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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067026
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240509BHJP
   H01L 21/324 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
H01L21/31 E
H01L21/324 K
H01L21/324 R
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188576
(22)【出願日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0144301
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】316008145
【氏名又は名称】ウォニク アイピーエス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WONIK IPS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75,Jinwisandan-ro,Jinwi-myeon,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do,17709,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウィ ムンホ
【テーマコード(参考)】
5F045
【Fターム(参考)】
5F045AF07
5F045DP19
5F045EB03
5F045EB05
5F045EB10
5F045EF01
5F045EF20
5F045EK07
5F045EK08
5F045EK22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】温度偏差の改善が可能な基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、多数の基板に対する熱処理を行う基板処理装置であって、複数の基板1が垂直方向に沿って相互離隔配置され、処理される処理空間を形成するプロセスチャンバ100と、複数の前記基板1の一部に対応して、前記処理空間に水平の第1方向に互いに平行に複数個配置される第1ヒータ部200と、複数の前記基板1の残りの一部に対応して、前記処理空間中に前記第1方向と交差する水平の第2方向に互いに平行に複数個配置される第2ヒータ部300と、処理空間のうちプロセスチャンバの両側面に隣接する位置で第2ヒータ部と平行になるようにそれぞれ設けられる補助ヒータ部400と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板が垂直方向に沿って相互離隔配置され、処理される処理空間を形成するプロセスチャンバと、
複数の前記基板の一部に対応して、前記処理空間に水平の第1方向に互いに平行に複数個配置される第1ヒータ部と、
複数の前記基板の残りの一部に対応して、前記処理空間に前記第1方向と交差する水平の第2方向に互いに平行に複数個配置される第2ヒータ部と、
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記第2ヒータ部は、
前記第1ヒータ部の下部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1ヒータ部は、
垂直方向に配置される前記基板の一部のそれぞれに対応して、複数個ずつ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2ヒータ部は、
複数の前記基板の最下段に位置する基板の下部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1方向と前記第2方向は、互いに垂直であることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第2ヒータ部は、
前記第1方向に互いに等間隔で離隔配置されていることを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1ヒータ部は、
前記プロセスチャンバの両側面を横切って設けられることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第2ヒータ部は、
前記プロセスチャンバの前背面を横切って設けられることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記プロセスチャンバの底面に設けられ、前記第2ヒータ部を支持するヒータ支持部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第2ヒータ部は、
一端が前記プロセスチャンバの背面を貫通して設けられ、他端が前面から離隔されて設けられていることを特徴とする請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記プロセスチャンバは、前面に前記基板の導入のための開口部が形成され、
前記第2ヒータ部は、一端が前記プロセスチャンバの背面を貫通して設けられ、他端が前記プロセスチャンバの前面のうち前記開口部の下側を貫通して設けられることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記処理空間のうち前記プロセスチャンバの両側面に隣接する位置で前記第2ヒータ部と平行になるようにそれぞれ設けられる補助ヒータ部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第2ヒータ部は、
前記プロセスチャンバの両内側面に配置される前記補助ヒータ部間に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記補助ヒータ部と前記第2ヒータ部との間の第1距離が、前記第2ヒータ部間の第2距離より大きいことを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記プロセスチャンバの一側壁に設けられ、前記第1方向にプロセスガスを噴射するガス供給部と、前記プロセスチャンバの他側壁に設けられ、前記処理空間内のプロセスガスを排気するガス排気部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項16】
複数の前記第2ヒータ部のそれぞれの発熱量を独立して制御する制御部を含み、
前記制御部は、複数の前記第2ヒータ部の少なくとも一部の発熱量を残りに対して互いに異なるように制御することを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
複数の前記第2ヒータ部は、
前記制御部を介してそれぞれ独立して制御される第1制御群、第2制御群、第3制御群及び第4制御群を前記プロセスチャンバの一側壁側から他側壁側に順次に形成することを特徴とする請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記制御部は、
前記第2制御群の発熱量を前記第1制御群の発熱量より大きくなるように制御することを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記制御部は、
前記第4制御群の発熱量を前記第1制御群の発熱量より大きくなるように制御することを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記制御部は、
前記第2制御群及び前記第4制御群の発熱量を前記第1制御群及び前記第3制御群の発熱量より大きくなるように制御することを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、より詳しくは、多数の基板に対する熱処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、基板処理装置は、プロセスチャンバが形成する密閉された処理空間にプロセスガス及び適正温度の雰囲気を利用して基板に対する蒸着、エッチング及び熱処理などの基板処理を行う装置である。
【0003】
特に、熱処理は、半導体、平板ディスプレイ及び太陽電池製造のためのシリコンウエハーやガラスのような基板上に蒸着されている所定の薄膜に対して結晶化、相変化などの薄膜特性の改善のために行われる。
【0004】
代表的な熱処理工程としてはAMOLED(Active Matrics Organic Light Emitting Diode)などの高品質ディスプレイを製造するために、多結晶シリコンを用いたTFT(Thin Film Transister)をガラス基板に形成するLTPS(低温多結晶シリコン)又はフレキシブル基板を形成するために、ポリイミドを基板上に形成し硬化する工程がある。
【0005】
また、前記熱処理工程は、液晶ディスプレイ又は薄膜型結晶質シリコン太陽電池を製造する場合、基板上に蒸着されたアモルファスシリコンをポリシリコンで結晶化する工程を含むことができる。
【0006】
従来の基板処理装置は、垂直方向に導入される多数の基板に対する熱処理のために、処理空間内のプロセスガス噴射方向と平行に設けられた多数の棒ヒータを介して基板への加熱を行う。
【0007】
一方、近年、基板の大型化に伴い、噴射されるプロセスガスもその流量が大きく増加し、温度偏差が深刻化する問題があり、特に比較的低い温度のプロセスガスが下降して位置する最下部側の温度均一度が低くなる問題があった。
【0008】
より具体的には、処理空間内の最下部は、内壁側に隣接して比較的低い温度のプロセスガスが下降して位置することにより熱損失が大きく発生しており、上昇する熱気流を通じて温度補償が適切に行われる上部側に比べて温度補償も行われないため、位置別の温度偏差が深刻化する問題があった。
【0009】
特に、処理空間の最下部側は、長さを有する棒ヒータが設けられるプロセスガス噴射方向に温度偏差が発生するため、プロセスガスの気流方向、つまり棒ヒータの長手方向に対する各位置別の制御が求められるが、同じ棒ヒータの長手方向に対する各位置別の制御ができず、温度均一度の向上ができない問題があった。
【0010】
すなわち、従来の基板処理装置は、図1に示すように、チャンバ10内に設けられる棒ヒータの長手方向と同じ方向にプロセスガス気流が形成されており、ここで、上下温度差によるプロセスガスの流れが加わり、棒ヒータの長手方向の各位置別の温度偏差が発生するが、棒ヒータの長手方向別の温度制御ができず、温度偏差が深化する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するために、温度偏差の改善が可能な基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記のような本発明の目的を達成するために創案されたものであり、本発明は、複数の基板が垂直方向に沿って相互離隔配置され、処理される処理空間を形成するプロセスチャンバと、複数の前記基板の一部に対応して、前記処理空間に水平の第1方向に互いに平行に複数個配置される第1ヒータ部と、複数の前記基板の残りの一部に対応して、前記処理空間に前記第1方向と交差する水平の第2方向に互いに平行に複数個配置される第2ヒータ部、とを含む基板処理装置を開示する。
【0013】
前記第2ヒータ部は、前記第1ヒータ部の下部に配置されてもよい。
【0014】
前記第1ヒータ部は、垂直方向に配置される前記基板の一部のそれぞれに対応して、複数個ずつ配置されてもよい。
【0015】
前記第2ヒータ部は、複数の前記基板の最下段に位置する基板の下部に配置されてもよい。
【0016】
前記第1方向と前記第2方向は、互いに垂直であってもよい。
【0017】
前記第2ヒータ部は、前記第1方向に互いに等間隔で離隔配置されてもよい。
【0018】
前記第1ヒータ部は、前記プロセスチャンバの両側面を横切って設けられてもよい。
【0019】
前記第2ヒータ部は、前記プロセスチャンバの前背面を横切って設けられてもよい。
【0020】
前記プロセスチャンバの底面に設けられ、前記第2ヒータ部を支持するヒータ支持部材を含むことができる。
【0021】
前記第2ヒータ部は、一端が前記プロセスチャンバの背面を貫通して設けられ、他端が前面から離隔されて設けられてもよい。
【0022】
前記プロセスチャンバは、前面に前記基板の導入のための開口部が形成され、前記第2ヒータ部は、一端が前記プロセスチャンバの背面を貫通して設けられ、他端が前記プロセスチャンバ前面のうち前記開口部の下側を貫通して設けられてもよい。
【0023】
前記処理空間のうち前記プロセスチャンバの両側面に隣接する位置で前記第2ヒータ部と平行になるようにそれぞれ設けられる補助ヒータ部をさらに含むことができる。
【0024】
前記第2ヒータ部は、前記プロセスチャンバの両内側面に配置される前記補助ヒータ部間に配置されてもよい。
【0025】
前記補助ヒータ部と前記第2ヒータ部との間の第1距離が、前記第2ヒータ部間の第2距離より大きくてもよい。
【0026】
前記プロセスチャンバの一側壁に設けられ、前記第1方向にプロセスガスを噴射するガス供給部と、前記プロセスチャンバの他側壁に設けられ、前記処理空間内のプロセスガスを排気するガス排気部と、を含むことができる。
【0027】
複数の前記第2ヒータ部のそれぞれの発熱量を独立して制御する制御部を含み、前記制御部は、複数の前記第2ヒータ部の少なくとも一部の発熱量を残りに対して互いに異なるように制御することができる。
【0028】
複数の前記第2ヒータ部は、前記制御部を介してそれぞれ独立して制御される第1制御群、第2制御群、第3制御群及び第4制御群を前記プロセスチャンバの一側壁側から他側壁側に順次に形成することができる。
【0029】
前記制御部は、前記第2制御群の発熱量を前記第1制御群の発熱量より大きくなるように制御することができる。
【0030】
前記制御部は、前記第4制御群の発熱量を前記第1制御群の発熱量より大きくなるように制御することができる。
【0031】
前記制御部は、前記第2制御群及び前記第4制御群の発熱量を前記第1制御群及び前記第3制御群の発熱量より大きくなるように制御することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明による基板処理装置は、処理空間内の最下部側の温度偏差を改善することができるという利点がある。
【0033】
特に、本発明による基板処理装置は、処理空間内の最下部側のプロセスガス噴射方向の各位置に対する温度制御が可能であり、温度均一度を向上させることができるという利点がある。
【0034】
また、本発明による基板処理装置は、処理空間内の最下部側に対して、ヒータを温度分布に応じてプロセスガス噴射方向とその垂直方向に自由に設定可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】明るく表示されるほど温度が低く暗く表示されるほど温度が高く表示されて、従来の基板処理装置の内部温度分布を示す図である。
図2】本発明による基板処理装置を示す斜視図である。
図3図1による基板処理装置の内部の様子を示す断面図である。
図4図1による基板処理装置の背面の様子を示す背面図である。
図5図1による基板処理装置のうち第1ヒータ部、第2ヒータ部及び補助ヒータ部の設置の様子を示す図である。
図6図1による基板処理装置のうち、上部側の第1ヒータ部及び補助ヒータ部の配置の様子を示す平面図である。
図7図1による基板処理装置のうち、最下部側の第2ヒータ部及び補助ヒータ部の配置の様子を示す平面図である。
図8A-8B】従来の基板処理装置と本発明による基板処理装置の最下段の基板に対応する領域の平面上の温度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明による基板処理装置について添付の図面を参照して説明すると以下の通りである。
【0037】
本発明による基板処理場歯肉、図2に示すように、複数の基板1が垂直方向に沿って相互離隔配置され、処理される処理空間を形成するプロセスチャンバ100と、複数の前記基板1の一部に対応して、前記処理空間に水平の第1方向に互いに平行に複数個配置される第1ヒータ部200と、複数の前記基板1の残りの一部に対応して、前記処理空間に前記第1ヒータ部200下部で前記第1方向と交差する水平の第2方向に互いに平行に複数個配置される第2ヒータ部300と、を含む。
【0038】
また、本発明による基板処理装置は、処理空間に配置される複数の基板1を垂直方向に沿って相互離隔配置して支持する基板支持部をさらに含む。
【0039】
さらに、本発明による基板処理装置は、処理空間のうちプロセスチャンバ100の両側面に隣接する位置で第2ヒータ部300と平行になるようにそれぞれ設けられる補助ヒータ部400をさらに含む。
【0040】
また、本発明による基板処理装置は、プロセスチャンバ100の一側壁に設けられ、第1方向にプロセスガスを噴射するガス供給部500と、プロセスチャンバ100の他側壁に設けられ、処理空間内のプロセスガスを排気するガス排気部600をさらに含む。
【0041】
さらに、本発明による基板処理装置は、プロセスチャンバ100の底面に設けられ、第2ヒータ部300を支持するヒータ支持部材700をさらに含む。
【0042】
また、本発明による基板処理装置は、複数の第2ヒータ部300のそれぞれの発熱量を独立して制御する制御部を含む。
【0043】
ここで、本発明によるプロセスガスは、基板処理のための熱処理工程で使用されるガスを総称し、より具体的には、工程過程中に発生し得る各種ヒューム(fume)及びヒュームを通じて生産される有機物を排出するためのパージガスをも指すことができる。
【0044】
本発明による処理対象の基板1は、LED、LCDなどの表示装置に使用する基板、半導体基板、太陽電池基板などのすべての基板を含む意味で理解することができ、特に、フレキシブル表示装置に使用されるフレキシブル基板を意味することができる。
【0045】
一方、本発明による基板処理装置の基板処理工程は蒸着工程、エッチング工程、熱処理工程などを含む意味で理解することができ、特に非フレキシブル基板上にフレキシブル基板形成、フレキシブル基板上にパターン形成、フレキシブル基板の分離などの一連の工程、フレキシブル基板を熱処理して、乾燥する工程などを含むことができる。
【0046】
一方、前記基板1は、説明の便宜上、図1では複数の基板支持部に単一の基板が設けられるものとして図示したが、より好ましくは、複数の基板支持部に対応して複数の基板1がロードされ処理されてもよい。
【0047】
前記プロセスチャンバ100は、複数の基板1が処理される処理空間を形成する構成であってもよい。
【0048】
例えば、前記プロセスチャンバ100は、内部に密閉された処理空間を形成する略六面体形状のチャンバ本体110と、チャンバ本体110の外側面上に設けられ、チャンバ本体110を補強する補強リブ120を含むことができる。
【0049】
前記チャンバ本体110は、石英、ステンレス鋼、アルミニウム、グラファイト、炭化ケイ素又は酸化アルミニウムの少なくともいずれか一つで製作することができる。
【0050】
一方、前記チャンバ本体110は、六面体であり、前面に基板1が搬入及び搬出される開口部101が形成され、開口部101に隣接する側面に互いに対向する側壁が形成され、出入口の対向面に背面が形成されてもよい。
【0051】
また、前記チャンバ本体110は、図4に示すように、処理空間に対するメンテナンスなどに必要な接近のために背面に背面開口部102を形成することができ、このとき、背面開口部102は、別のドアを介して開閉することができる。
【0052】
したがって、本明細書で言及する側壁及び側面は、開口部101が形成される前面に隣接して互いに対向する面を意味し、前面及び背面は、それぞれ開口部101及び背面開口部102が形成される面を意味する。
【0053】
一方、前記プロセスチャンバ100は、前記開口部101を開閉するための開閉ドア(未図示)が設けられ、開閉ドアは開口部101が形成される前面外側に前後、左右又は上下方向に摺動可能に設けられ、出入口を開閉することができる。
【0054】
また、前記チャンバ本体110は、側壁に複数の貫通孔が形成され、後述するガス供給部500及びガス排気部600の構成の一部が設けられ、さらに、第1ヒータ部200が貫通して処理空間内部に設けられるようにすることができる。
【0055】
一方、前記貫通孔は、後述する第2ヒータ部300及び補助ヒータ部400の設置のために、プロセスチャンバ100の前背面にも部分的に形成することができることはもちろんである。
【0056】
このとき、前記貫通孔の周辺には、基板処理ガスの漏れを防ぎ、処理空間を密閉空間に形成するための封止手段がさらに設けられてもよい。
【0057】
前記補強リブ120は、チャンバ本体110の外側面上に設けられ、チャンバ本体110を補強する構成であってもよい。
【0058】
例えば、前記補強リブ120は、チャンバ本体110が工程中に内部で強い圧力又は高温の影響を受けて破損又は変形が発生する可能性に備えて、チャンバ本体110の外側面、より具体的には、上下面及び側壁の外側に設けられ、耐久性を向上することができる。
【0059】
前記基板支持部は、処理空間に配置され、複数の基板1が垂直方向に沿って相互離隔配置されるように支持する構成であってもよい。
【0060】
特に、前記基板支持部は、複数の基板1が垂直方向に沿って相互離隔配置されるように支持するために、上下方向に一定間隔を置いて基板1を支持するように処理空間に設けることができる。
【0061】
前記ガス供給部500は、プロセスチャンバ100の一側壁に設けられ、第1方向にプロセスガスを噴射する構成であり、様々な構成が可能である。
【0062】
このとき、前記ガス供給部500は、処理空間で垂直方向に相互離隔配置される基板1に対応して、それぞれプロセスガス噴射ができるように複数の噴射ノズルを含むことができる。
【0063】
また、前記噴射ノズルは、プロセスチャンバ100の一側壁を貫通して設けられてもよく、互いに一定間隔で配置され同一水平面上でも複数個配置することができる。
【0064】
前記ガス排気部600は、プロセスチャンバ100の他側壁に設けられ、処理空間内のプロセスガスを排気する構成であり、様々な構成が可能である。
【0065】
このとき、前記ガス排気部600は、処理空間で垂直方向に相互離隔配置される基板1に対応して、ガス供給部500の噴射ノズルにそれぞれ対向して配置される排気ポートを含むことができる。
【0066】
また、前記排気ポートは、プロセスチャンバ100の他側壁を貫通して設けられるか、プロセスチャンバ100に形成される貫通孔として形成されてもよく、互いに一定間隔で配置され同一水平面上でも複数個配置することができる。
【0067】
一方、以下で説明する第1方向及び第2方向と各構成の設置方向について説明すると、以下の通りである。
【0068】
前記第1方向は、第1ヒータ部200が設けられる方向であり、第1ヒータ部200の長手方向を意味し、図面上のX軸方向を意味する。
【0069】
また、前記第2方向は、第1方向と交差する方向であり、第2ヒータ部300が設けられる第2ヒータ部300の長手方向であり、図面上のY軸方向を意味する。
【0070】
例えば、前記第1方向及び前記第2方向は、ともに水平方向を意味し、第1方向と第2方向は互いに垂直であってもよい。
【0071】
すなわち、前記第1方向は、プロセスチャンバ100のガス供給部500が設けられプロセスガスが噴射される方向であり、プロセスチャンバ100の一側壁側から他側壁側に向かう方向であってもよく、第2方向は、処理空間内のプロセスガス噴射及び気流方向に同一平面上に垂直な方向であり、プロセスチャンバ100の前面側から背面側に向かう方向を意味する。
【0072】
前記第1ヒータ部200は、複数の基板1の一部に対応して処理空間に水平の第1方向に互いに平行に複数個配置される構成であり、様々な構成が可能である。
【0073】
このとき、前記第1ヒータ部200は、棒ヒータであり、例えば、長さを有するヒータチューブに熱線を巻き付けて発熱する構成であってもよく、従来開示された長さを有するヒータ形状はすべて適用可能である。
【0074】
一方、前記第1ヒータ部200は、図3及び図5に示すように、基板1に対応する仮想の同一水平面上に互いに平行になるように複数個配置することができ、垂直方向に配置される基板1の一部に対応して、それぞれに複数個ずつ配置することができる。
【0075】
前記第1ヒータ部200は、互いに平行に配置してもよく、同一水平面上で隣接する第1ヒータ部200間の間隔が同じであってもよい。
【0076】
また、前記第1ヒータ部200は、プロセスチャンバ100の両側面を横切って設けられてもよく、より具体的には、前述したプロセスガス噴射方向として、ガス供給部500が設けられるプロセスチャンバ100の一側壁からガス排気部600が設けられるプロセスチャンバ100の他側壁に向かう方向に長さを有するように設けることができる。
【0077】
このとき、前記第2ヒータ部300は、前述した第1ヒータ部200と同様に棒ヒータであり、例えば、長さを有するヒータチューブに熱線を巻き付けて発熱する構成であってもよく、従来開示された長さを有するヒータ形状はすべて適用可能である。
【0078】
前記第2ヒータ部300は、複数の基板1の残りの一部に対応して処理空間のうち第1ヒータ部200の下部で第1方向と交差する水平の第2方向に互いに平行に複数個配置される構成であってもよい。
【0079】
このとき、前記第2ヒータ部300は、第1ヒータ部200の下部に配置することができ、特に、複数の基板1の最下段に位置する基板1の下部に単一の仮想水平面上に複数個配置することができる。
【0080】
また、前記第2ヒータ部300は、第1方向に互いに等間隔で離隔して配置されてもよく、より具体的には、隣接する第2ヒータ部300間の間隔はすべて同じであってもよい。
【0081】
一方、他の例として、前記第2ヒータ部300間の間隔が処理空間の位置によって互いに異なっていてもよいことはもちろんである。
【0082】
前記第2ヒータ部300は、プロセスチャンバ100の前背面を横切って設けられてもよく、前述した第1方向と垂直方向の第2方向に長さを有するように設けられてもよい。
【0083】
このとき、前記第2ヒータ部300は、一端がプロセスチャンバ100の背面を貫通して設けられ、他端がプロセスチャンバ100の前面を貫通して設けられてもよい。
【0084】
この場合、前記第2ヒータ部300は、一端がプロセスチャンバ100の背面に形成される背面開口部102下部を貫通して背面開口部102との干渉なしに貫通して設置可能であり、他端がプロセスチャンバ100の前面のうち開口部101の下部を貫通して設けられることにより、開口部101との干渉なしに貫通設置が可能である。
【0085】
一方、他の例として、前記第2ヒータ部300は、他端が開口部101と干渉する位置に配置されてもよいところ、一端がプロセスチャンバ100の背面を貫通して設けられた状態で他端が前方側内面から離隔するように配置されてもよい。
【0086】
また、他の例として、本発明による基板処理装置は、図3に示すように、プロセスチャンバ100の底面に設けられ、第2ヒータ部300を支持するヒータ支持部材700を含み、第2ヒータ部300を、ヒータ支持部材700を介して支持することもできる。
【0087】
このとき、ヒータ支持部材700は、第2ヒータ部300の長手方向に沿って複数個が設けられ、第2ヒータ部300を支持することができ、他の例として、第2ヒータ部300の一端は、プロセスチャンバ100の背面を貫通して設けられ、他端側にヒータ支持部材700が設けられ、第2ヒータ部300を支持することもできる。
【0088】
一方、前記ヒータ支持部材700は、上面に第2ヒータ部300に対応する載置溝が形成され、第2ヒータ部300を支持することができる。
【0089】
また、前記第2ヒータ部300は、後述する補助ヒータ部400間に配置されており、より具体的には、プロセスチャンバ100の両内側面に隣接する位置に第2方向に長さを有して設けられる補助ヒータ部400間に配置することができる。
【0090】
このとき、前記補助ヒータ部400と前記第2ヒータ部300との間の第1距離d1が、前記第2ヒータ部300間の第2距離d2より大きく配置することができる。
【0091】
前記補助ヒータ部400は、図3に示すように、処理空間のうちプロセスチャンバ100の両側面に隣接する位置で第2ヒータ部300と平行になるようにそれぞれ設けられる構成であり、様々な構成が可能である。
【0092】
例えば、前記補助ヒータ部400は、プロセスチャンバ100の両内側面に隣接する位置に垂直方向に互いに平行になるように複数個配置することができ、第2方向に長さを有して設けられ、熱損失が大きいプロセスチャンバ100の両側面に対する温度補償を行うことができる。
【0093】
すなわち、前記補助ヒータ部400は、第1方向に長さを有して設けられる第1ヒータ部200により高い熱損失にもかかわらず、温度補償が難しいプロセスチャンバ100の両内側面に対する温度補償のための隣接する位置で第2方向に長さを有するように設けることができる。
【0094】
前記制御部は、複数の第2ヒータ部300のそれぞれの発熱量を独立して制御する構成であり、様々な構成が可能である。
【0095】
このとき、前記制御部は、複数の第2ヒータ部300だけでなく、第1ヒータ部200及び補助制御部400の発熱量を通じた温度制御が可能であることはもちろんである。
【0096】
前記制御部は、複数の第2ヒータ部300の少なくとも一部の発熱量を残りに対して互いに異なるように制御することができ、例えば、複数の第2ヒータ部300の処理空間の位置に応じて一部に対して発熱量を高く設定し、残りに対して発熱量を低く設定することができる。
【0097】
このために、前記第2ヒータ部300は、制御部を介して発熱量が制御される最小単位であり、制御部を介してそれぞれ独立して制御される第1制御群310、第2制御群320、第3制御群330及び第4制御群340をプロセスチャンバ100の一側壁側から他側壁側に順次形成することができる。
【0098】
前記制御部を介した第2ヒータ部300の制御を説明するために、処理空間の最下部の温度変化について説明すると、以下の通りである。
【0099】
処理空間の最下部、すなわち最下段の基板1の下側は図1及び図8Aに示すように、上部で比較的低い温度のプロセスガスが第1方向に水平移動しながら下降するにつれて、プロセスガスがちょうどそのとき流入される第1制御群310に対応する領域の温度が比較的高く、第2制御群320に対応する領域の温度が比較的低いことがある。
【0100】
また、プロセスガスの第1ヒータ部200、第2ヒータ部300による温度交換により第3制御群330に対応する領域の温度が、第2制御群320に対応する領域の温度より高く形成され得る。
【0101】
一方、プロセスチャンバ100の熱損失が大きく、排気ポートが位置するため、他側壁に隣接する第4制御群340に対応する領域の温度は、第3制御群330に対応する領域の温度より低く形成され得る。
【0102】
結果的に、図8Aに示すように、第1制御群310及び第3制御群330に対応する領域の温度が比較的高く、第2制御群320及び第4制御群340に対応する領域の温度が比較的低く形成され、第1方向に各位置別の温度偏差が発生し得る。
【0103】
したがって、前記制御部は、第2制御群320の発熱量を第1制御群310の発熱量より大きくなるように制御することができ、他の例として、前記制御部は、第4制御群340の発熱量を第1制御群310の発熱量より大きくなるように制御することができる。
【0104】
さらに、前記制御部は、前記第2制御群320及び第4制御群340の発熱量を第1制御群310及び第3制御群330の発熱量より大きくなるように制御することもできる。
【0105】
一方、前述と異なる例として、第2制御群320及び第4制御群340に含まれる第2ヒータ部300の個数を、第1制御群310及び第3制御群330に含まれる第2ヒータ部300の個数より多くし、同じパワーによる同じ発熱量の制御にも第2制御群320及び第4制御群340に対応する領域の温度がより高くなるように誘導することもできる。
【0106】
これにより、本発明による基板処理装置は、図8Bに示すように、第1方向による温度偏差が、従来の基板処理装置の図8Aに比べて改善されたことを確認することができる。
【0107】
このとき、図8A及び図8Bは、暗く表示されるほど温度が高く、明るく表示されるほど温度が低い領域を意味する。
【0108】
以上は、本発明によって実施することができる好ましい実施例の一部について説明したものに過ぎず、周知のように本発明の範囲は、前記の実施例に限定して解釈されるべきではなく、前述した本発明の技術的思想とその根幹をなす技術思想はすべて本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
100 プロセスチャンバ
200 第1ヒータ部
300 第2ヒータ部
400 補助ヒータ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B