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特開2024-688アライメント装置、基板重ね合わせ装置、及びアライメント方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000688
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】アライメント装置、基板重ね合わせ装置、及びアライメント方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20231226BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20231226BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H01L21/68 M
H01L21/68 N
H01L21/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099536
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】316011226
【氏名又は名称】AIメカテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】稲尾 吉浩
(72)【発明者】
【氏名】池田 孝生
(72)【発明者】
【氏名】山田 芳裕
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA18
5F131DA02
5F131DA12
5F131DA33
5F131DA42
5F131DA67
5F131EA07
5F131EA14
5F131EA22
5F131EA23
5F131EA24
5F131EB11
5F131EB63
5F131EB72
5F131EB81
5F131EC43
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
5F131EC65
5F131FA13
5F131FA32
5F131FA33
5F131FA35
(57)【要約】
【課題】基板のアライメントを行う際に基板の周方向における位置決めを行い、基板どうしを良好に重ね合わせる。
【解決手段】アライメント装置60は、外周部にノッチ99が形成された基板S1、S2を位置決めするアライメント装置60であって、基板S1、S2を載置する基板支持部20と、基板支持部20に載置された基板S1、S2のノッチ99に挿入する回転規制部63と、基板支持部20に載置された基板S1、S2に対して基板S1、S2の表面に沿った方向から挟み込む複数のブロック61a、62aと、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部にノッチが形成された基板を位置決めするアライメント装置であって、
前記基板を載置する基板支持部と、
前記基板支持部に載置された前記基板の前記ノッチに挿入する回転規制部と、
前記基板支持部に載置された前記基板に対して前記基板の表面に沿った方向から挟み込む複数のブロックと、を備える、アライメント装置。
【請求項2】
前記回転規制部は、前記ノッチに挿入可能なノッチピンを備える、請求項1に記載のアライメント装置。
【請求項3】
前記ノッチピンは、前記基板の径方向に進退可能に設けられ、
前記ノッチピンを前記基板の径方向に進退させるピン駆動部を備える、請求項2に記載のアライメント装置。
【請求項4】
前記ピン駆動部は、予め取得している前記基板の外径寸法に基づいて、前記ノッチピンを前記基板の径方向に進出させる、請求項3に記載のアライメント装置。
【請求項5】
前記回転規制部は、前記ノッチピンを前記基板の径方向内側に付勢するピン付勢部材を備える、請求項3又は請求項4に記載のアライメント装置。
【請求項6】
前記複数のブロックは、前記回転規制部に対して前記基板を挟んだ反対側に配置される一対の第1ブロックと、前記一対の第1ブロックに対して前記基板を挟んだ反対側に配置される一対の第2ブロックと、を含む、請求項1又は請求項2に記載のアライメント装置。
【請求項7】
前記一対の第1ブロックは、前記基板の周方向において間隔をあけて配置され、前記基板支持部において前記基板の径方向に進退可能に設けられ、
前記一対の第1ブロックを前記基板の径方向に進退させる第1ブロック駆動部を備える、請求項6に記載のアライメント装置。
【請求項8】
前記一対の第2ブロックは、前記ノッチから外れた前記基板の周方向において間隔をあけて配置され、前記基板支持部において前記基板の径方向に進退可能に設けられ、
前記一対の第2ブロックを前記基板の径方向に進退させる第2ブロック駆動部を備える、請求項6に記載のアライメント装置。
【請求項9】
前記一対の第2ブロックは、前記ノッチを挟んだ前記基板の周方向に当接可能に配置される、請求項8に記載のアライメント装置。
【請求項10】
前記第2ブロック駆動部は、前記一対の第1ブロックが前記基板の外周部に当接した状態で前記一対の第2ブロックを進行させ、前記一対の第2ブロックを前記基板の外周部に押し付ける、請求項8に記載のアライメント装置。
【請求項11】
前記第2ブロック駆動部は、前記一対の第2ブロックのうち一方を前記基板の外周部に押し付けた後に、前記一対の第2ブロックのうち他方を前記基板の外周部に押し付ける、請求項10に記載のアライメント装置。
【請求項12】
前記第2ブロック駆動部は、前記一対の第2ブロックのそれぞれについて、前記基板の外周部に押し付ける動作と、前記基板の外周部から退避させる動作とを交互に定められた回数繰り返す
請求項8に記載のアライメント装置。
【請求項13】
前記第2ブロック駆動部は、前記一対の第2ブロックを、前記基板の外周部に向けて押圧するよう、弾性的に支持する弾性部材を備える
請求項8に記載のアライメント装置。
【請求項14】
前記第1ブロック、前記第2ブロック、及び前記回転規制部は、前記基板の外周部に対する当接力が、前記第2ブロック、第1ブロック、前記回転規制部であるノッチピンの順で当接力が強い
請求項8に記載のアライメント装置。
【請求項15】
請求項1に記載のアライメント装置と、
前記基板支持部に設けられ、前記基板を支持して昇降するリフトピンと、
前記基板を前記リフトピンから受け取って保持する保持部と、
前記基板支持部の上方に配置される上側押え部と、を備え、
前記アライメント装置により位置決めされた複数の前記基板を、前記基板支持部又は前記リフトピンと、前記上側押え部とで挟み込むことで複数の前記基板を重ね合わせる、基板重ね合わせ装置。
【請求項16】
前記アライメント装置、前記リフトピン、前記保持部、及び前記上側押え部を収容するチャンバを備える、請求項15に記載の基板重ね合わせ装置。
【請求項17】
外周部にノッチが形成された基板を位置決めするアライメント方法であって、
前記ノッチに回転規制部を挿入して前記基板の回転を規制することと、
前記基板に対して前記基板の表面に沿った方向から複数のブロックで挟み込むことと、を含む、アライメント方法。
【請求項18】
前記回転規制部を前記ノッチに挿入した後に、前記複数のブロックで前記基板を挟み込むことを含む、請求項17に記載のアライメント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アライメント装置、基板重ね合わせ装置、及びアライメント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の基板を重ねた状態で重ね合わせる基板重ね合わせ装置が知られている。このような基板重ね合わせ装置として、第1のウエハ(サポートプレート)が、ステージ上に保持された第2のウエハ(基板)上に載置されることで、第1のウエハと第2のウエハとを重ね合わせる構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された基板重ね合わせ装置では、第1のウエハと第2のウエハとを加圧接合するに先立ち、第1のウエハ、及び第2のウエハの水平方向における位置を調整するアライメント装置(位置調整部)を備えている。このアライメント装置は、第1のウエハ、第2ウエハの径方向外側に、周方向に間隔をあけて複数備えられている。アライメント装置は、ステッピングモータ、エアーシリンダ装置等の押圧部で押圧されることによって、第1のウエハ、第2のウエハに当接し、アライメントを実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-243226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたアライメント装置では、第1のウエハ、第2ウエハの周方向(鉛直軸に平行な軸まわりの方向)における位置調整を行うことができないといった問題がある。
【0005】
本発明は、基板のアライメントを行う際に基板の周方向における位置決めを行い、基板どうしを良好に重ね合わせることが可能なアライメント装置、基板重ね合わせ装置、及びアライメント方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様では、外周部にノッチが形成された基板を位置決めするアライメント装置であって、前記基板を載置する基板支持部と、前記基板支持部に載置された前記基板の前記ノッチに挿入する回転規制部と、前記基板支持部に載置された前記基板に対して前記基板の表面に沿った方向から挟み込む複数のブロックと、を備える、アライメント装置が提供される。
【0007】
本発明の第2態様では、上記したようなアライメント装置と、前記基板支持部に設けられ、前記基板を支持して昇降するリフトピンと、前記基板を前記リフトピンから受け取って保持する保持部と、前記基板支持部の上方に配置される上側押え部と、を備え、前記アライメント装置により位置決めされた複数の前記基板を、前記基板支持部又は前記リフトピンと、前記上側押え部とで挟み込むことで複数の前記基板を重ね合わせる、基板重ね合わせ装置が提供される。
【0008】
本発明の第3態様では、外周部にノッチが形成された基板を位置決めするアライメント方法であって、前記ノッチに回転規制部を挿入して前記基板の回転を規制することと、前記基板に対して前記基板の表面に沿った方向から複数のブロックで挟み込むことと、を含む、アライメント方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様によれば、基板のアライメントを行う際に基板の周方向における位置決めを行うので、基板どうしを良好に重ね合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る基板重ね合わせ装置の一例を示す図である。
図2】上側の基板を下方から視た図である。
図3】上側の基板の断面図である。
図4】下側プレート、及びアライメント装置を上方から視た平面図である。
図5図4のA―A矢視断面図である。
図6】実施形態に係る基板重ね合わせ方法の一例を示すフローチャートである。
図7図6に続いて、実施形態に係る基板重ね合わせ方法の一例を示すフローチャートである。
図8】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、上側の基板をチャンバ内に搬入し、リフトピンで支持した図である。
図9】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、上側の基板を支持部材上に載置した図である。
図10】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、下側の基板をチャンバ内に搬入し、リフトピンで支持した図である。
図11】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、下側の基板を下側プレートで支持した図である。
図12】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、リフトピンを上昇させて上側基板と下側基板とを重ね合わせた図である。
図13】実施形態に係るアライメント方法の一例を示すフローチャートである。
図14】アライメント装置の動作の一例を示し、ノッチピンを基板のノッチに挿入した図である。
図15】アライメント装置の動作の一例を示し、一対の第1ブロックを基板に当接させた図である。
図16】アライメント装置の動作の一例を示し、一対の第2ブロックの一方で基板を押圧した図である。
図17】アライメント装置の動作の一例を示し、一対の第2ブロックの他方で基板を押圧した図である。
図18】アライメント装置の動作の一例を示し、ノッチピン、一対の第1ブロック、及び一対の第2ブロックを退避させた図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する内容に限定されない。また、図面においては実施形態をわかり易く説明するため、一部分を省略して表現している部分がある。さらに、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現しており、実際の製品とは大きさ、形状が異なっている場合がある。以下の各図において、XYZ直交座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ直交座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面において基板S1と基板S2との搬送方向に平行な方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向とする。また、XY平面に垂直な方向をZ方向(高さ方向)と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の指す方向が+方向であり、矢印の指す方向とは反対の方向が-方向であるとして説明する。
【0012】
<基板重ね合わせ装置>
実施形態に係る基板重ね合わせ装置100について説明する。図1は、実施形態に係る基板重ね合わせ装置100の一例を示す図である。基板重ね合わせ装置100は、接着層Fを形成した基板S1と、接着層Fを形成した基板S2とを、互いの接着層Fを当接させて重ね合わせる。なお、接着層Fは、基板S1及び基板S2の双方に形成されることに限定されず、いずれか一方の基板S1又は基板S2に形成される形態であってもよい。接着層Fは、基板重ね合わせ装置100に搬入される前に、例えば塗布装置等により基板S1、基板S2に塗布、乾燥されることで形成される。なお、この塗布装置は、基板重ね合わせ装置100に備える形態であってもよい。
【0013】
本実施形態では、重ね合わされる2枚の基板のうち、上側基板を基板S1と称し、下側基板を基板S2と称する。基板S1及び基板S2は、例えばガラス基板、半導体基板、樹脂性基板などである。本実施形態では、例えば、上側の基板S1がガラス基板、下側の基板S2がシリコン基板である。また、基板S1と基板S2とを重ね合わせた形態を基板S(図18参照)と称する。基板S1及び基板S2は、いずれも平面視において(Z方向から見て)円形状の円形基板が使用されるが、円形基板に限定されず、平面視において矩形状(正方形状、長方形状)の角形基板、楕円形状、長円形状等の基板であってもよい。
【0014】
図2は、上側の基板S1を下方から視た図である。図2に示すように、基板S1、S2は、ノッチ99を備える。ノッチ99は、基板S1、S2の外周部に形成される。ノッチ99は、基板S1、S2の外周部において、周方向の1箇所に形成される。ノッチ99は、基板S1、S2の外周部から、基板S1、S2の径方向の内側に窪むように形成される。ノッチ99は、下方から見て、半円形に形成される。
【0015】
図3は、上側の基板S1の断面図である。図2図3に示すように、上側の基板S1には、チャンバ10内に搬入された状態で下側を向く下面に、接着層Fが形成されている。
【0016】
図1に示すように、基板重ね合わせ装置100は、チャンバ10と、基板支持部20と、上側押え部30と、リフト部40と、軸部51と、アライメント装置60と、制御部Cと、を備える。制御部Cは、基板重ね合わせ装置100における各部の動作を統括して制御する。
【0017】
基板重ね合わせ装置100において、基板S1、S2を重ね合わせるには、まず、基板S1をチャンバ10内に搬入し、アライメント装置60で位置合わせした後、リフト部40で基板S1を上昇させ、上側押え部30で保持させる。その後、基板S2をチャンバ10内に搬入し、アライメント装置60で位置合わせした後、リフト部40で基板S2を上昇させ、上側押え部30に保持された基板S1と重ね合わせる。チャンバ10内に基板S2が搬入される際、基板S2は、接着層Fが上方(+Z方向)を向いた状態で搬入される。
【0018】
チャンバ10は、基板重ね合わせ装置100の基台15上に配置されている。チャンバ10は、基台15の外周部から上方に立ち上がる側壁10aと、側壁10aの上方を覆う天板10bとを有した箱状に形成されている。チャンバ10は、基板支持部20と、上側押え部30と、リフト部40と、軸部51の一部と、アライメント装置60とが収容されている。チャンバ10は、箱状に形成されており、側壁10aの一部に開口部11を有している。開口部11は、チャンバ10の-X側の面に形成され、チャンバ10の内部と外部と、を連通させる。開口部11は、搬送装置90に保持された基板S1、S2、さらに両者を重ね合わせた基板Sが通過可能な寸法に形成されている。
【0019】
基板S1、S2は、搬送装置90のアーム91によって開口部11を介してチャンバ10にそれぞれ搬入される。また、基板Sは、開口部11を介してチャンバ10内から搬出される。本実施形態では、搬送装置90は、平板状の2本のアーム91を備えており、チャンバ10に基板S1を搬入する際は、基板S1の上側から吸着して基板S1を保持し、基板S2を搬入する際、及び基板Sをチャンバ10から搬出する際は、基板S2、Sの下側から吸着して基板S2、Sを保持する。なお、アーム91は、基板S2、Sを搬送する際、基板S2、Sを吸着せずにアーム91の上面側に載置して保持する形態であってもよい。なお、アーム91は2本とは限らず、3本以上であってもよい。
【0020】
チャンバ10は、開口部11を開閉するゲートバルブ12を備えている。ゲートバルブ12は、チャンバ10の-X側の側面における外側に配置され、図示しない駆動部によって、例えば、上下方向(Z方向)にスライド可能である。ゲートバルブ12は、スライドすることにより開口部11を開閉する。なお、ゲートバルブ12で開口部11を閉じても、チャンバ10は、大気開放された状態となっている。また、開口部11を閉じることによりチャンバ10内を密閉状態にして、チャンバ10内を真空雰囲気としてもよい。また、チャンバ10の上面には、後述する軸部51が貫通する貫通部10hが設けられている。貫通部10hには、軸部51が挿入されている。なお、軸部51は、昇降可能に設けられてもよい。
【0021】
なお、基板重ね合わせ装置100は、チャンバ10を備えるか否かが任意であり、チャンバ10を備えない形態(大気開放型)であってもよい。チャンバ10内を真空雰囲気とする場合には、チャンバ10内は、図示しない吸引装置に接続される。この吸引装置によりチャンバ10内を吸引(排気)することにより、チャンバ10内を真空雰囲気にすることができる。さらに、チャンバ10は、内部の真空雰囲気を開放するために外部に対して開放可能なバルブを備えていてもよい。また、チャンバ10内は、図示しないガス供給装置に接続されてもよい。このガス供給装置からチャンバ10内に所定のガスを供給することでチャンバ10内を所定のガス雰囲気にすることができる。所定のガスとしては、例えば、窒素ガスなどの基板S1、S2に形成されている薄膜等に対して不活性なガス、又はドライエアなどが用いられる。
【0022】
基板支持部20は、チャンバ10内に搬入される基板S1、S2を下方から支持する。基板支持部20は、上方から見て円形状であるが、この形態に限定されず、例えば矩形状(正方形状、長方形状)、楕円形状、長円形状等であってもよい。基板支持部20は、基板S1、S2より大きい外径寸法に設定されている。
【0023】
基板支持部20は、支持プレート21と、ヒータ(加熱部)22と、ベースプレート23とを有する。支持プレート21、ヒータ22、及びベースプレート23は、下側(-Z側)からこの順番で積層されている。基板支持部20は、支持プレート21の下面側に設けられた複数の支柱24により支持されている。支持プレート21とヒータ22との間、及びヒータ22とベースプレート23との間は、例えばボルト等の締結部材により固定されている。支持プレート21、ヒータ22、及びベースプレート23には、後述するリフト部40のリフトピン41を貫通させる貫通孔20hが上下方向に複数設けられている。なお、ヒータ(加熱部)22を設けるか否かは任意であり、基板支持部20は、ヒータ(加熱部)22を備えていない形態であってもよい。
【0024】
支持プレート21は、例えば、金属、樹脂、セラミックス等の材質により形成された板状体である。ヒータ22は、加熱部の一例であり、例えば、内部に電熱線等の加熱機構(熱源)を有するホットプレートである。ヒータ22によりベースプレート23を介して基板S1、S2を加熱する。なお、ヒータ22は、シート状の熱源を挟んで積層された積層構造体であってもよい。ベースプレート23は、+Z側の面である上面23f側に基板S1、S2、及び基板Sが配置される。ベースプレート23は、例えば、セラミックスで形成される板状体であるが、金属、樹脂等で形成されてもよい。ベースプレート23の上面23fは、基板S2と接触する面であってもよい。従って、上面23fは、平面度が高くかつ面粗さが小さい(又は鏡面である)ことが好ましい。
【0025】
支柱24は、支持プレート21の下面に複数設けられている。複数の支柱24は、基板支持部20をチャンバ10の底部の基台15に支持するために用いられる。なお、支柱24の本数及び配置は、上記した形態に限定されず、基板支持部20を支持可能な任意の構成が適用される。
【0026】
図1に示すように、上側押え部30は、基板S1と基板S2とを重ね合わせる際に、上側の基板S1を基板S2側(基板支持部20側)に向かって押し付ける。上側押え部30は、軸部51の下部に設けられた基部31と、基部31の下面側に設けられた吸着パッド(保持部)32とを備える。基部31及び吸着パッド32は、例えば、上方から見て円形状であるが、この形態に限定されず、例えば、矩形状(正方形状、長方形状)、楕円形状、長円形状等であってもよい。基部31及び吸着パッド32は、基板S1、S2より小さい外径寸法に設定されている。なお、基部31及び吸着パッド32の外径寸法は任意に設定可能である。
【0027】
上側押え部30は、軸部51の下端に設けられており、上下方向に位置が固定されている。ただし、軸部51が昇降可能である場合には、上側押え部30は、軸部51と一体で昇降する形態であってもよい。吸着パッド32は、下面32aを吸着面として、リフトピン41に支持された上昇してきた基板S1の上面を吸着して基板S1を保持可能である。吸着パッド32は、基部31に対して、例えばボルト等の締結部材により固定されている。吸着パッド32の構成は任意であり、例えば、真空吸着パッド、静電吸着パッドなどが用いられる。また、上側押え部30は、ヒータ(加熱部)を備える形態であってもよい。また、上側押え部30がヒータを備える形態に代えて、チャンバ10内を加熱するヒータが設けられる形態であってもよい。
【0028】
リフト部40は、基板支持部20の下方に設けられている。リフト部40は、基板支持部20の上方において基板S1、S2、Sを支持し、この基板S1、S2、Sを昇降させる。リフト部40は、チャンバ10内に搬入された基板S1、S2のそれぞれを、アライメント装置60で位置合わせするため、支持した基板S1、S2を下降させ、基板支持部20上に載せる。リフト部40は、アライメント装置60で位置合わせした基板S1を、吸着パッド32に保持させるため、支持した基板S1を上昇させる。リフト部40は、アライメント装置60で位置合わせした基板S2を、基板S1に重ね合わせるため、基板S2を上昇させる。
【0029】
リフト部40は、複数のリフトピン41と、これらリフトピン41の下端に連結されてZ方向に昇降する移動部42と、移動部42を昇降させるリフトピン駆動部43と、を有している。複数のリフトピン41は、基板支持部20の中央部に配置されている。複数のリフトピン41は、基板S1、S2の中央部に下方から突き当たることで、基板S1、S2を支持する。なお、リフトピン41は、基板S1、S2を基板支持部20上に載せた後、上端が基板S1、S2と非接触となる。
【0030】
図4は、基板支持部20を上方から視た平面図である。図4に示すように、リフトピン41は、基板支持部20に設けられた複数の貫通孔20hをそれぞれ貫通して配置される。複数のリフトピン41の上端の高さは同一又はほぼ同一に揃えられている。リフトピン41は、例えば、非導電性を有する材質(例えば樹脂、金属、セラミックスなど)で形成されてもよい。
【0031】
図1に示すように、移動部42は、リフトピン駆動部43を駆動させることにより昇降する。複数のリフトピン41は、移動部42の昇降に伴って同時に昇降する。リフトピン駆動部43は、例えば電動の回転モータ、リニアモータ、エアーシリンダ装置、油圧シリンダ装置等が用いられ、図示しない伝達機構により駆動力が移動部42に伝達される。
【0032】
図5は、図4のA―A矢視断面図である。図4図5に示すように、基板支持部20は、支持部材80を備えている。支持部材80は、アライメント装置60により基板S1の位置決めを行う際に、基板S1の下面外周部F1を下方から支持する。支持部材80は、基板支持部20のベースプレート23に設けられる。
【0033】
支持部材80は、基板S1を支持したリフトピン41が下降した際に、基板S1の下面外周部F1に当接して基板S1を支持する。支持部材80は、基板支持部20の周方向に間隔をあけて3個所以上設けられている。支持部材80は、例えば、基板支持部20の周方向に間隔を開けて、例えば4箇所に設けられている。支持部材80は、例えば、基板支持部20の上面から突出するピン81である。ピン81を、基板S1、S2の下面外周部F1に当接させることで、簡易な構成で基板S1、S2を安定して支持することができる。
【0034】
ピン81の先端の形状は、半球状に限らず、適宜他の形状としてもよい。また、支持部材80の構成は適宜変更である。さらには、支持部材80を備えず、ベースプレート23の上面23fから上方に出没するように構成された複数本のリフトピンにより、基板S1、S2を下方から支持するようにしてもよい。
【0035】
図1図4に示すように、アライメント装置60は、基板支持部20に対して、基板S1、S2の位置決めを行う。アライメント装置60は、外周部にノッチ99が形成された基板S1、S2を位置決めする。アライメント装置60は、一対の第1ブロックユニット61と、一対の第2ブロックユニット62と、回転規制部63と、を備える。一対の第1ブロックユニット61は、回転規制部63に対して基板S1、S2を挟んだ一方側に配置される。一対の第2ブロックユニット62は、一対の第1ブロックユニット61に対し、回転規制部63に対して基板S1、S2を挟んだ他方側に配置される。
【0036】
一対の第1ブロックユニット61は、基板支持部20の中心軸AX回りの周方向において間隔をあけて配置される。本実施形態において、一対の第1ブロックユニット61は、中心軸AX周りの周方向で、例えば90度の角度で間隔をあけて配置される。各第1ブロックユニット61は、第1ブロック61aと、第1ブロック駆動部64と、を備える。
【0037】
第1ブロック61aは、基板支持部20に支持される基板S1、S2の径方向に延びるガイド部材61sに沿って、進退可能に設けられる。第1ブロック61aは、基板S1、S2の径方向内側に前進したときに、基板S1、S2の外周部に当接可能である。第1ブロック駆動部64は、第1ブロック61aを、基板S1、S2の径方向に進退させる。第1ブロック駆動部64は、例えば、電動の回転モータ、エアーシリンダ装置、油圧シリンダ装置等が用いられる。第1ブロック駆動部64は、制御部Cにより、その動作が制御される。
【0038】
一対の第2ブロックユニット62は、基板S1、S2の周方向において間隔をあけて配置される。本実施形態において、一対の第2ブロックユニット62は、中心軸AX周りの周方向で、例えば90度の角度で間隔をあけて配置される。一対の第2ブロックユニット62のそれぞれは、一対の第1ブロックユニット61のそれぞれに対し、基板支持部20の中心軸AXを挟んで対向して配置される。各第2ブロックユニット62は、第2ブロック62aと、第2ブロック駆動部65と、を備える。
【0039】
第2ブロック62aは、基板支持部20に支持される基板S1、S2の径方向に延びるガイド部材62sに沿って、進退可能に設けられる。第2ブロック62aは、基板S1、S2の径方向内側に前進したときに、基板S1、S2の外周部に当接可能である。第2ブロック駆動部65は、第2ブロック62aを、基板S1、S2の径方向に進退させる。第2ブロック駆動部65は、例えば、電動の回転モータ、エアーシリンダ装置、油圧シリンダ装置等が用いられる。第2ブロック駆動部65は、制御部Cにより、その動作が制御される。第2ブロック駆動部65は、第2ブロック62aを、基板S1、S2の外周部に向けて押圧するよう、弾性的に支持する弾性部材66を備える。弾性部材66は、例えばコイルスプリングである。
【0040】
回転規制部63は、基板S1、S2の周方向において、一対の第2ブロックユニット62の間に配置される。回転規制部63は、ノッチピン67と、ピン駆動部68と、ピン付勢部材69と、を備える。ノッチピン67は、基板S1,S2のノッチ99に挿入可能である。ノッチピン67の先端部は、上方から見て半円形状に形成される。ピン駆動部68は、ノッチピン67を基板S1、S2の径方向に進退させる。ピン駆動部68は、例えば、電動の回転モータ、エアーシリンダ装置、油圧シリンダ装置等が用いられる。ピン駆動部68は、制御部Cにより、その動作が制御される。ピン付勢部材69は、ノッチピン67を基板S1、S2の径方向内側に向かって付勢する。ノッチピン67が基板S1、S2のノッチ99に挿入されることで、基板S1、S2の周方向への移動が規制される。
【0041】
アライメント装置60は、複数のブロックとして、一対の第1ブロックユニット61の第1ブロック61aと、一対の第2ブロックユニット62の第2ブロック62aと、を有する。複数のブロックとしての、一対の第1ブロック61aと、一対の第2ブロック62aとは、基板支持部20に載置された基板S1、S2を、基板S1、S2の周方向に間隔をあけた複数個所で、基板S1、S2の表面に沿った方向から挟み込む。アライメント装置60において、回転規制部63のノッチピン67は、基板支持部20に載置された基板S1、S2のノッチ99に挿入される。この構成により、基板S1、S2は、周方向への回転が拘束された状態で、位置合わせされる。
【0042】
アライメント装置60において、一対の第1ブロック61aは、回転規制部63のノッチピン67に対して、基板S1、S2を挟んだ反対側に配置される。一対の第1ブロック61aは、ノッチピン67に対し、基板S1、S2の中心を挟んだ径方向の反対側で、周方向の両側に間隔をあけて配置される。一対の第1ブロック61aは、ノッチピン67に対して基板S1、S2を挟んだ反対側で、基板S1、S2の外周部に当接可能に配置される。一対の第2ブロック62aは、一対の第1ブロック61aに対して基板S1、S2を挟んだ反対側に配置される。一対の第2ブロック62aは、ノッチ99から外れた基板S1、S2の周方向の両側に間隔をあけて配置される。
【0043】
一対の第2ブロック62aは、ノッチ99を挟んだ基板S1、S2の周方向の両側で、基板S1、S2の外周部に当接可能に配置される。これら一対の第1ブロック61a、及び一対の第2ブロック62aが基板S1、S2に当接することで、基板S1、S2の表面に沿った方向における基板S1、S2の位置が規定される。第1ブロック61a、第2ブロック62a、及びノッチピン67は、基板S1、S2が帯電するのを防止するため、導電性を有する材料で形成されるのが好ましい。
【0044】
一対の第2ブロック62aは、ピン付勢部材69によって基板S1、S2の外周部に向けて押圧されることで、基板S1,S2を弾性的に支持する。また、ノッチピン67は、ピン付勢部材69によって基板S1、S2の径方向内側に付勢されることで、ノッチ99に確実に係合する。第1ブロック61a、第2ブロック62a、及び回転規制部63は、基板S1、S2の外周部に対する当接力が、第2ブロック62a、第1ブロック61a、ノッチピン67の順で強くなるように設定されている。
【0045】
アライメント装置60の動作は、制御部Cによって制御される。制御部Cは、例えば、図示しない他のユニットで取得した基板S1、S2の形状、直径、ノッチ99の位置等を読み込み、基板S1、S2に対してそれぞれのアライメント位置を決めてから、アライメント装置60を動作させる。基板S1、S2のアライメント調整を行う際、ノッチピン67は、制御部Cの制御によって作動するピン駆動部68により、基板S1、S2の径方向の内側に前進し、ノッチ99に挿入される。一対の第1ブロック61aは、制御部Cの制御によって作動する第1ブロック駆動部64により、基板S1、S2の径方向の内側に前進する。一対の第1ブロック61aは、制御部Cが予め取得している基板S1、S2の外径寸法に基づいた位置に配置される。
【0046】
一対の第2ブロック62aは、制御部Cの制御により作動する第2ブロック駆動部65により、基板S1、S2の径方向の内側に向かって前進し、基板S1、S2の外周部に当接する。一対の第2ブロック62aは、第2ブロック駆動部65により、基板S1、S2の外周部に押し付けられる。各第2ブロック62aが、基板S1、S2の外周部を径方向の内側に押圧することで、基板S1、S2は、基板S1、S2を挟んだ反対側の第1ブロック61aに突き当たる。第2ブロック駆動部65は、一対の第2ブロック62aのうち一方を基板S1、S2の外周部に押し付けた後に、一対の第2ブロック62aのうち他方を基板S1、S2の外周部に押し付ける。
【0047】
第2ブロック駆動部65は、一対の第2ブロック62aのそれぞれについて、基板S1、S2の外周部に押し付ける動作と、基板S1、S2の外周部から退避させる動作とを交互に定められた回数繰り返す。この動作により、基板S1、S2は、基板S1、S2の外径寸法に基づいた位置に固定された一対の第1ブロック61aを基準として位置決めされる。基板S1、S2の周方向における位置は、ノッチ99にノッチピン67が挿入されることで規定される。
【0048】
図4に示すように、複数の第1ブロック61a、及び第2ブロック62aのそれぞれは、複数のピン81に対し、基板支持部20の周方向にずれた状態で配置される。この構成により、アライメント装置60で基板S1、S2の位置決めを行う際に、複数の第1ブロック61a、及び第2ブロック62aを基板S1、S2の表面に沿った方向に進退して基板S1、S2を挟み込むときに、第1ブロック61a、及び第2ブロック62aとピン81との干渉が生じるのを抑えることができる。
【0049】
<基板重ね合わせ方法>
次に、実施形態に係る基板重ね合わせ方法について説明する。図6は、実施形態に係る基板重ね合わせ方法の一例を示すフローチャートである。図7は、図6に続いて、実施形態に係る基板重ね合わせ方法の一例を示すフローチャートである。この基板重ね合わせ方法は、例えば、制御部Cからの指示により実行される。図8から図18は、基板重ね合わせ装置100の動作の一例を示す工程図である。なお、これらの工程図では、各部の動きが分かり易くなるように、記載を簡略化している。以下、図6図7のフローチャートに沿って説明する。
【0050】
まず、チャンバ10のゲートバルブ12を開き、基板を搬入する(ステップS01)。図8に示すように、制御部Cは、図示しない駆動部を駆動させてゲートバルブ12を上昇させ、開口部11を開放させる。続いて、基板S1(上側基板)をチャンバ10内に搬入する。このとき、制御部Cは、リフトピン41を基板S1の受け渡し高さまで、上昇させておく。搬送装置90のアーム91は、下面側に基板S1を保持した状態で開口部11からチャンバ10の内部に進入し、基板S1をリフトピン41の上方に配置させる。アーム91は、下面に設けられた図示しない吸着パッド等により基板S1を吸着保持する。なお、基板S1は、チャンバ10への搬入に先立ち、外径寸法、ノッチ99の周方向における位置等が測定されている。基板S1は、ノッチ99の周方向における位置を、所定の位置に合わせた状態で、アーム91に保持される。
【0051】
その後、制御部Cは、アーム91を下降させて、基板S1をアーム91からリフトピン41に渡す(ステップS02)。リフトピン41は、基板S1の下面内周部F2の中央部に下方から突き当たる。その後、アーム91は、チャンバ10から退出する。なお、基板S1が接着層Fを備えている場合、基板S1は、チャンバ10内への搬入時に、接着層Fが下側になっている。
【0052】
続いて、制御部Cは、図9に示すように、基板S1を支持しているリフトピン41を下降させ、基板S1を基板支持部20の複数の支持部材80(ピン81)上に載置する(ステップS03)。このとき、リフトピン41は、複数の支持部材80(すなわち基板S1の下面)よりも下方位置まで下降させ、基板S1を複数の支持部材80で支持させる。この構成により、基板S1は、リフトピン41と非接触となり、下面外周部F1に下方から接する複数の支持部材80のみによって支持された状態となる。また、ヒータ22により基板S1を加熱してもよい。
【0053】
続いて、基板S1に対してアライメント動作を行う(ステップS04)。基板S1に対するアライメント動作は、後に詳述するように、アライメント装置60によって行う。
【0054】
アライメント動作の後、制御部Cは、リフトピン41を上昇させることで基板S1を上方に持ち上げる。続いて、基板S1を吸着パッド32で保持させる(ステップS05)。
【0055】
続いて、基板S2(下側基板)を、チャンバ10内に搬入する(ステップS06)。図10に示すように、制御部Cは、リフトピン41を基板S2の受け渡し高さまで下降させる。その後、アーム91によって基板S2をチャンバ10内に搬入してリフトピン41の上方に配置させる。アーム91は、下面側に基板S2を吸着して保持している。その後、制御部Cは、アーム91を下降させて、基板S2をアーム91からリフトピン41に渡す。その後、アーム91は、チャンバ10から退出する。なお、基板S2は、チャンバ10内への搬入時に、接着層Fが上側になっている。
【0056】
続いて、ゲートバルブ12を閉じて、基板のベーク処理を行う(ステップS07)。
【0057】
続いて、図11に示すように、リフトピン41を下降させて基板S2を基板支持部20に載置させる。リフトピン41は、複数の支持部材80よりも下方位置まで下降させ、基板S2を複数の支持部材80のみで支持させる。この構成により、基板S2は、リフトピン41と非接触となり、下面外周部F1に下方から接する複数の支持部材80によって支持された状態となる。その後、ヒータ22により基板S2を加熱して、大気開放された状態でベーク処理を行ってもよいし、チャンバ10内を真空雰囲気下とした状態でベーク処理を行ってもよい。
【0058】
続いて、基板S2に対してアライメント動作を行う(ステップS08)。ここでのアライメント動作は、上記ステップS04と同様、後に詳述するように、アライメント装置60により行う。従って、基板S1と基板S2とは、平面視でほぼ同じ位置に位置決めされる。このとき、基板S2は、複数の支持部材80によって下面外周部F1で支持されている。このため、基板S2を位置決めするため、アライメント装置60により、基板S2を基板S2の下面に沿った面内で移動させると、複数の支持部材80と基板S1の下面外周部F1との間でのみ、擦れが生じる。ステップS08のアライメント動作は、ステップS04のアライメント動作と同様である。
【0059】
続いて、制御部Cは、図12に示すように、リフトピン41を上昇させることで基板S2を上昇させ、基板S1と基板S2とを重ね合わせる(ステップS09)。このとき、上側押え部30の吸着パッド32が基板S1の上面側を押さえており、リフトピン41により基板S2が上昇して基板S1に重ね合わされることで基板S1と基板S2とが重ね合わされる。つまり、吸着パッド32は、基板S1を保持する保持部として機能するとともに、基板S1の上面に当接して基板S1の上面を押さえる機能の双方を有する。ステップS09では、基板S1の接着層Fと基板S2の接着層Fとが当接することで、基板S1と基板S2とが重ね合わされる。なお、基板S1と基板S2とが重ね合わされる力は、リフトピン41が上昇する力によって制御される。なお、リフトピン41の上昇に代えて、基板S1を保持する上側押え部30を下降させてもよいし、リフトピン41を上昇させかつ上側押え部30を下降させてもよい。
【0060】
続いて、基板S1に対する吸着パッド32の吸着を解除する(ステップS10)。制御部Cは、基板S1と基板S2とを重ね合わせた後、吸着パッド32による基板S1への吸着を解除させる。リフトピン41を下降させて、重ね合わせが終了した基板Sを搬出用の高さに配置させる。この工程により、基板Sは、基板支持部20及び上側押え部30の双方から離れる。続いて、ゲートバルブ12を開いて基板Sをチャンバ10から搬出する(ステップS11)。
【0061】
ゲートバルブ12を上昇させて開口部11を開放した後、搬送装置90のアーム91を開口部11からチャンバ10の内部に進入させ、リフトピン41で支持する基板Sの下方にアーム91を配置させる。その後、制御部Cは、アーム91を上昇させて、アーム91の上面に基板Sを吸着保持させることにより、基板Sをリフトピン41からアーム91に渡す。なお、アーム91は、基板Sを吸着保持せず、アーム91の上面に基板Sを載置させて保持する形態であってもよい。その後、アーム91がチャンバ10から退出することで、基板Sがチャンバ10の外部に搬出される。その後、制御部Cは、ゲートバルブ12を閉じて、一連の処理を終了させる。
【0062】
<アライメント方法>
次に、実施形態に係るアライメント方法について説明する。図13は、実施形態に係るアライメント方法の一例を示すフローチャートである。このアライメント方法は、上記ステップS04,S08において、例えば、制御部Cからの指示により実行される。図14から図18は、アライメント装置60の動作の一例を示す工程図である。なお、これらの工程図では、各部の動きが分かり易くなるように、記載を簡略化している。
【0063】
また、ステップS04では、基板S1に対し、アライメント装置60によりアライメント動作が行われる。ステップS08では、基板S2に対し、アライメント装置60によりアライメント動作が行われる。つまり、本実施形態に係るアライメント方法は、ステップS04では、基板S1をアライメント対象とするのに対し、ステップS08では、基板S1をアライメント対象とする点のみが異なり、アライメント装置60の動作は共通である。以下、図13のフローチャートに沿って説明する。
【0064】
ステップS04、S08の開始段階で、基板S1、S2は、複数の支持部材80で支持されている。図14に示すように、制御部Cは、ピン駆動部68を駆動してノッチピン67を基板S1、S2のノッチ99に挿入する(ステップS041)。ノッチピン67がノッチ99に挿入されることで、基板S1、S2の周方向への移動(回転)が規制される。
【0065】
続いて、制御部Cは、予め取得した基板S1、S2の外径寸法に基づき、第1ブロック駆動部64を駆動して、図15に示すように、一対の第1ブロック61aを基板S1、S2の径方向の内側に前進させ、基板S1、S2の外径寸法に基づいた所定の位置に配置する(ステップS042)。このときの基板S1、S2の位置によっては、一対の第1ブロック61aは、基板S1、S2に当接しないこともある。
【0066】
続いて、制御部Cは、第2ブロック駆動部65を駆動して、図16に示すように、一対の第2ブロック62aのうちの一方を基板S1、S2の径方向の内側に前進させ、基板S1、S2の外周面に当接させる(ステップS043)。一方の第2ブロック62aは、制御部Cが予め取得した基板S1、S2の外径寸法に基づき、所定の位置まで前進し、基板S1、S2を押圧する。基板S1、S2は、基板S1、S2を押圧する一方の第2ブロック62aと、この第2ブロック62aに基板S1、S2を挟んで対向する第1ブロック61aとに挟み込まれる。
【0067】
続いて、制御部Cは、第2ブロック駆動部65を駆動して、図17に示すように、一対の第2ブロック62aのうちの他方を基板S1、S2の径方向の内側に前進させ、基板S1、S2の外周面に当接させる(ステップS044)。他方の第2ブロック62aは、制御部Cが予め取得した基板S1、S2の外径寸法に基づき、所定の位置まで前進し、基板S1、S2を押圧する。その結果、基板S1、S2は、基板S1、S2を押圧する一対の第2ブロック62aと、一対の第1ブロック61aとに挟み込まれる。
【0068】
その後、制御部Cは、第2ブロック駆動部65を駆動して、一対の第2ブロック62aの双方を、基板S1、S2の径方向の外側に退避させる(ステップS045)。続いて、制御部Cは、第2ブロック駆動部65を駆動して、一対の第2ブロック62aのうちの他方を基板S1、S2の径方向の内側に前進させ、基板S1、S2の外周面に当接させる(ステップS046)。ステップS046では、一対の第2ブロック62aのうち、ステップS044で基板S1、S2に当接させた、他方の第2ブロック62aを先に基板S1、S2に当接させる。
【0069】
続いて、制御部Cは、第2ブロック駆動部65を駆動して、一対の第2ブロック62aのうちの一方を基板S1、S2の径方向の内側に前進させ、基板S1、S2の外周面に当接させる(ステップS047)。ステップS047では、上記したステップS044と同様に、基板S1、S2は、一対の第2ブロック62aと、一対の第1ブロック61aとに挟み込まれる。ステップS043からS047で示すように、基板S1、S2に対して先に当接させる第2ブロック62aを変えて基板S1、S2を挟み込むことで、基板S1、S2を適切にアライメントすることができる。
【0070】
その後、ステップS043からS047を予め設定された回数だけ繰り返したか否かを確認する(ステップS048)。ステップS043からS047を繰り返した回数が、設定された回数に到達していなければ(ステップS048のNo)、制御部Cは、第2ブロック駆動部65を駆動して、一対の第2ブロック62aの双方を、基板S1、S2の径方向の外側に退避させる(ステップS049)。一対の第2ブロック62aを退避させた後、ステップS043に戻り、ステップS043以降の処理を繰り返す。ステップS043からS047を繰り返した回数が、設定された回数に到達した場合(ステップS048のYes)、ステップS050に進む。つまり、制御部Cは、第2ブロック駆動部65を駆動して、一対の第2ブロック62aを順番に基板S1、S2の外周部に押し付ける動作と、基板S1、S2の外周部から退避させる動作とを交互に設定された回数だけ繰り返す。この動作により、基板S1、S2は、基板S1、S2の外径寸法に基づいた位置に固定された一対の第1ブロック61aを基準として適切にアライメントされる。
【0071】
続いて、制御部Cは、ピン駆動部68を駆動してノッチピン67を基板S1、S2の径方向の外側に後退させ、ノッチ99から退避させる(ステップS050)。続いて、制御部Cは、第2ブロック駆動部65を駆動して、一対の第2ブロック62aを、基板S1、S2の径方向の外側に後退させ、基板S1、S2の外周面から退避させる(ステップS051)。ステップS051では、例えば、一対の第2ブロック62aの双方が同時に基板S1、S2の外周面から退避する。
【0072】
続いて、制御部Cは、第1ブロック駆動部64を駆動して、一対の第1ブロック61aを、基板S1、S2の径方向の外側に後退させ、基板S1、S2の外周面から退避させる(ステップS052)。ステップS052では、例えば、一対の第1ブロック61aの双方が同時に基板S1、S2の外周面から退避する。ステップS052が実行されることで、図18に示すように、第1ブロック61a及び第2ブロック62aが基板S1、S2から離れた状態となる。この一連の動作により、ステップS04、S08におけるアライメント動作が終了する。
【0073】
このように、本実施形態に係るアライメント装置60は、回転規制部63を基板S1、S2のノッチ99に挿入するとともに、基板S1、S2を複数のブロック61a、62aで基板S1、S2の表面に沿った方向から挟み込む。従って、基板S1、S2の回転を拘束しつつ、基板S1、S2のアライメントを行うことができる。その結果、基板S1、S2のアライメントを行う際に基板S1、S2の周方向における位置決めを行い、基板S1、S2どうしを良好な品質で重ね合わせることが可能となる。
【0074】
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態及び変形例に限定されない。上記した実施形態及び変形例に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは当業者において明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。上記した実施形態及び変形例で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態及び変形例で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、実施形態及び変形例において示した各動作の実行順序は、前の動作の結果を後の動作で用いない限り、任意の順序で実現可能である。また、上記した実施形態における動作に関して、便宜上「まず」、「次に」、「続いて」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須ではない。
【0075】
また、上記した実施形態では、2枚の基板S1と基板S2とを重ね合わせる形態を例に挙げて説明しているがこの形態に限定されない。例えば、基板S1と基板S2とを重ね合わせた基板Sに、さらに他の基板を重ね合わせる形態であってもよい。
【0076】
また、上記した実施形態では、基板S2をアライメント装置60で位置決めする際、基板S1を吸着パッド32で吸着保持するようにしたが、これに限られない。基板S1は、基板支持部20の上方に配置した複数のスペーサにより、基板S1の外周部を挟み込んで支持するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10・・・チャンバ
20・・・基板支持部
30・・・上側押え部
41・・・リフトピン
60・・・アライメント装置
61a・・・第1ブロック
62a・・・第2ブロック
63・・・回転規制部
64・・・第1ブロック駆動部
65・・・第2ブロック駆動部
66・・・弾性部材
67・・・ノッチピン
68・・・ピン駆動部
69・・・ピン付勢部材
99・・・ノッチ
100・・・基板重ね合わせ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図18