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特開2024-68624情報処理装置、情報入力支援システム、情報入力支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068624
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報入力支援システム、情報入力支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0633 20230101AFI20240513BHJP
【FI】
G06Q10/0633
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147027
(22)【出願日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】P 2022178930
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 真弓
(72)【発明者】
【氏名】能勢 将樹
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】ユーザの顧客が持つ課題やニーズを推定して、顧客に提案する情報をユーザに提示すること。
【解決手段】ユーザが操作する端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置を有する情報入力支援システムであって、前記情報処理装置は、前記ユーザとの対話により、前記ユーザに関する情報と前記ユーザの顧客との活動に関する情報を含む活動情報を取得する取得部と、前記活動情報に基づいて、前記顧客のニーズを推定する推定部と、前記顧客のニーズを含む発話情報を前記端末装置に送信する通信部と、を有し、前記端末装置は、前記発話情報を表示する表示制御部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作する端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置を有する情報入力支援システムであって、
前記情報処理装置は、
前記ユーザとの対話により、前記ユーザに関する情報と前記ユーザの顧客との活動に関する情報を含む活動情報を取得する取得部と、
前記活動情報に基づいて、前記顧客のニーズを推定する推定部と、
前記顧客のニーズを含む発話情報を前記端末装置に送信する通信部と、を有し、
前記端末装置は、
前記発話情報を表示する表示制御部と、
を有する情報入力支援システム。
【請求項2】
前記活動情報は、前記顧客の企業名、前記顧客の名前、前記ユーザと前記顧客との商談、及び前記商談の参加者の少なくとも一つに関する情報を含む、請求項1に記載の情報入力支援システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記顧客のニーズに基づいて、前記顧客に提案する提案情報を推定し、
前記通信部は、前記提案情報を含む前記発話情報を前記端末装置に送信する、請求項1に記載の情報入力支援システム。
【請求項4】
前記活動情報に基づいて、前記活動の進捗度を決定する決定部と、を更にする、請求項1に記載の情報入力支援システム。
【請求項5】
前記活動情報、前記活動の進捗度、及び前記顧客のニーズが正しいか否かを前記ユーザに確認させるように前記対話を制御する制御部と、を更に有する、請求項4に記載の情報入力支援システム。
【請求項6】
前記通信部は、前記ユーザが入力した前記顧客のニーズ、前記活動の進捗度、及び前記対話の進行度を含む前記発話情報を前記端末装置に送信する、請求項1に記載の情報入力支援システム。
【請求項7】
前記対話において、前記ユーザは音声を用いて発話を入力することが可能である、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の情報入力支援システム。
【請求項8】
前記推定部は、系列ラベリングされた文字列を用いて学習された言語モデルを用いて、前記活動情報から前記顧客のニーズを抽出する、請求項1に記載の情報入力支援システム。
【請求項9】
前記推定部は、意味が近いほど高い類似度を出力する言語モデルを用いて取得した、前記顧客のニーズとの類似度が予め定めた閾値よりも高い文章ベクトルに関連する情報に基づいて、前記顧客のニーズと類似した顧客のニーズ又は前記顧客のニーズを満たすための情報を前記提案情報として推定する、請求項3に記載の情報入力支援システム。
【請求項10】
前記言語モデルは、前記ユーザにより修正された前記顧客のニーズを用いて再学習される、請求項8又は請求項9に記載の情報入力支援システム。
【請求項11】
ユーザが操作する端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記ユーザとの対話により、前記ユーザに関する情報と前記ユーザの顧客との活動に関する情報を含む活動情報を取得する取得部と、
前記活動情報に基づいて、前記顧客のニーズを推定する推定部と、
前記ユーザに提示するための、前記顧客のニーズを含む発話情報を前記端末装置に送信する通信部と、
を有する情報処理装置。
【請求項12】
ユーザが操作する端末装置と通信可能な情報処理装置が実行する情報入力支援であって、
前記ユーザとの対話により、前記ユーザに関する情報と前記ユーザの顧客との活動に関する情報を含む活動情報を取得するステップと、
前記活動情報に基づいて、前記顧客のニーズを推定するステップと、
前記ユーザに提示するための、前記顧客のニーズを含む発話情報を前記端末装置に送信するステップと、
を有する情報入力支援方法。
【請求項13】
ユーザが操作する端末装置と通信可能な情報処理装置に、
前記ユーザとの対話により、前記ユーザに関する情報と前記ユーザの顧客との活動に関する情報を含む活動情報を取得するステップ、
前記活動情報に基づいて、前記顧客のニーズを推定するステップ、
前記ユーザに提示するための、前記顧客のニーズを含む発話情報を前記端末装置に送信するステップ、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報入力支援システム、情報入力支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報の入力を必要とする業務に携わるユーザに対して、情報の入力を支援するチャットボットなどの対話システムの技術が従来から知られている。特許文献1には、ユーザの行動記録と活動予定を管理して、報告の入力を依頼するメッセージをユーザに通知し、入力された報告に基づいて、ユーザの活動予定を推定する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、ユーザの顧客が持つ課題やニーズを推定して、顧客に提案する情報をユーザに提示することができなかった。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、ユーザの顧客が持つ課題やニーズを推定して、顧客に提案する情報をユーザに提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、ユーザが操作する端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置を有する情報入力支援システムであって、前記情報処理装置は、前記ユーザとの対話により、前記ユーザに関する情報と前記ユーザの顧客との活動に関する情報を含む活動情報を取得する取得部と、前記活動情報に基づいて、前記顧客のニーズを推定する推定部と、前記顧客のニーズを含む発話情報を前記端末装置に送信する通信部と、を有し、前記端末装置は、前記発話情報を表示する表示制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、ユーザの顧客が持つ課題やニーズを推定して、顧客に提案する情報をユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る情報入力支援システムの概略図の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置及びパーソナルコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る情報入力支援システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る情報入力支援システムにおける状態遷移図の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る情報入力支援システムにおける対話処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る情報端末の第1表示画面の一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る情報端末の第2表示画面の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る情報端末の第3表示画面の一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る情報端末の第4表示画面の一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態に係る情報端末の第5表示画面の一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る情報端末の第6表示画面の一例を示す図である。
図13】本発明の実施形態に係る情報端末の第7表示画面の一例を示す図である。
図14】本発明の実施形態に係る情報端末の第8表示画面の一例を示す図である。
図15】本発明の実施形態に係るデータベースにおけるユーザ情報の一例を示す図である。
図16】本発明の実施形態に係る顧客のニーズ及び提案情報の推定に関するフローチャートの一例を示す図である。
図17】本発明の実施形態に係る情報端末の表示画面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置、情報入力支援システム、情報入力支援方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報入力支援システムの概略図の一例を示す図である。情報入力支援システム1は、例えば、インターネット等の通信ネットワーク2に接続する端末装置5、クラウドネットワーク4、及びクラウドネットワーク4に配置されている情報処理装置3を含む。
【0010】
端末装置5は、ユーザが操作するパーソナルコンピュータ6、又はスマートフォンやタブレット端末等の情報端末7である。端末装置5は、情報入力の支援を行うチャットボットにアクセスするためのユーザによる操作、又は、チャットボットに送信するメッセージを入力するためのユーザによる操作を受け付ける。ここで、チャットボットとは、自動でユーザとの対話を行う機能又はサービスである。また、端末装置5は、ユーザが端末装置5に入力したメッセージや端末装置5がチャットボットから受信したメッセージ等を端末装置5の画面に表示する。ここで、メッセージは発話情報とよんでもよい。
【0011】
情報処理装置3は、情報入力の支援を行うチャットボットの機能を提供するための装置である。情報処理装置3は、例えば、企業の営業部門のユーザが操作する端末装置5から、ユーザに関する情報、ユーザの顧客に関する情報、及びユーザの顧客に対する活動に関する情報(日報などの活動情報)を受信する。更に、情報処理装置3は、端末装置5から受信した情報に基づいて、ユーザの顧客が持つ課題やニーズ、及び顧客に提案する情報を推定し、推定した情報を端末装置5に送信する。顧客に提案する情報は、例えば、顧客が持つ課題やニーズを解決するための情報であり、顧客が興味や関心を持っている情報や商材などである。
【0012】
このように、情報入力支援システム1は、ユーザの顧客が持つ課題やニーズを推定して、顧客に提案する情報をユーザに提示することが可能である。なお、図1に示す情報入力支援システム1のシステム構成は一例である。情報処理装置3は、チャットボットの全ての機能を有していなくてもよく、例えば、一部の機能をクラウドネットワーク4が提供する別のサービスのモジュール(外部モジュール)により実現してもよい。また、情報処理装置3は、クラウドネットワーク4でなく、企業のLAN(Local Area Network)などに配置されていてもよい。LANは、例えば、ファイアウォール等により外部ネットワークからのアクセスが制限されたネットワークであってよい。また、情報入力支援システム1に含まれる情報処理装置3及び端末装置5の台数は任意の台数であってよい。また、通信ネットワーク2には、例えば、移動体通信、又は無線LAN等の無線通信による接続区間が含まれていても良い。また、ユーザとチャットボットの対話において、ユーザは音声を用いて発話を入力することが可能であってもよい。
【0013】
<ハードウェア構成例(情報処理装置3、パーソナルコンピュータ6)>
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置3及びパーソナルコンピュータ6のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、情報処理装置3及びパーソナルコンピュータ6はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0014】
これらのうち、CPU501は、情報処理装置3及びパーソナルコンピュータ6全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0015】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0016】
<ハードウェア構成例(情報端末7)>
図3は、本発明の実施形態に係るスマートフォンやタブレット端末などの情報端末7のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示されているように、情報端末7は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS受信部411を備えている。
【0017】
これらのうち、CPU401は、情報端末7全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、情報端末7用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0018】
また、情報端末7は、遠距離通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイク415、スピーカ416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
【0019】
これらのうち、遠距離通信回路412は、通信ネットワーク2を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415及びスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ418は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ418を押下することで、情報端末7を操作する入力手段の一種である。
【0020】
また、情報端末7は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図3に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0021】
<機能について>
図4は、本発明の実施形態に係る情報入力支援システム1における機能ブロックの構成図の一例を示す図である。情報処理装置3は、通信部10、生成部11、取得部12、決定部13、推定部14、及び制御部15を有する。これら各部は、情報処理装置3にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。記憶部16は、例えば、情報処理装置3が有するHD504などの記憶装置によって実現可能である。
【0022】
通信部10は、情報処理装置3が有する通信機能であり、通信ネットワーク2を介して端末装置5などと情報の送受信を行う。例えば、通信部10は、ユーザに提示するための、挨拶文、質問文、回答候補、顧客のニーズ、顧客に提案する情報、及び対話の進行度などを含む発話情報を端末装置5の通信部20に送信する。
【0023】
生成部11は、ユーザに提示するための、挨拶文、質問文と回答候補、推定部14が推定した顧客のニーズや顧客に提案する情報を含む発話情報を生成する。
【0024】
取得部12は、ユーザから受信した営業活動に関する質問の回答や報告に基づいて、ユーザに関する情報及びユーザの顧客との活動に関する情報を含む活動情報を取得する。
【0025】
決定部13は、取得部12が取得した活動情報に基づいて、活動の進捗度を決定する。決定方法の詳細については後述する。
【0026】
推定部14は、ユーザの活動情報や活動の進捗度などに基づいて、顧客のニーズを推定する。また、推定部14は、ユーザの活動情報、活動の進捗度、及び顧客のニーズなどの情報に基づいて、ユーザが顧客に提案する情報を推定する。
【0027】
制御部15は、ユーザとの対話における状態を管理し、予め定めた対話の進行順序に沿って状態の遷移を制御する。
【0028】
記憶部16は、ユーザの活動情報、活動の進捗度、顧客のニーズ、及び顧客に提案する情報などを記憶する。
【0029】
端末装置5は、通信部20、表示制御部21、及び操作受付部23を有する。これら各部は、端末装置5を構成するパーソナルコンピュータ6にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。又は、これら各部は、端末装置5を構成する情報端末7にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU401が実行することで実現される機能又は手段である。
【0030】
通信部20は、端末装置5が有する通信機能であり、通信ネットワーク2を介して情報処理装置3などと情報の送受信を行う。例えば、通信部20は、ユーザに提示するための、挨拶文、質問文、回答候補、顧客のニーズ、顧客に提案する情報、及び対話の進行度などを含む発話情報を情報処理装置3の通信部10から受信する。
【0031】
表示制御部21は、ユーザに提示するための、挨拶文、質問文、回答候補、ユーザが入力した顧客のニーズ、情報処理装置3の推定部14が推定した顧客のニーズ、顧客に提案する情報、顧客との活動の進捗度、及び対話の進行度などを含む発話情報を端末装置5の画面に表示する。
【0032】
操作受付部22は、端末装置5のキーボードやポインティングデバイスなどを介して、ユーザによる文字入力やボタンの押下などの操作を受け付ける。或いは、操作受付部22は、例えば、端末装置5の一つである情報端末7のマイク415を介して、ユーザによる音声による対話における発話の入力を受け付ける。
【0033】
<情報入力支援システムにおける状態遷移図>
図5は、本発明の実施形態に係る情報入力支援システムにおける状態遷移図の一例を示す図である。図5に示す状態遷移図は、ユーザと対話するチャットボットの状態の遷移を示す。以下、図5の各ステップの処理について説明する。
【0034】
ステップS31:情報処理装置3の生成部11は、ユーザに送信する挨拶文を含む発話情報を生成する。情報処理装置3の通信部10は、生成された発話情報を端末装置5の通信部20に送信する。
【0035】
ステップS32:情報処理装置3の取得部12は、ユーザから受信した営業活動に関する回答や報告に基づいて、ユーザに関する情報とユーザの顧客との活動に関する情報を含む活動情報を取得する。
【0036】
ステップS33:情報処理装置3の決定部13は、ステップS32で取得した活動情報に基づいて、活動の進捗度を決定する。
【0037】
ステップS34:情報処理装置3の推定部14は、活動情報と活動の進捗度に基づいて、ユーザの顧客が持つ課題やニーズを推定する。
【0038】
ステップS35:情報処理装置3の制御部15は、ステップS32~ステップS34で取得した情報が正しいか否かをユーザに確認して、正しいならば処理をステップS37に遷移させ、正しくないならば処理をステップS36に遷移させる。
【0039】
ステップS36:情報処理装置3の記憶部16は、ユーザにより修正された情報を記憶する。
【0040】
ステップS37:情報処理装置3の推定部14は、ユーザに提示するための、顧客に提案する情報を推定する。
【0041】
ステップS38:情報処理装置3の制御部15は、他の活動の報告が有るか否かをユーザに確認して、他の活動の報告が有るならば処理をステップS32に遷移させ、そうでないならば処理をステップS39に遷移させる。
【0042】
以上の処理により、情報入力支援システム1では、ユーザとの対話における状態を管理し、状態の遷移を制御する。以降、各ステップで実行される処理の詳細について説明する。
【0043】
<情報入力支援システムにおける対話処理に関するシーケンス図>
図6は、本発明の実施形態に係る情報入力支援システムにおける対話処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、情報入力の支援を行うチャットボットが、営業活動を行うユーザと対話を行ないながら、ユーザの活動に関する情報を取得する。以下、図6の各ステップの処理について、図7図12に示すユーザが操作する端末装置5(情報端末7)の表示画面の例を用いて説明する。
【0044】
ステップS50:端末装置5の操作受付部22は、チャットボットにアクセスするためのユーザによる操作を受け付ける。ユーザによる操作は、例えば、チャットボットと対話を行うためのアプリケーションにおいて、ユーザが何らかの発話内容を入力するものであってもよい。端末装置5の通信部20は、チャットボットへのアクセス要求を情報処理装置3の通信部10に送信する。ここで、アクセス要求は、ユーザを特定する情報(ユーザ識別子など)を含む。
【0045】
また、情報処理装置3の取得部12は、予め定められた時刻にユーザの活動の予定に関する情報をデータベースから取得してもよい。例えば、取得部12は、毎朝9時に当日商談の予定がある活動の予定に関する情報(企業名など)を取得しておくことで、商談後に報告を行うユーザとの対話を効率良く実行することができる。
【0046】
ステップS51:情報処理装置3の制御部15は、アクセス要求に応じてチャットボットを起動する。
【0047】
ステップS51a:情報処理装置3の取得部12は、ステップS50におけるアクセス要求に含まれるユーザを特定する情報に対応するユーザ情報を参照するために、データベース41にアクセスする。図15は、本発明の実施形態に係るデータベースにおけるユーザ情報の一例を示す図である。図15に示すデータベースは、ユーザ情報80とユーザ情報81を含む。ユーザ情報80は、ユーザを特定する識別子(userid)と、当該ユーザのメールアドレスを示す情報(userMailAddress)を含み、ユーザ情報81は、当該ユーザのメールアドレスと関連付けられた、指定された日付(workDate)における予定情報(companyList)を含む。予定情報(companyList)は、会社名(companyName)、計画名称(plan)、及び計画を特定する識別子(Id)を含む。また、ユーザ情報80は、当該ユーザのユーザ名に関する情報を含んでもよい。図6に戻って説明する。
【0048】
ステップS51b:情報処理装置3の取得部12は、ステップS51aで参照したユーザ情報をデータベース41から取得する。情報処理装置3の記憶部17は、取得したユーザ情報を記憶する。
【0049】
ステップS52:情報処理装置3の生成部11は、ユーザに送信する挨拶文を含む発話情報を生成する。発話情報は、例えば、「〇△□さん、お疲れ様です。」である。ここで、情報処理装置3の記憶部17は、例えば、予めユーザ識別子とユーザ名を関連付けるためのユーザ情報を記憶している。生成部11は、ユーザ情報に基づいて、ユーザ識別子からユーザ名である「〇△□」を取得することにより、発話情報を生成する。情報処理装置3の通信部10は、生成された発話情報を端末装置5の通信部20に送信する。端末装置5の表示制御部21は、受信した発話情報を端末装置5の画面に表示する。図7は、本発明の実施形態に係る情報端末の第1表示画面の一例を示す図である。図7の表示画面71には、画面の右側にユーザによる発話、画面の左側にチャットボットによる発話が表示されている。発話1000は、ステップS50において、ユーザがチャットボットとの対話を開始するために入力した発話(「hi」)である。発話1101は、ステップS52において、ユーザによる発話1000に対して、チャットボットが挨拶として送信した発話(「〇△□さん、お疲れ様です。」)である。図6に戻って説明する。
【0050】
ステップS53:情報処理装置3の生成部11は、ユーザが報告する営業活動に関する情報を取得するためにユーザに質問する質問文を含む発話情報を生成する。質問する内容は、例えば、営業活動の顧客の企業名、一緒に活動する営業部門の他の名前、顧客の名前、及び顧客の役割、及び活動の結果などである。情報処理装置3の通信部10は、生成された発話情報を端末装置5の通信部20に送信する。端末装置5の表示制御部21は、受信した発話情報を端末装置5の画面に表示する。
【0051】
ステップS54:端末装置5の操作受付部22は、質問に対する回答を入力するためのユーザによる操作を受け付ける。端末装置5の通信部20は、ユーザが入力した回答を含む発話情報を情報処理装置3の通信部10に送信する。
【0052】
ステップS55:情報処理装置3の取得部12は、ステップS53とステップS54を繰り返して実行することにより、ユーザから受信した営業活動に関する回答や報告に基づいて、ユーザの活動情報を取得する。活動情報は、ユーザに関する情報、顧客の企業名、顧客の名前、ユーザと顧客との商談、及び商談の参加者に関する情報などを含む。ユーザに関する情報は、例えば、ユーザの名前、所属、メールアドレス、担当している顧客の企業名とその顧客との活動における活動日などである。情報処理装置3の記憶部16は、取得した活動情報を記憶する。ステップS53とステップS54におけるユーザに対する質問とユーザの回答の例として、図7の発話1201には、質問として「活動の報告をお願いします。企業名から入力してください。」の発話が表示されており、更に、回答の候補として、「A産業」「その他」が表示されている。発話1202には、発話1201で提示された回答の候補から、ユーザが回答として「A産業」を選択したことが表示されている。発話1311には、一緒に活動する営業部門の他のメンバの名前を質問する質問文が表示されている。発話1312には、発話1311の質問に対するユーザの回答が表示されている。発話1321には、顧客の名前を質問する質問文が表示されている。発話1322には、発話1321の質問に対するユーザの回答が表示されている。発話1331には、顧客の役割を質問する質問文と回答の候補が表示されている。ここで、顧客の役割は、例えば、顧客の役職(社長、部長、課長など)でもよいし、職種(営業、技術、経理など)であってもよい。発話1332には、発話1331の質問に対するユーザの回答として回答の候補の中から選択された番号(「2」)が表示されている。更に、図8は、本発明の実施形態に係る情報端末の第2表示画面の一例を示す図である。図8の表示画面72の発話1333には、商談に参加した他の顧客を追加するか否かを質問する質問文と回答の候補(「はい」と「いいえ」)が表示されている。発話1334には、発話1333の質問に対するユーザの回答として回答の候補の中から選択された回答(「いいえ」)が表示されている。発話1341には、活動の結果を質問する質問文(「活動の結果を入力してください。」)が表示されている。発話1342には、発話1341の質問に対するユーザの回答として、ユーザが入力した活動の結果が表示されている。図6に戻って説明する。
【0053】
ステップS56:情報処理装置3の決定部13は、取得部12が取得した活動情報などに基づいて、活動の進捗度を決定する。決定部13は、例えば、活動の進捗度をユーザに質問して得られた回答に基づいて、活動の進捗度を決定する。或いは、決定部13は、取得部12が取得した活動情報などの情報に基づいて、活動の進捗度を推定してもよい。或いは、決定部13は、外部モジュール40に活動の進捗度の推定を要求することにより、活動の進捗度を決定してもよい。外部モジュール40に進捗度の推定を要求する場合、情報処理装置3の通信部10は、取得部12が取得した活動情報などを含む推定要求を外部モジュール40に送信し、外部モジュール40から推定された活動の進捗度を受信する。活動の進捗度をユーザに質問する場合の画面表示の例として、図8の発話1351には、活動の進捗度をユーザに質問する質問文「進捗レベルを選択して下さい。」と回答の候補が表示されている。ここで、進捗レベルは、レベルの数字が大きいほど活動の進捗度が進んでいることを示す。発話1352には、発話1351の質問に対するユーザの回答として、ユーザが入力した回答の候補の番号(「4」)が表示されている。また、図9は、本発明の実施形態に係る情報端末の第3表示画面の一例を示す図である。外部モジュール40が推定した活動の進捗度を用いる場合の画面表示の例として、図9の表示画面73の発話2001には、ユーザから取得した活動情報に基づいて、外部モジュール40が推定した活動の進捗度がユーザに提示されている。図6に戻って説明する。
【0054】
ステップS57:情報処理装置3の推定部14は、取得部12が取得した活動情報や決定部13が決定した活動の進捗度などに基づいて、顧客のニーズを推定する。推定部14の指示により、情報処理装置3の通信部10は、活動情報や活動の進捗度などの情報を含む顧客のニーズの推定要求を外部モジュール40に送信する。
【0055】
ステップS58:外部モジュール40は、例えば、活動情報、活動の進捗度、及び顧客のニーズなどを教師データとして与えて予め学習された機械学習モデルを用いて、活動情報や活動の進捗度などの情報に基づいて、顧客のニーズを推定する。或いは、外部モジュール40は、活動情報や活動の進捗度などの情報に含まれる語彙を用いて、インターネット又はデータベースなどを検索することにより、顧客のニーズを推定してもよい。情報処理装置3の通信部10は、外部モジュール40が推定した顧客のニーズを外部モジュール40から受信する。
【0056】
ステップS59:情報処理装置3の生成部11は、取得部12が取得した活動情報、決定部13が決定した活動の進捗度、及び推定部14が推定した顧客のニーズが正しいか否かを確認するための質問文を含む発話情報を生成する。情報処理装置3の通信部10は、生成された発話情報を端末装置5の通信部20に送信する。端末装置5の表示制御部21は、受信した発話情報を端末装置5の画面に表示する。
【0057】
ステップS60:端末装置5の操作受付部22は、質問に対する回答を入力するためのユーザによる操作を受け付ける。端末装置5の通信部20は、ユーザが入力した回答を含む発話情報を情報処理装置3の通信部10に送信する。図10は、本発明の実施形態に係る情報端末の第4表示画面の一例を示す図である。図10の表示画面74の発話1361には、顧客のニーズが正しいか否かをユーザに確認するための質問文と回答の候補が表示されている。ユーザは回答の候補に対して、提示された顧客のニーズが正しい(合っている)場合は「1」、正しくなく訂正する場合は「2」、正しくなく後で訂正する場合は「3」を選択する。発話1362には、ユーザが回答として「1」を選択したことが表示されている。発話1363には、ユーザの発話1362の回答に対するチャットボットの応答が表示されている。図11は、本発明の実施形態に係る情報端末の第5表示画面の一例を示す図である。図11の表示画面75の発話1401には、報告内容(活動内容)、進捗レベル(活動の進捗度)、及び顧客のニーズが正しいか否かをユーザに確認するための質問文と回答の候補が表示されている。ユーザは、回答の候補に対して、提示した内容を修正する場合は「修正する」を選択し、提示した内容が正しい場合は「はい」を選択する。発話1402には、ユーザが回答として「はい」を選択したことが表示されている。図6に戻って説明する。
【0058】
ステップS61:情報処理装置3の記憶部16は、ステップS60におけるユーザの回答に基づいて修正された活動情報、活動の進捗度、及び顧客のニーズを記憶する。
【0059】
ステップS62:情報処理装置3の推定部14は、ユーザの活動情報、活動の進捗度、及び顧客のニーズなどの情報に基づいて、ユーザが顧客に提案する情報を推定する。推定部14の指示により、情報処理装置3の通信部10は、活動情報、活動の進捗度、及び顧客のニーズなどの情報を含む顧客提案情報の推定要求を外部モジュール40に送信する。
【0060】
ステップS63:外部モジュール40は、例えば、活動情報、活動の進捗度、顧客のニーズ、顧客に提案する情報などを教師データとして与えて予め学習された機械学習モデルを用いて、活動情報、活動の進捗度、及び顧客のニーズなどの情報に基づいて、顧客に提案する情報を推定する。或いは、外部モジュール40は、活動情報、活動の進捗度、顧客のニーズ、顧客に提案する情報などに含まれる語彙を用いて、インターネット又はデータベースなどを検索することにより、顧客に提案する情報を推定してもよい。情報処理装置3の通信部10は、外部モジュール40が推定した顧客に提案する情報を外部モジュール40から受信する。
【0061】
ステップS64:情報処理装置3の記憶部16は、受信した顧客に提案する情報を記憶する。
【0062】
ステップS65:情報処理装置3の生成部11は、推定部14が推定した顧客のニーズと顧客に提案する情報の少なくとも一つを含むユーザへの提示する発話情報を生成する。情報処理装置3の通信部10は、生成された発話情報を端末装置5の通信部20に送信する。端末装置5の表示制御部21は、受信した発話情報を端末装置5の画面に表示する。図12は、本発明の実施形態に係る情報端末の第6表示画面の一例を示す図である。図12の表示画面76の発話1501には、ステップS62~ステップS63で推定部14が推定した顧客に提案する顧客提案情報、顧客提案情報をユーザのメールアドレスに送信するか否かを確認する質問文、及び質問文の回答の候補が表示されている。発話1502には、ユーザが質問文の回答として回答の候補から選択した「する」が表示されている。図6に戻って説明する。
【0063】
ステップS66:情報処理装置3の通信部10は、ステップS65でユーザに提示した顧客提案情報を含む電子メールをユーザのメールアドレスに送信する。
【0064】
ステップS67:情報処理装置3の生成部11は、他の活動に関する報告があるか否かをユーザに確認する質問文を含む発話情報を生成する。ここで、生成部11は、ユーザとチャットボットの対話の進行度を発話情報に含めて生成してもよい。対話の進行度は、例えば、現在の時点で、ユーザの全体の活動件数の内、何件の報告が完了したかなどの情報などである。情報処理装置3の通信部10は、生成された発話情報を端末装置5の通信部20に送信する。端末装置5の表示制御部21は、受信した発話情報を端末装置5の画面に表示する。図13は、本発明の実施形態に係る情報端末の第7表示画面の一例を示す図である。図13の表示画面77の発話1601には、他の活動に関する報告があるか否かをユーザに確認する質問文と質問文に対する回答の候補が表示されている。発話1701には、ユーザが質問文の回答として回答の候補から選択した「終了」が表示されている。図14は、本発明の実施形態に係る情報端末の第8表示画面の一例を示す図である。図14の表示画面78の発話2002には、対話の進行度、他の活動に関する報告があるか否かをユーザに確認する質問文、及び質問文に対する回答の候補が表示されている。ここで、対話の進行度として、ユーザの活動の報告が10件中で3件終了したことが表示されている。発話1701には、ユーザが質問文の回答として回答の候補から選択した「終了」が表示されている。図6に戻って説明する。
【0065】
ステップS68:ユーザによる他の活動に関する報告がないならば、情報処理装置3の生成部11は、ユーザに提示する対話終了時の挨拶文を含む発話情報を生成する。情報処理装置3の通信部10は、生成された発話情報を端末装置5の通信部20に送信する。端末装置5の表示制御部21は、受信した発話情報を端末装置5の画面に表示する。
【0066】
図6のシーケンス図における処理は以上である。
【0067】
<顧客のニーズ及び顧客への提案情報の推定>
図6のシーケンス図のステップS57~S58における顧客のニーズの推定、及びステップS62~S63における顧客への提案情報を推定する方法の詳細について説明する。図16は、本発明の実施形態に係る顧客のニーズ及び提案情報の推定に関するフローチャートの一例を示す図である。以下、図16の各ステップの処理について説明する。
【0068】
ステップS90:情報処理装置3の取得部12は、図6のシーケンス図のステップS55で取得した活動情報(例えば、図8の発話1342)、及びステップS56で決定された活動の進捗度(例えば、図8の発話1352)を読み込む。
【0069】
ステップS91:情報処理装置3の決定部13は、顧客への提案が必要な状況であるか否かを決定する。例えば、推定部14は、ステップS90で取得された活動の進捗度に基づいて、当該進捗度が予め定めた値である場合、又は、当該進捗度が予め定めた値以上である場合に、顧客への提案が必要な状況であると決定する。情報処理装置3の制御部15は、決定部13が顧客への提案が必要な状況であると決定したならば、処理をステップS92に遷移させ、そうでないならば、処理を図6のステップS53に遷移させて、他の営業活動に関する質問を行う。
【0070】
ステップS92:情報処理装置3の推定部14は、ステップS90で取得された活動情報から顧客のニーズを抽出する。例えば、活動情報は、図8の発話1342(「**の問題を受けて自動保存できるシステムを提案してほしい。調べて次回提案予定。」)であり、顧客のニーズとして「**の問題を受けて自動保存できるシステムを提案してほしい。」が抽出される。或いは、推定部14は、活動情報から顧客のニーズを検索するための文字列(「自動保存」、「システム」等)を抽出してもよい。
【0071】
また、推定部14は、系列ラベリングされた文字列を用いて学習された言語モデルを用いて、活動情報から顧客のニーズを抽出してもよい。ここで、系列ラベリングとは、言語モデルを学習する教師データにおける各単語に対して、顧客のニーズの表現の最初の単語、当該表現内の単語、及び当該表現外の単語等を示すラベリングを行うことである。また、当該言語モデルは、系列ラベリングを予測するように学習が行われる。これにより、一つの文に複数の顧客のニーズが含まれる場合に、それぞれの顧客のニーズを抽出することができる。また、顧客のニーズに関係がない単語を除外することができる。なお、当該言語モデルは、BERT(Bidirectional Encoder Representation Transform)に基づく言語モデルであってもよい。
【0072】
ステップS93:情報処理装置3の推定部14は、ステップS92で抽出した顧客のニーズと類似した顧客のニーズ、又は顧客のニーズを満たす(又は、顧客の課題を解決する)ための提案情報を推定する。例えば、推定部14は、意味が近いほど高い類似度を出力する言語モデルを用いて取得した、顧客のニーズとの類似度が予め定めた閾値よりも高い文章ベクトルを当該顧客のニーズと類似した顧客のニーズとして推定する。当該言語モデルは、例えば、意味が近い顧客のニーズは距離が近く、意味が異なる顧客のニーズは距離が遠くベクトル化するように学習された言語モデルであってもよい。また、当該言語モデルは、前述のように意味に基づいた文章ベクトルの学習を行うsentence BERTに基づく、言語モデルであってもよい。
【0073】
更に、推定部14は、当該類似した顧客のニーズを用いて、インターネット又はデータベースなどを検索することにより、顧客のニーズを満たすための提案情報を推定してもよい。
【0074】
ステップS94:情報処理装置3の生成部11は、ステップS92で抽出された顧客のニーズ、及びステップS93で推定された類似の顧客のニーズと提案情報の少なくとも一つを含む、ユーザに提示する発話情報を生成する。例えば、生成部11は、予め作成したテンプレートの所定の位置に、顧客ニーズと提案情報を挿入することにより発話情報を生成する。
【0075】
また、図6のステップS59及びS60において、ユーザに提示した顧客のニーズがユーザにより修正された場合、修正された顧客のニーズに基づいて、図16のステップS92及びS93で用いた言語モデルを再学習してもよい。図16のシーケンス図における処理は以上である。
【0076】
<端末装置5(情報端末7)の表示画面の他の一例>
図7図12に示したユーザが操作する端末装置5(情報端末7)の表示画面の他の一例について説明する。図17は、本発明の実施形態に係る情報端末の表示画面の他の一例を示す図である。図17の表示画面83には、画面の左側に人物(バーチャルアシスタント)、画面の下側にユーザに提示する発話情報、及び画面の右側にユーザへの質問に対する回答の選択肢が表示されている。また、発話情報が端末装置5のスピーカにより出力され、ユーザは音声を用いて発話を端末装置5に入力することが可能である。このように、表示画面83を介して、ユーザがバーチャルアシスタントと会話を行う形式のユーザインタフェースが用いられてもよい。また、3Dによる仮想空間、又はユーザ自身がアバターとして画面に表示されるメタバースによる形式のユーザインタフェースであってもよい。
【0077】
以上の処理により、情報入力支援システム1は、ユーザの顧客が持つ課題やニーズを推定して、顧客に提案する情報をユーザに提示することが可能である。これにより、ユーザの営業活動におけるアイデアの創出を促進し、営業報告の品質を向上させることが可能である。また、情報入力支援システム1は、ユーザとの対話において、営業報告を作成するために必要な情報の取得、報告内容が正しいことの確認、及び対話の進行度の提示などを予め定めた対話の進行順序に沿って定型的に行うことが可能である。これにより、営業報告を作成するユーザの負担の軽減、ユーザごとに変動する営業報告の内容と品質の安定化、及び営業報告の作成時間の削減などの効果が得られる。
【0078】
なお、図6のステップS56における進捗度の決定、ステップS57~S58における顧客のニーズの推定、ステップS62~S63における顧客への提案情報の推定に関して、外部モジュール40が実行する例を示した。これらを実行する外部モジュール40は、情報処理装置3の外部に配置されたものであってもよいし、情報処理装置3の決定部13や推定部14に含まれるものであってもよい。
【0079】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0080】
例えば、図4の機能ブロックの構成図の一例は、情報入力支援システム1を構成する情報処理装置3による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。情報入力支援システム1および情報処理装置3における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0081】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0082】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報入力支援システム1および情報処理装置3は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0083】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>ユーザが操作する端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置を有する情報入力支援システムであって、前記情報処理装置は、前記ユーザとの対話により、前記ユーザに関する情報と前記ユーザの顧客との活動に関する情報を含む活動情報を取得する取得部と、前記活動情報に基づいて、前記顧客のニーズを推定する推定部と、前記ユーザに提示するための、前記顧客のニーズを含む発話情報を前記端末装置に送信する通信部と、を有し、前記端末装置は、前記発話情報を表示する表示制御部と、を有する情報入力支援システムである。
<2>前記活動情報は、前記顧客の企業名、前記顧客の名前、前記ユーザと前記顧客との商談、及び前記商談の参加者の少なくとも一つに関する情報を含む、前記<1>に記載の情報入力支援システムである。
<3>前記推定部は、前記顧客のニーズに基づいて、前記顧客に提案する提案情報を推定し、前記通信部は、前記提案情報を含む発話情報を前記端末装置に送信する、前記<1>又は前記<2>に記載の情報入力支援システムである。
<4>前記活動情報に基づいて、前記活動の進捗度を決定する決定部と、を更にする、前記<1>乃至前記<3>のいずれかに記載の情報入力支援システムである。
<5>前記活動情報、前記活動の進捗度、及び前記顧客のニーズが正しいか否かを前記ユーザに確認させるように前記対話を制御する制御部と、を更に有する、前記<4>に記載の情報入力支援システムである。
<6>前記通信部は、前記ユーザが入力した前記顧客ニーズ、前記活動の進捗度、及び前記対話の進行度を含む発話情報を前記端末装置に送信する、前記<1>乃至前記<5>のいずれかに記載の情報入力支援システムである。
<7>前記対話において、前記ユーザは音声を用いて発話を入力することが可能である、前記<1>乃至前記<6>のいずれかに記載の情報入力支援システムである。
<8>前記推定部は、系列ラベリングされた文字列を用いて学習された言語モデルを用いて、前記活動情報から前記顧客のニーズを抽出する、前記<1>乃至前記<7>のいずれかに記載の情報入力支援システムである。
<9>前記推定部は、意味が近いほど高い類似度を出力する言語モデルを用いて取得した、前記顧客のニーズとの類似度が予め定めた閾値よりも高い文章ベクトルに関連する情報に基づいて、前記顧客のニーズと類似した顧客のニーズ又は前記顧客のニーズを満たすための情報を前記提案情報として推定する、前記<3>に記載の情報入力支援システムである。
<10>前記言語モデルは、前記ユーザにより修正された、前記活動情報、前記活動の進捗度、及び前記顧客のニーズを用いて再学習される、前記<8>又は前記<9>に記載の情報入力支援システムである。
【符号の説明】
【0084】
1 情報入力支援システム
2 通信ネットワーク
3 情報処理装置
4 クラウドネットワーク
5 端末装置
6 パーソナルコンピュータ
7 情報端末
10、20 通信部
11 生成部
12 取得部
13 決定部
14 推定部
15 制御部
16 記憶部
21 表示制御部
22 操作受付部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2019-185161号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
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図16
図17