(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065639
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】積載状況推定装置および積載状況推定方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20240508BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
E02F9/20 M
E02F9/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174614
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 幸紀
(72)【発明者】
【氏名】奥田 浩詞
(72)【発明者】
【氏名】大山 潤爾
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003BA01
2D003BA06
2D003CA02
2D003DA04
2D003DB04
2D003DB05
2D015HA03
2D015HB05
(57)【要約】
【課題】積込対象の全域における積載状況を推定する。
【解決手段】積込判定部は、積込機械が備える作業具に保持された荷が積込対象に積み込まれたか否かを判定する。相対位置特定部は、荷が積込対象に積み込まれたときにおける作業具と積込対象との相対的な位置関係を特定する。分布推定部は、積込対象に積み込まれた荷の粘度に基づいて、積込対象に積み込まれた荷の分布を推定する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積込機械が備える作業具に保持された荷が積込対象に積み込まれたか否かを判定する積込判定部と、
前記荷が前記積込対象に積み込まれたときにおける前記作業具と前記積込対象との相対的な位置関係を特定する相対位置特定部と、
前記積込対象に積み込まれた前記荷の粘度に基づいて、前記積込対象に積み込まれた荷の分布を推定する分布推定部と、
を備える積載状況推定装置。
【請求項2】
積み込まれた前記荷の粘度を推定する粘度推定部を備える、
請求項1に記載の積載状況推定装置。
【請求項3】
積み込まれた前記荷の粘度の入力を受け付ける粘度入力部を備える、
請求項1に記載の積載状況推定装置。
【請求項4】
積み込まれた前記荷の量を推定する積込量推定部を備え、
前記分布推定部は、前記荷の粘度と前記荷の量とに基づいて前記荷の分布を推定する、
請求項1に記載の積載状況推定装置。
【請求項5】
前記粘度推定部は、前記荷が前記積込対象に積み込まれたときの前記作業具の角度に基づいて前記荷の粘度を推定する
請求項2に記載の積載状況推定装置。
【請求項6】
前記積込判定部は、前記作業具の角度に基づいて前記荷が積込対象に積み込まれたか否かを判定する
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の積載状況推定装置。
【請求項7】
前記積込判定部は、前記積込機械または前記積込対象の重量を計測する重量センサの計測データの変化に基づいて前記荷が積込対象に積み込まれたか否かを判定する
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の積載状況推定装置。
【請求項8】
前記分布推定部は、作業具であるバケットの最大容量における荷の分布を推定する、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の積載状況推定装置。
【請求項9】
前記荷の分布を示す画像を表示させる表示制御部を備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載の積載状況推定装置。
【請求項10】
積込機械が備える作業具に保持された荷が積込対象に積み込まれたか否かを判定するステップと、
前記荷が前記積込対象に積み込まれたときにおける前記作業具と前記積込対象との相対的な位置関係を特定するステップと、
前記積込対象に積み込まれた前記荷の粘度に基づいて、前記積込対象に積み込まれた荷の分布を推定するステップと
を備える積載状況推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積載状況推定装置および積載状況推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、積込対象の全域にわたって万遍なく運搬物を積み込むことを支援するために、積込機械に設けられた撮像装置に基づいて荷台上の荷の形状を検知し、比較的荷が少ない領域を目標積込ポイントとして算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷台全体の積載状況は、積込機械の操縦者から認識することが困難である。また特許文献1に記載の技術では、撮像装置と積込対象との位置関係によっては撮像画像において死角が生じる可能性があり、必ずしも積込対象の全域の荷の形状を検知できるとは限らない。
本開示の目的は、積込対象の全域における積載状況を推定することができる積載状況推定装置および積載状況推定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、積載状況推定装置は、積込機械が備える作業具に保持された荷が積込対象に積み込まれたか否かを判定する積込判定部と、前記荷が前記積込対象に積み込まれたときにおける前記作業具と前記積込対象との相対的な位置関係を特定する相対位置特定部と、前記積込対象に積み込まれた前記荷の粘度に基づいて、前記積込対象に積み込まれた荷の分布を推定する分布推定部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
上記態様によれば、積載状況推定装置は、積込対象の全域における積載状況を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第一実施形態に係る積込場の構成を示す図である。
【
図2】第一実施形態に係る積込機械の構成を示す概略図である。
【
図3】第一実施形態に係る運転室の内部の構成を示す図である。
【
図4】第一実施形態に係る制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図5】第一実施形態に係る粘度の入力画面の例を示す図である。
【
図7】第一実施形態に係る分布画像の表示方法を示すフローチャートである。
【
図8】第二実施形態に係る制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図9】第二実施形態に係る分布画像の表示方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〈第一実施形態〉
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第一実施形態に係る積込場の構成を示す図である。
作業現場には、積込機械100と積込対象200とが配備される。積込機械100は、施工現場にて稼働し、土砂などの施工対象を掘削し、荷Lとしてダンプトラックなどの積込対象200に積み込む。積込機械100の例としては、フェイスショベル、バックホウショベル、ロープショベルなどが挙げられる。また積込機械100は電動駆動するものであってもよいし、油圧駆動するものであってもよい。第一実施形態に係る積込機械100は、バックホウショベルである。積込機械100は、走行体110、旋回体120、作業機130及び運転室140を備える。積込対象200の例としては、ダンプトラック、ホッパなどが挙げられる。積込対象200は、荷Lを収容する容器であるベッセル210を備える。ベッセル210には、ベッセル210に積み込まれた荷Lの重量を計測するペイロードメータ211が設けられる。また積込対象200は、位置方位演算器220および通信装置230を備える。位置方位演算器220は、積込対象200の位置および方位を演算する。位置方位演算器220は、例えば、GNSSを構成する人工衛星からの測位信号に基づいて、積込対象200の位置及び方位を演算する。通信装置230は、ペイロードメータ211および位置方位演算器220の計測データを積込機械100に送信する。通信装置230は、例えば近距離無線通信などにより積込機械100との通信を行う。
【0009】
《積込機械100の構成》
図2は、第一実施形態に係る積込機械100の構成を示す概略図である。
走行体110は、積込機械100を走行可能に支持する。走行体110は、左右に設けられた2つの無限軌道111と、各無限軌道111を駆動するための2つの走行モータ112を備える。走行体110は、支持部の一例である。
旋回体120は、走行体110に旋回中心回りに旋回可能に支持される。
作業機130は、油圧により駆動する。作業機130は、旋回体120の前部に上下方向に駆動可能に支持される。
運転室140は、オペレータが搭乗し、積込機械100の操作を行うためのスペースである。運転室140は、旋回体120の左前部に設けられる。
ここで、旋回体120のうち作業機130が取り付けられる部分を前部という。また、旋回体120について、前部を基準に、反対側の部分を後部、左側の部分を左部、右側の部分を右部という。
【0010】
《旋回体120の構成》
旋回体120は、エンジン121、油圧ポンプ122、コントロールバルブ123、旋回モータ124を備える。
エンジン121は、油圧ポンプ122を駆動する原動機である。エンジン121は、動力源の一例である。
油圧ポンプ122は、エンジン121により駆動される可変容量ポンプである。油圧ポンプ122は、コントロールバルブ123を介して各アクチュエータ(ブームシリンダ131C、アームシリンダ132C、バケットシリンダ133C、走行モータ112、及び旋回モータ124)に作動油を供給する。
コントロールバルブ123は、油圧ポンプ122から供給される作動油の流量を制御する。
旋回モータ124は、コントロールバルブ123を介して油圧ポンプ122から供給される作動油によって駆動し、旋回体120を旋回させる。
【0011】
《作業機130の構成》
作業機130は、ブーム131、アーム132、作業具としてのバケット133、ブームシリンダ131C、アームシリンダ132C、及びバケットシリンダ133Cを備える。作業具の他の例として、クラムバケット、チルトバケット、チルトローテートバケットなどが挙げられる。
【0012】
ブーム131の基端部は、旋回体120にブームピンを介して回転可能に取り付けられる。なお、
図2に示す積込機械100においては、ブーム131が旋回体120の正面中央部分に設けられるが、これに限られず、ブーム131は左右方向にオフセットして取り付けられたものであってもよい。この場合、旋回体120の旋回中心は作業機130の動作平面上に位置しない。
アーム132は、ブーム131とバケット133とを連結する。アーム132の基端部は、ブーム131の先端部にアームピンを介して回転可能に取り付けられる。
バケット133は、アーム132の先端部にピンを介して回転可能に取り付けられる。バケット133は、荷Lを収容するための容器として機能する。バケット133は、開口が旋回体120側(後方)を向くように取り付けられる。つまり、バックホウショベルである積込機械100は、バケット133を旋回体120の手前側に引き寄せることで掘削を行う。
【0013】
ブームシリンダ131Cは、ブーム131を作動させるための油圧シリンダである。ブームシリンダ131Cの基端部は、旋回体120に取り付けられる。ブームシリンダ131Cの先端部は、ブーム131に取り付けられる。
アームシリンダ132Cは、アーム132を駆動するための油圧シリンダである。アームシリンダ132Cの基端部は、ブーム131に取り付けられる。アームシリンダ132Cの先端部は、アーム132に取り付けられる。
バケットシリンダ133Cは、バケット133を駆動するための油圧シリンダである。バケットシリンダ133Cの基端部は、ブーム131に取り付けられる。バケットシリンダ133Cの先端部は、バケット133を回動可能にするリンク機構に取り付けられる。
【0014】
《運転室140の構成》
図3は、第一実施形態に係る運転室140の内部の構成を示す図である。
運転室140内には、運転席141、操作端末142及び操作装置143が設けられる。操作端末142は、運転席141の近傍に設けられ、後述する制御装置160とのユーザインタフェースである。操作端末142は、例えばタッチパネルで構成された表示装置であり、オペレータが操作する操作部と、操作を受け付ける入力受付部があってもよい。また、積込作業中、操作端末142には、積込作業を補助するために、積込対象200のベッセル210に積み込まれた荷Lのベッセル210上における分布に関する情報が表示される。操作端末142は、LCDなどの表示部を備えるものであってよい。操作端末142は表示装置の一例である。また、他の実施形態においては、積込機械100は、操作端末142に代えて、運転室140のフロントガラスに画像を投影するヘッドアップディスプレイを備えてもよい。
【0015】
操作装置143は、オペレータの手動操作によって走行体110、旋回体120及び作業機130を駆動させるための装置である。
【0016】
《計測系の構成》
図2に示すように、積込機械100は、位置方位演算器151、傾斜計測器152、ブームストロークセンサ153、アームストロークセンサ154、バケットストロークセンサ155を備える。
【0017】
位置方位演算器151は、旋回体120の位置及び旋回体120が向く方位を演算する。位置方位演算器151は、GNSSを構成する人工衛星から測位信号を受信する2つの受信器を備える。2つの受信器は、それぞれ旋回体120の異なる位置に設置される。位置方位演算器151は、受信器が受信した測位信号に基づいて、現場座標系における旋回体120の代表点(ショベル座標系の原点)の位置を検出する。
位置方位演算器151は、2つの受信器が受信した各測位信号を用いて、一方の受信器の設置位置に対する他方の受信器の設置位置の関係として、旋回体120の向く方位を演算する。旋回体120が向く方位とは、旋回体120の正面に直交する方向である。また、旋回体120が向く方位は、作業機130のブーム131からバケット133へ伸びる直線の延在方向の水平成分に等しい。
【0018】
傾斜計測器152は、旋回体120の加速度及び角速度を計測し、計測結果に基づいて旋回体120の姿勢(例えば、ロール角、ピッチ角、ヨー角)および旋回速度を検出する。傾斜計測器152は、例えば旋回体120の下面に設置される。傾斜計測器152は、例えば、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)を用いることができる。
【0019】
ブームストロークセンサ153は、ブームシリンダ131Cに取り付けられ、ブームシリンダ131Cのシリンダ長を検出する。ブームシリンダ131Cのシリンダ長は、旋回体120に対するブーム131の相対角度に換算可能である。
アームストロークセンサ154は、アームシリンダ132Cに取り付けられ、アームシリンダ132Cのシリンダ長を検出する。アームシリンダ132Cのシリンダ長は、ブーム131に対するアーム132の相対角度に換算可能である。
バケットストロークセンサ155は、バケットシリンダ133Cに取り付けられ、バケットシリンダ133Cのシリンダ長を検出する。バケットシリンダ133Cのシリンダ長は、アーム132に対するバケット133の相対角度に換算可能である。
第一実施形態に係る積込機械100は、ブームストロークセンサ153、アームストロークセンサ154、及びバケットストロークセンサ155を用いて作業機130の各リンク部品の角度を特定するが、他の実施形態においてはこれに限られない。例えば、他の実施形態においては、ストロークセンサに代えて、リンク部品の相対回転角を検出するポテンショメータを備えてもよいし、各リンク部品の対地角を検出する傾斜センサを備えてもよい。
【0020】
《制御装置160の構成》
図4は、第一実施形態に係る制御装置160の構成を示す概略ブロック図である。
積込機械100は、制御装置160を備える。制御装置160は、操作端末142に実装されるものであってもよいし、操作端末142と別個に設けられ、操作端末142からの入出力を受け付けるものであってもよい。制御装置160は、操作装置143から操作信号を受信する。制御装置160は、受信した操作信号又は自動制御のために生成された操作信号をコントロールバルブ123に出力することで、作業機130、旋回体120及び走行体110を駆動させる。以下、操作装置143から受信した操作信号を手動操作信号ともよび、自動制御のために生成された操作信号を自動操作信号ともよぶ。なお、自動操作信号は、旋回体120および作業機130を駆動させる操作信号からなり、走行体110を駆動させる操作信号を含まない。自動制御中に、オペレータによる手動操作信号を受信した場合、制御装置160は自動制御を停止してもよい。
【0021】
制御装置160は、プロセッサ610、メインメモリ630、ストレージ650、インタフェース670を備えるコンピュータである。ストレージ650は、プログラムを記憶する。プロセッサ610は、プログラムをストレージ650から読み出してメインメモリ630に展開し、プログラムに従った処理を実行する。
【0022】
ストレージ650の例としては、半導体メモリ、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク等が挙げられる。ストレージ650は、制御装置160の共通通信線に直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース670を介して制御装置160に接続される外部メディアであってもよい。メインメモリ630及びストレージ650は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0023】
プロセッサ610は、プログラムの実行により、データ取得部611、データ受信部612、粘度入力部613、バケット姿勢特定部614、相対位置特定部615、積込判定部616、積込量推定部617、分布推定部618、表示制御部619を備える。
【0024】
データ取得部611は、積込機械100の計測系による計測データを取得する。具体的には、データ取得部611は、位置方位演算器151、傾斜計測器152、ブームストロークセンサ153、アームストロークセンサ154およびバケットストロークセンサ155から計測データを取得する。データ取得部611は、傾斜計測器152が計測した旋回体120の角速度を積分することで、旋回体120の角度を算出する。
データ受信部612は、積込対象200の通信装置230から、積込対象200の位置および方位、ならびに荷Lの重量の計測データを受信する。
【0025】
粘度入力部613は、オペレータの操作によって、荷Lの粘度の入力を受け付ける。荷Lの粘度は、荷Lを積み込んだときの広がり方、および荷Lがバケット133から離れるときのバケット133の角度に影響する。例えば、荷Lの粘度が低い場合、ベッセル210に積み込まれた荷Lは浅く広く分布する。他方、荷Lの粘度が高い場合、ベッセル210に積み込まれた荷Lは高く狭く分布する。また、荷Lの粘度が低い場合、バケット133の角度が鉛直下方を向く前からバケット133から荷Lが離れ始める。他方、荷Lの粘度が高い場合、バケット133の角度が鉛直下方を超えた後にバケット133から荷Lが離れる。
【0026】
図5は、第一実施形態に係る粘度の入力画面の例を示す図である。粘度入力部613は、操作端末142に
図5に示すような粘度の入力画面を表示し、当該入力画面の操作によって粘度の入力を受け付けてもよい。
図5に示す例では、入力画面にはスライダーU1と、モデル画像U2とが表示される。スライダーU1は、ハンドルを左右に移動させることで、粘度の値を設定する入力インタフェースである。例えば、スライダーU1は、ハンドルが左側に位置するほど粘度が高いことを表し、ハンドルが右側に位置するほど粘度が低いことを表す。モデル画像U2は、スライダーU1のハンドルの位置に応じた粘度を荷Lが有する場合におけるバケット133から排土された荷Lの分布と荷Lが離れるときのバケット133の角度とを表す。モデル画像U2は、スライダーU1のハンドルが移動されるたびに更新される。例えば、オペレータは、実際に荷Lを排土したときのバケット133の角度及び荷Lの分布とモデル画像U2とを比較する。オペレータは、モデル画像U2が表す荷Lの粘度より実際の荷Lの粘度が低いと判断した場合、スライダーU1のハンドルを右に移動させる。これにより、モデル画像U2に表示されているバケット133はより掘削方向に傾き、荷Lは高さが低くかつ幅が広くなる。他方、オペレータは、モデル画像U2が表す荷Lの粘度より実際の荷Lの粘度が低いと判断した場合、スライダーU1のハンドルを左に移動させる。これにより、モデル画像U2に表示されているバケット133はよりダンプ方向に傾き、荷Lは高さが高くかつ幅が狭くなる。これにより、オペレータは、モデル画像U2を確認することで、実際の荷Lの挙動に近づくように荷Lの粘度を入力することができる。粘度入力部613に入力された粘度の値はメインメモリ630に記録される。なお、荷Lの粘度とバケット角度及び荷Lの分布との関係は予め特定されてプログラムに組み込まれ、またはメインメモリ630やストレージ650に記録されている。
【0027】
バケット姿勢特定部614は、データ取得部611が取得した計測データに基づいて、グローバル座標系におけるバケット133の刃先の位置及び姿勢(対地角)を特定する。具体的にはバケット姿勢特定部614は、ブームストロークセンサ153、アームストロークセンサ154およびバケットストロークセンサ155の計測データと、ブーム131、アーム132およびバケット133の既知の形状データとに基づいて、旋回体120を基準とする車体座標系におけるバケット133の刃先の位置及び角度を計算する。またバケット姿勢特定部614は、位置方位演算器151および傾斜計測器152の計測データに基づいて、車体座標系におけるバケット133の刃先の位置及び角度を、グローバル座標系における位置及び座標に変換する。
【0028】
相対位置特定部615は、バケット133と積込対象200のベッセル210との相対的な位置関係を特定する。具体的には、相対位置特定部615は、積込対象200の位置及び姿勢と既知の積込対象200の形状に基づいてグローバル座標系における積込対象200のベッセル210が存在する範囲を特定する。相対位置特定部615は、バケット姿勢特定部614が特定したバケット133の位置と、特定したベッセル210が存在する範囲とに基づいて、バケット133とベッセル210との相対的な位置関係を特定する。
【0029】
積込判定部616は、相対位置特定部615が特定したバケット133とベッセル210との相対的な位置関係、データ受信部612が受信した積込対象200の位置及び姿勢、ならびに粘度入力部613に入力された荷Lの粘度に基づいて、荷Lが積込対象200に積み込まれたか否かを判定する。具体的には、第一実施形態に係る積込判定部616は、以下の手順で荷Lが積込対象200に積み込まれたか否かを判定する。積込判定部616は、相対位置特定部615が特定したバケット133とベッセル210との相対的な位置関係に基づいて、バケット133がベッセル210の上に位置するか否かを判定する。積込判定部616は、粘度入力部613に入力された粘度に基づいて、荷Lがバケット133から離れる角度を特定する。積込判定部616は、バケット133がベッセル210の上に位置し、かつバケット133の角度が排土方向に傾き荷Lが離れる角度を超えている場合に、荷Lが積込対象200に積み込まれたと判定する。
【0030】
積込量推定部617は、データ受信部612が受信した積込対象200の重量に基づいて、荷Lの積込量を特定する。具体的には、前回の積込時の積込対象200の重量と、荷Lが積み込まれた後の積込対象200の重量との差を、荷Lの重量として推定する。そして、積込量推定部617は、荷Lの重量と粘度とに基づいて、荷Lの体積(積込量)を推定する。なお、荷Lの重量および荷Lの体積は、いずれも荷Lの積込量の一例である。
【0031】
分布推定部618は、荷Lが積込対象200に積み込まれたときにおける、積込対象200に対するバケット133の位置と、積込量推定部617によって推定された積込量と、荷Lの粘度とを用いたシミュレーションによって、ベッセル210における荷Lの分布を推定する。例えば、分布推定部618は、荷Lをパーティクルとするパーティクルシミュレーションによって、ベッセル210における荷Lの分布を推定する。なお、他の実施形態に係る分布推定部618は、例えば、積込量推定部617によって推定された積込量の代わりに、予め決められた積込量(例えば、バケットの最大積込量)と、荷Lの粘度とも用いたシミュレーションによって、ベッセル210における荷Lの分布を推定してもよい。
【0032】
表示制御部619は、分布推定部618が推定した荷Lの分布を、操作端末142の表示部に表示させる。
図6は、第一実施形態に係る分布画像の一例である。分布画像は、操作端末142に表示される荷Lの積込状況を示す画像である。
図6に示す分布画像は、上方から見たときの平面視に係る積込対象200が描画され、積込対象200のベッセル210部分をメッシュで区切り、メッシュごとの土砂の高さをヒートマップ表示した画像である。なお、他の実施形態に係る分布画像は、ヒートマップ表示ではなく等高線図として描画されてもよいし、陰影を付した立体的なグラフィックスで描画されてもよい。
図6に示す分布画像によれば、ベッセルの左奥に荷Lが多く積まれ、右手前の荷Lが少ないことが分かる。なお、他の実施形態において、積込機械100が操作端末142に代えて、入力機能を有しない表示装置を備える場合、表示制御部619は、このような表示装置に分布画像を表示させてもよい。
【0033】
《分布画像の表示》
図7は、第一実施形態に係る分布画像の表示方法を示すフローチャートである。制御装置160は、分布画像の表示処理を開始すると、
図7に示すフローチャートを繰り返し実行する。なお、分布画像の表示処理を開始する前に、予め粘度入力部613によってメインメモリ630に粘度の値が記録されているものとする。またはメインメモリ630には粘度の初期設定値が記録されていてもよい。
【0034】
まず、データ取得部611は、位置方位演算器151、傾斜計測器152、ブームストロークセンサ153、アームストロークセンサ154およびバケットストロークセンサ155から計測データを取得する(ステップS1)。次に、データ受信部612は、積込対象200の通信装置230から、積込対象200の位置および方位、ならびに荷Lの重量の計測データを受信する(ステップS2)。次に、バケット姿勢特定部614は、ステップS1で取得した計測データに基づいて、グローバル座標系におけるバケット133の刃先の位置及び姿勢を特定する(ステップS3)。
【0035】
相対位置特定部615は、ステップS2で受信した積込対象200の位置及び姿勢の計測データと、既知の積込対象200の形状に基づいてグローバル座標系における積込対象200のベッセル210が存在する範囲または位置を特定する(ステップS4)。これにより、相対位置特定部615は、ステップS3で特定されたバケット133の刃先の位置とベッセル210が存在する範囲または位置とから、バケット133とベッセル210の相対的な位置を特定することができる。次に、積込判定部616は、バケット133とベッセル210の相対的な位置関係に基づいてバケット133がベッセル210の上に位置するか否かを判定する(ステップS5)。即ち、積込判定部616は、ステップS3で特定した位置が、ステップS4で特定した範囲の内側に存在するか否かを判定する。このとき、積込判定部616は、ベッセル210に対するバケット133の相対位置を特定する。
【0036】
バケット133がベッセル210の上に位置する場合(ステップS5:YES)、積込判定部616は、メインメモリ630に記憶された粘度に基づいて、荷Lがバケット133から離れる角度を特定する(ステップS6)。次に、積込判定部616は、ステップS3で特定したバケット133の角度がステップS6で特定した角度を超えるか否かを判定する(ステップS7)。
【0037】
バケット133の角度が荷Lが離れる角度を超える場合(ステップS7:YES)、データ受信部612は、積込対象200から重量の計測データを受信する(ステップS8)。データ受信部612は、重量の変化量が所定の閾値を下回るまで積込対象200から重量の計測データを受信し続ける。これにより、データ受信部612は、バケット133に収容されていた荷Lが積込対象200にすべて積み込まれたときの重量を受信することができる。
【0038】
積込量推定部617は、ステップS8で受信した積込対象200の重量と前回の積込時の積込対象200の重量との差と荷Lの粘度とに基づいて、荷Lの体積を推定する(ステップS9)。積込量推定部617は、ステップS8で受信した重量の計測データを、次回の計算に用いるためにメインメモリ630に記録する。
【0039】
次に、分布推定部618は、ステップS5で特定したベッセル210に対するバケット133の相対位置すなわち荷Lの積込位置と、荷Lの粘度と、荷Lの積込量とに基づいて、ベッセル210に積み込まれた荷Lの挙動をシミュレートし、ベッセル210における荷Lの分布を推定する(ステップS10)。分布推定部618は、次回の計算に用いるために、ステップS10によるシミュレーションの結果をメインメモリに記録する。そして、表示制御部619は、ステップS10で推定した荷Lの分布を示す分布画像を生成し、操作端末142に表示させる(ステップS11)。
【0040】
なお、バケット133がベッセル210の上に位置しない場合(ステップS5:NO)、またはバケット133の姿勢が荷Lが離れる角度を超えない場合(ステップS7:NO)、制御装置160は、操作端末142に表示される分布画像を更新せずに、処理を終了する。
【0041】
《作用・効果》
このように、第一実施形態に係る制御装置160は、相対位置特定部615と、積込量推定部617と、分布推定部618とを備える。相対位置特定部615は、荷Lが積込対象200に積み込まれたときにおけるバケット133と積込対象200との相対的な位置関係を特定する。分布推定部618は、前記積込対象に積み込まれた前記荷の粘度に基づいて、積込対象200に積み込まれた荷Lの分布を推定する。このように、第一実施形態に係る制御装置160は、荷Lの積込位置から荷Lの分布を推定するため、撮像装置の死角によらず、積込対象200の全域における積載状況を推定することができる。
【0042】
また、第一実施形態に係る制御装置160は、操作端末142に荷Lの分布を示す画像を表示させる表示制御部を備える。これにより、オペレータは、操作端末142を視認することで、ベッセル210のうち荷Lを積載すべき位置を容易に認識することができる。
【0043】
〈第二実施形態〉
第一実施形態に係る制御装置160は、粘度入力部613に入力された粘度に基づいて、荷Lの積込位置を推定する。これに対し、第二実施形態に係る制御装置160は、自動的に荷Lの粘度を推定する。
【0044】
《制御装置160の構成》
図8は、第二実施形態に係る制御装置160の構成を示す概略ブロック図である。第二実施形態に係る制御装置160は、第一実施形態に係る粘度入力部613に代えて、粘度推定部620を備える。また、第二実施形態に係る制御装置160は、第一実施形態と積込判定部616の処理が異なる。
【0045】
第二実施形態に係る積込判定部616は、積込対象200の重量の変化量に基づいて、荷Lが積み込まれたか否かを判定する。具体的には、積込判定部616は積込対象200の重量の変化量が閾値を超えたときに、荷Lが積み込まれたと判定する。
【0046】
粘度推定部620は、積込判定部616によって積込が開始されたと判定されたときのバケット133の角度に基づいて、荷Lの粘度を推定する。つまり、第一実施形態に係る制御装置160は荷Lの粘度に基づいて荷Lが離れるときのバケット133の角度を特定したが、第二実施形態に係る制御装置160は、荷Lが離れるときのバケット133の角度に基づいて荷Lの粘度を推定する。
【0047】
《分布画像の表示》
図9は、第二実施形態に係る分布画像の表示方法を示すフローチャートである。制御装置160は、分布画像の表示処理を開始すると、
図9に示すフローチャートを繰り返し実行する。
【0048】
まず、データ取得部611は、位置方位演算器151、傾斜計測器152、ブームストロークセンサ153、アームストロークセンサ154およびバケットストロークセンサ155から計測データを取得する(ステップS21)。次に、データ受信部612は、積込対象200の通信装置230から、積込対象200の位置および方位、ならびに荷Lの重量の計測データを受信する(ステップS22)。次に、バケット姿勢特定部614は、ステップS21で取得した計測データに基づいて、グローバル座標系におけるバケット133の刃先の位置及び姿勢を特定する(ステップS23)。
【0049】
相対位置特定部615は、ステップS22で受信した積込対象200の位置及び姿勢の計測データと、既知の積込対象200の形状に基づいてグローバル座標系における積込対象200のベッセル210が存在する範囲または位置を特定する(ステップS24)。相対位置特定部615は、ステップS23で特定したバケット133の位置とベッセル210が存在する範囲または位置とに基づいて、バケット133とベッセル210との相対的な位置関係を特定する。次に、積込判定部616は、バケット133とベッセル210との相対的な位置関係に基づいてバケット133がベッセル210の上に位置するか否かを判定する(ステップS25)。このとき、積込判定部616は、ベッセル210に対するバケット133の相対位置を特定する。
【0050】
バケット133がベッセル210の上に位置する場合(ステップS25:YES)、積込判定部616は、ステップS2で受信した積込対象200の重量の計測データに基づいて荷Lの重量の変化量を算出する(ステップS26)。積込判定部616は、荷Lの重量の変化量が所定の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS27)。
【0051】
荷Lの重量の変化量が所定の閾値を超えた場合(ステップS27:YES)、積込判定部616は、荷Lが積込対象200に積み込まれたと判定する。粘度推定部620は、荷Lが積込対象200に積み込まれたと判定したときのバケットの角度に基づいて、荷Lの粘度を推定する(ステップS28)。
【0052】
次に、データ受信部612は、重量の変化量が所定の閾値を下回るまで積込対象200から重量の計測データを受信し、バケット133に収容されていた荷Lが積込対象200にすべて積み込まれたときの重量を特定する(ステップS29)。
【0053】
積込量推定部617は、ステップS29で受信した積込対象200の重量と前回の積込時の積込対象200の重量との差と荷Lの粘度とに基づいて、荷Lの体積を推定する(ステップ30)。積込量推定部617は、ステップS29で受信した重量の計測データを、次回の計算に用いるためにメインメモリ630に記録する。
【0054】
次に、分布推定部618は、ステップS25で特定した荷Lの積込位置と、ステップS28で推定した荷Lの粘度と、荷Lの積込量とに基づいて、ベッセル210に積み込まれた荷Lの挙動をシミュレートし、ベッセル210における荷Lの分布を推定する(ステップS31)。分布推定部618は、次回の計算に用いるために、ステップS31によるシミュレーションの結果をメインメモリに記録する。そして、表示制御部619は、ステップS31で推定した荷Lの分布を示す分布画像を生成し、操作端末142に表示させる(ステップS32)。
【0055】
なお、バケット133がベッセル210の上に位置しない場合(ステップS25:NO)、または荷Lの重量の変化量が所定の閾値を超えない場合(ステップS27:NO)、制御装置160は、操作端末142に表示される分布画像を更新せずに、処理を終了する。
【0056】
《作用・効果》
このように、第二実施形態に係る制御装置160は、積み込まれた荷Lの粘度を推定する粘度推定部を備える。これにより、制御装置160は、オペレータによる粘度の入力を受け付けることなく、粘度に基づく荷Lの分布の推定を行うことができる。
【0057】
なお、第二実施形態に係る制御装置160は、積み込まれた荷Lの粘度を推定し、また積込対象200の重量の変化に基づいて荷Lが積み込まれたか否かの判定を行うが、これに限られない。例えば、他の実施形態に制御装置160は、第一実施形態のように粘度入力部613を備えて荷Lの粘度の入力を受け付け、積込対象200の重量の変化に基づいて荷Lが積み込まれたか否かの判定を行ってもよい。また例えば、他の実施形態に制御装置160は、積み込まれた荷Lの粘度を推定したうえで、第一実施形態のようにバケット133の角度に基づいて荷Lが積み込まれたか否かの判定を行ってもよい。この場合、粘度推定部620は、荷Lの積込時の角度以外の情報に基づいて積込の判定を行ってよい。例えば、粘度推定部620は、掘削時に作業機130が受ける抵抗力の大きさから粘度を推定してもよい。
【0058】
〈他の実施形態〉
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。すなわち、他の実施形態においては、上述の処理の順序が適宜変更されてもよい。また、一部の処理が並列に実行されてもよい。
上述した実施形態に係る制御装置160は、単独のコンピュータによって構成されるものであってもよいし、制御装置160の構成を複数のコンピュータに分けて配置し、複数のコンピュータが互いに協働することで制御装置160として機能するものであってもよい。このとき、制御装置160を構成する一部のコンピュータが積込機械の内部に搭載され、他のコンピュータが積込機械の外部に設けられてもよい。例えば、積込機械100が遠隔操作される場合に、運転室140および制御装置160を構成する一部のコンピュータが、積込機械100から離れた場所に設けられてもよい。また、積込機械100が遠隔操作される場合、制御装置160を構成する全てのコンピュータが、積込機械100から離れた場所に設けられてもよい。積込機械100を遠隔運転する場合、積込機械100が撮像装置を備え、遠隔の運転室140が撮像装置が撮像した画像を表示するための表示装置を備える。この場合、分布画像は表示装置に表示されてもよい。
【0059】
上述した実施形態に係る制御装置160は、分布画像を操作端末142に表示させるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る制御装置160は、オペレータが装着する透過型ヘッドマウントディスプレイに分布画像を表示させてもよい。この場合の分布画像は、
図6に示すような上面図でなくてもよく、例えば透過型ヘッドマウントディスプレイを介して視認される積込対象200に、荷Lの分布を表す三次元モデルを重畳して表示させてもよい。このとき、表示制御部619は、データ受信部612が受信した積込対象200の位置及び姿勢と、オペレータの視点の位置とに基づいて、荷Lの三次元モデルの位置および向きを決定する。また、表示制御部619は、ベッセル210の輪郭を強調するワイヤフレームを荷Lの三次元モデルとともに表示させることで、荷Lが透けて見えるような画像を生成してもよい。
【0060】
また、他の実施形態においては、
図6に示す図に限られず、操作端末142に表示される分布画像は、斜め上方らの俯瞰画像であってもよいし、側面図であってもよい。分布画像が側面図によって表される場合、荷Lの分布は、横軸を積込対象200の長さ方向の位置とし、縦軸を荷Lの高さとするグラフとして表される。側面図には、積込対象200の幅方向における分布が表れないため、分布画像は例えば幅方向の位置ごとに異なる線種で描画されたグラフを含むものであってよい。また、他の実施形態に係る分布画像は、「左奥:〇、右手前:×」のような文字情報を表示するものであってもよい。
【0061】
また、他の実施形態に係る制御装置160は、分布画像としてではなく、音声によって分布を通知してもよい。例えば、制御装置160は、運転室140内に設けられたスピーカに、荷Lの分布から推奨される積込位置を発声させてもよい。また他の実施形態に係る制御装置160は、バケット133がベッセル210のうち荷Lが積載可能高さに近い位置にあるときに、積込位置の変更を促す音声を出力させてもよい。
【0062】
上述した実施形態に係る制御装置160は、ベッセル210に設けられたペイロードメータ211の計測データに基づいて荷Lの重量を特定するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る制御装置160は、積込対象200のタイヤや車体の歪みを計測する歪みセンサの計測データ、慣性センサの計測データから算出される車体の沈み込み量などに基づいて算出されてもよい。また、他の実施形態に係る制御装置160は、積込機械100に設けられたペイロードメータの計測データに基づいて荷Lの重量を特定してもよい。積込機械100に設けられたペイロードメータは、例えば旋回体120の傾きとブームシリンダに掛かる負荷とからペイロードを計測するものであってよい。
また、他の実施形態に係る制御装置160は、荷Lの重量から体積を算出せず、バケット133の中を撮像する撮像装置による撮像データに基づいて体積を算出してもよい。
【0063】
上述した実施形態に係る制御装置160は、積込対象200から位置及び向きの計測データを受信するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る制御装置160は、旋回体120の前方に設けられた撮像装置の撮像データに基づいて積込対象200の位置及び向きを特定してもよい。
【符号の説明】
【0064】
100…積込機械 110…走行体 111…無限軌道 112…走行モータ 120…旋回体 121…エンジン 122…油圧ポンプ 123…コントロールバルブ 124…旋回モータ 130…作業機 131…ブーム 131C…ブームシリンダ 132…アーム 132C…アームシリンダ 133…バケット 133C…バケットシリンダ 140…運転室 141…運転席 142…操作端末 143…操作装置 151…位置方位演算器 152…傾斜計測器 153…ブームストロークセンサ 154…アームストロークセンサ 155…バケットストロークセンサ 160…制御装置 200…積込対象 210…ベッセル 211…ペイロードメータ 220…位置方位演算器 230…通信装置 610…プロセッサ 611…データ取得部 612…データ受信部 613…粘度入力部 614…バケット姿勢特定部 615…相対位置特定部 616…積込判定部 617…積込量推定部 618…分布推定部 619…表示制御部 630…メインメモリ 650…ストレージ 670…インタフェース L…荷