(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065058
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】ガスインジェクタ組立品
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20240507BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H01L21/31 B
C23C16/455
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183186
(22)【出願日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】63/381,390
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テオドルス・ジー・エム・オーステルレークン
(72)【発明者】
【氏名】ケリー・ホーベン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルベルト・テルホルスト
(72)【発明者】
【氏名】コルネリス・ヘルブスレブ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA05
4K030EA06
4K030KA04
5F045AA06
5F045AB32
5F045AC07
5F045AF02
5F045AF03
5F045AF04
5F045AF07
5F045DP19
5F045EF01
5F045EF03
5F045EF08
5F045EG02
5F045EK06
(57)【要約】
【課題】半導体処理装置におけるプロセス性能を向上するためのガスインジェクタ組立品を提供する。
【解決手段】ガスインジェクタ組立品、およびガスインジェクタ組立品を備える基材処理装置が開示されている。本明細書に記載のガスインジェクタ組立品の実施形態は、ガスインジェクタと、第一の前駆体ガス供給導管と、第二の前駆体ガス供給導管とを備える。第一の前駆体ガス供給導管のサイズは、第二の前駆体ガス供給導管のサイズよりも大きい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理装置のプロセスチャンバにプロセスガスを提供するためのガスインジェクタ組立品であって、前記ガスインジェクタ組立品が、
-ガスインジェクタであって、
-半導体処理装置のプロセスチャンバにプロセスガスを注入するためのインジェクタチューブであって、前記インジェクタチューブが第一の軸に沿って長手方向に第一の端から第二の端に延在する、インジェクタチューブと、
-前記プロセスガスを形成するために前記インジェクタチューブに第一および第二の前駆体ガスを提供するための第一の前駆体ガス入口および第二の前駆体ガス入口を備える供給端と、を備えるガスインジェクタと、
-前記第一の前駆体ガス入口を第一の前駆体ガス進入部に接続する第一の前駆体ガス供給導管と、
-前記第二の前駆体ガス入口を第二の前駆体ガス進入部に接続する第二の前駆体ガス供給導管と、を備え、
前記第一の前駆体ガス進入部から前記第一の前駆体ガス入口に延在する前記第一の前駆体ガス供給導管のサイズが、前記第二の前駆体ガス進入部から前記第二の前駆体ガス入口に延在する前記第二の前駆体ガス供給導管のサイズよりも大きい、ガスインジェクタ組立品。
【請求項2】
前記第一の前駆体ガス供給導管の少なくとも一部分が、実質的に湾曲した部分によって互いに接続されている複数の細長い部分で構築されている、請求項1に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項3】
前記細長い部分が、前記第一の軸に沿って前記長手方向に延在していて、前記少なくとも一部分が、第一の端と第二の端との間で第二の軸に沿って延在し、前記第二の軸が前記第一の軸に垂直である、請求項2に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項4】
前記第一の前駆体ガス供給導管の前記少なくとも一部分が蛇行形状である、請求項2または請求項3に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項5】
前記第一の前駆体ガス供給導管の前記少なくとも一部分が馬蹄形の蛇行である、請求項4に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項6】
前記第一の前駆体ガス入口および前記第二の前駆体ガス入口が、互いに対して180度以下の角度で位置付けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項7】
前記第一の前駆体ガス供給導管または前記第二の前駆体ガス供給導管が、前記供給端の中心軸まで延在し、前記中心軸が前記第一の軸に平行である、請求項6に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項8】
前記第一の前駆体ガス入口および前記第二の前駆体ガス入口が、互いに対して180度の角度で位置付けられ、前記第一の前駆体ガス入口および前記第二の前駆体ガス入口が、互いに向かい合う、請求項6に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項9】
前記第一の前駆体ガスを提供するための前記第一の前駆体ガス入口の直径が、前記第二の前駆体ガスを提供するための前記第二の前駆体ガス入口の直径と異なる、請求項1~3のいずれか一項に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項10】
前記インジェクタチューブが、前記プロセスチャンバの中に前記プロセスガスを送達するための複数のプロセスガス注入穴を備え、前記穴が互いに長手方向に離隔している、請求項1~3のいずれか一項に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項11】
前記複数のプロセスガス注入穴が、前記インジェクタチューブの高さに沿って延在する、請求項10に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項12】
前記複数のプロセスガス注入穴が、前記第一の端から前記第二の端まで前記長手方向に前記第一の軸に沿って増加するピッチ値を有する、請求項10または請求項11に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項13】
前記ガスインジェクタが混合区画をさらに備え、前記混合区画が前記供給端を備える、かつ供給口を介して前記インジェクタチューブに直接接続されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項14】
前記供給口が、前記インジェクタチューブの前記第一の端の近くに、または前記インジェクタチューブの前記第一の端と前記第二の端との間に位置する、請求項13に記載のガスインジェクタ組立品。
【請求項15】
複数の基材を処理するための半導体処理装置であって、
垂直方向に長手方向に延在するプロセスチャンバと、
複数の基材を保持するための、前記プロセスチャンバの中に受容可能な基材ボートと、
プロセスガスを前記プロセスチャンバの中に提供するための、前記プロセスチャンバ内部のガスインジェクタ組立品であって、前記ガスインジェクタ組立品が、
-ガスインジェクタであって、前記ガスインジェクタが、
-前記プロセスガスを前記プロセスチャンバに注入するためのインジェクタチューブであって、前記インジェクタチューブが第一の軸に沿って長手方向に第一の端から第二の端に延在する、インジェクタチューブと、
-前記プロセスガスを形成するために前記インジェクタチューブに第一および第二の前駆体ガスを提供するための第一の前駆体ガス入口および第二の前駆体ガス入口を備える供給端と、を備えるガスインジェクタと、
-前記第一の前駆体ガス入口を第一の前駆体ガス進入部に接続する第一の前駆体ガス供給導管と、
-前記第二の前駆体ガス入口を第二の前駆体ガス進入部に接続する第二の前駆体ガス供給導管と、を備え、
前記第一の前駆体ガス進入部から前記第一の前駆体ガス入口に延在する前記第一の前駆体ガス供給導管のサイズが、前記第二の前駆体ガス進入部から前記第二の前駆体ガス入口に延在する前記第二の前駆体ガス供給導管のサイズよりも大きい、半導体処理装置。
【請求項16】
前記第一の前駆体ガス供給導管の少なくとも一部分が、前記プロセスチャンバの内壁に対して同一平面上にある、請求項15に記載の半導体処理装置。
【請求項17】
化学蒸着(CVD)を実施することによって前記複数の基材上に層を形成するための垂直炉である、請求項15または請求項16に記載の半導体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はガスインジェクタ組立品に関する。より具体的に、本開示は半導体処理装置用のガスインジェクタ組立品に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体業界でのスケーリングが続くのに伴い、半導体処理と半導体プロセスツールの両方の向上は、新しいデバイスアーキテクチャの導入と整合しつつある。その点において、プロセス性能およびプロセスツールは、装置性能に対して重要な役割を果たす場合がある。
【0003】
プロセス性能の観点から、前駆体は重要な役割を果たす場合がある一方で、プロセスでの課題を提起する場合がある。手元にあるプロセスに好適な正しい前駆体を、必要なプロセスツールと連結することは、プロセス性能を向上するのに役立つ場合がある。
【0004】
半導体処理におけるプロセスの大半にとって、熱履歴は重要な考慮事項の一つである場合がある。それに加えて、前駆体を活性化するために必要とされる場合があるプロセスツールにおいて適切な温度を可能にすることは、それらの考慮事項に寄与する。
【0005】
二つ以上の前駆体が使用されるプロセスにおいて、前駆体のうちの少なくとも一つは、指定されたプロセス温度で完全に活性化された状態なるためにより長い時間を必要とする場合がある。さらに、前駆体を混合することが必要な場合、混合することはまた、基材の表面に接触する前に特定の熱履歴を有効化することを必要とする場合がある。
【0006】
前駆体は典型的に、ガスインジェクタを使用することによって、プロセスツールのプロセスチャンバに提供される。しかしながら、現行のガスインジェクタは、前駆体の完全な活性化を可能にすることができない場合がある。
【0007】
従って、半導体処理のための向上したガスインジェクタを提供する必要性がある場合がある。
【発明の概要】
【0008】
この「発明の概要」は、選択された概念を、単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に説明される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図していなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0009】
本開示の目的は、半導体処理装置におけるプロセス性能を向上するためのガスインジェクタ組立品を提供することでありうる。
【0010】
第一の態様において、本開示は、半導体処理装置のプロセスチャンバにプロセスガスを提供するためのガスインジェクタ組立品に関する。ガスインジェクタ組立品はガスインジェクタを備えてもよい。ガスインジェクタは、プロセスガスを半導体処理装置のプロセスチャンバに注入するためのインジェクタチューブを備えてもよい。インジェクタチューブは、第一の軸に沿って長手方向に第一の端から第二の端に延在してもよい。ガスインジェクタはまた、プロセスガスを形成するためにインジェクタチューブに第一および第二の前駆体ガスを提供するための第一の前駆体ガス入口および第二の前駆体ガス入口を備えてもよい供給端を備えてもよい。ガスインジェクタ組立品は、第一の前駆体ガス入口を第一の前駆体ガス進入部に接続する第一の前駆体ガス供給導管と、第二の前駆体ガス入口を第二の前駆体ガス進入部に接続する第二の前駆体ガス供給導管とをさらに備えてもよい。第一の前駆体ガス進入部から第一の前駆体ガス入口に延在する第一の前駆体ガス供給導管のサイズは、第二の前駆体ガス進入部から第二の前駆体ガス入口に延在する第二の前駆体ガス供給導管のサイズよりも大きくてもよい。
【0011】
本開示の第一の態様の実施形態によるガスインジェクタ組立品は、半導体処理装置のプロセス性能を向上することを可能にする場合がある。
【0012】
前駆体の予熱が、基材に曝露される前に達成されうることは、第一の態様の実施形態の利点である場合がある。
【0013】
前駆体の予熱が、別の基材に曝露される前に、それ故にプロセスガスを形成する前に達成されうることは、第一の態様の実施形態の利点である場合がある。
【0014】
プロセス温度へのより長い曝露を必要とする前駆体が、基材に曝露される前に完全に活性化される機会を得る場合があることは、第一の態様の実施形態の利点である場合がある。
【0015】
プロセス温度へのより長い曝露を必要とする前駆体が、別の前駆体に曝露される前に、それ故にプロセスガスを形成する前に、完全に活性化される機会を得る場合があることは、第一の態様の実施形態の利点である場合がある。
【0016】
また、基材に曝露される前に、前駆体の実質的な混合が達成されうることも、第一の態様の実施形態の利点である場合がある。
【0017】
さらに、混合された前駆体をプロセスの所望の温度に保つことを可能にしうることは、第一の態様の実施形態の利点である場合がある。
【0018】
第二の態様において、本開示は、複数の基材を処理するための半導体処理装置に関する。半導体処理装置は、垂直方向に長手方向に延在するプロセスチャンバを備えてもよい。半導体処理装置はまた、プロセスチャンバの中に受容可能である、かつ複数の基材を保持するための基材ボートを備えてもよい。装置は、プロセスガスをプロセスチャンバの中に提供するために、プロセスチャンバ内部にガスインジェクタ組立品をさらに備えてもよい。ガスインジェクタ組立品はガスインジェクタを備えてもよい。ガスインジェクタは、プロセスガスをプロセスチャンバに注入するためのインジェクタチューブを備えてもよい。インジェクタチューブは、第一の軸に沿って長手方向に第一の端から第二の端に延在してもよい。ガスインジェクタは供給端をさらに備えてもよい。供給端は、プロセスガスを形成するためにインジェクタに第一および第二の前駆体ガスを提供するための第一の前駆体ガス入口および第二の前駆体ガス入口を備えてもよい。ガスインジェクタ組立品は、第一の前駆体ガス入口を第一の前駆体ガス進入部に接続する第一の前駆体ガス供給導管と、第二の前駆体ガス入口を第二の前駆体ガス進入部に接続する第二の前駆体ガス供給導管とをさらに備えてもよい。第一の前駆体ガス進入部から第一の前駆体ガス入口に延在する第一の前駆体ガス供給導管のサイズは、第二の前駆体ガス進入部から第二の前駆体ガス入口に延在する第二の前駆体ガス供給導管のサイズよりも大きくてもよい。
【0019】
本開示の第二の態様の実施形態による半導体処理装置は、向上したプロセス性能を有する基材の処理を可能にしてもよい。これは、基材に曝露される前、または別の前駆体に曝露される前に、前駆体を予熱することによる場合がある。予熱は、前駆体を起動することを可能にする場合がある。
【0020】
第二の態様の実施形態の利点は、前駆体の予熱による向上した処理で、一度に複数の基材を処理することを可能にする場合があり、それによってプロセススループットを増加させることである場合がある。
【0021】
第二の態様の実施形態の利点は、プロセス温度での前駆体活性化の向上の結果、より高い品質および向上した均一性を有する複数の基材上に層を形成することを可能にする場合があることである場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために例示されていて、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素と相対的に誇張されている場合がある。
【0023】
別段の記載のない限り、図面では同様の要素に対して同様の参照番号が使用されることになる。特許請求の範囲の参照符号は、範囲を限定しているとは理解されないものとする。
【0024】
【
図1】
図1:概略的なガスインジェクタ組立品であって、(a)は先行技術のもの、(b)は、長手方向に整列したループを有する、かつ供給端の中心軸まで延在する第一の前駆体ガス供給導管を備えるもの、(c)は、長手方向に整列したループを有する、かつ別の位置で供給端に入る第一の前駆体ガス供給導管を備えるものである。
【
図2】
図2:概略的なガスインジェクタ組立品であって、(a)は、水平に整列したループを有する、かつ供給端の中心軸まで延在する第一の前駆体ガス供給導管を備えるもの、(b)は、水平に整列したループを有する、かつ別の位置で供給端に入る第一の前駆体ガス供給導管を備えるものである。
【
図3】
図3:概略的なガスインジェクタ組立品であって、(a)は、円形の同心ループを有する、かつ供給端の中心軸まで延在する第一の前駆体ガス供給導管を備えるもの、(b)は、下向きの螺旋形状のループを有する、かつ供給端の中心軸まで延在する前駆体ガス導管を備えるものである。
【
図4】
図4:概略的なガスインジェクタ組立品であって、(a)は、馬蹄形のループを有する、かつ供給端の中心軸まで延在する第一の前駆体ガス供給導管を備えるもの、(b)は、馬蹄形のループを有する、かつ別の位置で供給端に入る前駆体ガス導管を備えるもの、(c)は、供給端で互いに向かい合っている前駆体ガス入口および前駆体ガス導管を備えるものである。
【
図5】
図5:概略的なガスインジェクタ組立品であって、(a)は、混合区画と、馬蹄形のループを有する、かつ供給端の中心軸まで延在する前駆体ガス導管とを備えるもの、(b)混合区画と、供給端で互いに向かい合っている前駆体ガス入口および前駆体ガス導管とを備えるものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、以下に記載の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。
【0026】
本明細書で使用される「基材」という用語は、修正されうる、またはデバイス、回路、もしくは膜が形成されうる任意の下地材料(複数可)を含む、任意の下地材料(複数可)を指す場合がある。「基材」は、連続的または非連続的、剛直または可撓性、中実または多孔質、およびそれらの組み合わせであってもよい。基材は、プレート、またはワークピースなどの任意の形態であってもよい。プレートの形態の基材は、様々な形状およびサイズのウエハを含んでもよい。基材は、例えばケイ素、シリコンゲルマニウム、酸化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、および炭化ケイ素を含む半導体材料から作製されてもよい。
【0027】
例として、粉末の形態の基材は、医薬品製造のための用途を有する場合がある。多孔質基材はポリマーを含んでもよい。ワークピースの例としては、医療機器(例えば、ステントおよびシリンジ)、宝石類、ツーリングデバイス、バッテリ製造のための構成要素(例えば、アノード、カソード、またはセパレータ)、または光起電力セルの構成要素などが挙げられてもよい。
【0028】
連続基材は、堆積プロセスが生じるプロセスチャンバの境界を越えて延在してもよい。一部のプロセスにおいて、基材の端に達するまでプロセスが継続するように、連続基材はプロセスチャンバを通して移動してもよい。連続基材は、任意の適切な形態で連続基材の製造および生産を可能にするために、連続基材供給システムから供給されてもよい。
【0029】
連続基材の非限定的な例としては、シート、不織布膜、ロール、箔、ウェブ、可撓性材料、連続フィラメントの束、または繊維(例えば、セラミック繊維またはポリマー繊維)が挙げられてもよい。連続基材はまた、非連続基材が取り付けられる担体またはシートを含んでもよい。
【0030】
本明細書に提示された図は、任意の特定の材料、構造、またはデバイスの実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用されている、単に理想化された表現にすぎない。
【0031】
示された、かつ記述された特定の実装は、本発明およびその最良の形態の例示であり、態様および実施の範囲をいかなるやり方でも、別の方法で限定することを意図していない。実際に、簡潔のために、従来の製造、関連、調製、およびシステムの他の機能的態様を詳細に記述していない場合がある。さらに、様々な図に示された接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的連結を表すことが意図されている。多くの代替的もしくは追加的な機能的関係、または物理的接続が実際のシステムにおいて存在してもよく、また/または一部の実施形態では存在しなくてもよい。
【0032】
数多くの変形が可能であるため、本明細書に記載の構成および/または手法は本質的に例示的であること、およびこれらの特定の実施形態または実施例は限定的な意味で熟考されるべきではないことが理解されるべきである。本明細書に記載の特定のルーチンまたは方法は、任意の数のプロセッシング方策のうちの一つ以上を代表する場合がある。それ故に、例示された様々な動作は、例示された順序で実施されてもよく、または他の順序で実施されてもよく、または場合によっては省略されてもよい。
【0033】
本開示の主題は、本明細書で開示された様々なプロセス、システム、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性のすべての新規かつ非自明の組み合わせおよび部分的な組み合わせ、ならびにその任意のおよびすべての均等物を含む。
【0034】
本明細書全体での様々な所における「実施形態」への言及は必ずしもすべて、同じ実施形態への言及とは限らないが、そうである場合もある。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、本開示から当業者に明らかであることになるように、一つ以上の実施形態において、任意の好適な様態で組み合わせられてもよい。
【0035】
本明細書全体での「一部の実施形態」への言及は、これらの実施形態に関連して記述された特定の構造、特徴工程が、本発明の実施形態の一部の中に含まれることを意味する。それ故に、本明細書全体での様々な所における「一部の実施形態において」などの語句は必ずしも、同じ一連の実施形態への言及とは限らないが、そうである場合もある。
【0036】
以下の用語は、本開示の理解を助けるためにのみ提供されている。
【0037】
本明細書で使用される「実質的に湾曲した」という用語は別段の定めがない限り、互いに平行である、かつ互いにある特定の距離にある長手方向部分を接続できるように曲がっている部分を指してもよい。
【0038】
本明細書で使用される「第二の前駆体ガス供給導管のサイズよりも大きい第一の前駆体ガス供給導管のサイズ」という用語は別段の定めがない限り、第一の前駆体ガス供給導管が第二の前駆体ガス供給導管よりも長いか、または第二の前駆体ガス供給導管よりも大きい内径を有するか、またはその両方を指してもよい。
【0039】
本明細書で使用される「経路長さ」という用語は別段の定めがない限り、ガスインジェクタ組立品に到達する前にプロセスチャンバ内で前駆体ガスによって移動される距離を指してもよい。
【0040】
本明細書で使用される「蛇行波長」という用語は別段の定めがない限り、少なくとも一部分の実質的に湾曲した部分の連続的な頂部間の距離を指してもよい。
【0041】
本明細書で使用される「ピッチ」という用語は別段の定めがない限り、プロセスガス注入穴のうちの一つの直径と、そのプロセスガス注入穴と隣接のプロセスガス注入穴の間の間隔との和を指してもよい。
【0042】
本明細書で使用される「同一線」という用語は別段の定めがない限り、同じ直線内にあるガス注入穴を指してもよい。
【0043】
本明細書で使用される「熱活性化」という用語は別段の定めがない限り、前駆体が加熱される時に生じる現象を指してもよい。その後、分子は相互に相互作用し、それ故により多くの熱エネルギーを分子に与えるか、または分子が内部で反応するか、または分子が崩壊するかのいずれかである。
【0044】
本明細書で使用される「ブレーシング」という用語は別段の定めがない限り、細長い部分の間に構築されたブリッジ構造の一種であって、それによって細長い部分を互いに接続し、それ故に支持を提供し、破損、屈曲、座屈、または亀裂のリスクを低減するものを指してもよい。
【0045】
ここで、本開示の幾つかの実施形態の詳細な記述によって本開示を記述する。本開示の技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って、本開示の他の実施形態を構成することができることは明らかである。本開示は、本明細書に含まれる特許請求の範囲の条件によってのみ制限される。
【0046】
【0047】
図1(a)は、先行技術のガスインジェクタ組立品(100)を概略的に示す。
【0048】
図1(b)~
図1(c)は、本開示の第一の態様の実施形態によるガスインジェクタ組立品(200)を概略的に示す。
【0049】
ガスインジェクタ組立品はガスインジェクタを備えてもよい。ガスインジェクタは、第一の軸(110)に沿って長手方向に第一の端(125)から第二の端(126)に延在するインジェクタチューブ(101)を備えてもよい。インジェクタチューブ(101)は、半導体処理装置のプロセスチャンバにプロセスガスを注入するのに好適であってもよい。ガスインジェクタは、インジェクタチューブ(101)の第一の端(125)に向かって位置する供給端(104)を有してもよい。供給端(104)は、第一の前駆体ガスをインジェクタチューブに提供するための第一の前駆体ガス入口(109)と、第二の前駆体ガスをインジェクタチューブ(101)に提供するための第二の前駆体ガス入口(108)とを備えてもよい。第一の前駆体ガスおよび第二の前駆体ガスは、プロセスガスを形成してもよい。
【0050】
実施形態において、ガスインジェクタは、第一の前駆体ガスおよび第二の前駆体ガスを混合するために構築および配置されてもよく、それによってプロセスガスを形成する。それ故に、混合することはガスインジェクタ内で提供されてもよい。これは、インジェクタチューブ(101)を通してプロセスチャンバに注入される前に、プロセスガスを熱安定性にするための利点を提供する場合がある。プロセスガスを熱安定性にすることは、プロセスガスがプロセスチャンバの中に注入される前に、プロセスガスのプロセス温度を達成することを指してもよい。
【0051】
一部の実施形態において、ガスインジェクタは、インジェクタチューブ(101)内で第一の前駆体ガスおよび第二の前駆体ガスを混合するために構築および配置されてもよい。
【0052】
一部の実施形態において、ガスインジェクタは、混合区画(120)内で第一の前駆体ガスおよび第二の前駆体ガスを混合するために構築および配置されてもよい(
図5)。
【0053】
実施形態において、第一の前駆体ガスおよび第二の前駆体ガスのうちの少なくとも一つは、キャリアガスを使用してインジェクタチューブ(101)に提供されてもよい。キャリアガスを使用するインジェクタチューブ(101)への前駆体ガスの提供は、基材の表面上に形成される膜のタイプに依存してもよいことが理解されるべきである。例えば、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)の層の形成のために、前駆体の提供は、キャリアガスの不在下で行われてもよい。
【0054】
一部の実施形態において、インジェクタチューブ(101)の第一の端(125)は、供給端(104)を備える端であってもよく、第二の端(126)は、供給端(104)から離れて第一の軸(110)に沿って長手方向に延在する端であってもよい。
【0055】
実施形態において、長手方向は垂直方向であってもよい。従って、実施形態において、「長手方向に整列された」とは、垂直に整列されたことを指してもよい。
【0056】
一部の実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、
図1(b)に概略的に示す通り、供給端(104)と直接連通してもよい。
【0057】
一部の実施形態において、第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい(図に示さず)。
【0058】
一部の実施形態において、第一の前駆体ガス入口と第二の前駆体ガス入口の両方は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)と第二の前駆体ガス入口(108)の両方は、第一の軸に沿って長手方向に互いに離隔していてもよい。
【0059】
これらの実施形態の一部において、第二の前駆体ガス入口(108)は、
図1(c)に概略的に示す通り、第一の軸に沿って長手方向に第一の前駆体ガス入口(109)から離れて延在する供給端の側壁上に位置してもよい。
【0060】
これらの実施形態の一部において、第一の前駆体ガス入口(109)は、第一の軸に沿って長手方向に第二の前駆体ガス入口(108)から離れて延在する供給端の側壁上に位置してもよい(図に示さず)。
【0061】
ガスインジェクタ組立品(200)は、第一の前駆体ガス入口(109)を第一の前駆体ガス進入部に接続する第一の前駆体ガス供給導管(102)と、第二の前駆体ガス入口(108)を第二の前駆体ガス進入部に接続する第二の前駆体ガス供給導管(103)とをさらに備えてもよい。
【0062】
実施形態において、第一および第二のガス進入部は、前駆体ガスの各々がそれぞれの導管の中に入る入口点を指す場合がある。それ故に、前駆体ガスの各々の入口点は、半導体処理装置の外側に位置してもよい。それ故に入口点は、前駆体ガス導管の各々が前駆体貯蔵部に接続されている点であってもよい。一部の実施形態において、第一および第二のガス進入部は、プロセスチャンバへの前駆体ガス供給導管の各々の入口点を指してもよい。
【0063】
第一の前駆体ガス進入部から第一の前駆体ガス入口(109)に延在する第一の前駆体ガス供給導管(102)のサイズは、第二の前駆体ガス進入部から第二の前駆体ガス入口(108)に延在する第二の前駆体ガス供給導管(103)のサイズよりも大きくてもよい。上述の通り、より大きいサイズを有する第一の前駆体ガス供給導管(102)は、第一の前駆体ガス進入部から第一の前駆体ガス入口(109、108)に延在してもよく、これは
図1(b)および
図1(c)に概略的に示す通り供給端(104)の側壁に位置してもよく、または第一の前駆体ガス進入部から第一の前駆体ガス入口に延在してもよく、これは供給端(104)の遠位端に位置してもよい(図に示さず)。
【0064】
より大きいサイズの第一の前駆体ガス供給導管(102)は有利なことに、第一の前駆体ガス供給導管(102)を通して移動されてもよい第一の前駆体を予熱することを可能にしてもよい。予熱は、処理を実施するために必要なプロセスチャンバ内で達成される温度に主に起因して生じてもよい。一部の前駆体は、別の前駆体との混合の結果としてプロセスガスを形成する前に、またはプロセスチャンバの中に注入される前に、活性化されるために他の前駆体よりも長くプロセス温度に曝露される必要がある場合があることに留意されたい。それ故に、より大きいサイズの第一の前駆体ガス供給導管(102)は、プロセス温度への第一の前駆体の曝露を向上してもよい。
【0065】
一部の実施形態において、第一の前駆体ガス進入部から第一の前駆体ガス入口(109)に延在する第一の前駆体ガス供給導管(102)は、第二の前駆体ガス進入部から第二の前駆体ガス入口(108)に延在する第二の前駆体ガス供給導管(103)よりも長さが長くてもよい。これはまた有利なことに、第一の前駆体の予熱を提供する一方で、第一の前駆体は第一の前駆体ガス供給導管(102)内で、第一の前駆体ガス進入部と第一の前駆体ガス入口(109)の間で移送される。第一の前駆体ガス供給導管(102)をより長くすることによって、プロセスチャンバ内のプロセス温度への第一の前駆体ガスの曝露時間が延長される場合があり、それによって有利なことに予熱効果も可能にする。
【0066】
実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の少なくとも一部分(112)は、
図1(b)および
図1(c)に概略的に示す通り、実質的に湾曲した部分(106)によって互いに接続されている複数の細長い部分(105)で構築されてもよい。この構成は、第一の前駆体ガス供給導管(102)の長さを延長してもよく、それによって、第一の前駆体ガスをプロセスチャンバ内部のプロセス温度に長時間曝露することを可能にする。これは有利なことに、少なくとも一部分(112)内で移送されている間に、第一の前駆体ガスを熱活性化させることの向上につながる場合がある。
【0067】
前駆体ガスの熱活性化速度は、互いに異なっていてもよいことに留意されたい。一つの前駆体を別の前駆体と比べて熱的に活性化するのに、より長い時間またはより短い時間を要する場合がある。こうした前駆体が層を形成するために使用される時に、より大きいサイズを有する前駆体導管を通して、より長い熱活性化時間を必要とする前駆体を提供することが有利である場合がある。より大きいサイズを有する前駆体導管は実施形態において、より長くてもよい前駆体導管であってもよく、または他の前駆体導管と比較してより大きい直径を有してもよい前駆体導管であってもよい。
【0068】
実施形態において、より大きいサイズを有する前駆体導管は、複数の細長い部分(105)を有するものであってもよく、それ故に、他の前駆体と比較してより長い熱活性化時間を必要とする場合がある前駆体を提供するのに有利である場合がある。
【0069】
実施形態において、少なくとも一部分(112)は、プロセスチャンバの内壁に対して同一平面であってもよい。プロセスチャンバの寸法および形状を考慮すると、これは、少なくとも一部分(112)がプロセスチャンバの中に装填される基材と物理的に接触するリスクを低減する利点を提供する場合がある。
【0070】
実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の少なくとも一部分(112)は、プロセスチャンバ内部に位置してもよい。
【0071】
実施形態において、細長い部分(105)は、第一の軸(110)に沿って長手方向に延在していてもよい。少なくとも一部分(112)は、第一の端(122)と第二の端(123)の間で第二の軸(119)に沿って延在してもよく、第二の軸(119)は、
図1(b)および
図1(c)に概略的に示す通り、第一の軸(110)に対して垂直である。
【0072】
実施形態において、少なくとも一部分(112)の第一の端(122)は、第一の前駆体ガスがプロセスチャンバに注入されるように第一の前駆体ガスの流れの方向で中に入る端であってもよく、その一方で第二の端(123)は、第一の前駆体ガスが少なくとも一部分(112)を出る端であってもよい。
【0073】
細長い部分(105)は、第一の軸(110)に沿って長手方向に互いに平行であってもよいため、実質的に湾曲した部分(106)は、これらの細長い部分を、第一の軸(110)に沿って上端から一度、および下端から一度、互いに接続してもよい(
図1(b)、
図1(c))。言い換えれば、実質的に湾曲した部分(106)の各々は、細長い部分の遠位端(ここから第一の前駆体ガスが出てもよい)を、隣接する細長い部分の遠位端(この中に第一の前駆体ガスが入ってもよい)に接続してもよく、それによって、細長い部分の出口・入口点は、第一の前駆体ガス供給導管(102)内の第一の前駆体ガスの流れ方向に応じて画定されてもよい。
【0074】
実施形態において、上端に位置する実質的に湾曲した部分(106)は、下端から上端に向かって第一の軸(110)に沿って長手方向に来る場合がある第一の前駆体ガス流を、隣接する細長い部分の上端から下端に向かって方向付けるのに有用である場合がある。同様に、下端に位置する実質的に湾曲した部分(106)は、上端から下端に向かって第一の軸(110)に沿って長手方向に来る場合がある第一の前駆体ガス流を、隣接する細長い部分の下端から上端に向かって方向付けるのに有用である場合がある。
【0075】
実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の少なくとも一部分(112)は、蛇行形状であってもよい。これは、経路長さの増大を提供する場合があるため、有利である場合がある。さらに、蛇行形状の部分は、取り扱いを容易にすることに加えて、第一の前駆体ガス供給導管を破損しにくいものにするのに有利である場合がある。
【0076】
実施形態において、蛇行形状の部分はブレーシングを含んでもよい。ブレーシングは、蛇行形状の少なくとも一部分(112)の細長い部分(105)を安定化するのに役立つ場合がある。これは、細長い部分(105)のための支持を提供する利点を提供する場合があり、それによって機械的問題のリスクを低減する。機械的問題は、例えば蛇行形状の部分(112)の破損、亀裂などに関係する場合がある。
【0077】
実施形態において、蛇行波長(λ)(
図1(b))は、第一の前駆体ガス供給導管(102)の外径の少なくとも約二倍であってもよい。これは有利なことに、ガスインジェクタ組立品(200)を取り付けるためのプロセスチャンバ内部の空間の経済的な使用を提供してもよい。さらに、細長い部分(105)の向上された折り畳みを可能にしてもよく、それによって蛇行形状を構成する。さらに、これは、蛇行形状の部分(112)の細長い部分(105)の間にブレーシングを有するという利点を提供してもよい。
【0078】
実施形態において、細長い部分(105)の高さ(h)は、第一の前駆体ガスがインジェクタチューブに入る前に、第一の前駆体ガス供給導管(102)内の第一の前駆体ガスの経路長さが、プロセスチャンバ内のプロセス温度下で、向上した熱活性化を第一の前駆体ガスに提供できるように構成されてもよい。さらに、高さ(h)は、プロセスチャンバ内部のガスインジェクタ組立品(200)の複雑さが最小化されうるように構成されてもよい。
【0079】
さらに、細長い部分(105)の数は、第一の前駆体ガス供給導管(102)の第二の端(123)での第一の前駆体ガスの温度が、第一の端(122)での温度よりも高いように構成されてもよく、それによってまた、インジェクタチューブ(101)の中に入る前の第一の前駆体ガスの熱活性化の向上に寄与する。第二の端(123)でのより高い温度は、第一の前駆体ガスが、インジェクタチューブ(101)の中に注入される前に、より長い時間にわたってプロセスチャンバ温度の温度に曝露されるという事実に起因してもよい。
【0080】
それ故に、実施形態において、細長い部分(105)の数、または少なくとも一部分(112)のその形状に関する構成は、少なくとも一部分(112)の全長が、前駆体がプロセス温度に達するのに、かつプロセス温度に留まるのに十分であるように構築および配置されてもよく、それによって、インジェクタチューブ(101)に到達する前に、プロセス温度で熱活性化を達成する。
【0081】
一部の実施形態において、第一の軸に沿って長手方向に延在する細長い部分(105)の高さ(h)は、第一の端(122)から第二の端(123)まで増大していてもよい(図に示さず)。言い換えれば、細長い部分(105)は、第一の端(122)からインジェクタチューブ(101)に向かって離れて延在する高さ(h)が増大していてもよい。
【0082】
一部の実施形態において、第一の軸に沿って長手方向に延在する細長い部分(105)の高さ(h)は、第一の端(122)から第二の端(123)まで減少していてもよい(図に示さず)。言い換えれば、細長い部分(105)は、第一の端(122)からインジェクタチューブ(101)に向かって離れて延在する高さ(h)が減少していてもよい。
【0083】
ここで、ガスインジェクタ組立品を概略的に示す
図2(a)および
図2(b)に戻る。
図2(a)は、水平に整列したループを有する、かつ供給端の中心軸まで延在する前駆体ガス導管を備えるもの、
図2(b)は、水平に整列したループを有する、かつ別の位置で供給端に入る前駆体ガス導管を備えるものである。
【0084】
実施形態において、中心軸は、第一の軸(110)と一致してもよく、またはそれと平行であってもよい。
【0085】
実施形態において、細長い部分(105)は、第二の軸(119)に沿って延在していてもよい。少なくとも一部分(112)は依然として、第一の端(122)と第二の端(123)の間に延在してもよいが、細長い部分(105)は、
図2(a)および
図2(b)に概略的に示す通り、第一の軸(109)に沿って互いに平行に整列されていてもよい。
【0086】
細長い部分(105)は、第一の軸(109)に沿って互いに平行であってもよいため、実質的に湾曲した部分(106)は、これらの細長い部分を、第二の軸(119)の右側に向かって一度、および第二の軸(119)の左側に向かって一度、互いに接続してもよい(
図2(a)、
図2(b))。言い換えれば、実質的に湾曲した部分(106)の各々は、細長い部分の遠位端(ここから第一の前駆体ガスが出てもよい)を、第一の軸(109)に沿って細長い部分に対して平行な隣接する細長い部分の遠位端(この中に第一の前駆体ガスが入ってもよい)に接続してもよく、それによって、細長い部分の出口・入口点は、第一の前駆体ガス供給導管(102)内の第一の前駆体ガスの流れ方向に応じて画定されてもよい。
【0087】
実施形態において、細長い部分(105)の長さ(L)は、第一の前駆体ガスがインジェクタチューブ(101)に入る前に、第一の前駆体ガス供給導管(102)内の第一の前駆体ガスの経路長さが、プロセスチャンバ内のプロセス温度下で、向上した熱活性化を第一の前駆体ガスに提供できるように構成されてもよい。さらに、長さ(L)は、プロセスチャンバ内部のガスインジェクタ組立品(200)の複雑さが最小化されうるように構成されてもよい。
【0088】
さらに、細長い部分(105)の数は、第一の前駆体ガス供給導管(102)の第二の端(123)での第一の前駆体ガスの温度が、第一の端(122)での温度よりも高いように構成されてもよく、それによってまた、インジェクタチューブ(101)の中に入る前の第一の前駆体ガスの熱活性化の向上に寄与する。第二の端(123)でのより高い温度は、第一の前駆体ガスが、インジェクタチューブ(101)の中に注入される前に、より長い時間にわたってプロセスチャンバ温度の温度に曝露されるという事実に起因してもよい。
【0089】
一部の実施形態において、
図2(a)に概略的に表される通り、細長い部分(105)を有する第一の前駆体ガス供給導管(102)の第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で第二の前駆体ガス供給導管(103)の第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。
【0090】
一部の実施形態において、(図に示さず)第二の前駆体ガス供給導管(103)の第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で細長い部分を有する第一の前駆体ガス供給導管(102)の第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。
【0091】
一部の実施形態において、
図2(b)に概略的に示す通り、第一の前駆体ガス入口(109)と第二の前駆体ガス入口(108)の両方は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)と第二の前駆体ガス入口(108)の両方は、第一の軸(109)に沿って長手方向に互いに離隔していてもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)または第二のガス供給導管(103)は、細長い部分(105)を有してもよい。
【0092】
一部の実施形態において、第二の前駆体ガス入口(108)は、
図2(b)に概略的に示す通り、第一の軸に沿って長手方向に第一の前駆体ガス入口(109)から離れて延在する供給端の側壁上に位置してもよい。一部の実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)は、第一の軸(109)に沿って長手方向に第二の前駆体ガス入口(108)から離れて延在する供給端(104)の側壁上に位置してもよい(図に示さず)。
【0093】
図3(a)を参照すると、一部の実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の少なくとも一部分(112)は、円形の同心ループ(107)を有してもよい。円形の同心ループ(107)は、第一の端(122)から第二の端(123)に向かって開始する、直径が減少する内向きの螺旋状であってもよい。同心ループ(107)の数は、第一の前駆体ガス供給導管(102)の第二の端(123)での第一の前駆体ガスの温度が、第一の端(122)での温度よりも高いように構成されてもよく、それによって第一の前駆体ガスの向上した熱活性化を提供してもよい。第二の端(123)でのより高い温度は、第一の前駆体ガスが、インジェクタチューブ(101)の中に注入される前に、より長い時間にわたってプロセスチャンバ温度の温度に曝露されるという事実に起因してもよい。
【0094】
一部の実施形態において、
図3(a)に概略的に表される通り、円形の同心ループ(107)を有する第一の前駆体ガス供給導管(102)の第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で第二の前駆体ガス供給導管(103)の第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。
【0095】
一部の実施形態において、(図に示さず)第二の前駆体ガス供給導管(103)の第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で円形の同心ループ(107)を有する第一の前駆体ガス供給導管(102)の第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。
【0096】
一部の実施形態において、(図に示さず)第一の前駆体ガス入口(109)と第二の前駆体ガス入口(108)の両方は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、第一の軸(109)に沿って長手方向に互いに離隔していてもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)または第二のガス供給導管(103)は、円形の同心ループ(107)を有してもよい。
【0097】
これらの実施形態の一部において、第二の前駆体ガス入口(108)は、第一の軸に沿って長手方向に第一の前駆体ガス入口(109)から離れて延在する供給端(104)の側壁上に位置してもよい。
【0098】
これらの実施形態の一部において、第一の前駆体ガス入口(109)は、第一の軸(109)に沿って長手方向に第二の前駆体ガス入口(108)から離れて延在する供給端(104)の側壁上に位置してもよい(図に示さず)。
【0099】
図3(b)を参照すると、一部の実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の少なくとも一部分(112)は、第一の軸に沿って長手方向に下向きにループする螺旋形状(130)を有してもよい。螺旋形状(130)は、第一の端(122)から第二の端(123)に向かって開始する、下向きの螺旋状であってもよい。巻数は、第一の前駆体ガス供給導管(102)の第二の端(123)での第一の前駆体ガスの温度が、第一の端(122)での温度よりも高いように構成されてもよく、それによって第一の前駆体ガスの向上した熱活性化を提供してもよい。第二の端(123)でのより高い温度は、第一の前駆体ガスがそれ故に、インジェクタチューブ(101)の中に注入される前に、より長い時間にわたってプロセスチャンバ温度の温度に曝露されるという事実に起因してもよい。
【0100】
一部の実施形態において、
図3(b)に概略的に表される通り、螺旋形状(130)を有する第一の前駆体ガス供給導管(102)の第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で第二の前駆体ガス供給導管(103)の第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。第一の前駆体ガス供給導管(102)は、中心軸まで延在してもよく、これは第一の軸(110)と一致していてもよい。
【0101】
一部の実施形態において、(図に示さず)第二の前駆体ガス供給導管(103)の第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で螺旋形状(130)を有する第一の前駆体ガス供給導管(102)の第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。第二の前駆体ガス供給導管(103)は、中心軸まで延在してもよく、これは第一の軸(110)と一致していてもよい。
【0102】
一部の実施形態において、(図に示さず)第一の前駆体ガス入口(109)と第二の前駆体ガス入口(108)の両方は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、第一の軸(109)に沿って長手方向に互いに離隔していてもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)または第二のガス供給導管(103)は、螺旋形状(130)を有してもよい。
【0103】
これらの実施形態の一部において、第二の前駆体ガス入口(108)は、第一の軸に沿って長手方向に第一の前駆体ガス入口(109)から離れて延在する供給端(104)の側壁上に位置してもよい。
【0104】
これらの実施形態の一部において、第一の前駆体ガス入口(109)は、第一の軸(109)に沿って長手方向に第二の前駆体ガス入口(108)から離れて延在する供給端(104)の側壁上に位置してもよい(図に示さず)。
【0105】
実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の少なくとも一部分は、
図4に概略的に表される通り、馬蹄形の蛇行(111)であってもよい。これは、プロセスチャンバ内部の空間の効率的な使用を提供することができるため、有利である場合がある。さらに、第一の前駆体ガスがプロセスチャンバの中に注入される前に、第一の前駆体ガスの所望の向上した熱活性化を提供するのに必要な経路長さを依然として提供する場合がある。
【0106】
一部の実施形態において、
図4(a)に概略的に表される通り、馬蹄形の蛇行(111)を有する第一の前駆体ガス供給導管(102)の第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で第二の前駆体ガス供給導管(103)の第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。第一の前駆体ガス供給導管(102)は、中心軸まで延在してもよく、これは第一の軸(110)と一致していてもよい。
【0107】
一部の実施形態において、(図に示さず)第二の前駆体ガス供給導管(103)の第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で馬蹄形の蛇行(111)を有する第一の前駆体ガス供給導管(102)の第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。第二の前駆体ガス供給導管(103)は、中心軸まで延在してもよく、これは第一の軸(110)と一致していてもよい。
【0108】
一部の実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)と第二の前駆体ガス入口(108)の両方は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、
図4(b)に概略的に示す通り、供給端(104)と直接連通してもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、第一の軸(109)に沿って長手方向に互いに離隔していてもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)または第二のガス供給導管(103)は、馬蹄形の蛇行(111)を有してもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)または第二のガス供給導管(103)は、中心軸まで延在してもよく、これは第一の軸(110)と一致していてもよい。
【0109】
これらの実施形態の一部において、第二の前駆体ガス入口(108)は、第一の軸に沿って長手方向に第一の前駆体ガス入口(109)から離れて延在する供給端(104)の側壁上に位置してもよい(
図4(b))。
【0110】
これらの実施形態の一部において、第一の前駆体ガス入口(109)は、第一の軸(109)に沿って長手方向に第二の前駆体ガス入口(108)から離れて延在する供給端(104)の側壁上に位置してもよい(図に示さず)。
【0111】
一部の実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の対向する側に位置してもよい。一部の実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の対向する側から互いに向かい合っていてもよい(
図4(c))。これは、インジェクタチューブの中への導入時に、およびプロセスチャンバの中への注入の前に、インジェクタチューブ(101)内部の第一の前駆体ガスおよび第二の前駆体ガスの混合を提供してもよい。インジェクタチューブ(101)内に既に提供された混合は、プロセスガスの形成に役立つ場合があり、それによって前駆体ガスの利用を向上し、プロセスチャンバの中に注入された時にプロセス収率を向上する。
【0112】
供給端(104)の対向する側での第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)の位置と、供給端(104)の対向する側に位置付けられた時に互いに向かい合うこととは、第一の前駆体ガス供給導管(102)の少なくとも一部分(112)が蛇行形状(
図1(b)、
図1(c)、
図2(a)、
図2(b))であり、円形の同心ループ(107)(
図3(a))を有し、かつ螺旋形状(130)(
図3(b))を有する時に、同じ利点で可能でありうる。
【0113】
実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、互いに対して180度以下の角度で位置付けられてもよい。第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)の異なる位置付けは、前駆体ガスを混合する利点を提供してもよく、形成されるプロセスガスの熱安定性を得る。
【0114】
第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、互いに対して180度の角度で位置付けられている時に、
図1(c)、
図2(b)、
図4(b)などに概略的に表される通り、供給端(104)の同じ側に位置してもよく、または
図4(c)などに概略的に表される通り、供給端(104)の対向する側に位置してもよい。
【0115】
供給端(104)の同じ側に位置付けられた時に、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、前駆体ガス入口のうちの一方が、長手方向で第一の軸(110)に平行な他方の前駆体ガス入口から離れて延在していてもよいようなものであってもよい。
【0116】
供給端(104)(
図4(c))の対向する側に位置付けられた時に、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、相互に向かい合っていてもよい。実施形態において、それらは、両方の入口(108、109)が第二の軸(119)に平行であってもよいように、互いに向かい合っていてもよい。
【0117】
第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は有利なことに、互いに対して180度未満の角度で位置付けられている時に、
図1(b)、
図2(a)、
図3(a)、
図3(b)、
図4(a)などに概略的に表される通り、互いに対して90度の角度で位置付けられてもよい。それ故に、一部の実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で第二の前駆体ガス供給導管(103)の第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。
【0118】
一部の実施形態において、第二の前駆体ガス供給導管(103)の第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の側壁に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で第一の前駆体ガス供給導管(102)の第一の前駆体ガス入口(109)は、供給端(104)の遠位端に位置してもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。
【0119】
実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)または第二の前駆体ガス供給導管(103)は、供給端(104)の中心軸まで延在してもよく、中心軸は第一の軸(110)と一致していてもよい。これは
図1(b)、
図2(a)、
図3(a)、
図3(b)、
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)に概略的に表されている場合があり、これらの図では第一の前駆体ガス供給導管(102)は供給端(104)の中心軸まで延在してもよい。これはまた、
図1(c)および
図2(b)に概略的に表されている場合があり、これらの図では第二の前駆体ガス供給導管(103)が供給端(104)の中心軸まで延在してもよい。これは混合の利点を提供してもよい。これは、インジェクタチューブ(101)の内壁に遮蔽効果を提供するのにさらに有利である場合がある。前駆体ガスの迅速な混合が起こる状況において、これはインジェクタチューブ(101)の内壁での堆積につながってもよい。従って、混合がインジェクタチューブ(101)の内壁の近くで起こることがないように、供給端(104)の中心軸まで延在する前駆体供給導管のうちの一つを有することが有利である場合がある。
【0120】
実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)および第二の前駆体ガス供給導管(103)は、円筒形状を有してもよいものの、導管に適した他の好適な形状も可能である場合がある。
【0121】
実施形態において、第一の前駆体ガスを提供するための第一の前駆体ガス入口(109)の直径は、第二の前駆体ガスを提供するための第二の前駆体ガス入口の直径と異なってもよい。これは有利なことに、第一の前駆体ガスおよび第二の前駆体ガスを異なる圧力値でガスインジェクタ内に提供する必要がある場合に、第一の前駆体ガスおよび第二の前駆体ガスに必要な圧力値を提供することを可能にする場合がある。
【0122】
一部の実施形態において、第一の前駆体ガスの圧力は、第二の前駆体ガスの圧力よりも低い必要がある場合がある。それ故に、第一の前駆体ガス入口(109)の直径は、第二の前駆体ガス入口(108)の直径よりも大きくてもよい。
【0123】
一部の実施形態において、第二の前駆体ガスの圧力は、第一の前駆体ガスの圧力よりも低い必要がある場合がある。それ故に、第二の前駆体ガス入口(108)の直径は、第一の前駆体ガス入口(109)の直径よりも大きくてもよい。
【0124】
これと一致して、第一の前駆体ガスを供給するための第一の前駆体ガス供給導管(102)の直径はまた、第二の前駆体ガスを供給するための第二の前駆体ガス供給導管(103)の直径と異なってもよい。それ故に、これは、前駆体ガス圧力と相関している場合がある前駆体ガス導管内部の堆積の結果として粒子汚染が生じうるため、粒子汚染を最小化するために有利である場合がある。
【0125】
第一の前駆体ガス供給導管(102)が少なくとも一部分(112)を備える実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の直径が第二の前駆体ガス供給導管(103)の直径よりも大きいことが有利である場合がある。これは、依然として第一の前駆体ガス導管(102)内部にありながら、プロセス温度への第一の前駆体ガスの十分な曝露を可能にする場合があり、それによってその熱活性化を向上する。これは、第一の前駆体ガスが、その熱活性化に達する前にプロセス温度へのより長い曝露時間を必要とする時に、特に有利である場合がある。
【0126】
逆に、第二の前駆体ガス供給導管(103)が少なくとも一部分(112)を備える実施形態において、第二の前駆体ガス供給導管(103)の直径が第一の前駆体ガス供給導管(102)の直径よりも大きいことは有利である場合がある。これは、依然として第二の前駆体ガス導管(1023)内部にありながら、プロセス温度への第二の前駆体ガスの十分な曝露を可能にする場合があり、それによってその熱活性化を向上する。これは、第二の前駆体ガスが、その熱活性化に達する前にプロセス温度へのより長い曝露時間を必要とする時に、特に有利である場合がある。
【0127】
実施形態において、インジェクタチューブ(101)は、プロセスガスをプロセスチャンバの中に送達するための複数のプロセスガス注入穴を備えてもよく、これらのプロセスガス注入穴は、長手方向に互いに離隔していてもよい。
【0128】
実施形態において、プロセスガス注入穴は、第一の軸に沿って長手方向に互いに離隔していてもよい。言い換えれば、穴は、第一の軸に沿ってインジェクタチューブ(101)の本体内に同一直線上に構築および配置されてもよい。これは、プロセスチャンバにプロセスガスを分配する上で有利である場合がある。プロセスガス注入穴は、例えば基材の表面上に堆積された膜の厚さの均一性および膜の組成などのプロセス変動を低減することを可能にする場合がある。
【0129】
実施形態において、プロセスガス注入穴の各々の直径は、実質的に同じであってもよい。
【0130】
一部の実施形態において、プロセスガス注入穴の各々の直径は、1mm~1.5mmの範囲内であってもよい。これらの実施形態において、ピッチ値は、20mm~35mmの範囲内であってもよい。
【0131】
一部の実施形態において、プロセスガス注入穴の各々の直径は、4mm~6mmの範囲内であってもよい。これらの実施形態において、ピッチ値は、15mm~200mmの範囲内であってもよい。
【0132】
一部の実施形態において、プロセスガス注入穴は、インジェクタチューブ(101)の高さに沿って互いに等しく分離されてもよい。言い換えれば、穴の各々の中心点間の距離は同一であってもよい。一部の実施形態においてプロセスガス注入穴(120)の直径が実質的に同じであってもよいという事実を考慮すると、これは言い換えれば、これらの注入穴(120)のピッチ値が一定であってもよく、または実質的に同じであってもよいことを意味する。困難なプロセス制御要件を有するプロセスについて、プロセスガス注入穴の直径は、必要に応じて、当該第一の軸に沿って異なるように構成されてもよいことが理解されるべきである。これはプロセス制御の最適化を可能にすることができる。
【0133】
実施形態において、複数のプロセスガス注入穴は、インジェクタチューブ(101)の高さに沿って延在してもよい。ガスインジェクタは、基材ボート内に含まれる複数の基材にプロセスガスを提供するように構築および配設されてもよく、それによって基材ボートはプロセスチャンバの中に受容可能であるため、インジェクタチューブ(101)の高さに沿った穴の存在は有利なことに、プロセスガスをプロセスチャンバに、それ故に複数の基材に平衡化した様式で分配することを可能にする場合がある。
【0134】
実施形態において、基材ボートの遠位端は好ましくは、インジェクタチューブ(101)の遠位端と整列されてもよく、遠位端は、第一の軸に沿って長手方向に第二の端(126)と反対側である。それ故に、基材ボートに含まれる基材負荷は、インジェクタチューブ(101)の遠位端よりも低く位置付けられてもよい。
【0135】
一部の実施形態において、プロセスガス注入穴のピッチは、インジェクタチューブ(101)の高さにわたって一定であってもよい。
【0136】
一部の実施形態において、プロセスガス注入穴のピッチは、インジェクタチューブ(101)の高さに沿って変化してもよい。
【0137】
それ故に、一部の実施形態において、複数のプロセスガス注入穴は、第一の端(125)から第二の端(126)まで長手方向に第一の軸に沿って増加するピッチ値を有してもよい。これは言い換えれば、穴の直径が実質的に同じであるという事実を考慮すると、穴の中心間の距離は、第一の端(125)から第二の端(126)まで長手方向に第一の軸に沿って増大する場合があることを意味する。ガスインジェクタの本体内部の圧力は、第一の端(125)と比較して第二の端(126)の近くでより高くてもよい。それ故に、プロセスガス注入穴のピッチは、第二の端(126)に向かってより大きくてもよい。第一の端(125)の近くのより低い圧力は、この部分においてより多くの注入穴を必要とする場合がある。これは、プロセスチャンバ内部でガスを得るために、より小さいピッチ値を有する注入穴が必要となる場合があることを意味する。従って、第一の端(125)から第二の端(126)までの第一の軸に沿ったピッチ値の差は、ガスインジェクタのインジェクタチューブ(101)内部のプロセスガスの圧力の差異に適合するために役立つ場合があり、それによって、等しい量のガスがプロセスチャンバ内部に送達されることを可能にする。これは、プロセスチャンバ内部でプロセスガスの均等な分布を提供する場合がある。堆積がプロセスチャンバ内の複数の基材で継続される実施形態において、これはそれによって、均一な膜堆積の達成を可能にする場合がある。
ピッチ値がインジェクタチューブ(101)のサイズに依存してもよいことに留意されたい。インジェクタチューブ(101)の本体が狭い時に、プロセスガス注入穴のピッチ値の急激な変化がある場合がある。これは、インジェクタチューブ(101)内部の高い圧力降下に適応するためであってもよい。インジェクタチューブ(101)の第一の端(125)の近くに位置するガス注入穴は、インジェクタチューブ(101)の第二の端(126)の近くに位置するガス注入穴よりも高圧であることに起因して、プロセスチャンバにより多くの供給を提供してもよい。従って、プロセスガス注入穴のピッチ値の変化は、インジェクタチューブ(101)内部の圧力勾配とほぼ同じだけ急勾配である必要がある場合がある。
【0138】
ここで
図5に戻る。実施形態において、ガスインジェクタ組立品(200)は、混合区画(120)をさらに備えてもよい。混合区画(120)は供給端(104)を備えてもよく、混合区画(120)は、
図5(a)および
図5(b)に概略的に示す通り、供給口(121)を介してインジェクタチューブ(101)に接続されてもよい。
【0139】
実施形態において、混合区画(120)は、供給口(121)を介してインジェクタチューブ(101)に直接接続されてもよい。
【0140】
図5aおよび
図5bの矢印は、インジェクタチューブ(101)の中への供給口(121)を介したプロセスガスの流れを概略的に表す。
【0141】
混合区画(120)の存在は有利なことに、第一の前駆体ガスと第二の前駆体ガスの混合を可能にしてもよく、それによってインジェクタチューブ(101)の中に提供される前にプロセスガスを形成する。
【0142】
一部の実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)は、供給端(104)の側壁で第一の前駆体ガス入口(109)を通して混合区画(120)に接続されてもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、供給端(104)の中心軸まで延在してもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体供給導管(102)は、少なくとも一部分(112)を備えてもよい。一部の実施形態において、
図5(a)に概略的に表される通り、少なくとも一部分(112)は、馬蹄形の蛇行(111)であってもよい。一部の実施形態において、少なくとも一部分(112)は、本開示に開示の通りの任意の他の形状であってもよい。
【0143】
第二の前駆体ガス供給導管(103)は、供給端(104)の遠位端で第二の前駆体ガス入口(108)を通して混合区画(120)に接続されてもよく、
図5(a)に概略的に表される通り、供給端(104)と直接連通してもよい。
【0144】
一部の実施形態において、(図に示さず)第二の前駆体ガス供給導管(103)は、供給端(104)の側壁で第二の前駆体ガス入口(108)を通して混合区画(120)に接続されてもよく、供給端(104)と直接連通してもよく、その一方で第一の前駆体ガス供給導管は、供給端(104)の遠位端で第一の前駆体ガス入口(109)を通して混合区画(120)に接続されてもよく、供給端(104)と直接連通してもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体供給導管(102)は、少なくとも一部分(112)を備えてもよく、少なくとも一部分(112)は、馬蹄形の蛇行(111)であってもよく、または本開示に開示の通りの任意の他の形状であってもよい。
【0145】
一部の実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)と第二の前駆体ガス供給導管(103)の両方は、供給端(104)の側壁で第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)を通して混合区画(120)に接続されてもよく、供給端(104)と直接連通してもよい(図に示さず)。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、第一の軸(110)に沿って長手方向に互いに離隔していてもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)または第二のガス供給導管(103)は、馬蹄形の蛇行(111)を有してもよい。これらの実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)または第二のガス供給導管(103)は、本開示に開示の通りの任意の他の形状であってもよい。
【0146】
これらの実施形態の一部において、第二の前駆体ガス入口(108)は、第一の軸に沿って長手方向に第一の前駆体ガス入口(109)から離れて延在する供給端(104)の側壁上に位置してもよい(図に示さず)。
【0147】
これらの実施形態の一部において、第一の前駆体ガス入口(109)は、第一の軸(109)に沿って長手方向に第二の前駆体ガス入口(108)から離れて延在する供給端(104)の側壁上に位置してもよい(図に示さず)。
【0148】
ここで
図5(b)に戻ると、一部の実施形態において、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)は、供給端(104)の対向する側に位置してもよく、混合区画(120)内で互いに向かい合っていてもよいことが開示されている。第一の前駆体ガス供給導管(102)および第二の前駆体ガス供給導管(103)は、第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)を通して混合区画(120)に接続されてもよい。
【0149】
これは、混合区画(120)内部に第一の前駆体ガスおよび第二の前駆体ガスの混合を提供してもよい。混合は、プロセスガスの形成に役立つ場合があり、形成されたプロセスガスは次に、供給口(121)を通してインジェクタチューブ(101)に提供される。
【0150】
第一の前駆体ガス入口(109)、および第一の前駆体ガス入口(109)に面する第二の前駆体ガス入口(108)は、混合区画の対向する側で第一の軸に沿った長手方向のどの場所に位置してもよい。
【0151】
実施形態において、混合区画(120)は、インジェクタチューブ(101)の下方に位置してもよい(図に示さず)。これは、インジェクタチューブ(101)内のプロセスガスに温度安定化を提供するのに有利である場合があり、プロセスガスは、混合区画(120)内で前駆体の混合後に形成される。さらに、プロセスガスがプロセスチャンバに注入される前に熱活性化されるために、より長い経路が必要とされる場合があるプロセスにおいて、この構成は、さらなる利点を提供する場合がある。
【0152】
実施形態において、混合区画(120)の長さ、幅、深さなどの寸法は、混合区画(120)内の前駆体ガスの混合長さに応じて構成されてもよい。混合長さは、前駆体ガス入口の位置付けと、および混合区画(120)内で混合が行われる場所と相関していてもよい。
【0153】
図5aにおいて、例えば前駆体ガス入口(108、109)が互いに90度であり、さらに前駆体供給導管(102)のうちの一つが中心軸(110)まで延在するため、混合長さはより長い。
【0154】
図5bにおいて、例えば前駆体ガス入口(108、109)が互いに向かい合うため、混合長さはより短い。
【0155】
実施形態において、供給口(121)は、インジェクタチューブ(101)の第一の端(125)の近くに、またはインジェクタチューブ(101)の第一の端(125)と第二の端(126)の間に位置してもよい。
【0156】
供給口(121)がインジェクタチューブ(101)の第一の端(125)の近くに位置する実施形態において、前駆体ガスの向上した混合が得られてもよい。これは、前駆体ガスのうちの一つが、少なくとも一部分(112)を有する前駆体ガス導管を通して提供され、それによって混合区画(120)に入る前に熱活性化されるという事実に起因する場合がある。混合区画(120)内の他の前駆体と混合し、供給口(121)を通してインジェクタチューブ(101)の中に供給された後、前駆体ガスの混合物は、プロセスチャンバの中に注入される前に、インジェクタチューブ(101)内の熱活性化に達するという利点を有する場合がある。
【0157】
供給口(121)がインジェクタチューブ(101)の第一の端(125)と第二の端(126)の間に位置する実施形態において、中間生成物の形成が起こるプロセス、例えばTEOS堆積などにおいて有利である場合がある。
【0158】
実施形態において、供給口はまた、インジェクタチューブ(101)の第二の端(126)に向かって位置してもよい(図に示さず)。向上した混合を提供することに加えて、この構成は、プロセスガスの温度安定化に関して有利である場合があり、プロセスガスは前駆体ガスの混合物である。これは、プロセスチャンバに注入される前にプロセスガスが熱的に活性化されるために、より長い経路が必要な場合があるプロセスにとって、さらに有利である場合がある。
【0159】
本開示の第二の態様において、半導体処理装置が開示されている。ここで、半導体処理装置を概略的に表す
図6に戻る。
【0160】
半導体処理装置(300)は、複数の基材(330)を処理するのに好適である場合がある。複数の基材(330)は、装置(300)のプロセスチャンバ(310)の中に受容可能であってもよい、かつ複数の基材(330)を保持するのに好適であってもよい基材ボート(320)内に含まれてもよく、ここでプロセスチャンバ(310)は垂直方向に長手方向に延在していてもよい。装置は、プロセスチャンバ(310)内部にガスインジェクタ組立品(200)をさらに備えてもよい。ガスインジェクタ組立品(200)は、プロセスガスをプロセスチャンバ(310)の中に提供するのに好適であってもよい。
【0161】
ガスインジェクタ組立品(200)は、ガスインジェクタを備えてもよい。ガスインジェクタは、プロセスガスをプロセスチャンバに注入するのに好適なインジェクタチューブ(101)を備えてもよい。インジェクタチューブ(101)は、第一の軸に沿って長手方向に第一の端(125)から第二の端(126)に延在してもよい。ガスインジェクタは供給端(104)をさらに備えてもよい。供給端(104)は、プロセスガスを形成するためにインジェクタチューブ(101)に第一および第二の前駆体ガスを提供するための第一の前駆体ガス入口(109)および第二の前駆体ガス入口(108)を備えてもよい。
【0162】
インジェクタガスアセンブリ(200)は、第一の前駆体ガス入口(109)を第一のガス進入部に接続する第一の前駆体ガス供給導管(102)と、第二の前駆体ガス入口を第二の前駆体ガス進入部に接続する第二の前駆体ガス供給導管(103)とをさらに備えてもよい。第一の前駆体ガス進入部から第一の前駆体ガス入口(109)に延在する第一の前駆体ガス供給導管(102)のサイズは、第二の前駆体ガス進入部から第二の前駆体ガス入口(108)に延在する第二の前駆体ガス供給導管(103)のサイズよりも大きくてもよい。
【0163】
実施形態において、第一および第二のガス進入部は、前駆体ガスの各々がそれぞれの導管の中に入る入口点を指す場合がある。それ故に、前駆体ガスの各々の入口点は、半導体処理装置(300)の外側に位置してもよい。それ故に入口点は、前駆体ガス導管の各々が前駆体貯蔵部に接続されている点であってもよい。一部の実施形態において、第一および第二のガス進入部は、プロセスチャンバ(310)への導管の各々の入口点(102’、103’)を指してもよい。
【0164】
半導体処理装置は有利なことに、プロセス収率を向上することを可能にする場合がある。これは、第一の前駆体ガス供給導管(102)のサイズが大きいために、第一の前駆体ガスが供給端(104)に入る前にプロセスチャンバの温度への曝露時間が長くなる場合があり、それ故にその熱活性化を向上するという事実に起因する場合がある。第一の前駆体ガスの向上した熱活性化は、第二の前駆体ガスと混合する際に形成されるプロセスガスの品質を向上する場合がある。これは次いで、それによって膜堆積プロセスを向上する場合があり、プロセス収率を向上するのに役立つ。
【0165】
より大きいサイズの第一の前駆体ガス供給導管(102)は、第一の前駆体ガス供給導管(102)の直径および/または長さが、第二の前駆体ガス供給導管(103)の直径および/または長さよりも大きいことを指してもよい。それ故に、第一の前駆体ガス供給導管(102)の直径および長さのうちの少なくとも一つは、第二の前駆体ガス供給導管(103)の直径および長さのうちの少なくとも一つよりも大きくてもよい。
【0166】
実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の少なくとも一部分は、実質的に湾曲した部分によって互いに接続されている複数の細長い部分で構築されてもよい。細長い部分のおかげで、第一の前駆体ガス供給導管(102)の長さは、第二の前駆体ガス供給導管(103)の長さよりも大きくてもよい。
【0167】
一部の実施形態において、細長い部分は蛇行の形状を有してもよい。
【0168】
一部の実施形態において、細長い部分は馬蹄形の蛇行の形状を有してもよい。
【0169】
一部の実施形態において、細長い部分は、円形の同心ループの形状であってもよく、または下向きの螺旋形状のループであってもよい。
【0170】
一部の実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の直径はまた、第二の前駆体ガス供給導管(103)と比較して、そのより大きい長さに加えて、より大きくてもよい。
【0171】
実施形態において、細長い部分(105)は、第一の軸(110)に沿って長手方向に延在していてもよい。少なくとも一部分(112)は、第一の端(122)と第二の端(123)の間で第二の軸(119)に沿って延在してもよく、第二の軸(119)は第一の軸(110)に対して垂直である。
【0172】
実施形態において、少なくとも一部分(112)の第一の端(122)は、第一の前駆体ガスがプロセスチャンバに注入されるように第一の前駆体ガスの流れの方向で中に入る端であってもよく、その一方で第二の端(123)は、第一の前駆体ガスが少なくとも一部分(112)を出る端であってもよい。
【0173】
実施形態において、第一の前駆体ガス供給導管(102)の少なくとも一部分は、プロセスチャンバの内壁に対して同一平面であってもよい。これは有利なことに、プロセスチャンバ内部の空間を節約すること、および特に基材ボートが回転されうる時に、ガスインジェクタ組立品への損傷のリスクを低減することを可能にする場合がある。
【0174】
実施形態において、半導体処理装置(300)は垂直炉であってもよい。
【0175】
実施形態において、半導体処理装置(300)は、化学蒸着(CVD)プロセスを実施することによって複数の基材上に層を形成するのに好適な垂直炉であってもよい。
【0176】
基材処理装置(300)は、前駆体ガス供給導管に動作可能に接続されているコントローラをさらに備えてもよい(図に示さず)。コントローラは、半導体処理装置が複数の基材を処理することを引き起こすために、非一時的コンピュータ可読媒体に含まれる命令を実行するように構成されてもよい。非一時的コンピュータ可読媒体は機械的スイッチを含まないことが言及されるべきである。
【0177】
基材処理装置(300)は、複数の基材の処理中にプロセス温度を調整および維持するためのヒーター(350)をさらに備えてもよい。さらに、複数の基材の処理中にプロセス圧力を調整および維持するための圧力コントローラ(360)を備えてもよい。ヒーター(350)および圧力コントローラ(360)は、コントローラに動作可能に接続されてもよい。
【0178】
本開示の実施形態は、本明細書に添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって定義されているため、本発明の範囲を限定しない。任意の均等な実施形態は、本発明の範囲内にあることが意図されている。互いに異なる本開示の修正は、本明細書に開示されるものに加えて、当業者に明らかになりうる。こうした修正およびそこから由来する実施形態はまた、本明細書に添付の特許請求の範囲の範囲内に収まることが意図されている。
【外国語明細書】