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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064364
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】超音波発生装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/34 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
H04R1/34 330Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172907
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 伸介
(72)【発明者】
【氏名】横山 広大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 諭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 遼
(72)【発明者】
【氏名】笠島 崇
(72)【発明者】
【氏名】森田 剛
【テーマコード(参考)】
5D019
【Fターム(参考)】
5D019AA02
5D019BB02
5D019EE01
(57)【要約】
【課題】導波路の先端の位置を調整しやすくする。
【解決手段】超音波発生装置10は、超音波発生源11と、超音波集束部12と、導波路13と、を備えている。超音波発生源11は、超音波を発生する。超音波集束部12は、超音波発生源11から発生した超音波を集束する。導波路13は、超音波集束部12によって集束された超音波を伝送する。導波路13は、第1軸部21と、第2軸部22と、第1軸部21と第2軸部22との間に設けられる接続部23と、を有している。接続部23の周方向の少なくとも一部は、第1軸部21の外周面及び第2軸部22の外周面のいずれよりも内側に凹んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を発生する超音波発生源と、
前記超音波発生源から発生した前記超音波を集束する超音波集束部と、
前記超音波集束部によって集束された前記超音波を伝送する導波路と、を備え、
前記超音波集束部は、
前記超音波発生源で発生した前記超音波を反射させる第1反射面と、
前記第1反射面で反射された前記超音波を反射させる第2反射面と、を有し、
前記第2反射面で反射した前記超音波が平面波として反射されて前記導波路に導入されるように前記第1反射面と前記第2反射面とが配置されてなる超音波発生装置であって、
前記導波路は、前記超音波集束部から前記第2反射面で反射された前記超音波が伝播する伝播方向に延びる第1軸部と、前記第1軸部よりも前記伝播方向側に設けられ前記伝播方向に延びる第2軸部と、前記伝播方向において前記第1軸部と前記第2軸部との間に設けられる接続部と、を有し、
前記接続部の周方向の少なくとも一部は、前記伝播方向に対して直交する平面方向において前記第1軸部の外周面及び前記第2軸部の外周面のいずれよりも内側に凹む
超音波発生装置。
【請求項2】
前記接続部は、全周にわたり、前記伝播方向に対して直交する平面方向において前記第1軸部の外周面及び前記第2軸部の外周面のいずれよりも内側に凹む
請求項1に記載の超音波発生装置。
【請求項3】
前記接続部は、前記導波路の中央よりも前記伝播方向側に配置されている
請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【請求項4】
前記接続部は、前記導波路の中央よりも前記伝播方向側とは反対側に配置されている
請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【請求項5】
前記第1軸部の外周面は、前記第1軸部の延び方向に対して直交する平面方向において前記第2軸部の外周面よりも外側に配置されている
請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【請求項6】
前記第1軸部の外周面は、前記第1軸部の延び方向に対して直交する平面方向において前記第2軸部の外周面よりも内側に配置されている
請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【請求項7】
前記超音波集束部は、前記超音波発生源から発生された前記超音波が入射する平坦面を有し、
前記導波路の延び方向は、前記平坦面に直交する方向に対して傾斜している
請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【請求項8】
前記接続部は、前記伝播方向に沿って複数個所凹んでいる
請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、超音波照射器が開示されている。この超音波照射器は、超音波振動子と、超音波振動子からの超音波を伝搬する音響伝播体と、を含んでいる。音響伝播体は、本体と、本体の前面から前方へ延びる軸体と、を備えている。本体の前面は、超音波振動子からの超音波を反射する凹型の一次反射面として機能する。本体は、一次反射面からの超音波を反射する凹型の二次反射面を有する。二次反射面で反射された超音波は、軸体に伝播される。これにより、減衰を抑制しつつ集束された超音波が、軸体によって構成される導波路に伝播される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6774697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、導波路の先端の位置を調整しやすい構成であることが好ましい場合がある。特許文献1の技術は、この点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、導波路の先端の位置を調整しやすい技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明の超音波発生装置は、超音波を発生する超音波発生源と、上記超音波発生源から発生した上記超音波を集束する超音波集束部と、上記超音波集束部によって集束された上記超音波を伝送する導波路と、を備えている。上記超音波集束部は、第1反射面と、第2反射面と、を有している。第1反射面は、超音波発生源で発生した上記超音波を反射させる。第2反射面は、第1反射面で反射された上記超音波を反射させる。第1反射面及び第2反射面は、第2反射面で反射された上記超音波が平面波として反射されて導波路に導入されるように配置されている。上記導波路は、第1軸部と、第2軸部と、接続部と、を有している。上記第1軸部は、上記超音波集束部から上記第2反射面で反射された上記超音波が伝播する伝播方向に延びている。上記第2軸部は、上記第1軸部よりも上記伝播方向側に設けられ上記伝播方向に延びている上記接続部は、上記伝播方向において上記第1軸部と上記第2軸部との間に設けられている。上記接続部の周方向の少なくとも一部は、上記伝播方向に対して直交する平面方向において上記第1軸部の外周面及び上記第2軸部の外周面のいずれよりも内側に凹んでいる。
【0007】
この構成によれば、超音波発生源から発生した超音波を、減衰を抑制しつつ集束させ、平面波として導波路に導入させることができる。しかも、導波路には、第1軸部と第2軸部との間に接続部が設けられている。接続部の周方向の少なくとも一部は、内側に凹んでいるため、屈曲しやすい。つまり、この構成によれば、導波路の先端の位置を調整しやすい。
【0008】
[2]上記接続部は、全周にわたり、上記伝播方向に対して直交する平面方向において上記第1軸部の外周面及び上記第2軸部の外周面のいずれよりも内側に凹んでいてもよい。
【0009】
この構成によれば、接続部において、上記伝播方向に対して直交するいずれの方向にも屈曲しやすい。
【0010】
[3]上記接続部は、上記導波路の中央よりも上記伝播方向側に配置されていてもよい。
【0011】
この構成によれば、導波路の先端の位置を微調整しやすい。
【0012】
[4]上記接続部は、上記導波路の中央よりも上記伝播方向側とは反対側に配置されていてもよい。
【0013】
この構成によれば、導波路の先端の位置の可動領域が大きくなる。
【0014】
[5]上記第1軸部の外周面は、上記第1軸部の延び方向に対して直交する平面方向において上記第2軸部の外周面よりも外側に配置されていてもよい。
【0015】
この構成によれば、第1軸部の外周面が上記平面方向において第2軸部の外周面と同じ位置に配置される構成と比較して、第1軸部を伝搬する超音波が減衰することを抑制しやすい。
【0016】
[6]上記第1軸部の外周面は、上記第1軸部の延び方向に対して直交する平面方向において上記第2軸部の外周面よりも内側に配置されていてもよい。
【0017】
この構成によれば、第1軸部の外周面が上記平面方向において第2軸部の外周面と同じ位置に配置される構成と比較して、第1軸部が撓み変形しやすくなり、その結果、導波路の先端の位置の可動領域が大きくなる。
【0018】
[7]上記超音波集束部は、上記超音波発生源から発生された上記超音波が入射する平坦面を有し、上記導波路の延び方向は、上記平坦面に直交する方向に対して傾斜していてもよい。
【0019】
この構成によれば、導波路において、平坦面に直交する方向に対して傾斜する方向に超音波を伝搬させることができる。
【0020】
[8]上記接続部は、上記伝播方向に沿って複数個所凹んでいてもよい。
【0021】
この構成によれば、導波路の先端の向きを調整しやすい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、導波路の先端の位置を調整しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、第1実施形態における超音波発生装置の側断面図である。
図2図2は、第1実施形態における導波路の側面図である。
図3図3は、第2実施形態における超音波発生装置の側断面図である。
図4図4は、第3実施形態における導波路の側面図である。
図5図5は、第4実施形態における導波路の側面図である。
図6図6は、第5実施形態における超音波発生装置の側断面図である。
図7図7は、第1の他の実施形態における導波路の側面図である。
図8図8は、第2の他の実施形態における導波路の側面図である。
図9図9は、第3の他の実施形態における導波路の側面図である。
図10図10は、第4の他の実施形態における導波路の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.第1実施形態
1-1.超音波発生装置10の構成
超音波発生装置10は、図1に示すように、超音波発生源11と、超音波集束部12と、導波路13と、を備えている。超音波発生源11は、超音波を発生する。超音波集束部12は、超音波発生源11から発生した超音波を集束する。導波路13は、超音波集束部12によって集束された超音波を伝送する。超音波発生装置10は、後端側から超音波発生源11、超音波集束部12、導波路13の順に配置されて構成されている。
【0025】
超音波発生源11は、例えば、圧電セラミックスからなる圧電素子である。超音波発生源11は、前後方向に厚さを有する板状をなしている。超音波発生源11は、環状、具体的には円環状をなしている。
【0026】
超音波発生源11は、図示しない信号送受信回路から電気信号を与えられると超音波を発生する。超音波発生源11は、超音波を発生する放射面15を有している。放射面15は、超音波発生源11の前面に形成され、前方を向いた状態で配置される。放射面15は、平坦な面であり、超音波発生装置10の前後方向に対して直交する方向に広がっている。超音波発生源11から発生した超音波は、前方に向けて直進する平面波である。超音波発生源11は、例えば、30kHz以上で且つ3MHz以下の周波数で超音波を発生させる。
【0027】
超音波集束部12は、金属(例えばジェラルミン)によって形成されている。超音波集束部12は、前後方向から見た形状が円形である。超音波集束部12は、超音波発生源11から発生された超音波が入射する平坦面12Aを有している。平坦面12Aは、超音波集束部12の後面に形成され、後方を向いた状態で配置されている。平坦面12Aは、環状、より具体的には円環状をなしている。平坦面12Aは、超音波発生源11の放射面15に接合されている。
【0028】
超音波集束部12は、第1反射面16及び第2反射面17を有している。第1反射面16は、超音波発生源11の放射面15と対向して配置されている。第1反射面16と超音波発生源11の放射面15との対向方向は、前後方向と平行である。第1反射面16は、超音波集束部12の外部から見ると、前方側(超音波発生源11とは反対側)に凸な湾曲面(例えば放物面)である。第1反射面16は、超音波集束部12の内部から見ると凹型である。第1反射面16は、環状をなしている。第1反射面16の内周縁は、第1反射面16の外周縁よりも前方に位置している。第1反射面16は、超音波発生源11の中心を通り前後方向に延びる軸線を回転軸として構成される回転湾曲面、具体的には回転放物面である。
【0029】
第2反射面17は、第1反射面16と対向して配置されている。第2反射面17は、超音波集束部12の外部から見ると、後方側(第1反射面16とは反対側)に凸な湾曲面(例えば放物面)である。第2反射面17は、超音波集束部12の内部から見ると凹型である。第2反射面17は、後方に突出している。第2反射面17は、平坦面12Aよりも後方に突出している。第2反射面17の前端の前後方向の位置は、平坦面12Aの前後方向の位置と同じである。第2反射面17は、環状をなす超音波発生源11の内側空間に配置されている。
【0030】
第1反射面16は、超音波発生源11で発生した超音波を、第2反射面17に向けて反射させる。第2反射面17は、第1反射面16で反射された超音波を、導波路13の後端部に向けて反射させる。第1反射面16及び第2反射面17は、第2反射面17で反射された超音波が平面波として反射されて導波路13に導入されるように配置されている。
【0031】
第2反射面17で反射された超音波は、前方に伝播される。つまり、本実施形態では、「伝播方向」は前方である。
【0032】
導波路13は、超音波集束部12の前端から前方に向かって延びる形状をなしている。つまり、導波路13は、超音波発生源11から超音波が放射される方向に延びている。導波路13は、本実施形態では超音波集束部12と別部材として説明するが、超音波集束部12と同一部材であってもよい。導波路13は、超音波伝搬性の高い材料によって形成されることが好ましく、例えば、アルミ合金、金属ガラスなどで形成されることが好ましい。また、導波路13は、例えばチタンとニッケルの合金からなる形状記憶合金で形成される構成であってもよい。導波路13は、弾性変形し得る。
【0033】
導波路13は、第1軸部21と、第2軸部22と、接続部23と、を有している。
【0034】
第1軸部21は、超音波集束部12から前方に延びている。第1軸部21は、柱状、より具体的には、円柱状をなしている。第1軸部21は、前後方向と直交する方向に切断した断面(以下、単に「断面」ともいう)の形状及び面積が前後方向に沿って一定である。第1軸部21の断面の形状は、円形である。
【0035】
第2軸部22は、第1軸部21よりも前方側に設けられ、前方に延びている。第2軸部22は、柱状、より具体的には、円柱状をなしている。第2軸部22は、前後方向と直交する方向に切断した断面(以下、単に「断面」ともいう)の形状及び面積が前後方向に沿って一定である。第2軸部22の断面の形状は、第1軸部21の断面の形状と同じであり、円形である。第2軸部22の断面の面積は、第1軸部21の断面の面積と同じである。
【0036】
接続部23は、前後方向において第1軸部21と第2軸部22との間に設けられている。接続部23は、全周にわたり、前後方向に対して直交する平面方向において第1軸部21の外周面及び第2軸部22の外周面のいずれよりも内側に凹んでいる。接続部23は、湾曲して凹んでいる。接続部23の断面の形状は、第1軸部21及び第2軸部22の断面の形状と同じであり、円形である。前後方向に対して直交する平面方向において、接続部23の最小の幅寸法W3は、第1軸部21の最小の幅寸法W1の0.5倍以上で且つ0.9倍以下であり、第2軸部22の最小の幅寸法W2の0.5倍以上で且つ0.9倍以下であることが好ましい。
【0037】
接続部23は、導波路13の前後方向中央よりも前方側に配置されている。なお、導波路13は、導波路13を構成する部材全体のことではなく、第1反射面16の前端から前方に延びる部位のことである。
【0038】
1-2.超音波発生装置10の作用及び効果の例
超音波発生源11は、図示しない信号送受信回路から電気信号を与えられると、放射面15から前方に向けて超音波を発生する。放射面15から放射された超音波は、第1反射面16で反射され、第1反射面16の焦点に向かって集束する。第1反射面16の焦点は、第2反射面17の焦点と同じとなっている。このため、第1反射面16の焦点を通過した超音波は、第2反射面17で反射され、平面波として導波路13の内部に導入される。導波路13の内部に導入された超音波は、導波路13の内部を伝送され、導波路13の前端から放射される。
【0039】
この構成によれば、超音波発生源11から発生した超音波を、減衰を抑制しつつ集束させ、平面波として導波路13に導入させることができる。しかも、導波路13には、第1軸部21と第2軸部22との間に接続部23が設けられている。接続部23は、凹んでいるため、屈曲しやすい。つまり、この構成によれば、導波路13の先端の位置を調整しやすい。このため、例えば、使用者は、超音波集束部12が固定された状態で、導波路13の第2軸部22の外周面側から力を加えることで、導波路13の先端の位置を容易に調整することができる。
【0040】
更に、屈曲しやすい接続部23は、導波路13の前後方向中央よりも前方側に配置されている。この構成によれば、導波路13の先端の位置を微調整しやすい。
【0041】
2.第2実施形態
第2実施形態では、接続部が導波路の前後方向中央よりも後方側に配置される構成について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0042】
第2実施形態の超音波発生装置210は、図3に示すように、超音波発生源11と、超音波集束部12と、導波路213と、を備えている。
【0043】
導波路213は、第1軸部221と、第2軸部222と、接続部23と、を有している。導波路213は、接続部23が導波路213の前後方向中央よりも後方側に配置されている点で、第1実施形態の導波路13とは異なり、その他の点で共通する。第1軸部221は、第2軸部222よりも前後方向の長さが長い点で第1実施形態の第1軸部21とは異なり、その他の点で共通する。第2軸部222は、第1軸部221よりも前後方向の長さが短い点で第1実施形態の第2軸部22とは異なり、その他の点で共通する。
【0044】
以上のように、第2実施形態の超音波発生装置210では、屈曲しやすい接続部23が、導波路213の前後方向中央よりも後方側に配置されている。この構成によれば、導波路213の先端の可動領域が大きくなる。
【0045】
3.第3実施形態
第3実施形態では、第1軸部の外周面が、第1軸部の延び方向に対して直交する平面方向において第2軸部の外周面よりも外側に配置される構成について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0046】
第3実施形態の導波路313は、図4に示すように、第1軸部321と、第2軸部322と、接続部323と、を有している。導波路313は、第1軸部321の外周面が、第1軸部321の延び方向に対して直交する平面方向において第2軸部322の外周面よりも外側に配置される点で、第1実施形態の導波路13とは異なり、その他の点で共通する。
【0047】
接続部323は、全周にわたり、前後方向に対して直交する平面方向において第1軸部321の外周面及び第2軸部322の外周面のいずれよりも内側に凹んでいる。接続部323の外周面と第1軸部321の外周面とは、傾斜面324を介して連続している。
【0048】
前後方向に対して直交する平面方向において、第2軸部322の最小の幅寸法W32は、第1軸部321の最小の幅寸法W31の0.2倍以上で且つ0.8倍以下であることが好ましい。前後方向に対して直交する平面方向において、接続部323の最小の幅寸法W33は、第1軸部321の最小の幅寸法W31の0.1倍以上で且つ0.7倍以下であることが好ましい。前後方向に対して直交する平面方向において、接続部323の最小の幅寸法W33は、第2軸部322の最小の幅寸法W32の0.4倍以上で且つ0.8倍以下であることが好ましい。
【0049】
以上のように、第3実施形態の導波路313では、第1軸部321の外周面が、第1軸部321の延び方向に対して直交する平面方向において第2軸部322の外周面よりも外側に配置されている。この構成によれば、第1軸部321の外周面が上記平面方向において第2軸部322の外周面と同じ位置に配置される構成と比較して、第1軸部321を伝搬する超音波が減衰することを抑制しやすい。
【0050】
4.第4実施形態
第4実施形態では、第1軸部の外周面が、第1軸部の延び方向に対して直交する平面方向において第2軸部の外周面よりも内側に配置される構成について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0051】
第4実施形態の導波路413は、図5に示すように、第1軸部421と、第2軸部422と、接続部423と、を有している。導波路413は、第1軸部421の外周面が、第1軸部421の延び方向に対して直交する平面方向において第2軸部422の外周面よりも内側に配置される点で、第1実施形態の導波路13とは異なり、その他の点で共通する。
【0052】
接続部423は、全周にわたり、前後方向に対して直交する平面方向において第1軸部421の外周面及び第2軸部422の外周面のいずれよりも内側に凹んでいる。接続部423の外周面と第2軸部422の外周面とは、傾斜面424を介して連続している。
【0053】
前後方向に対して直交する平面方向において、第2軸部422の最小の幅寸法W42は、第1軸部421の最小の幅寸法W41の1.2倍以上で且つ5.0倍以下であることが好ましい。前後方向に対して直交する平面方向において、接続部423の最小の幅寸法W43は、第1軸部421の最小の幅寸法W41の0.4倍以上で且つ0.8倍以下であることが好ましい。前後方向に対して直交する平面方向において、接続部423の最小の幅寸法W43は、第2軸部422の最小の幅寸法W42の0.1倍以上で且つ0.7倍以下であることが好ましい。
【0054】
以上のように、第4実施形態の導波路413では、第1軸部421の外周面が、第1軸部421の延び方向に対して直交する平面方向において第2軸部422の外周面よりも内側に配置されている。この構成によれば、第1軸部421の外周面が上記平面方向において第2軸部422の外周面と同じ位置に配置される構成と比較して、第1軸部421が撓み変形しやすくなり、その結果、導波路413の先端の位置の可動領域が大きくなる。
【0055】
5.第5実施形態
第5実施形態では、導波路の延び方向が、平坦面に直交する方向に対して傾斜する構成について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0056】
第5実施形態の超音波発生装置510は、図6に示すように、超音波発生源11と、超音波集束部12と、導波路513と、を備えている。
【0057】
導波路513は、延び方向が超音波集束部12の平坦面12Aに対して傾斜する点で第1実施形態の導波路13とは異なり、その他の点で共通する。
【0058】
以上のように、導波路513の延び方向は、平坦面12Aに直交する方向(前後方向)に対して傾斜している。この構成によれば、導波路513において、平坦面12Aに直交する方向に対して傾斜する方向に超音波を伝搬させることができる。
【0059】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施形態や後述する実施形態の様々な特徴は、矛盾しない組み合わせであればどのように組み合わされてもよい。
(1)上記各実施形態では、第1軸部、第2軸部、及び接続部の断面の形状が円形であったが、円形でなくてもよい。例えば、第1軸部、第2軸部、及び接続部の断面の形状は、楕円形であってもよいし、矩形状であってもよい。
(2)上記各実施形態では、第1軸部、第2軸部及び接続部の断面の形状は互いに同じであったが、同じでなくてもよい。例えば、第1軸部の断面の形状は、第2軸部の断面の形状と異なっていてもよい。接続部の断面の形状は、第1軸部の断面の形状と異なっていてもよいし、第2軸部の断面の形状と異なっていてもよい。
(3)上記各実施形態では、接続部が湾曲して凹む形状であったが、別の構成であってもよい。例えば、図7に示す導波路613の接続部623のように、段差状に凹む形状であってもよい。
(4)上記各実施形態では、接続部が1カ所だけ凹む形状であったが、前後方向に沿って複数個所凹む形状であってもよい。例えば、図8に示す導波路713の接続部723のように、前後方向に沿って複数個所凹んだ形状であってもよい。この構成によれば、導波路713の先端の向きを調整しやすい。図8に示す例では、複数個所の凹みが、互いに同じ形状であるが、互いに異なる形状であってもよい。また、図8に示す例では、複数個所の凹みが、互いに同じ大きさであるが、互いに異なる大きさであってもよい。
(5)上記各実施形態では、接続部における凹みが全周にわたって形成される構成であったが、周方向の一部にのみ形成される構成であってもよい。例えば、接続部は、図9に示す導波路813の接続部823のように、周方向に間隔をあけて配置される複数の凹部840を有する構成であってもよい。複数の凹部840は、周方向に等間隔で配置されていてもよい。凹部840は、図9に示すように、前後方向に長い溝状であってもよい。
あるいは、接続部は、図10に示す導波路913の接続部923のように、周方向に間隔をあけて配置される複数の凹部940を有する構成であってもよい。複数の凹部940は、周方向に等間隔で配置されていてもよい。複数の凹部940の各々は、先端側に向かうにつれて周方向の同じ方向に傾斜していてもよい。この構成によれば、第1軸部21から伝播された超音波に対する凹部940の作用により、第2軸部22で周方向のねじり振動が生じやすくなる。周方向に隣り合う凹部940は、前後方向から見て互いに重なる位置に配置されていてもよい。この構成によれば、超音波がもれなく凹部940に当たりやすい。凹部940のうち後方から伝播された超音波を斜め前方へ反射させる傾斜反射面941は、前後方向に対する傾斜角度θが5°以上で、且つ40°以下であることが好ましい。この構成によれば、第2軸部22で周方向のねじり振動がより一層生じやすくなる。
(6)上記第3実施形態では、接続部の外周面と第1軸部の外周面とが傾斜面を介してなだらかに連続する構成であったが、段差を介して連続する構成であってもよい。
(7)上記第4実施形態では、接続部の外周面と第2軸部の外周面とが傾斜面を介してなだらかに連続する構成であったが、段差を介して連続する構成であってもよい。
【0060】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0061】
10…超音波発生装置
11…超音波発生源
12…超音波集束部
12A…平坦面
13…導波路
15…放射面
16…第1反射面
17…第2反射面
21…第1軸部
22…第2軸部
23…接続部
210…超音波発生装置
213…導波路
221…第1軸部
222…第2軸部
313…導波路
321…第1軸部
322…第2軸部
323…接続部
324…傾斜面
413…導波路
421…第1軸部
422…第2軸部
423…接続部
424…傾斜面
510…超音波発生装置
513…導波路
613…導波路
623…接続部
713…導波路
723…接続部
813…導波路
823…接続部
913…導波路
923…接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10