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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065864
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/66 20160101AFI20240508BHJP
   F21K 9/232 20160101ALI20240508BHJP
   F21K 9/237 20160101ALI20240508BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20240508BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240508BHJP
【FI】
F21K9/66
F21K9/232
F21K9/237
F21V3/02 300
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174934
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】以倉 愛子
(72)【発明者】
【氏名】勝本 善巳
(57)【要約】
【課題】配光角が大きい光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置1は、基台100と、基台100の上面101に配置された発光素子120と、発光素子120の少なくとも上方を覆う透光性の第1グローブ10と、発光素子120と第1グローブ10との間に配置される第2グローブ20と、を備え、第2グローブ20は、中空であり、上壁40及び発光素子120を囲む筒状の側壁30を有し、上壁40及び側壁30の少なくとも一方に、上壁40又は側壁30を貫通して光を透過させる孔50を有し、第2グローブ20の上下方向の断面における側壁30の外表面は、少なくとも1以上の直線部分を含み、直線部分のうち、最も長い直線部分L1と基台100の上面101の法線N1とのなす角θが45度未満である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台の上面に配置された発光素子と、
前記発光素子の少なくとも上方を覆う透光性の第1グローブと、
前記発光素子と前記第1グローブとの間に配置される第2グローブと、を備え、
前記第2グローブは、中空であり、上壁及び前記発光素子を囲む筒状の側壁を有し、前記上壁及び前記側壁の少なくとも一方に、前記上壁又は前記側壁を貫通して光を透過させる孔を有し、
前記第2グローブの上下方向の断面における前記側壁の外表面は、少なくとも1以上の直線部分を含み、
前記直線部分のうち、最も長い前記直線部分と前記基台の上面の法線とのなす角が45度未満である、光源装置。
【請求項2】
基台と、
前記基台の上面に配置された発光素子と、
前記発光素子の少なくとも上方を覆う透光性の第1グローブと、
前記発光素子と前記第1グローブとの間に配置される第2グローブと、を備え、
前記第2グローブは、中空であり、上壁及び前記発光素子を囲む筒状の側壁を有し、前記上壁及び前記側壁の少なくとも一方に、前記上壁又は前記側壁を貫通して光を透過させる孔を有し、
前記側壁の外表面は、前記第2グローブの上下方向の断面において、曲線部分を有し、
前記曲線部分は、前記側壁の最大径または最小径のいずれかとなる部分を含み、
前記側壁の最大径または最小径の一方である前記部分の外表面と、前記側壁の最大径または最小径の他方である前記部分の外表面とを結ぶ直線と、前記基台の上面の法線とのなす角が45度未満である、光源装置。
【請求項3】
前記孔は、前記上壁及び前記側壁に設けられる請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記側壁に複数の前記孔が設けられ、前記上壁に1又は複数の前記孔が設けられる請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項5】
前記孔は、円形状である請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項6】
前記側壁に設けられる孔は、短軸方向と長軸方向を含む形状である請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項7】
前記上壁に設けられる前記孔の中心は、前記上壁の中央よりも前記上壁の外縁の近くに位置する請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項8】
前記側壁の前記孔の平均の大きさが、前記上壁の前記孔の平均の大きさよりも大きい請求項3に記載の光源装置。
【請求項9】
前記第2グローブの外表面における前記孔の面積の割合は、25%以上40%以下である請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項10】
前記第2グローブの外形は、円柱状である請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項11】
前記第2グローブの外形は、円錐台状である請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項12】
前記上壁の外表面は、上方に凸または下方に凸に湾曲している請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項13】
前記上壁の外表面は、平面である請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項14】
前記第1グローブは、半球よりも大きい球冠状である請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode。以下、LEDともいう)は、高い効率性、長寿命などの優れた特性により、様々な分野で従来光源に置き換わって幅広く使われるようになっている。例えば特許文献1には、LEDを覆うようにドーム状の光学部材を配置し、さらにグローブで覆った光源装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2016-526762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、配光角が大きい光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に開示される光源装置は、基台と、前記基台の上面に配置された発光素子と、前記発光素子の少なくとも上方を覆う透光性の第1グローブと、前記発光素子と前記第1グローブとの間に配置される第2グローブと、を備え、前記第2グローブは、中空であり、上壁及び前記発光素子を囲む筒状の側壁を有し、前記上壁及び前記側壁の少なくとも一方に、前記上壁又は前記側壁を貫通して光を透過させる孔を有し、前記第2グローブの上下方向の断面における前記側壁の外表面は、少なくとも1以上の直線部分を含み、前記直線部分のうち、最も長い前記直線部分と前記基台の上面の法線とのなす角が45度未満である。
【0006】
また、実施形態に開示される他の光源装置は、基台と、前記基台の上面に配置された発光素子と、前記発光素子の少なくとも上方を覆う透光性の第1グローブと、前記発光素子と前記第1グローブとの間に配置される第2グローブと、を備え、前記第2グローブは、中空であり、上壁及び前記発光素子を囲む筒状の側壁を有し、前記上壁及び前記側壁の少なくとも一方に、前記上壁又は前記側壁を貫通して光を透過させる孔を有し、前記側壁の外表面は、前記第2グローブの上下方向の断面において、曲線部分を有し、前記曲線部分は、前記側壁の最大径または最小径のいずれかとなる部分を含み、前記側壁の最大径または最小径の一方である前記部分の外表面と、前記側壁の最大径または最小径の他方である前記部分の外表面とを結ぶ直線と、前記基台の上面の法線とのなす角が45度未満である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施形態によれば、配光角が大きい光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る光源装置の概略を例示する側面図である。
図2】実施形態に係る光源装置の一部の概略を例示する断面図である。
図3A】発光素子が実装されている基板の概略を例示する平面図である。
図3B図3Aの一部の部材を取り除いて示す平面図である。
図3C図3AのIIIC-IIIC線における断面図である。
図4】実施形態に係る第2グローブの概略を例示する斜視図である。
図5】実施形態に係る第2グローブの孔が設けられていない変形例である第1変形例の概略を例示する斜視図である。
図6】実施形態に係る光源装置の配光特性の一例を示すグラフである。
図7A】第2グローブの孔の変形例である第2変形例の概略を例示する斜視図である。
図7B】第2グローブの孔の変形例である第3変形例の概略を例示する斜視図である。
図7C】第2グローブの孔の変形例である第4変形例の概略を例示する斜視図である。
図7D】第2グローブの孔の変形例である第5変形例の概略を例示する斜視図である。
図7E】第2グローブの孔の変形例である第6変形例の概略を例示する斜視図である。
図8A】第1変形例の概略を例示する断面図である。
図8B】第2グローブの形状の変形例である第7変形例の概略を例示する断面図である。
図8C】第2グローブの形状の変形例である第8変形例の概略を例示する断面図である。
図8D】第2グローブの形状の変形例である第9変形例の概略を例示する断面図である。
図8E】第2グローブの形状の変形例である第10変形例の概略を例示する断面図である。
図8F】第2グローブの形状の変形例である第11変形例の概略を例示する断面図である。
図8G】第2グローブの形状の変形例である第12変形例の概略を例示する断面図である。
図8H】第2グローブの形状の変形例である第13変形例の概略を例示する断面図である。
図8I】第2グローブの形状の変形例である第14変形例の概略を例示する断面図である。
図8J】第2グローブの形状の変形例である第15変形例の概略を例示する断面図である。
図8K】第2グローブの形状の変形例である第16変形例の概略を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本開示に係る技術的思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、発明を以下のものに限定しない。一つの実施形態において説明する内容は、他の実施形態及び変形例にも適用可能である。また、図面は実施形態を概略的に示すものであり、説明を明確にするため、各部材のスケールや間隔、位置関係等を誇張し、あるいは、部材の一部の図示を省略している場合がある。各図において示す方向は、構成要素間の相対的な位置を示し、絶対的な位置を示すことを意図したものではない。なお、同一の名称、符号については、原則として、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、実施形態について、「覆う」とは直接接する場合に限らず、間接的に、例えば他の部材を介して覆う場合も含む。
【0010】
<実施形態1>
実施形態1に係る光源装置1を、図1から図5を参照しながら説明する。図1は、光源装置1の概略を例示する側面図である。図2は、光源装置1の一部の概略を例示する断面図である。図3Aは、発光素子120が実装されている基板110の概略を例示する平面図である。図3Bは、図3Aの一部の部材を取り除いて示す平面図である。図3Cは、図3AのIIIC-IIIC線における断面図である。図4は、実施形態1に係る第2グローブ20の概略を例示する斜視図である。図5は、第2グローブ20の孔50が設けられていない変形例である第1変形例200の概略を例示する斜視図である。
【0011】
光源装置1は、基台100と、基台100の上面101に配置された発光素子120と、発光素子120の少なくとも上方を覆う透光性の第1グローブ10と、発光素子120と第1グローブ10との間に配置される第2グローブ20と、を備える。第2グローブ20は、中空であり、上壁40及び発光素子120を囲む筒状の側壁30を有し、上壁40及び側壁30の少なくとも一方に、上壁40又は側壁30を貫通して光を透過させる孔50を有し、第2グローブ20の上下方向の断面における側壁30の外表面は、少なくとも1以上の直線部分を含み、直線部分のうち、最も長い直線部分L1と基台100の上面101の法線N1とのなす角θが45度未満である。以下、光源装置1の各構成について説明する。
【0012】
(基台)
図1及び図2に示すように、基台100は、第1グローブ10及び第2グローブ20を支持する光源装置1の筐体である。基台100は、上面101及び側面102を有し、上面101に発光素子120が配置されている。側面102にはヒートシンク103が設けられている。基台100の下端部には口金104が設けられている。
【0013】
上面101は、発光素子120を配置する面である。ここでは、上面101は、凹部106を有し、発光素子120は凹部106の底面に配置されている。上面101には、発光素子120を電気的に接続するための接続端子を設けることができる。なお、上面101は、凹部106を設けずに平坦な面としてもよく、凸部を設けて、その凸部の上面に発光素子120を配置してもよい。
【0014】
ヒートシンク103は、放熱を促進するための部位又は部材である。ここでは、側面102の一部を凹凸形状に加工して設けられている。これにより、発光素子120で生じる熱を効率よく放熱することができる。
口金104は、例えば、JIS C 8280:2014に規定されるねじ込みランプソケットE26の外形に対応する形状を備えてよい。これにより、光源装置1を所定の位置に設置することができる。口金104の形状はねじ込みランプソケットE26に対応する形状に限られず、適宜設定することができる。電力供給用の端子は、口金104の位置に設けてもよく、基台100からケーブル等を引き出して別の位置に設けてもよい。また、基台100は、温度センサやペルチェ素子、電流や電圧の制御回路等を内蔵するようにしてもよい。
【0015】
(発光素子)
発光素子120は、電力が供給されることで発光する。ここでは、発光素子120はLEDであり、発光素子120が実装される基板110を介して基台100の上面101に配置されている。
発光素子120は半導体積層体を含み、上面側に一対の素子電極を有している。半導体積層体としては、所望とする発光波長に応じて任意の組成を用いることができ、例えば、紫外、紫色、青色又は緑色の発光が可能な窒化物半導体(InAlGa1-x-yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)やGaP、又は、赤色の発光が可能なGaAlAsやAlInGaPなどを用いることができる。また、使用する目的に応じて発光素子120の大きさや形状は適宜選択が可能である。
【0016】
ここでは、図3Bに示すように、発光素子120は複数である。発光素子120は、一例として、発光ピーク波長の異なる4種類の発光素子120A、120B、120C、及び120Dを含んでいる。発光素子120は、基板110の上面に実装されている。
基板110は、例えばセラミック基板とすることができる。基板110の上面には、複数の発光素子120を囲むように円弧状の配線112が設けられている。発光素子120の素子電極は、ワイヤ118によって、配線112又は隣接する発光素子120の素子電極に接続されている。基板110には、ツェナーダイオード等の保護素子115が設けられていてもよい。
【0017】
ここでは、図3Aに示すように、発光素子120が実装されている基板110の上面には、枠部材130及び封止部材150が設けられている。なお、図3Bは、枠部材130及び封止部材150を取り除いて示している。
図3A及び図3Bに示すように、枠部材130は、発光素子120を離隔して囲む部材であり、配線112よりも太い幅で、配線112を覆うように円形状に形成されている。図3Cに示すように、枠部材130は、発光素子120が設けられている側の配線112の側面と、配線112の上面の一部と、を覆う。枠部材130は絶縁性であり、光反射性を有することが好ましい。枠部材130は、例えばシリコーン等の樹脂に酸化チタンや酸化珪素等の光拡散材を含有させたものとすることができる。
封止部材150は、発光素子120を覆い、保護する部材であり、枠部材130で囲まれる内側に充填されている。封止部材150は、例えばシリコーン、エポキシ等の絶縁性及び透光性の樹脂とすることができる。封止部材150には、蛍光体や光拡散材を含有させることができる。
【0018】
蛍光体は、例えば、BAM蛍光体(例えば、BaMgAl1017:Eu)、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)Si11:Ce)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)等とすることができる。
【0019】
(第1グローブ)
第1グローブ10は、光源装置1の外部に光を拡散する部材である。図1及び図2に示すように、第1グローブ10は、発光素子120の上方を覆うように配置されている。第1グローブ10の径は基台100の径よりも大きい。また、第1グローブ10は、外側への法線が上方及び側方だけでなく、下方に向くような外表面を有している。これにより、広配光の光を取り出すことができる。第1グローブ10は、基台100の上端部に第1接続部11を介して取り付けられている。
【0020】
第1グローブ10の外形は、半球よりも大きい球冠状であり、中空に形成されている。ここでは、第1グローブ10は、一部を平面で切断された球状の外形を有し、切断面を基台100に向けて配置されている。一例として、切断された部分は、切断面の最大径が第1グローブ10の径D10の50%以上70%以下となるような端部である。なお、径D10は、第1グローブ10の外形に対応する球の径に相当する。
第1グローブ10の切断された切り口は円形状であり、切り口に連続するように円筒状の第1接続部11が設けられている。円形状の切り口に連続して円筒状の第1接続部11が設けられ、第1接続部11が上面101を囲むように基台100に固定されている。
【0021】
第1グローブ10の径D10は、例えば、30mm以上70mm以下であってよい。第1接続部11の径D11は、例えば、25mm以上45mm以下であってよい。第1グローブ10及び第1接続部11の壁の厚さは、例えば、0.5mm以上5mm以下であってよい。なお、壁の厚さは、第1グローブ10と第1接続部11とで異なっていてもよい。
【0022】
第1グローブ10の材料は、アクリル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、ポリアミド、またはポリアセタール等に光拡散材を含有させた白色の樹脂とすることができる。また、第1グローブ10の材料として、380nmから780nmの可視光域で良好な光拡散性及び透光性を有するPVDF、ポリカーボネート、またはポリプロピレンが好ましい。
【0023】
(第2グローブ)
図2に示す第2グローブ20は、第1グローブ10の内部に光を拡散する部材である。第2グローブ20は、発光素子120と第1グローブ10との間に配置され、ここでは、発光素子120の上方を覆っている。第2グローブ20は中空であり、上壁40及び側壁30を有している。側壁30は筒状であり、発光素子120を囲むように設けられている。そして、平面視において発光素子120は側壁30で囲まれる内側に配置されている。上壁40は、発光素子120の上方で発光素子120に対向している。そして、上壁40及び側壁30の少なくとも一方に孔50が設けられている。孔50は、上壁40又は側壁30を貫通する。孔50が上壁40に設けられていることにより、上壁40で拡散されずに第2グローブ20から取り出される光の割合が増えるので、光源装置1の上方での光取り出し効率が向上し、上方の光束が増加する。また、孔50が側壁30に設けられていることにより、側壁30で拡散されずに第2グローブ20から取り出される光の割合が増えるので、光源装置1の側方での光取り出し効率が向上し、側方の光束が増加する。したがって、光源装置1の光束を増加させたい方向に合わせて、孔50を設けることで、所望の方向における光束を増加させることができる。
【0024】
第2グローブ20の側壁30は、外形は円柱状であり、中空に形成されている。これにより、光源装置1の側方での光取り出し効率が向上し、側方側の光束が増加する。第2グローブ20の内部が中空であることにより、発光素子120からの光が第2グローブ20で吸収されることを低減し、光取り出し効率を向上させることができる。第2グローブ20は、基台100の上面101に直立するように配置されている。側壁30の外表面は、平面視において円形状の曲面である。上壁40の外表面は円形状の平面であり、基台100の上面101に平行な面となっている。これにより、上壁40が光源装置1の上方を向くので、光源装置1の上方での光取り出し効率を向上させることができる。なお、本明細書において、「直立」、「垂直」とは、90±2度の場合を含む。また、本明細書において、「平行」とは、180±2度の場合を含む。
第2グローブ20の下端部は、円環状の第2接続部21に接続され、第2接続部21を介して基台100の上面に固定されている。
【0025】
一例として、第2グローブ20の径D20は、第1グローブ10の径D10の20%以上40%以下であってよく、25%以上35%以下とすることが好ましい。径D20は、例えば、15mm以上24mm以下であってよい。また、第2グローブ20の高さH1は、第1グローブ10の径D10の15%以上50%以下、好ましくは25%以上40%以下とすることができる。高さH1は、例えば、9mm以上30mm以下が好ましい。また、第2グローブ20の上端部と第1グローブ10の外形に対応する球の中心C10との距離H2は、第1グローブ10の径D10の5%以上15%以下とすることができる。距離H2は、例えば、1.5mm以上15mm以下が好ましい。
第2グローブ20及び第2接続部21の壁の厚さは、例えば、0.5mm以上5mm以下が好ましい。なお、壁の厚さは、第2グローブ20と第2接続部21とで異なっていてもよい。
【0026】
図4に示すように、上壁40は、1または複数の孔50を有している。上壁40は、好ましくは複数の孔50を有している。これにより、光源装置1において、上方での光取り出し効率が向上し、上方での光束が増加する。一例として、上壁40の孔50Bは12個であり、上壁40の円形状の外縁に沿う円周上に配置されている。また、側壁30は、複数の孔50を有している。これにより、光源装置1において、側方での光取り出し効率が向上し、側方での光束が増加する。また一例として、側壁30には、側壁30の周方向に並ぶ8個の孔50Aが、上下方向に3列設けられている。計24個の孔50Aは、隣り合う孔の中心間隔が等しくなるように配置されている。
上壁40に設けられる孔50Bの中心は、上壁40の中央よりも上壁40の外縁の近くに位置している。これにより、光源装置1において、上方への光取り出しを向上させつつ、さらに光を比較的側方にも取り出すことができる。なお、上壁40又は側壁30の孔50A、50Bを区別せずに孔50として説明する場合がある。
【0027】
ここでは、上壁40の孔50B及び側壁30の孔50Aは円形状である。そして、側壁30の孔50Aの平均の大きさは、上壁40の孔50Bの平均の大きさよりも大きい。これにより、側面から取り出される光の割合が増加し、側方側の光束が増加する。側壁30の孔50Aの径は、1mm以上6mm以下とすることができ、2mm以上5mm以下が好ましい。上壁40の孔50Bの径は、1mm以上5mm以下とすることができ、2mm以上4mm以下が好ましい。
【0028】
また、第2グローブ20の外表面における孔50の面積の割合は、1%以上50%以下とすることができ、25%以上40%以下が好ましい。これにより、光源装置1において、光取り出し効率を向上させ、光束を高めることができる。ここで、本明細書では、第2グローブ20の外表面とは、孔50が設けられていない場合の外形の表面と、定義する。図5は、第2グローブ20の孔50が設けられていない変形例である第1変形例200の概略を例示している。第2グローブ20の外表面の面積は第1変形例200の表面積に相当する。外表面の面積は、上壁40の外表面40Sの面積と側壁30の外表面30Sの面積との和である。一方、孔50の面積は複数の孔50の面積の合計であり、上壁40の孔50B及び側壁30の孔50Aについて別々に合計することができる。
【0029】
図2に示すように、側壁30の外表面30Sは、側面視における外縁が直線状であり、上下方向の断面において直線部分を有している。側壁30の下端部から上端部までの外表面30Sが、最も長い直線部分L1である。図2に例示するように、側壁30の外表面30Sが基台100の上面101に垂直である場合には、最も長い直線部分L1と基台100の上面101の法線N1とのなす角θは0度である。なお、角θについて、±2度の誤差が許容される。
【0030】
第2グローブ20の材料は、第1グローブ10の材料と同様の材料から選択することができる。光源装置1の第2グローブ20は、第1グローブ10と同じPVDF、ポリカーボネート、またはポリプロピレンを用いることが好ましい。これにより、可視光及び紫外光において比較的高い透光性を有し、効率よく光を取り出すことができる。また、これらの材料は加工がしやすく、経年劣化が生じにくい。第2グローブ20は、特にPVDFが好ましい。波長が200nm以上の紫外光でも、透過率の急激な変化を低減することができる。したがって、広い波長範囲において光取り出し効率を高め、光束を大きくすることができる。なお、第1グローブ10の材料と第2グローブ20の材料とは、異なっていてもよい。
【0031】
次に、以上のような構成を備える光源装置1の配光特性を説明する。図6は、光源装置1の配光特性の一例を示すグラフであり、各方向の光束を相対値で表示している。配光曲線C1は、孔50を有する第2グローブ20を採用した光源装置1の配光特性を示す。配光曲線C2は、第2グローブ20に替えて、図5に例示するような、孔50が設けられていない第1変形例200を採用した光源装置(比較例)の配光特性を示す。配光曲線C1を得るために設定した第2グローブ20と第1変形例200は、径D20が16mmであり、高さH1が21mmとなるように設定した。なお、図6は、第1変形例200及び第2グローブ20の場合のそれぞれにおける相対値を示しており、配光曲線C1及びC2の100%が同じ光束に対応するように換算した相対値ではない。
【0032】
配光曲線C1は、配光曲線C2に対して、0度を中心とする方向、すなわち光源装置1における上方側で100%側に膨らみ、反対の下方側で0%側に縮んでいる。下方側の例えば150度における縮みは、上方側の膨らみに比較して小さい。そして、配光曲線C1は、上方側で円弧に近づいた形状を呈している。
光源装置1は、第2グローブの第1変形例200によって、相対強度が50%となる方向が150度を超え、大きい配光角となっている。さらに、第2グローブ20によって、その大きい配光角を保ちながら、上方側における相対強度の低下を改善することができる。
フィラメントを使用する従来の白熱電球の配光曲線は、例えば0度を中心とする120度の範囲について、略円弧状となることが知られている。光源装置1は、第2グローブ20が孔50を有することで、より白熱電球に近い配光特性とすることができる。
【0033】
光源装置1の配光は、正面方向(すなわち0度)の相対強度よりも側方側に相対強度が高い部分を有することが好ましい。また、光源装置1の配光は、配光角が±125度以下の範囲において、相対強度が70%以上であってよい。また、光源装置1の配光は、配光角が±115度以下の範囲において、相対強度が80%以上であってよい。また、光源装置1の配光は、配光角が±105度以下、±100度以下、または±95度以下の範囲において、相対強度が90%以上であってよい。
【0034】
また、第2グローブ20は、発光素子120と第1グローブ10との間に配置されている。このため、発光素子120からの光は、第2グローブ20を経由して第1グローブ10へと進む。孔50がない場合には、上壁40及び側壁30の材料である樹脂内で光は拡散されながら透過して進む。
孔50が設けられると、樹脂を透過して進む光の一部が、孔50を通過する光や孔50の内側面に反射して進む光となり、光束を大きくすることができる。第2グローブ20を有する光源装置1は、第2グローブを第1変形例200とした場合と比較して、全光束が8%大きいことを確認した。すなわち、光源装置1は、第2グローブ20が孔50を有することで、広配光化に加え、光束の大きさの向上を図ることができる。
【0035】
なお、第2グローブの孔50は、上壁40及び側壁30のいずれか一方にのみ設けるようにしてもよい。また、最も長い直線部分L1と法線N1とのなす角θは、0度に合わせなくてもよく、45度未満であればよい。角θが45度のとき、側壁30が向く方向は、光源装置1の上下方向と側方を向く割合が同じである。よって、第2グローブ20は、光源装置1の上方と側方に同じ割合で光を広げ得る。しかしながら、角θが45度未満とすることで、側壁30は光源装置1の側方側を向く割合が増える。これにより光源装置1の側方側に取り出される光の割合が増え、配光角が大きい光源装置を提供することができる。なお、角θは30度以下、25度以下、20度以下、15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、2度以下、または1度以下であることが好ましい。これにより、側壁30が光源装置1の側方側を向く割合がさらに増えるので、配光角が大きい光源装置が得られる。
【0036】
(孔の変形例)
次に、図4に示す第2グローブの孔50の変形例について、図7Aから図7Eを参照しながら説明する。図7Aから図7Eは、第2変形例に係る第2グローブ251から第5変形例に係る第2グローブ255の概略を例示する斜視図である。
図7Aに例示するように、第2変形例に係る第2グローブ251は、上壁40の孔50について第2グローブ20と異なる。第2変形例に係る第2グローブ251の上壁40には、第2グローブ20の孔50Bよりも大きい円形状の孔51Bが1個、上壁40の中央に設けられている。
孔51Bの面積は、上壁40における第2変形例の外表面の面積の1%以上50%以下とすることができ、2%以上15%以下が好ましい。側壁30の孔50Aは、第2グローブ20と同様である。
【0037】
図7Bに例示するように、第3変形例に係る第2グローブ252は、側壁30の孔50について第2グローブ20と異なる。第3変形例に係る第2グローブ252の側壁30の孔52Aは、短軸方向D2と長軸方向D1を含む形状である。これにより、光源装置1において、側方での光取り出し効率を向上させ、側方での光束を高めることができる。ここでは、短軸方向D2を側壁30の周方向とし、長軸方向D1を上下方向とする矩形状である。一例として、孔52Aは、側壁30の周方向に8個並んで配置されている。
【0038】
孔52Aの面積は、側壁30における第3変形例に係る第2グローブ252の外表面の面積の1%以上50%以下とすることができ、10%以上40%以下が好ましい。なお、長軸方向D1は、側壁30の周方向としてもよく、周方向に対して傾いてもよい。短軸方向D2は、上下方向であってもよく、上下方向に対して傾いてもよい。また、孔52Aは、角部分を丸くした形状であってもよく、例えば楕円形状であってもよい。孔52Aの個数は、8個より多くてもよく、少なくてもよい。孔52Aは、側壁30の周方向に等間隔に並んでいるのが好ましい。上壁40の孔50Bは、第2グローブ20と同様である。
【0039】
図7Cに例示するように、第4変形例に係る第2グローブ253は、側壁30の孔50について第2グローブ20と異なる。一例として、第4変形例に係る第2グローブ253の側壁30の孔531A、532A,533Aは、それぞれが8個ずつ周方向に並んでいる。孔531A、532A、533Aは、上方側から下方側に向かってこの順に配置され、この順に大きくなっている。
孔531A、532A、533Aの合計の面積は、側壁30における第4変形例に係る第2グローブ253の外表面の面積の1%以上50%以下とすることができ、25%以上40%以下が好ましい。なお、孔531A、532A、533Aは、上方側から下方側に向かう順に小さくなっていてもよく、大きく又は小さくなる順に配置されていなくてもよい。上壁40の孔50Bは、第2グローブ20と同様である。
【0040】
図7Dに例示するように、第5変形例に係る第2グローブ254は、上壁40及び側壁30の孔50について第2グローブ20と異なる。第5変形例に係る第2グローブ254の上壁40の孔54B及び側壁30の孔54Aは、楕円形状である。一例として、上壁40の孔54Bは8個であり、上壁40の円形状の外縁に沿う円周上に、楕円形状の長軸方向を上壁40の径方向に合わせるように放射状に並んでいる。また一例として、側壁30には、側壁30の周方向に並ぶ8個の孔54Aが、上下方向に3列設けられている。孔54Aは、楕円形状の長軸方向を上下方向に合わせて、短軸方向に等間隔となるように並んでいる。
孔54Bの合計の面積は、上壁40における、第5変形例に係る第2グローブ254の外表面の面積の1%以上50%以下とすることができ、10%以上40%以下が好ましい。孔54Aの合計の面積は、側壁30における、第5変形例254の外表面の1%以上50%以下とすることができ、25%以上40%以下が好ましい。なお、孔54A、54Bの楕円形状の長軸方向は、上壁40における径方向や側壁30における上下方向と異なる方向であってもよい。
【0041】
図7Eに例示するように、第6変形例に係る第2グローブ255は、上壁40の孔50と上壁40の厚さについて第2グローブ20と異なる。第6変形例に係る第2グローブ255の上壁40には孔50が設けられていない。また、後記する第2グローブの形状の変形例243(図8I)に例示するように、第6変形例に係る第2グローブ255の上壁40の厚さは、第2グローブ20の上壁40の厚さよりも厚い。言い換えると、上下方向の断面図において、第6変形例に係る第2グローブ255の上壁40の厚さは、側壁30の厚さよりも厚い。上壁40の厚さは、側壁30の厚さの1.1倍以上10倍以下、好ましくは、3倍以上6倍以下であってよい。これにより、上方を進む光が上壁40により効率よく側方側にも散乱されて、大きな配光角を得ることができる。
【0042】
第2グローブの孔50の変形例によって、孔50の形状や大きさ、配置を調節することで、光源装置は、大きい配光角を保ちながら光束の向上を図ることができる。
【0043】
(形状の変形例)
次に、第2グローブの形状の変形例について、図8Aから図8Iを参照しながら説明する。図8Aから図8Iでは、第2グローブの形状の変形例について説明をするので、図示を簡略化するために孔50を図示していない。しかしながら、これらの変形例の形状を第2グローブの形状として利用する場合、側壁30及び/又は上壁40に孔50が設けられる。孔50の形状または配置は、例えば図4および図7Aから図7Eで例示した形態であり得る。図8Aは、孔50が設けられていない変形例である第1変形例に係る第2グローブ200の概略を例示する断面図である。図8Bから図8Iは、形状の変形例である第7変形例から第14変形例の概略を例示する断面図である。
【0044】
図8Aに例示する第1変形例に係る第2グローブ200は、すでに説明したように、第2グローブ20の形状を有し、孔50が設けられていない変形例であり、比較のために示している。
図8Bに例示するように、第7変形例に係る第2グローブ231は、外表面40Sと外表面30Sとの接続部分の傾きが徐々に変化するように円弧状となっており、この円弧の半径を調節することができる。
第1変形例に係る第2グローブ200、第7変形例に係る第2グローブ231に共通して、上下方向の断面における外表面30Sの最も長い直線部分L1と基台100の上面101の法線N1とのなす角θは0度である。
【0045】
なお、図8Aに示す第1変形例に係る第2グローブ200は外表面40Sと外表面30Sとの境界が明らかであるのに対し、図8Bに示す第7変形例に係る第2グローブ231は必ずしも明らかでない。境界が明らかといえない場合は、第2グローブの断面における外表面の接線T1が法線N1となす角φが60度となる位置を外表面40Sと外表面30Sとの境界B1とすることができる。なお、角φは60度以外の値に定めてもよい。外表面40Sと外表面30Sとの境界は、例えば外表面30Sの面積を算出する場合等に必要となる。
【0046】
図8Cに例示するように、第8変形例に係る第2グローブ232は、第2グローブの外形が円錐台状であり、上下方向の断面は、底辺のない等脚台形状となっている。なお、外形とは外側の形状であり、第2グローブは中空に形成されている。
図8Dに例示するように、第9変形例に係る第2グローブ233の外形は、第8変形例に係る第2グローブ232の上下を反転させたような形状である。
上下方向の断面において、第8変形例に係る第2グローブ232と第9変形例に係る第2グローブ233の外表面30Sは少なくとも1つの直線部分を含んでおり、その直線部分を最も長い直線部分L1とすることができる。
【0047】
図8E図8Fに例示するように、第10変形例に係る第2グローブ234、第11変形例に係る第2グローブ235は、第8変形例に係る第2グローブ232の下端部に近い一部が、屈曲して外側に広がっている。第10変形例に係る第2グローブ234は滑らかに屈曲し、下端部まで曲線状に広がっている。第11変形例に係る第2グローブ235は折れ曲がるように屈曲し、直線状に広がっている。
上下方向の断面において、第10変形例に係る第2グローブ234の外表面30Sは少なくとも1つの直線部分を含んでおり、その直線部分を最も長い直線部分L1とすることができる。第11変形例に係る第2グローブ235の外表面30Sは2つの直線部分を含んでおり、ここでは、上方に位置する直線部分を最も長い直線部分L1とすることができる。
【0048】
第8変形例に係る第2グローブ232から第11変形例に係る第2グローブ235に共通して、各変形例に係る第2グローブの上下方向の断面における側壁30の最も長い直線部分L1と基台の上面の法線N1とのなす角θは、45度未満とすることができる。また、角θは、好ましくは、30度以下、25度以下、20度以下、10度以下、5度以下、3度以下、2度以下、または1度以下である。これにより、光源装置1において、側方側に取り出される光の割合を増やすことができる。したがって、配光角の大きい光源装置が得られる。
【0049】
図8G図8Hに例示するように、第12変形例に係る第2グローブ241、第13変形例に係る第2グローブ242は、上壁40が第1変形例に係る第2グローブ200と異なっている。第12変形例に係る第2グローブ241の上壁40の外表面40Sは、上方に凸に湾曲している。第13変形例に係る第2グローブ242の外表面40Sは、下方に凸に湾曲している。第12変形例に係る第2グローブ241、第13変形例に係る第2グローブ242の最も長い直線部分L1と法線N1とのなす角θは0度である。
【0050】
図8Iに例示するように、第14変形例に係る第2グローブ243は、上壁40が第1変形例に係る第2グローブ200と異なっている。第14変形例に係る第2グローブ243の上壁40の厚さは、側壁30の厚さよりも厚い。上壁40の厚さは、側壁30の厚さの1.1倍以上10倍以下、好ましくは、3倍以上6倍以下であってよい。これにより、上方を進む光が上壁40により効率よく側方側にも散乱されて、大きな配光角を得ることができる。第14変形例に係る第2グローブ243の最も長い直線部分L1と法線N1とのなす角θは0度である。
【0051】
以上、実施形態1で説明した光源装置は、配光角が大きい光源装置として使用することができる。近年、白熱電球の生産停止の影響を受けて、計測用の標準電球も一部生産停止となっており、光の計測業界に影響が出ている。そこで、LEDなどの発光素子を光源として用いた計測用の標準電球が求められている。実施形態1で説明した光源装置は、特に、全方向型の標準電球などの標準光源に利用することができる。
【0052】
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る光源装置について説明する。実施形態2に係る光源装置は、第2グローブ20の形態以外は、実施形態1に係る光源装置1と同様な構成を有する。すなわち、実施形態2に開示される光源装置は、基台と、前記基台の上面に配置された発光素子と、前記発光素子の少なくとも上方を覆う透光性の第1グローブと、前記発光素子と前記第1グローブとの間に配置される第2グローブと、を備え、前記第2グローブは、中空であり、上壁及び前記発光素子を囲む筒状の側壁を有し、前記上壁及び前記側壁の少なくとも一方に、前記上壁又は前記側壁を貫通して光を透過させる孔を有し、前記側壁の外表面は、前記第2グローブの上下方向の断面において、曲線部分を有し、前記曲線部分は、前記側壁の最大径または最小径のいずれかとなる部分を含み、前記側壁の最大径または最小径の一方である前記部分の外表面と、前記側壁の最大径または最小径の他方である前記部分の外表面とを結ぶ直線と、前記基台の上面の法線とのなす角が45度未満である。これにより配光角が大きい光源装置が得られる。以下では、第2グローブの形状の変形例である第15変形例236と第16変形例237を例として、図8J図8Kを参照しながら説明する。図8J図8Kは、第2グローブの形状の変形例の概略を例示する断面図である。なお、図8J図8Kでは、図示を簡略化するために孔50を図示していない。しかしながら、これらの変形例の形状を第2グローブの形状として利用する場合、側壁30及び/又は上壁40に孔50が設けられる。孔50の形状または配置は、例えば図4および図7Aから図7Eで例示した形態であり得る。
【0053】
図8J図8Kに例示するように、第15変形例に係る第2グローブ236、第16変形例に係る第2グローブ237は、側壁30が第1変形例に係る第2グローブ200と異なっている。第15変形例に係る第2グローブ236の外形は、上下方向における中央部が太い樽型である。第16変形例に係る第2グローブ237は、中央部がくびれた外形である。第15変形例に係る第2グローブ236、第16変形例に係る第2グローブ237の上端部と下端部とは同じ径になっているが、同じ径でなくてもよい。また、太くなっている位置やくびれている位置は、上下方向における中央部でなくてもよい。
【0054】
第15変形例に係る第2グローブ236、第16変形例に係る第2グローブ237の側壁30の外表面30Sは、第2グローブの上下方向の断面において、曲線部分S1を有している。第15変形例に係る第2グローブ236、第16変形例に係る第2グローブ237の曲線部分S1は、側壁30の最大径及び最小径となる部分を含んでいる。最大径である部分の外表面Smaxと、最小径である部分の外表面Sminとを結ぶ直線L2と、法線N1とのなす角θは、45度未満とすることができ、30度以下、25度以下、20度以下、15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、2度以下、または1度以下が好ましい。これにより、第2グローブの変形例が上下方向に延びる割合が増えるので、側壁30は光源装置の側方側を向く割合が増える。これにより光源装置の側方側に取り出される光の割合が増え、配光角が大きい光源装置を提供することができる。
なお、最大径となる部分又は最小径となる部分が複数ある場合は、最大径となる部分と最小径となる部分との組のうち、互いに最も遠い位置にある組を結ぶ直線を直線L2とすることができる。
【0055】
実施形態1及び実施形態2における第2グローブの形状の変形例は、図4に示す第2グローブ20の孔50や図7Aから図7Eに例示する孔50の変形例と組み合わせることができる。また、これらと異なるように孔50を設けてもよい。
第2グローブの形状の変形例は、第2グローブの形状を調節して光源装置に組み込むことで、さらなる広配光化を図ることができる。
第2グローブの孔及び形状の変形例は、光源装置において、第2グローブ20に替えて採用することができる。実施形態1及び実施形態2に係る光源装置は、第2グローブの孔や形状の調節によって、さらに特性の最適化を図ることができる。
【0056】
なお、第2グローブは上壁40及び側壁30を有するとして説明したが、上壁40は、大変小さくしてもよく、実質的に設けなくてもよい。そのような場合でも、側壁30における直線部分L1や直線L2によって第2グローブの形状を規定することができる。
【0057】
本開示は、次の各項の実施形態を含む。
[項1]
基台と、
前記基台の上面に配置された発光素子と、
前記発光素子の少なくとも上方を覆う透光性の第1グローブと、
前記発光素子と前記第1グローブとの間に配置される第2グローブと、を備え、
前記第2グローブは、中空であり、上壁及び前記発光素子を囲む筒状の側壁を有し、前記上壁及び前記側壁の少なくとも一方に、前記上壁又は前記側壁を貫通して光を透過させる孔を有し、
前記第2グローブの上下方向の断面における前記側壁の外表面は、少なくとも1以上の直線部分を含み、
前記直線部分のうち、最も長い前記直線部分と前記基台の上面の法線とのなす角が45度未満である、光源装置。
[項2]
基台と、
前記基台の上面に配置された発光素子と、
前記発光素子の少なくとも上方を覆う透光性の第1グローブと、
前記発光素子と前記第1グローブとの間に配置される第2グローブと、を備え、
前記第2グローブは、中空であり、上壁及び前記発光素子を囲む筒状の側壁を有し、前記上壁及び前記側壁の少なくとも一方に、前記上壁又は前記側壁を貫通して光を透過させる孔を有し、
前記側壁の外表面は、前記第2グローブの上下方向の断面において、曲線部分を有し、
前記曲線部分は、前記側壁の最大径または最小径のいずれかとなる部分を含み、
前記側壁の最大径または最小径の一方である前記部分の外表面と、前記側壁の最大径または最小径の他方である前記部分の外表面とを結ぶ直線と、前記基台の上面の法線とのなす角が45度未満である、光源装置。
[項3]
前記孔は、前記上壁及び前記側壁に設けられる項1又は項2に記載の光源装置。
[項4]
前記側壁に複数の前記孔が設けられ、前記上壁に1又は複数の前記孔が設けられる項1から項3のいずれか1項に記載の光源装置。
[項5]
前記孔は、円形状である項1から項4のいずれか1項に記載の光源装置。
[項6]
前記側壁に設けられる孔は、短軸方向と長軸方向を含む形状である項1から項5のいずれか1項に記載の光源装置。
[項7]
前記上壁に設けられる前記孔の中心は、前記上壁の中央よりも前記上壁の外縁の近くに位置する項1から項6のいずれか1項に記載の光源装置。
[項8]
前記孔が前記側壁及び前記上壁の両方に配置されている場合は、前記側壁の前記孔の平均の大きさが、前記上壁の前記孔の平均の大きさよりも大きい項1から項7のいずれか1項に記載の光源装置。
[項9]
前記第2グローブの外表面における前記孔の面積の割合は、25%以上40%以下である項1から項8のいずれか1項に記載の光源装置。
[項10]
前記第2グローブの外形は、円柱状である項1から項9のいずれか1項に記載の光源装置。
[項11]
前記第2グローブの外形は、円錐台状である項1から項10のいずれか1項に記載の光源装置。
[項12]
前記上壁の外表面は、上方に凸または下方に凸に湾曲している項1から項11のいずれか1項に記載の光源装置。
[項13]
前記上壁の外表面は、平面である項1から項12のいずれか1項に記載の光源装置。
[項14]
前記第1グローブは、半球よりも大きい球冠状である項1から項13のいずれか1項に記載の光源装置。
【符号の説明】
【0058】
1 光源装置
10 第1グローブ
11 第1接続部
20 第2グローブ
21 第2接続部
30 側壁
30S 外表面(側壁)
40 上壁
40S 外表面(上壁)
50A 孔(側壁)
50B 孔(上壁)
100 基台
101 上面
102 側面
103 ヒートシンク
104 口金
106 凹部
110 基板
112 配線
115 保護素子
118 ワイヤ
120 発光素子
130 枠部材
150 封止部材
L1 最も長い直線部分
N1 法線
θ なす角
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図8K