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特開2024-68613情報付き機能層の形成方法、電子部品の製造方法、および機能層付き電子部品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068613
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】情報付き機能層の形成方法、電子部品の製造方法、および機能層付き電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/00 20060101AFI20240513BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240513BHJP
   H05K 3/10 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
H01L23/00 A
H05K1/02 S
H05K3/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077506
(22)【出願日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】P 2022179118
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】若林 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】藤田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】平塚 弘行
(72)【発明者】
【氏名】竹内 弘司
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】海野 洋敬
【テーマコード(参考)】
5E338
5E343
【Fターム(参考)】
5E338AA20
5E338CC04
5E338CC06
5E338DD32
5E338DD34
5E338DD36
5E338EE22
5E338EE24
5E343AA12
5E343AA23
5E343BB23
5E343BB24
5E343BB25
5E343BB44
5E343DD12
5E343EE02
5E343EE08
5E343EE32
5E343GG20
(57)【要約】
【課題】電子部品や電子モジュール等のさらなる小型化、低背化に寄与する情報付き機能層の形成方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る情報付き機能層の形成方法は、被対象物の表面上に機能層を形成しながら前記機能層に情報を付与する工程を含み、前記機能層は、前記情報を有する情報領域とそれ以外の非情報領域から構成される層であり、前記情報領域と前記非情報領域の間に色差が存在する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被対象物の表面上に機能層を形成しながら前記機能層に情報を付与する工程を含み、
前記機能層は、前記情報を有する情報領域とそれ以外の非情報領域から構成される層であり、
前記情報領域と前記非情報領域の間に色差が存在する、情報付き機能層の形成方法。
【請求項2】
前記情報は、
1)前記情報領域を、前記非情報領域とは厚みの異なる所定形状とすることによって付与されるか、または
2)前記非情報領域とは異なる材料により、もしくは前記非情報領域と同じ材料で異なる形成条件により、前記情報領域を所定のパターン形状とすることによって付与される、
請求項1に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項3】
前記情報は、前記被対象物に関する情報を含む、請求項1または請求項2に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項4】
前記所定形状は、ドットの集合体を含む、請求項2に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項5】
前記機能層の厚み方向から見た前記ドットの最大幅は、0.5mm以下である、請求項4に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項6】
前記情報は、前記被対象物に関する情報に対応する英数字、バーコードおよび2次元コードからなる群から選択される1種以上を含む、請求項1または請求項2に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項7】
前記情報領域は、第1の領域と、前記機能層の厚みが前記第1の領域よりも薄い第2の領域と、を含み、
前記所定形状に含まれる複数のセルのうちの1つのセル内において、前記機能層の上面方向から見た前記第2の領域の面積は、前記機能層の上面方向から見た前記1つのセルの面積の1/4以上である、請求項2に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項8】
前記情報領域における前記機能層の最小厚みは、前記所定形状が形成されていない領域における前記機能層の最小厚みの1/10以下である、請求項2に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項9】
前記非情報領域における前記機能層の厚みは、0.1μm以上30μm以下である、請求項1に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項10】
前記機能層は導電材を用いて形成される、請求項1または請求項2に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項11】
前記パターン形状は、前記非情報領域の導電材と同じ導電材により形成され、前記非情報領域とは異なる焼成条件により形成される、請求項2に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項12】
前記機能層を構成する液体組成物を吐出することによって、前記被対象物上に前記機能層を形成するとともに、前記機能層に前記情報を付与する、請求項1または請求項2に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項13】
前記液体組成物をラインヘッド方式で吐出する、請求項12に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項14】
前記液体組成物は、重合性化合物を含み、
前記被対象物上に形成された前記機能層に活性エネルギー線を照射する工程を含む、請求項12に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項15】
前記情報を取得する工程と、
前記情報に基づき、前記情報領域の形状を決定する工程と、をさらに含む、請求項2に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項16】
前記情報領域を形成する位置を決定する工程をさらに含む、請求項15に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項17】
前記位置は、前記被対象物におけるGNDラインが集結する位置を含む、請求項16に記載の情報付き機能層の形成方法。
【請求項18】
前記被対象物が電子部品であり、請求項1に記載の形成方法により情報付き機能層を形成する工程を有する、電子部品の製造方法。
【請求項19】
表面上に機能層が形成され、
前記機能層は情報領域と非情報領域から構成される層であって、均一な厚みを有し、
前記情報領域は、前記非情報領域とは異なる色差を有するパターン形状により情報が付与されている、機能層付き電子部品。
【請求項20】
前記情報領域と前記非情報領域は、同じ導電材により構成されている、請求項19に記載の機能層付き電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報付き機能層の形成方法、電子部品の製造方法、および機能層付き電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品上に機能層が形成された機能層付き電子部品が知られている。機能層付き電子部品には、半導体部品や、パッケージに覆われた半導体部品である半導体パッケージ部品等がある。この機能層付き電子部品は、例えばPCB(Printed Circuit Board)基板、PWB(Printed Wiring Board)基板等に実装され、高速通信や5G、自動運転等の用途で使用される。
【0003】
また、情報が付与された機能層である情報付き機能層を有する電子部品の製造方法として、回路基板の第1の主面に、電子部品を埋設して設けられた埋設層を備える電子回路モジュールであって、埋設層の外表面には、埋設層の外表面に対して凸状となるマーキングが設けられている電子回路モジュールの製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の、電子回路モジュール等の被対象物上への情報付き機能層の形成方法では、機能層上にマーキング層を形成して情報を付与したり、機能層を削って情報を付与したりする必要があるため、被対象物上の層厚みを必要以上に確保する必要がある。
【0005】
本発明は、電子部品や電子モジュール等のさらなる小型化、低背化に寄与する情報付き機能層の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報付き機能層の形成方法は、被対象物の表面上に機能層を形成しながら前記機能層に情報を付与する工程を含み、前記機能層は、前記情報を有する情報領域とそれ以外の非情報領域から構成される層であり、前記情報領域と前記非情報領域の間に色差が存在する。
【0007】
ここで、「機能層を形成しながら機能層に情報を付与する」とは、情報が付与される領域である情報領域と、情報が付与されない領域である非情報領域の、それぞれの領域を同一工程で形成することで、情報が付与された機能層を得ることをいう。例えば液体吐出により機能層となる材料を吐出して厚みの異なる凹凸形状を積層形成したり、相互に異なる機能層材料を吐出してパターンを形成したりすることで情報領域と非情報領域を同一工程で一度に形成し、情報付き機能層を得る。このように形成された情報領域と非情報領域の間には色差が存在するため、当該情報領域に付与された情報を認識することが可能となる。なお、認識することが可能とは、人の肉眼もしくは読み取り装置などを使用してその色差を認識して情報を読み取れることをいう。一方で、例えば情報が付与されていない機能層を所定厚みで形成した後、その厚みをレーザやエッチング等の別工程で削り当該機能層に情報を付与することは、「機能層を形成しながら機能層に情報を付与する」ことには含まれない。
【0008】
実施形態に係る用語における「情報」は、人間により認識可能であるか、または、機械により認識可能な情報を意味する。「機械により認識可能」は、例えば肉眼では認識が難しい小さなQRコード(登録商標)やマトリックスコードでも認識可能であることを意味する。実施形態に係る用語における「情報」には、図形、文字および数字が含まれる。また実施形態に係る用語における「情報」には、それ自体は意味がある情報ではないQRコード等のコードも含まれる。「情報」は、より具体的には、電子部品の製造業者、電子部品の型番、生産ロット番号といった電子部品に関する情報等を含む。
【0009】
実施形態に係る情報付き機能層は、情報領域と非情報領域とを含む。情報領域が凹凸形状で構成され、情報付き機能層の厚みが均一でない場合には、生産効率が向上する。情報付き機能層の材料は、同一が好ましい。情報領域と非情報領域は、凹凸により生じる色差が存在する。情報領域がパターン形状で構成され、情報付き機能層の厚みが均一である場合には、パターン自体の色が非情報領域の色と異なる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電子部品や電子モジュール等のさらなる小型化、低背化に寄与する情報付き機能層の形成方法を提供することができる。実施形態では、機能層と同じ層に情報を付与するため、情報が付与されることで機能層付き電子部品が厚くなることを回避できる。また、削り代確保のために電子部品が厚くなることを回避でき、かつ削りカスに起因する機能層付き電子部品の歩留まり低下を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る機能層付き電子部品の製造装置の全体構成の一例を示す図である。
図2図1の製造装置における制御部のハードウェア構成例を示す図である。
図3図1の製造装置における制御部の機能構成例を示す図である。
図4】第1実施形態に係る情報付き機能層の形成方法例のフロー図である。
図5】実施形態に係る製造方法により製造された機能層付き電子部品の一例を示す模式的上面図である。
図6図5における領域VIの第1例を示す拡大上面図である。
図7図5における領域VIの第2例を示す拡大上面図である。
図8図5における領域VIの第3例を示す拡大上面図である。
図9図5におけるIX-IX線の第1例を示す断面図である。
図10図5におけるIX-IX線の第2例を示す断面図である。
図11図5におけるIX-IX線の第3例を示す断面図である。
図12】機能層に付与された情報を示すドットの第1例を示す上面図である。
図13】機能層に付与された情報を示すドットの第2例を示す上面図である。
図14】機能層に付与された2次元コードの第1例を示す上面図である。
図15図14における領域XVの拡大上面図である。
図16】機能層に付与された2次元コードの第2例を示す上面図である。
図17図16における領域XVIIの拡大上面図である。
図18】機能層に付与された2次元コードの第3例を示す上面図である。
図19図18における領域XIXの拡大上面図である。
図20】実施形態に係る製造方法により製造された機能層付き電子部品の一例を示す上面図である。
図21】第2実施形態に係る機能層付き電子部品の製造装置の全体構成例を示す図である。
図22】第2実施形態に係る情報付き機能層の形成方法例のフロー図である。
図23】第3実施形態に係る機能層付き電子部品の上面図である。
図24図23におけるXXIV-XXIV線の断面図である。
図25】第3実施形態に係る電子部品への機能層の形成工程の一例を示す第1図である。
図26】第3実施形態に係る電子部品への機能層の形成工程の一例を示す第2図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について詳細に説明する。各図面において、同一構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0013】
各図面において、方向表現として、X軸、Y軸およびZ軸を有する直交座標を用いる。X軸、Y軸およびZ軸は、互いに略直交する。Z方向は、実施形態に係る電子部品に形成される機能層の厚み方向を示すものとする。Z正方向側を上、Z負方向を下と表記する。但し、これらの方向表現は、実施形態の方向を限定するものではない。
【0014】
実施形態に係る機能層には、電子部品の表面に形成され、防水、防湿、放熱、防錆、防ガス、静電気対策、EMI(Electromagnetic Interference)対策の電磁波をシールド、すなわち遮断する機能等を有するものが挙げられる。また電磁波をシールドする機能を有する層(以下、電磁波シールド層という)には、電子部品から発生される電磁波、および電子部品に外部から入射される電磁波の少なくとも一方をシールドする機能を有するもの等が挙げられる。但し、実施形態に係る機能層は、上記機能以外の機能を有してもよい。
【0015】
実施形態に係る機能層は、絶縁材料、または導電材料等を含んで構成される。絶縁材料により構成されるシールド層は、主に防水、防湿、放熱、防錆、防ガス、静電気対策等の用途で使用される。電磁波シールド層は、主に導電材料により構成される。電磁波シールド層の場合には、導電材料の腐食や硫化、酸化を低減するために、電磁波シールド層上に絶縁材料による保護層がさらに形成される場合もある。絶縁材料には、様々な樹脂材料を使用できる。導電材料には、Au、Ag、CuまたはNiからなるナノ粒子や錯体インクを含む液体金属材料等を使用できる。但し、実施形態に係る機能層を構成する材料は、絶縁材料または導電材料に限定されず、用途に応じて適宜選択可能である。
【0016】
実施形態における電子部品には、半導体部品、またはパッケージに覆われた半導体部品である半導体パッケージ部品、半導体モジュール等が挙げられる。本明細書における電子部品には、株式会社リコー製の半導体部品、半導体パッケージ部品等を使用できる。電子部品は、被対象物の一例である。なお、被対象物とは、機能層が形成される対象となる物をいう。
【0017】
実施形態に係る機能層付き電子部品には、表面に機能層が形成された半導体部品、半導体パッケージ部品、半導体モジュールや、シールド缶等が挙げられる。
【0018】
実施形態に係る情報付き機能層の製造方法は、電子部品の表面上に機能層を形成しながらこの機能層に情報を付与する工程を含む。情報付き機能層は、情報を有する情報領域とそれ以外の非情報領域から構成される層である。
【0019】
[第1実施形態]
本実施形態では、情報領域を所定形状とすることによって、機能層に情報を付与する。
<機能層付き電子部品10の製造装置100の全体構成例>
図1は、第1実施形態に係る機能層付き電子部品10の製造装置100の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、製造装置100は、収納部1と、搬送部2と、読取部3と、制御部4と、洗浄部5と、第1形成部6と、第1照射部7と、加熱部8と、検査部9と、を有する。
【0021】
製造装置100は、機能層を形成する前の電子部品10Aを収納部1から取り出し、搬送部2により搬送方向50に搬送する。製造装置100は、読取部3により、搬送される電子部品10Aを読み取る。製造装置100は、制御部4により、読取部3による読取結果Imに基づいて外部装置から取得される電子部品10Aに関する情報Eiに基づき、電子部品10A上に形成する所定形状、および該所定形状を形成する機能層上の位置を決定する。その後、製造装置100は、洗浄部5により電子部品10Aの表面を洗浄した後、第1形成部6から機能層を構成する液体組成物を吐出して、電子部品10Aの表面に機能層を形成するとともに、制御部4により決定された所定形状を形成する。これにより、該機能層に電子部品10Aに関する情報Eiに対応する情報を付与する。その後、製造装置100は、第1照射部7により、電子部品10A上に形成された機能層に熱や各種波長のレーザ光、レーザ光以外の紫外光を照射して、該機能層を硬化させた後、加熱部8により硬化後の機能層を加熱することで乾燥させる。これらの結果、機能層付き電子部品10が得られる。その後、製造装置100は、検査部9により機能層付き電子部品10の外観、電子特性等を検査する。
【0022】
図1における電子部品10Aと機能層付き電子部品10の表示は、電子部品10Aが搬送方向50に搬送され、その後、電子部品10A上に機能層が形成され、機能層が加熱された後、機能層付き電子部品10が得られる様子を表している。
【0023】
収納部1は、電子部品10Aを複数個並べたトレイを収納する。電子部品10Aは、機能層を形成する対象となる電子部品である。
【0024】
搬送部2は、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ等により構成され、ベルト上またはローラ上等に載置されたトレイを搬送方向50に搬送する。搬送部2は、トレイに収納された電子部品10Aを搬送方向50に搬送できる。
【0025】
読取部3は、電子部品10Aを読み取る。読取部3は、レンズと撮像素子とを含むカメラまたはラインセンサ等により構成される。例えば読取部3は、電子部品10Aの画像を撮像することにより、電子部品10Aを読み取ることができる。
【0026】
読取部3により読み取られる情報は、製造業者名、部品番号、ロット番号、位置決めに関する情報、電子部品10Aのサイズに関する情報等である。読取部3は、電子部品10Aの画像を画像処理することにより、電子部品10Aの表面に文字、記号等として印字されているこれらの情報を読み取ってよい。読取部3は、読取結果Imを制御部4に送信する。
【0027】
制御部4は、製造装置100全体の動作を制御する。制御部4は、有線ケーブル、無線、LAN(Local Area Network)、インターネット等を介して外部装置と通信可能に接続している。
【0028】
制御部4は、読取部3からの読取結果Imに基づき、外部装置から電子部品10Aに関する情報Eiを取得する。電子部品10Aに関する情報Eiは、電子部品10Aの製造業者が提供している電子部品10Aの仕様情報等である。電子部品10Aの仕様情報は回路図等を含む。制御部4は、外部装置から取得した電子部品10Aに関する情報Eiに基づき、電子部品10Aに形成する所定形状、および機能層上で該所定形状を形成する位置を決定してよい。制御部4は、決定結果に基づき、第1形成部6および第1照射部7等の動作を制御する。
【0029】
例えば、制御部4は、外部装置から電子部品10Aに関する情報Eiを取得した後、読取部3による読取結果Imに対して二値化画像処理を行う。制御部4は、電子部品10Aに関する情報Eiに含まれる半導体素子の回路図に基づき、電子部品10AにおけるGNDラインが集結する位置を分析し、電子部品10Aにおける多くのGNDラインが集結する位置と半導体素子のサイズに合わせて描画作像処理を行う。ここで、描画作像処理とは、後述する第1形成部6により電子部品10A上に機能層を形成するために用いる描画作像データを生成する処理をいう。制御部4は、描画作像処理において、半導体素子部品の上面のどの位置に電子部品10Aに関する情報Eiに対応する所定形状を形成するかを決定する。制御部4は、機能層における所定形状を形成する位置と半導体素子のサイズに合わせて、機能層に所定形状を形成する領域のサイズを決定する。
【0030】
洗浄部5は、搬送部2により搬送される電子部品10Aを洗浄する。洗浄部5による洗浄方法には、エアーブロー洗浄、純水洗浄、溶剤洗浄、赤外線照射洗浄、熱照射洗浄、紫外光照射洗浄、大気圧プラズマ洗浄、ドライ洗浄、紫外光オゾン洗浄、バフ研磨、ブラスト洗浄等の様々なものを適用できる。電子部品10Aの仕様、電子部品10Aに形成する機能層の仕様等に応じて適正な洗浄方法を適宜選択できる。洗浄部5は、洗浄後に電子部品10Aの表面を乾燥させる。
【0031】
例えば、情報付き機能層の形成方法において、機能層形成前の電子部品の表面に製造業者名、部品番号、生産ロット、品種、位置決め等を示す文字、記号等の電子部品に関する情報を印字すると、電子部品の表面に印字されている情報が機能層により覆われる。この結果、電子部品の表面に印字された情報を機能層の外側から認識できず、PWB基板等に機能層付き電子部品を実装する際に該機能層付き電子部品の位置決めができなくなったり、機能層付き電子部品の追跡情報を取得できなくなったりする場合がある。一方、機能層を形成後に、別工程において、電子部品に関する情報を機能層付き電子部品に外部から認識可能に付与すると、製造工程数が増えるため、製造時間が長くなったり、装置数の増加に伴って製造コストが高くなったりして、製造効率が低下する場合がある。
【0032】
本実施形態では、第1形成部6は、電子部品10Aの表面上に機能層を形成しながら、機能層に情報Eiを付与する。第1形成部6は、機能層を所定形状に形成することによって該機能層に電子部品に関する情報Eiを付与する。情報が付与された情報付き機能層は、情報Eiを有する所定形状を含む情報領域と、それ以外の非情報領域から構成される層である。情報領域と非情報領域の間に色差が存在する。これらにより、電子部品10A上に機能層を形成した後であっても、機能層の外側から電子部品に関する情報Eiが認識可能になる。電子部品に関する情報Eiを認識可能にすることで、PWB基板等に機能層付き電子部品を実装する際に、該機能層付き電子部品の位置決め、機能層付き電子部品の追跡情報の取得等が可能になる。また、機能層の形成と、該機能層への電子部品に関する情報Eiの付与と、を同一行程で行うため、製造工程数および製造工数、製造コストのそれぞれが増大することを低減できる。これらの結果、本実施形態では、製造効率に優れた情報付き機能層の形成方法を提供することができる。また、本実施形態では、情報領域と非情報領域を同じ層内に形成するため、電子部品や電子モジュール等のさらなる小型化、低背化に寄与する情報付き機能層の形成方法を提供することができる。
【0033】
本実施形態では、第1形成部6は、機能層を構成する液体組成物を吐出することによって、電子部品10A上に機能層を形成するとともに、機能層に情報を付与してよい。好ましくは液体組成物を吐出し、その吐出量や積層回数を変化させることで所定の立体形状を有する機能層を形成する。これにより、機能層を様々な形状に形成できるため、機能層に様々な情報を様々な形態で付与できる。特に液体吐出にインクジェットを用いた場合には、細かく鮮明に情報を付与することができる。また、均一厚みで形成した機能層を削ることで所定形状を形成する場合と比較して生産効率を高くし、機能層形成材料の無駄を省くこともできる。
【0034】
本実施形態では、第1形成部6は、液体組成物の一例として絶縁材料を吐出する。この絶縁材料には、太陽インキ製造株式会社製のIJSR4000等を使用できる。但し、第1形成部6による機能層の形成方法は、液体組成物を吐出するものに限定されず、スプレー、ディスペンサー、ダイコータや引き上げ塗工を用いた方法が適用されてよい。また、機能層に付与する情報は、電子部品に関する情報Eiに限定されず、製造工程、製造現場等に関する情報であってよい。
【0035】
本実施形態では、第1形成部6は、ラインヘッド方式で液体組成物を吐出してよい。ラインヘッド方式とは、搬送方向50と略直交する方向において、トレイに載置された1以上の電子部品10Aの全体の幅と同等の長さを有する第1形成部6から液体組成物を吐出する方式をいう。ラインヘッド方式を用いることで、1以上の電子部品10A上の広い面積に一度に液体を付与でき、高速化を図ることができる。但し、第1形成部6は、ラインヘッド方式に限定されず、シリアルヘッド方式等により液体組成物を吐出してよい。
【0036】
本実施形態では、第1形成部6が機能層に付与する情報は、電子部品に関する情報に対応する英数字、バーコードおよび2次元コードからなる群から選択される1種以上を含んでよい。これにより、電子部品に関する情報Eiを読み取りやすいデジタル情報として管理できる。
【0037】
本実施形態では、第1形成部6は、重合性化合物を含む液体組成物を吐出してよい。重合性化合物を含む液体組成物を吐出することで、次述する第1照射部7からの活性エネルギー線の照射により液体組成物を硬化させることができる。但し、第1形成部6は、重合性化合物以外の液体組成物を吐出してもよいし、紫外光以外の活性エネルギー線硬化型の液体組成物を吐出してもよい。
【0038】
第1照射部7は、第1形成部6により電子部品10A上に形成された機能層に活性エネルギー線としての紫外光を照射する。第1照射部7による紫外光の照射により、機能層を構成する液体組成物が硬化し、機能層が硬化する。本実施形態では、第1形成部6が吐出する液体組成物が重合性化合物を含み、電子部品10A上に形成された機能層に紫外光を照射する工程を含むことで、機能層の硬化にかかる時間を短縮し、機能層付き電子部品10の製造時間を短縮することができる。但し、紫外光を照射だけでなく、熱による照射でもよい。
【0039】
加熱部8は、電子部品10A上の機能層が硬化された機能層付き電子部品10を加熱する。この加熱により、機能層付き電子部品10における機能層が硬化および乾燥し、定着する。
【0040】
検査部9は、機能層が定着後の機能層付き電子部品10の外観、電気特性等を検査する。例えば検査部9は、機能層付き電子部品10をカメラにより撮影した画像を画像処理することにより、機能層付き電子部品10の外観における欠陥を検査できる。あるいは検査部9は、テスター機能を有する電気回路等により通電検査することにより、機能層付き電子部品10の電気特性を検査できる。
【0041】
<制御部4の構成例>
(ハードウェア構成例)
図2は、制御部4のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。制御部4は、コンピュータによって構築されている。制御部4は、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、を有する。また制御部4は、HDD/SSD(Hard Disk Drive/Solid State Drive)404と、機器接続I/F(Interface)405と、通信I/F406と、を有する。これらは、システムバスSを介して相互に通信可能に接続している。
【0042】
CPU401は、各種の演算処理を含む制御処理を実行する。ROM402は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。HDD/SSD404は、プログラム等の各種情報等を記憶する。機器接続I/F405は、制御部4を各種の機器と接続するためのインターフェースである。通信I/F406は、通信ネットワーク等を介して、外部PC(Personal Computer)等の外部装置との間で通信するためのインターフェースである。
【0043】
(機能構成例)
図3は、制御部4の機能構成の一例を示すブロック図である。制御部4は、取得部41と、決定部42と、自己検査部43と、形成制御部44と、洗浄制御部45と、照射制御部46と、加熱制御部47と、判定部48と、出力部49と、を有する。
【0044】
決定部42、自己検査部43、形成制御部44、洗浄制御部45、照射制御部46、加熱制御部47および判定部48の各機能は、図2のCPU401等のプロセッサがROM402等の不揮発性メモリに格納されたプログラムに規定された処理を実行すること等により実現される。取得部41および出力部49の各機能は、図2の機器接続I/F405および通信I/F406等により実現される。
【0045】
取得部41は、読取部3との通信を制御することにより、読取部3から読取結果Imを取得する。また、取得部41は、外部装置との通信を制御することにより、読取結果Imに基づき、外部装置から電子部品10Aに関する情報Eiを取得する。また、取得部41は、検査部9との通信を制御することにより、検査部9から機能層付き電子部品10の検査情報Teを取得する。取得部41は、取得した電子部品10Aに関する情報Eiを決定部42に出力し、読取結果Imを自己検査部43に出力し、検査情報Teを自己検査部43に出力する。
【0046】
決定部42は、読取結果Imに基づいて、外部装置から取得部41を介して取得される電子部品10Aに関する情報Eiに基づき、電子部品10A上に形成する機能層の所定形状、および該所定形状を形成する機能層上の位置を決定する。決定部42は、決定結果としての画像データDeを自己検査部43に出力する。
【0047】
自己検査部43は、決定部42により決定された画像データDeにおける欠陥を検出することで、画像データDeが合格であるか否かを自己検査する。例えば、自己検査部43は、第1形成部6が機能層に付与する情報が電子部品10Aに関する情報Eiに対応するQRコード等の2次元コードを含む場合に、該2次元コードに欠陥を検出する。自己検査部43は、欠陥が検出されない場合には、画像データDeを合格品として形成制御部44に出力する。一方、欠陥がある場合には、自己検査部43は、不合格品である画像データDeを形成制御部44に出力せず、出力部49を介して欠陥に関する情報を表示装置等の外部装置に出力する。
【0048】
形成制御部44は、決定部42による決定結果としての画像データDeに基づいて、出力部49を介して第1形成部6に吐出制御信号C2を出力することにより、第1形成部6による液体組成物の吐出動作を制御する。
【0049】
洗浄制御部45は、出力部49を介して洗浄部5に洗浄制御信号C1を出力することにより、洗浄部5による洗浄開始または洗浄停止等の洗浄部5の動作を制御する。
【0050】
照射制御部46は、出力部49を介して第1照射部7に照射制御信号C3を出力することにより、第1照射部7による紫外光の照射開始、すなわち紫外光の点灯や、紫外光の照射停止、紫外光の光強度等の第1照射部7の動作を制御する。
【0051】
加熱制御部47は、出力部49を介して加熱部8に加熱制御信号C4を出力することにより、加熱部8による加熱開始または加熱停止等の加熱部8の動作を制御する。
【0052】
判定部48は、検査部9からの検査情報Teに基づいて、製造された機能層付き電子部品10が合格品であるか否かを判定し、出力部49を介して判定結果を表示装置等の外部装置に出力する。
【0053】
<機能層付き電子部品10の製造方法例>
図4は、機能層付き電子部品10の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【0054】
まず、ステップS41において、機能層を形成する前の電子部品10Aを準備する工程を行う。収納部1は、準備された電子部品10Aを複数個並べたトレイを収納する。
【0055】
続いて、ステップS42において、製造装置100は、搬送部2により、電子部品10Aが収納されたトレイを搬送する。これにより電子部品10Aが搬送方向に搬送される。
【0056】
続いて、ステップS43において、製造装置100は、読取部3により、電子部品10Aを読み取る工程を行う。読取部3は、電子部品10Aの表面に印字された製造業者名、部品番号、ロット番号、位置決めに関する情報、電子部品10Aのサイズに関する情報等を読み取り、読取結果Imを制御部4に出力する。
【0057】
続いて、ステップS44において、製造装置100は、電子部品10Aに関する情報Eiを外部装置から取得する工程を行う。ここでは、読取部3による読取結果に基づき、外部装置を参照して電子部品に関する情報Eiを取得する。図4に示す例では、電子部品10Aに関する情報Eiを取得する工程として、ステップS43の電子部品10Aを読取部3により読み取る工程、およびステップS44の電子部品10Aに関する情報を外部装置から取得する工程の両方を行う。
【0058】
続いて、ステップS45において、製造装置100は、制御部4により、ステップS44で取得された電子部品10Aに関する情報Eiに基づき、所定形状および機能層上で該所定形状を形成する位置を決定する工程を行う。
【0059】
続いて、ステップS46において、製造装置100は、制御部4の自己検査部43により、ステップS45の決定結果としての画像データDeを自己検査する。自己検査部43は、欠陥が検出されない場合には、画像データDeを合格品として形成制御部44に出力し、欠陥がある場合には、出力部49を介して欠陥に関する情報を表示装置等の外部装置に出力する。
【0060】
続いて、ステップS47において、製造装置100は、洗浄部5により、電子部品10Aにおける機能層が形成される面を洗浄する。
【0061】
続いて、ステップS48において、製造装置100は、電子部品10A上に機能層を形成するとともに、機能層に情報を付与する工程を行う。具体的には、第1形成部6により、ステップS45における決定結果としての画像データDeに基づいて、絶縁材料や導電材料を吐出することで、電子部品10A上に機能層を形成するとともに、機能層に電子部品に関する情報Eiを付与する。情報Eiが付与された機能層は、本実施形態に係る情報付き機能層に対応する。
【0062】
続いて、ステップS49において、製造装置100は、第1照射部7により、電子部品10A上に形成された機能層に紫外光や熱を照射する工程を行う。
【0063】
続いて、ステップS50において、製造装置100は、加熱部8により、電子部品10A上に形成された機能層を加熱する。
【0064】
例えば、機能層の狙いの厚みが厚い場合には、絶縁材料により構成される機能層を積層させるため、1層の機能層の形成後に、強度1293(mJ/cm)等のスポット紫外光照射を行って1層の機能層を仮硬化させ、複数の層ごとに仮硬化動作を繰り返して、全体層厚が20μm程度の機能層を形成する。その後、この機能層を150℃、30分間で本硬化させる。
【0065】
続いて、ステップS51において、製造装置100は、電子部品10A上に機能層が形成された結果、得られた機能層付き電子部品10を、検査部9により検査する。
【0066】
以上のようにして、電子部品10A上に、本実施形態に係る情報付き機能層を形成し、機能層付き電子部品10を製造することができる。
【0067】
<実施形態に係る機能層付き電子部品の例>
図5図20を参照して、実施形態に係る機能層付き電子部品10について説明する。図5は、実施形態に係る製造方法により製造された機能層付き電子部品10の一例を示す模式的上面図である。図6図8は、図5における領域VIを示す拡大上面図である。図6は第1例、図7は第2例、図8は第3例である。図9図11は、図5におけるIX-IX線を示す断面図である。図9は第1例、図10は第2例、図11は第3例である。図12および図13は、機能層11に付与された情報を示すドット25を示す上面図である。図12は第1例、図13は第2例である。図14は、機能層11に付与されたQRコード20bの第1例を示す上面図である。図15は、図14における領域XVの拡大上面図である。図16は、機能層11に付与されたQRコード20bの第2例を示す上面図である。図17は、図16における領域XVIIの拡大上面図である。図18は、機能層11に付与されたQRコード20bの第3例を示す上面図である。図19は、図18における領域XIXの拡大上面図である。図20は、実施形態に係る製造方法により製造された機能層付き電子部品10の一例を示す上面図である。機能層11は、情報付き機能層の一例に対応する。
【0068】
図5は、電子部品10Aの上面に形成された機能層11を模式的に示している。図5では、機能層11と電子部品10Aは重なっているため、機能層11の符号と電子部品10Aの符号を併記している。以下においても、対象物が重なる場合には、対象物を表す符号を併記する場合がある。
【0069】
本実施形態では、機能層11の一部である情報領域VIには、電子部品10Aに関する情報Ei等の情報20が付与される。図6図8は、領域VIに付与された情報20を例示している。図6に示す例では、「3108」からなる数字20aが情報20として付与されている。図7に示す例では、2次元コードとしてのQRコード20bが情報20として付与されている。図8に示す例では、バーコード20cが情報20として付与されている。
【0070】
上記の機能層11に付与される情報は、機能層11の情報領域VIに所定形状が形成されることによって付与される。図9図11は、機能層11に形成された所定形状120を例示している。図9図11に示す例では、電子部品10Aの上面10A-1および側面10A-2上に機能層11が形成されている。なお、本明細書において、「電子部品10A上」は、電子部品10Aの上面10A-1、電子部品10Aの側面10A-2等を含む電子部品10Aを構成する面上を意味する。端子12は、電子部品10AがPCB基板等と電気的に接続するための端子である。
【0071】
本実施形態では、所定形状120は、機能層11における所定形状120が形成されていない非情報領域110に対して窪んだ凹部120a、非情報領域110に対して突出した凸部120c、および機能層11の厚み方向に機能層を貫通する孔120bの少なくとも1つを含んでよい。図9に示す例では、凹部120aが所定形状120として形成されている。図10に示す例では、孔120bが所定形状120として形成されている。図11に示す例では、凸部120cが所定形状120として形成されている。数字20a、QRコード20b、バーコード20c等の情報20は、凹部120a、孔120b、凸部120c等の所定形状120が機能層11に形成されること、あるいはこれらの組合せが機能層11に形成されることにより、機能層11に付与される。
【0072】
本実施形態では、電子部品10Aに関する情報Eiに基づいて、電子部品10AにおけるGNDラインが集結する位置に、電子部品10Aに関する情報Eiを含む文字、数字、バーコード、2次元コード等の情報に対応する所定形状120を形成してよい。図5における領域VIの位置は、電子部品10AにおけるGNDラインが集結する位置に対応する。
【0073】
例えば、機能層11では、所定形状120が形成されることで、非情報領域110と比較して機能層11が薄くなったり、機能層11の面積が小さくなったりして、非情報領域110と比較して電磁波やノイズのシールド精度が低下する場合がある。本実施形態では、電子部品10Aにおいて、電磁波やノイズの発振が少ないGNDラインが集結する位置に所定形状120を形成することにより、所定形状120を形成することによる機能層11のシールド精度の低下を低減することができる。
【0074】
本実施形態では、図9図11に示すように、所定形状120における機能層11の最小厚みt2は、非情報領域110における機能層11の最小厚みt1の1/10以下であってよい。例えば、非情報領域110における機能層11の最小厚みは、0.1μm以上30μm以下であってよい。このようにすることで、所定形状120における光の反射状態と、非情報領域110における光の反射状態とを異ならせることができる。この結果、外側から機能層11を見た場合に、所定形状120を含む情報領域と非情報領域110との間における色の濃淡、色合い等を異ならせることができ、機能層11を所定形状120に形成することで付与された情報20が外側から好適に認識可能になる。但し、情報20を認識可能であれば、所定形状120における機能層11の厚みt2と、非情報領域110における厚みt1と、の間の関係は上記に限定されるものではない。また、所定形状120によって付与された情報の認識性を高くする観点では、所定形状120を含む情報領域と非情報領域110との間での色差は、ΔEが6.5以上であることが好ましい。
【0075】
本実施形態では、図12および図13に示すように、所定形状120は、ドット25の集合体を含んでよい。また、機能層11の厚み方向(Z方向)から見たドット25の最大幅は0.5mm以下であってよい。図12において、所定形状120は、ドット25aの集合体を含んでいる。ドット25aの最大幅dは、0.5mm以下である。図13において、所定形状120は、ドット25bの集合体を含んでいる。ドット25bの最大幅dは0.5mm以下である。ドット25aとドット25bは、機能層11の厚み方向における深さが異なっている。この深さの差により、ドット25の色の濃淡、色合い等が異なって認識される。
【0076】
例えば、機能層11が電磁波シールド層である場合に、所定形状120がドット25の集合体を含むことにより、所定形状が連続的なパターンを含む場合と比較して、導電材料の使用量を低減できる。また、機能層11の厚み方向(Z方向)から見たドット25の最大幅dを0.5mm以下にすることにより、導電材料の使用量をさらに低減できる。導電材料であるAgやCuは高価であるため、導電材料の使用量を低減することにより、機能層付き電子部品10のコストを削減できる。
【0077】
図14図18は、機能層11に形成されるQRコード20bを例示している。例えば、図2の制御部4は、読取部3による読取結果Imに基づき、一般的なQRコード製作ソフトウェアを用いてQRコード20bに対応する画像データを製作できる。QRコード20bは、読取結果Imに基づく情報と、機能層11上でQRコード20bを形成する位置情報と、を含む。機能層11の厚みは20μm等であり、QRコード20bに対応する所定形状120の厚みは4μm等である。
【0078】
本実施形態では、QRコード20bに対応する所定形状120は、第1の領域21と、機能層11の厚みが第1の領域21よりも薄い第2の領域22と、を含んでよい。また、QRコード20bに対応する所定形状120に含まれる複数のセル23のうちの1つのセル23内において、機能層11の上面方向から見た第2の領域22の面積は、機能層11の上面方向から見た1つのセル23の面積の1/4以上であってよい。
【0079】
図14は、1つのセル23における第2の領域22、すなわち塗膜しない余白の領域がない場合のQRコード20baを示している。図15は、図14における領域XVに対応する1つのセル23を拡大表示している。1つのセル23は、機能層11の上面方向から見た形状が正方形である。1つのセル23は、2次元状に整列する複数の画素231により構成される。図14および図15に示すQRコード20baでは、第1の領域21の面積は、1つのセル23の面積と等しい。
【0080】
図16は、1つのセル23における第2の領域22の面積を、1つのセル23の面積の略1/4にした場合のQRコード20bbを示している。図17は、図16における領域XVIIに対応する1つのセル23を拡大表示している。図16および図17に示すQRコード20bbでは、第2の領域22の面積は、1つのセル23の面積の略1/4である。
【0081】
図18は、1つのセル23における第2の領域22の面積を、1つのセル23の面積の略1/2にした場合のQRコード20bcを示している。図19は、図18における領域XIXに対応する1つのセル23を拡大表示している。図18および図19に示すQRコード20bcでは、第2の領域22の面積は、1つのセル23の面積の略1/2である。
【0082】
印字時(QRコード製作等)の貫通孔の開口部(幅)を0.5mm以下にしないと、電磁波シールド効果がなくなる。電磁波シールドを形成する導電材は、60万円/リットルと高価であるため、機能層の中の印字製作でも極力開口部の面積を多くして、材料費用を削減することが好ましい。シールド効果の性能が劣るため、貫通孔の開口部(幅)を0.5mm以下等に極力広くすることで、シールドの導電材料の使用量を減らすことができる。
【0083】
以上のように、QRコード20bに対応する所定形状120に含まれる複数のセル23のうちの1つのセル23内において、機能層11の上面方向から見た第2の領域22の面積を、機能層11の上面方向から見た1つのセル23の面積の1/4以上にすることにより、導電材料の使用量を低減することができる。これにより、機能層付き電子部品10のコストを削減することができる。
【0084】
図20は、電子部品10A上に形成された機能層11を有する機能層付き電子部品10を示している。機能層11には、機能層11を所定形状120に形成することによって付与された数字20a、QRコード20bが付与されている。
【0085】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る情報付き機能層の形成方法について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材又は構成部を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0086】
本実施形態では、機能層11は導電材料を用いて形成され、電子部品10A上に形成された機能層11上に保護層を形成する工程をさらに含む点が、第1実施形態とは異なる。
【0087】
<製造装置100aの全体構成例>
図21は、本実施形態に係る機能層付き電子部品10aの製造装置100aの全体構成の一例を示すブロック図である。製造装置100aは、第2形成部6aと、第2照射部7aと、を有する。機能層付き電子部品10aは、電子部品10A上に形成された機能層11上にさらに保護層が形成されたものである。
【0088】
第2形成部6aは、搬送方向50における第1照射部7の下流側に配置される。第2形成部6aは、第1形成部6により電子部品10A上に形成され、第1照射部7により紫外光を照射された後の機能層11上に、保護層を形成する。なお、製造装置100aが第1照射部7を有さない場合には、第2形成部6aは、搬送方向50における第1形成部6の下流側に配置されてよい。
【0089】
第2照射部7aは、搬送方向50における第2形成部6aの下流側に配置される。第2照射部7aは、第2形成部6aにより形成された機能層11上の保護層に紫外光を照射して硬化させる。なお、機能層11を構成する液体組成物が重合性化合物ではない場合には、製造装置100aは第2照射部7aを有さなくてよい。
【0090】
<機能層付き電子部品10aの製造方法例>
図22は、第2実施形態に係る機能層付き電子部品10aの製造方法の一例を示すフローチャートである。図22におけるステップS221~S227は、図4におけるステップS41~S47と同じであるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0091】
ステップS228において、電子部品10A上に機能層11を形成するとともに、機能層11に情報を付与する工程を行う。具体的には、第1形成部6は、ステップS225における決定結果としての画像データDeに基づいて、導電材料を吐出することで、電子部品10A上に機能層11を形成するとともに、機能層11に電子部品に関する情報Eiを付与する。例えば、機能層11の厚みを1.5μmとし、所定形状120の厚みを0.1μmとすることができる。
【0092】
続いて、ステップS229において、製造装置100aは、第1照射部7により、電子部品10A上に形成された機能層に紫外光を照射する工程を行う。
【0093】
続いて、ステップS230において、製造装置100aは、電子部品10A上に形成された機能層11上に保護層を形成する工程を行う。具体的には、第2形成部6aは、絶縁材料を吐出することで、電子部品10A上に形成された機能層11上に保護層を形成する。また保護層は、所定形状120を含む機能層11全体の上に形成する。
【0094】
保護層を構成する絶縁材料には、様々な樹脂材料等を使用できる。この絶縁材料には、太陽インキ製造株式会社製のIJSR4000等を使用でき、保護層の膜厚を3μm以上等にすることができる。
【0095】
続いて、ステップS231において、製造装置100aは、第2照射部7aにより、電子部品10A上に形成された保護層に紫外光や熱を照射する工程を行う。
【0096】
続いて、ステップS232において、製造装置100aは、加熱部8により、電子部品10A上に形成された機能層11および保護層を加熱する。例えば、機能層11および保護層を150℃で30分間加熱することにより本硬化させることができる。
【0097】
続いて、ステップS233において、製造装置100aは、電子部品10A上の機能層11上に保護層が形成された結果、得られた機能層付き電子部品10aを、検査部9により検査する。
【0098】
以上のようにして、機能層付き電子部品10aを製造することができる。
【0099】
本実施形態では、機能層11は導電材料を用いて形成され、電子部品10A上に形成された機能層11上に保護層を形成する工程をさらに含む。これにより、導電材料により形成された機能層11が保護層により被覆されるため、機能層11の腐食や酸化、硫化を低減することができる。なお、これ以外の効果は、第1実施形態と同じである。
【0100】
本実施形態に係る保護層は、次述する第3実施形態にも適用可能である。
【0101】
[第3実施形態]
本実施形態では、情報は、非情報領域とは異なる材料または同じ材料で異なる形成条件により、情報領域を所定のパターン形状とすることによって付与される点が、第1実施形態と異なる。本実施形態に係る機能層付き電子部品は、表面上に機能層が形成され、機能層は情報領域と非情報領域から構成される層であって、機能層全体として均一な厚みを有し、情報領域は、非情報領域とは異なる色差を有するパターン形状により情報が付与される。情報の認識性を高くする観点では、情報領域と非情報領域との間での色差は、ΔEが6.5以上であることが好ましい。
【0102】
本実施形態では、情報領域と非情報領域は、それぞれ導電材で構成されていても非導電材で構成されていてもよい。機能層に求める機能に応じて導電材を適宜決定できる。所定のパターン形状である情報領域と非情報領域が共に導電材で形成され、それら各領域が同じ導電材により構成されてもよいし、異なる導電材により構成されてもよい。本実施形態に係る「同じ導電材」とは、同じ種類の金属、合金等で、かつ導電材の製造業者および型式も同じ、つまりは全てが同一である導電材をいう。同じ導電材により情報領域と非情報領域を構成することで、異なる導電材を用いる場合と比較して、種類が異なる複数の導電材の管理にかかる手間や材料コストを低減できる。但し、少なくとも同じ導電材を用いる場合には、焼成条件等の各領域の形成条件を異ならせることで、互いの色に違いをつける必要がある。一方、「異なる導電材」は、単に異なる種類の金属、合金等で構成されることを意味する場合と、同じ種類の金属、合金等で構成され、それぞれの型式が異なることを意味する場合の両方の場合を含む。つまり、「異なる導電材」には、当初から互いに色が異なるものと、同じ焼成条件で異なる色を発するようになるものと、が含まれる。
【0103】
以下、本実施形態に係る機能層付き電子部品について詳細に説明する。
【0104】
図23~24は、本実施形態に係る機能層付き電子部品10bの構成の一例を示す図である。図23は機能層付き電子部品10bの上面図である。図24は、図23におけるXXIV-XXIV線の断面図である。図23~24に示すように、機能層付き電子部品10bは、電子部品10Aと、機能層11を有する。機能層11は、情報領域としてのパターン形状13と、非情報領域110と、を含む。機能層11は、電子部品10Aの上面および側面に形成された層である。
【0105】
(第1例)
第1例では、情報は、非情報領域とは異なる材料により、情報領域を所定のパターン形状とすることによって付与される。
【0106】
例えば、非情報領域110には、ダイセル社製DNS-0169IのAgナノインクを使用できる。ダイセル社は導電材の製造業者に対応し、DNS-0169Iは型式に対応する。パターン形状13には、Pvnanocell社製I40DM-106のAgナノインクを使用できる。Pvnanocell社は導電材の製造業者に対応し、I40DM-106は型式に対応する。つまり、非情報領域110とパターン形状13とでは、金属種は同じだが異なる型式の導電材によるものなので、「異なる導電材」を用いている。なお、非情報領域110およびパターン形状13に使用する材料は、両者で色が異なっていれば、適宜変更可能である。
【0107】
電子部品10Aへの機能層11の形成は、インクジェットで行うことができる。図25~26は、電子部品10Aへの機能層11の形成工程の一例を示す図である。図25~26は、機能層付き電子部品10bの上面図である。
【0108】
図25は、電子部品10Aに非情報領域110が付与された状態を示している。図25において、黒く塗りつぶされた領域は、電子部品10A上に機能層11用のAgナノインクが付与された非情報領域110を示している。黒く塗りつぶされていないブランク領域11'は、次工程でパターン形状13を付与する領域である。
【0109】
図26は、図15に示した電子部品10Aの状態に対し、ブランク領域11'にパターン形状13用のAgナノインクが付与された状態を示している。図26では、電子部品10A上に付与された非情報領域110を白色で示し、ブランク領域11'に付与されたパターン形状13を黒色で示している。
【0110】
なお、非情報領域110の付与とパターン形状13の付与は、適宜順番を入れ替えてよい。
【0111】
電子部品10A上に非情報領域110およびパターン形状13を付与した後、非情報領域110およびパターン形状13を焼成させることにより、電子部品10A上に機能層11が形成される。
【0112】
本実施形態では、パターン形状13は、機能層付き電子部品10bに設けられたピンの位置に関する情報を表示する図形を含んでよい。図26における図形14は、このような基準となるピンの位置を示す図形に対応する。
【0113】
(第2例)
第2例では、情報は、非情報領域と同じ材料で異なる形成条件により、情報領域を所定のパターン形状とすることによって付与される点が第1例と異なる。つまり、パターン形状は、非情報領域の導電材と同じ導電材により形成され、非情報領域とは異なる焼成条件により形成される。
【0114】
電磁波シールド層等の機能層に使用するAg、Cu等のナノインクや錯体インクを焼成すると、AgやCuが構造変化を起こし、AgやCuの粒子径が粗大化する。AgやCuの粒子径の粗大化により、AgやCuを使用した層の反射状態が変わり、層の色が変化する。本例では、このような焼成条件に応じて色が変化する現象を利用し、パターン形状13と非情報領域110に同じ導電材を使用しつつ、パターン形状13と非情報領域110との間に色差を存在させることができる。焼成条件には、例えば、焼成温度と焼成時間が挙げられる。
【0115】
非情報領域110およびパターン形状13のそれぞれには、ダイセル社製DNS-0169IのAgナノインク等を使用できる。
【0116】
例えば、図25に示したように、まず電子部品10A上に機能層11を付与した後、非情報領域110が付与された電子部品10Aを恒温槽またはオーブン内に入れる。そして、例えば焼成温度200℃、焼成時間30分以上で焼成する。これにより、電子部品10A上に非情報領域110が定着する。非情報領域110の焼成終了後に、非情報領域110が形成された電子部品10Aは、恒温槽またはオーブンから取り出される。
【0117】
続いて、非情報領域110が形成された電子部品10Aのブランク領域11'(図25参照)に対し、図26に示したように、パターン形状13用のAgナノインクを付与する。その後、パターン形状13用のAgナノインクが付与された電子部品10Aを恒温槽またはオーブン内に入れる。そして、例えば焼成温度120℃、焼成時間10分で焼成する。これにより、電子部品10A上にパターン形状13が定着する。
【0118】
以上のようにして、第2例に係る機能層付き電子部品を形成できる。なお、非情報領域110およびパターン形状13のうち、焼成温度が高い方を先に焼成することが好ましい。また、焼成条件により異なる色になる導電材であれば、材料に制限はない。
【0119】
第3実施形態において説明した作用効果以外の作用効果は、第1実施形態における作用効果とほぼ同じである。
【0120】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0121】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 被対象物の表面上に機能層を形成しながら前記機能層に情報を付与する工程を含み、前記機能層は、前記情報を有する情報領域とそれ以外の非情報領域から構成される層であり、前記情報領域と前記非情報領域の間に色差が存在する、情報付き機能層の形成方法である。
<2> 前記情報は、前記情報領域を所定形状とすることによって付与されるか、あるいは、前記非情報領域とは異なる材料により、または前記非情報領域と同じ材料で異なる形成条件により、前記情報領域を所定のパターン形状とすることによって付与される、前記<1>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<3> 前記情報は、前記被対象物に関する情報を含む、前記<1>または前記<2>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<4> 前記所定形状は、ドットの集合体を含む、前記<2>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<5> 前記機能層の厚み方向から見た前記ドットの最大幅は、0.5mm以下である、前記<4>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<6> 前記情報は、前記被対象物に関する情報に対応する英数字、マトリックスコード、バーコードおよび2次元コードからなる群から選択される1種以上を含む、前記<1>から前記<5>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<7> 前記情報領域は、第1の領域と、前記機能層の厚みが前記第1の領域よりも薄い第2の領域と、を含み、前記所定形状に含まれる複数のセルのうちの1つのセル内において、前記機能層の上面方向から見た前記第2の領域の面積は、前記機能層の上面方向から見た前記1つのセルの面積の1/4以上である、前記<2>に記載の情報付き機能層の形成方法。
<8> 前記情報領域における前記機能層の最小厚みは、前記所定形状が形成されていない領域における前記機能層の最小厚みの1/10以下である、前記<2>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<9> 前記非情報領域における前記機能層の厚みは、0.1μm以上30μm以下である、前記<1>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<10> 前記機能層は導電材を用いて形成される、前記<1>から前記<9>のいずれか1つに記載の情報付き機能層の形成方法である。
<11> 前記パターン形状は、前記非情報領域の導電材と同じ導電材により形成され、前記非情報領域とは異なる焼成条件により形成される、前記<2>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<12> 前記機能層を構成する液体組成物を吐出することによって、前記被対象物上に前記機能層を形成するとともに、前記機能層に前記情報を付与する、前記<1>から前記<12>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<13> 前記液体組成物をラインヘッド方式で吐出する、前記<12>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<14> 前記液体組成物は、重合性化合物を含み、前記被対象物上に形成された前記機能層に活性エネルギー線を照射する工程を含む、前記<12>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<15> 前記情報を取得する工程と、前記情報に基づき、前記情報領域の形状を決定する工程と、をさらに含む、前記<2>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<16> 前記情報領域を形成する位置を決定する工程をさらに含む、前記<15>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<17> 前記位置は、前記被対象物におけるGNDラインが集結する位置を含む、前記<16>に記載の情報付き機能層の形成方法である。
<18> 前記被対象物が電子部品であり、前記<1>に記載の形成方法により情報付き機能層を形成する工程を有する、電子部品の製造方法である。
<19> 表面上に機能層が形成され、前記機能層は情報領域と非情報領域から構成される層であって、均一な厚みを有し、前記情報領域は、前記非情報領域とは異なる色差を有するパターン形状により情報が付与されている、機能層付き電子部品である。
<20> 前記情報領域と前記非情報領域は、同じ導電材により構成されている、前記<19>に記載の機能層付き電子部品である。
【符号の説明】
【0122】
1 収納部
2 搬送部
3 読取部
4 制御部
41 取得部
42 決定部
43 自己検査部
44 形成制御部
45 洗浄制御部
46 照射制御部
47 加熱制御部
48 判定部
49 出力部
5 洗浄部
6 第1形成部
6a 第2形成部
7 第1照射部
7a 第2照射部
8 加熱部
9 検査部
10、10a 機能層付き電子部品
10A 電子部品(被対象物の一例)
10A-1 上面
10A-2 側面
11 機能層(情報付き機能層の一例)
11' ブランク領域
12 端子
13 パターン形状
14 図形
20 情報
20a 数字
20b QRコード
20c バーコード
21 第1の領域
22 第2の領域
23 セル
25 ドット
50 搬送方向
100、100a 製造装置
110 非情報領域
120 所定形状
120a 凹部
120b 孔
120c 凸部
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 HDD/SSD
405 機器接続I/F
406 通信I/F
C1 洗浄制御信号
C2 形成制御信号
C3 照射制御信号
C4 加熱制御信号
A、B、C、D 領域
d 最大幅
De 画像データ
Ei 電子部品に関する情報
Im 読取結果
S システムバス
Te 検査情報
t1、t2 厚み
【先行技術文献】
【特許文献】
【0123】
【特許文献1】特許第6508333号公報
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