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特開2024-63994熱遮蔽体位置決め治具、熱遮蔽体位置決め方法及びシリコン単結晶の製造方法
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  • 特開-熱遮蔽体位置決め治具、熱遮蔽体位置決め方法及びシリコン単結晶の製造方法 図1
  • 特開-熱遮蔽体位置決め治具、熱遮蔽体位置決め方法及びシリコン単結晶の製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063994
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】熱遮蔽体位置決め治具、熱遮蔽体位置決め方法及びシリコン単結晶の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/06 20060101AFI20240507BHJP
   C30B 15/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
C30B29/06 502C
C30B15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172240
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】宗実 賢二
(72)【発明者】
【氏名】沖田 憲治
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077BA04
4G077CF10
4G077EG19
4G077EG20
4G077EG25
(57)【要約】
【課題】熱遮蔽体の水平方向の位置決めを容易にかつ適切に行うことができる熱遮蔽体位置決め治具を提供すること。
【解決手段】熱遮蔽体位置決め治具は、チャンバ内で引き上げ中のシリコン単結晶を囲む熱遮蔽体の位置決めを行う熱遮蔽体位置決め治具であって、前記チャンバに対して着脱自在に構成された治具本体を備え、前記治具本体には、前記チャンバに対する前記治具本体の水平方向の位置決めを行う治具用位置決め部と、前記治具本体に対する前記熱遮蔽体の水平方向の位置決めを行う熱遮蔽体用位置決め部と、が設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ内で引き上げ中のシリコン単結晶を囲む熱遮蔽体の位置決めを行う熱遮蔽体位置決め治具であって、
前記チャンバに対して着脱自在に構成された治具本体を備え、
前記治具本体には、
前記チャンバに対する前記治具本体の水平方向の位置決めを行う治具用位置決め部と、
前記治具本体に対する前記熱遮蔽体の水平方向の位置決めを行う熱遮蔽体用位置決め部と、が設けられている、熱遮蔽体位置決め治具。
【請求項2】
請求項1に記載の熱遮蔽体位置決め治具において、
前記治具本体における鉛直方向側の部位には、水平方向の大きさが互いに異なる複数種類の熱遮蔽体の水平方向の位置決めをそれぞれ行うための、複数の前記熱遮蔽体用位置決め部が設けられ、
前記治具本体は、位置決め対象の前記熱遮蔽体に対応する前記熱遮蔽体用位置決め部が前記熱遮蔽体の上側に対向する姿勢で、前記チャンバに装着される、熱遮蔽体位置決め治具。
【請求項3】
請求項2に記載の熱遮蔽体位置決め治具において、
前記治具本体における鉛直方向の一方側の部位には、少なくとも1つの前記熱遮蔽体用位置決め部が設けられ、
前記治具本体における鉛直方向の他方側の部位には、残りの前記熱遮蔽体用位置決め部が設けられている、熱遮蔽体位置決め治具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱遮蔽体位置決め治具において、
前記治具本体は、基部と、前記基部から互いに異なる方向に水平方向に延びる複数の腕部と、を備え、
前記複数の腕部には、前記治具用位置決め部及び前記熱遮蔽体用位置決め部がそれぞれ設けられている、熱遮蔽体位置決め治具。
【請求項5】
請求項4に記載の熱遮蔽体位置決め治具において、
前記基部及び前記複数の腕部のうち少なくとも1つには、前記治具本体を把持するための把持部が設けられている、熱遮蔽体位置決め治具。
【請求項6】
請求項5に記載の熱遮蔽体位置決め治具において、
前記把持部は、当該把持部が設けられた部位を貫通する貫通孔により構成されている、熱遮蔽体位置決め治具。
【請求項7】
請求項1に記載の熱遮蔽体位置決め治具を用いて、チャンバ内で引き上げ中のシリコン単結晶を囲む熱遮蔽体の位置決めを行う熱遮蔽体位置決め方法であって、
前記熱遮蔽体を前記チャンバ内に仮配置し、
前記治具用位置決め部による前記チャンバに対する前記治具本体の水平方向の位置決めと、前記熱遮蔽体用位置決め部による前記治具本体に対する前記熱遮蔽体の水平方向の位置決めと、を同時に行い、又はいずれか一方の位置決めを行った後に他方の位置決めを行い、
前記熱遮蔽体位置決め治具を前記チャンバ及び前記熱遮蔽体から離間させる、熱遮蔽体位置決め方法。
【請求項8】
請求項7に記載の熱遮蔽体位置決め方法を用いて、チャンバ内で引き上げ中のシリコン単結晶を囲む熱遮蔽体の位置決めを行い、
前記チャンバ内でシリコン単結晶を引き上げる、シリコン単結晶の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱遮蔽体位置決め治具、熱遮蔽体位置決め方法及びシリコン単結晶の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリコン単結晶を製造するシリコン単結晶製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなシリコン単結晶製造装置には、坩堝内のシリコン融液から引き上げ中のシリコン単結晶を囲む熱遮蔽体が配置されている。熱遮蔽体は、例えば、その上端部が、坩堝及び熱遮蔽体を囲む保温筒により支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-083492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリコン単結晶製造装置は、ワイヤ又はシャフトにより引き上げられるシリコン単結晶の中心軸と、チャンバの中心軸とが一致するように構成されている。そして、熱遮蔽体は、その中心軸と、シリコン単結晶の中心軸とが一致するように配置されることが好ましい。熱遮蔽体の中心軸とシリコン単結晶の中心軸とを一致させないと、シリコン単結晶と熱遮蔽体との間を流れる不活性ガスの流量の偏りによりシリコン単結晶が揺れたり、シリコン単結晶周囲の熱環境に偏りが発生したりするおそれがあるからである。
【0005】
従来、熱遮蔽体の配置位置を、作業者が目視で決定したりメジャーを用いて決定したりしていたが、これらの方法では、熱遮蔽体の位置決めを容易に行うことができず、また、作業者により配置位置のばらつきが生じるおそれがある。
【0006】
本発明は、熱遮蔽体の水平方向の位置決めを容易にかつ適切に行うことができる熱遮蔽体位置決め治具、熱遮蔽体位置決め方法及びシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の熱遮蔽体位置決め治具は、チャンバ内で引き上げ中のシリコン単結晶を囲む熱遮蔽体の位置決めを行う熱遮蔽体位置決め治具であって、前記チャンバに対して着脱自在に構成された治具本体を備え、前記治具本体には、前記チャンバに対する前記治具本体の水平方向の位置決めを行う治具用位置決め部と、前記治具本体に対する前記熱遮蔽体の水平方向の位置決めを行う熱遮蔽体用位置決め部と、が設けられている。
【0008】
本発明の熱遮蔽体位置決め治具において、前記治具本体における鉛直方向側の部位には、水平方向の大きさが互いに異なる複数種類の熱遮蔽体の水平方向の位置決めをそれぞれ行うための、複数の前記熱遮蔽体用位置決め部が設けられ、前記治具本体は、位置決め対象の前記熱遮蔽体に対応する前記熱遮蔽体用位置決め部が前記熱遮蔽体の上側に対向する姿勢で、前記チャンバに装着される、ことが好ましい。
【0009】
本発明の熱遮蔽体位置決め治具において、前記治具本体における鉛直方向の一方側の部位には、少なくとも1つの前記熱遮蔽体用位置決め部が設けられ、前記治具本体における鉛直方向の他方側の部位には、残りの前記熱遮蔽体用位置決め部が設けられている、ことが好ましい。
【0010】
本発明の熱遮蔽体位置決め治具において、前記治具本体は、基部と、前記基部から互いに異なる方向に水平方向に延びる複数の腕部と、を備え、前記複数の腕部には、前記治具用位置決め部及び前記熱遮蔽体用位置決め部がそれぞれ設けられている、ことが好ましい。
【0011】
本発明の熱遮蔽体位置決め治具において、前記基部及び前記複数の腕部のうち少なくとも1つには、前記治具本体を把持するための把持部が設けられている、ことが好ましい。
【0012】
本発明の熱遮蔽体位置決め治具において、前記把持部は、当該把持部が設けられた部位を貫通する貫通孔により構成されている、ことが好ましい。
【0013】
本発明の熱遮蔽体位置決め方法は、上述の熱遮蔽体位置決め治具を用いて、チャンバ内で引き上げ中のシリコン単結晶を囲む熱遮蔽体の位置決めを行う熱遮蔽体位置決め方法であって、前記熱遮蔽体を前記チャンバ内に仮配置し、前記治具用位置決め部による前記チャンバに対する前記治具本体の水平方向の位置決めと、前記熱遮蔽体用位置決め部による前記治具本体に対する前記熱遮蔽体の水平方向の位置決めと、を同時に行い、又はいずれか一方の位置決めを行った後に他方の位置決めを行い、前記熱遮蔽体位置決め治具を前記チャンバ及び前記熱遮蔽体から離間させる。
【0014】
本発明のシリコン単結晶の製造方法は、上述の熱遮蔽体位置決め方法を用いて、チャンバ内で引き上げ中のシリコン単結晶を囲む熱遮蔽体の位置決めを行い、前記チャンバ内でシリコン単結晶を引き上げる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態におけるシリコン単結晶製造装置の構成を示す模式図である。
図2】熱遮蔽体位置決め治具を示す平面図であり、(A)は前記一実施形態の熱遮蔽体位置決め治具を示し、(B)は変形例の熱遮蔽体位置決め治具を示す。
図3】前記一実施形態の熱遮蔽体位置決め治具を示す側面図であり、(A)は熱遮蔽体位置決め治具の全体を示し、(B)は熱遮蔽体位置決め治具の一部を示す。
図4】前記一実施形態における熱遮蔽体のチャンバに対する水平方向の位置決め状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0017】
<シリコン単結晶製造装置の構成>
まず、シリコン単結晶製造装置の構成について説明する。
図1は、シリコン単結晶製造装置の構成を示す模式図である。
【0018】
図1に示すシリコン単結晶製造装置1は、チョクラルスキー法を用いてシリコン単結晶SMを製造する。シリコン単結晶製造装置1は、直胴部の直径が、例えば200mm以上450mm以下のシリコン単結晶SMを製造する。
シリコン単結晶製造装置1は、チャンバ11と、坩堝12と、ヒータ13と、保温筒14と、熱遮蔽体15と、引き上げ部16と、坩堝駆動部17と、を備える。
【0019】
チャンバ11は、メインチャンバ111と、トップチャンバ112と、プルチャンバ113と、を備える。
【0020】
メインチャンバ111は、有底円筒状に形成されている。メインチャンバ111は、坩堝12、ヒータ13、保温筒14及び熱遮蔽体15を収容する。
【0021】
トップチャンバ112は、上端の直径が下端の直径よりも小さい略円錐台筒状に形成されている。トップチャンバ112は、その下端がメインチャンバ111の上端に気密に接続されており、メインチャンバ111の上方を覆う。
【0022】
プルチャンバ113は、円筒状に形成されている。プルチャンバ113は、その下端がトップチャンバ112の上端に気密に接続されている。プルチャンバ113は、引き上げられたシリコン単結晶SMを一時収容する。
【0023】
このように、メインチャンバ111とトップチャンバ112とプルチャンバ113とがそれぞれ気密に接続されることにより、チャンバ11内の密閉空間が形成されている。
【0024】
プルチャンバ113の上部には、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスをチャンバ11内に導入するガス導入口113Aが設けられている。メインチャンバ111の下部には、図示しない真空ポンプの駆動により、当該チャンバ11内のガスを排出するガス排出口111Aが設けられている。
【0025】
坩堝12は、メインチャンバ111内に配置され、シリコン融液にドーパントが添加されたドーパント添加融液MDを貯留する。なお、シリコン単結晶SMの抵抗率に応じて、シリコン融液にドーパントを添加しなくても良い。
【0026】
ヒータ13は、円筒状に形成されている。ヒータ13は、坩堝12の外側に所定間隔を隔てて配置され、坩堝12内のシリコン原料を融解する。
【0027】
保温筒14は、円筒状に形成されている。保温筒14は、ヒータ13の外側に所定間隔を隔てて配置されている。
【0028】
熱遮蔽体15は、上端の直径が下端の直径よりも大きい円錐台筒状の熱遮蔽体本体151と、熱遮蔽体本体151の上端全周から外方にフランジ状に突出する被支持部152と、を備える。熱遮蔽体15は、ドーパント添加融液MDから引き上げ中のシリコン単結晶SMを囲むように、被支持部152が保温筒14の上端に載置された状態で支持される。熱遮蔽体15は、ヒータ13からシリコン単結晶SMへの放射熱を遮断する。
【0029】
引き上げ部16は、一端に種結晶SCが取り付けられるケーブル161と、このケーブル161を昇降及び回転させる引き上げ駆動部162と、を備える。
【0030】
坩堝駆動部17は、坩堝12を下方から支持する支持軸171を備え、坩堝12を所定の速度で回転及び昇降させる。
【0031】
以上の構成を有するシリコン単結晶製造装置1は、ケーブル161と、当該ケーブル161により引き上げられるシリコン単結晶SMの中心軸と、チャンバ11の中心軸とが一致するように構成されている。
【0032】
<熱遮蔽体位置決め治具の構成>
次に、熱遮蔽体15のチャンバ11に対する方向の水平方向の位置決めを行う熱遮蔽体位置決め治具について説明する。
図2は熱遮蔽体位置決め治具を示す平面図であり、(A)は本実施形態の熱遮蔽体位置決め治具を示し、(B)は変形例の熱遮蔽体位置決め治具を示す。図3は、本実施形態の熱遮蔽体位置決め治具を示す側面図であり、(A)は熱遮蔽体位置決め治具の全体を示し、(B)は熱遮蔽体位置決め治具の一部を示す。
【0033】
図2(A)に示す熱遮蔽体位置決め治具2は、熱遮蔽体15のメインチャンバ111(チャンバ11)に対する方向の水平方向の位置決めを行う際に用いられる。熱遮蔽体位置決め治具2は、治具本体21を備える。
【0034】
治具本体21は、メインチャンバ111に対して着脱自在に構成されている。
治具本体21は、剛性が確保され、且つメインチャンバ111内の金属汚染が発生しない材料で構成されることが好ましい。また、治具本体21は、室温環境下で用いられるため耐熱性は必要ないが、作業者により運搬されるため軽量であることが好ましい。これらのような機能を有する材料としては、テフロン(登録商標)又は黒鉛を例示することができる。
なお、メインチャンバ111内の金属汚染を回避するためには、治具本体21の熱遮蔽体15と接触する部位における金属の使用を避ければ良い。このため、治具本体21の熱遮蔽体15と接触しない部位を金属で構成しても良い。
【0035】
治具本体21は、基部211と、4本の腕部212と、を備える。4本の腕部212は、平面視において、基部211から放射状に、同じ長さだけ延びるように配置されている。つまり、4本の腕部212は、平面視において、基部211から互いに異なる水平方向に同じ長さだけ延びるように、且つ隣り合う腕部212のなす角度が等しくなるように(90°になるように)配置されている。
なお、図2(B)に示すように、治具本体21を3本の腕部212を備えるように構成しても良い。この場合、3本の腕部212は、平面視において、基部211から互いに異なる水平方向に同じ長さだけ延びるように、且つ隣り合う腕部212のなす角度が等しくなるように(120°になるように)配置されることが好ましい。また、治具本体21を2本又は5本以上の腕部212を備えるように構成しても良い。また、隣り合う腕部212のなす角度は等しくなくても良いが、重量バランスを良くするという観点から、隣り合う腕部212のなす角度を等しくすることが好ましい。
【0036】
図3(A)に示すように、基部211は、例えば、円板状に形成されており、基部211の外周面には、4本の腕部212が固定されている。
【0037】
治具本体21には、治具用位置決め部22が設けられている。治具用位置決め部22は、メインチャンバ111に対する治具本体21の水平方向の位置決めを行う機能を有する。治具用位置決め部22は、各腕部212の延出方向の先端により構成されている。つまり、治具本体21には、4つの治具用位置決め部22が設けられている。
治具用位置決め部22を構成する各腕部212の延出方向の先端は、側面視において、略円弧形に形成されている。なお、治具用位置決め部22は、側面視において、直線状又は凸凹状に形成されても良い。図2(A)に示すように、4本の腕部212は、4つの治具用位置決め部22に外接する仮想外接円Pの直径Rが、メインチャンバ111の内径以下となるように形成されている。例えば、4本の腕部212は、仮想外接円Pの直径Rとメインチャンバ111の内径との差が、0mm以上1mm以下となるように形成されている。
熱遮蔽体位置決め治具2の外径(図2(A)に示す仮想外接円Pの直径R)は、例えば、1m以上2.5m以下の範囲の大きさにすることができる。
【0038】
詳しくは後述するが、4本の腕部212の延出方向が水平方向と平行になり、且つ各治具用位置決め部22がメインチャンバ111の内周面に当接する状態、又は対向する状態で、治具本体21がメインチャンバ111内に挿入されることにより、メインチャンバ111に対する治具本体21の水平方向の位置決めが行われる。
【0039】
図3(A),(B)に示すように、治具本体21における鉛直方向側の部位には、第1熱遮蔽体用位置決め部23と、第2熱遮蔽体用位置決め部24と、第3熱遮蔽体用位置決め部25と、が設けられている。
【0040】
第1,第2,第3熱遮蔽体用位置決め部23,24,25は、治具本体21に対する熱遮蔽体15の水平方向の位置決めを行う機能を有する。
第1熱遮蔽体用位置決め部23は、被支持部152の外径が第1長さの熱遮蔽体15(以下、「第1熱遮蔽体15」という場合がある)の位置決めを行う。
第2熱遮蔽体用位置決め部24は、被支持部152の外径が第1長さよりも短い第2長さの熱遮蔽体15(以下、「第2熱遮蔽体15」という場合がある)の位置決めを行う。
第3熱遮蔽体用位置決め部25は、被支持部152の外径が第1,第2長さよりも短い第3長さの熱遮蔽体15(以下、「第3熱遮蔽体15」という場合がある)の位置決めを行う。つまり、治具本体21には、水平方向の大きさが互いに異なる複数種類の熱遮蔽体15の水平方向の位置決めをそれぞれ行うための、複数の熱遮蔽体用位置決め部(第1,第2,第3熱遮蔽体用位置決め部23,24,25)が設けられている。
なお、以下において、第1熱遮蔽体15の被支持部152を第1被支持部152、第2熱遮蔽体15の被支持部152を第2被支持部152、第3熱遮蔽体15の被支持部152を第3被支持部152という場合がある。
【0041】
第1熱遮蔽体用位置決め部23は、各腕部212における鉛直方向の一方側の部位(図3(A),(B)における上端)に1つずつ設けられている。第2熱遮蔽体用位置決め部24及び第3熱遮蔽体用位置決め部25は、各腕部212における鉛直方向の他方側の部位(図3(A),(B)における下端)にそれぞれ1つずつ設けられている。
各第1,第2,第3熱遮蔽体用位置決め部23,24,25は、第1,第2,第3被支持部152,152,152の上端縁部に当接することにより、第1,第2,第3熱遮蔽体15,15,15の水平方向の位置決めを行う。
【0042】
各第1熱遮蔽体用位置決め部23は、第1水平面231と、第1鉛直面232と、をそれぞれ備える。各第1熱遮蔽体用位置決め部23は、さらに第1傾斜面233を備えることが好ましい。
第1水平面231は、面方向が水平方向に平行になるように形成され、第1被支持部152の上面に当接可能に構成されている。
第1鉛直面232は、第1水平面231における腕部212の先端側の端部から鉛直方向に延びるように形成され、第1被支持部152の側面に当接可能又は対向可能に構成されている。第1鉛直面232は、第1被支持部152の側面に対応する円弧面状に形成されても良いし、平面状に形成されても良い。各第1鉛直面232は、各第1鉛直面232に内接する第1仮想内接円の直径R1が、第1被支持部152の外径以上となるように形成されている。例えば、各第1鉛直面232は、第1仮想内接円の直径R1と第1被支持部152の外径との差が、0mm以上1mm以下となるように形成されている。
第1傾斜面233は、第1鉛直面232における第1水平面231と反対側の端部から鉛直方向に対して傾斜するように形成されている。第1傾斜面233は、第1鉛直面232から離れるにしたがって、基部211から離れるように傾斜している。
【0043】
各第2熱遮蔽体用位置決め部24は、第2水平面241と、第2鉛直面242と、をそれぞれ備える。各第3熱遮蔽体用位置決め部25は、第3水平面251と、第3鉛直面252と、をそれぞれ備える。各第2熱遮蔽体用位置決め部24は、さらに第2傾斜面243を備えることが好ましい。各第3熱遮蔽体用位置決め部25は、さらに第3傾斜面253を備えることが好ましい。
第2,第3水平面241,251は、面方向が水平方向に平行になるように形成され、第2,第3被支持部152,152の上面に当接可能に構成されている。
第2,第3鉛直面242,252は、第2,第3水平面241,251における腕部212の先端側の端部から鉛直方向に延びるように形成され、第2,第3被支持部152,152の側面に当接可能又は対向可能に構成されている。第2,第3鉛直面242,252は、第2,第3被支持部152,152の側面に対応する円弧面状に形成されても良いし、平面状に形成されても良い。各第2,第3鉛直面242,252は、各第2,第3鉛直面242,252に内接する第2,第3仮想内接円の直径R2,R3が、第2,第3被支持部152,152の外径以上となるように形成されている。例えば、各第2,第3鉛直面242,252は、第2,第3仮想内接円の直径R2,R3と第2,第3被支持部152,152の外径との差が、0mm以上1mm以下となるように形成されている。
第2,第3傾斜面243,253は、第2,第3鉛直面242,252における第2,第3水平面241,251と反対側延出方向の端部から鉛直方向に対して傾斜するように形成されている。第2,第3傾斜面243,253は、第2,第3鉛直面242,252から離れるにしたがって、基部211から離れるように傾斜している。
【0044】
各第1,第2,第3熱遮蔽体用位置決め部23,24,25は、熱遮蔽体位置決め治具2の中心から等距離(仮想外接円Pと同心円上)の位置に設けられても良い。このような構成により、確実に熱遮蔽体15の中心軸をチャンバ11の中心軸に一致させて熱遮蔽体15を設置することができる。
【0045】
詳しくは後述するが、例えば、第1熱遮蔽体用位置決め部23が下側に位置する姿勢で治具本体21がメインチャンバ111内に挿入され、保温筒14に載置された第1被支持部152の上面に第1水平面231が当接し、且つ第1被支持部152の側面に第1鉛直面232が当接又は対向することにより、メインチャンバ111に対する第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めが行われる。
【0046】
また、基部211における上面及び下面には、取っ手213がそれぞれ固定されている。取っ手213は、作業者が治具本体21を把持して運搬する際に利用される。つまり、取っ手213は、本発明の把持部として機能する。
【0047】
また、各腕部212における延出方向の先端側には、各腕部212を水平方向に貫通する貫通孔212Aが形成されている。貫通孔212Aは、作業者が手を入れることができる大きさに形成されており、作業者が治具本体21を把持して運搬する際に利用される。貫通孔212Aは、本発明の把持部として機能する。また、貫通孔212Aは、治具本体21の軽量化に寄与する。
【0048】
<熱遮蔽体位置決め方法>
次に、熱遮蔽体位置決め治具2を用いて熱遮蔽体15のチャンバ11に対する水平方向の位置決めを行う熱遮蔽体位置決め方法について説明する。
なお、熱遮蔽体位置決め治具2の第1熱遮蔽体用位置決め部23により第1熱遮蔽体15の位置決めを行う方法について説明するが、第2熱遮蔽体用位置決め部24により第2熱遮蔽体15の位置決めを行う方法、又は第3熱遮蔽体用位置決め部25により第3熱遮蔽体15の位置決めを行う方法も、以下の説明と同様に行われる。また、以下の説明における作業者が行う作業は、少なくとも一人の作業者が行っても良いし、装置が行っても良い。
図4は、熱遮蔽体のチャンバに対する水平方向の位置決め状態を示す模式図である。
【0049】
まず、作業者は、図4に示すように、第1熱遮蔽体15の第1被支持部152を保温筒14の上端に仮置きする。
次に、作業者は、第1熱遮蔽体用位置決め部23が設けられた側と反対側に位置する取っ手213を掴み、又は貫通孔212A内に手を入れて、第1熱遮蔽体用位置決め部23が下側に位置する姿勢で、つまり第1熱遮蔽体用位置決め部23が位置決め対象の第1熱遮蔽体15の上側に対向する姿勢で、熱遮蔽体位置決め治具2をメインチャンバ111内に挿入する。
【0050】
熱遮蔽体位置決め治具2がメインチャンバ111内に挿入されると、腕部212の先端に位置する治具用位置決め部22がメインチャンバ111の内周面に当接することにより、治具用位置決め部22によるメインチャンバ111に対する熱遮蔽体位置決め治具2の水平方向の位置決めが行われる。
【0051】
さらに、熱遮蔽体位置決め治具2がメインチャンバ111内に挿入されると、少なくとも1つの第1熱遮蔽体用位置決め部23の第1傾斜面233が第1被支持部152の上端角部に当接する。その後、熱遮蔽体位置決め治具2の挿入に伴い、第1傾斜面233と第1被支持部152の上端角部との当接位置が徐々に第1鉛直面232側に移動することにより、第1熱遮蔽体15が水平方向に移動する。そして、第1鉛直面232と第1被支持部152の側面とが当接するまで熱遮蔽体位置決め治具2が挿入されることにより、第1熱遮蔽体用位置決め部23によるメインチャンバ111に対する第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めが行われる。その後、熱遮蔽体位置決め治具2は、第1水平面231が第1被支持部152の上面に当接するまで挿入される。
【0052】
この後、作業者は、上側に位置する取っ手213を掴み、又は貫通孔212A内に手を入れて、第1熱遮蔽体15をずらさないようにしながら熱遮蔽体位置決め治具2をメインチャンバ111内から取り出す。つまり、作業者は、熱遮蔽体位置決め治具2をメインチャンバ111及び第1熱遮蔽体15から離間させる。
以上の作業により、第1熱遮蔽体15の中心軸と、メインチャンバ111の中心軸とが一致するように、つまり第1熱遮蔽体15の中心軸と、シリコン単結晶SMの中心軸とが一致するように、第1熱遮蔽体15の水平方向の位置が調整される。
【0053】
なお、仮置きされた第1熱遮蔽体15の中心軸がメインチャンバ111の中心軸上に位置している場合、第1傾斜面233と第1被支持部152の上端角部とが当接せずに、熱遮蔽体位置決め治具2の挿入に伴い第1熱遮蔽体15が水平方向に移動しない。
【0054】
また、4つの治具用位置決め部22に外接する仮想外接円Pの直径Rとメインチャンバ111の内径との差が0mmでない場合、少なくとも1つの治具用位置決め部22がメインチャンバ111に当接しない状態で、熱遮蔽体位置決め治具2がメインチャンバ111内に挿入される。また、4つの第1鉛直面232に内接する第1仮想内接円の直径R1と第1被支持部152の外径との差が0mmでない場合、少なくとも1つの第1鉛直面232が第1被支持部152に当接しない状態で、熱遮蔽体位置決め治具2がメインチャンバ111内に挿入される。
【0055】
少なくとも1つの治具用位置決め部22がメインチャンバ111に当接しない状態と、少なくとも1つの第1鉛直面232が第1被支持部152に当接しない状態と、のうち少なくとも一方の状態で、第1熱遮蔽体15が位置決めされた場合、仮想外接円Pの直径Rとメインチャンバ111の内径との差、及び第1仮想内接円の直径R1と第1被支持部152の外径との差が、ともに1mm以下であるため、第1熱遮蔽体15の中心軸のメインチャンバ111の中心軸からのずれ量は、最大で2mmとなる。
【0056】
第1熱遮蔽体15の中心軸のメインチャンバ111の中心軸からのずれ量が2mm以下であれば、シリコン単結晶SMと第1熱遮蔽体15との間を流れる不活性ガスの流量の偏りによりシリコン単結晶SMが揺れたり、シリコン単結晶SM周囲の熱環境が偏ったりすることを抑制できる。
したがって、熱遮蔽体位置決め治具2は、仮想外接円Pの直径Rとメインチャンバ111の内径との差、及び第1仮想内接円の直径R1と第1被支持部152の外径との差のうち、少なくとも一方の差が0mmでなくても、当該少なくとも一方の差が所定値(本実施形態では1mm)以下であれば、第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めを適切に行うことができる。
【0057】
<シリコン単結晶の製造方法>
次に、上述の熱遮蔽体位置決め方法を含むシリコン単結晶の製造方法について説明する。
まず、作業者は、上述の熱遮蔽体位置決め方法により、メインチャンバ111内に仮置きされた第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めを行う。
作業者によりメインチャンバ111内から熱遮蔽体位置決め治具2が取り出された後、シリコン単結晶製造装置1は、周知の方法により、チャンバ11内でシリコン単結晶SMを引き上げる。この引き上げの際、第1熱遮蔽体15の中心軸と、シリコン単結晶SMの中心軸とが一致しているため、シリコン単結晶SMが揺れたり、シリコン単結晶SM周囲の熱環境が偏ったりすることを抑制した状態で、シリコン単結晶SMを引き上げることができる。
【0058】
[実施形態の効果]
熱遮蔽体位置決め治具2は、メインチャンバ111に対して着脱自在に構成された治具本体21を備える。治具本体21には、メインチャンバ111に対する治具本体21の水平方向の位置決めを行う治具用位置決め部22と、治具本体21に対する第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めを行う第1熱遮蔽体用位置決め部23と、が設けられている。
このため、第1熱遮蔽体15をメインチャンバ111内に仮配置し、治具用位置決め部22によるメインチャンバ111に対する治具本体21の水平方向の位置決めと、第1熱遮蔽体用位置決め部23による治具本体21に対する第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めと、を行った後、熱遮蔽体位置決め治具2をメインチャンバ111及び第1熱遮蔽体15から離間させるだけで、メインチャンバ111に対する第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めを再現性良く行うことができる。
したがって、第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めを容易にかつ適切に行うことができる熱遮蔽体位置決め治具2を提供することができる。
また、メインチャンバ111が小さければ、作業者が目視で第1熱遮蔽体15の適切な位置を判定できるが、直胴部の直径が300mm以上のシリコン単結晶SMを製造するためのシリコン単結晶製造装置1では、メインチャンバ111が大きいため、作業者が目視で第1熱遮蔽体15の適切な位置を判定することが困難になる。このような大きいメインチャンバ111に対する第1熱遮蔽体15の位置決めをする際に、熱遮蔽体位置決め治具2は有用である。
【0059】
治具本体21における鉛直方向側の部位には、水平方向の大きさが互いに異なる第1,第2,第3熱遮蔽体15,15,15の水平方向の位置決めをそれぞれ行うための、第1,第2,第3熱遮蔽体用位置決め部23,24,25が設けられている。治具本体21は、例えば位置決め対象の第1熱遮蔽体15に対応する第1熱遮蔽体用位置決め部23が第1熱遮蔽体15の上側に対向する姿勢で、メインチャンバ111に装着される。
このため、1つの熱遮蔽体位置決め治具2を準備するだけで、水平方向の大きさが互いに異なる第1,第2,第3熱遮蔽体15,15,15の位置決めを行うことができる。
【0060】
治具本体21における鉛直方向の一方側の部位には第1熱遮蔽体用位置決め部23が設けられ、他方側の部位には第2,第3熱遮蔽体用位置決め部24,25が設けられている。
このため、第1熱遮蔽体15の位置決めを行う際には、第1熱遮蔽体用位置決め部23が第1熱遮蔽体15の上側に対向する姿勢で熱遮蔽体位置決め治具2をメインチャンバ111に装着し、第2,第3熱遮蔽体15の位置決めを行う際には、第2,第3熱遮蔽体用位置決め部24,25が第2,第3熱遮蔽体15,15の上側に対向する姿勢で熱遮蔽体位置決め治具2をメインチャンバ111に装着することにより、第1,第2,第3熱遮蔽体15,15,15の水平方向の位置決めを行うことができる。
【0061】
治具本体21は、基部211と、基部211から互いに異なる方向に水平方向に延びる複数の腕部212と、を備える。各腕部212には、治具用位置決め部22及び第1,第2,第3熱遮蔽体用位置決め部23,24,25がそれぞれ設けられている。
このように、治具本体21を基部211と腕部212とにより構成することにより、熱遮蔽体位置決め治具2の軽量化を図ることができる。
【0062】
基部211には、把持部として機能する取っ手213が設けられている。また、腕部212には、把持部として機能する貫通孔212Aが設けられている。
このため、作業者は、取っ手213又は貫通孔212Aを用いて、容易に熱遮蔽体位置決め治具2を移動させることができる。
【0063】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の種々の改良並びに設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0064】
例えば、熱遮蔽体位置決め治具2に、第1,第2,第3熱遮蔽体用位置決め部23,24,25のうち1つ又は2つを設けなくても良い。また、熱遮蔽体位置決め治具2に、水平方向の大きさが互いに異なる4種類以上の熱遮蔽体15の水平方向の位置決めを行うための4つ以上の熱遮蔽体位置決め部を設けても良く、この場合、4つ以上の熱遮蔽体位置決め部を各腕部212における熱遮蔽体位置決め治具2の中心から等距離(仮想外接円Pと同心円上)の位置に設けることが好ましい。
【0065】
治具本体21における例えば鉛直方向の一方側の部位(図3(A),(B)における上端)に、第1,第2,第3熱遮蔽体用位置決め部23,24,25を設けても良い。
【0066】
治具本体21を、外径がメインチャンバ111の内径以下の円板状の部材により構成しても良いし、外接円の直径がメインチャンバ111の内径以下の多角形板状の部材により構成しても良い。この場合、円板状の部材の側面、又は多角形板状の部材の平面視における角部を、治具用位置決め部として機能させ、円板状の部材、又は多角形板状の部材の主面に、熱遮蔽体用位置決め部を設ければ良い。
【0067】
治具本体21に、把持部として機能する取っ手213及び貫通孔212Aのうち少なくとも一方を設けなくても良い。また、基部211に把持部として機能する貫通孔を設けても良いし、腕部212に取っ手213を設けても良い。
【0068】
基部211及び4本の腕部212のうち少なくとも1つに、水準器を配置しても良い。このような構成にすれば、熱遮蔽体15が水平に配置されているか否かを判定することができる。
【0069】
治具用位置決め部22として、メインチャンバ111の内周面に当接する構成を例示したが、メインチャンバ111の内周面及び外周面のうち少なくとも外周面に当接する構成としても良い。
【0070】
例えば第1熱遮蔽体用位置決め部23として、第1熱遮蔽体15を構成する熱遮蔽体本体151の上側又は下側の開口縁、或いは熱遮蔽体本体151の内周面との当接により、メインチャンバ111に対する第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めを行う構成を適用しても良い。
【0071】
1つの熱遮蔽体位置決め治具2で内径が互いに異なるメインチャンバ111に対する熱遮蔽体15の水平方向の位置決めができるように、腕部212の水平方向の長さを変更できるようにしても良い。例えば回動軸を介して2つの分割腕部を接続することにより1本の腕部212を構成し、外側に位置する分割腕部を回動させることにより腕部212の長さを変更しても良い。また、回動軸の代わりに、例えばラックピニオン機構を介して2つの分割腕部を接続し、外側に位置する分割腕部をスライドさせることにより腕部212の長さを変更しても良い。
【0072】
例えば、治具用位置決め部22によるメインチャンバ111に対する治具本体21の水平方向の位置決めと、第1熱遮蔽体用位置決め部23による治具本体21に対する第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めと、を同時に行えるように、熱遮蔽体位置決め治具2を構成しても良い。また、例えば、第1熱遮蔽体用位置決め部23による治具本体21に対する第1熱遮蔽体15の水平方向の位置決めを行ってから、治具用位置決め部22によるメインチャンバ111に対する治具本体21の水平方向の位置決めを行えるように、熱遮蔽体位置決め治具2を構成しても良い。
【符号の説明】
【0073】
11…チャンバ、15…熱遮蔽体、2…熱遮蔽体位置決め治具、21…治具本体、211…基部、212…腕部、212A…貫通孔(把持部)、213…取っ手(把持部)、22…治具用位置決め部、23…第1熱遮蔽体用位置決め部、24…第2熱遮蔽体用位置決め部、25…第3熱遮蔽体用位置決め部、SM…シリコン単結晶。
図1
図2
図3
図4