(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064347
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】画像測定システム、画像測定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20240507BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G01N21/27 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172864
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】園部 平人
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 剛
(72)【発明者】
【氏名】西尾 幸真
(72)【発明者】
【氏名】菅野 良平
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆洋
【テーマコード(参考)】
2F065
2G059
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065FF04
2F065GG08
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065JJ26
2F065KK03
2F065MM03
2F065MM24
2F065MM28
2F065PP03
2F065PP12
2F065QQ31
2G059AA05
2G059EE02
2G059FF01
2G059GG08
2G059KK04
(57)【要約】
【課題】測定精度を維持したまま測定スループットを向上することが可能な画像測定システム、画像測定方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の一形態に係る画像測定システムは、載置部と、撮像部と、移動制御部と、撮像制御部とを具備する。前記載置部には、測定対象が載置される。前記撮像部は、前記載置部に対して相対的に移動可能に構成される。前記移動制御部は、高速移動モード、及び低速移動モードを互いに切替えて、前記載置部に対して前記撮像部を相対的に移動させることが可能である。前記撮像制御部は、前記低速移動モードへの切替えに応じて、前記撮像部による瞬間的な画像情報の取込みを実行する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象が載置される載置部と、
前記載置部に対して相対的に移動可能に構成される撮像部と、
高速移動モード、及び低速移動モードを互いに切替えて、前記載置部に対して前記撮像部を相対的に移動させることが可能な移動制御部と、
前記低速移動モードへの切替えに応じて、前記撮像部による瞬間的な画像情報の取込みを実行する撮像制御部と
を具備する画像測定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像測定システムであって、さらに、
前記測定対象にストロボ光を照射可能な照明部を具備し、
前記撮像制御部は、前記測定対象に対してストロボ撮像を実行することで、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行する
画像測定システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像測定システムであって、
前記移動制御部は、前記高速移動モードから相対的な速度を減少させることで前記低速移動モードに切り替え、前記低速移動モードから相対的な速度を増加させることで前記高速移動モードに切り替える
画像測定システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の画像測定システムであって、
前記移動制御部は、前記低速移動モードに切替えた後に、前記載置部に対する前記撮像部の相対的な位置が所定の撮像位置となるように前記載置部に対して前記撮像部を相対的に移動させ、
前記撮像制御部は、前記載置部に対する前記撮像部の相対的な位置が、前記所定の撮像位置となるタイミングに応じて、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行する
画像測定システム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像測定システムであって、
前記移動制御部は、前記所定の撮像位置にて、前記載置部に対して前記撮像部を相対的に停止させることが可能であり、
前記撮像制御部は、前記載置部に対して前記撮像部が相対的に停止されたタイミングに応じて、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行する
画像測定システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像測定システムであって、さらに、
前記所定の撮像位置にて前記載置部に対して前記撮像部が相対的に静止しているか否かを判定する判定部を具備し、
前記撮像制御部は、前記載置部に対して前記撮像部が相対的に静止していると判定された場合に、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行する
画像測定システム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像測定システムであって、
前記判定部は、所定の判定時間幅における前記載置部に対する前記撮像部の相対的な位置の変化状況に基づいて、前記載置部に対して前記撮像部が相対的に静止しているか否かを判定し、
前記所定の判定時間幅は、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行する際の取込時間幅に基づいて設定される
画像測定システム。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の画像測定システムであって、
前記移動制御部は、前記瞬間的な画像情報の取込みが実行された後に、前記高速移動モードに切替える
画像測定システム。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の画像測定システムであって、
前記撮像制御部は、前記瞬間的な画像情報の取込みを複数回実行する
画像測定システム。
【請求項10】
請求項1に記載の画像測定システムであって、
前記撮像制御部は、前記撮像部のシャッター速度を制御することで、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行する
画像測定システム。
【請求項11】
高速移動モード、及び低速移動モードを互いに切替えて、測定対象が載置される載置部に対して撮像部を相対的に移動させ、
前記低速移動モードへの切替えに応じて、前記撮像部による瞬間的な画像情報の取込みを実行する
画像測定方法。
【請求項12】
高速移動モード、及び低速移動モードを互いに切替えて、測定対象が載置される載置部に対して撮像部を相対的に移動させるステップと、
前記低速移動モードへの切替えに応じて、前記撮像部による瞬間的な画像情報の取込みを実行するステップと
をコンピュータシステムに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像測定システム、画像測定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像測定システムでは、ワークの測定に関して、測定精度優先モードと、測定速度優先モードとが選択可能となっている。
測定精度優先モードでは、許容可能な測定精度、又は許容可能な画像取込時の移動量(ブレ量)が入力される。入力された測定精度又は移動量に基づいて移動速度が算出され、算出された移動速度を超えない速度で非停止測定動作が実行される。
測定速度優先モードでは、移動速度が入力される。入力された移動速度で、非停止測定動作が実行される。
これにより、使用者が希望する測定に即した効率のよい画像測定を行うことが可能となる(特許文献1の明細書段落[0005][0023][0024]等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の画像測定システム等において、測定精度を維持したまま測定スループットを向上することが求められている。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、測定精度を維持したまま測定スループットを向上することが可能な画像測定システム、画像測定方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像測定システムは、載置部と、撮像部と、移動制御部と、撮像制御部とを具備する。
前記載置部には、測定対象が載置される。
前記撮像部は、前記載置部に対して相対的に移動可能に構成される。
前記移動制御部は、高速移動モード、及び低速移動モードを互いに切替えて、前記載置部に対して前記撮像部を相対的に移動させることが可能である。
前記撮像制御部は、前記低速移動モードへの切替えに応じて、前記撮像部による瞬間的な画像情報の取込みを実行する。
【0007】
この画像測定システムでは、高速移動モードと低速移動モードとを互いに切替えて、載置部に対して撮像部を相対的に移動させることが可能である。また低速移動モードへの切替えに応じて、撮像部による瞬間的な画像情報の取込みが実行される。これにより、測定精度を維持したまま測定スループットを向上することが可能となる。
【0008】
前記画像測定システムは、さらに、前記測定対象にストロボ光を照射可能な照明部を具備してもよい。この場合、前記撮像制御部は、前記測定対象に対してストロボ撮像を実行することで、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行してもよい。
【0009】
前記移動制御部は、前記高速移動モードから相対的な速度を減少させることで前記低速移動モードに切り替え、前記低速移動モードから相対的な速度を増加させることで前記高速移動モードに切り替えてもよい。
【0010】
前記移動制御部は、前記低速移動モードに切替えた後に、前記載置部に対する前記撮像部の相対的な位置が所定の撮像位置となるように前記載置部に対して前記撮像部を相対的に移動させてもよい。この場合、前記撮像制御部は、前記載置部に対する前記撮像部の相対的な位置が、前記所定の撮像位置となるタイミングに応じて、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行してもよい。
【0011】
前記移動制御部は、前記所定の撮像位置にて、前記載置部に対して前記撮像部を相対的に停止させることが可能であってもよい。この場合、前記撮像制御部は、前記載置部に対して前記撮像部が相対的に停止されたタイミングに応じて、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行してもよい。
【0012】
前記画像測定システムは、さらに、前記所定の撮像位置にて前記載置部に対して前記撮像部が相対的に静止しているか否かを判定する判定部を具備してもよい。この場合、前記撮像制御部は、前記載置部に対して前記撮像部が相対的に静止していると判定された場合に、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行してもよい。
【0013】
前記判定部は、所定の判定時間幅における前記載置部に対する前記撮像部の相対的な位置の変化状況に基づいて、前記載置部に対して前記撮像部が相対的に静止しているか否かを判定してもよい。この場合、前記所定の判定時間幅は、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行する際の取込時間幅に基づいて設定されてもよい。
【0014】
前記移動制御部は、前記瞬間的な画像情報の取込みが実行された後に、前記高速移動モードに切替えてもよい。
【0015】
前記撮像制御部は、前記瞬間的な画像情報の取込みを複数回実行してもよい。
【0016】
前記撮像制御部は、前記撮像部のシャッター速度を制御することで、前記瞬間的な画像情報の取込みを実行してもよい。
【0017】
本発明の一形態に係る画像測定方法は、高速移動モード、及び低速移動モードを互いに切替えて、測定対象が載置される載置部に対して撮像部を相対的に移動させることを含む。
前記低速移動モードへの切替えに応じて、前記撮像部による瞬間的な画像情報の取込みが実行される。
【0018】
本発明の一形態に係るプログラムは、コンピュータシステムに以下のステップを実行させる。
高速移動モード、及び低速移動モードを互いに切替えて、測定対象が載置される載置部に対して撮像部を相対的に移動させるステップ。
前記低速移動モードへの切替えに応じて、前記撮像部による瞬間的な画像情報の取込みを実行するステップ。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、測定精度を維持したまま測定スループットを向上することが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像測定システムの構成例を示す模式的な図である。
【
図2】PC本体の機能的な構成例を示す模式図である。
【
図3】移動制御部によるカメラの移動制御の一例を模式的に示すグラフである。
【
図4】移動制御部によるカメラの移動制御の一例を模式的に示すグラフである。
【
図5】ストロボ撮像の制御例を説明するための模式的な波形図である。
【
図6】画像測定システムによる測定制御の一例を説明するためのグラフである。
【
図7】画像測定システムによる測定制御の一例を説明するためのグラフである。
【
図8】判定時間幅の設定例を説明するための模式図である。
【
図9】画像測定システムによる測定制御の他の例を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
[画像測定システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る画像測定システムの構成例を示す模式的な図である。
画像測定システム100は、非接触型の画像測定機10と、この画像測定機10を駆動制御すると共に必要なデータ処理を実行するPC(Personal Computer)30とを有する。
PC30は、本発明に係る情報処理装置の一実施形態として機能する。なおPC以外のコンピュータが用いられてもよい。
【0023】
画像測定機10は、試料移動手段である架台11と、架台11上に載置されるステージ12と、ステージ12の上方に配置される撮像ユニット14とを有する。
架台11はベース部15を有し、ベース部15は、第1の方向(X軸方向)を短手方向とし、第1の方向に直交する第2の方向(Y軸方向)を長手方向とする主面16を有する。
ベース部15の2つの長辺部には、上方(Z軸方向)に延在する2つの支柱部13a及び13bが設置される。2つの支柱部13a及び13bの間には、X軸方向に延在するガイド部13cが設置される。
【0024】
ステージ12は、測定対象となるワーク3が載置される載置面17を有し、この載置面17が水平方向と平行となるように架台11の主面16上に載置される。
本実施形態において、ステージ12(載置面17)は、測定対象が載置される載置部として機能する。
架台11の主面16には、ステージ12をY軸方向に移動させることが可能なY軸駆動機構(図示は省略)が備えられている。またY軸駆動機構には、ステージ12のY軸方向における位置(Y座標値)を検出するY軸スケール(図示は省略)が設けられる。
PC30によりY軸駆動機構が制御されることで、ステージ12がY軸方向に沿って移動する。そしてY軸スケールにより、Y座標値がリアルタイムで検出される。
Y軸駆動機構及びY軸スケールの具体的な構成は限定されず、任意に設計されてよい。
【0025】
撮像ユニット14は、2本の支柱部13a及び13bの間に設置されたガイド部13cに取り付けられる。
ガイド部13cには、撮像ユニット14をX軸方向に移動させることが可能なX軸駆動機構(図示は省略)が備えられている。またX軸駆動機構には、撮像ユニット14のX軸方向における位置(X座標値)を検出するX軸スケール(図示は省略)が設けられる。
PC30によりX軸駆動機構が制御されることで、撮像ユニット14がX軸方向に沿って移動する。そしてX軸スケールにより、X座標値がリアルタイムで検出される。
X軸駆動機構及びX軸スケールの具体的な構成は限定されず、任意に設計されてよい。
【0026】
撮像ユニット14には、カメラ19がステージ12と対向するように設置される。
カメラ19は、光学系と光学系により結像された測定対象の像を撮像するイメージセンサとを有する(ともに図示は省略)。
光学系としては、例えば焦点深度の深いテレセントリック光学系等が用いられる。
イメージセンサとしては、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサ等が用いられる。
カメラ19の撮像動作により、ワーク3の画像情報を取り込みことが可能となる。本実施形態において、カメラ19による撮像は、カメラ19による画像情報の取込みに相当する。
本実施形態において、カメラ19は、撮像部として機能する。
【0027】
また撮像ユニット14には、ワーク3に照明光を照射することが可能な照明装置20が設置される。本実施形態では、カメラ19の近傍に照明装置20が設置される(
図1では、カメラ19と同じ位置に照明装置20の符号を付している)。もちろんこのような構成に限定される訳ではない。
本実施形態では、ワーク3に対してストロボ光を照射可能な照明装置20が設置される。すなわち照明装置20は、ストロボ点灯(ストロボ照明)を実行することが可能である。
照明装置20の具体的な構成は限定されない。例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光素子を用いたリングライトが用いられる。その他、キセノンランプ等のランプ光源が用いられてもよい。
本実施形態において、照明装置20は、照明部として機能する。
【0028】
撮像ユニット14には、カメラ19をZ軸方向に移動させることが可能なZ軸駆動機構(図示は省略)が備えられている。またZ軸駆動機構には、カメラ19のZ軸方向における位置(Z座標値)を検出するZ軸スケール(図示は省略)が設けられる。
PC30によりZ軸駆動機構が制御されることで、カメラ19がZ軸方向に沿って移動さする。これによりカメラ19の焦点位置が移動される。カメラ19のZ座標値は、Z軸スケールによりリアルタイムで検出される。
【0029】
画像測定機10の種類は限定されない。
ワーク3を撮像することで生成される被写体画像を用いて測定や観察等を実行することが可能な機器であれば、どのような機器が用いられてよい。例えばCNC画像測定機、CNC三次元測定機等の画像プローブ、硬さ試験機等が挙げられる。
【0030】
図1に示す例では、撮像ユニット14がX軸方向に移動され、ステージ12がY軸方向に移動される。またカメラ19が、Z軸方向に移動される。これによりステージ12の載置面17に対して、カメラ19をXYZの3次元方向で相対的に移動させることが可能となる。
ステージ12に対してカメラ19を相対的に移動させるための構成は限定されない。例えば、ステージ12は固定されカメラ19が3次元方向に移動可能な構成や、カメラ19は固定されステージ12が3次元方向に移動可能な構成が採用されてもよい。もちろんカメラ19及びステージ12の両方が、XYZの3次元方向に移動可能に構成されてもよい。
【0031】
PC30は、PC本体31と、キーボード32と、ジョイスティックボックス(以下、J/Sと記載する)33と、マウス34と、ディスプレイ35と、プリンタ36とを有する。
キーボード32、J/S33、及びマウス34を操作することで、種々の指示を入力することが可能である。
ディスプレイ35は、表示部として機能し、例えば液晶、EL(Electro-Luminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
プリンタ36は、例えば測定結果等をプリントアウトすることが可能である。
【0032】
図2は、PC本体31の機能的な構成例を示す模式図である。
なお
図2では、X軸駆動機構、Y軸駆動機構、Z軸駆動機構が、まとめて駆動機構21として図示されている。同様に、X軸スケール、Y軸スケール、Z軸スケールが、まとめてスケール22として図示されている。
図2に示す指示入力部37は、ユーザの指示が入力されるブロックであり、
図1に示すキーボード32、J/S33、及びマウス34により構成される。
図1に示すプリンタ36の図示は省略されている。
【0033】
図2に示すように、PC本体31は、CPU(Central Processing Unit)39、ROM(Read Only Memory)40、及びRAM(Random Access Memory)41等のコンピュータに必要なハードウェア構成を有する。
例えばCPU39がROM40等に予め記録されている本技術に係るプログラムをRAM41にロードして実行することにより、本技術に係る画像測定方法(情報処理方法)が実行される。PC本体31を構成するために、FPGA、ASIC等の、他の任意のハードウェアが用いられてもよい。
【0034】
またPC本体31は、画像入力部42、画像メモリ43、及び画像出力部44を有する。
画像入力部42は、画像データが入力されるインターフェースである。画像入力部42には、例えばカメラ19から出力されたワーク3の画像データ(画像情報)が入力される。
画像メモリ43は、画像入力部42に入力された画像データを格納する。また画像メモリ43には、画像処理が行われた表示用の画像データが格納される。画像メモリ43としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。
画像出力部44は、画像データを出力するインターフェースである。画像出力部44は、画像メモリ43に格納された表示用の画像データをディスプレイ35に出力する。
【0035】
PC本体31のCPU39には、入出力インターフェース(図示は省略)を介して、カメラ19、照明装置20、駆動機構21、スケール22、及び指示入力部37が接続される。
入出力インターフェースとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子等が用いられる。この他、各部を接続するための専用のインターフェース等が適宜用いられてもよい。
【0036】
図2に示すように、本実施形態では、CPU39が本技術に係るプログラムを実行することで、機能ブロックとしての移動制御部46、撮像制御部47、及び静止判定部48が構成される。もちろん機能ブロックを実現するために、IC(集積回路)等の専用のハードウェアが用いられてもよい。
プログラムは、例えば種々の記録媒体を介してPC30にインストールされる。あるいは、インターネット等を介してプログラムのインストールが実行されてもよい。
プログラムが記録される記録媒体の種類等は限定されず、コンピュータが読み取り可能な任意の記録媒体が用いられてよい。例えば、コンピュータが読み取り可能な非一過性の任意の記憶媒体が用いられてよい。
【0037】
移動制御部46は、XYZの各軸の駆動機構21を制御することで、ステージ12に対するカメラ19の相対的な移動を制御することが可能である。
例えば、ステージ12に対するカメラ19の相対的な位置が所定の目標位置となるように、ステージ12に対してカメラ19を相対的に移動させることが可能である。また、ステージ12に対してカメラ19を相対的に停止させることも可能である。
以下、説明を分かりやすくするために、ステージ12に対するカメラ19の相対的な移動を、単にカメラ19の移動と記載する場合がある。またステージ12に対するカメラ19の相対的な位置を、単にカメラ19の位置と記載する場合がある。
【0038】
図3及び
図4は、移動制御部46によるカメラ19の移動制御の一例を模式的に示すグラフである。
図3及び
図4に示すグラフの横軸は時間を表し、縦軸はカメラ19の位置を表す。カメラ19の位置は、XYZの各軸のスケール22により検出される座標値(スケール値)が用いられる。なお、XYZの各軸におけるスケール値は、所定のサンプリングレートで常時取得することが可能である。
【0039】
図3では、一方向に沿って形成された8個の穴部55を測定対象とする場合の移動制御が図示されている。例えば、8個の穴部55がY軸方向に沿って並ぶように配置される。
移動制御部46は、穴部55の中心を目標位置P(P1~P8)として、カメラ19をY軸方向に沿って移動させる。本例では、目標位置P1~P8にて順番にカメラ19が停止するように、カメラ19の移動が制御される。
図4は、1つの目標位置Pにおける移動制御を詳しく示したグラフである。
なお、目標位置Pは、カメラ19により撮像が行われる所定の撮像位置に相当する。
【0040】
図3及び
図4に示すように、移動制御部46は、高速移動モード、及び低速移動モードを互いに切替えて、カメラ19を移動させることが可能である。すなわち高速移動モード、及び低速移動モードを互いに切替えて、ステージ12に対してカメラ19を相対的に移動させることが可能である。
図4に示すように、移動制御部46は、高速移動モードから相対的な速度(グラフの傾き)を減少させることで低速移動モードに切り替え、低速移動モードから相対的な速度(グラフの傾き)を増加させることで高速移動モードに切り替える。
また本例では、移動制御部46は、低速移動モードに切替えた後に、カメラ19の位置が目標位置Pとなるようにカメラ19を移動させる。また移動制御部46は、目標位置Pにて、カメラ19を停止させる。
【0041】
例えば、目標位置Pの間の経路については、高速移動モードによりカメラ19が移動される。目標位置Pを含む経路については、低速移動モードによりカメラ19が移動される。
ここで各モードが実行される時間幅における平均速度に着目すると、平均速度が高い方の移動モードを高速移動モードとして規定し、平均速度が低い方の移動モードを低速移動モードとして規定することが可能である。
例えば、目標位置Pを含む所定の範囲の経路(所定の移動範囲)を第1の移動範囲として設定し、第1の移動範囲の間の経路(移動範囲)を第2の移動範囲として設定する。第2の移動範囲における平均速度の方が、第1の移動範囲における平均速度よりも高くなるように、カメラ19を移動させる。このような移動は、本発明に係る「高速移動モード」と「低速移動モード」とを切替えたカメラ19の移動に含まれる。
【0042】
また各モードにおける最高速度に着目して、高速移動モード及び低速移動モードを規定することも可能である。すなわち最高速度が高い方の移動モードを高速移動モードとして規定し、最高速度が低い方の移動モードを低速移動モードとして規定することが可能である。
例えば、上記した第2の移動範囲における最高速度の方が、第1の移動範囲における最高速度よりも高くなるように、カメラ19を移動させる。このような移動も、本発明に係る「高速移動モード」と「低速移動モード」とを切替えたカメラ19の移動に含まれる。
その他、速度に関する種々のパラメータにより、「高速移動モード」と「低速移動モード」とを規定することが可能である。なお、
図3及び
図4に示すグラフも、本発明に係る「高速移動モード」と「低速移動モード」とを切替えたカメラ19の移動の1つの例である。
【0043】
撮像制御部47は、カメラ19及び照明装置20を制御することで、カメラ19による撮像、すなわちカメラ19による画像情報の取込みを実行することが可能である。
本実施形態では、常時撮像モード及びストロボ撮像モードの2つの撮像モードを実行することが可能である。
常時撮像モードは、照明装置20により照明光を常時点灯した状態で、所定のフレームレートで画像情報を取込むモードである。常時撮像モードにより、観察用画像(ライブ画像)を撮像することが可能となり、測定対象をリアルタイムで観察することが可能となる。
ストロボ撮像モードは、照明装置20により対象物体にストロボ光を照射して画像情報を取込むモードである。測定対象に対してストロボ撮像を実行することで、瞬間的な画像情報の取込みを実行することが可能となる。ストロボ撮像にて撮像される画像は、測定用画像として用いられる。
例えば、常時撮像モードにて画像情報が取込まれている状態からストロボ撮像モードに切替えられる場合には、照明が一度消された後にストロボ撮像が実行される。ストロボ撮像が終われば、再度常時撮像モードに切替えられる。このように常時撮像モードとストロボ撮像モードを切替えて実行することも可能である。
【0044】
図5は、ストロボ撮像の制御例を説明するための模式的な波形図である。
例えば、カメラ19としてCCDカメラが用いられる場合には、CCDカメラの垂直同期信号(VSync)に同期するように、ストロボパルスが生成される。ストロボパルスは、ストロボ照明の点灯パルス幅に相当する。従って、ストロボパルスのパルス幅の時間が、ストロボ光の照射時間(ストロボ照明の点灯時間)となる。
図5に示すように、ストロボパルスのパルス幅が、画像情報を取込む時間幅となる(以下、取込時間幅と記載する)。
ストロボ撮像Aのようにパルス幅が小さい場合、すなわち取込時間幅が小さい場合は、画像取得時のカメラ19の振動(ステージ12に対する相対的な振動)の影響を抑えることが可能となる一方で、画像取得時の照明光量は低くなる。
ストロボ撮像Bのようにパルス幅が大きい場合、すなわち取込時間幅が大きい場合は、画像取得時の照明光量が高くなる一方で、画像取得時のカメラ19の振動(ステージ12に対する相対的な振動)の影響を受けやすくなる。
ストロボパルスのパルス幅、すなわち取込時間幅は、測定の内容や測定対象の種類等に基づいて、所望の測定精度が実現されるように適宜設定されればよい。
なお、ストロボ撮像の制御方法は限定されず、他の任意の制御方法が採用されてよい。もちろんカメラ19としてCCDカメラが用いられる場合に限定される訳ではない。
【0045】
静止判定部48は、目標位置Pにて、カメラ19が静止しているか否かを判定することが可能である。すなわち静止判定部48は、目標位置Pにて、ステージ12に対してカメラ19が相対的に静止しているか否かを判定することが可能である。
例えば、所定の時間幅からなる判定時間幅を設定する。そして、判定時間幅の間に取得されるスケール値の変化状況に基づいて、カメラ19が静止したか否かを判定することが可能である。
すなわち所定の判定時間幅におけるステージ12に対するカメラ19の相対的な位置の変化状況に基づいて、ステージ12に対してカメラ19が相対的に静止しているか否かを判定することが可能である。
例えば、判定時間幅におけるスケール値の変化が所定範囲内に収まっている場合には、カメラ19が静止していると判定する。スケール値の変化が所定範囲内に収まっていない場合には、カメラ19は静止していないと判定する。カメラ19が目標位置Pに停止した後(スケール値が目標位置に到達した後)、静止した旨の判定結果で出るまで判定処理が繰り返される。
カメラ19の静止を判定するための判定方法は限定されず、他の任意の判定方法が採用されてよい。
【0046】
[画像測定システムによる測定制御]
図6は、本実施形態に係る測定制御の一例を説明するためのグラフである。
図6に示すように、移動制御部46によりカメラ19が目標位置Pに停止された直後は、カメラ19に振動が発生する。振動の態様(スケール値の変化態様)は、例えばスケール値のフィードバック制御のアルゴリズム等に応じて定まり、ある決まった変化態様とはならないことが多い。
例えば
図6に示すように、照明装置20により照明光を常時点灯した状態で、目標位置Pにて精度の高い測定用画像を撮像するためには、カメラ19の振動が十分に収まってから撮像する必要がある。従って、カメラ19の振動が収まるのを待つ時間分、測定スループットが低下してしまう。
【0047】
本実施形態に係る画像測定システム100では、低速移動モードへの切替えに応じて、ストロボ撮像を実行することが可能である。すなわち低速移動モードの切替えに応じて、カメラ19による瞬間的な画像情報の取込みを実行することが可能となる。
具体的には、
図6に示すように、低速移動モードに切替えられた後に、カメラ19の位置が目標位置Pとなるタイミング(目標位置Pに停止されたタイミング)に応じて、ストロボ撮像が実行される。
すなわち本実施形態では、撮像制御部47は、ステージ12に対するカメラ19の相対的な位置が目標位置Pとなるタイミング(ステージ12に対してカメラ19が相対的に停止されたタイミング)に応じて、瞬間的な画像情報の取込みを実行する。
【0048】
図7は、8個の穴部55を測定対象とする場合の測定制御の一例を示すグラフである。
図7には、比較例として、常時点灯測定制御、及び非停止測定制御が合わせて図示されている。
図7において、常時点灯での撮像のマークが付されているグラフが、常時点灯測定制御のグラフである。
非停止測定制御では、速度を一定に維持したままカメラ19が移動され、目標位置P(P1~P8)にてストロボ撮像が実行される。
図7において直線状のグラフが、非停止測定制御のグラフである。
【0049】
上記でも述べたが、常時点灯測定制御では、停止直後のカメラ19の振動が収まるのを待つ必要があるので、測定スループットが低い(終了タイミングT3)。
非停止測定制御では、ストロボ撮像にて撮像される測定用画像を用いた測定の精度を高く維持するために、カメラ19の移動速度を抑える必要がある。従って、測定の間は低速でカメラ19を移動させなければならず、測定スループットが低下してしまう(終了タイミングT2)。カメラ19の速度を増加させる場合には、パルス幅(取込時間幅)を小さくしなければならず、照明光量が低下してしまい、結局測定精度が低下してしまう。
【0050】
本実施形態に係る制御方法では、高速移動モードと低速移動モードとを切替えて実行することが可能である。そして低速移動モードに切替えた後にカメラ19の位置が目標位置Pに到達するタイミング(カメラ19が目標位置Pで停止されるタイミング)で、ストロボ撮像が実行される。
ストロボ撮像が実行された後、すなわち瞬間的な画像情報の取込みが実行された後は、高速移動モードに切替えられカメラ19が移動される。
【0051】
これにより、停止直後でカメラ19が振動している状態でも、静止を待つことなくブレのない高品質の測定用画像を撮像することが可能となる。振動が収まるのを待つ必要がないので、測定時間を短縮することが可能となる(終了タイミングT1)。」
すなわち本発明を実施することで、測定精度を維持したまま測定スループットを向上することが可能となる。またカメラ19が最初に目標位置Pに到達したタイミングでストロボ撮像を実行するので、測定時間を大幅に短縮することが可能となる。
また、非停止測定制御と比べて、カメラ19を停止させているので、パルス幅(取込時間幅)を大きくすることが可能となり、照明光量を高くすることが可能となる。これにより、測定精度を向上させることが可能となる。
また低速移動モードにより速度を十分に低くしてからカメラ19を停止させているので、停止直後のカメラ19の振動も抑えることが可能となる。これにより、パルス幅(取込時間幅)を大きくすることが可能となり、照明光量を高くすることが可能となる。この結果、測定精度を向上させることが可能となる。
なお本実施形態に係る測定制御は、目標位置P、高速移動モードにおける速度、低速移動モードにおける速度、取込時間幅等のパラメータに基づいて生成されたパートプログラムに従って実行することが可能である。例えば各種パラメータは、指示入力部37を介して入力される。もちろん、このような制御に限定される訳ではない。
【0052】
以上、本実施形態に係る画像測定システム100では、高速移動モードと低速移動モードとを互いに切替えて、ステージ12に対してカメラ19を相対的に移動させることが可能である。また低速移動モードへの切替えに応じて、カメラ19による瞬間的な画像情報の取込みが実行される。これにより、測定精度を維持したまま測定スループットを向上することが可能となる。
近年、生産性の向上要求を背景に、生産タクトの高速化が進んでいる。そのため測定スループットを向上することが求められる。
CNC画像測定機で画像測定を行う際、照明光量を確保するために、常時照明を点灯する方法が挙げられる。その状態でステージ(または画像ヘッド)が測定位置まで到達した直後に撮像すると、駆動による振動が収まる前に撮像してしまうため、ブレた画像となり測定精度が悪化する。そのためステージ(または画像ヘッド)が静定するのを確認してから撮像を行っていた。
例えば、画像測定機に用いられる材料や装置構成等を適宜設定することにより、停止直後のカメラの振動を防止することも考えられる。しかしながらこの場合は、材料、設計、製造等に関するコストがかかってしまい、画像測定機が高額なものとなってしまう。
本実施形態に係る画像測定システム100では、測定精度を維持したまま測定スループットを向上することが可能となるので、生産タクトの高速化を実現することが可能となる。また画像測定機の設計等にかかるコストが増加してしまうこともない。
【0053】
<その他の実施形態>
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0054】
ストロボ撮像、すなわち瞬間的な画像情報の取込みの前に、静止判定部48による静止判定が実行されてもよい。すなわちステージ12に対してカメラ19が相対的に静止していると判定された場合に、ストロボ撮像(瞬間的な画像情報の取込み)が実行されてもよい。
上記したように判定時間幅の間に取得されるスケール値の変化状況に基づいて、カメラ19が静止したか否かを判定することが可能である。
【0055】
図8は、判定時間幅の設定例を説明するための模式図である。
図8に示すように、判定時間幅は、ストロボパルスのパルス幅(取込時間幅)に基づいて設定することが可能である。パルス幅(取込時間幅)の間に静止していると判定される状態になればよいので、例えば、判定時間幅をパルス幅(取込時間幅)と同程度に小さくすることが可能である。判定時間幅を小さくすることが可能であるので、静止していると判定されるまでの時間を十分に短くすることが可能である。
この結果、判定にともなう測定スループットの低下を十分に抑えつつ、撮像される測定用画像の品質を向上させることが可能となる。すなわち測定スループットの低下を抑えつつ、高精度の測定を実現することが可能となる。
なお
図8は、判定時間幅とストロボパルスのパルス幅(取込時間幅)との関係性を示す図であり、ストロボ撮像時のスケール値を取得するという意味ではない。
例えば、判定時間幅をパルス幅(取込時間幅)と等しい大きさに設定する。又は、判定時間幅をパルス幅(取込時間幅)よりも若干大きく設定する。あるいは、スケール値を取得するためのサンプリングレート×n(nは正の整数)の値、かつ、パルス幅(取込時間幅)を超える最小値が、判定時間幅として設定されてもよい。その他、パルス幅(取込時間幅)に基づいた任意の設定方法が採用されてよい。
測定速度の向上させるためにパルス幅(取込時間幅)を小さくした場合には、判定時間幅も小さくする。これにより測定時間の短縮に有利となる。
照明光量の向上させるためにパルス幅(取込時間幅)を大きくした場合には、判定時間幅も大きくする。これによりブレの発生を防止することが可能となる。
【0056】
目標位置Pにて、ストロボ撮像(瞬間的な画像情報の取込み)が複数回実行されてもよい。そして、複数の画像情報から測定用画像が選択されてもよい。
例えば、画像情報を取得するごとに観測用画像として使用可能かどうかの判定が実行される。観測用画像として使用可能であると判定されるまで、ストロボ撮像(瞬間的な画像情報の取込み)が繰り返される。このような処理が実行されてもよい。
【0057】
図9は、測定制御の他の例を模式的に示すグラフである。
図9に示すようにカメラ19を目標位置Pにて停止させることなく、目標位置Pに到達したタイミングでストロボ撮像(瞬間的な画像情報の取込み)が実行されてもよい。すなわち低速度移動モードへの切替えに応じて、非停止測定制御が実行されてもよい。
低速移動モードにて非停止測定制御を実行するので、ブレの発生を抑えることが可能となる。またパルス幅(取込時間幅)を大きくすることが可能であるので、照明光量を向上させることが可能である。
また画像情報の取込み後は、高速移動モードに切替えられるので、測定スループットを向上させることが可能となる。
【0058】
上記では、高速移動モード及び低速移動モードの2段階でカメラ19が移動された。これに限定されず、3段階以上の移動モードが切替えられて実行されてもよい。この場合、瞬間的な画像情報の取込みが実行される際の移動モードを「低速移動モード」とし、当該移動モードよりも速い移動モードを「高速移動モード」として、本発明を実施することが可能である。
【0059】
「瞬間的な画像情報の取込み」がストロボ撮像に限定される訳ではない。
例えば、カメラ19(撮像部)のシャッター速度を制御することで、「瞬間的な画像情報の取込み」を実行することが可能である。例えば、カメラ19としてシャッター付きのCCDカメラを採用し、シャッター制御を実行することで、「瞬間的な画像情報の取込み」を実行することが可能である。
この場合、シャッター開放時間幅が、「取込時間幅」に相当する。
その他、「瞬間的な画像情報の取込み」を実行するための構成や方法を限定することなく、本発明を実施することが可能である。
【0060】
本発明に係る画像測定システムを実現するためのコンピュータのシステム構成は限定されず、任意に設計されてよい。
例えば、本発明に係る画像測定システムが備える「移動制御部」「撮像制御部」「判定部」等が画像測定システムを構成する各装置のいずれかにより実現されるかは限定されず、任意に設定可能である。また複数の装置が協働することにより、これらの要素が実現されてもよい。
同様に、本発明に係る画像測定方法、及びプログラムは、単体のコンピュータにより構成されたコンピュータシステムにより実行されてもよいし、複数のコンピュータが連動して動作するコンピュータシステムにより実行されてもよい。例えば本発明に係る画像測定方法及びプログラムは、クラウドコンピューティングの構成にも適用することが可能である。
【0061】
各図面を参照して説明した画像測定システム、画像測定機、PC(情報処理装置)等の構成、各処理フロー等はあくまで一実施形態であり、本技術の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変形可能である。すなわち本技術を実施するための他の任意の構成やアルゴリズム等が採用されてよい。
【0062】
以上説明した本発明に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
【符号の説明】
【0063】
P(P1~P8)…目標位置
10…画像測定機
12…ステージ
14…撮像ユニット
17…載置面
19…カメラ
20…照明装置
21…駆動機構
22…スケール
30…PC
31…PC本体
46…移動制御部
47…撮像制御部
48…静止判定部
55…穴部
100…画像測定システム