(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067734
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ポカヨケ装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/18 20060101AFI20240510BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20240510BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G05B19/18 W
G01B11/00 H
B23Q17/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178042
(22)【出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 彰
(72)【発明者】
【氏名】福田 満
(72)【発明者】
【氏名】安西 博忠
(72)【発明者】
【氏名】エラン イェルハム
(72)【発明者】
【氏名】ユヴァル イェルハム
(72)【発明者】
【氏名】デビッド ブニモビッチ
【テーマコード(参考)】
2F065
3C029
3C269
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA20
2F065BB27
2F065FF01
2F065FF42
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065JJ26
2F065QQ39
3C029EE06
3C269AB26
3C269AB33
3C269BB03
3C269BB07
3C269CC09
3C269JJ18
3C269JJ20
3C269MN16
3C269MN46
3C269PP02
(57)【要約】
【課題】対象物が所望の状態で適切に位置しているか否かを作業者等が容易に把握できるようにする。
【解決手段】製造工程に設けられるポカヨケ装置1は、識別可能な複数のマークが設けられた対象物を撮像する撮像装置30と、撮像装置30が撮像した少なくとも一つの撮像画像から、各マークの座標位置を含む状態データを求める画像処理部445と、画像処理部445によって求められ、各マークの基準位置を含む基準データを記憶している記憶部42と、記憶部42に記憶されている基準データと、画像処理部445が求めた現在の状態データとを比較し、複数のマークの少なくとも一部に関する比較結果を出力する比較処理部446を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造工程に設けられるポカヨケ装置であって、
識別可能な複数のマークが設けられた対象物を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した少なくとも一つの撮像画像から、各マークの座標位置を含む状態データを求める画像処理部と、
前記画像処理部によって求められ、各マークの基準位置を含む基準データを記憶している記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記基準データと、前記画像処理部が求めた現在の前記状態データとを比較し、前記複数のマークの少なくとも一部に関する比較結果を出力する比較処理部と、
を備える、ポカヨケ装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記対象物が載置される載置面に設けられた複数の基準データを撮像して設定された基準座標系を記憶し、
前記画像処理部は、前記基準座標系での各マークの座標位置を含む状態データを求める、
請求項1に記載のポカヨケ装置。
【請求項3】
前記対象物は、主面に複数の第1マークが設けられたベース部を含み、
前記画像処理部は、前記第1マークを含む前記撮像画像から、前記第1マークの前記状態データを求める、
請求項1に記載のポカヨケ装置。
【請求項4】
前記対象物は、前記ベース部に対して移動可能に設けられ、複数の第2マークが設けられた可動部を含み、
前記画像処理部は、前記第2マークを含む前記撮像画像から、前記第2マークの前記状態データを求める、
請求項2に記載のポカヨケ装置。
【請求項5】
前記画像処理部は、マーク間の距離と、複数のマークが所定方向と成す角度との少なくともいずれか一方を更に含む前記状態データを求める、
請求項2に記載のポカヨケ装置。
【請求項6】
前記撮像部は、測定装置の載置面上に載置された前記対象物を撮像し、
前記比較処理部は、前記基準データと前記状態データを比較し、前記対象物の前記載置面上での載置状態を報知部に報知させる、
請求項1に記載のポカヨケ装置。
【請求項7】
前記比較処理部は、前記状態データが示す座標位置の前記基準データが示す基準位置に対する乖離度合いが所定値を超えるか否かを判定して、前記報知部としての表示部に判定結果を表示させる、
請求項6に記載のポカヨケ装置。
【請求項8】
前記比較処理部は、前記対象物が前記載置面上の所定位置に所定態様で位置していることを示す第1報知、又は前記対象物が前記所定態様では位置していないことを示す第2報知を報知させる、
請求項6に記載のポカヨケ装置。
【請求項9】
前記撮像部は、待機位置にセットされた複数の前記対象物の中の一の対象物が、搬送装置によって移動されて前記測定装置の前記載置面上に載置された際に、前記一の対象物の前記マークを撮像する、
請求項6に記載のポカヨケ装置。
【請求項10】
プロセッサに、
識別可能な複数のマークが設けられた対象物を撮像部に撮像させるステップと、
前記撮像部が撮像した少なくとも一つの撮像画像から、各マークの座標位置を含む状態データを求めるステップと、
記憶部に記憶された各マークの基準位置を含む基準データと、求めた現在の前記状態データとを比較し、前記複数のマークの少なくとも一部に関する比較結果を出力するステップと、
を実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポカヨケ装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造工程において、ワーク(対象物)を測定装置で測定する際には、ロボットアームによってワークを測定装置の所定位置に搬送して、プローブ等によって当該ワークの測定を行う。ワークは、予めベース部にクランプによって固定されており、ロボットアームがベース部を支持してワークを搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、作業者が、工程中のワークの状態やワークを固定する固定治具の状態を目視で確認している。このため、ワークや固定治具の状態が所望状態からずれていても、作業者が見落としてしまうおそれがあり、この場合には、ワークの測定や加工等が適切に行われない。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、対象物が所望の状態で適切に位置しているか否かを作業者等が容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、製造工程に設けられるポカヨケ装置であって、識別可能な複数のマークが設けられた対象物を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した少なくとも一つの撮像画像から、各マークの座標位置を含む状態データを求める画像処理部と、前記画像処理部によって求められ、各マークの基準位置を含む基準データを記憶している記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記基準データと、前記画像処理部が求めた現在の前記状態データとを比較し、前記複数のマークの少なくとも一部に関する比較結果を出力する比較処理部と、を備える、ポカヨケ装置を提供する。
【0007】
また、前記記憶部は、前記対象物が載置される載置面に設けられた複数の基準データを撮像して設定された基準座標系を記憶し、前記画像処理部は、前記基準座標系での各マークの座標位置を含む状態データを求めることとしてもよい。
【0008】
また、前記対象物は、主面に複数の第1マークが設けられたベース部を含み、前記画像処理部は、前記第1マークを含む前記撮像画像から、前記第1マークの前記状態データを求めることとしてもよい。
【0009】
また、前記対象物は、前記ベース部に対して移動可能に設けられ、複数の第2マークが設けられた可動部を含み、前記画像処理部は、前記第2マークを含む前記撮像画像から、前記第2マークの前記状態データを求めることとしてもよい。
【0010】
また、前記画像処理部は、マーク間の距離と、複数のマークが所定方向と成す角度との少なくともいずれか一方を更に含む前記状態データを求めることとしてもよい。
【0011】
また、前記撮像部は、測定装置の載置面上に載置された前記対象物を撮像し、前記比較処理部は、前記基準データと前記状態データを比較し、前記対象物の前記載置面上での載置状態を報知部に報知させることとしてもよい。
【0012】
また、前記比較処理部は、前記状態データが示す座標位置の前記基準データが示す基準位置に対する乖離度合いが所定値を超えるか否かを判定して、前記報知部としての表示部に判定結果を表示させることとしてもよい。
【0013】
また、前記比較処理部は、前記対象物が前記載置面上の所定位置に所定態様で位置していることを示す第1報知、又は前記対象物が前記所定態様では位置していないことを示す第2報知を報知させることとしてもよい。
【0014】
また、前記撮像部は、待機位置にセットされた複数の前記対象物の中の一の対象物が、搬送装置によって移動されて前記測定装置の前記載置面上に載置された際に、前記一の対象物の前記マークを撮像することとしてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様においては、プロセッサに、識別可能な複数のマークが設けられた対象物を撮像部に撮像させるステップと、前記撮像部が撮像した少なくとも一つの撮像画像から、各マークの座標位置を含む状態データを求めるステップと、記憶部に記憶された各マークの基準位置を含む基準データと、求めた現在の前記状態データとを比較し、前記複数のマークの少なくとも一部に関する比較結果を出力するステップと、を実行させるための、プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、対象物が所望の状態で適切に位置しているか否かを作業者等が容易に把握できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ポカヨケシステムSの構成を説明するための模式図である。
【
図2】載置面11に対するワーク100の載置状態を示す模式図である。
【
図3】制御装置40の構成を説明するためのブロック図である。
【
図4】第1マーク及び第2マークを説明するための模式図である。
【
図6】ワーク100が固定されたベースプレート110が支持軸18に適切に支持されていない状態を示す模式図である。
【
図7】クランプ120がワーク100をベースプレート110に固定していない状態を示す模式図である。
【
図9】点灯部64による点灯例を説明するための模式図である。
【
図10】ワーク100の測定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<ポカヨケシステムの概要>
本実施形態に係るポカヨケシステムの構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、ポカヨケシステムSの構成を説明するための模式図である。ポカヨケシステムSは、製造工程での作業ミス等を防止するためのシステムである。本実施形態では、ポカヨケシステムSがワークを測定する測定工程に適用されているが、これに限定されず、例えば、ワークを加工する加工工程に適用されてもよい。ポカヨケシステムSは、測定装置10と、ストッカー20と、ロボットアーム25と、撮像装置30と、制御装置40を有する。ポカヨケシステムSは、ここでは、ストッカー20にセットされたワーク100を、測定装置10に搬送して測定する。
【0020】
測定装置10は、ワーク100の座標を測定する座標測定装置である。ワーク100の座標を測定することで、ワーク100の寸法や形状を測定可能である。測定装置10は、載置面11と、移動機構13と、検出部15を有する。
【0021】
載置面11は、定盤の上面であり、測定対象のワーク100が載置される。移動機構13は、検出部15を移動させる機構であり、コラム13a、ビーム13b及びスピンドル13cを有する。コラム13aは、載置面11上に立設しており、ビーム13bを支持している。ビーム13bは、コラム13aと直交するように梁状の部材であり、コラム13aに対して移動可能である。スピンドル13cは、角柱状の部材であり、ビーム13bに対して移動可能に連結されている。
【0022】
検出部15は、スピンドル13cの先端に設けられており、ワーク100の三次元座標を検出する。検出部15は、ここでは、ワーク100の表面に接触する接触式プローブを有するが、これに限定されない。例えば、検出部15は、ワーク100の表面にレーザ光を照射して距離を検出する非接触プローブであってもよい。
【0023】
図2は、載置面11に対するワーク100の載置状態を示す模式図である。ワーク100は、予めベース部であるベースプレート110にクランプ120によって固定されている。クランプ120は、可動部であるレバー124を可動して固定部122でワーク100をベースプレート110に固定させる。このため、ベースプレート110に固定された状態のワーク100が載置面11に載置される。本実施形態では、ベースプレート110及びクランプ120が、ワークを固定する固定治具として機能する。
載置面11には、固定プレート17が固定されている。固定プレート17には、複数の支持軸18a、18bが固定プレート17の上面から突出するように設けられている。支持軸18a、18bは、ベースプレート110を支持可能である。このため、ベースプレート110に固定されたワーク100は、支持軸18a、18bに支持されることで、載置面11の所定位置に載置されることになる。
【0024】
ストッカー20は、測定装置10で測定されるワーク100を待機させる台である。ストッカー20の上面21には、複数のワーク100がストッカー20の長手方向において所定間隔で配置されている。ストッカー20は、測定装置10の載置面11から離れた位置に設けられている。ワーク100は、ベースプレート110に固定された状態で、ストッカー20上に位置している。
【0025】
ロボットアーム25は、測定装置10とストッカー20の間に配置されており、測定装置10の載置面11とストッカー20の間でワーク100を搬送させる機能を有する。ロボットアーム25は、多関節ロボットであり、例えば先端部26でベースプレート110を下から持ち上げた状態で、ワーク100を移動させることが可能である。具体的には、ロボットアーム25は、ワーク100のベースプレート110が支持軸18a、18bに載置されるようにワーク100を移動させる。ロボットアーム25は、ストッカー20にセットされた一のワーク100を載置面11上に搬送して、載置面11の所定位置に載置させる。また、ロボットアーム25は、測定装置10による測定が完了したワーク100を、ストッカー20にセットされていた元の位置に戻すように搬送する。
【0026】
撮像装置30は、載置面11に載置された対象物(ここでは、ベースプレート110にクランプ120で固定されたワーク100)を、ベースプレート110と共に撮像する。撮像装置30は、例えば測定装置10の移動機構13に設けられている。撮像装置30は、測定装置10がワーク100に対する座標測定を行う前に、ベースプレート110に固定されたワーク100の載置面11での載置状態を撮像する。なお、
図2では、撮像装置30がワーク100の真上からワーク100を撮像するように示されているが、これに限定されず、例えば、撮像装置30は斜め上方からワーク100を撮像してもよい。また、
図2では、撮像装置30が一つのみ示されているが、対象物が大きい場合や複雑な形状の場合は、複数の撮像装置30で対象物を分割して撮像するようにしてもよい。
【0027】
制御装置40は、ポカヨケシステムSの動作を制御する。本実施形態では、制御装置40は、ロボットアーム25を動作させて、載置面11とストッカー20の間でワーク100を移動させる。また、制御装置40は、測定装置10の移動機構13によって検出部15を移動させて、ワーク100の三次元座標を測定させる。
【0028】
制御装置40は、詳細は後述するが、ベースプレート110に支持されたワーク100の載置面11での載置状態を撮像して報知部に報知させる。これにより、ワーク100が載置面11の所定位置に適切に載置されたか否かを作業者等が容易に把握できる。
【0029】
<制御装置の構成>
図3は、制御装置40の構成を説明するためのブロック図である。本実施形態では、制御装置40、撮像装置30及び報知部60が、製造工程に設けられるポカヨケ装置1に該当する。制御装置40は、測定装置10やロボットアーム25の動作を制御するPLC(Programmable Logic Controller)の機能を有する。また、制御装置40は、PLC以外の機能として、ベースプレート110に支持されたワーク100の載置面11での載置状態を撮像した撮像画像の画像処理後に所定状態と比較して、比較結果を報知部に報知させるポカヨケ機能を有する。なお、制御装置40は、PLCとして機能する第1装置と、ポカヨケ機能とを行う第2装置(例えば、コンピュータ)とに分離されてもよい。また、この第2装置は、例えば測定装置10のコンピュータと共用されてもよい。制御装置40は、記憶部42と、制御部44を有する。
【0030】
記憶部42は、コンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)、作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含む一般的なコンピュータであり、その記憶部42として、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納する、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を利用可能である。
【0031】
制御部44は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサである。制御部44は、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することによって、測定制御部442、搬送制御部443、撮像制御部444、画像処理部445及び比較処理部446として機能する。
【0032】
測定制御部442は、測定装置10によるワーク100の測定を制御する。具体的には、測定制御部442は、測定装置10の移動機構13によって検出部15を移動させて、載置面11上のワーク100の三次元座標を測定させる。
【0033】
搬送制御部443は、ロボットアーム25によるワーク100の搬送を制御する。搬送制御部443は、例えば作業者がストッカー20の上のワーク100のうち測定対象のワーク100を選択すると、当該ワーク100を載置面11上に移動させる。また、搬送制御部443は、ワーク100の三次元座標の測定が完了すると、ワーク100をストッカー20の基の位置に戻す。
【0034】
撮像制御部444は、載置面11に載置されたワーク100を撮像装置30に撮像させて撮像画像を生成する。撮像制御部444は、ストッカー20の待機位置にセットされた複数のワーク100の中の一のワーク100が、ロボットアーム25によって搬送されて、測定装置10の載置面11上に載置された際に、撮像装置30にワーク100を撮像させる。撮像制御部444は、生成した撮像画像を画像処理部445に出力する。
【0035】
撮像制御部444は、ワーク100だけでなく、ベースプレート110及びクランプ120を撮像させる。すなわち、本実施形態では、撮像装置30が撮像する対象物は、ベースプレート110及びクランプ120も含む。撮像制御部444は、対象物が載置面11上に載置された際に、対象物の複数の位置に設けられた互いに識別可能な複数のマークを、少なくとも一つの撮像装置30に撮像させて撮像画像を生成させる。具体的には、撮像制御部444は、ベースプレート110に設けられた複数の第1マークと、可動部であるクランプ120に設けられた複数の第2マークとを、撮像装置30に撮像させる。
【0036】
第1マーク及び第2マークは、マークが張り付いた箇所の3次元座標を検出可能なマークである。第1マーク及び第2マークは、マークの中心を原点とした3次元座標を検出可能なマークである。具体的には、第1マーク及び第2マークは、専用の画像処理アルゴリズムを適用することで、マーク単体でマーク中心を原点としつつマークの向きに沿ってXYZ軸を定めた3次元座標系を構築可能なマークである。このような第1マーク及び第2マークを用いる場合には、後述する判定処理を行うことで、ベースプレート110に固定されたワーク100の位置やクランプ120による固定状態が所定の位置から外れていないかどうかを判定することができる。なお、第1マークと第2マークは、ここでは同じ種類のマークであるが、これに限定されず、第1マークと第2マークの大きさ、形及びマークの少なくともいずれか一つの種類が異なってもよい。
【0037】
図4は、第1マーク及び第2マークを説明するための模式図である。
図4では、説明の便宜上、第1マークM1、M2、M3及び第2マークM4、M5を簡略化して示しているが、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の表面には、ユニークに識別可能に図形、模様、記号、文字等が印字されていてもよい。表面に印字された図形等によって、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の向きを特定可能なマークであってもよい。ベースプレート110の上面には、複数の第1マークM1~M3が設けられている。第1マークM1~M3は、ベースプレート110においてワーク100やクランプ120で覆われない位置に貼り付けられている。具体的には、第1マークM1~M3は、ベースプレート110の隅に貼り付けられている。クランプ120には、複数の第2マークM4、M5が設けられている。第2マークM4、M5は、クランプ120のレバー124の上面に貼り付けられている。具体的には、第2マークM4、M5は、レバー124の長手方向の両端部に貼り付けられている。
【0038】
なお、
図4では、2つの第2マークM4、M5が設けられていることとしたが、これに限定されない。例えば、大型のワーク100をベースプレート110に固定するために複数のクランプ120を設けた場合には、複数のクランプ120の各々に複数の第2マークが設けられているので、撮像装置30が撮像する第2マークの数が多くなる。
【0039】
撮像制御部444は、ワーク100が載置面11に載置される前に、固定プレート17に設けられた複数の基準マークを、撮像装置30に撮像させて撮像画像を生成させる。基準マークは、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5と同様に、マークの中心を原点とした3次元座標を検出可能なマークである。具体的には、基準マークは、専用の画像処理アルゴリズムを適用することで、マーク単体でマーク中心を原点としつつマークの向きに沿ってXYZ軸を定めた3次元座標系を構築可能なマークである。基準マークは、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の座標位置を求める際の基準座標系(X軸、Y軸、Z軸)を設定するためのマークである。基準マークN1~N4の種類は、ここでは第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の種類と同じであるが、これに限定されず、大きさ、形及び種類の少なくとも一つが異なるマークを使ってもよい。
【0040】
図5は、基準マークを説明するための模式図である。
図5では、説明の便宜上、基準マークN1、N2、N3、N4を簡略化して示しているが、基準マークN1~N4の表面には、ユニークに識別可能に図形、模様、記号、文字等が印字されていてもよい。表面に印字された図形等によって、基準マークN1~N4の向き及びカメラからの距離を特定可能である。固定プレート17の中央部19に、ユニークに識別可能な複数の基準マークN1~N4が設けられている。基準マークN1~N4は、固定プレート17において支持軸18a、18bよりも中央側に位置している。このため、支持軸18a、18bがベースプレート110を支持していると、基準マークN1~N4は隠れることになる(
図4参照)。
【0041】
画像処理部445は、撮像装置30が生成した撮像画像を画像処理する。画像処理部445は、4つの基準マークN1~N4を撮像した撮像画像から、基準座標系を設定する。例えば、画像処理部445は、4つの基準マークN1~N4の位置を特定し、4つの基準マークN1~N4の中心C(
図5)を原点とする基準座標系(X軸、Y軸、Z軸)を設定する。なお、画像処理部445は、基準マークN1~N4の位置(具体的には、基準マークN1~N4の中心位置)を、例えば撮像装置30において設定された座標系での座標位置から求める。
【0042】
画像処理部445は、設定した基準座標系に関する情報を、記憶部42に記憶させる。このように、記憶部42に基準座標系に関する情報を記憶することで、画像処理部445は、基準座標系を再度設定する必要がない。なお、上記に限定されず、画像処理部445は、測定装置10が測定を開始する度に基準座標系を設定してもよい。
【0043】
また、画像処理部445は、第1マークM1~M3及び舞2マークM4、M5を含む少なくとも一つの撮像画像から、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の座標位置を含む状態データを求める。ここでは、画像処理部445は、基準マークN1~N4に基づいて設定した基準座標系における第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の座標位置を含む状態データを求める。例えば、画像処理部445は、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の各々の中心位置の、基準座標系でのX座標、Y座標、Z座標を求める。
【0044】
画像処理部445は、状態データとして、可動部であるレバー124に設けられた第2マークM4、M5が所定方向と成す角度を求めてもよい。具体的には、画像処理部445は、第2マークM4の中心と第2マークM5の中心とを結んだ仮想線と、基準座標系のX軸方向とが成す角度を求める。また、画像処理部445は、状態データとして、第1マークM1~M3の間の距離(具体的には、第1マークM1と第1マークM2の間の距離、第1マークM2と第1マークM3の間の距離)や、第2マークM4と第2マークM5の間の距離を求めてもよい。
【0045】
ところで、ロボットアーム25がワーク100を載置面11に載置させる際に、
図4に示すような態様でワーク100が載置面11に載置されるとは限らない。例えば、
図5又は
図6に示すような態様で、ワーク100が載置面11上に載置される恐れがある。
【0046】
図6は、ワーク100が固定されたベースプレート110が支持軸18a、18bに適切に支持されていない状態を示す模式図である。ここでは、ロボットアーム25がベースプレート110を支持軸18a、18b上に載置させる際に、一つの支持軸18bがベースプレート110に設けられた穴と嵌合せず、ベースプレート110が斜めに載置された状態となっている。この場合には、ワーク100も斜めに配置された状態となる。
【0047】
図7は、クランプ120がワーク100をベースプレート110に固定していない状態を示す模式図である。ここでは、作業者がクランプ120のレバー124を待機位置から固定位置(
図4に示す位置)へ移動させる操作を忘れたため、レバー124が待機位置に位置していることで固定部122がワーク100に接しておらず、ワーク100がベースプレート110に固定されていない。この場合には、ロボットアーム25がワーク100をベースプレート110と共にストッカー20から載置面11上へ移動する際に、ワーク100のベースプレート110に対する位置がずれるおそれがある。また、測定装置10の検出部15がワーク100の表面に接触することで、ベースプレート110上のワーク100が移動するおそれがある。
【0048】
ワーク100が
図6又は
図7に示す態様で載置される場合には、
図4に示す態様で載置された場合とは異なり、測定装置10がワーク100の座標を高精度に測定できない。そこで、本実施形態では、ワーク100が載置面11に載置された際の第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5を撮像して、基準位置との乖離度合いによってワーク100が正常な位置に載置されているか否かを判定し、判定結果を報知する。これにより、作業者は、ワーク100が載置面11上に正常に載置された状態で測定を行っているかを容易に把握できる。制御装置40は、上記の判定及び報知を行うために、比較処理部446を有する。
【0049】
比較処理部446は、撮像装置30が撮像した現在の第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の状態データと、予め求めた第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の基準データとを比較する。第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の状態データは、画像処理部445が撮像画像から求めたデータである。一方で、基準データは、ワーク100が載置面11の所定位置に位置する際の第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の基準位置を含むデータである。基準位置は、例えば、ワーク100が
図4に示すような所定位置に載置している際の各マークの座標位置を意味する。基準データは、記憶部42に予め記憶されている。比較処理部446は、例えば、画像処理部445が求めた現在の各マークの座標位置と、記憶部42に記憶された各マークの基準位置とを比較する。
【0050】
比較処理部446は、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の状態データと基準データの比較結果を出力する。例えば、比較処理部446は、比較結果を報知する報知部60に出力する。報知部60として、表示部62及び点灯部64が設けられている。
【0051】
比較処理部446は、各マークの状態データが示す座標位置の、基準データが示す基準位置に対する乖離度合いが所定値を超えるか否かを判定して、表示部62に判定結果を表示させる。例えば、比較処理部446は、撮像装置30が撮像している現在のワーク100が載置面11に正常に載置されている場合には、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の座標位置(X軸、Y軸、Z軸の座標位置)が、基準位置(ワーク100が
図4に示すような所定位置に載置している際の各マークの座標位置)とほぼ同じ位置に位置し、基準位置に対してほとんど乖離しない。このため、比較処理部446は、各マークの現在の座標位置の基準位置からの乖離度合い(位置のずれ量)が所定値(一例として、5mm)以下であると判定し、判定結果を表示部62に表示させる。
【0052】
一方で、比較処理部446は、
図5又は
図6に示すようにワーク100が載置面11に正常に載置されていない場合には、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の座標位置(X軸、Y軸、Z軸の座標位置)が、基準位置(ワーク100が
図4に示すような所定位置に載置している際の各マークの座標位置)から離れて位置し、基準位置に対して大きく乖離する。このため、比較処理部446は、各マークの現在の座標位置からの乖離度合いが所定値を超えると判定し、判定結果を表示部62に表示させる。上記のように判定結果を表示部62に表示させることで、ワーク100が載置面11上に正常に載置されたか否かを容易に判別できる。
【0053】
また、比較処理部446は、現在の第2マークM4、M5が基準座標系のX軸方向と成す角度(以下、現在角度とも呼ぶ)と、予め求めた第2マークM4、M5の基準角度(
図4に示すようにワーク100が所定位置に載置している際に第2マークM4、M5がX軸方向と成す角度)と比較してもよい。なお、現在角度及び基準角度は、第2マークM4の中心と第2マークM5の中心とを結ぶ仮想線とX軸方向とが成す角度である。比較処理部446は、クランプ120が固定位置(
図4)に位置して、現在角度の大きさと基準角度の大きさの差がほとんど無い場合には、現在角度の基準角度に対する乖離度合いが所定値(一例として±5°)以下であると判定し、判定結果を表示部62に表示させる。一方で、比較処理部446は、クランプ120が待機位置(
図7)に位置して、現在角度の大きさと基準角度の大きさの差が大きい場合には、現在角度の基準角度に対する乖離度合いが所定値を超えると判定し、判定結果を表示部62に表示させる。上記のように判定結果を表示させることで、クランプ120が固定位置に操作されてワーク100が適切に固定されているか否かを容易に判別できる。
【0054】
なお、上記では、現在角度及び基準角度が、第2マークM4、M5を結ぶ仮想線と基準座標系のX軸方向との成す角度であることとしたが、これに限定されない。例えば、X軸方向は、第1マークM1~M3で構築される座標系のX軸方向であってもよい。
【0055】
図8は、表示部62での表示例を示す模式図である。表示部62は、作業者が見やすい位置に配置されており、例えば測定装置10の横に配置されている。表示部62は、撮像装置30が撮像した撮像画像を表示する。また、表示部62は、ワーク100の載置面11への載置状態を示す情報を表示する。表示部62は、画像表示領域63aと、座標表示領域63bを含む。
【0056】
画像表示領域63aは、撮像装置30が撮像した撮像画像を表示する領域である。画像表示領域63aには、載置面11に載置されているワーク100(具体的には、ベースプレート110にクランプ120で固定されているワーク100)が表示されている。作業者は、画像表示領域63aに表示された画像を見ることで、ワーク100が載置されていることを容易に認識できる。また、作業者は、ベースプレート110に設けられた第1マークM1~M3と、クランプ120に設けられた第2マークM4、M5を容易に認識できる。
【0057】
座標表示領域63bは、第1マークM1~M3と第2マークM4、M5の座標を表示する領域である。例えば、第1マークM1の3次元の座標位置が、X1、Y1、Z1で示され、第2マークM4の3次元の座標位置が、X4、Y4、Z4で示されている。また、比較処理部446は、第1マークM1~M3や第2マークM4、M5の位置の基準位置からの乖離度合いが所定値以下であるか否かによって、座標表示領域63bの表示態様を変化させる。ここでは、比較処理部446は、乖離度合いが所定値以下である場合(
図4のように正常に載置された場合)には、座標表示領域63bの領域63c内の文字を緑色で表示し、乖離度合いが所定値よりも大きい場合(
図5又は
図6に示すように正常に載置されていない場合)には、座標表示領域63bの領域63c内の文字を赤色で表示する。これにより、作業者は、座標表示領域63bの領域63c内の表示色を見ることで、ワーク100が正常に載置されているか否かを瞬時に判別できる。
【0058】
なお、座標表示領域63bには、第2マークM4、M5のX軸方向と成す角度が、表示されてもよい。これにより、作業者は、第2マークM4、M5が設けられたレバー124が、固定位置(
図4に示す位置)に位置するか否かを確認できる。すなわち、作業者は、ワーク100がクランプ120によってベースプレート110に適切に固定されているかを確認できる。
【0059】
比較処理部446は、ワーク100が載置面11の所定位置に所定態様で位置していることを示す第1報知、又はワーク100が所定態様では位置していないことを示す第2報知を報知させる。具体的には、比較処理部446は、測定後のワーク100がストッカー20に戻った際に、点灯部64に第1報知を示す点灯又は、第2報知を示す点灯を行わせる。
【0060】
図9は、点灯部64による点灯例を説明するための模式図である。なお、ストッカー20の上面21にはワーク100がセットされているが、
図9では説明の便宜上、ワーク100が省略されている。点灯部64は、ワーク100毎に設けられている。点灯部64は、第1報知を行う第1点灯部64aと、第2報知を行う第2点灯部64bを含む。第1点灯部64a及び第2点灯部64bは、作業者が確認しやすいように、ストッカー20の側面22に配置されている。側面22には、押下可能なセットボタン65が設けられており、セットボタン65が押下されたワーク100が、測定のためにロボットアーム25によって載置面11上に移動される。
【0061】
第1点灯部64aは、例えば
図4に示すようにワーク100が所定位置に所定態様で位置している場合に、点灯を行う。第2点灯部64bは、例えば
図5又は
図6に示すようにワーク100が所定態様では位置していない場合に、点灯を行う。比較処理部446は、測定が完了したワーク100をロボットアーム25がストッカー20に戻した際に、第1点灯部64aによる点灯、又は第2点灯部64bによる点灯を行わせる。上記のように第1点灯部64a又は第2点灯部64bが点灯されていることで、作業者は、ワーク100が適切に測定されたか否かを容易に判断できる。
【0062】
なお、上記では、点灯部64が第1点灯部64aと第2点灯部64bを有することとしたが、これに限定されず、比較処理部446は、一つの点灯部によって第1報知と第2報知を行ってもよい。例えば、比較処理部446は、第1報知を報知する際の点灯の色と、第2報知を報知する際の点灯の色とを異ならせる。
【0063】
<ワークの測定処理の流れ>
図10は、ワーク100の測定処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示す処理は、制御装置40が、記憶部42に記憶されたプログラムを読みだして実行することで、実現される。なお、上記プログラムは、外部サーバ等からダウンロードされてもよい。
【0064】
図10のフローチャートは、ストッカー20にワーク100を載せた後に、作業者がセットボタン65を押下したことを制御装置40が検出したところから開始される(ステップS102)。
【0065】
次に、制御装置40の搬送制御部443は、ロボットアーム25を制御して、セットボタン65が押下されたワーク100をストッカー20から載置面11上の所定位置へ移動させる(ステップS104)。具体的には、ロボットアーム25は、クランプ120によってワーク100が固定されたベースプレート110を、載置面11上へ移動させる。
【0066】
次に、撮像制御部444は、ベースプレート110に固定されたワーク100が載置面11へ載置されると、撮像装置30に第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5を撮像させる(ステップS106)。すなわち、撮像装置30は、ベースプレート110に設けられた第1マークM1~M3と、クランプ120に設けられた第2マークM4、M5を撮像して撮像画像を生成する。
【0067】
次に、画像処理部445は、生成した撮像画像から、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の座標位置を含む状態データを求める(ステップS108)。例えば、画像処理部445は、基準座標系における第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の3次元の座標位置を求める。基準座標系は、予め撮像装置30が撮像した基準マークN1~N4に基づいて設定された座標軸であり、記憶部42に記憶されている。
【0068】
次に、比較処理部446は、求めた第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の座標位置と、記憶部42に記憶された第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の基準位置とを比較する(ステップS110)。例えば、比較処理部446は、求めた第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の座標位置の基準位置に対する乖離度合いを求める。
【0069】
次に、比較処理部446は、ステップS110での比較結果を報知部60に報知させる(ステップS112)。例えば、報知部60である表示部62は、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5の位置が適切か否かを表示する。具体的には、表示部62は、ワーク100が正常に載置されている場合の画面の表示色と、正常に載置されていない場合の画面の表示色とを異ならせる。作業者は、表示部62に表示された画面を見て、ワーク100が正常に載置された否かを容易に理解できる。
【0070】
次に、測定制御部442は、測定装置10を制御して、載置面11に載置されたワーク100を測定させる(ステップS114)。具体的には、測定制御部442は、ワーク100が載置面11に正常に載置されている場合に、測定装置10の検出部15にワーク100の表面を接触させながらワーク100の座標を測定する。なお、測定制御部442は、ワーク100が載置面11に正常に載置されていない場合には、ワーク100の座標を測定させない。
【0071】
次に、搬送制御部443は、ロボットアーム25を制御して、載置面11に載置されていたワーク100をストッカー20に戻す(ステップS116)。具体的には、ロボットアーム25は、ステップS104で搬送する前の位置にワーク100を戻す。ワーク100がストッカー20に戻った後に、比較処理部446は、点灯部64を点灯させる。例えば、ワーク100が載置面11に正常に載置されていた場合には、第1点灯部64aが第1点灯を行い、ワーク100が載置面11に正常に載置されていなかった場合には、第2点灯部64bが第2点灯を行う。これにより、作業者は、第1点灯又は第2点灯を見ることで、ワーク100の測定が適切に行われたか否かを容易に確認できる。
【0072】
<本実施形態における効果>
上述した実施形態のポカヨケ装置1は、識別可能な複数の第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5が設けられた対象物(ベースプレート110にクランプ120で固定されたワーク100)を撮像装置30に撮像させ、撮像装置30が撮像した撮像画像から各マークの座標位置を含む状態データを求める。そして、ポカヨケ装置1は、求めた各マークの現在の状態データと、記憶部42に記憶された各マークの基準位置を含む基準データとを比較し、第1マークM1~M3及び第2マークM4、M5に関する比較結果を報知部60に出力する。
これにより、作業者は、報知部60に出力される比較結果を確認することで、ワーク100が載置面11上の所定位置に適切に載置されて測定されたか否かを作業者等が容易に把握できる。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0074】
1 ポカヨケ装置
10 測定装置
11 載置面
25 ロボットアーム
30 撮像装置
42 記憶部
60 報知部
62 表示部
64 点灯部
100 ワーク
110 ベースプレート
120 クランプ
124 レバー
445 画像処理部
446 比較処理部
M1、M2、M3 第1マーク
M4、M5 第2マーク
N1、N2、N3、N4 基準マーク