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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066066
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/642 20060101AFI20240508BHJP
   H01R 13/46 20060101ALN20240508BHJP
【FI】
H01R13/642
H01R13/46 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175322
(22)【出願日】2022-11-01
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度 国立研究開発法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/(研究開発題名)高度自動運転に向けた大容量車載光ネットワーク基盤技術の研究開発(副題)多機能光集積回路を利用した高信頼大容量車載光ネットワークの研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川原 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】椎野 雅人
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 正幸
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021HA05
5E021JA20
5E087EE07
5E087MM05
5E087PP06
5E087QQ04
5E087RR26
(57)【要約】
【課題】嵌合力が互いに異なる複数の接続部の端子を備えたコネクタにおいて、接続部の接続不良や破損の可能性を低減すること。
【解決手段】複数の接続部を備えた第1コネクタと、第1コネクタと嵌合可能に構成された、第1コネクタと対になる第2コネクタとを有するコネクタであって、第2コネクタは、第1コネクタにおける複数の接続部とそれぞれ対になり、複数の接続部との嵌合において嵌合力が少なくとも2通りで異なる複数の対の接続部を備え、第1コネクタの複数の接続部のうちの一部の接続部と、一部の接続部と対になる第2コネクタの一部の対の接続部との接続の完了後に、第1コネクタの複数の接続部のうちの一部の接続部における嵌合力とは異なる嵌合力の他部の接続部と、他部の接続部と対になる第2コネクタの他部の対の接続部とが接続するように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の接続部を備えた第1コネクタと、前記第1コネクタと嵌合可能に構成された、前記第1コネクタと対になる第2コネクタとを有するコネクタであって、
前記第2コネクタは、前記第1コネクタにおける複数の接続部とそれぞれ対になり、前記複数の接続部との嵌合において嵌合力が少なくとも2通りで異なる複数の対の接続部を備え、
前記第1コネクタの複数の接続部のうちの一部の接続部と、前記一部の接続部と対になる第2コネクタの一部の対の接続部との接続の完了後に、前記第1コネクタの前記複数の接続部のうちの前記一部の接続部における嵌合力とは異なる嵌合力の他部の接続部と、前記他部の接続部と対になる前記第2コネクタの他部の対の接続部とが接続するように構成される
コネクタ。
【請求項2】
前記一部の接続部の嵌合方向と前記他部の接続部の嵌合方向とが平行である
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記一部の接続部における嵌合位置と前記他部の接続部における嵌合位置とが前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合方向に沿って、互いに異なる位置になるように配置され、前記一部の接続部の嵌合の完了と他部の接続部の嵌合の完了とが、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合のタイミングにおいて異なるように構成される
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記一部の接続部における接続が開始した時点において、前記他部の接続部において力が作用していない状態である
請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記一部の接続部における接続が開始した時点において、前記他部の接続部における嵌合部分が非接触状態である
請求項3に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第1コネクタの前記一部の接続部と、前記一部の接続部と対になる前記第2コネクタの一部の対の接続部との接続と、前記第1コネクタの前記他部の接続部と、前記他部の接続部と対になる前記第2コネクタの他部の対の接続部との接続とが、互いに独立して実行されるように構成される
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1コネクタにおける前記他部の接続部が所定のハウジングに設けられ、
前記ハウジングに前記他部の接続部を前記ハウジングに対して前記嵌合方向に平行に移動可能に構成された案内部が設けられている
請求項1または6に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電装品へ電力供給を行う電源ラインと、制御部が電装品と通信を行うための通信ラインとを備えるケーブルが開示されている。このケーブルにおいては、アースライン、通信ライン、および電源ラインが横並びになっており、それぞれのラインに端子が設けられている。これらの端子を制御ボックスへ接続する際には、ケーブルの中心軸の方向と接続方向とが同じ方向となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/222074号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のように、通信ラインを構成する信号線や電源ラインを構成する電力線などの、複数の異なる目的で使用されるケーブルを備えるコネクタにおいては、コネクタに含まれるラインの端子の接続部ごとに嵌合力が異なる場合がある。例えば、電力線の電力端子における接続部の嵌合力は40~80N程度であるのに対し、信号線の光端子の接続部の嵌合力は30N程度である。この場合、嵌合力が異なる一部の端子の接続部と他部の端子の接続部とを同じハウジング内に備えた一方のコネクタと、この一方のコネクタにおける一部の端子と対の一部の端子の接続部、およびこの一方のコネクタの他部の端子と対の他部の端子の接続部を備えた対となる他方のコネクタとを接続させる際に問題が生じる。
【0005】
すなわち、一部の端子の接続部と他部の端子の接続部とを備えた一方のコネクタを、対になる端子を備えたコネクタに接続させる際に、嵌合力が小さい一部の接続部を嵌合させる力を作用させて接続しようとすると、嵌合力が大きい他部の接続部を嵌合させることが困難になって接続不良が生じる可能性がある。反対に、嵌合力が大きい他方の接続部を嵌合させる力を作用させて、一方のコネクタと他方のコネクタとを接続しようとすると、嵌合力が小さい一部の接続部に所定の仕様以上の力が作用されて、嵌合力が小さい一部の接続部が破損する可能性がある。そのため、嵌合力が少なくとも2通りで異なる複数の接続部の端子を備えたコネクタにおいて、端子の接続部の接続不良や破損の可能性を低減できる技術が求められていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、嵌合力が少なくとも2通りで異なる複数の端子を備えた一方のコネクタと対となる複数の端子を備えた他方のコネクタとを接続させる際に、接続部の接続不良や破損の可能性を低減できるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、複数の接続部を備えた第1コネクタと、前記第1コネクタと嵌合可能に構成された、前記第1コネクタと対になる第2コネクタとを有するコネクタであって、前記第2コネクタは、前記第1コネクタにおける複数の接続部とそれぞれ対になり、前記複数の接続部との嵌合において嵌合力が少なくとも2通りで異なる複数の対の接続部を備え、前記第1コネクタの複数の接続部のうちの一部の接続部と、前記一部の接続部と対になる第2コネクタの一部の対の接続部との接続の完了後に、前記第1コネクタの前記複数の接続部のうちの前記一部の接続部における嵌合力とは異なる嵌合力の他部の接続部と、前記他部の接続部と対になる前記第2コネクタの他部の対の接続部とが接続するように構成される。
【0008】
本発明の一態様に係るコネクタは、上記の発明において、前記一部の接続部の嵌合方向と前記他部の接続部の嵌合方向とが平行である。
【0009】
本発明の一態様に係るコネクタは、上記の発明において、
前記一部の接続部における嵌合位置と前記他部の接続部における嵌合位置とが前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合方向に沿って、互いに異なる位置になるように配置され、前記一部の接続部の嵌合の完了と他部の接続部の嵌合の完了とが、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合のタイミングにおいて異なるように構成される。
【0010】
本発明の一態様に係るコネクタは、上記の発明において、前記一部の接続部における接続が開始した時点において、前記他部の接続部において力が作用していない状態である。
【0011】
本発明の一態様に係るコネクタは、上記の発明において、前記一部の接続部における接続が開始した時点において、前記他部の接続部における嵌合部分が非接触状態である。
【0012】
本発明の一態様に係るコネクタは、上記の発明において、前記第1コネクタの前記一部の接続部と、前記一部の接続部と対になる前記第2コネクタの一部の対の接続部との接続と、前記第1コネクタの前記他部の接続部と、前記他部の接続部と対になる前記第2コネクタの他部の対の接続部との接続とが、互いに独立して実行されるように構成される。
【0013】
本発明の一態様に係るコネクタは、上記の発明において、前記第1コネクタにおける前記他部の接続部が所定のハウジングに設けられ、前記ハウジングに前記他部の接続部を前記ハウジングに対して前記嵌合方向に平行に移動可能に構成された案内部が設けられている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るコネクタによれば、嵌合力が互いに異なる複数の接続部の端子を備えたコネクタにおいて、接続部の接続不良や破損の可能性を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の第1の実施形態によるコネクタの嵌合前の状態を示す平面図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態によるコネクタの一方の接続部の嵌合状態を示す平面図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態によるコネクタの両方の接続部の嵌合状態を示す平面図である。
図4図4は、本発明の第2の実施形態によるコネクタの嵌合前の状態を示す平面図である。
図5図5は、本発明の第2の実施形態によるコネクタの一方の接続部の嵌合状態を示す平面図である。
図6図6は、本発明の第2の実施形態によるコネクタの両方の接続部の嵌合状態を示す平面図である。
図7図7は、本発明の第3の実施形態によるコネクタの嵌合前の状態を示す平面図である。
図8図8は、本発明の第3の実施形態によるコネクタの一方の接続部の嵌合状態を示す平面図である。
図9図9は、本発明の第3の実施形態によるコネクタの両方の接続部の嵌合状態を示す平面図である。
図10図10は、本発明の第4の実施形態によるコネクタの嵌合前の状態を示す平面図である。
図11図11は、本発明の第4の実施形態によるコネクタの1つの接続部の嵌合状態を示す平面図である。
図12図12は、本発明の第4の実施形態によるコネクタの2つの接続部の嵌合状態を示す平面図である。
図13図13は、本発明の第4の実施形態によるコネクタの全ての接続部の嵌合状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
【0017】
以下に説明する実施形態によるコネクタにおいては、複数の接続部を備えた第1コネクタと、第1コネクタと嵌合可能に構成された、第1コネクタと対になる第2コネクタとを有するコネクタであって、第2コネクタは、第1コネクタにおける複数の接続部とそれぞれ対になり、複数の接続部との嵌合において嵌合力が少なくとも2通りで異なる複数の対の接続部を備え、第1コネクタの複数の接続部のうちの一部の接続部と、一部の接続部と対になる第2コネクタの一部の対の接続部との接続の完了後に、第1コネクタの複数の接続部のうちの一部の接続部における嵌合力とは異なる嵌合力の他部の接続部と、他部の接続部と対になる第2コネクタの他部の対の接続部とが接続させることが可能なコネクタである。
【0018】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態によるコネクタ10について説明する。図1は、第1の実施形態によるコネクタを示す図である。なお、図面においては、実施形態の説明を簡便にし発明の理解を容易にするために、ハウジング内の各種構成要素については、透過状態で描画している。
【0019】
コネクタ11,12は、例えば車両内に配索されるケーブルなどの電力線31および信号線32を、互いに接続するための互いに対のコネクタである。ここで、一方のコネクタである第1コネクタとしてのコネクタ11は、例えばオス型のコネクタである。他方のコネクタである第2コネクタとしてのコネクタ12は、例えばメス型のコネクタである。コネクタ11はコネクタ12に挿入するように嵌合可能に構成される。メス型のコネクタ12は、例えばバッテリからの電力やECU(Electronic Control Unit)からの信号を車両内の電装品へ供給する電気接続箱などに設けられる。なお、コネクタ11,12は、ケーブル同士の接続に用いてもよい。以下の説明においては、説明の便宜上、コネクタ11,12において長さ方向(図中、x軸方向)でオス型のコネクタ11からメス型のコネクタ12に挿入する側を前方、前方と反対向きを後方とする。また、長さ方向の後方から前方を見て幅方向(図中、y軸方向)の右側を右方、幅方向において右方とは反対向き、すなわち後方から前方を見て幅方向の左側を左方とする。なお、上下方向(図中、z軸方向)で上側を上方、下側を下方とする。
【0020】
コネクタ11は、ハウジング110を備える。ハウジング110は、合成樹脂から構成され、電力線31、信号線32、接続部111aと圧着部111bとを備えた端子111、および光接続部101aを備えた光コネクタ101を収納している。ハウジング110は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの合成樹脂から構成される。なお、合成樹脂としてはPBTに限定されず、他の合成樹脂を採用してもよい。
【0021】
電力線31は、例えば車両内のバッテリから供給される電力を車両内の電装品に供給する導体ケーブルなどから構成される。電力線31の導体は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、銅合金(Cu合金)、錫メッキ線、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)などから構成される。電力線31は例えば、一方が12Vの電源に接続され、他方がグラウンドに接続されている。信号線32は、例えば車両内の電装品とECUとの間で授受される信号を伝送するケーブルであって、ここでは、例えば光ファイバケーブルなどから構成される。電力線31および信号線32はいずれも、コネクタ11,12の外部にまで延伸しているが、図2以降においては延伸した部分の図示を省略する。
【0022】
コネクタ11のハウジング110の内部において、端子111は電力線31の端部に圧着接続されている。図1に示す例では、2本の電力線31のそれぞれの端部が、端子111の圧着部111bによって圧着接続されている。また、接続部111aは、端子111の前方側に設けられ、電力線31と電気的に導通可能に接続されている。端子111は、例えば銅合金(Cu合金)などの導体からなり、接続部111aは例えばメス型の接続部を構成している。ハウジング110内において2つの端子111および2本の電力線31はそれぞれ、長さ方向に沿った中心線、すなわち光コネクタ102に対して幅方向に対称になるように配置されている。なお、端子111および電力線31のハウジング110内での配置は、必ずしも互いに対称の位置になるように限定されない。また、端子111が光コネクタ102に対して幅方向(y軸方向)の左右に配置されているが、光コネクタ102の高さ方向(z方向)に沿った上方や下方に端子111を配置することも可能である。
【0023】
ハウジング110の内部において、信号線32の端部、図1においてはコネクタ12の嵌合側に対向する側(図1中、前方側)に光コネクタ101が取り付けられている。光コネクタ101の先端側には、接続部としての光接続部101aが設けられている。光コネクタ101は、例えばいわゆるMUコネクタである。光コネクタ101は、MUコネクタに限定されず、例えばLCコネクタなどの周知のコネクタであってもよい。光コネクタ101は、信号線の接続部の一例である。
【0024】
光コネクタ101は、ハウジング110内において、スライド部110aに固定されている。スライド部110aは、案内部115に沿って移動可能に構成される。ハウジング110におけるスライド部110aの例えば側面の部分には、ロック機構が形成されている。ロック機構は例えば、突起部113が係止孔114に嵌入された状態である場合に、スライド部110aがハウジング110に対して固定された状態になるように設定される。突起部113は、例えば板バネなどの一部に設けられたロックピンなどから構成される。ロック機構は、スライド部110aに対して、所定の作用力以上の力を作用させることによって解除可能である。そのため、スライド部110aに対して所定の作用力以上の力を作用させると、ロック機構における突起部113と係止孔114との嵌合が解除され、スライド部110aはレール状の案内部115に沿って作用力の向きに移動可能になる。これにより、光コネクタ101またはスライド部110aに対して所定値以上の作用力を作用させることによって、光コネクタ101は、ハウジング110に対して案内部115の方向に沿って移動する。なお、ロック機構の構造は突起部113と係止孔114とからなるものに限定されず、所定の作用力以上の力を作用させることによってロック機構が解除される物であれば、種々の構造のロック機構を採用することができる。
【0025】
コネクタ12は、ハウジング120を備える。ハウジング120は、合成樹脂から構成され、電力線31、信号線32、接続部121aと圧着部121bとを備えた端子121、および光接続部102aを備えた光コネクタ102を収納する。ハウジング120には、コネクタ11との接続側が開口した接続開口部120aが形成されている。接続開口部120aは、コネクタ11の先端側が挿入可能な大きさを有する。ハウジング120は、例えばPBTなどの合成樹脂から構成される。なお、合成樹脂としてはPBTに限定されず、他の合成樹脂を採用してもよい。
【0026】
コネクタ12のハウジング120の内部において、端子121は電力線31の端部に圧着接続されている。図1に示す例では、2本の電力線31のそれぞれの端部が、端子121の圧着部121bによって圧着接続されている。また、接続部121aは、端子121に対して対向するコネクタ11側、図1においては端子121の先端側(図1中、後方側)に設けられ、電力線31と電気的に導通可能に接続されている。端子121は、例えばCu合金などの導体からなり、接続部121aは、接続部111aに挿入可能な例えばオス型の接続部を構成している。
【0027】
ハウジング120の内部において、信号線32の端部、図1においてはコネクタ11との嵌合側に対向する側(図1中、後方側)に光コネクタ102が取り付けられている。光コネクタ102のコネクタ11側には、接続部としての光接続部102aが設けられている。光コネクタ102は、光コネクタ101と接続可能な例えばLCコネクタである。光コネクタ102は、光コネクタ101と接続可能であれば、LCコネクタに限定されない。光コネクタ102は、信号線の接続部の一例である。
【0028】
ここで、本実施形態によるコネクタ11においては、光コネクタ101の先端側の光接続部101aが、端子111の接続部111aの先端側より、コネクタ12側、すなわち前方に突出した位置になるように構成されている。また、本実施形態によるコネクタ12においては、コネクタ11との嵌合時に、光コネクタ101,102の光接続部101a,102aが先に接続される位置に設けられている。なお、本実施形態においては、コネクタ11,12の嵌合によって、光コネクタ101,102が先に接続される位置であれば、光コネクタ101,102と端子111,121との位置関係は必ずしも上述した位置関係に限定されず、種々の位置に配置することができる。
【0029】
(コネクタの接続方法)
次に、以上のように構成されたコネクタ11,12を接続する接続方法について説明する。図2および図3は、第1の実施形態によるコネクタの接続方法を説明するための図である。
【0030】
図2に示すように、コネクタ11,12を互いに相対的に接近させ、コネクタ11のハウジング110の先端側を、コネクタ12のハウジング120の先端側の内部に嵌入させる。その後、コネクタ11,12を互いに嵌合させて近づけ、さらにコネクタ11をコネクタ12に嵌入させた状態で光コネクタ101,102を互いに接触させて接続させる。この場合、コネクタ11,12を互いに嵌合させる力は、一部の接続部としての光コネクタ101,102の相互が接続する際の嵌合力となり、他部の接続部としての端子111,121同士の嵌合力より小さい嵌合力である。
【0031】
光コネクタ101,102が接続された状態は、端子111,121は互いに接触していない非接触状態である。すなわち、光コネクタ101,102の嵌合および接続の開始時においては、端子111,121においては、互いに接触しておらず、互いに力が作用していない状態である。この段階は、端子111,121の嵌合が未だ開始もしておらず完了もしていない状態である。さらに、コネクタ11,12を互いに嵌入させていくと、光コネクタ101、102が固定されたスライド部110aの突起部113および係止孔114からなるロック機構に所定の作用力が作用する。ここで、突起部113が係止孔114から解除される作用力は、光コネクタ101,102の嵌合力の上限より大きく設定され、具体的にはやや大きく設定される。これにより、光コネクタ101,102が接続された後に、さらにコネクタ11がコネクタ12に嵌入されると、ロック機構のロックの上限を超えて、突起部113が押し込められて係止孔114から解除される。
【0032】
その後、図3に示すように、突起部113および係止孔114からなるロック機構が解除されると、コネクタ11,12が作用力の方向、すなわち光コネクタ101,102の嵌合方向に平行に嵌入される。ロック機構が解除されると、スライド部110aは案内部115に沿って、スライド部110aに作用される力、すなわち嵌入においては後方に向かう力によって、後方に移動される。すなわち、光コネクタ101,102が嵌合可能な嵌合方向と端子111,121が嵌合可能な嵌合方向とは略平行であり、スライド部110aには嵌合方向と平行に力が作用される。コネクタ11のコネクタ12への嵌入を継続すると、端子111の接続部111aと端子121の接続部121aとが接触して、接続部121aが接続部111aに嵌入されて、端子111,121が物理的および電気的に接続される。また、ハウジング110がハウジング120に嵌入されて従来公知の所定のロック機構によってロックされる。以上により、コネクタ11,12の嵌合が実行される。
【0033】
以上説明した第1の実施形態によれば、光コネクタ101,102が嵌合した後、光コネクタ101,102の嵌合力より少し大きい力が作用した段階で、スライド部110aのロック機構が解除されて、案内部115に沿ってスライド部110aが後方に移動する。これによって、光コネクタ101,102に嵌合力より大きな力が作用されないため、嵌合力が互いに異なる複数の接続部101a,111aを備えたコネクタ11,12において、接続部の接続不良や破損の可能性を低減することが可能になる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態によるコネクタ20について説明する。図4は、第2の実施形態によるコネクタを示す図である。図4に示すように、第2の実施形態において光コネクタ101の光接続部101aは、ハウジング110内において接続部111aより後方に位置するように配置されてスライド部110aに固定されている。スライド部110aは、案内部115に沿って長さ方向に移動可能に構成される。突起部113が係止孔114に嵌入された状態のロック機構は、スライド部110aに対して所定の作用力以上の力を作用させることによって解除可能である。これにより、光コネクタ101またはスライド部110aに対して所定値以上の作用力を作用させると、光コネクタ101は案内部115の方向に沿って移動する。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0035】
(コネクタの接続方法)
次に、以上のように構成されたコネクタ11,12を接続する接続方法について説明する。図5および図6は、第2の実施形態によるコネクタの接続方法を説明するための図である。
【0036】
図5に示すように、コネクタ11,12を互いに相対的に接近させ、コネクタ11のハウジング110の先端側を、コネクタ12のハウジング120の先端側の内部に嵌入させる。その後、コネクタ11,12を互いに嵌合させつつ近づけ、さらにコネクタ11をコネクタ12に嵌入させた状態で端子111、121を互いに接触させて接続させる。この場合、コネクタ11,12を互いに嵌合させる力は、端子111、121の相互が接続する際の嵌合力となる。なお、端子111、121の相互が接続する際の嵌合力は、光コネクタ101,102を嵌合させるのに必要な嵌合力より大きな力である。
【0037】
端子111,121が接続された状態は、光コネクタ101,102は互いに接触していない非接触状態である。すなわち、一部の接続部としての端子111,121の嵌合および接続部111a,121aの接続の開始時においては、他部の接続部としての光コネクタ101、102は、互いに接触していない。この場合、光コネクタ101,102にはいずれも力が作用していない状態である。この段階は、光コネクタ101,102は互いに接触しておらず、嵌合が開始も完了もしていない状態である。なお、光コネクタ101,102が互いに接触していても、互いに力が作用していない場合もあり、必ずしも非接触状態に限定されない。また、ハウジング110がハウジング120に嵌入されて従来公知の所定のロック機構によってロックされる。この段階において、ハウジング110,120の嵌合が完了する。
【0038】
その後、図6に示すように、光コネクタ101,102が固定されたスライド部110aに作用させることにより突起部113および係止孔114からなるロック機構に所定の作用力が作用させる。なお、スライド部110aまたは光コネクタ101,102に力を作用させる方法として種々の方法を採用でき、特に限定されない。ここで、突起部113が係止孔114から解除される作用力を、光コネクタ101,102の嵌合力よりやや高い大きさ、具体的には光コネクタ101,102の嵌合力の上限より大きく設定する。これにより、突起部113および係止孔114からなるロック機構が解除されると、コネクタ11,12が作用力の方向、すなわち光コネクタ101,102の嵌合方向に平行に嵌入される。
【0039】
ロック機構が解除されると、スライド部110aは案内部115に沿って、スライド部110aに作用される力、すなわち嵌入においては前方に向かう力によって、前方に移動される。これにより、ロック機構が解除された後において、光コネクタ101,102を嵌合させる。ここで、スライド部110aに前方に向けて力が作用されることにより、端子111,121が嵌合可能な嵌合方向と、光コネクタ101,102が嵌合可能な嵌合方向とは略平行となる。また、コネクタ11,12の嵌合において、一部の接続部としての端子111,121の接続が完了した後に、他部の接続部としての光コネクタ101,102は、端子111,121の接続部とは独立して接続動作が実行されることになる。以上により、コネクタ11,12の嵌合が実行される。
【0040】
以上説明した第2の実施形態によれば、端子111,121が嵌合した後に、光コネクタ101,102を嵌合させていることにより、光コネクタ101,102の嵌合において嵌合力を光コネクタ101,102の嵌合力として好ましい嵌合力に設定できる。そのため、光コネクタ101,102の嵌合において嵌合力が過大になって、接続部101a,102aが破損したり損傷したりすることを抑制できる。また、案内部115に沿ってスライド部110aを移動可能に構成していることにより、光コネクタ101,102に大きな力が作用されないため、嵌合力が互いに異なる複数の接続部101a,111aを備えたコネクタ11,12において、接続部の接続不良や破損の可能性を低減することが可能になり、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態によるコネクタ30について説明する。図7は、第3の実施形態によるコネクタを示す図である。図7に示すように、第3の実施形態において、コネクタ11における端子111は、所定のレール状の案内部116に沿って移動可能に構成される。なお、端子111をスライド部(図示せず)に固定して案内部116に沿って移動可能に構成してもよい。また、端子111の側部には、突起部113および係止孔114から構成されるロック機構が設けられている。突起部113が係止孔114に嵌入された状態のロック機構は、端子111に対して所定の作用力以上の力、ここでは、端子111の接続部111aと端子121の接続部121aとの嵌合力より大きな力を作用させることによって解除可能に構成されている。これにより、端子111に対して所定値以上の作用力を作用させると、端子111は案内部116の方向に沿って移動する。一方、光コネクタ101の光接続部101aは、ハウジング110内において固定されている。
【0042】
(コネクタの接続方法)
次に、以上のように構成されたコネクタ11,12を接続する接続方法について説明する。図8および図9は、第3の実施形態によるコネクタの接続方法を説明するための図である。
【0043】
図8に示すように、コネクタ11,12を互いに相対的に接近させ、コネクタ11のハウジング110の先端側を、コネクタ12のハウジング120の先端側の内部に嵌入させる。その後、コネクタ11,12を互いに嵌合させつつ近づけ、さらにコネクタ11をコネクタ12に嵌入させた状態で端子111、121を互いに接触させて接続させる。この場合、ロック機構の解除には、端子111,121の嵌合力以上の力が必要であるため、ロック機構によってハウジング110に固定された端子111は、端子111、121の相互が接続する際の嵌合力に達するまではハウジング110に固定された状態が維持される。これにより、端子111はロック機構によって固定された状態で端子121と嵌合される。
【0044】
端子111,121が接続された状態は、光コネクタ101,102は互いに接触していない非接触状態である。すなわち、一部の接続部としての端子111,121の嵌合および接続部111a,121aの接続の開始時においては、他部の接続部としての光コネクタ101、102は、互いに接触していない。この場合、光コネクタ101,102にはいずれも力が作用していない状態である。なお、光コネクタ101,102が互いに接触している場合でも互いに力が作用していない状態もあり得る。
【0045】
その後、図9に示すように、コネクタ11をコネクタ12にさらに嵌入させることにより、端子111の側部における突起部113および係止孔114からなるロック機構に解除可能な力より大きな作用力が作用して、ロック機構が解除される。ロック機構が解除されると、コネクタ11,12が作用力の方向、すなわち光コネクタ101,102の嵌合方向に平行にさらに嵌入される。ロック機構が解除されると、端子111は、案内部116に沿って、端子111に作用される力、すなわち端子111に対しては後方に向かう力によって、ハウジング110の後方に移動される。一方で、ロック機構が解除された状態では、コネクタ11,12の嵌入が進むと、光コネクタ101,102が嵌合される。なお、端子111,121を嵌合させる嵌合方向と、光コネクタ101,102が嵌合される嵌合方向とは略平行である。この段階において、ハウジング110,120の嵌合が完了して、コネクタ11,12の嵌合が実行される。
【0046】
以上説明した第3の実施形態によれば、端子111,121が嵌合した後に、ロック機構が解除されて端子111が後方に移動しつつ、光コネクタ101,102が嵌合されるように構成されていることにより、光コネクタ101,102の嵌合において、端子111に作用させる嵌合力と異なる嵌合力、具体的には小さな嵌合力を作用させることができる。そのため、光コネクタ101,102の嵌合において、端子111,121の嵌合力程度に嵌合力が過大になって、接続部101a,102aが破損したり損傷したりすることを抑制できるので、接続部の接続不良や破損の可能性を低減することが可能になり、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態によるコネクタ40について説明する。図10は、第4の実施形態によるコネクタを示す図である。図10に示すように、第4の実施形態においては、コネクタ41のハウジング410内において、光コネクタ101の幅方向に対して左右両側に端子111が設けられている。また、端子111の幅方向の左右外側に、端子211が設けられている。端子211は、端子111と同様に構成される。端子211は、電力線31を圧着する圧着部211b、および端子221の接続部221aと接続するための接続部211aを有する。端子211は、コネクタ41のハウジング410に対して固定されている。また、光コネクタ101は、スライド部410aに固定され、突起部413aおよび係止孔414aによって構成されるロック機構が形成されている。突起部413aおよび係止孔414aによって構成されるロック機構は、光コネクタ101の嵌合力の上限以上の力で解除される。光コネクタ101における案内部115の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0048】
コネクタ41における端子111は、スライド部410bに固定され、所定のレール状の案内部116に沿って移動可能に構成される。スライド部410bの側部には、突起部413bおよび係止孔414bから構成されるロック機構が設けられている。突起部413bが係止孔414bに嵌入された状態のロック機構は、スライド部410bまたは端子111に対して所定の作用力以上の力、ここでは、端子111の接続部111aと、対になる端子である端子121の接続部121aとの嵌合力より大きな力を作用させることによって解除可能に構成されている。端子111における案内部116の構成は、第3の実施形態と同様である。
【0049】
光コネクタ101は、コネクタ41のハウジング410内において、他の端子111,211の接続部111a,211aより前方に突出するように設けられる。なお、光コネクタ101の配置については、種々の配置を採用できる。
【0050】
コネクタ42においては、ハウジング420内に、端子121、端子221、および光コネクタ102が設けられている。端子121は、端子111における接続部111aと対になる接続部121a、および圧着部121bを有する。端子221は、端子211と対になる接続部221aおよび圧着部221bを有する。その他の構成は第1の実施形態と同様である。なお、端子121および端子221はそれぞれ、端子111および端子121と対になるように設けられている。
【0051】
(コネクタの接続方法)
次に、以上のように構成されたコネクタ41,42を接続する接続方法について説明する。図11図12、および図13は、第4の実施形態によるコネクタの接続方法を説明するための図である。
【0052】
まず、図11に示すように、コネクタ41,42を互いに相対的に接近させ、コネクタ41のハウジング110の先端側を、コネクタ42のハウジング120の先端側の内部に嵌入させる。すなわち、コネクタ11,12を、光コネクタ101,102の嵌合方向に平行に嵌入させる。その後、コネクタ41,42を互いに嵌合させつつ近づけ、さらにコネクタ41をコネクタ42に嵌入させた状態で光コネクタ101,102を互いに接触させて接続させる。この場合、コネクタ41,42を互いに嵌合させる力は、一部の接続部としての光コネクタ101,102の相互が接続する際の嵌合力となり、他部の接続部としての端子111,121,211,221同士の嵌合力より小さい嵌合力である。
【0053】
光コネクタ101,102が接続された状態は、端子111,121は互いに接触していない非接触状態である。すなわち、光コネクタ101,102の嵌合および接続の開始時においては、端子111,121においては、互いに接触しておらず、互いに力が作用していない状態である。また、端子211,221においても、互いに接触しておらず、互いに力が作用していない状態である。なお、端子111,121が互いに接触していても、互いに力が作用していない場合もあり、必ずしも非接触状態に限定されない。この段階は、端子111,121,211,221の嵌合が未だ開始もしておらず完了もしていない状態である。
【0054】
さらに、コネクタ41,42を互いに嵌入させていくと、光コネクタ101、102が固定されたスライド部110aの突起部413aおよび係止孔414bからなるロック機構に所定の作用力が作用する。ここで、突起部413aが係止孔414aから解除可能な作用力は、光コネクタ101,102の嵌合力の上限より大きく設定され、好適には、やや大きくなる程度に設定される。これにより、光コネクタ101,102が接続された後に、さらにコネクタ41がコネクタ42に嵌入されると、ロック機構のロックの上限を超えて、突起部413aが押し込められて係止孔414から解除される。
【0055】
次に、図12に示すように、突起部413aおよび係止孔414aからなるロック機構が解除されると、ロック機構が解除されると、スライド部410aは案内部115に沿って、スライド部410aに作用される力、すなわち嵌入においては後方に向かう力によって後方に移動される。すなわち、光コネクタ101,102が嵌合可能な嵌合方向と端子111,121が嵌合可能な嵌合方向とは略平行であり、スライド部410aには嵌合方向と平行に力が作用される。コネクタ41のコネクタ42への嵌入を継続させると、端子111の接続部111aと端子121の接続部121aとが接触して、接続部121aが接続部111aに嵌入され、端子111,121が物理的および電気的に接続される。
【0056】
次に、図8に示すように、コネクタ41,42を互いに相対的に接近させ、コネクタ41のハウジング410の先端側を、コネクタ12のハウジング420の先端側の内部に嵌入させる。その後、コネクタ41,42を互いに嵌合させつつ近づけ、さらにコネクタ41をコネクタ42に嵌入させた状態で端子111、121を互いに接触させて接続させる。この場合、ロック機構の解除には、端子111,121の嵌合力以上の力が必要であるため、ロック機構によってハウジング110に固定された端子111は、端子111、121の相互が接続する際の嵌合力に達するまではハウジング110に固定された状態が維持される。これにより、端子111はロック機構によって固定された状態で端子121と嵌合される。
【0057】
端子111,121が接続された状態は、端子211,221は互いに接触していない非接触状態である。すなわち、一部の接続部としての端子111,121の嵌合および接続部111a,121aの接続の開始時においては、他部の接続部としての端子211,221は、互いに接触していない。この場合、光コネクタ101,102にはいずれも力が作用していない状態である。なお、光コネクタ101,102が互いに接触している場合でも互いに力が作用していない状態もあり得る。
【0058】
その後、図13に示すように、コネクタ41をコネクタ42にさらに嵌入させることにより、端子111を固定するスライド部410bの側部における突起部413bおよび係止孔414bからなるロック機構に解除可能な力より大きな作用力が作用して、ロック機構が解除される。ロック機構が解除されると、コネクタ41,42が作用力の方向、すなわち端子211,221の嵌合方向に平行にさらに嵌入される。ロック機構が解除されると、端子111は、案内部116に沿って、端子111に作用される力、すなわち端子111に対しては後方に向かう力によって、ハウジング410の後方に移動される。一方で、ロック機構が解除された状態では、コネクタ41,42の嵌入が進むと、端子211,221のそれぞれの接続部211a,221aが嵌合される。なお、端子211,221を嵌合させる嵌合方向と、端子111,121を嵌合させる嵌合方向と、光コネクタ101,102を嵌合させる嵌合方向とは略平行になる。この段階において、ハウジング410,420の嵌合が完了して、コネクタ41,42の嵌合が実行されて、コネクタ40が接続される。
【0059】
以上説明した第4の実施形態によれば、端子111,121が嵌合した後に、ロック機構が解除されて端子111が後方に移動しつつ、さらに端子211,221が嵌合されるように構成されていることにより、端子を増やした状態のコネクタ41,42によっても同様に、異なるタイミングで端子111,121,211,221や光コネクタ101,102を嵌合させることができる。そのため、第1~第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた数値や材料はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値や材料を用いてもよく、本発明は、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により限定されることはない。
【0061】
例えば、光コネクタ101,102が一部の接続部である場合、端子111,121が他部の接続部となり、端子111,121が一部の接続部であれば、光コネクタ101,102が他方の接続部となる。同様に、端子211,221が一部の接続部である場合、光コネクタ101,102や端子111,121が他部の接続部となり、光コネクタ101,102や端子111,121が一部の接続部であれば、端子211,221が他部の接続部となる。また、上述した実施形態においては、信号線の接続部の一例として、光コネクタ101,102を挙げたが、光コネクタ以外のコネクタであってもよく、例えば信号線が電気ケーブルの場合には、電気通信コネクタなどを採用することも可能である。
【0062】
また、コネクタ11,41が第1コネクタである場合には、コネクタ12,42が第2コネクタとなり、コネクタ12,42が第1コネクタである場合には、コネクタ11,41が第2コネクタとなる。
【符号の説明】
【0063】
10,11,12,20,30,40,41,42 コネクタ
31 電力線
32 信号線
101,102 光コネクタ
101a,102a 光接続部
110,120,410,420 ハウジング
110a,410a,410b スライド部
111,121,211,221 端子
111a,121a,211a,221a 接続部
111b,121b,211b,221b 圧着部
113,413a,413b 突起部
114,414a,414b 係止孔
115,116 案内部
120a 接続開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13