IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本特殊陶業株式会社の特許一覧 ▶ 国立大学法人 東京大学の特許一覧

<>
  • 特開-超音波発生装置 図1
  • 特開-超音波発生装置 図2
  • 特開-超音波発生装置 図3
  • 特開-超音波発生装置 図4
  • 特開-超音波発生装置 図5
  • 特開-超音波発生装置 図6
  • 特開-超音波発生装置 図7
  • 特開-超音波発生装置 図8
  • 特開-超音波発生装置 図9
  • 特開-超音波発生装置 図10
  • 特開-超音波発生装置 図11
  • 特開-超音波発生装置 図12
  • 特開-超音波発生装置 図13
  • 特開-超音波発生装置 図14
  • 特開-超音波発生装置 図15
  • 特開-超音波発生装置 図16
  • 特開-超音波発生装置 図17
  • 特開-超音波発生装置 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064363
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】超音波発生装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/34 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
H04R1/34 330B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172904
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 諭
(72)【発明者】
【氏名】横山 広大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 遼
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 伸介
(72)【発明者】
【氏名】笠島 崇
(72)【発明者】
【氏名】森田 剛
【テーマコード(参考)】
5D019
【Fターム(参考)】
5D019GG04
5D019GG11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】性能が良く、製造しやすい超音波発生装置を提供する。
【解決手段】超音波を発生する超音波発生源11と、超音波発生源から発生した超音波を集束する超音波集束部12と、超音波集束部によって集束された超音波を伝送する導波路13と、を備える超音波発生装置10であって、超音波集束部12は、超音波発生源11と対向して配置された第一反射面16と、第一反射面16と対向して配置された第二反射面17と、を有する。第一反射面16は、超音波発生源11から発生した超音波を第二反射面17に向かって反射する。第二反射面17は、第一反射面16にて反射された超音波を導波路13に向かって反射して導波路13の内部に導入する。超音波発生源11は、超音波発生源11と第一反射面16との対向方向に直交する径方向における第二反射面17の周囲を囲い、第一反射面16との対向方向と交差する方向に2個以上の振動子20を並べて構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を発生する超音波発生源と、
前記超音波発生源から発生した超音波を集束する超音波集束部と、
前記超音波集束部によって集束された超音波を伝送する導波路と、を備え、
前記超音波集束部は、前記超音波発生源と対向して配置された第一反射面と、前記第一反射面と対向して配置された第二反射面とを有し、
前記第一反射面は、前記超音波発生源とは反対側に凸な湾曲面であり、前記超音波発生源から発生した超音波を前記第二反射面に向かって反射し、前記第二反射面は、前記第一反射面とは反対側に凸な湾曲面であり、前記第一反射面にて反射された超音波を前記導波路に向かって反射して前記導波路の内部に導入する超音波発生装置であって、
前記超音波発生源は、前記第一反射面との対向方向と交差する方向に2個以上の振動子を並べて構成されている、超音波発生装置。
【請求項2】
前記超音波発生源は、前記第二反射面の周囲を囲うように配置され、
前記複数の振動子は、それぞれが、前記第二反射面の中央から0°超過180°以下の領域に配置されている、請求項1に記載の超音波発生装置。
【請求項3】
前記複数の振動子は、前記超音波発生源の中心軸に対して回転対称の位置に配置されている、請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【請求項4】
前記複数の振動子は、同心円状に配置されている、請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【請求項5】
前記複数の振動子は、互いに異なる固有振動数の振動子を含んでいる、請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【請求項6】
前記複数の振動子は、互いに離間している、請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【請求項7】
前記複数の振動子は、個別に駆動する、請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、診断や治療などの様々な用途で用いられる超音波発生装置が知られている。例えば下記特許文献1には、超音波を発生する超音波発生源と、超音波発生源で発生した超音波を集束する超音波集束部と、超音波集束部によって集束された超音波を伝送する導波路と、を備えた超音波発生装置が記載されている。超音波発生源で発生した超音波は、導波路の先端まで伝送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2006/028249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような超音波発生装置において、超音波発生源が送信する超音波の強度を向上させて性能を良くしたいという要望がある。そのためには、超音波発生源の面積を大きくすることが考えられる。しかしながら、面積が大きい超音波発生源は製造しにくいという問題がある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、性能が良く、製造しやすい超音波発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の超音波発生装置は、超音波を発生する超音波発生源と、前記超音波発生源から発生した超音波を集束する超音波集束部と、前記超音波集束部によって集束された超音波を伝送する導波路と、を備え、前記超音波集束部は、前記超音波発生源と対向して配置された第一反射面と、前記第一反射面と対向して配置された第二反射面とを有し、前記第一反射面は、前記超音波発生源とは反対側に凸な湾曲面であり、前記超音波発生源から発生した超音波を前記第二反射面に向かって反射し、前記第二反射面は、前記第一反射面とは反対側に凸な湾曲面であり、前記第一反射面にて反射された超音波を前記導波路に向かって反射して前記導波路の内部に導入する超音波発生装置であって、前記超音波発生源は、前記第一反射面との対向方向と交差する方向に2個以上の振動子を並べて構成されているものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、2個以上の振動子を並べて超音波発生源の面積を大きくすることによって、性能を良くできる。製造しやすい大きさの振動子を用いることによって、容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】超音波発生装置の基本構成を説明する図であって、超音波発生源から発生した超音波が第一反射面に向かって直進するイメージを示す図
図2】超音波発生装置の基本構成を説明する図であって、第一反射面にて反射された超音波が焦点に向かって集束するイメージを示す図
図3】実施例1における超音波発生装置を示す概略断面図
図4】2個の振動子を並べる場合の超音波発生装置を示す底面図
図5】3個の振動子を並べる場合の超音波発生装置を示す底面図
図6】6個の振動子を並べる場合の超音波発生装置を示す底面図
図7】実施例2における超音波発生装置を示す底面図
図8】実施例3における超音波発生装置を示す底面図
図9】実施例4における超音波発生装置を示す概略断面図
図10】超音波発生装置を示す底面図
図11】実施例5における超音波発生装置を示す概略断面図
図12】超音波発生装置を示す底面図
図13】実施例6における超音波発生装置を示す概略断面図
図14】他の実施例(1)における超音波発生装置を示す底面図
図15】他の実施例(4)における超音波発生装置を示す底面図
図16】他の実施例(6)における超音波発生装置の一例を示す底面図
図17】他の実施例(6)における超音波発生装置の他の例を示す底面図
図18】他の実施例(7)における超音波発生装置を示す底面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい形態を以下に示す。
【0010】
本発明の超音波発生装置において、前記超音波発生源は、前記第二反射面の周囲を囲うように配置され、前記複数の振動子は、それぞれが、前記第二反射面の中央から0°超過180°以下の領域に配置されているものとしてもよい。このような構成によれば、複数の振動子によって、環状の超音波発生源を容易に製造できる。
【0011】
また、本発明の超音波発生装置において、前記複数の振動子は、前記超音波発生源の中心軸に対して回転対称の位置に配置されているものとしてもよい。このような構成によれば、超音波発生源は、周方向に均一性を有するから、きれいな波形の超音波を発生できる。
【0012】
また、本発明の超音波発生装置において、前記複数の振動子は、同心円状に配置されているものとしてもよい。このような構成によれば、超音波発生源は、周方向に均一性を有するから、きれいな波形の超音波を発生できる。
【0013】
また、本発明の超音波発生装置において、前記複数の振動子は、互いに異なる固有振動数の振動子を含んでいるものとしてもよい。このような構成によれば、固有振動数の異なる振動子は、強く振動する周波数(共振周波数)が異なるから、所望の周波数で強い超音波を送信できる。
【0014】
また、本発明の超音波発生装置において、前記複数の振動子は、互いに離間しているものとしてもよい。このような構成によれば、各振動子を個別に駆動できるとともに、隣接する振動子の振動の影響を小さくできる。したがって、超音波発生装置の性能を良くできる。
【0015】
また、本発明の超音波発生装置において、前記複数の振動子は、個別に駆動するものとしてもよい。このような構成によれば、個別に振動子を駆動することによって超音波の強度を調整等できるから、超音波発生装置の性能を良くできる。
【0016】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した一実施例について、図1図6を参照しつつ詳細に説明する。本実施例における超音波発生装置10は、超音波診断装置、超音波治療装置、キャビテーション発生装置、などに用いられる。
【0017】
まず、超音波発生装置10の基本構成について説明する。超音波発生装置10は、図1に示すように、超音波発生源11と、超音波集束部12と、導波路13と、を備えている。超音波発生源11は、超音波を発生する。超音波集束部12は、超音波発生源11から発生した超音波を集束する。導波路13は、超音波集束部12によって集束された超音波を伝送する。導波路13によって伝送された超音波は、対象物に照射される。対象物は特に限定されず、例えば生体内であってもよい。対象物に照射された超音波は、対象物で反射し、対象物の画像情報を乗せた超音波として導波路13内に戻る。対象物の画像情報を乗せた超音波は、導波路13及び超音波集束部12を介して超音波発生源11に戻る。画像情報を乗せた超音波に応じた電気信号は、信号送受信回路によって受信され、受信された信号に含まれる画像情報は、信号表示装置に表示される。なお、画像情報を含む超音波に基づいて画像表示を行う技術は、超音波診断装置などに用いられる公知技術を採用し得る。
【0018】
超音波発生源11は、例えば、圧電素子である。超音波発生源11は、第一主面14と、第一主面14とは反対側の第二主面15とを有している。第一主面14及び第二主面15には、図示しない電極が配置されている。第一主面14は、図示しない接着剤によって超音波集束部12の配置面18に接着されている。
【0019】
超音波発生源11は、図示しない信号送受信回路から電気信号を与えられると超音波を発生する。超音波発生源11から発生した超音波は、図1に示すように、矢印A2方向に直進する平面波である。矢印A2は、超音波発生源11から発生した超音波の進行方向を示す。矢印A2は、軸A1と平行である。超音波発生源11は、例えば、30kHz以上の周波数で超音波を発生させる。以下、各構成部材において、図1の矢印A2が指し示す方向を上方、その反対方向を下方として説明する。
【0020】
超音波集束部12は、中実の金属(例えばジェラルミン)によって形成されている。超音波集束部12は、第一反射面16及び第二反射面17を備えている。第一反射面16は、超音波発生源11と対向して配置されている。第一反射面16と超音波発生源11との対向方向は、軸A1の延び方向と平行である。第一反射面16は、超音波集束部12の外部から見ると、上側(超音波発生源11とは反対側)に凸な放物面である。第一反射面16は、超音波集束部12の内部から見ると凹型である。第一反射面16の中心部は、第一反射面16の外周縁16Bよりも上方に位置している。第一反射面16は、軸A1を回転軸として構成される回転放物面である。
【0021】
第二反射面17は、第一反射面16と対向して配置されている。第二反射面17は、超音波集束部12の外部から見ると、下側(第一反射面16とは反対側)に凸な放物面である。第二反射面17は、超音波集束部12の内部から見ると凹型である。第二反射面17の中心部は、第二反射面17の外周縁17Bよりも下方に位置している。第二反射面17は、軸A1を回転軸として構成される回転放物面である。
【0022】
超音波集束部12は、超音波発生源11の配置面18を有している。配置面18は、第二反射面17の外周縁17Bから第一反射面16の外周縁16Bまで軸A1に直交する径方向外側に広がっている。配置面18は、軸A1に直交する平坦面である。配置面18は、軸A1を中心として第二反射面17の周囲を囲う円環状である(図4参照)。
【0023】
導波路13は、中実の柱状である。導波路13は、第一反射面16の中心部から軸A1に沿って上方に延びている。超音波は、導波路13の下端から導波路13の内部に導入される。導波路13の軸A1と直交する断面は、軸A1を中心とする円形状である。
【0024】
超音波発生源11から発生した超音波は、図2に示すように、第一反射面16で反射し、第一反射面16の焦点Fsに向かって集束する。焦点Fsを通過した超音波は、第二反射面17で反射し、第二反射面17の焦点Fsに向かって集束する。第二反射面17の焦点Fsは、第一反射面16の焦点Fsと一致している。第二反射面17で反射し、焦点Fsを通過した超音波は、平面波として導波路13の内部に導入される。焦点Fsは、軸A1上に位置している。
【0025】
次に、超音波発生装置10の詳細を説明する。超音波発生源11は、図3図6に示すように、軸A1と直交する方向(第一反射面16との対向方向と交差する方向)に2個以上の振動子20を並べて構成されている。ここでは、2個の振動子20を並べる場合、3個の振動子20を並べる場合、及び6個の振動子20を並べる場合を例示する。各振動子20は、図3に示すように、所定の厚さ寸法Tを有する板状に形成されている。厚さ寸法Tは、軸A1に平行な方向の寸法である。
【0026】
2個以上の振動子20によって構成された超音波発生源11は、図4図6に示すように、第二反射面17の周囲を囲っている。超音波発生源11は、軸A1を中心とする円環状をなしている。超音波発生源11の内周縁11Aは、第二反射面17の外周縁17Bから、軸A1と直交する径方向の外側に離間している。超音波発生源11の外周縁11Bは、第一反射面16の外周縁16Bから軸A1と直交する径方向の内側に離間している。超音波発生源11の内周縁11A及び外周縁11Bは、第一主面14の外周縁及び内周縁である。第二反射面17の外周縁17B及び第一反射面16の外周縁16Bは、軸A1を中心とする同心の円形状である。
【0027】
2個の振動子20を並べる場合について説明する。2個の振動子20は、図4に示すように、それぞれ、配置面18を2つに均等に分割した領域(振動子配置領域21と称する。)に配置されている。振動子配置領域21は、それぞれ、配置面18のうち第二反射面17の中央(軸A1)から0°超過180°以下の範囲である。振動子配置領域21は、それぞれ半円形状である。
【0028】
2個の振動子20は、超音波発生源11の軸A1に対して回転対称の位置に配置されている。具体的には、2個の振動子20は、軸A1を回転対称軸として180°回転対称に配置されている。
【0029】
2個の振動子20は、同形状である。超音波発生源11を下側から見ると、2個の振動子20は、軸A1を通る直線Lを基準に対称である。各振動子20は、半円環状をなしている。各振動子20の内周縁20A及び外周縁20Bは、互いに平行である。2個の振動子20の内周縁20Aは、超音波発生源11の内周縁11Aを構成する。2個の振動子20の外周縁20Bは、超音波発生源11の外周縁11Bを構成する。各振動子20の内周縁20A及び外周縁20Bは、同心の円弧状である。各振動子20の幅寸法Bは、周方向に一定である。振動子20の幅寸法Bは、軸A1に直交する径方向の寸法である。各振動子20の周方向における端縁23は、超音波発生源11を下側から見ると、直線Lに沿って延びている。2個の振動子20の近接する端縁23同士は、互いに平行である。
【0030】
2個の振動子20は、互いに離間している。2個の振動子20の間には、スペース部24が形成されている。スペース部24は、配置面18において振動子20が配置されていない部分である。スペース部24は、軸A1から近接する振動子20の端縁23の間に直線状に延びている。
【0031】
2個の振動子20は、個別に駆動する。2個の振動子20は、それぞれ別の導電路によって信号送受信回路に接続されている。
【0032】
3個の振動子20を並べる場合について説明する。3個の振動子20は、図5に示すように、それぞれ、配置面18を3つに均等に分割した振動子配置領域21に配置されている。振動子配置領域21は、それぞれ、配置面18のうち第二反射面17の中央(軸A1)から0°超過120°以下の範囲である。振動子配置領域21は、それぞれ扇形状である。
【0033】
3個の振動子20は、超音波発生源11の軸A1に対して回転対称の位置に配置されている。具体的には、振動子20は、軸A1を回転対称軸として120°回転対称に配置されている。
【0034】
3個の振動子20は、同形状である。超音波発生源11を下側から見ると、3個の振動子20は、直線Lを基準に対称である。直線Lは、軸A1を通り、1個の振動子20を2分割する。各振動子20は、円弧状をなしている。各振動子20の内周縁20A及び外周縁20Bは、互いに平行である。3個の振動子20の内周縁20Aは、超音波発生源11の内周縁11Aを構成する。3個の振動子20の外周縁20Bは、超音波発生源11の外周縁11Bを構成する。各振動子20の内周縁20A及び外周縁20Bは、同心の円弧状である。各振動子20の幅寸法Bは、周方向に一定である。周方向に隣接する2個の振動子20の端縁23同士は、互いに平行である。
【0035】
3個の振動子20は、互いに離間している。3個の振動子20の間には、スペース部24が形成されている。スペース部24は、軸A1から3個の振動子20の近接する端縁23の間に放射状に延びている。
【0036】
3個の振動子20は、個別に駆動する。3個の振動子20は、それぞれ別の導電路によって信号送受信回路に接続されている。
【0037】
6個の振動子20を並べる場合について説明する。6個の振動子20は、図6に示すように、それぞれ、配置面18を6つに均等に分割した振動子配置領域21に配置されている。振動子配置領域21は、それぞれ、配置面18のうち第二反射面17の中央(軸A1)から0°超過60°以下の範囲である。振動子配置領域21は、それぞれ扇形状である。
【0038】
6個の振動子20は、超音波発生源11の軸A1に対して回転対称の位置に配置されている。具体的には、振動子20は、軸A1を回転対称軸として60°回転対称に配置されている。
【0039】
6個の振動子20は、同形状である。超音波発生源11を下側から見ると、6個の振動子20は、直線Lを基準に対称である。直線Lは、軸A1を通って周方向に隣接する振動子20の間に延びている。各振動子20の内周縁20A及び外周縁20Bは、互いに平行である。6個の振動子20の内周縁20Aは、超音波発生源11の内周縁11Aを構成する。6個の振動子20の外周縁20Bは、超音波発生源11の外周縁11Bを構成する。各振動子20の内周縁20A及び外周縁20Bは、同心の円弧状である。各振動子20の幅寸法Bは、周方向に一定である。6つの振動子20の近接する端縁23同士は、互いに平行である。
【0040】
6個の振動子20は、互いに離間している。6つの振動子20の間には、スペース部24が形成されている。スペース部24は、軸A1から6個の振動子20の端縁23の間に放射状に延びている。
【0041】
6個の振動子20は、個別に駆動する。6個の振動子20は、それぞれ別の導電路によって信号送受信回路に接続されている。
【0042】
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。本実施例の超音波発生装置10は、超音波発生源11と、超音波集束部12と、導波路13と、を備えている。超音波発生源11は、超音波を発生する。超音波集束部12は、超音波発生源11から発生した超音波を集束する。導波路13は、超音波集束部12によって集束された超音波を伝送する。超音波集束部12は、放物面状の第一反射面16と、放物面状の第二反射面17とを有している。第一反射面16は、超音波発生源11と対向して配置されている。第二反射面17は、第一反射面16と対向して配置されている。第一反射面16は、超音波発生源11から発生した超音波を第二反射面17に向かって反射する。第二反射面17は、第一反射面16にて反射された超音波を導波路13に向かって反射して導波路13の内部に導入する。超音波発生源11は、第一反射面16との対向方向と交差する方向に2個以上の振動子20を並べて構成されている。
【0043】
この構成によれば、2個以上の振動子20を並べて超音波発生源11の面積を大きくすることによって、性能を良くできる。製造しやすい大きさの振動子20を用いることによって、容易に製造できる。したがって、超音波発生装置10の性能を良くし、また超音波発生装置10を製造しやすくできる。
【0044】
超音波発生源11は、第二反射面17の周囲を囲うように配置されている。複数の振動子20は、それぞれが、第二反射面17の中央から0°超過180°以下の領域に配置されている。この構成によれば、複数の振動子20によって、環状の超音波発生源11を容易に製造できる。
【0045】
複数の振動子20は、超音波発生源11の中心軸A1に対して回転対称の位置に配置されている。この構成によれば、超音波発生源11は、周方向に均一性を有するから、整った波形の超音波を発生できる。
【0046】
複数の振動子20は、互いに離間している。この構成によれば、各振動子20を個別に駆動できるとともに、隣接する振動子20の振動の影響を小さくできる。したがって、超音波発生装置10の性能を良くできる。
【0047】
複数の振動子20は、個別に駆動する。この構成によれば、個別に振動子20を駆動することによって超音波の強度を調整等できるから、超音波発生装置10の性能を良くできる。例えば、導波路の共振周波数に合わせた発振駆動において、同一の周波数で発振タイミングをずらして駆動させることにより、先端部の駆動を任意の形態とすることができる。
【0048】
<実施例2>
次に、本発明を具体化した実施例2に係る超音波発生装置10を図7によって説明する。本実施例の超音波発生装置10は、複数の振動子20を同心円状に配置した点で、実施例1とは相違する。なお、実施例1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0049】
本実施例に係る超音波発生装置10は、実施例1と同様に、超音波を発生する超音波発生源11と、超音波発生源11から発生した超音波を集束する超音波集束部12と、超音波集束部12によって集束された超音波を伝送する導波路13と、を備えている。超音波発生源11は、実施例1と同様に、軸A1と直交する方向(第一反射面16との対向方向と交差する方向)に2個以上の振動子20を並べて構成されている。
【0050】
超音波発生源11は、3個の振動子20を並べて構成されている。3個の振動子20は、それぞれ、配置面18を3つに分割した振動子配置領域30,31,32に配置されている。
【0051】
配置面18の中央部に位置する振動子配置領域(中央配置領域30と称する。)は、軸A1を含んでいる。中央配置領域30は、円形状である。配置面18の外周縁部に位置する振動子配置領域(外周配置領域32と称する。)は、円環状である。中央配置領域30と中間配置領域31との間に位置する振動子配置領域(中間配置領域31と称する。)は、円環状である。
【0052】
超音波発生源11を下側から見ると、3個の振動子20は、軸A1を通る直線Lを基準に対称である。3個の振動子20は、それぞれ、軸A1を中心とした円環状である。3個の振動子20のうち中央配置領域30に配置された振動子20を中央振動子33、外周配置領域32に配置された振動子20を外周振動子34、中間配置領域31に配置された振動子20を中間振動子35と称する。中央振動子33、外周振動子34、及び中間振動子35は、軸A1を中心軸とした同心円状に配置されている。
【0053】
各振動子20において内周縁20Aと外周縁20Bとの中心を通る中心線Cは、軸A1を中心とした円形状である。中央振動子33の中心線Cの軸A1に直交する径寸法Dは、3個の振動子20において最も小さい。外周振動子34の中心線Cの径寸法Dは、3個の振動子20において最も大きい。
【0054】
各振動子20の内周縁20A及び外周縁20Bは、軸A1に直交する面において互いに平行である。中央振動子33の内周縁20Aは、超音波発生源11の内周縁11Aを構成する。外周振動子34の外周縁20Bは、超音波発生源11の外周縁11Bを構成する。各振動子20の内周縁20A及び外周縁20Bは、同心の円形状である。各振動子20の幅寸法Bは、各振動子20において一定である。各振動子20の幅寸法Bは、各振動子20の内周縁20Aと外周縁20Bとの軸A1に直交する最短距離である。
【0055】
3個の振動子20は、互いに離間している。中央振動子33の外周縁20Bと中間振動子35の内周縁20A、及び中間振動子35の外周縁20Bと外周振動子34の内周縁20Aは、それぞれ互いに平行である。3個の振動子20の間には、2つのスペース部24が形成されている。2つのスペース部24は、いずれも軸A1を中心とした円形状である。
【0056】
3つの振動子20の固有振動数は、互いに異なっている。言い換えると、3つの振動子20の共振周波数は異なっている。中央振動子33は周波数F1で強く振動し、外周振動子34は、周波数F2で強く振動し、中間振動子35は、周波数F3で強く振動する。超音波発生源11は、周波数F1,F2,F3のそれぞれで強い超音波を発生する。
【0057】
3個の振動子20は、個別に駆動する。3個の振動子20は、それぞれ別の導電路によって信号送受信回路に接続されている。
【0058】
以上のように本実施例においては、実施例1と同様、超音波発生源11は、2個以上の振動子20を並べて構成されている。これにより、製造しやすい大きさの振動子20を並べて超音波発生源11の面積を大きくし、超音波発生装置10の性能を良くできる。
【0059】
加えて、複数の振動子20は、同心円状に配置されている。この構成によれば、超音波発生源11は、周方向に均一性を有するから、きれいな波形の超音波を発生できる。
【0060】
また、複数の振動子20は、互いに異なる固有振動数の振動子20を含んでいる。この構成によれば、振動子20は、強く振動する周波数(共振周波数)が異なるから、所望の周波数で強い超音波を送信できる。すなわち単一の超音波発生装置10でありながら、異なる周波数F1,F2,F3で強力な超音波を送ることができる。
【0061】
<実施例3>
次に、本発明を具体化した実施例3に係る超音波発生装置10を図8によって説明する。本実施例の超音波発生装置10は、同心円状の振動子33,34,35を、複数の振動子20からなる振動子群41,42,43で形成した点で、実施例2と相違する。なお、実施例2と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0062】
本実施例に係る超音波発生装置10は、実施例2と同様に、超音波を発生する超音波発生源11と、超音波発生源11から発生した超音波を集束する超音波集束部12と、超音波集束部12によって集束された超音波を伝送する導波路13と、を備えている。超音波発生源11は、実施例2と同様に、振動子33,34,35を同心円状に並べて構成されている。
【0063】
中央振動子33を構成する中央振動子群41は、中央配置領域30に配置されている。外周振動子34を構成する外周振動子群42は、外周配置領域32に配置されている。中間振動子35を構成する中間振動子群43は、中間配置領域31に配置されている。
【0064】
超音波発生源11を下側から見ると、3個の振動子群41,42,43は、それぞれ、超音波発生源11の軸A1を中心とした円環状である。中央振動子群41、外周振動子群42、及び中間振動子群43は、軸A1を中心軸とした同心円状に配置されている。
【0065】
中央振動子群41を構成する振動子20は、それぞれ、軸A1を中心とした等角度で中央配置領域30を分割した領域に配置されている。外周振動子群42を構成する振動子20は、それぞれ、軸A1を中心とした等角度で外周配置領域32を分割した領域に配置されている。中間振動子群43を構成する振動子20は、それぞれ、軸A1を中心とした等角度で中間配置領域31を分割した領域に配置されている。
【0066】
各振動子20は、軸A1を中心とした円弧状である。振動子20は、超音波発生源11の軸A1に対して回転対称の位置に配置されている。具体的には、振動子20は、軸A1を回転対称軸として60°回転対称に配置されている。
【0067】
各振動子20の内周縁20A及び外周縁20Bは、軸A1に直交する面において互いに平行である。中央振動子群41の内周縁41Aは、超音波発生源11の内周縁11Aを構成する。外周振動子群42の外周縁42Bは、超音波発生源11の外周縁11Bを構成する。各振動子20の幅寸法Bは、それぞれ、各振動子20の周方向において一定である。各振動子群41,42,43を構成する振動子20の近接する端縁23同士は、互いに平行である。
【0068】
中央振動子群41を構成する振動子20は、周方向に互いに離間している。外周振動子群42を構成する振動子20は、周方向に互いに離間している。中間振動子群43を構成する振動子20は、周方向に互いに離間している。中央振動子群41を構成する振動子20の間、外周振動子群42を構成する振動子20の間、中間振動子群43を構成する振動子20の間には、スペース部24が形成されている。スペース部24は、軸A1を中心に周方向に隣接する振動子20の端縁23の間に放射状に延びている。
【0069】
各振動子群41,42,43は、それぞれ、同一の固有振動数の振動子20によって構成されている。3つの振動子群41,42,43の固有振動数(共振周波数)は、互いに異なっている。具体的には、中央振動子群41は周波数F1で強く振動し、外周振動子群42は、周波数F2で強く振動し、中間振動子群43は、周波数F3で強く振動する。超音波発生源11は、異なる周波数F1,F2,F3で強い超音波を発生する。
【0070】
3個の振動子群41,42,43は、個別に駆動する。3個の振動子群41,42,43は、それぞれ別の導電路によって信号送受信回路に接続されている。なお、全ての振動子20がそれぞれ個別に駆動してもよいし、振動子群41,42,43を構成する振動子20毎に一括して駆動してもよい。
【0071】
以上のように本実施例においては、実施例2と同様、超音波発生源11は、2個以上の振動子20を並べて構成されている。これにより、製造しやすい大きさの振動子20を並べて超音波発生源11の面積を大きくし、超音波発生装置10の性能を良くできる。
【0072】
加えて、実施例2と同様、複数の振動子20は、同心円状に配置されているから、きれいな波形の超音波を発生できる。
【0073】
また、実施例2と同様、複数の振動子20は、互いに異なる固有振動数の振動子20を含んでいるから、単一の超音波発生装置10でありながら、異なる周波数F1,F2,F3で強力な超音波を送ることができる。
【0074】
<実施例4>
次に、本発明を具体化した実施例4に係る超音波発生装置10を図9及び図10によって説明する。本実施例の超音波発生装置10は、同心円状の振動子20の厚さ寸法Tを異なる寸法とした点で、実施例2と相違する。なお、実施例2と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0075】
本実施例に係る超音波発生装置10は、実施例2と同様に、超音波を発生する超音波発生源11と、超音波発生源11から発生した超音波を集束する超音波集束部12と、超音波集束部12によって集束された超音波を伝送する導波路13と、を備えている。
【0076】
超音波発生源11は、実施例2と同様に、2個以上の振動子20を同心円状に並べて構成されている。図9及び図10には、2個の振動子20を並べた場合を示す。2個の振動子20は、それぞれ、配置面18を2つに分割した中央配置領域30及び外周配置領域32に配置されている。
【0077】
2個の振動子20の厚さ寸法T1,T2は、互いに異なっている。厚さ寸法T1,T2は、各振動子20の第一主面14と第二主面15との間の軸A1と平行な距離である。2個の振動子20のうち中央配置領域30に配置された中央振動子33の厚さ寸法T1は、外周配置領域32に配置された外周振動子34の厚さ寸法T2よりも小さい。中央振動子33の第二主面15は、外周振動子34の第二主面15よりも上側に位置している。
【0078】
超音波集束部12及び導波路13は、同一の金属部材又は異なる金属部材によって一体的に構成されている。超音波集束部12及び導波路13が一体化した金属部分は、図示されていないグラウンド部に電気的に接続され、グラウンド電位(例えば0V)に維持される。超音波集束部12は、共通のグラウンド部として機能する。
【0079】
中央振動子33の第一主面14は、超音波集束部12に電気的に接続され、上記のグラウンド電位とされている。中央振動子33の第二主面15に配置されている電極に対しては、図示されていない第1の交流回路によって駆動電圧が印加される。具体的には、第1の交流回路により、中央振動子33の第一主面14と第二主面15との間に第1周波数f1の交流電圧が印加される。
【0080】
外周振動子34の第一主面14は、超音波集束部12に電気的に接続され、上記のグラウンド電位とされている。外周振動子34の第二主面15に配置されている電極に対しては、図示されていない第2の交流回路によって駆動電圧が印加される。具体的には、第2の交流回路により、外周振動子34の第一主面14と第二主面15との間に第2周波数f2の交流電圧が印加される。第1周波数f1と第2周波数f2とは、異なっている。
【0081】
以上のように本実施例においては、実施例2と同様、超音波発生源11は、2個以上の振動子20を並べて構成されている。これにより、製造しやすい大きさの振動子20を並べて超音波発生源11の面積を大きくし、超音波発生装置10の性能を良くできる。
【0082】
加えて、実施例2と同様、複数の振動子20は、同心円状に配置されているから、整った波形の超音波を発生できる。
【0083】
また、複数の振動子20は、互いに異なる厚さ寸法T1,T2を有している。これにより、単一の超音波発生装置10でありながら、異なる周波数f1,f2で強力な超音波を送ることができる。
【0084】
<実施例5>
次に、本発明を具体化した実施例5に係る超音波発生装置10を図11及び図12によって説明する。本実施例の超音波発生装置10は、振動子20に段差面51を形成した点で、実施例1とは相違する。なお、実施例1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0085】
本実施例に係る超音波発生装置10は、実施例1と同様に、超音波を発生する超音波発生源11と、超音波発生源11から発生した超音波を集束する超音波集束部12と、超音波集束部12によって集束された超音波を伝送する導波路13と、を備えている。超音波発生源11は、実施例1と同様に、軸A1と直交する方向に2個以上の振動子20を並べて構成されている。図11及び図12には、2個の振動子20を並べた場合を示す。
【0086】
各振動子20には段差面51が形成されている。段差面51は、第一主面14及び第二主面15と直交している。超音波発生源11を下側から見ると、段差面51は、各振動子20の内周縁20A及び外周縁20Bと平行な円弧状である。
【0087】
各振動子20において段差面51より内周側の部分(内周部52と称する。)と段差面51より外周側の部分(外周部53と称する。)とは、厚さ寸法T3,T4が異なっている。厚さ寸法T3は、内周部52の第一主面14と第二主面15との間の軸A1と平行な距離である。厚さ寸法T4は、外周部53の第一主面14と第二主面15との間の軸A1と平行な距離である。内周部52の厚さ寸法T3は、外周部53の厚さ寸法T4よりも小さい。内周部52の第二主面15は、外周部53の第二主面15よりも上側に位置している。
【0088】
以上のように本実施例においては、実施例2と同様、超音波発生源11は、2個以上の振動子20を並べて構成されている。これにより、製造しやすい大きさの振動子20を並べて超音波発生源11の面積を大きくし、超音波発生装置10の性能を良くできる。
【0089】
また、超音波発生源11の内周部52と、超音波発生源11の外周部53とが、互いに異なる厚さ寸法T3,T4を有している。これにより、単一の超音波発生装置10でありながら、異なる周波数で強力な超音波を送ることができる。
【0090】
<実施例6>
次に、本発明を具体化した実施例6に係る超音波発生装置10を図13によって説明する。本実施例の超音波発生装置10は、振動子20を積層した点で、実施例1とは相違する。なお、実施例1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0091】
本実施例に係る超音波発生装置10は、実施例1と同様に、超音波を発生する超音波発生源11と、超音波発生源11から発生した超音波を集束する超音波集束部12と、超音波集束部12によって集束された超音波を伝送する導波路13と、を備えている。超音波発生源11は、軸A1と直交する方向に2個以上の振動子20を並べて構成されている。また、超音波発生源11は、軸A1と平行な方向に2個以上の振動子20を積層して構成されている。図13には、2個の振動子20を積層した場合を示す。超音波発生源11の厚さ寸法Tは、振動子20を積層した分だけ増している。積層した振動子20の内径寸法及び外径寸法は等しい。超音波発生源11の内周面は、超音波発生源11の内周縁11Aから軸A1と平行に下側に延びている。
【0092】
この構成によれば、実施例1と同様、2個以上の振動子20を面方向に並べて超音波発生源11の面積を大きくすることで、超音波発生源11が送信する超音波の強度を向上できる。加えて、2個以上の振動子20を上下方向に積層して超音波発生源11の厚さ寸法Tを大きくすることで、駆動電圧を低電圧化できる。したがって、超音波発生装置10の性能を良くし、また超音波発生装置10を製造しやすくできる。
【0093】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例において、各振動子20は、軸A1を中心とした円弧状もしくは円環状である。これに限らず、各振動子20の形状は、図14に示すように、円形状であってもよい。
(2)上記実施例2において、超音波発生源11は、3つの振動子20を同心円状に配置して構成されている。これに限らず、超音波発生源は、2つ、もしくは4以上の振動子を同心円状に配置してもよい。
(3)上記実施例2において、各振動子33,34,35の幅寸法B及び厚さ寸法Tは、それぞれ異なる寸法としてもよい。
(4)上記実施例3において、各振動子群41,42,43を構成する振動子20は、軸A1を中心とした円弧状である。これに限らず、各振動子群41,42,43を構成する振動子20は、図15に示すように、円形状であってもよい。この場合、中央振動子群41を構成する振動子20の径寸法D1、中間振動子群43を構成する振動子20の径寸法D2、外周振動子群42を構成する振動子20の径寸法D3を異なる寸法としても良い。
(5)上記実施例3において、各振動子群41,42,43を構成する振動子20の幅寸法B及び厚さ寸法Tは、それぞれ異なる寸法としてもよい。
(6)上記実施例において、振動子20は離間している。これに限らず、図16及び図17に示すように、振動子20同士は接していても良い。
(7)上記実施例において、配置面18は平坦面である。これに限らず、図18に示すように、配置面18に段差50を設けてもよい。配置面18に段差50を設けることによって、振動子20を位置決めしやすくでき、もって組み立て精度を向上できる。
(8)上記実施例において第一反射面16及び第二反射面17は放物面である。これに限らず、第一反射面及び第二反射面の両方もしくは一方は、厳密な放物面ではなくともよく、近似的に放物面とみなせる形状であればよい。言い換えると、第一反射面及び第二反射面の両方もしくは一方は、超音波発生源から発生した超音波が第一反射面および第二反射面を経由して導波路へと到達するように湾曲した面であればよい。第一反射面及び第二反射面は、多数の微小な平面で構成されていてもよい。
(9)上記実施例において超音波発生源11は圧電セラミック材料からなる圧電素子である。これに限らず、超音波発生源は、他の圧電材料を用いることができる。超音波発生源は、例えば圧電セラミック材料の積層体などであってもよい。
(10)上記実施例において導入面19を第二反射面17に平行投影すると、導入面19の全体は第二反射面17内に収まっている。これに限らず、導入面の一部は第二反射面の外側にはみ出してもよい。
(11)上記実施例では、導波路13および超音波集束部12はそれぞれ中実であるが、導波路及び超音波集束部は中実に限られず、例えば、内部に貫通孔や閉鎖空間が形成されていてもよい。
(12)上記実施例6において積層した振動子20の内径寸法及び外径寸法は等しい。これに限らず、積層した振動子の内径寸法及び外径寸法は異なっていてもよい。例えば、下側の振動子の内径寸法を、上側の振動子の内径寸法より大きくしてもよい。
(13)上記実施例において第一主面14及び第二主面15に配置されている電極の形状は、両面電極であってもよいし、折返し電極であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
10…超音波発生装置
11…超音波発生源
12…超音波集束部
13…導波路
16…第一反射面
17…第二反射面
20…振動子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18