ位置情報に関連付けされた少なくとも2つの異なる撮像情報を同じ表示画面50に表示させることができる。図6に示す例では、撮像画像51と、この撮像画像51と同じ位置情報に関連付けされているとともに、関連付けされた時刻情報が異なる撮像情報に基づいた撮像画像55を、同一の表示画面50に表示されている。なお、同一の表示画面50とは、複数のモニタに分割されて表示された場合であってもそれぞれのモニタにおける表示が同期されていれば同一の表示画面50であるものとする。さらに、表示画面には、台帳リスト52および地図表示53が表示されている。
【0068】
また、撮像画像55として、撮像画像51と同じ位置情報および時刻情報に関連付けされているとともに、撮像された撮影部が第2撮像カメラ252やサイド撮像カメラ253によって撮像された撮像画像を表示させることも可能である。すなわち、撮像画像51が電車の前方を撮像した撮像情報に基づいた画像であり、撮像画像55が電車の後方を撮像した撮像情報に基づいた画像とすることが可能である。換言すると、同一の表示画面50に、位置情報および時刻情報が互いにほぼ等しい、第1撮像カメラ251によって撮像された画像と、第2撮像カメラ252によって撮像された画像とを、同一の表示画面50に表示しても良い。ここで、第1撮像カメラ251の設置位置と第2撮像カメラ252の設置位置とは、設けられている位置が最大で電車の全車両の長さ分だけずれている場合がある。サイド撮像カメラ253が設けられている場合においても、サイド撮像カメラ253の設置位置に関しても同様である。この場合、第1撮像カメラ251と、第2撮像カメラ252と、必要に応じてサイド撮像カメラ253との設置位置に基づいて、位置情報は補正してもよい。さらに、第2撮像カメラ252が撮像した撮像画像の代わりにサイド撮像カメラ253が撮像した画像を用いても良く、第1撮像カメラ251、サイド撮像カメラ253、および第2撮像カメラ252がそれぞれ撮像した3つの撮像画像を同一の表示画面50に表示しても良い。
【0069】
図7は、本実施形態による支援情報作成装置3における第2表示部35に表示される拡大画像表示の表示画面の一例を示す図である。また、図8は、本一実施形態による支援情報作成方法に用いられるデータ構成の一例を示す図である。
【0070】
図7に示すように、作業者によって第2受付部34からの操作に基づいて、第2制御部32は、所定の対象物S、具体的に例えば線路沿いに設けられた信号機などの設備を撮像した撮像画像51が選択されて、所定の入力指示によって拡大撮像画像57として表示画面50に拡大表示させることが可能である。この場合、作業者の操作によって、表示画面50に所定の対象物Sを詳細に表示させることが可能となる。これによって、作業者は現地に赴くことなく、設備の変状や劣化などの変化を点検可能となる。さらに、図8に示すように、作業者は第2受付部34によって、対象物Sの変状や劣化に関する情報を所定のラベル(管理番号)に対応させて、点検の結果を入力することが可能となる。なお、図8に示すラベルや種別やスクリーニングなどの項目はあくまでも一例であり、点検の結果を入力可能に構成された種々のリストを採用できる。これにより、作業者は線路に沿った設備などの対象物Sを拡大撮像画像57によって詳細に点検して、その結果を直接的に入力することが可能となる。
【0071】
また、第2制御部32が、同じ位置情報である一方、互いに異なる時刻情報の複数の撮像情報を相互に比較することによって、対象物Sの変状の有無を判定するように構成しても良い。この場合、対象物Sの変状の判定結果は、図8に示す例えば「スクリーニング」の項目に示すような情報として、第2記録部33および記録媒体4に格納することが可能である。
【0072】
図9は、本実施形態による支援情報作成装置3における第2表示部35に表示される対象物Sのポイント結果の表示画面の一例を示す図である。図9に示すように、第2制御部32は、第2表示部35に撮像画像61を表示させ、撮像画像61内に所定のポインタ62を表示させる。第2制御部32は、ポインタ62が示す所定の対象物S(測定物)に対して、撮像画像61内における既知の情報、具体的に例えば、2本のレールの間隔や枕木の間隔、電路柱の太さ、第1撮像カメラ251の設置高さや設置位置などの情報に基づいて、対象物Sまでの距離Lを導出可能である。
【0073】
図9に示す例において第2制御部32は、撮像画像61に基づいて任意の対象物Sまでの距離(m)、所定位置からの距離L(m)、線路のレールの中央からの距離(幅方向)、第1撮像カメラ251であるカメラからの相対高さ(m)などを導出する。また、必要に応じて、第2制御部32は、撮像画像における動画に基づいて、電車の速度などを導出することも可能である。導出した距離などの各種情報は、第2記録部33や記録媒体4に格納可能である。上述した計測や対象物Sの変状の判定については、例えばステレオカメラなどによる距離計測技術と同様の技術を活用しても良く、画像処理による計測技術を活用しても良く、画像処理に関する種々の方法を採用しても良い。
【0074】
以上説明した一実施形態によれば、外部を撮影可能な撮影部を複数備えた電車を用いて、線路周辺の路線設備を位置情報と関連付けて撮影することによって、経路設備としての線路設備に関する詳細な情報を取得し、線路設備が設置されている場所に赴くことなく、詳細に線路設備を点検することが可能となる。
【0075】
(記録媒体)
上述の一実施形態において、関連情報作成装置2および支援情報作成装置3が実行する処理方法を実行させるプログラムを、コンピュータその他の機械やウェアラブルデバイスなどの装置(以下、コンピュータなど、という)が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータなどに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、当該コンピュータなどが移動体制御装置として機能する。ここで、コンピュータなどが読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラムなどの情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータなどから読み取ることができる非一時的な記録媒体をいう。このような記録媒体のうちのコンピュータなどから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、BD、DAT、磁気テープ、フラッシュメモリなどのメモリカードなどがある。また、コンピュータなどに固定された記録媒体としてハードディスク、ROMなどがある。さらに、SSDは、コンピュータなどから取り外し可能な記録媒体としても、コンピュータなどに固定された記録媒体としても利用可能である。
【0076】
また、一実施形態による関連情報作成装置2および支援情報作成装置3に実行させるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0077】
本発明による関連情報作成装置2や支援情報作成装置3が実行する処理方法を実行させるプログラムにおいては、撮像情報および位置情報に基づいて処理可能な各種機能を付加することが可能である。
【0078】
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値や材料はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値や材料を用いてもよく、本発明は、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により限定されることはない。
【0079】
例えば、上述した一実施形態において、第1撮影部25におけるそれぞれの撮像カメラ251~253は、360°カメラや、ステレオカメラ、サーモカメラなどのカメラや、ドライブレコーダなどを採用可能である。また、位置情報は、GPS衛星との通信や電車の速度情報やその他のデバイスで取得した加速度情報などを利用して算出するようにしても良い。また、撮影装置と位置情報取得は別々のデバイスであっても良く、同じデバイスで実施しても良い。また、第1撮像カメラ251は、電車の運転席に正面を撮影する向きに搭載するのが好ましいが、点検したい設備や箇所に応じて、搭載位置や向きを変更してもよい。第2撮像カメラ252およびサイド撮像カメラ253においても、点検したい設備や箇所に応じて、搭載位置や向きを変更してもよい。
【0080】
また、支援情報作成システム1や関連情報作成装置2や支援情報作成装置3を用いて巡視点検などを行う場合、対象となる路線設備の付近では再生速度を低下させたり、逆に線路設備が存在しない範囲では再生速度を倍速に増加させたりするなどの機能を加えることも可能である。これにより、点検作業の作業効率を向上できる。また、地図表示53や台帳リスト52に表示する登録設備は、種別や巡視結果などの情報でフィルタリングすることも可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 支援情報作成システム
2 関連情報作成装置
3 支援情報作成装置
4 記録媒体
21 第1制御部
22 第1記録部
23 第1受付部
24 第1表示部
25 第1撮影部
26 第1センサ部
27 第1リーダライタ
28 バス
31 第2リーダライタ
32 第2制御部
33 第2記録部
34 第2受付部
35 第2表示部
36 バス
41,331 位置情報データベース
42,332 撮像情報データベース
50 表示画面
51,55,61 撮像画像
撮像画像
51a 選択領域
52 台帳リスト
53 地図表示
53a 走行アイコン
53b 施設アイコン
57 拡大撮像画像
62 ポインタ
251 第1撮影カメラ
252 第2撮影カメラ
253 サイド撮影カメラ
261 第1測位部
262 第1速度センサ
333 地図情報データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9