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  • 特開-復水器抽出ガスの処理方法及び装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064161
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】復水器抽出ガスの処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   F01K 9/00 20060101AFI20240507BHJP
   F22D 11/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
F01K9/00 B
F22D11/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172542
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】内田 和義
(72)【発明者】
【氏名】奥村 正剛
(57)【要約】
【課題】復水器からの不凝縮ガスからアンモニアを効率よく回収することができる復水器抽出ガスの処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】復水器5から抽出される不凝縮ガスを第1熱交換器10で冷却して凝縮水と気体とに分離する。分離した気体をラインミキサ32及びスクラバー40にて水と接触させ、水可溶性成分を水に溶解させる。第1熱交換器10からの凝縮水と、スクラバー40からの流出水とを復水に合流させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
復水器から抽出される不凝縮ガスを第1熱交換器で冷却して凝縮水と気体とに分離する第1の工程と、
分離した気体をガス吸収装置にて復水又は純水よりなるガス吸収用水と接触させ、該気体中の水可溶性成分を水に溶解させる第2の工程と、
第2の工程からの水可溶性成分溶解水をボイラ用復水に合流させる第3の工程と
を有する復水器抽出ガスの処理方法。
【請求項2】
前記第2の工程からの水可溶性成分溶解水をOH型イオン交換装置に通水する工程をさらに有する請求項1の復水器抽出ガスの処理方法。
【請求項3】
前記第2の工程からの水可溶性成分溶解水を第2熱交換器にて降温させた後、前記OH型イオン交換装置に通水する請求項2の復水器抽出ガスの処理方法。
【請求項4】
前記第2熱交換器は、前記ガス吸収装置に供給されるガス吸収用水によって前記水可溶性成分溶解水を降温させる請求項3の復水器抽出ガスの処理方法。
【請求項5】
前記ガス吸収装置は、ラインミキサ及びスクラバーの少なくとも一方である請求項1~4のいずれかの復水器抽出ガスの処理方法。
【請求項6】
前記第1熱交換器からの凝縮水をOH型イオン交換装置に通水した後、前記ボイラ用復水に合流させる請求項1の復水器抽出ガスの処理方法。
【請求項7】
復水器から抽出される不凝縮ガスを第1熱交換器で冷却して凝縮水と気体とに分離する気液分離工程と、
この凝縮水をOH型イオン交換装置に通水処理するイオン交換処理工程と、
該イオン交換装置で処理された水をボイラ用復水に合流させる工程と
を有する復水器抽出ガスの処理方法。
【請求項8】
復水器から抽出される不凝縮ガスを冷却して凝縮水と気体とに分離する第1熱交換器と、
該第1熱交換器で分離した気体を復水又は純水よりなるガス吸収用水と接触させ、該気体中の水可溶性成分を水に溶解させるガス吸収装置と、
該ガス吸収装置からの水可溶性成分溶解水をボイラ用復水に合流させる手段と
を有する復水器抽出ガスの処理装置。
【請求項9】
復水器から抽出される不凝縮ガスを冷却して凝縮水と気体とに分離する第1熱交換器と、
該第1熱交換器からの凝縮水が通水されるOH型イオン交換装置と、
該イオン交換装置で処理された水をボイラ用復水に合流させる手段と
を有する復水器抽出ガスの処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力、原子力等の発電プラントの復水器の抽出ガスを処理する方法及び装置に関する。本発明の一態様は、この抽出ガスからアンモニアを回収する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電プラント、原子力発電プラント等の汽力発電所では、蒸気式タービン排気蒸気は復水器で冷却されて凝縮し復水となる。この復水器内に不凝縮ガスが残って蓄積すると、真空度低下や伝熱性能劣化の原因となるので、蒸気式エゼクタあるいは真空ポンプを用いた空気抽出器により、不凝縮ガスを復水器から連続的に抽出する(特許文献1)。
【0003】
発電用ボイラでは、給水及び復水のpHを高くするためにアンモニアが添加される(特許文献2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-148311号公報
【特許文献2】特開2002-349804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[課題1]
アンモニアは揮発性が非常に高く、ボイラブローや脱気器ベント蒸気の他、空気抽出器からの排気を通じて系統外に排出されてしまうために、排出アンモニア量と同量のアンモニアを給水等の水蒸気サイクルに補給する必要がある。
【0006】
補給するアンモニアが多い場合は、貯蔵するアンモニア量も多くなる。1%を超えるアンモニア濃度の薬液は取り扱いに留意する必要があり、届け出や防液堤が必要になる。アンモニアの希薄溶液を調製した場合は、貯留タンクが大きくなって初期費用が高くなるなどのデメリットがある。
【0007】
本発明の一態様は、空気抽出器からのアンモニアを含む排気からアンモニアを効率よく回収することができる復水器抽出ガスの処理方法及び装置を提供することを課題とする。
【0008】
[課題2]
ボイラからの蒸気中には、補給水から持ち込まれた有機物が熱分解して生成した低分子量の揮発性有機化合物(VOC:Volataile Organic Carbon。低分子有機酸を含む。)ガスや二酸化炭素が存在している。そのため、空気抽出器で凝縮水にアンモニアを溶解させた場合、それらも同時に回収してしまい、水蒸気サイクル中からVOCや二酸化炭素から排出されにくくなる。この結果、給水、蒸気、復水の酸電気伝導率が上昇することがある。酸電気伝導率が上昇すると、電気伝導率に基づいてボイラ水系内への不純物混入などを監視することが難くなる。
【0009】
本発明の別の一態様は、空気抽出器からの排気や排気の凝縮水から二酸化炭素や有機酸を除去することができる復水器抽出ガスの処理方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の要旨は、次の通りである。
【0011】
[1] 復水器から抽出される不凝縮ガスを第1熱交換器で冷却して凝縮水と気体とに分離する第1の工程と、
分離した気体をガス吸収装置にて復水又は純水よりなるガス吸収用水と接触させ、該気体中の水可溶性成分を水に溶解させる第2の工程と、
第2の工程からの水可溶性成分溶解水をボイラ用復水に合流させる第3の工程と
を有する復水器抽出ガスの処理方法。
【0012】
[2] 前記第2の工程からの水可溶性成分溶解水をOH型イオン交換装置に通水する工程をさらに有する[1]の復水器抽出ガスの処理方法。
【0013】
[3] 前記第2の工程からの水可溶性成分溶解水を第2熱交換器にて降温させた後、前記OH型イオン交換装置に通水する[2]の復水器抽出ガスの処理方法。
【0014】
[4] 前記第2熱交換器は、前記ガス吸収装置に供給されるガス吸収用水によって前記水可溶性成分溶解水を降温させる[3]の復水器抽出ガスの処理方法。
【0015】
[5] 前記ガス吸収装置は、ラインミキサ及びスクラバーの少なくとも一方である[1]~[4]のいずれかの復水器抽出ガスの処理方法。
【0016】
[6] 前記第1熱交換器からの凝縮水をOH型イオン交換装置に通水した後、前記ボイラ用復水に合流させる[1]の復水器抽出ガスの処理方法。
【0017】
[7] 復水器から抽出される不凝縮ガスを第1熱交換器で冷却して凝縮水と気体とに分離する気液分離工程と、
この凝縮水をOH型イオン交換装置に通水処理するイオン交換処理工程と、
該イオン交換装置で処理された水をボイラ用復水に合流させる工程と
を有する復水器抽出ガスの処理方法。
【0018】
[8] 復水器から抽出される不凝縮ガスを冷却して凝縮水と気体とに分離する第1熱交換器と、
該第1熱交換器で分離した気体を復水又は純水よりなるガス吸収用水と接触させ、該気体中の水可溶性成分を水に溶解させるガス吸収装置と、
該ガス吸収装置からの水可溶性成分溶解水をボイラ用復水に合流させる手段と
を有する復水器抽出ガスの処理装置。
【0019】
[9] 復水器から抽出される不凝縮ガスを冷却して凝縮水と気体とに分離する第1熱交換器と、
該第1熱交換器からの凝縮水が通水されるOH型イオン交換装置と、
該イオン交換装置で処理された水をボイラ用復水に合流させる手段と
を有する復水器抽出ガスの処理装置。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によると、復水器からの不凝縮ガスからアンモニアを効率よく回収することができる。
【0021】
本発明の別の一態様によると、復水器からの不凝縮ガスやその凝縮水から二酸化炭素や有機酸を効率よく除去することができる。不凝縮ガスから有機酸や炭酸を効率よく除去することにより、ボイラ水や復水器の酸電気伝導率を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1の実施の形態を示すボイラ水系の系統図である。
図2】第2の実施の形態を示すボイラ水系の系統図である。
図3】第3の実施の形態を示すボイラ水系の系統図である。
図4】第4の実施の形態を示すボイラ水系の系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図1~4を参照して実施の形態について説明する。
【0024】
図1は第1態様の実施の形態に係る復水器抽出ガスの処理方法及び装置を説明するボイラ水系の系統図である。
【0025】
ボイラ1で発生した水蒸気は、配管よりなるライン2を介して蒸気タービン3に送られ、発電機4によって発電が行われる。
【0026】
タービン排気は復水器5によって凝縮して復水となる。復水器5には多数の冷却管6が設けられている。冷却管6に河川水や海水などよりなる冷却水が通水される。
【0027】
復水は、復水器5から復水ポンプ7、ライン8を介して第1熱交換器10に導入される。この熱交換器10は、後述の抽出ガスを冷却するためのものであり、ライン8からの復水は入口ヘッダー11から冷却管12を通って出口ヘッダー13に流れ、ライン14へ流出する。
【0028】
復水は、ライン14からライン15を経て脱気器16を通り、ライン17、給水ポンプ18及びライン19を経てボイラ1に送水される。
【0029】
図示は省略するが、ライン15に給水タンクが設けられる場合もあり、この給水タンクに補給水が供給される場合もある。また、給水pHが所定範囲となるように該給水タンク、もしくはそれ以降のライン15にアンモニア水溶液が添加装置(図示略)によって添加される。
【0030】
復水器5の上部から、不凝縮ガスがライン21及びエゼクタ22によって抽出される。エゼクタ22へは作動流体として水蒸気がライン23によって供給される。エゼクタ22からの不凝縮ガス及び水蒸気の混合ガスがライン24を介して熱交換器10の被冷却流体室25に導入され、冷却管12によって冷却されて凝縮水となる。この凝縮水はライン26を介してライン15に送水される。
【0031】
この凝縮水には不凝縮ガス中のアンモニアの相当量が溶解している。
【0032】
熱交換器10の被冷却流体室25内において凝縮水に溶解しなかった不凝縮ガスは、抽出用ライン31を介してラインミキサ32に導入される。ラインミキサ32には、後述のスクラバー40の底部から水がポンプ33及びライン34を介して導入される。ラインミキサ32内で水とガスとが混合され、被冷却流体室25で溶解しきらなかったアンモニアを含む可溶性ガス成分の多くが水に溶解する。ラインミキサ32から流出する気液混合流体は、ライン35を介してスクラバー40の下部に導入される。
【0033】
スクラバー40は、塔形状のケーシング41と、該ケーシング41内の中段付近において水平にケーシング41内を横断するように設けられた充填材層42と、該充填材層42の上側に設けられたミスト除去層43と、充填材層42とミスト除去層43との間に配置された散水器44と、ケーシング41の底部から水をポンプ45を介して該散水器44に送水するためのライン46と、ケーシング41の頂部に接続された排気ライン47と、復水又は純水をケーシング41の頂部に供給するライン48と、ケーシング41の下部から水を流出させる流出口49等を備えている。
【0034】
前記ライン35からの気液混合流体が充填材層42の下側に導入される。導入された流体のうち、ガス成分はケーシング41内を上昇する。ライン48から供給された水及び散水器44から散水された水が充填材層42を通ってケーシング41の下部に落下し、この間にケーシング41内を上昇するガスと接触し、ガス中のアンモニア等の可溶性成分が水中に溶け込み、ケーシング41の底部に溜まる。可溶性成分が除去されたガスが排気ライン47を通って排出される。有機酸や炭酸ガスの一部は、水に溶解せず、該ガスと共に排出される。
【0035】
ケーシング41内の底部に溜まった水の一部は、ポンプ33及び前記ライン34を通ってラインミキサ32に送水される。また、ケーシング41内に溜まった水の一部はポンプ45及びライン46を通って散水器44に送水され、散水される。
【0036】
可溶性成分が溶解したケーシング41内の底部の水の一部は、流出口49からライン51と、該ライン51が連なる前記ライン15を介して脱気器16に送水される。なお、この実施の形態では、ライン51と前記ライン26とが合流してライン15に連なっているが、ライン26、51が個々にライン15に連なってもよい。
【0037】
このように、この実施の形態では、第1熱交換器10からの不凝縮ガスをラインミキサ32及びスクラバー40に通し、可溶性成分を水に溶解させるので、不凝縮ガス中のアンモニアの大部分が効率よく水に溶け込み、回収される。また、スクラバー40からの排気のアンモニア濃度が十分に低いものとなる。また、不凝縮ガスから有機酸や炭酸を除去することにより、ボイラ給水や復水の酸電気伝導率を低下させることができる。
【0038】
なお、復水器5からの排気量に応じてラインミキサ32への通水量やスクラバー40の散水量を制御してもよい。
【0039】
図1では、ラインミキサ32及びスクラバー40を直列に設置し、不凝縮ガス中の可溶性成分をラインミキサ32及びスクラバー40によって水に溶解させるようにしているが、ラインミキサ32のみを設置してもよく、スクラバー40のみを設置してもよい。
【0040】
ラインミキサ32のみを設置する場合には、後述の図2のように、ライン35からの気液混合流体を気液分離器60に導入し、気液分離する。
【0041】
スクラバー40のみを設置する場合には、図示はしないが、ライン31からのガスをスクラバー40に導入する。
【0042】
図2は、スクラバー40を省略し、ラインミキサ32のみにて可溶性成分の水への溶解を行わせるようにした一例を示している。ラインミキサ32から流出する気液混合流体は、ライン35を通って気液分離器60に導入され、気液分離処理が行われる。分離したガス成分はライン61を介して排出される。気液分離器60内の水の一部は、ポンプ33及びライン34を介してラインミキサ32に送水される。
【0043】
気液分離器60内の可溶性成分溶解水の一部は、ライン62から第2熱交換器63を通って冷却された後、ライン64を介してOH型のイオン交換装置65に送水され、有機酸や炭酸成分とOHイオンとの交換処理を行い、高pHのアンモニア含有水となった後、ライン66,15を介して脱気器16に送水される。
【0044】
熱交換器63の低温側流体として復水又は純水を流通させ、気液分離器60からの可溶性成分溶解水を降温させる。熱交換器63から流出した復水又は純水は、ライン67を介してラインミキサ32の流入側(又はライン34)へ送水される。熱交換器63で可溶性成分溶解水を降温させるのは、イオン交換装置65のイオン交換樹脂を保護する(イオン交換樹脂の耐久温度以下とする)ためである。
【0045】
図2のその他の構成は図1と同様であり、同一部号は同一部分を示している。
【0046】
図3は、図1の実施の形態において、ライン51の途中部分(ライン26との合流部よりも下流側かつライン14との合流部よりも上流側)51AにOH型イオン交換装置65を設置したものである。スクラバー40からライン51に流出した可溶性成分溶解水がOH型イオン交換装置65を通ることにより、有機酸や炭酸が除去され、高pHのアンモニア溶解液となった後、ライン15に流れる。
【0047】
図3のその他の構成は図1と同様であり、同一部号は同一部分を示している。
【0048】
図4はさらに別の態様の実施の形態に係る復水器抽出ガスの処理方法を示すものである。
【0049】
この実施の形態では、第1熱交換器10の被冷却流体室25で凝縮した凝縮水は、ライン26を通ってOH型イオン交換装置65に通水され、有機酸や炭酸が除去され、高pHのアンモニア溶解液となり、ライン15を介して脱気器16へ送水される。
【0050】
なお、この実施の形態では、ラインミキサ32及びスクラバー40は設置されておらず、熱交換器10内の不凝縮ガスは、ライン71及びエゼクタ72によって吸引され、大気に放散される。エゼクタ72へは作動流体として水蒸気がライン73によって供給される。
【0051】
図4のその他の構成は図1と同様であり、同一部号は同一部分を示している。
【0052】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態とされてもよい。例えば、ベッセル(図示略)内に貯めた補給純水、給水、復水のいずれかに、ライン31からのガスを散気して可溶性成分を水に溶解させてもよい。
【0053】
本発明では、複数のOH型イオン交換装置を並列させて、給水、主蒸気、復水のいずれかの酸電気伝導率が上昇傾向となった場合に、切り替えて運用し、使用済みのイオン交換装置を交換するようにしてもよい。
【0054】
OH型イオン交換装置は、再生済みのイオン交換樹脂を充填したカートリッジ式であってもよい。非再生のカートリッジ式とすることで、再生剤(NaOH)が、万が一にもボイラにもちこまれる危険性がない。
【0055】
本発明では、イオン交換装置への通水温度がイオン交換樹脂の耐久温度を超えた場合は、バイパスラインに切り替えて、一時的に未処理で回収するようにしてもよい。また、イオン交換装置に通水させるために通水圧力が不足する場合には、加圧ポンプを併用するようにしてもよい。
【0056】
大規模な発電設備で蒸気エゼクタを使用する場合などには、空気抽出器冷却用の第1熱交換器10を複数(2段以上)設置してもよい。
【0057】
なお、一般に、復水ポンプ7からの復水中には炭酸ガスなどは殆ど含まれていないが、有機酸などが含まれる場合がある。このような場合には、イオン交換装置65をライン15に設置し、復水もイオン交換処理してもよい。
【0058】
本発明では、イオン交換装置を、合流前の各ラインに個別に設置してもよい。本発明では、エゼクタの代りに真空ポンプを用いてもよい。本発明では、水可溶性成分溶解水をボイラ用復水に合流させる第3の工程において、水可溶性成分溶解水を、復水器5に戻すこと、または、復水器5の出口と復水ポンプ7との間のラインの水に合流させることで、復水に合流させてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 ボイラ
3 蒸気タービン
4 発電機
5 復水器
10 第1熱交換器
12 冷却管
22 エゼクタ
25 被冷却流体室
32 ラインミキサ
40 スクラバー
63 第2熱交換器
65 OH型イオン交換装置
72 エゼクタ
図1
図2
図3
図4