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特開2024-67431コネクタ、コネクタ付きワイヤハーネス、及びコネクタの嵌合方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067431
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】コネクタ、コネクタ付きワイヤハーネス、及びコネクタの嵌合方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/629 20060101AFI20240510BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20240510BHJP
   H01R 43/26 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
H01R13/629
H01R13/639 Z
H01R43/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177495
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】宗亭 功治
(72)【発明者】
【氏名】河合 貴典
【テーマコード(参考)】
5E021
5E063
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB20
5E021FC31
5E021HC09
5E063KA01
5E063KA03
5E063XA16
(57)【要約】
【課題】オスコネクタとの嵌合作業時に作業者の指へ加わる負担を軽減し、コネクタの嵌合作業の効率を向上すること。
【解決手段】メス端子23と、該メス端子23を収容するコネクタハウジング31とを備え、コネクタハウジング31は、オスコネクタ40に嵌合接続されるハウジング本体32と、嵌合方向Ybに視て互いに相反する方向へ突出する一対の突出部51(51u,51d)とを備え、突出部51は、ハウジング本体32における、嵌合方向の基端側Yaの端部又はその近傍に、嵌合方向Ybへ指で押し当て可能に備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子と、該端子を収容するコネクタハウジングとを備え、
前記コネクタハウジングは、相手側コネクタに嵌合接続されるハウジング本体と、
嵌合方向に視て互いに相反する方向へ突出する一対の突出部とを備え、
前記突出部は、前記ハウジング本体における、嵌合方向の基端側の端部又はその近傍に、嵌合方向へ指で押し当て可能に備えた
コネクタ。
【請求項2】
前記突出部よりも嵌合方向の側に、該突出部と前記ハウジング本体とを連結するリブが設けられた
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記突出部よりも前記嵌合方向の側に、前記相手側コネクタに対して嵌合時に係合するロックアームと、該ロックアームを保護するロックアーム保護部が前記ハウジング本体に対して、該突出部の突出方向と同一方向へ突出して設けられ、
前記ロックアーム保護部における前記基端側の端部は、前記突出部に連結された
請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ロックアーム保護部と前記ハウジング本体との間には、前記ロックアームの前記係合を解除するロック解除穴が設けられ、
前記突出部には、前記ロック解除穴と連通する貫通穴が形成された
請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記突出部は、前記貫通穴の周縁も含めて前記ハウジング本体の前記基端側の端部と面一に形成された
請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ハウジング本体の前記基端側の端部は、前記嵌合方向に視て互いに直交する長辺部と短辺部とを有する長方形状に形成され、
前記突出部は、前記長辺部の略全長に亘って形成された
請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のうちいずれかに記載のコネクタと、
複数の前記端子の夫々に接続され、前記ハウジング本体の前記基端側から引き出される複数の電線とを備えた
コネクタ付きワイヤハーネス。
【請求項8】
相手側コネクタに嵌合接続されるハウジング本体と、
嵌合方向に視て互いに相反する方向へ突出するとともに、前記ハウジング本体における、嵌合方向の基端側の端部又はその近傍において、嵌合方向へ指で押し当て可能な一対の突出部とを備えたコネクタから引き出された電線を把持するとともに、前記ハウジング本体を前記相手側コネクタに対して嵌合方向に対向させ、前記電線を挟み込むように配置した2本の指を前記突出部に押し当てて前記コネクタを前記相手側コネクタに押し込んで嵌合する
コネクタの嵌合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は例えば、端子と、該端子を収容するコネクタハウジングとを備えたコネクタ、コネクタ付きワイヤハーネス、及びコネクタの嵌合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にコネクタは、内部に端子を収容する複数のキャビティが設けられ、特許文献1のコネクタのように、相手側コネクタへの嵌合方向の基端側の端面に、キャビティの開口部が略全面に亘って複数配設されている。このようなコネクタが先端に接続されたコネクタ付きワイヤハーネスは、複数本を束ねて構成される各電線の先端に接続された端子がコネクタのキャビティに夫々収容される。
【0003】
すなわち、コネクタの基端側の端面は、複数の電線がキャビティの開口部から嵌合方向の基端側へ延出される。このため、コネクタを相手側コネクタへ嵌合させる嵌合作業の際に、作業者は、コネクタの基端側の端面に対して指先を直接触れることは困難であった。よって、上述した嵌合作業は従来より、コネクタの側面を作業者の2本の指先で摘んで行われることが多かった。
【0004】
しかしその場合、作業者の指による、嵌合方向への押し込み力が適切にコネクタに伝達し難いことから指先に強く力を入れたり、嵌合方向へ押し込む力が嵌合方向に対してずれたりしないように指先の力を微調整したりしながら行う必要があった。このように、コネクタの嵌合作業の際には、作業者の指先に負担が加わるため、コネクタの嵌合作業の効率を向上することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-38570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ハウジング本体の相手側コネクタへの嵌合作業時に作業者の指へ加わる負担を軽減し、コネクタの嵌合作業の効率を向上できるコネクタ、コネクタ付きワイヤハーネス、及びコネクタの嵌合方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、端子と、該端子を収容するコネクタハウジングとを備え、前記コネクタハウジングは、相手側コネクタに嵌合接続されるハウジング本体と、嵌合方向に視て互いに相反する方向へ突出する一対の突出部とを備え、前記突出部は、前記ハウジング本体における、嵌合方向の基端側の端部又はその近傍に、嵌合方向へ指で押し当て可能に備えたコネクタであることを特徴とする。
【0008】
またこの発明は、上述したコネクタと、複数の前記端子の夫々に接続され、前記ハウジング本体の前記基端側から引き出される複数の電線とを備えたコネクタ付きワイヤハーネスであることを特徴とする。
【0009】
またこの発明は、相手側コネクタに嵌合接続されるハウジング本体と、嵌合方向に視て互いに相反する方向へ突出するとともに、前記ハウジング本体における、嵌合方向の基端側の端部又はその近傍において、嵌合方向へ指で押し当て可能な一対の突出部とを備えたコネクタから引き出された電線を把持するとともに、前記ハウジング本体を前記相手側コネクタに対して嵌合方向に対向させ、前記電線を挟み込むように配置した2本の指を前記突出部に押し当てて前記コネクタを前記相手側コネクタに押し込んで嵌合するコネクタの嵌合方法であることを特徴とする。
【0010】
この発明により、作業者の指による嵌合方向に押し込む力を突出部によって受け止めることができるため、指先に強く力を入れてハウジング本体を摘んだり、押し込んだりする必要がなく、指で突出部を嵌合方向へ押すことでハウジング本体を相手側コネクタに嵌合させることができる。
【0011】
さらに、一対の突出部は、相反する方向に突出するため、2本の指の夫々によって各突出部を嵌合方向へ押すことでハウジング本体を嵌合方向に対して傾くことがなく相手側コネクタへ嵌合させることができる。
【0012】
従って、ハウジング本体の相手側コネクタへの嵌合作業時に作業者の指へ加わる負担を軽減できるため、コネクタの相手側コネクタへの嵌合作業効率を向上させることができる。
【0013】
この発明の態様として、前記突出部よりも嵌合方向の側に、該突出部と前記ハウジング本体とを連結するリブを設けてもよい。
【0014】
リブによって突出部を補強(すなわち剛性を高めることが)できるため、指で突出部を押す力を該突出部に対して効率よく作用させることができ、結果として相手側コネクタへの嵌合作業時に作業者の指に加わる負担をより一層軽減できる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記突出部よりも前記嵌合方向の側に、前記相手側コネクタに対して嵌合時に係合するロックアームと、該ロックアームを保護するロックアーム保護部が前記ハウジング本体に対して、該突出部の突出方向と同一方向へ突出して設けられ、前記ロックアーム保護部における前記基端側の端部は、前記突出部に連結されてもよい。
【0016】
この発明により、ロックアーム保護部を、突出部を補強する前記リブとして機能させることができる。
詳しくは、前記突出部よりも前記嵌合方向の側には、ロックアームが設けられているため、前記突出部を補強するためのリブを設けることが物理的、スペース的に困難であるが、ロックアーム保護部を、突出部を補強する前記リブとして機能させることにより、上述したように、相手側コネクタへの嵌合作業時に作業者の指に加わる負担をより一層軽減できる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記ロックアーム保護部と前記ハウジング本体との間には、前記ロックアームの前記係合を解除するロック解除穴が設けられ、
前記突出部には、前記ロック解除穴と連通する貫通穴が形成されてもよい。
【0018】
この発明により、作業者は、該突出部に対して嵌合方向の基端側から貫通穴を通じてロックアームにアクセスできるため、コネクタハウジングに突出部を設けても前記相手側コネクタに対する該ロックアームの係合を容易に解除することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記突出部は、前記貫通穴の周縁も含めて前記ハウジング本体の前記基端側の端部と面一に形成されてもよい。
この発明により、作業者が突出部に前記基端側から押し当てた指を、前記貫通穴の周縁も含めた、突出部の前記基端側の端面全体で受け止めることができる。これにより、作業者は、指を突出部に対してしっかりと押し付けることができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記ハウジング本体の前記基端側の端部は、前記嵌合方向に視て互いに直交する長辺部と短辺部とを有する長方形状に形成され、前記突出部は、前記長辺部の略全長に亘って形成されてもよい。
【0021】
この発明により、突出部を長辺部の略全長に亘って形成することで、短辺部に形成するよりも幅広に形成することができる。よって、突出部は、作業者の指をしっかりと押し当てることができ、また、突出部の突出方向への突出量を抑制できるため、コネクタハウジング全体をコンパクトにできる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、ハウジング本体の相手側コネクタへの嵌合作業時に作業者の指へ加わる負担を軽減し、コネクタの嵌合作業の効率を向上できるコネクタ、コネクタ付きワイヤハーネス、及びコネクタの嵌合方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】メスコネクタとオスコネクタとを嵌合した状態の本実施形態のコネクタ嵌合構造をメスコネクタ側から視た斜視図
図2】メスコネクタとオスコネクタとを分離した状態の本実施形態のコネクタ嵌合構造をメスコネクタ側から視た斜視図
図3図1中のA-A線に沿った要部拡大断面図
図4図2中のB-B線に沿った要部拡大断面図
図5】メスコネクタハウジングの右方、上方、且つ奥行方向の手前側から視た斜視図
図6】メスコネクタハウジングの、奥行方向の手前側から奥側を視た図
図7】(a)はメスコネクタハウジングの右方、上方、且つ奥行方向の奥側から視た斜視図、(b)は同じく左方、下方、且つ奥行方向の奥側から視た斜視図
図8】本実施形態のコネクタ嵌合構造に備えたメスコネクタをオスコネクタに嵌合する際の様子を示す作用説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。なお、図中、矢印Xはコネクタ嵌合構造1の左右方向(幅方向)、矢印Yはコネクタ嵌合構造1の奥行方向、矢印Zはコネクタ嵌合構造1の上下方向(高さ方向)を、夫々示すものとする。さらに、図中、矢印Xaは左方向、矢印Xbは右方向、矢印Yaは奥行方向手前側、矢印Ybは奥行方向奥側、矢印Zaは上方向、矢印Zbは下方向を夫々示すものとする。本実施形態において奥行方向奥側Ybが後述するメスコネクタ30のオスコネクタ40に対する嵌合方向と一致するが、上述した各方向は、以下におけるコネクタ嵌合構造1の説明上の便宜的な方向である。
【0025】
図1図3に示すように、コネクタ嵌合構造1は、メスコネクタ付きワイヤハーネス10aのメスコネクタ30と、オスコネクタ付きワイヤハーネス10bのオスコネクタ40とを嵌合させて構成されている。
【0026】
図1図4に示すように、メスコネクタ付きワイヤハーネス10aは、ワイヤハーネス20aの先端にメスコネクタ30を接続している。オスコネクタ付きワイヤハーネス10bは、ワイヤハーネス20bの先端にオスコネクタ40を接続している。
【0027】
メスコネクタ付きワイヤハーネス10aとオスコネクタ付きワイヤハーネス10bとの夫々のワイヤハーネス20a,20bは共に、複数の被覆電線15を束ねて構成されている。
【0028】
図3図4に示すように、被覆電線15は、導電性材料から成る導体16と、導体16の外周全体を被覆する、絶縁材料から成る絶縁被覆17とを有している。
【0029】
導体16は、銅又は銅合金から成る複数の素線を束ねて銅芯線として形成されたものを採用しているが、一本の素線から形成されたものを採用してもよい。なお、導体16は、目的等に応じ、銅又は銅合金以外の材料で形成してもよく、また、表面のみ導電率の高い導体とすることができる。被覆電線15は、絶縁被覆17の先端から露出する導体16に接続端子(23,24)が接続されている。
【0030】
図3図4に示すように、オスコネクタ40は、オス型の接続端子24(以下、「オス端子24」と称する)と、該オス端子24を保持するコネクタハウジング41を備えている。
【0031】
オスコネクタ40のコネクタハウジング41は、ハウジング本体44とフード部42を備えている。
ハウジング本体44には、オス端子24を収容するためのキャビティ48(端子収容室)が設けられている。
【0032】
フード部42は、ハウジング本体44に対して奥行方向Yの手前側Yaに備えている。フード部42は、メスコネクタ30を内部に嵌合可能に奥行方向Yの手前側Yaに向けて開口する内部空間42sを有する有底四角筒状に形成されている。フード部42の上壁42aには、メスコネクタ30との嵌合時に後述する係合部35と縁部が係合する係合穴43が貫通形成されている。
【0033】
図4に示すように、オス端子24は、メス型の接続端子23(以下、「メス端子23」と称する)と電気的に接続するタブ部24aを備え、該タブ部24aがフード部42の内部空間42sにおいて、該フード部42の奥壁42bから奥行方向Yの手前側Yaへ向けて突出する姿勢でハウジング本体44のキャビティ48に収容(すなわち、コネクタハウジング41に保持)されている。オス端子24は、メス端子23と同じ数で複数備えるとともに、メス端子23の端子配列に対応する端子配列でコネクタハウジング41に保持されている。
【0034】
次にメスコネクタ30について詳しく説明する。
図1図4に示すように、メスコネクタ30は、メス端子23と、該メス端子23を保持するコネクタハウジング31を備えている。
【0035】
メス端子23は、メス型の端子金具であって、導電性を有する金属板を所定の端子展開形状に打ち抜いた後に曲げ加工等により形成される。
図3図4に示すように、メス端子23は、ボックス部25、ワイヤバレル部26及びインシュレーションバレル部27が奥行方向Yの奥側Ybから手前側Yaへ備えられている。
【0036】
ボックス部25はオス端子24のタブ部24aを奥行方向Yの奥側Ybから差し込み可能に角筒状に形成されている。ボックス部25の内部には、上壁部25bから内部へ折り返された弾性接触片25aが配置されている。
オス端子24に備えたタブ部24aがボックス部25の奥行方向Yの奥側Ybから挿入されると、タブ部24aに対して弾性接触片25aが付勢された状態で接触することで、オス端子24とメス端子23とが電気的に接続される。
【0037】
なお、ボックス部25の底壁部25dには、ランス係合穴25cが貫通形成されている。このランス係合穴25cには、コネクタハウジング41に形成された後述のランス33を係合させることができる。
【0038】
ワイヤバレル部26は、被覆電線15の導体16に対して圧着され、インシュレーションバレル部27は、被覆電線15の絶縁被覆17に対して圧着される。これにより、メス端子23は、被覆電線15に電気的に接続されている。
【0039】
図5図7(a)(b)に示すように、メスコネクタ30のコネクタハウジング31は、オスコネクタ40に嵌合接続されるハウジング本体32と、奥行方向Yの手前側Yaから奥側Ybを視て互いに相反する方向へ突出する一対の突出部51(51u,51d)と、ロックアーム34と、ロックアーム保護部37と、リブ53を備え、合成樹脂により互いに一体に成形されている。
【0040】
ハウジング本体32は、略直方体をしたブロック形状に形成され、奥行方向Yの手前側Yaから奥側Ybを視て上下方向Zに対して幅方向Xに長い横長の長方形状に形成されている。図7(b)等に示すように、ハウジング本体32は、幅方向Xに沿った縁辺を長辺部32Lとして形成されるとともに、上下方向Zに沿った縁辺を短辺部32Sとして形成されている。
【0041】
ハウジング本体32は、図5図7(a)(b)に示すように、ハウジング本体32には、メス端子23を収容するためのキャビティ38(端子収容室)が設けられている。キャビティ38は、奥行方向Yの手前側Yaと奥側Ybとの夫々に向けて開口するように貫通形成されている。
【0042】
図2に示すように、ハウジング本体32のキャビティ38には、奥行方向Yの手前側Yaの開口38aから挿入されたメス端子23が収容されている。メスコネクタ30とオスコネクタ40との嵌合時にキャビティ38の奥側Ybの開口38bからオス端子24のタブ部24aが挿入される。
【0043】
キャビティ38の底壁38cには、ランス33が奥行方向Yの奥側Ybに向かって片持ち状に突設されている。このランス33は、前記ランス係合穴25c(図3図4参照)に係合して、キャビティ38に収容されたメス端子23を抜け止めするためのものである。
【0044】
図5図7(a)(b)に示すように、キャビティ38は、ハウジング本体32の幅方向X及び上下方向Zの夫々において所定間隔を隔てて複数配設されている。本実施形態のメスコネクタ30は、キャビティ38が3行×10列の配列で配設されている。なお、本実施形態のメスコネクタ30は、複数のキャビティ38のうち、幅方向Xの両外側のキャビティ38が中央のキャビティ38よりも、挿入するメス端子23のサイズに対応して大きく形成されている。
【0045】
図1図5図7(a)に示すように、ロックアーム34は、ハウジング本体32の上面から片持ち状に突設されている。詳しくは、ロックアーム34は、ハウジング本体32の上面の奥行方向Yの奥側Ybから上方へ立ち上がる基部34aと、基部34aの上端から奥行方向Yの手前側Yaへ延伸する延伸部34bとを備えている。
【0046】
ロックアーム34の延伸部34bの途中部分には係合部35が設けられている。この係合部35は、オスコネクタ40とメスコネクタ30とが嵌合時にオスコネクタ40の前記係合穴43(図3図4参照)の縁部と係合可能に上方へ突出形成されている。延伸部34bの先端部(自由端部)にはロック解除片36が設けられている。このロック解除片36は、作業者が工具等で下方へ押圧することで係合部35ごと下方へ弾性変位可能に形成している。これにより、メスコネクタ30とオスコネクタ40との嵌合時に係合部35と前記係合穴43の縁部との係合(ロック)を解除して両部材30,40を互いに分離することができる。
【0047】
図7(a)に示すように、ロックアーム保護部37は、ハウジング本体32の上面における、奥行方向Yの手前側Yaから上方へ突設されている。ロックアーム保護部37は、奥行方向Yの手前側Yaから奥側Ybを視てロックアーム34のロック解除片36(および後述する貫通穴51s)を取り囲むように門型に形成されている。
【0048】
具体的には、図3図4図7(a)に示すように、ロックアーム保護部37は、ハウジング本体32の上面に対して上方へ離間して配設された上壁部37aと、該上壁部37aを幅方向Xの両側から支持する縦壁部37bとを備えている。門形形状のロックアーム保護部37とコネクタハウジング31の上面との間には、ロック解除片36の下方への変位を許容するロック解除穴37sが設けられている。
【0049】
図1図7(a)(b)に示すように、突出部51(51u,51d)は、ハウジング本体32に対して上方向Zaに鍔状(板状)に突出する上側突出部51uと、下方向Zbに鍔状(板状)に突出する下側突出部51dとを備えている。上側突出部51uと下側突出部51dとは共に、ハウジング本体32における奥行方向Yの手前側Yaの端部に、該手前側Yaから奥側Ybへ指を押し当て可能に備えている。
【0050】
突出部51は、該突出部51に対して奥行方向Yの手前側Yaから奥側Ybへ指を押し付け可能な突出長さを有していれば特に限定しない。但し、上側突出部51uは、大人の例えば、親指の厚みの半分程度の突出長さを、下側突出部51dは同じく人差し指の厚みの半分程度の突出長さを、夫々少なくとも有することが好ましい。
【0051】
本実施形態において上側突出部51uと下側突出部51dとは略同じ突出長さで形成され、何れもハウジング本体32から目安として10mm程度の突出長さで形成されている。具体的に、図6に示すように、上側突出部51uは、上段に配設されたキャビティ38の開口38aの上縁に沿ったラインL38uに対して10mm程度の長さで上方向Zaへ突出形成されている。下側突出部51dは、下段に配設されたキャビティ38の開口38aの下縁に沿ったラインL38dに対して10mm程度の長さで下方向Zbへ突出長さで形成されている。
【0052】
図5図7(a)(b)に示すように、突出部51は、ハウジング本体32の長辺部32Lに沿って幅広に形成されている。具体的に、上側突出部51uと下側突出部51dとは共に、ハウジング本体32の幅方向Xの略全長に亘って形成されている。
【0053】
ここで、図3図5図7(a)に示すように、上述したロックアーム保護部37は、ハウジング本体32における、上側突出部51uに対して、奥行方向Yの奥側Yb近傍に設けられている。上側突出部51uは、ロックアーム保護部37の上壁部37aよりも上方へ突出し、ロックアーム保護部37の上壁部37aおよび、幅方向Xの両側の縦壁部37bの各奥行方向Y手前側Yaの端部と一体に連結されている。
【0054】
図3図6に示すように、上側突出部51uには、奥行方向Yに貫通する貫通穴51sが形成されている。この貫通穴51sは、ロック解除穴37sと奥行方向Yに連通する。貫通穴51sは、上側突出部51uの幅方向Xの中央部において、上方向Zaへ突出する上側突出部51uの略下半分に相当する箇所に形成されている。
【0055】
上述したロックアーム保護部37は、図6に示すように、奥行方向Yの手前側Yaから奥側Ybを視て貫通穴51sを取り囲むように貫通穴51sの周縁52(52a,52b)に沿って設けられている。具体的に、ロックアーム保護部37の上壁部37aは、貫通穴51sの上縁52aに沿って幅方向Xに形成され、ロックアーム保護部37の幅方向Xの両側の縦壁部37bは、貫通穴51sの幅方向Xの両側の縁部52bに沿って上下方向Zに形成されている。
【0056】
ここで、上側突出部51uにおける、貫通穴51sの周縁52(特に、上縁52a)は、他の部位と比して脆弱となり易いが、上側突出部51uは、貫通穴51sの上縁52aも含めた周縁52をロックアーム保護部37によってしっかりと補強できる。
【0057】
従って、メスコネクタ30とオスコネクタ40との嵌合時に作業者が板状の上側突出部51uの貫通穴51sの周縁52を奥行方向Yの奥側Ybへ押しても、上側突出部51uの貫通穴51sの上縁52aを含めた周縁52が撓むことがなく、作業者の指により上側突出部51uを押す力をメスコネクタ30の嵌合力として効率よく伝達することができる。
【0058】
また、図3図5に示すように、ロック解除穴37sに備えたロック解除片36は、貫通穴51sに至るまで延設している。本実施形態において、ロック解除片36は、図3に示すように、上側突出部51uにおける、貫通穴51sへと通じる開口よりも奥行方向Yの手前側Yaへ若干であるもののさらに延出している。これにより、コネクタハウジング31は、上側突出部51uが設けられた構成でありながらも、作業者は、上側突出部51uに対して奥行方向Yの手前側Yaから貫通穴51sを通じてロック解除穴37sに備えたロック解除片36に容易にアクセスすることができる。すなわち、作業者は、ドライバ等の工具、或いは指を用いてロック解除片36を下方へ変位させることで係合部35と係合穴43の縁部との係合(ロック)を容易に解除することができる。
【0059】
図5図6に示すように、上側突出部51uと下側突出部51dは共に、奥行方向Yの手前側Yaの端面51ua,51da全体がハウジング本体32の手前側Yaの端面32aと面一に形成されている。これにより、上側突出部51uと下側突出部51dは、作業者が奥行方向Yの手前側Yaから指を押し付け易く形成されている。
【0060】
特に、上側突出部51uは、貫通穴51sの周縁52も含めて奥行方向Yの手前側Yaの端面51uaがハウジング本体32の手前側Yaの端面32aと面一になるように形成されている。このため、作業者は、貫通穴51sの周縁52についても上側突出部51uの一部として指でしっかりと押すことができる。すなわち、上側突出部51uは、貫通穴51sの上縁についても上側突出部51uの一部として活用できるため、上方への突出量を極力抑えることができる。
【0061】
さらに、図7(a)に示すように、上側突出部51uは、奥行方向Yの奥側Ybへの押し付け力に対してロックアーム保護部37によって奥行方向Yの奥側Ybからしっかりと支持されるため、図5図6に示すように、貫通穴51sを設けても強度を確保することができる。
【0062】
図7(b)に示すように、リブ53は、ハウジング本体32の下側突出部51dよりも奥行方向Yの奥側Ybにおいて、該下側突出部51dとハウジング本体32の下面とを連結するように設けられている。リブ53は、下側突出部51dとハウジング本体32の下面とのコーナー部において、ハウジング本体32の幅方向Xに所定間隔を隔てて複数(当例では3つ)が配設されている。これらリブ53は、互いに同一形状に形成され、何れもハウジング本体32の下面から下側突出部51dの下端に至るまで奥行方向Yの手前側Ya程徐々に下方へ突出し、側面視で直角三角形状に形成されている。
【0063】
なお、リブ53は、上述した形状、数で形成することに限定せず、例えば図示省略するが、突出部51の外周縁に沿って奥行方向Yの奥側Ybへ突き出すフランジ状のリブを形成してもよい。
【0064】
続いて作業者がオスコネクタ40に対してメスコネクタ30を嵌合する手順の一例について説明する。
まず、作業者は、ワイヤハーネス20aの先端側を把持し、その状態でメスコネクタ30のハウジング本体32の奥行方向Yの手前側Yaの端部に設けられた、キャビティ38の開口38aから引き出された被覆電線15を人指し指と親指との2本の指で挟み込む(摘まむ)。さらに、その状態で作業者は、ハウジング本体32の奥行方向Yの奥側Ybの端面を、オスコネクタ40のフード部42の開口に対向させる。これにより、ハウジング本体32をオスコネクタ40に対して嵌合方向に対向させることができる。
【0065】
さらに、作業者は、被覆電線15を摘まむ2本の指を突出部51に対して、奥行方向Yの手前側Yaから押し当ててメスコネクタ30をオスコネクタ40に押し込む。具体的に、図8に示すように、作業者は、人指し指と親指との2本の指で被覆電線15を挟み込んだ状態で上側突出部51uには親指の先端を、下側突出部51dには人差し指の中節の背側を、夫々押し当てながらメスコネクタ30を奥行方向Yの奥側Ybへ向けて押し込む。以上により、メスコネクタ30をオスコネクタ40に嵌合することができる。
【0066】
上述した本実施形態のメスコネクタ30、メスコネクタ付きワイヤハーネス10a、及びメスコネクタ30の嵌合方法は、以下の作用効果を奏することができる。
本実施形態のメスコネクタ30のコネクタハウジング31は、図1図4に示すように、オスコネクタ40に嵌合接続されるハウジング本体32と、奥行方向Yの手前側Yaから奥側Ybを視て互いに相反する方向へ突出する一対の突出部51(51u,51d)とを備え、図1図7(a)(b)に示すように、突出部51は、ハウジング本体32における、奥行方向Yの手前側Yaの端部に、奥行方向Yの奥側Ybへ指で押し当て可能に備えたため、作業者が指で嵌合方向に押し込む力を受け止めることができる。よって、指で押し込む力を、突出部51を介してハウジング本体32に容易に伝達できるとともに、奥行方向Yの奥側Ybに対してずれる(分散する)ことがなく該奥側Ybへ集中させることができる。
【0067】
さらに、一対の突出部51は、相反する方向へ突出するため、2本の指の夫々によって各突出部51を前記奥側Ybへ押すことでハウジング本体32が前記奥側Ybに対して不用意に傾くことがなくオスコネクタ40へ適切に押し込むことができる。
【0068】
すなわち、ハウジング本体の幅方向Xの両側の側面を2本の指先で摘んで行われていた従来の嵌合作業のように、作業者が指先に力を強く入れたり、ハウジング本体32が奥行方向Yに対してずれないようにハウジング本体32の姿勢を指先で微調整したりしながら嵌合作業を行う必要がなく、ハウジング本体32をオスコネクタ40へ容易に嵌合させることができる。
【0069】
従って嵌合作業時に、作業者の指に加わる負荷が所定以下となるエルゴノミクス要件を満足できる、すなわち指への負担を軽減できるため、工場等において作業者が多数の嵌合作業を行う場合においても筋肉疲労や腱鞘炎が起こる懸念を低減させることができる。
【0070】
さらに、例えば、メスコネクタ(メス端子)のサイズおよび極数が増大すればする程、ハウジング本体をオスコネクタに嵌合する際に要求される嵌合力は高まるが、上述したように、嵌合する際における指への負担を軽減できるため、より高い嵌合力が要求される嵌合作業が可能となる。すなわち、エルゴノミクス要件を緩和することができる。
【0071】
従って、互いにサイズおよび極数がより増大したメスコネクタ30とオスコネクタ40との嵌合作業が可能となるため、車両等に複数のコネクタ30,40を搭載する場合に、搭載するメスコネクタ30,40の数を従来よりも低減できるため、コネクタ30,40同士の嵌合作業の効率化を図ることができる。
【0072】
さらに、嵌合する際に要求される嵌合力を低減させるべく従来のように例えば、テコの原理を利用してオスコネクタに挿入する嵌合レバー式メスコネクタや、所定の数のキャビティごとに複数に分割されたメスコネクタを個別にオスコネクタに挿入する分割型メスコネクタを使用する必要がないため、コストおよび質量を低減させることができる。
【0073】
本実施形態のメスコネクタ30は、上述した効果に加えて以下の作用効果を奏することができる。
図7(b)等に示すように、本実施形態のメスコネクタ30は、下側突出部51dよりも奥行方向Yの奥側Ybに、該下側突出部51dとハウジング本体32とを連結するリブ53が設けられたため、リブ53によって下側突出部51dを補強できるため、指で下側突出部51dを押す力を該下側突出部51dに対して効率よく作用させることができ、結果としてオスコネクタ40への嵌合作業時に作業者の指に加わる負担をより一層軽減できる。
【0074】
図3図4図7(a)等に示すように、本実施形態のメスコネクタ30は、上側突出部51uよりも奥行方向Yの奥側Ybに、オスコネクタ40に対して嵌合時に係合するロックアーム34と、該ロックアーム34を保護するロックアーム保護部37が、ハウジング本体32に対して、該上側突出部51uの突出方向と同一方向、すなわち上方向Zaへ突出して設けられ、ロックアーム保護部37における前記手前側Yaの端部は、上側突出部51uに連結されている。
【0075】
これにより、上側突出部51uよりも奥行方向Yの奥側Ybには、ロックアーム34が設けられているため、上側突出部51uを補強するためのリブを別途、設けることが物理的に困難であるが、ロックアーム保護部37を上側突出部51uの補強用のリブとして機能させることができる。
【0076】
従って、指で上側突出部51uを押す力を該上側突出部51uに対して効率よく作用させることができ、結果としてオスコネクタ40への嵌合作業時に作業者の指に加わる負担をより一層軽減できる。
【0077】
図3図4図7(a)等に示すように、本実施形態のメスコネクタ30は、ロックアーム保護部37とハウジング本体32との間に、ロックアーム34の係合を解除するロック解除穴37sが設けられ、図1図5等に示すように、上側突出部51uには、ロック解除穴37sと連通する貫通穴51sが形成されたため、該上側突出部51uに対して奥行方向Yの手前側Yaから貫通穴51sを通じてロックアーム34にアクセスできる。従って、作業者は、上側突出部51uを設けてもオスコネクタ40に対するロックアーム34の係合を容易に解除することができる。
【0078】
図3図6等に示すように、本実施形態のメスコネクタ30は、上側突出部51uが、貫通穴51sの周縁52も含めてハウジング本体32の前記手前側Yaの端面32aと面一に形成されたため、作業者が上側突出部51uに手前側Yaから押し当てた指を上側突出部51uの手前側Yaの端面51ua全体で受け止めることができる。これにより、作業者は、指で上側突出部51uをしっかりと押し込むことができる。
【0079】
図6図7(a)(b)に示すように、本実施形態のメスコネクタ30は、ハウジング本体32の前記手前側Yaの端部が、奥行方向Yの手前側Yaから奥側Ybを視て互いに直交する長辺部32Lと短辺部32Sとを有する略長方形状に形成され、上側突出部51uと下側突出部51dは共に、長辺部32Lの略全長に亘って形成されたため、短辺部32Sの側に形成するよりも幅広に形成できる。すなわち、上側突出部51uはハウジング本体32の上縁に沿って、下側突出部51dはハウジング本体32の下縁に沿って幅広に形成できる。よって、突出部51は、指をしっかりと押し当てることができ、また、突出方向への突出量を抑制できるため、メスコネクタ30全体をコンパクトにできる。
【0080】
また、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
例えば、本発明の突出部は、該突出部に対して作業者が指で奥行方向Yの奥側Ybへ押し付け可能であれば、形状について特に限定しない。例えば、上側突出部51uと下側突出部51dとは共に、突出方向の長さや幅方向Xの長さが同じになるように形成するに限らず、異なる形状となるように形成してもよく、また板状に限らず、例えばブロック状に形成してもよい。
【0081】
また、本発明の突出部は、奥行方向Yに対して交差する方向に突出するのであれば、直交する方向に突出するに限らず、直交する方向に対して傾斜する方向へ突出してもよい。
【0082】
さらにまた、本発明の突出部は、奥行方向Yの手前側Yaから奥側Ybを視て互いに相反する方向へ突出するのであれば、上下各側に突出するに限らず、例えば、幅方向Xの各側に突出するように形成してもよい。
【0083】
その他にも、本発明の突出部は、既存(汎用品)のコネクタハウジングに後付け可能に形成するなどハウジング本体32に対して別体で形成してもよい。また、 本発明の突出部は、メスコネクタ30の側に設けるに限らず、メスコネクタ30とオスコネクタ40とのうち、少なくとも一方に設けてもよい。
さらにまた、本発明の突出部は、メスコネクタ30をオスコネクタ40に嵌合する際に、上述したように、作業者の指を押し当てるに限らず、治具や工具等を押し当ててもよい。
【0084】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、コネクタ付きワイヤハーネス電線は、メスコネクタ付きワイヤハーネス10aに対応し、以下同様に
端子は、メス端子23に対応し、
コネクタは、メスコネクタ30に対応し、
リブは、リブ53又はロックアーム保護部37に対応し、
相手側コネクタは、オスコネクタ40に対応し、
電線は、被覆電線15に対応し、
ハウジング本体における、嵌合方向の基端側の端部は、ハウジング本体32における、嵌合方向の基端側の端部に対応し、
嵌合方向、又は嵌合方向の側は、奥行方向Yの奥側Ybに対応し、
嵌合方向に視ては、「奥行方向Yの手前側Yaから奥側Ybを視て」に対応し、
相反する方向は、上下方向Zに対応する。
【符号の説明】
【0085】
10a…メスコネクタ付きワイヤハーネス
15…被覆電線
23…メス端子
30…メスコネクタ
31…メスコネクタハウジング
32…ハウジング本体
32L…ハウジング本体の長辺部
32S…ハウジング本体の短辺部
34…ロックアーム
37…ロックアーム保護部
37s…ロック解除穴
40…オスコネクタ
51(51u,51d)…一対の突出部
53…リブ
51s…貫通穴
52…貫通穴の周縁
Y…奥行方向
Yb…奥行方向の奥側
Z…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8