(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068574
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】商品評価装置及び商品評価方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240513BHJP
G06Q 30/0201 20230101ALI20240513BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240513BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q30/02 300
G06T7/00 660A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179122
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000227009
【氏名又は名称】日清オイリオグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】生稲 淳一
(72)【発明者】
【氏名】本多 数充
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
5L030BB04
5L030BB72
5L049BB04
5L049BB72
5L096AA06
5L096BA02
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA67
5L096FA69
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】顧客の注目度合いが高くかつ売れ行きが悪い商品を精度良くピックアップすることができる商品評価装置及び商品評価方法を提供する。
【解決手段】複数の陳列商品Pから問題商品をピックアップする商品管理装置1であって、陳列商品Pを見る顧客Cを撮像する撮像カメラ11と、撮像カメラ11による撮像画像を解析して、顧客Cの各陳列商品Pに対する視線情報を判定する視線情報判定部43と、視線情報判定部43によって判定した顧客Cの各陳列商品Pに対する視線情報と、各陳列商品Pの購買情報と、に基づいて、複数の陳列商品Pから問題商品をピックアップするピックアップ部44と、を備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の陳列商品から問題商品をピックアップする商品評価装置であって、
陳列商品を見る顧客を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像画像を解析して、前記顧客の前記各陳列商品に対する視線情報を判定する視線情報判定部と、
前記視線情報判定部によって判定した前記顧客の前記各陳列商品に対する前記視線情報と、前記各陳列商品の購買情報と、に基づいて、前記複数の陳列商品から問題商品をピックアップするピックアップ部と、を備えたことを特徴とする商品評価装置。
【請求項2】
前記ピックアップ部は、前記顧客毎の前記各陳列商品に対する視線情報と、前記顧客毎の前記各陳列商品の購買情報と、に基づいて、前記顧客毎に、前記複数の陳列商品から問題商品をピックアップすることを特徴とする請求項1に記載の商品評価装置。
【請求項3】
前記ピックアップ部は、前記視線情報における視線指数から前記購買情報における購買指数を除算又は減算した値、あるいは前記購買情報における購買指数から前記視線情報における視線指数を除算又は減算した値が、所定の第1閾値以上である陳列商品を、前記問題商品としてピックアップすることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品評価装置。
【請求項4】
前記ピックアップ部は、前記視線情報における視線指数から前記購買情報における購買指数を除算又は減算した値の大きさ順に前記複数の陳列商品を順位付けし、又は前記購買情報における購買指数から前記視線情報における視線指数を除算又は減算した値の大きさ順に前記複数の陳列商品を順位付けし、順位付けした順位の順番で複数の陳列商品を並べたリストを作成することで、前記リストの上位又は下位に問題商品をピックアップすることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品評価装置。
【請求項5】
前記ピックアップ部は、前記視線情報における視線指数が所定の第2閾値以上である前記陳列商品から、前記購買情報における購買指数が所定の第3閾値未満である前記陳列商品を除外したものを、前記問題商品としてピックアップすることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品評価装置。
【請求項6】
前記顧客が前記陳列商品を注目したときの前記顧客の表情変化の有無を判定する表情変化判定部を、更に備え、
前記ピックアップ部は、前記視線情報判定部によって判定した前記顧客の前記各陳列商品に対する前記視線情報と、前記表情変化判定部によって判定した前記表情変化の有無と、前記各陳列商品の購買情報と、に基づいて、前記複数の陳列商品から問題商品をピックアップすることを特徴とする請求項1に記載の商品評価装置。
【請求項7】
複数の陳列商品から問題商品をピックアップする商品評価方法であって、
陳列商品を見る顧客を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程による撮像画像を解析して、前記顧客の前記各陳列商品に対する視線情報を判定する視線情報判定工程と、
前記視線情報判定工程によって判定した前記顧客の前記各陳列商品に対する前記視線情報と、前記各陳列商品の購買情報と、に基づいて、前記複数の陳列商品から問題商品をピックアップするピックアップ工程と、を実行することを特徴とする商品評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品評価装置及び商品評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
顧客が注目する商品は、売れる可能性がある一方、売れない商品は、商品の価格設定、商品内容、パッケージの変更、商品の棚割り変更などの改良を施すことで、売れる可能性が高まる。顧客が注目する商品でありながら、売れない商品を改良することで、売れる商品となる可能性がより高まる。従来、商品の情報分析を行うデータ処理装置として、各商品の売上情報及び商品陳列情報に基づき、売筋外レリストを作成するものがある(特許文献1参照)。このデータ処理装置は、顧客から、各商品の売上情報及び商品陳列情報を取得し、陳列位置がゴールデンゾーンでありかつ売上げが低い商品を、売筋外レリストに登録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の装置では、商品がゴールデンゾーンに陳列されているか否かによって、顧客の注目度合いを判定するため、顧客が実際に注目しているか不明であり、顧客の注目度合いが高くかつ売れ行きが悪い商品(以下、「問題商品」)を精度良くピックアップすることができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、顧客の注目度合いが高くかつ売れ行きが悪い商品を、精度良くピックアップすることができる商品評価装置及び商品評価方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、複数の陳列商品から問題商品をピックアップする商品評価装置であって、陳列商品を見る顧客を撮像する撮像部と、前記撮像部による撮像画像を解析して、前記顧客の前記各陳列商品に対する視線情報を判定する視線情報判定部と、前記視線情報判定部によって判定した前記顧客の前記各陳列商品に対する前記視線情報と、前記各陳列商品の購買情報と、に基づいて、前記複数の陳列商品から問題商品をピックアップするピックアップ部と、を備えたことを特徴とする商品評価装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、上記目的を達成するため、複数の陳列商品から問題商品をピックアップする商品評価方法であって、陳列商品を見る顧客を撮像する撮像工程と、前記撮像工程による撮像画像を解析して、前記顧客の前記各陳列商品に対する視線情報を判定する視線情報判定工程と、前記視線情報判定工程によって判定した前記顧客の前記各陳列商品に対する前記視線情報と、前記各陳列商品の購買情報と、に基づいて、前記複数の陳列商品から問題商品をピックアップするピックアップ工程と、を実行することを特徴とする商品評価方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る商品評価装置及び商品評価方法は、顧客の注目度合いが高くかつ売れ行きが悪い商品を精度良くピックアップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る商品管理装置の構成例を示した構成図である。
【
図2】視線情報取得動作を示したフローチャートである。
【
図3】問題商品ピックアップ動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る商品評価装置及び商品評価方法を適用した商品管理装置について説明する。この商品管理装置は、いわゆるPOS装置の機能の全部又は一部を包含し、商品の販売管理を行う装置である。特に、本商品管理装置は、顧客の視線情報及び購買情報に基づいて、問題商品をピックアップする機能を備えたものである。なお、本実施形態では、商品管理装置として、スーパーやコンビニ等の店舗に設置されるものを想定している。なお、商品管理装置は、複数の陳列商品から問題商品をピックアップする商品評価装置の一例である。
【0011】
(商品管理装置の構成)
図1に示すように、商品管理装置1は、商品陳列棚10に陳列された陳列商品Pを見る顧客Cを撮像する撮像カメラ11と、撮像カメラ11を接続した商品管理端末12と、を備えている。撮像カメラ11と商品管理端末12との接続は、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。なお、撮像カメラ11は、撮像部の一例である。
【0012】
撮像カメラ11は、例えば、CCDカメラやCMOSカメラ等で構成され、商品陳列棚10に陳列された陳列商品Pを見る顧客Cに対面するように配設されている。そして、撮像カメラ11は、商品陳列棚10側から商品陳列棚10の前方を撮像することで、陳列商品Pを見る顧客Cを撮像する。詳細には、撮像カメラ11は、陳列商品Pを見る顧客Cの視線の情報(以下、視線情報)を取得すべく、陳列商品Pを見る顧客Cの顔を撮像する。撮像カメラ11は、陳列商品Pを見る顧客Cを連続的に撮像し、撮像画像として、顧客Cの映像(動画像)を得る。以下、撮像カメラ11による撮像画像は、この映像を指すものである。なお、撮像カメラ11は、店舗の営業中、撮像し続ける構成であってもよいし、顧客Cが商品陳列棚10の前にいる間のみ、撮像をする構成であってもよい。また、
図1の例では、撮像カメラ11を、商品陳列棚10の上方に設置し、斜め上方向から顧客Cの顔を撮像する構成であるが、一般に商品陳列棚10の大半は、顧客Cの目より下方にあるため、斜め下方向から顧客Cの顔を撮像する構成であってもよい。さらに、顧客Cの視線の判定精度を高めるべく、撮像カメラ11を商品陳列棚10に設置し、顧客Cの顔を正面から撮像することが好ましい。
【0013】
商品管理端末12は、商品コードリーダー13及び決済手段14等が接続されると共に、陳列商品Pの購買処理を実行可能な構成を有している。なお、商品コードリーダー13は、バーコードリーダー、QRコード(登録商標)リーダー、文字列リーダー、RFIDリーダー等であり、商品を特定するコードや商品名、ICタグ等を読み取るものである。また、決済手段14は、クレジットカードリーダー、コードリーダー、RFIDリーダー、スマートフォン等の電子送金、現金決済装置等であり、顧客Cが購入時に決済する入力手段又は支払い手段である。また、商品管理端末12は、各種情報を表示するディスプレイ21と、各種データベースを記憶する記憶部22と、各種制御を行う制御部23と、を備えている。
【0014】
ディスプレイ21は、液晶パネル等で構成されている。本実施形態では、後述のピックアップ部44で作成した問題商品リストを表示するのに用いられる。
【0015】
記憶部22は、例えば、フラッシュROM等で構成されている。また、記憶部22は、問題商品のピックアップに用いられるデータベースとして、商品位置データベース32、購買情報データベース33及び視線情報データベース34を有している。
【0016】
商品位置データベース32は、商品陳列棚10における各陳列商品Pの位置を記憶するデータベースである。商品位置データベース32に記憶された各陳列商品Pの位置は、予め入力する構成であってもよいし、商品陳列棚10を撮像して画像認識で取得する構成であってもよい。各陳列商品Pの位置を画像認識する場合、商品陳列棚10を撮像するカメラを設置する構成であってもよいし、商品管理装置1のユーザー(店舗のスタッフ)が、定期的に商品陳列棚10を撮像する構成であってもよい。
【0017】
購買情報データベース33は、各陳列商品Pの購買情報を記憶するデータベースである。例えば、購買情報データベース33は、各陳列商品Pの購買情報として、各陳列商品Pの購買数と、購入した顧客Cの数と、を記憶する。なお、購買数は、購買指数の一例である。
【0018】
視線情報データベース34は、各陳列商品Pの視線情報を記憶するデータベースである。例えば、視線情報データベース34は、各陳列商品Pの視線情報として、各陳列商品Pの注目回数を記憶する。なお、注目回数は、視線指数の一例である。
【0019】
制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成されている。また、制御部23は、所定のプログラムを実行することで、販売管理部41、視線情報判定部43、ピックアップ部44及び問題商品リスト表示部45として機能する。
【0020】
販売管理部41は、商品コードリーダー13や決済手段14から受け付けた情報に基づき、各顧客Cの陳列商品Pの購買処理を行い、各陳列商品Pの購買数及び/又は購入した顧客Cの数の情報を購買情報データベース33に記憶する。すなわち、各顧客Cの購買処理の都度、購買情報データベース33に記憶された各陳列商品Pの購買数及び/又は購入した顧客Cの数に対し、今回の購買処理で購買された陳列商品Pの購買数及び/又は購入した顧客Cの数を加えて、購買情報データベース33上の各陳列商品Pの購買数及び/又は購入した顧客Cの数を更新する。
【0021】
視線情報判定部43は、撮像カメラ11による撮像画像を解析して、撮像画像に映っている顧客Cの各陳列商品Pに対する視線情報を判定する。例えば、視線情報判定部43は、各陳列商品Pに対する視線情報として、各陳列商品Pに対する注目回数を判定する。すなわち、視線情報判定部43は、撮像画像を解析して、撮像画像に映っている各顧客Cの視線を判定し、商品位置データベース32に記憶された各陳列商品Pの位置と照合して、顧客Cが各陳列商品Pを注目した注目回数を取得する。そして、各陳列商品Pに対する注目回数を視線情報データベース34に記憶する。すなわち、視線情報判定部43で判定する各陳列商品Pに対する注目回数は、顧客C全体の注目回数である。
【0022】
ピックアップ部44は、各陳列商品Pの購買情報と、各陳列商品Pに対する視線情報と、に基づいて、複数の陳列商品Pから問題商品をピックアップして、問題商品リストを作成する。具体的には、各陳列商品Pについて、購買情報データベース33から購買数を抽出すると共に、視線情報データベース34から注目回数を抽出し、抽出した注目回数(視線指数)を、抽出した購買数(購買指数)で除算した除算値を算出する。そして、当該除算値が所定の第1閾値以上である陳列商品Pを、問題商品としてピックアップする。その後、ピックアップした1以上の問題商品から成る問題商品リストを作成する。
【0023】
なお、本実施形態では、各陳列商品Pの注目回数及び購買数をそのまま用いて、除算値を算出する構成であるが、各陳列商品Pの注目回数の偏差値(視線指数)から各陳列商品Pの購買数の偏差値(購買指数)を除算した除算値を算出する構成であってもよい。
【0024】
問題商品リスト表示部45は、ピックアップ部44によって作成された問題商品リストをディスプレイ21に表示する。問題商品リストをディスプレイ21に表示することで、商品管理装置1のユーザー(店舗のスタッフ等)に、問題商品を報知することができる。
【0025】
次に
図2及び
図3を参照して、制御部23による商品評価動作について説明する。商品評価動作は、例えば所定期間(例えば、1カ月間)に行う視線情報取得動作と、所定期間経過後に行う問題商品ピックアップ動作とによって実行する。また、例えば、所定期間(例えば、1カ月)の間、時間帯毎又は曜日毎に視線情報取得動作と問題商品ピックアップ動作を行うことで、時間帯毎あるいは曜日毎の問題商品をピックアップすることができる。なお、商品評価動作は、複数の陳列商品Pから問題商品をピックアップする商品評価方法の一例である。
【0026】
図2に示すように、視線情報取得動作では、まず、制御部23は、撮像カメラ11によって、商品陳列棚10の陳列商品Pを見る顧客Cを撮像する(S1)(撮像工程)。撮像カメラ11による撮像は、店舗の営業時間中、撮像し続ける構成であっても良いし、顧客Cが商品陳列棚10の前にいるときのみ、撮像を行う構成であってもよい。本実施形態では、所定期間(例えば、1カ月間)の間、撮像カメラ11による撮像を行い、所定期間分の撮像画像を取得する。
【0027】
商品陳列棚10の陳列商品Pを見る顧客Cを撮像したら、視線情報判定部43によって、撮像カメラ11による撮像画像を解析して、顧客Cの各陳列商品Pに対する注目回数を判定する(S2)(視線情報判定工程)。すなわち、撮像画像を解析して、撮像画像に映っている各顧客Cの視線を判定し、商品位置データベース32に記憶された各陳列商品Pの位置と照合して、各陳列商品Pを注目した注目回数を取得する。その後、判定した各陳列商品Pに対する注目回数を、視線情報データベース34に記憶する(S3)。
【0028】
問題商品ピックアップ動作は、視線情報取得動作によって取得した所定期間(例えば1カ月分)の視線情報と、当該所定期間の購買情報に基づいて、商品陳列棚10に陳列された複数の陳列商品Pから問題商品をピックアップする動作である。
図3に示すように、問題商品ピックアップ動作では、まず、制御部23は、ピックアップ部44によって、問題商品のピックアップ処理(S11~S14)を行う(ピックアップ工程)。すなわち、購買情報データベース33から各陳列商品Pの購買数を抽出し(S11)、視線情報データベース34から各陳列商品Pの注目回数を抽出する(S12)。その後、各陳列商品Pについて、抽出した注目回数(視線指数)から、抽出した購買数(購買指数)を除算した除算値を算出し(S13)、当該除算値が所定の第1閾値以上である陳列商品Pを、問題商品としてピックアップする(S14)。問題商品をピックアップしたら、ピックアップした1以上の問題商品から成る問題商品リストを作成する(S15)。
【0029】
問題商品リストを作成したら、問題商品リスト表示部45によって、作成した問題商品リストをディスプレイ21に表示する(S16)。これによって、商品管理装置1のユーザーに、問題商品リストを報知する。
【0030】
(実施形態の作用及び効果)
以上、上記実施形態の構成によれば、各陳列商品Pに対する顧客Cの視線情報と、各陳列商品Pの購買情報と、に基づいて、問題商品をピックアップする構成であるため、注目度合いが高くかつ売れ行きが悪い商品を精度良くピックアップすることができる。
【0031】
また、注目度合いが高くかつ売れ行きが悪い商品をピックアップすることができるため、注目度合い及び売れ行きの両方を加味した陳列商品Pの価格変更や内容変更等を行うことができる。
【0032】
(その他の実施形態について)
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記した実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【0033】
例えば、上記実施形態においては、視線情報及び購入情報を収集する所定期間として、1カ月間を例示したが、当該所定期間は、任意に決める期間であってよく、1時間から1年間から選ばれる任意の期間が好ましい。当該所定期間は、問題商品をピックアップする毎に、1時間から1年間の一定期間又は可変期間を所定期間としてもよく、複数の一定期間あるいは可変期間を合計したものを所定期間としてもよい。
【0034】
また、上記実施形態においては、各陳列商品Pに対する視線情報として、各陳列商品Pに対する注目回数を用いる構成であったが、これに限るものではない。例えば、各陳列商品Pに対する視線情報として、各陳列商品Pを注目した注目時間を用いる構成であってもよいし、商品陳列棚10の前に来た各顧客Cが最初にその陳列商品Pを見た回数を用いる構成であってもよい。また、視線情報として、所定時間注目された回数を用いる構成であってもよい。かかる場合、これら注目時間や最初にその陳列商品Pを見た回数、所定時間注目された回数に応じた値を、視線指数として用いる。すなわち、注目時間や最初にその陳列商品Pを見た回数、所定時間注目された回数に応じた値(視線指数)を、購買数(購買指数)で除算した除算値によって、問題商品をピックアップする。
【0035】
また、上記実施形態においては、視線指数から購買指数を除算した除算値に基づいて、問題商品のピックアップを行う構成であったが、購買指数から視線指数を除算した除算値(視線指数から購買指数を除算した除算値の逆数)に基づいて、問題商品のピックアップを行う構成であってもよい。また、視線指数と購買指数の差(例えば、視線指数から購買指数を減算した減算値、又は購買指数から視線指数を減算した減算値)に基づいて、問題商品のピックアップを行う構成であってもよい。視線指数と購買指数の差に基づく場合、視線指数と購買指数の数値範囲がなるべく重なるように(例えば、5割以上、好ましくは8割以上)、購買数や注目回数などに係数をかける、又は、購買数の偏差値や注目回数、注目時間等の偏差値を各指数として用いることが好ましい。
【0036】
また、上記実施形態においては、ピックアップ部44が、視線指数(注目回数等)から購買数を除算した除算値が所定の第1閾値以上である陳列商品Pを、問題商品としてピックアップする構成であったが、これに限るものではない。例えば、ピックアップ部44が、当該除算値の高い順に各陳列商品Pを順位付けし、除算値の順位が所定の順位以上である陳列商品Pを、問題商品としてピックアップする構成であってもよい。
【0037】
また、上記実施形態においては、視線指数から購買指数を除算又は減算した除算値又は減算値(あるいは、購買指数から視線指数を除算又は減算した除算値又は減算値)に基づいて、問題商品をピックアップする構成であったが、当該除算値又は減算値(問題商品の程度)に基づいて、複数の陳列商品Pを順位付けする構成であってもよい。例えば、ピックアップ部44は、視線情報における視線指数から購買情報における購買指数を除算又は減算した値の大きさ順に複数の陳列商品Pを順位付けし、又は購買情報における購買指数から前記視線情報における視線指数を除算又は減算した値の大きさ順に複数の陳列商品Pを順位付けし、順位付けした順位の順番で複数の陳列商品Pを並べたリストを作成し、当該リストをディスプレイ21に表示する。この場合、問題商品は、当該リストの上位又は下位にピックアップされる。すなわち、上記リストを作成することで、当該リストの上位又は下位に問題商品をピックアップする。なお、リストは陳列商品Pの全部又は一部を含む構成であってもよい。
【0038】
また、例えば、ピックアップ部44が、視線指数が所定の第2閾値以上である陳列商品Pから、購買数が所定の第3閾値未満である陳列商品Pを除外したものを、問題商品としてピックアップする構成であってもよい。また、ピックアップ部44が、視線指数の高い順に各陳列商品Pを順位付けすると共に、購入数の高い順で各陳列商品Pを順位付けし、視線指数の順位が所定の順位以上である陳列商品Pから、購買数の順位が所定の順位以上である陳列商品Pを除外したものを、問題商品としてピックアップする構成であってもよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、顧客Cの各陳列商品Pに対する視線情報と、各陳列商品Pの購買情報(購買数)とに基づいて、問題商品をピックアップする構成であったが、商品管理装置1が、顧客Cが陳列商品Pを注目したときの顧客Cの表情変化の有無を判定する表情変化判定部を、更に備え、ピックアップ部44が、視線情報判定部43によって判定した顧客Cの各陳列商品Pに対する視線情報と、表情変化判定部によって判定した表情変化の有無と、各陳列商品Pの購買情報と、に基づいて、複数の陳列商品Pから問題商品をピックアップする構成であってもよい。例えば、各陳列商品Pの視線指数に、表情変化の有無に基づく値を加えた数値と、各陳列商品Pの購買数と、に基づいて、問題商品をピックアップする。
【0040】
上記実施形態においては、顧客C全体の各陳列商品Pに対する視線情報を判定し、顧客C全体の各陳列商品Pに対する視線情報と、顧客C全体の各陳列商品Pの購入情報と、に基づいて、顧客C全体の問題商品をピックアップする構成であったが、これに限るものではない。例えば、撮像画像に映っている各顧客Cを特定して、顧客C毎の各陳列商品Pに対する視線指数(注目回数等)を判定し、各陳列商品Pに対する視線指数が一定数以上の顧客Cの数と、顧客C毎の各陳列商品Pの購買情報と、に基づいて、顧客C全体の問題商品をピックアップする構成であってもよい。また、撮像画像に映っている各顧客Cを特定して、顧客毎の各陳列商品Pに対する視線情報を判定し、顧客C毎の各陳列商品Pに対する視線情報と、顧客C毎の各陳列商品Pの購買情報と、に基づいて、顧客C毎の問題商品をピックアップする構成であってもよい。
【0041】
かかる構成では、記憶部22が、顔情報データベースを更に有する。顔情報データベースは、顔情報データベースは、各顧客Cの顔情報を記憶するデータベースである。例えば、顔情報データベースは、各顧客Cの顔情報として、各顧客Cの顔の特徴量を記憶する。この顔情報データベースは、撮像カメラ11の撮像画像における顧客Cの特定に用いられる。なお、顔情報データベースに記憶された各顧客Cの顔情報は、例えば、店頭カメラ(不図示)の撮像画像から取得する。
【0042】
また、かかる構成では、購買情報データベース33が、顧客C毎の各陳列商品Pの購買情報を記憶し、視線情報データベース34が、顧客C毎の各陳列商品Pの視線情報を記憶する。
【0043】
また、かかる構成では、制御部23が、更に顧客特定部として機能する。顧客特定部は、撮像カメラ11による撮像画像を解析して、当該撮像画像に映っている各顧客Cを特定する。例えば、顧客特定部は、撮像画像に映っている各顧客Cの顔情報(顔の特徴量)と、顔情報データベースに記憶された各顧客Cの顔情報とを照合することで、撮像画像に映っている顧客Cを特定する。なお、経時的に撮像される撮像画像に映っている各顧客Cの輪郭、顔情報(顔の特徴量)等をトレースして、撮像画像に移っている各顧客Cを特定する構成であってもよい。
【0044】
また、かかる構成では、販売管理部41は、各陳列商品Pの購買数(購入情報)を顧客C毎に購買情報データベース33に記憶し、視線情報判定部43は、顧客特定部で特定した顧客C毎に、各陳列商品Pに対する注目回数(視線情報)を視線情報データベース34に記憶する。なお、同一顧客Cが、同日内に複数回、撮像カメラ11で撮像された場合は、当該複数回の注目回数を積算して視線情報データベース34に記憶する構成であってもよいし、視線情報データベース34の注目回数を、最新の回の注目回数で上書きして、最新の回の注目回数のみ視線情報データベース34に記憶する構成であってもよい。
【0045】
また、かかる構成では、ピックアップ部44は、顧客C毎の各陳列商品Pの購買情報と、顧客C毎の各陳列商品Pに対する視線情報と、に基づいて、複数の陳列商品Pから顧客C毎の問題商品をピックアップして、顧客C毎の問題商品リストを作成し、問題商品リスト表示部45は、顧客C毎の問題商品リストを表示する。顧客C毎の問題商品リストを表示することで、商品管理装置1のユーザー(店舗のスタッフ等)に、顧客C毎に問題商品を報知することができる。
【0046】
なお、顧客C毎の購買情報を取得し顧客C毎の視線情報を判定する構成を採用する場合、顧客Cの属性(男女や年齢等)毎に問題商品をピックアップする構成であってもよい。例えば、各陳列商品Pに対する視線指数(注目回数等)及び各陳列商品Pの購買数を、同じ属性の顧客C間で集計し、集計した視線指数及び購買数に基づいて、顧客Cの属性毎の問題商品をピックアップする構成であってもよい。かかる場合、顧客Cの属性毎の問題商品リストを作成し表示することができるので、商品管理装置1のユーザー(店舗のスタッフ等)に、顧客Cの属性毎に問題商品を報知することができる。
【0047】
また、撮像カメラ11による撮像画像から顧客Cを特定する構成を採用する場合、視線情報判定部43が、特定した顧客C毎の、注目回数の多い陳列商品Pを判定する構成であってもよい。また、視線情報判定部43が、陳列商品P毎の、注目回数が多かった顧客C、又は、注目回数が多かった顧客Cの数を判定する構成であってもよい。かかる場合、これらの情報をデータベースに記憶しておくことで、これらの情報を用いて、陳列商品Pをより精度良く解析することができる。
【0048】
また、上記実施形態においては、各陳列商品Pの購買情報として、各陳列商品Pの購買数を用いる構成であったが、各陳列商品Pの購買数に代えて、各陳列商品Pの購買率を用いる構成であってもよい。例えば、同一カテゴリーの陳列商品P全体の購買数に対する各陳列商品Pの購買数の割合を、各陳列商品Pの購買情報として用いる構成であってもよい。
【0049】
また、撮像カメラによって、顧客Cが、陳列商品Pを手に取った撮像画像、又は、顧客Cが、陳列商品Pの清算している撮像画像を撮像し、当該撮像画像を基にカウントした数値を購買情報として用いる構成であってもよい。なお、この撮像カメラは、前述の陳列商品Pを見る顧客Cを撮像する撮像カメラ11とは、別であってもよい。
【0050】
また、上記実施形態においては、所定期間の視線情報及び購買情報を集計し、これに基づいて問題商品をピックアップする構成であったが、視線情報及び購買情報を集計する期間は、異なってもよい。
【0051】
また、上記実施形態においては、商品管理端末12が、記憶部22、顧客特定部、視線情報判定部43、ピックアップ部44及び問題商品リスト表示部45を備える構成であったが、これに限るものではない。すなわち、商品管理端末12とは別の情報端末が、記憶部22、顧客特定部、視線情報判定部43、ピックアップ部44及び問題商品リスト表示部45の一部又は全部を備える構成であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1:商品管理装置、 11:撮像カメラ、 43:視線情報判定部、 44:ピックアップ部、 C:顧客、 P:陳列商品