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  • 特開-気相前駆体送達システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065047
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】気相前駆体送達システム
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/448 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
C23C16/448
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023182483
(22)【出願日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】63/381,168
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テオドルス・ジー・エム・オーステルレークン
【テーマコード(参考)】
4K030
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030CA04
4K030EA01
4K030FA10
4K030KA04
4K030KA39
4K030KA41
(57)【要約】
【課題】気相前駆体を送達するための気相前駆体送達システムを提供する。
【解決手段】気相堆積装置内に層を堆積させるための気相前駆体を送達するための気相前駆体送達システムが開示されている。気相前駆体送達システムは、ガス出口と、ガス入口と、前駆体を貯蔵するために構築および配置された容器と、容器内に包含された接続チューブとを有する。接続チューブはガス入口に接続されてもよく、ガス入口と流体連通してもよい。例えば垂直炉などの気相堆積装置は、基材上に層を堆積させるためのこのような気相前駆体送達システムを有してもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気相前駆体送達システムであって、
ガス入口と、
ガス出口と、
前駆体を貯蔵するために構築および配置された容器と、
前記容器内に包含された接続チューブであって、前記ガス入口に接続された、かつ前記ガス入口と流体連通する接続チューブと、を備え、
前記接続チューブに接続された、かつ前記接続チューブと流体連通する、かつ前記容器内の前記前駆体の表面から実質的に一定のレベルで前記ガス入口からガスを注入するために構築および配置された、移動可能なインジェクタが前記システムに提供されている、システム。
【請求項2】
前記容器を前駆体で充填するための充填ポートが前記システムに提供されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記接続チューブが、前記ガス入口に対する前記インジェクタの移動を可能にするようにフレキシブルに構築および配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記容器が液体前駆体を保持するように構築および配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記液体前駆体上で浮動するために、かつ前記インジェクタを支持するために構築および配置された浮動体が前記システムに提供されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記浮動体および前記インジェクタが、前記前駆体の前記表面の上にガス流を提供するように構築および配置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記浮動体および前記インジェクタが、前記前駆体の前記表面の下にガス流を提供するように構築および配置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記浮動体および前記インジェクタが、前記前駆体の前記表面の下に気泡を作り出すように構築および配置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記インジェクタが、前記前駆体の表面から実質的に一定のレベルで複数の穴からガスを注入するための前記穴が設けられたシャワーヘッドとして構築および配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記前駆体の表面から実質的に一定のレベルで前記ガス入口からガスを注入するための複数のインジェクタが前記システムに提供されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記インジェクタを移動および支持するために構築および配置された吊り上げ装置が前記システムに提供されていて、前記吊り上げ装置による前記インジェクタの前記移動を制御するためのコントローラが前記システムに提供されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記前駆体のレベルを測定するためのレベル測定装置が前記システムに提供されていて、前記レベル測定装置によって測定された前記前駆体レベルに基づいて前記インジェクタの前記移動を制御するために、前記コントローラが前記レベル測定装置に動作可能に接続されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記前駆体の前記表面の上にガス流を提供するための前記インジェクタを有するように前記吊り上げ装置を制御するように前記コントローラがプログラムされている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記前駆体の前記表面の下にガス流を提供するための前記インジェクタを有するように前記吊り上げ装置を制御するように前記コントローラがプログラムされている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記容器が液体前駆体を保持するように構築および配置されていて、前記前駆体の前記表面の下に気泡を作り出すための前記インジェクタを有するように前記吊り上げ装置を制御するように前記コントローラがプログラムされている、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記容器が固体前駆体を保持するように構築および配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記インジェクタが、前記容器内の前記固体前駆体の前記表面上で支持されるように構築および配置されていて、かつ前記固体前駆体が前記容器から昇華する時に前記固体前駆体の前記表面に従うように構築および配置されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記容器が金属塩化物を保持および昇華するように構築および配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記容器が塩化ハフニウムまたは塩化ジルコニウムを前記金属塩化物として保持および昇華するように構築および配置されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
水の粘度と比較して比較的に高い粘度を有する液体を保持するおよび蒸発させるように構築および配置された、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記充填ポートを覆うためのリッドが前記システムに提供されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項22】
基材上に層を堆積させるための気相前駆体を送達するための請求項1に記載の気相前駆体送達システムを備える気相堆積装置。
【請求項23】
前記装置が、複数の基材を有するボートを装填するように構築および配置された反応器を備える垂直炉であり、前記気相前駆体送達システムが、前記反応器内の前記基材上に層を堆積させるための気相前駆体を送達するために構築および配置されている、請求項22に記載の気相堆積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、気相堆積装置内に層を堆積させるための気相前駆体を送達するための気相前駆体送達システムに関する。特に本開示は、ガス出口と、ガス入口と、前駆体を貯蔵するために構築および配置された容器と、容器内に包含された接続チューブとを備える気相前駆体送達システムに関し、接続チューブはガス入口に接続されていて、ガス入口と流体連通している。
【0002】
本開示は、例えば基材上に層を堆積させるためのこのような気相前駆体送達システムを備える垂直炉などの気相堆積装置にさらに関する。
【背景技術】
【0003】
気相堆積装置の反応器内の基材上に層を堆積させるための気相前駆体を送達するための気相前駆体送達システムは、特定の課題を呈する場合がある。これらの課題の一つは、前駆体送達システムがより少ない蒸気に送達する場合があり、前駆体送達が実際に堆積装置の生産性にとって障壁になる場合があることでありうる。前駆体送達システムがより少ない前駆体に送達しうる理由の一つは、前駆体の蒸気圧が非常に低い場合があることである。これは特に、固体前駆体で当てはまる場合がある。
【0004】
気相堆積装置システムの生産性にとっての別の障壁は、前駆体の送達が、前駆体を貯蔵するための容器内の前駆体のレベルに依存する場合があることでありうる。システムの使用中に容器内の前駆体のレベルは変化する場合があるため、システム内で気化された前駆体の量も変化する場合がある。
【発明の概要】
【0005】
気相前駆体を送達するための気相前駆体送達システムを提供することが目的であってもよい。システムの前駆体送達は、容器内の前駆体のレベルの変動に対してあまり敏感でなくてもよい。
【0006】
従って、ガス出口と、ガス入口と、前駆体を貯蔵するために構築および配置された容器と、容器内に包含された接続チューブとを備える気相前駆体送達システムが提供されてもよい。接続チューブはガス入口に接続されてもよく、ガス入口と流体連通してもよい。接続チューブに接続され、接続チューブと流体連通している、かつ容器内の前駆体の表面から実質的に一定のレベルでガス入口からガスを注入するために構築および配設された移動可能なインジェクタがシステムに提供されてもよい。
【0007】
また、気相堆積装置が提供されてもよい。装置は、基材上に層を堆積させるための気相前駆体を送達するための気相前駆体送達システムを備えてもよい。装置は、複数の基材を有するボートを装填するように構築および配設された反応器を備える垂直炉であってもよい。気相前駆体送達システムは、反応器内の基材上に層を堆積させるための気相前駆体を送達するために構築および配置されてもよい。
【0008】
この「発明の概要」は、選択された概念を、単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に説明される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図していなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aおよび図1Bは、先行技術による気相前駆体送達システムを開示する。
図2図2Aおよび図2Bは、一実施形態による気相前駆体送達システムを開示する。
図3図3は、気泡を作り出すためのさらなる一実施形態による気相前駆体送達システムを開示する。
図4図4は、吊り上げ装置を有するさらなる一実施形態による気相前駆体送達システム1を開示する。
図5図5は、固体前駆体のさらなる一実施形態による気相前駆体送達システム1を開示する。
【0010】
当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために例示されていて、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素と相対的に誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、以下に記載の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。
【0012】
本明細書で使用される「基材」という用語は、修正されうる、またはデバイス、回路、もしくは膜が形成されうる任意の下地材料(複数可)を含む、任意の下地材料(複数可)を指す場合がある。「基材」は、連続的または非連続的、剛直または可撓性、中実または多孔質、およびそれらの組み合わせであってもよい。基材は、粉末、プレート、またはワークピースなどの任意の形態であってもよい。プレートの形態の基材は、様々な形状およびサイズのウエハを含んでもよい。基材は、例えばケイ素、シリコンゲルマニウム、酸化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、および炭化ケイ素を含む半導体材料から作製されてもよい。
【0013】
例として、粉末の形態の基材は、医薬品製造のための用途を有する場合がある。多孔質基材はポリマーを含んでもよい。ワークピースの例としては、医療機器(例えば、ステントおよびシリンジ)、宝石類、ツーリングデバイス、バッテリ製造のための構成要素(例えば、アノード、カソード、またはセパレータ)、または光起電力セルの構成要素などが挙げられてもよい。
【0014】
連続基材は、堆積プロセスが生じるプロセスチャンバの境界を越えて延在してもよい。一部のプロセスにおいて、基材の端に達するまでプロセスが継続するように、連続基材はプロセスチャンバを通して移動してもよい。連続基材は、任意の適切な形態で連続基材の製造および生産を可能にするために、連続基材供給システムから供給されてもよい。
【0015】
連続基材の非限定的な例としては、シート、不織布膜、ロール、箔、ウェブ、可撓性材料、連続フィラメントの束、または繊維(例えば、セラミック繊維またはポリマー繊維)が挙げられてもよい。連続基材はまた、非連続基材が取り付けられる担体またはシートを含んでもよい。
【0016】
図1Aおよび図1Bは、気相前駆体送達システム1であって、ガス入口3およびガス出口5を備えるシステムを開示している。気相前駆体送達システム1は、前駆体9を貯蔵するために構築および配置された容器7を備えてもよい。ガス流11は、ガス入口3とガス出口5の間に、例えば容器7内の窒素のような不活性ガスを用いて作り出されてもよい。ガス流11は、一部の前駆体9をガス流11内に蒸発17させてもよく、これはガス出口5を経由して容器7外に運ばれてもよい。前駆体9の蒸発は、前駆体を貯蔵するための容器7内の前駆体のレベルに依存してもよい。システム1を使用中の容器7内の前駆体9のレベルは、図1Aの比較的に満杯の容器7から図1Bの比較的に空の容器7へと下げられてもよいため、システム1内の気化17した前駆体9の量もより少なくてもよく、これはガス流11がさらに離れているためである。
【0017】
図2Aおよび図2Bは、ガス入口3およびガス出口5を備える一実施形態による気相前駆体送達システム1を開示する。気相前駆体送達システム1は、前駆体9を貯蔵するために構築および配置された容器7を備えてもよい。接続チューブ19は容器7内に提供されてもよい。接続チューブ19はガス入口3に接続されてもよく、ガス入口3と流体連通してもよい。システム1には、接続チューブ19に接続された、かつ接続チューブ19と流体連通する可動インジェクタ21が提供されてもよい。
【0018】
移動可能なインジェクタ21は、ガス流11を作り出すために、ガス入口3からガスを注入するために構築および配設されてもよい。移動可能なインジェクタ21は、前駆体9の表面の上にガス流11を作り出すために、容器7内の前駆体9の表面から実質的に一定のレベルでガスを注入するために構築および配設されてもよい。システム1を使用中の容器7内の前駆体9のレベルは、図2Aの比較的に満杯の容器7から図2Bの比較的に空の容器7へと下げられてもよい。しかしながら、システム内の気化(17)した前駆体9の量は、ガス流11が前駆体9の表面から一定の距離に保たれているため、一定に保たれうる。これは、ガス出口5から流出するガス中の前駆体の量も一定のままであるため、有利である。
【0019】
接続チューブ19は可撓性であってもよく、かつガス入口3に対するインジェクタ21の移動を可能にするように構築および配設されてもよい。例えば、接続チューブ19は、可撓性材料(例えばゴム)から作製されてもよい。
【0020】
容器7は、液体前駆体9を保持するように構築および配置されてもよい。システム1には、液体前駆体9上で浮動するために構築および配置された浮動体25が提供されてもよい。浮動体25は、インジェクタ21の底部に提供または統合されてもよい。浮動体25はインジェクタ21を支持してもよい。浮動体およびインジェクタは、前駆体9の表面の上にガス流11を提供するように構築および配設されてもよい。ガス流11は、一部の前駆体9をガス流11内に気化17させてもよく、これはガス出口5を経由して容器7外に運ばれてもよい。
【0021】
システム1には、容器7を前駆体9で充填するためのリッド23が提供された充填ポートが提供されてもよい。前駆体に基づいて、充填ポートおよびリッド23は、固体前駆体の場合では比較的に大きくてもよく、または液体前駆体の場合では比較的に小さくてもよい。
【0022】
図3は、ガス入口3およびガス出口5を備えるさらなる一実施形態による気相前駆体送達システム1を開示する。気相前駆体送達システム1は、前駆体9を貯蔵するために構築および配置された容器7を備えてもよい。接続チューブ19は容器7内に提供されてもよい。接続チューブ19はガス入口3に接続されてもよく、ガス入口3と流体連通してもよい。システム1には、接続チューブ19に接続された、かつ接続チューブ19と流体連通する可動インジェクタ21が提供されてもよい。システム1の浮動体25およびインジェクタ21は、前駆体9の表面の下にガス流を提供するように構築および配置されてもよい。浮動体25およびインジェクタ21は、前駆体9の表面の下に気泡27を作り出すように構築および配置されてもよい。前駆体9を通って移動する気泡27は、一部の前駆体9を気泡27内に気化させてもよく、これはガス出口5を経由して容器7外に運ばれてもよい。
【0023】
システム1には、前駆体の表面から実質的に一定のレベルでガス入口3からガスを注入するための複数のインジェクタが提供されてもよい。システム1には、例えば接続チューブ19に接続された、かつ接続チューブ19と流体連通する追加的な可動インジェクタ29が提供されてもよい。インジェクタ21、29は、前駆体9の表面から実質的に一定のレベルで穴からガスを注入するための複数の穴が設けられたシャワーヘッドとして構築および配置されてもよい。
【0024】
図4は、ガス入口3およびガス出口5を備えるさらなる一実施形態による気相前駆体送達システム1を開示する。気相前駆体送達システム1は、前駆体9を貯蔵するために構築および配置された容器7を備えてもよい。接続チューブ19は容器7内に提供されてもよい。接続チューブ19はガス入口3に接続されてもよく、ガス入口3と流体連通してもよい。システム1には、接続チューブ19に接続された、かつ接続チューブ19と流体連通する可動インジェクタ21が提供されてもよい。システムは、インジェクタ21を移動および支持するために構築および配置された吊り上げ装置31を備えてもよい。
【0025】
吊り上げ装置31は、インジェクタ21を移動および支持するためのリニアドライブを有してもよい。リニアドライブは、例えばインジェクタ21に設けられた移動ナットと協働するモータおよびスピンドル33であってもよい。
【0026】
別の方法として、スピンドル33、および吊り上げ装置31のナットは、カバー(図示せず)によって容器7内の前駆体9から遮蔽されてもよい。カバーは、スピンドル33およびナット、および/または吊り上げ装置31で使用される任意のリニアガイドの摩耗または潤滑剤による前駆体9の汚染を回避する場合がある。ナットおよびインジェクタ21は、カバーを通してナットの移動をインジェクタ21に伝達するように機械的に、および/または磁気的に連結されてもよい。
【0027】
システム1には、吊り上げ装置31によるインジェクタ21の移動を制御するためのコントローラ35が提供されてもよい。システム1には、前駆体9のレベルを測定するためのレベル測定装置37が提供されてもよい。コントローラ35は、レベル測定装置37によって測定された前駆体レベルに基づいてインジェクタ21の移動を制御するために、レベル測定装置37に動作可能に接続されてもよい。コントローラ35は、前駆体9の表面の上にガス流を提供するためのインジェクタ21を有するように吊り上げ装置31を制御するようにプログラムされてもよい。
【0028】
コントローラ35は、前駆体9の表面の下にガス流を提供するためのインジェクタ21を有するように吊り上げ装置31を制御するようにプログラムされてもよい。容器7は、液体前駆体9を保持するように構成および配置されてもよく、コントローラ35は、前駆体9の表面の下に気泡27を作り出すためのインジェクタ21を有するように吊り上げ装置31を制御するようにプログラムされてもよい。
【0029】
図5は、ガス入口3およびガス出口5を備えるさらなる一実施形態による気相前駆体送達システム1を開示する。気相前駆体送達システム1は、固体前駆体9を貯蔵するために構築および配置された容器7を備えてもよい。接続チューブ19は容器7内に提供されてもよい。接続チューブ19はガス入口3に接続されてもよく、ガス入口3と流体連通してもよい。システム1には、接続チューブ19に接続された、かつ接続チューブ19と流体連通する可動インジェクタ21が提供されてもよい。インジェクタ21は、容器7内の固体前駆体9の表面上で支持されるように構築および配設されてもよい。システム1は、固体前駆体が容器7から昇華する時に、インジェクタ21が固体前駆体9の表面に従うように構築および配置されてもよい。
【0030】
容器7は、金属塩化物を保持および昇華するように構築および配置されてもよい。例えば、容器は塩化ハフニウムまたは塩化ジルコニウムを金属塩化物として保持および昇華するように構築および配置されてもよい。
【0031】
システム1には、固体前駆体9を提供するために、充填ポートおよびリッド23が提供されてもよい。リッドには入口ポート3および出口ポート5が提供されてもよい。リッドにはオペレータ用のグリップが提供されてもよい。
【0032】
システム1は、水の粘度と比較して比較的に高い粘度を有する液体を保持および気化するように構築および配置されてもよい。
【0033】
気相前駆体送達システム1は、基材上に層を堆積させるための気相前駆体を送達するための気相堆積装置で使用されてもよい。気相堆積装置は、複数の基材を有するボートを装填するように構築および配置された反応器を備える垂直炉であってもよく、気相前駆体送達システムは、反応器内の基材上に層を堆積させるための気相前駆体を送達するために構築および配置されている。気相前駆体送達システム1を使用するのに適した垂直炉は、例えば参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7732350号明細書に記載されている場合がある。
【0034】
本明細書に提示された図は、任意の特定の材料、構造、またはデバイスの実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用されている、単に理想化された表現にすぎない。
【0035】
示された、かつ記述された実装は、本発明およびその最良の形態の例示であり、態様および実施の範囲をいかなるやり方でも、別の方法で限定することを意図していない。実際に、簡潔のために、従来の製造、関連、調製、およびシステムの他の機能的態様を詳細に記述していない場合がある。さらに、様々な図に示された接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的連結を表すことが意図されている。多くの代替的もしくは追加的な機能的関係、または物理的接続が実際のシステムにおいて存在してもよく、また/または一部の実施形態では存在しなくてもよい。
【0036】
数多くの変形が可能であるため、本明細書に記載の構成および/または手法は本質的に例示的であること、およびこれらの特定の実施形態または実施例は限定的な意味で熟考されるべきではないことが理解されるべきである。本明細書に記載の特定のルーチンまたは方法は、任意の数のプロセッシング方策のうちの一つ以上を代表する場合がある。それ故に、例示された様々な動作は、例示された順序で実施されてもよく、または他の順序で実施されてもよく、または場合によっては省略されてもよい。
【0037】
本開示の主題は、本明細書で開示された様々なプロセス、システム、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性のすべての新規かつ非自明の組み合わせおよび部分的な組み合わせ、ならびにその任意のおよびすべての均等物を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】