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特開2024-69333セラミックベースプレートを備えるマルチプレート静電チャック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069333
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】セラミックベースプレートを備えるマルチプレート静電チャック
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240514BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240514BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240514BHJP
   C23C 14/50 20060101ALI20240514BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
C23C14/50 A
C23C16/458
【審査請求】有
【請求項の数】50
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024034459
(22)【出願日】2024-03-07
(62)【分割の表示】P 2020544427の分割
【原出願日】2019-02-15
(31)【優先権主張番号】15/903,682
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン・フェン
(72)【発明者】
【氏名】ガフ・キース
(72)【発明者】
【氏名】キンボール・クリストファー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板処理システムのための静電チャック及びその基板処理システムを提供する。
【解決手段】静電チャック200は、基板に静電気的にクランプするように構成され、セラミックで形成されたトッププレート202と、トッププレートの下方に配置された中間層204と、中間層の下方に配置され、セラミックで形成されたベースプレート206と、を備える。中間層は、トッププレートをベースプレートに結合する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムのための静電チャックであって、
基板に静電気的にクランプするように構成され、セラミックで形成されたトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された中間層と、
前記中間層の下方に配置され、セラミックで形成されたベースプレートと、を備え、
前記中間層は、前記トッププレートを前記ベースプレートに結合する、静電チャック。
【請求項2】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートのセラミック純度は、90%以上である、静電チャック。
【請求項3】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートのセラミック純度は、95%以上である、静電チャック。
【請求項4】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートのセラミック純度は、99.9%以上である、静電チャック。
【請求項5】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、
ベース層と、
前記ベース層に配置された保護被覆層と、を備え、
前記保護被覆層は、前記ベース層と前記中間層との間に配置される、静電チャック。
【請求項6】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、第1部分および第2部分を備え、
前記第1部分は、前記第2部分から上向きに突出し、
前記中間層および前記トッププレートは、前記第1部分に配置される、静電チャック。
【請求項7】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、1つ以上のガス流路を備え、
前記1つ以上のガス流路は、前記トッププレートの下方に配置される、静電チャック。
【請求項8】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、第1層および第2層を備え、
前記第1層は、前記第2層の上方に配置され、
前記第1層は、第1ガス流路セットを備え、
前記第2層は、第2ガス流セットを備える、静電チャック。
【請求項9】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、複数の無線周波数(RF)電極を備える、静電チャック。
【請求項10】
請求項9に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、1つ以上のガス流路を備え、
前記複数のRF電極の1つ以上は、前記ベースプレートにおいて前記1つ以上のガス流路の上方に配置される、静電チャック。
【請求項11】
請求項9に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、第1部分および第2部分を備え、
前記第1部分は、前記第2部分から上向きに突出し、
前記複数のRF電極の1つ以上は、前記ベースプレートにおいて前記第1部分の径方向外側に配置される、静電チャック。
【請求項12】
請求項9に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレートに配置され、少なくとも部分的に前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングを備え、
前記ベースプレートは、前記トッププレートに向かって上向きに延びる凸部を備え、
前記凸部は、前記ベースプレート上の前記エッジリングの中心にある、静電チャック。
【請求項13】
請求項12に記載の静電チャックであって、
前記複数のRF電極の1つ以上は、前記ベースプレートにおいて前記エッジリングの下方に配置される、静電チャック。
【請求項14】
請求項1に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレート上に配置された、前記トッププレートに中心を置く、前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングを備える、静電チャック。
【請求項15】
請求項1に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレートに配置された、少なくとも部分的に前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングを備え、
前記エッジリングは、無線周波数電極または静電クランプ電極を備える、静電チャック。
【請求項16】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記トッププレートは、1つ以上の静電クランプ電極を備える、静電チャック。
【請求項17】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記トッププレートは、1つ以上の加熱素子を備える、静電チャック。
【請求項18】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、1つ以上の直流電極を備える、静電チャック。
【請求項19】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、複数の冷媒流路を備える、静電チャック。
【請求項20】
請求項19に記載の静電チャックであって、
前記複数の冷媒流路の少なくとも1つは、バイファイラ配置である、静電チャック。
【請求項21】
請求項19に記載の静電チャックであって、
前記複数の冷媒流路の少なくとも1つは、シングルファイラ配置である、静電チャック。
【請求項22】
請求項19に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、第1層および第2層を備え、
前記複数の冷媒流路は、第1冷媒流路セットおよび第2冷媒流路セットを含み、
前記第1層は、前記第1冷媒流路セットを備え、
前記第2層は、前記第2冷媒流路セットを備える、静電チャック。
【請求項23】
請求項1に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレートの底部から前記トッププレートの出口まで延びるガス流路を備え、
前記ガス流路は、少なくとも1つの多孔質媒体を含む、静電チャック。
【請求項24】
請求項1に記載の静電チャックであって、さらに、
前記中間層の径方向外側に配置された、前記中間層の保護を提供する環状シールを備える、静電チャック。
【請求項25】
基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置され、温度調節素子を含む請求項1に記載の静電チャックと、
前記トッププレートおよび前記ベースプレートの少なくとも1つに配置され、前記トッププレートの温度を検出するように構成された温度センサと、
前記温度センサの出力を受信するように構成された制御モジュールであって、前記トッププレートおよび前記ベースプレートの前記少なくとも1つの温度を調節するために、前記温度センサの前記出力に基づいてアクチュエータの動作を制御して前記1つ以上の温度調節素子の温度を調節する、制御モジュールと、
を備える、基板処理システム。
【請求項26】
請求項25に記載の基板処理システムであって、
前記1つ以上の温度調節素子は、加熱素子、ガス流路、および冷媒流路のうちの少なくとも1つを含み、
前記アクチュエータは、電源、冷媒ポンプ、ガスポンプ、または弁である、基板処理システム。
【請求項27】
請求項25に記載の基板処理システムであって、
前記温度センサは、前記ベースプレートに配置され、前記ベースプレートの温度を検出するように構成される、基板処理システム。
【請求項28】
請求項25に記載の基板処理システムであって、さらに、
前記ベースプレートに配置され、少なくとも部分的に前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングと、
前記ベースプレートにおいて前記エッジリングの下方に配置された無線周波数電極と、を備え、
前記温度センサは、前記ベースプレートに配置され、前記ベースプレートの領域の温度を検出するように構成され、
前記ベースプレートの前記領域は、前記エッジリングの下方である、基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2018年2月23日出願の米国実用特許出願第15/903,682の優先権を主張する。上記出願の全ての開示は、参照として本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、基板処理システムの静電チャックに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板のエッチング、堆積、および/または、他の処理を実施するために用いられてよい。基板上で実施されうるプロセスの例は、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)プロセス、物理気相堆積(PVD)プロセス、イオン注入プロセス、ならびに/または、他のエッチングプロセス、堆積プロセス、および洗浄プロセスを含むが、それらに限定されない。例として、エッチングプロセスの間、基板は、基板処理システム内の静電チャック(ESC)の上に配置されてよく、基板上の薄膜がエッチングされる。
【発明の概要】
【0005】
基板処理システムのための静電チャックが提供される。静電チャックは、基板に静電気的にクランプするように構成され、セラミックで形成されたトッププレートと、トッププレートの下方に配置された中間層と、中間層の下方に配置され、セラミックで形成されたベースプレートとを含む。中間層は、トッププレートをベースプレートに結合する。
【0006】
他の特徴では、ベースプレートのセラミック純度は、90%以上である。他の特徴では、ベースプレートのセラミック純度は、95%以上である。他の特徴では、ベースプレートのセラミック純度は、99.9%以上である。
【0007】
他の特徴では、ベースプレートは、ベース層と、ベース層の上に配置された保護被覆層とを含む。保護被覆層は、ベース層と中間層との間に配置される。
【0008】
他の特徴では、ベースプレートは、第1部分および第2部分を含む。第1部分は、第2部分から上向きに突出する。中間層およびトッププレートは、第1部分の上に配置される。
【0009】
他の特徴では、ベースプレートは、1つ以上のガス流路を含む。1つ以上のガス流路は、トッププレートの下方に配置される。
【0010】
他の特徴では、ベースプレートは、第1層および第2層を含む。第1層は、第2層の上方に配置される。第1層は、第1ガス流路セットを含む。第2層は、第2ガス流路セットを含む。
【0011】
他の特徴では、ベースプレートは、無線周波数(RF)電極を含む。他の特徴では、ベースプレートは、1つ以上のガス流路を含む。1つ以上のRF電極は、ベースプレートにおいて1つ以上のガス流路の上方に配置される。
【0012】
他の特徴では、ベースプレートは、第1部分および第2部分を含む。第1部分は、第2部分から上向きに突出する。1つ以上のRF電極は、ベースプレートにおいて第1部分の径方向外側に配置される。
【0013】
他の特徴では、静電チャックは、さらに、ベースプレート上に配置され、少なくとも部分的にトッププレートの径方向外側に配置されたたエッジリングを含む。ベースプレートは、トッププレートに向かって上向きに延びる凸部分を含む。凸部分は、ベースプレート上のエッジリングの中心にある。他の特徴では、1つ以上のRF電極は、ベースプレートにおいてエッジリングの下方に配置される。
【0014】
他の特徴では、静電チャックは、さらに、ベースプレート上に配置され、トッププレート上に中心が置かれたトッププレートの径方向外側にあるエッジリングを含む。他の特徴では、静電チャックは、さらに、ベースプレート上に配置され、少なくとも部分的にトッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングを含む。エッジリングは、無線周波数電極または静電クランプ電極を含む。他の特徴では、トッププレートは、1つ以上の静電クランプ電極を含む。他の特徴では、トッププレートは、1つ以上の加熱素子を含む。他の特徴では、ベースプレートは、1つ以上の直流電極を含む。
【0015】
他の特徴では、ベースプレートは、冷媒流路を含む。他の特徴では、少なくとも1つの冷媒流路は、バイファイラ配置である。他の特徴では、少なくとも1つの冷媒流路は、シングルファイラ配置である。他の特徴では、ベースプレートは、第1層および第2層を含む。冷媒流路は、第1冷媒流路セットおよび第2冷媒流路セットを含む。第1層は、第1冷媒流路セットを含む。第2層は、第2冷媒流路セットを含む。
【0016】
他の特徴では、静電チャックは、さらに、ベースプレートの底部からトッププレートの出口まで延びるガス流路を含む。ガス流路は、少なくとも1つの多孔質媒体を含む。他の特徴では、静電チャックは、さらに、中間層の径方向外側に配置され、中間層に保護を提供する環状シールを含む。
【0017】
他の特徴では、処理チャンバ、静電チャック、温度センサ、および制御モジュールを備える基板処理システムが提供される。静電チャックは、処理チャンバ内に配置される。静電チャックは、温度調節素子を含む。温度センサは、トッププレートおよびベースプレートの少なくともいずれかに配置され、トッププレートの温度を検出するように構成されている。制御モジュールは、温度センサの出力を受信するように構成され、トッププレートおよびベースプレートのうちの少なくとも1つの温度を調節するために、温度センサの出力に基づいてアクチュエータの動作を制御して1つ以上の温度調節素子の温度を調節する。
【0018】
他の特徴では、1つ以上の温度調節素子は、加熱素子、ガス流路、および冷媒流路の少なくとも1つを含み、アクチュエータは、電源、冷媒ポンプ、ガスポンプ、または弁である。他の特徴では、温度センサは、ベースプレートに配置され、ベースプレートの温度を検出するように構成されている。
【0019】
他の特徴では、基板処理システムは、さらに、エッジリングおよび無線周波数電極を含む。エッジリングは、ベースプレートに配置され、少なくとも部分的にトッププレートの径方向外側に配置される。無線周波数電極は、ベースプレートにおいてエッジリングの下方に配置される。温度センサは、ベースプレートに配置され、ベースプレートの領域の温度を検出するように構成されている。ベースプレートの領域は、エッジリングの下方である。
【0020】
本開示のさらなる適用範囲は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、説明の目的のみを意図し、本開示の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示は、発明を実施するための形態および添付の図面からより深く理解されるだろう。
【0022】
図1】本開示の実施形態によるESCを組み込んだ基板処理システムの例を示す機能ブロック図。
【0023】
図2】本開示の実施形態による、プレート、冷媒流路、裏面ガス流路、電極、および端子を組み込んだESCの一部分の例を示す断面側面図。
【0024】
図3】本開示の実施形態による、多孔質プラグを有するガス流路、センサ、中間層用のシール、ベースプレートの上部突出配置、静電端子を組み込んだESCの一部分の例を示す断面側面図。
【0025】
図4】本開示の実施形態によるリフトピン配置を表すESCの一部分の例を示す断面側面図。
【0026】
図5】本開示の実施形態によるESCの冷媒流路層の例を示す平断面図。
【0027】
図6】本開示の実施形態によるESCの冷媒流路層の例を示す平断面図。
【0028】
図7】本開示の実施形態による、エッジリングを含み、エッジリングの無線周波数(RF)電極の端子を表すESCの一部分の例を示す断面側面図。
【0029】
図8】本開示の実施形態による、ESCのトッププレートのRF電極の端子、またはトッププレートとエッジリングとの間のギャップ、および中間層用のシールとベースプレートとの周辺配置を表すESCの一部分の例を示す断面側面図。
【0030】
図9】本開示の実施形態によるESCのトッププレートの直流(DC)電極の端子を表すESCの一部分の例を示す断面図。
【0031】
図10】本開示の実施形態による多孔質プラグなしのガス流路を表すESCの一部分の例を示す断面図。
【0032】
図面では、類似および/または同一の要素を特定するために、参照番号は何度も用いられてよい。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ESCは、基板処理の間、基板を保持する。ESCは、例えば、真空処理チャンバにおいて、静電力を用いて基板を所定位置に保持する。ESCを冷却しながらESCの上に基板を静電気的にクランプするために、ESCは、誘電材料で形成された薄いトッププレートと、1つ以上の金属および/または金属複合材で形成されたバルクの(または、厚い)ベースプレートとを含む、2プレート配置を有してよい。従来のトッププレートは、トッププレートの電気的特性を維持するために、静電電極を含み、精密に制御された(すなわち、90%以上のセラミック純度を有する)セラミックで形成されてよい。精密に制御された厚いセラミック板を製造することは難しい。そのため、トッププレートは、通常、薄い(例えば、0.25インチ(0.635センチ)厚)。金属または複合金属材料(例えば、金属およびセラミックの化合物)のベースプレートを形成することによって、ベースプレートは、容易かつ安価に製造されうる。冷媒流路を含むように金属または複合金属材料からのベースプレートの形成および/または加工を安価に行う。また、金属または複合金属のプレートをろう付けプロセスによって結合することも容易である。
【0034】
ESCのベースプレートは、電極として機能してよく、RF電力を受信してよい。例えば、ベースプレートは、アルミニウムで形成されたベース層を含み、ベースプレートがRF電力を受信するRF電源に接続されてよい。ベースプレートは、通常、ベースプレートへのアーク発生を防止する保護被膜を提供するために、例えば、セラミック薄層で被覆される。保護被膜は、電気化学的陽極酸化プロセスによってアルミナで形成されてよい。溶射プロセスによってより厚い被覆層が形成されてよい。より高いRF電圧を含む、高まり続ける処理要件のため、2プレート配置は、複数の問題を有しうる。高アスペクト比(例えば、60:1)の深穴をエッチングもしくは穿設するために、および/または、高いプラズマ密度を生成してより迅速なエッチング性能を提供するために、高いRF電圧およびイオンエネルギが必要である。
【0035】
ベースプレート上のセラミック被膜は、高RF電圧で崩壊する可能性があり、それがベースプレートへのアーク放電を引き起こす可能性がある。セラミック被膜は、セラミック被膜と、金属または複合金属材料で形成されるベースプレートのベース層との間の熱膨張係数における差により割れる可能性がある。これにより、アーク放電が発生し、プロセス動作範囲が限定される可能性がある。また、トッププレートおよびベースプレートは異なる材料で形成されるため、熱膨張係数が異なる。その結果、トッププレートおよびベースプレートは、温度変化に伴って異なる速度で膨張し収縮する。これにより、特に動作温度において大きな変化および/または急速な変化を受けるときは、トッププレートとベースプレートと熱応力との間にズレが生じうる。また、ベースプレートが導電材料(すなわち、金属または複合金属材料)で形成されているため、ベースプレートは、ベースプレートに対して横方向のRF電圧の制御を限定する単電極として機能する。
【0036】
本明細書に記載の例は、ESCを提供する。ESCは、上記の問題なしで高RF電圧を処理することができるマルチプレート配置を含む。各ESCは、共にセラミックで形成されているトッププレートおよびベースプレートを含む。トッププレートおよびベースプレートの両方をセラミックで形成することによって、トッププレートおよびベースプレートの熱膨張係数間の差が最小になるため、トッププレートとベースプレートとの間の温度の不一致は、2プレート配置を有する従来のESCと比べて低減される。また、熱膨張係数の差を最小にすることによって、熱応力によるベースプレートの被覆層の高電圧ブレークダウンおよび/または割れの危険性は、従来のESCと比べて低減および/または削減される。その結果、ESCの使用可能な動作温度範囲は広がる。
【0037】
図1は、ESC101を組み込んだ基板処理システム100である。ESC101は、本明細書に開示のESCのいずれかと同様に、または類似して構成されてよい。図1は容量結合プラズマ(CCP)システムを示すが、本明細書に開示の実施形態は、トランス結合プラズマ(TCP)システム、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマシステム、誘導結合プラズマ(ICP)システム、および/または、他のシステム、ならびに基板支持体を含むプラズマ源に適用可能である。この実施形態は、PVDプロセス、PECVDプロセス、化学強化プラズマ気相堆積(CEPVD)プロセス、イオン注入プロセス、プラズマエッチングプロセス、ならびに/または、他のエッチング、堆積、および洗浄プロセスに適用可能である。
【0038】
ESC101は、トッププレート102およびベースプレート103を含む。プレート102およびプレート103の両方は、セラミック製であり、金属を含まない。一実施形態では、プレート102およびプレート103の両方は、精密に制御された(すなわち、90%以上の純度を有する)セラミックで形成される。セラミックの純度は、適用に応じて異なってよい。例として、プレート102およびプレート103のセラミック純度は、90%以上であってよい。一実施形態では、プレート102およびプレート103のセラミック純度は、95%以上である。別の実施形態では、プレート102およびプレート103のセラミック純度は、99.9%以上である。以下にさらに説明されるように、ベースプレート103は、全体がセラミック製であってよい、または、セラミック以外の材料で形成された薄保護被膜を含んでよい。薄保護被膜の例は、図2に示されている。いくつかの例として、プレート102およびプレート103は、アルミナ(Al23)、窒化アルミニウム(AIN)、炭化シリコン(SiC)、および/または他のセラミック材料で形成されてよい。薄保護被膜は、AIN、イットリア(Y23)、ジルコニア(ZrO2)、および/または他の適した材料で形成されてよい。プレート102、プレート103、他のトッププレートおよび他のベースプレート、ならびに開示のESCの他の特徴は、図1図10に示される例に関して以下にさらに説明される。図1図10のESCは、それぞれ特定の特徴を有して他の特徴を有していないように示されているが、各ESCは、本明細書および図1図10に開示の特徴のいずれかを備えるように修正されてよい。
【0039】
ESC101は、処理チャンバの底部に取り付けられ、回転するようには構成されていないように示されているが、ESC101および本明細書に開示の他のESCは、処理チャンバの底部または上部に取り付けられてよく、基板処理の間にスピンチャックとして回転されるように構成されてよい。ESCは、処理チャンバの上部に取り付けられた場合は、本明細書に開示の構成に似た構成を有してよいが、上下が反転され、外周基板支持ハードウェア、クランプハードウェア、および/または把持ハードウェアを含んでよい。
【0040】
基板処理システム100は、処理チャンバ104を含む。ESC101は、周囲を処理チャンバ104で囲まれている。処理チャンバ104は、上部電極105などの他の構成要素も取り囲み、RFプラズマを含む。動作中に、基板107は、ESC101のトッププレート102の上に配置され、静電気的にクランプされる。
【0041】
例えのみで、上部電極105は、ガスを導入し分配するシャワーヘッド109を含んでよい。シャワーヘッド109は、処理チャンバ104の上面に接続された一端を備えるステム部111を含んでよい。シャワーヘッド109は、一般に筒状であり、処理チャンバ104の上面から間隔をおいた位置でステム部111のもう一端から径方向外向きに延びる。基板に向いた面またはシャワーヘッド109は、プロセスガスまたはパージガスが流れる穴を含む。あるいは、上部電極105は、導電性プレートを含んでよく、ガスは、別の方法で導入されてよい。プレート102およびプレート103のいずれかまたは両方は、下部電極として機能してよい。
【0042】
プレート102およびプレート103のいずれかまたは両方は、温度制御素子(TCE)を含んでよい。例として、図1は、TCE110を含む、加熱プレートとして用いられるプレート102を示す。中間層114は、プレート102とプレート103との間に配置される。中間層114は、トッププレート102をベースプレート103に結合してよい。例として、中間層は、トッププレート102をベースプレート103に結合するのに適した接着材料で形成されてよい。ベースプレート103は、基板107の裏面に裏面ガスを、およびベースプレート103を通って冷媒を流すための1つ以上のガス流路115、および/または1つ以上の冷媒流路116を含んでよい。
【0043】
RF発生システム120は、RF電圧を生成し、上部電極105および下部電極(例えば、プレート102およびプレート103のいずれかまたは両方)にRF電圧を出力する。上部電極105およびESC101のいずれかは、DC接地されてよい、AC接地されてよい、または浮遊電位であってよい。例えのみでは、RF発生システム120は、1つ以上の整合分配ネットワーク124によって上部電極105および/またはESC101に供給されるRF電圧を生成する1つ以上のRF発生器122(例えば、容量結合プラズマRF電力発生器、バイアスRF電力発生器、および/または、他のRF電力発生器)を含んでよい。例として、プラズマRF発生器123、バイアスRF発生器125、プラズマRF整合ネットワーク127、およびバイアスRF整合ネットワーク129が示されている。プラズマRF発生器123は、例えば、6~10キロワット(kW)以上の電力を生成する高電力RF発生器であってよい。バイアスRF整合ネットワークは、プレート102およびプレート103のRF電極131およびRF電極133などのRF電極に電力を供給する。
【0044】
ガス配送システム130は、1つ以上のガス源132-1、ガス源132-2、・・・、およびガス源132-N(総称して、ガス源132)を含む(Nはゼロより大きい整数)。ガス源132は、1つ以上の前駆体およびそのガス混合物を供給する。ガス源132は、エッチングガス、キャリアガス、および/またはパージガスを供給してもよい。気化前駆体が用いられてもよい。ガス源132は、弁134-1、弁134-2、・・・、および弁134-N(総称して、弁134)、ならびに、マスフローコントローラ136-1、マスフローコントローラ136-2、・・・、およびマスフローコントローラ136-N(総称して、マスフローコントローラ136)によってマニホルド140に接続されている。マニホルド140の出力は、処理チャンバ104に供給される。例えのみでは、マニホルド140の出力は、シャワーヘッド109に供給される。
【0045】
基板処理システム100は、さらに、TCE110に接続されうる温度制御装置142を備える冷却システム141を含む。一実施形態では、TCE110は含まれない。温度制御装置142は、システムコントローラ160とは別々に示されているが、システムコントローラ160の一部として実装されてよい。プレート102およびプレート103のいずれかまたは両方は、複数の温度制御された区域(例えば、各区域に4つの温度センサを備える4区域)を含んでよい。
【0046】
温度制御装置142は、動作およびTCE110の温度を制御して、プレート102およびプレート103、ならびに基板(例えば、基板107)の温度を制御してよい。温度制御装置142および/またはシステムコントローラ160は、1つ以上のガス源132からガス流路115への流れを制御することによって、基板を冷却するためのガス流路115への裏面ガス(例えば、ヘリウム)の流量を制御してよい。温度制御装置142は、流路116を通る第1冷媒の流れ(冷却流体の圧力および流量)を制御するために、冷媒アセンブリ146と連通してもよい。第1冷媒アセンブリ146は、貯水槽(図示せず)から冷却流体を受け取ってよい。例えば、冷媒アセンブリ146は、冷媒ポンプおよび貯水槽を含んでよい。温度制御装置142は、ベースプレート103を冷却するために流路116を通じて冷媒を流すように冷媒アセンブリ146を操作する。温度制御装置142は、冷媒が流れる速度および冷媒の温度を制御してよい。温度制御装置142は、処理チャンバ104内のセンサ143からの検出パラメータに基づいて、TCE110に供給される電流、ならびに、流路115および流路116に供給されるガスおよび/または冷媒の圧力および流量を制御する。温度センサ143は、抵抗温度装置、熱電対、デジタル温度センサ、および/または他の適した温度センサ(例えば、温度センサ290として図3に示されるいくつかのセンサ)を含んでよい。エッチングプロセスの間に、基板107は、高電力プラズマの存在下で所定温度(例えば、120℃)だけ加熱されてよい。流路115および流路116を通るガスおよび/または冷媒の流れは、ベースプレート103の温度を低減し、基板107の温度を低減する(例えば、120℃から80℃まで冷却する)。
【0047】
弁156およびポンプ158は、処理チャンバ104から反応剤を排出するために用いられてよい。システムコントローラ160は、供給RF電力レベル、供給ガスの圧力および流量、RF整合などを制御することを含めて、基板処理システム100の構成要素を制御してよい。システムコントローラ160は、弁156およびポンプ158の状態を制御する。ロボット170は、基板をESC101の上に配送し、基板をESC101から取り除くために用いられてよい。例えば、ロボット170は、ESC101とロードロック172との間で基板を搬送してよい。ロボット170は、システムコントローラ160によって制御されてよい。システムコントローラ160は、ロードロック172の動作を制御してよい。
【0048】
電源180は、基板をトッププレート102に静電気的にクランプするために、高電圧を含む電力を電極182に提供する。電源180は、システムコントローラ160によって制御されてよい。
【0049】
弁、ガスポンプおよび/または冷媒ポンプ、電源、RF発生器などは、アクチュエータと呼ばれてよい。TCE、ガス流路、冷媒流路などは、温度調節素子と呼ばれてよい。
【0050】
次に図2を同様に参照すると、トッププレート202、中間層204、およびベースプレート(または、ボトムプレート)206を含むESCの部分200が示されている。トッププレート202は、中間層204を介してベースプレート206に結合されている。図のように、ベースプレート206は、保護被膜(または、最上層)208を有してよい。上述のように、プレート202およびプレート206は、セラミックで形成されてよく、保護被膜208は、AIN、イットリア(Y23)、ジルコニア(ZrO2)で形成されてよい。プレート202およびプレート206の両方、ならびに保護被膜208をセラミックおよび/または同じ材料で形成することによって、プレート202、プレート206、および保護被膜208の熱膨張係数間の差は最小になる。これにより、保護被膜208の高電圧ブレークダウンおよび/または割れが最小限になる、および/または解消される。つまり、対応するスタンドオフ電圧が増加する。
【0051】
図の例では、トッププレート202は、電源180から電力を受信しうる静電クランプ電極210を含む。静電クランプ電極210は、電源180に接続されうる端子に接続されてよい。静電クランプ電極用の端子を含む絶縁タワー(「コラム」と呼ばれることもある)の例が図3に示されている。
【0052】
ベースプレート206は、無線周波数(RF)電極212を含む。RF電極212は、バイアスRF整合ネットワーク129に接続されうる端子214から電力を受信してよい。端子214は、ベースプレート206の底部からRF電極212に延びる絶縁タワー216に配置される。RF電極212は、ベースプレート206の上面付近、および/またはベースプレート206の上面から所定距離以内に配置されてよい。RF電極212は、ベースプレート206にわたって径方向に異なるパターンで配置されてよい。対応する端子も、様々なパターンで配置されてよい。例として、端子は、互いから等間隔に置かれてよく、対応するESCの中心から等半径距離に配置されてよく、1つ以上の円に沿った地点に配置されてよい。
【0053】
トッププレート、ベースプレート、および/またはエッジリングに配置されうるRF電極212および本明細書に開示の他のRF電極は、独立して制御されてよい(すなわち、互いから独立して電力を受信する)、または集団で制御されてよい(すなわち、2つ以上のRF電極が同期間中に同じ電源から電力を受信する)。RF電極は、独立して制御されるときは、異なる回数で起動および停止されてよく、また異なる電圧および電流レベルを受信してよい。RF電極が独立して給電されないときは、同じ集団内のRF電極は、同時に起動され、同時に停止され、同じ電圧および電流レベルを受信してよい。RF電極の集団は、独立して制御されてよい。RF電極の規定パターンおよび制御は、基板処理中のESCの上面全体の温度、およびそれにより基板の温度に対する制御を高め、ESCおよび基板の上面にわたるRF電力および電圧に対する制御を高めることで、エッチングプロセスおよび/または堆積プロセスの制御を高める。
【0054】
1つ以上のRF電極212(212a)は、ベースプレート206のベース層219から上向きに突出する部分218に配置されてよい。ベースプレート206は、保護被膜208およびベース層219を含んでよい。ベースプレート206は、1つ以上の平坦な上面を有してよく、1つ以上の段差を含んでよい。図の例では、ベースプレート206は、部分218からベース層219に下がる1つの段差を有する。部分218は、最上(または、上)面221を有し、ベース層219は、フランジ225において最上(または、上)面223を有する。面221および面223の粗さは、例えば、トッププレート202とベースプレート206との間の熱エネルギ移動をさらに制御するために、ベースプレート206の形成中に制御されてよい。部分218は、ベース層219の外径より小さい外径を有し、トッププレート202の外径より小さい。トッププレート202は、ベースプレート206の外径より小さい外径を有する。規定の直径は、適用および対応する構成要素の構成に応じて変化してよい。
【0055】
1つ以上のRF電極212(212b)は、図のように、ベース層219の外周付近に配置されてよい。電極212bは、ベース層219において部分218に中心を置くエッジリングの下方に配置されてよい。部分218は、ベースプレート206の上で他のチャンバ部品(例えば、第2エッジリング)の中心を置くように成形(例えば、円錐形または円錐形の変形)されてよく、他のチャンバ部品と部分218との間のギャップを最小にしてよい。第2エッジリングの例は、図7に示されている。
【0056】
1つ以上のRF電極212(212c)は、部分218ではないベース層219に配置されてよく、部分218の外周の径方向内側の点からベース層219の外周の径方向内側の点まで延びてよい。ベース層219は、複数の層を含んでよい。各層は、対応する冷媒流路および/またはガス流路を有してよい。RF電極212および/または本明細書に開示の他の電極は、例えば、タングステン(W)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、および/または他の導電材料で形成されてよい。
【0057】
ベースプレートに十分な強度および耐久性を提供し、優れた熱伝達特性を有する本明細書に開示の埋設流路を備えるために、ベースプレート206は、一体構造を形成するために共に積層焼結されたセラミック複合層で形成されてよい。各セラミック複合層は、セラミックおよび結合材の混合物を含む。例として、複数枚の薄い(例えば、1ミリメートル(mm)厚)セラミック複合材および結合層が積層されてよい。セラミック複合層は、積層されたときにガス流路220および冷媒流路222を形成するようにパターニングされてよい。結果として生じる積層は、次に炉において所定の期間に所定の温度で焼かれて、セラミック複合層のセラミック粒子が共に焼結できるようにする、ならびに、結合層および/または他の接着材が焼失するようにする。結果として生じるベースプレートは、その後、炉から取り除かれる。
【0058】
ベースプレート206は、ガス流路220および冷媒流路222を含んでもよい。ガス流路220は、マニホルド140からガスを受け取ってよい。ガス流路220は、図のように、同一の径方向に延びる平面上に、および/または、ベースプレート206の同じ1つ以上の層に配置されてよい。あるいは、ガス流路220は、複数の径方向に延びる平面上に、および/または、ベースプレート206の異なる層に配置されてよい。ガス流路220は、基板の裏面に裏面ガスを提供するために用いられてよい。これは、図3および図4にさらに示されている。ガス流路の複数層の配置例は、図4に示されている。
【0059】
冷媒流路222は、図のように、複数の径方向に延びる平面上に、および/または、ベースプレート206の異なる層に配置されてよい。もしくは、冷媒流路222は、同一の径方向に延びる平面上に、または、ベースプレート206の同じ1つ以上の層に配置されてよい。冷媒流路222の各層(図では3層)は、バイファイラ配置またはシングルファイラ配置の冷媒流路を備えてよく、それらの例は、図5および図6に示されている。流路220および流路222は、図では特定の配置で示されているが、他の配置であってよい。ガス流路および/または冷媒流路は、あらゆる層および/またはベースプレート206のいずれかの層に備えられてよい。
【0060】
図3は、トッププレート252、中間層254、およびベースプレート256を含むESCの部分250を示す。トッププレート252は、中間層254を介してベースプレート256に結合されている。環状シール257は、(i)トッププレート252の外周とベースプレート256のベース層259の上面との間に配置されてよく、(ii)中間層254の外端261を覆う。
【0061】
トッププレート252は、静電クランプ電極258およびガス出口260を含む。ガス出口260は、例えば、1つ以上のガス流路(図では1つのガス流路262)から裏面ガスを受け取る。1つ以上のガス流路は、それぞれ、1つ以上の多孔質媒体またはプラグ(例えば、多孔質プラグ264)を含んでよい。多孔質媒体および/またはプラグは、セラミックプレートと同時焼成されてよい。一実施形態では、ガス流路は、多孔質プラグを含まない。多孔質プラグは、小さい穴を含み、ガス流路におけるプラズマの生成を防止するために中間バッファとして機能する。図の例では、第1多孔質プラグ264aは、ガス流路262の第1端にあり、ベースプレート256内および/またはベースプレート256の部分266内の領域から、中間層254を通ってトッププレート260内の領域に延びる。第2多孔質プラグ264bは、ガス流路262の第2端にあり、ベースプレート256の底部に配置されている。
【0062】
ベースプレート256は、上述のように、ガス流路270および冷媒流路272を含んでよい。各冷媒流路272は、ベースプレート256内で入力タワーおよびアウトレットタワーに接続されている。タワー274の例が図示されている。
【0063】
ベースプレート256は、静電クランプ電極258の1つに接続された端子(図示せず)を有するタワー280を含んでよい。ベースプレート256は、さらに、1つ以上の温度センサを含んでよい。温度センサ290の例が図示されており、温度センサ290は、それぞれのタワー292に取り付けられている。温度センサは、コントローラ142およびコントローラ160に出力信号を提供してよい。第1温度センサ290aは、トッププレート252内の温度を検出することが示されている。第2温度センサ290bは、ベース層259内の温度を検出することが示されている。第3温度290cは、RF電極294の下方でベースプレート256の外周付近の温度を検出することが示されている。プレート252およびプレート256には、任意の数の温度センサが含まれてよい。
【0064】
図4は、トッププレート302、中間層304、およびベースプレート306を含むESCの部分300を示す。例として、ベースプレート306は、リフトピン312、リフトピン流路313、およびガス流路316を含むリフトピンアセンブリ310を備える。本明細書に開示のESCには、任意の数のリフトピンアセンブリが含まれてよい。ベースプレート306は、ガス流路の1つ以上の層を含んでよい。ガス流路は、冷媒流路の上方または下方に設置されてよい。例として、第1ガス流路セット318は、冷媒流路320の上方に示され、第2ガス流路セット322は、冷媒流路320の下方に示されている。
【0065】
図5は、ESCの冷媒流路層400を示す。冷媒流路層400は、バイファイラ配置の冷媒流路402を含む。冷媒流路402は、冷媒流路層400の中央に位置する入口404および出口406を含む。冷媒流路402は、第1部分407および第2部分408を含む。第1部分407は、冷媒流路層400の中心付近から始まり、冷媒流路層400の外周に到達するまで円形コイル状パターンで巻く。第2部分408は、第1部分404から第1部分404に沿って延び、冷媒流路層400の外周から冷媒流路層400の中心付近の地点に戻る。部分407および部分408の筒状部分または全ては、平行に延びてよい。
【0066】
図6は、ESCの冷媒流路層450を示す。冷媒流路層450は、シングルファイラ配置の冷媒流路452を含む。冷媒流路452は、中央に位置する入口454、および冷媒流路層450の外周付近に位置しうる出口456を含む。
【0067】
いくつかの冷媒流路配置の例が図5図6に示されている。本明細書に開示のESCは、他の種類の冷媒流路配置を含んでよい。例えば、ESCは、エッジ型冷媒流に対して方位角的に対称な中心を有する冷媒流路配置を有してよい。
【0068】
図7は、トッププレート502、中間層504、ベースプレート506、第1環状エッジリング508、および第2環状エッジリング509を含むESCの部分500を示す。中間層504は、(i)プレート502とプレート506との間、および(ii)エッジリング508とベースプレート506との間に配置されてよい。中間層504は、高熱伝導率(例えば、0.5~0.4ワット毎メートルケルビン(W/mK))を有する1つ以上の材料で形成されてよい。
【0069】
第1環状エッジリング508は、トッププレート502に中心を置き、ベースプレート506に中心を置く。トッププレート502は、第2環状エッジリング509の中心を置くように成形され(例えば、円錐形または円錐形の変形)、第2環状エッジリング509とトッププレート502との間のギャップを最小限にしてよい。第2環状エッジリング509の径方向内側511は、トッププレート502の径方向外側端513と整合するように成形されてよい。第1環状エッジリング508は、セラミックで形成されてよく、RF電極および/または加熱素子として実装される1つ以上の電極を含んでよい。第2環状エッジリング509は、例えば、シリコンおよび/または他の適した材料で形成されてよく、第1環状エッジリング508の少なくとも一部がプラズマに曝露されるのを防ぐ。
【0070】
環状ギャップ510は、トッププレート502と第1環状エッジリング508との間に配置されてよい。一実施形態では、エラストマシール(例えば、Oリング)は、ギャップ510に配置されてよく、トッププレート502の外周面512、中間層504の上面514またはベースプレート506の上面516、およびエッジリング508の径方向内向き面518と接触してよい。トッププレート502は、トッププレート502の底部522から上向きに突出する上部分520を有してよい。上部分520は、静電クランプ電極524およびRF電極(図では1つのRF電極526)を含んでよい。ベースプレート506は、ガス流路(図では1つのガス流路532)および冷媒流路534を含んでよい。いくつかの冷媒流路534は、エッジリング508を冷却するために、ベースプレート506においてエッジリング508の下に部分的にまたは全体的に配置されてよい。
【0071】
エッジリング508は、1つ以上の電極(図では1つの電極536)を含んでよい。例示的な端子538が図示されており、端子538は、電極536に電力を提供する。本明細書に開示の端子は、様々な種類であってよく、例として、ポゴピンであってよい。端子は、対応する電極への接続を提供するように構成されている。電極536は、RF電極、または静電クランプ電極であってよい。エッジリング508は、任意の数のRF電極および/または静電クランプ電極を有してよい。
【0072】
図8は、トッププレート552、中間層554、ベースプレート556、およびエッジリング558を含むESCの部分550を示す。ESCは、中間層554の外周端562において、トッププレート552の外周端564とベースプレート556の底部568の外周端566との間に配置されたシール560を含んでよい。
【0073】
環状ギャップ570は、トッププレート552とエッジリング558との間に配置されてよい。エラストマシール(例えば、Oリング)は、ギャップ570に配置されてよい。トッププレート552の上凸部572は、静電クランプ電極573および1つ以上のRF電極574を含んでよい。1つ以上のRF電極574は、端子576から電力を受信してよい。エッジリング558は、RF電極または静電クランプ電極でありうる電極578を含んでよい。
【0074】
図9は、トッププレート602、中間層604、およびベースプレート606を含むESCの部分600を示す。トッププレート602は、1つ以上のDC電極608を含む。DC電極608は、端子610などの端子を介して電源(例えば、図1の電源180)から電力を受信してよい。
【0075】
図10は、トッププレート652、中間層654、ベースプレート656、およびエッジリング658を含むESCの部分650を示す。ベースプレート656は、ガス流路660から中間層654およびトッププレート652を通って出口664まで上向きに延びるガス流路662に裏面ガスを送るガス流路660を含む。ガス流路662は、多孔質プラグを含まないガス流路の例を提供する。
【0076】
上記の例は、セラミック製であり金属製ではないベースプレートを含む。これにより、高電圧ブレークダウン、および/または、ベースプレート上の被覆層の割れを解消できる。開示のESCのプレートは、ESC、基板および周辺領域、ならびに、基板処理チャンバの構成要素において向上したRF制御および温度制御のために、プレートの様々な領域および層に埋設された電極および流路を有する様々な電極構成、ならびにガス流路および冷媒流路構成を含む。ESCのベースプレートがセラミック製であるため、ベースプレートは、基板全体のRF制御向上のためのRF電極などの任意の数の電極を含むことができる。また、セラミックは金属と比べて低熱伝導率を有するため、および/または、セラミック材積層焼結の製造プロセスの限定のため、ベースプレートは、冷却接触面積を増加させるために複数層の冷媒流路を有することが開示されている。
【0077】
前述は、本質的に単に説明を表し、本開示、その適用または使用を決して限定する意図はない。開示の広義の教示は、様々な形態で実施されうる。よって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および次の特許請求の範囲を検討すれば他の変更が明らかになるため、本開示の真の範囲は、そこまで限定されるべきではない。方法内の1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく異なる順序で(または、同時に)実行されてよい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有すると上述されているが、本開示の実施形態に関して説明されたそれらの特徴の1つ以上は、他の実施形態において、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて(その組み合わせが明記されていない場合でも)実施されうる。つまり、記載の実施形態は、互いに排他的でなく、1つ以上の実施形態の相互の並べ替えは、本開示の範囲内に留まる。
【0078】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的関係および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「近接する」、「上に」、「上方」、「下方」、および「配置された」を含む様々な用語を用いて説明される。上記の開示で第1要素と第2要素との関係が説明されるときは、「直接的」であると明記されない限り、その関係は、第1要素と第2要素との間に他の介在要素が存在しない直接的関係でありうるが、第1要素と第2要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係でもありうる。本明細書で用いられる、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを用いる論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0079】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上述の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のそれらの動作を制御するための電子機器と統合されてよい。電子機器は、システムの様々な部品または副部品を制御しうる「コントローラ」を意味してよい。コントローラは、処理条件および/またはシステムの種類に応じて、プロセスガスの配送、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)生成器の設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体配送設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツール、および/または、特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬送を含む、本明細書に開示のプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてよい。
【0080】
概して、コントローラは、命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサ、もしくは、マイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製作中における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合または結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよく、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば、コントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする、「クラウド」内にあってよい、または、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の進捗状況を監視し、過去の製作動作の経歴を調査し、複数の製作動作から傾向または性能の基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のためのパラメータを特定するデータ形式の命令を受け取る。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続される1つ以上の個別のコントローラを含むことや、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向かって協働することによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)位置し、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路であろう。
【0082】
例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0083】
上述のように、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはツールモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムのための静電チャックであって、
基板に静電気的にクランプするように構成され、セラミックで形成されたトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された中間層と、
前記トッププレートとは異なる、前記中間層の下方に配置され、セラミックで形成されたベースプレートと、を備え、
前記中間層は、前記トッププレートを前記ベースプレートに結合し、
前記ベースプレートは、複数の無線周波数(RF)電極を備え、
前記ベースプレートは、1つ以上のガス流路、第1部分、および第2部分を備え、前記第1部分は、前記第2部分から上向きに突出し、前記ベースプレートの外径よりも小さい直径を有し、
前記複数のRF電極の1つ以上は、前記1つ以上のガス流路の上方の前記ベースプレートの前記第1部分に埋設される、静電チャック。
【請求項2】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記複数のRF電極は、互いに接続されておらず、独立して制御され、RFプラズマを生成するように構成される、静電チャック。
【請求項3】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記第1部分の前記直径は、前記トッププレートの外径よりも小さい、静電チャック。
【請求項4】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記トッププレートは、前記ベースプレートの前記外径よりも小さい外径を有する、静電チャック。
【請求項5】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートのセラミック純度は、90%以上である、静電チャック。
【請求項6】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートのセラミック純度は、95%以上である、静電チャック。
【請求項7】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートのセラミック純度は、99.9%以上である、静電チャック。
【請求項8】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、
ベース層と、
前記ベース層に配置された保護被覆層と、を備え、
前記保護被覆層は、前記ベース層と前記中間層との間に配置される、静電チャック。
【請求項9】
請求項8に記載の静電チャックであって、
前記保護被覆層は、セラミックで形成される、静電チャック。
【請求項10】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、第1層および第2層を備え、
前記第1層は、前記第2層の上方に配置され、
前記第1層は、前記1つ以上のガス流路を含む第1ガス流路セットを備え、
前記第2層は、第2ガス流セットを備える、静電チャック。
【請求項11】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは全体が、セラミック、非金属材料、または非導電性材料の少なくとも1つで形成される、静電チャック。
【請求項12】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記複数のRF電極は、前記ベースプレートの前記第1部分に配置される、静電チャック。
【請求項13】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記1つ以上のガス流路は、少なくとも部分的に前記第1部分に配置される、静電チャック。
【請求項14】
請求項13に記載の静電チャックであって、
前記第2部分は、前記1つ以上のガス流路の下方に配置された1つ以上の液体冷媒流路を備える、静電チャック。
【請求項15】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記複数のRF電極および前記1つ以上のガス流路は、前記ベースプレートの上向き凸部に配置され、
前記ベースプレートは、前記1つ以上のガス流路の下方に配置された1つ以上の液体冷媒流路を備える、静電チャック。
【請求項16】
請求項1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、それぞれ複数の端子を含む複数の絶縁タワーを備え、
前記複数のRF電極は、それぞれ前記複数の端子から電力を受信する、静電チャック。
【請求項17】
基板処理システムのための静電チャックであって、
基板に静電気的にクランプするように構成され、セラミックで形成されたトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された中間層と、
前記トッププレートとは異なる、前記中間層の下方に配置され、セラミックで形成されたベースプレートと、を備え、
前記ベースプレートは、複数の無線周波数(RF)電極を備え、
前記中間層は、前記トッププレートを前記ベースプレートに結合し、
前記ベースプレートは、第1部分および第2部分を備え、
前記第1部分は、前記第2部分から上向きに突出し、前記ベースプレートの外径よりも小さい直径を有し、
前記複数のRF電極の1つ以上は、前記ベースプレートにおいて前記第1部分の径方向外側に配置される、静電チャック。
【請求項18】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記複数のRF電極は、互いに接続されておらず、独立して制御され、RFプラズマを生成するように構成される、静電チャック。
【請求項19】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記第1部分の前記直径は、前記トッププレートの外径よりも小さい、静電チャック。
【請求項20】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記トッププレートは、前記ベースプレートの前記外径よりも小さい外径を有する、静電チャック。
【請求項21】
請求項17に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレートに配置され、少なくとも部分的に前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングを備え、
前記第1部分は、前記ベースプレート上の前記エッジリングの中心にある、静電チャック。
【請求項22】
請求項21に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、前記ベースプレートにおいて前記エッジリングの下方に配置された前記RF電極を含む複数のRF電極を備え、
前記複数のRF電極は、前記ベースプレートにおいて前記トッププレートの下方ではなく前記エッジリングの下方の配置される、静電チャック。
【請求項23】
請求項21に記載の静電チャックであって、
前記エッジリングは、前記トッププレートの上面の径方向外側に配置される、静電チャック。
【請求項24】
請求項21に記載の静電チャックであって、
前記複数のRF電極の1つ以上は、前記ベースプレートにおいて前記エッジリングの下方に配置される、静電チャック。
【請求項25】
請求項17に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレート上に配置された、前記トッププレートに中心を置く、前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングを備える、静電チャック。
【請求項26】
請求項17に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレートに配置された、少なくとも部分的に前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングを備え、
前記エッジリングは、無線周波数電極または静電クランプ電極を備える、静電チャック。
【請求項27】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記トッププレートは、1つ以上の静電クランプ電極を備える、静電チャック。
【請求項28】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記トッププレートは、1つ以上の加熱素子を備える、静電チャック。
【請求項29】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、1つ以上の直流電極を備える、静電チャック。
【請求項30】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、複数の冷媒流路を備える、静電チャック。
【請求項31】
請求項30に記載の静電チャックであって、
前記複数の冷媒流路の少なくとも1つは、バイファイラ配置である、静電チャック。
【請求項32】
請求項30に記載の静電チャックであって、
前記複数の冷媒流路の少なくとも1つは、シングルファイラ配置である、静電チャック。
【請求項33】
請求項30に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、第1層および第2層を備え、
前記複数の冷媒流路は、第1冷媒流路セットおよび第2冷媒流路セットを含み、
前記第1層は、前記第1冷媒流路セットを備え、
前記第2層は、前記第2冷媒流路セットを備える、静電チャック。
【請求項34】
請求項33に記載の静電チャックであって、
前記複数の冷媒流路の1つは、前記ベースプレートの中心付近の第1地点で始まり、前記ベースプレートの外周まで円形コイル状パターンで巻き、前記ベースプレートの前記外周からコイル状パターンで前記ベースプレートの前記中心付近の第2地点まで戻る、静電チャック。
【請求項35】
請求項33に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、冷媒流路およびガス流路を備え、前記ガス流路は前記冷媒流路の上方に配置され、
前記RF電極は、前記ガス流路の径方向外側で前記冷媒流路の上方に配置される、静電チャック。
【請求項36】
請求項17に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレートの底部から前記トッププレートの出口まで延びるガス流路を備え、
前記ガス流路は、少なくとも1つの多孔質媒体を含む、静電チャック。
【請求項37】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記複数のRF電極の2つ以上は、前記ベースプレートにおいて前記第1部分の径方向外側に埋設される、静電チャック。
【請求項38】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記1つ以上のRF電極は、前記ベースプレートにおいて前記第1部分の径方向外側に配置されることに加えて、前記トッププレートの下方に配置されない、静電チャック。
【請求項39】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、それぞれ複数の端子を含む複数の絶縁タワーを備え、
前記複数のRF電極は、それぞれ前記複数の端子から電力を受信する、静電チャック。
【請求項40】
請求項17に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレート上に配置され、少なくとも部分的に前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングであって、前記第1部分は、前記ベースプレート上の前記エッジリングの中心にある、エッジリングと、
前記中間層の径方向外側に配置され、前記中間層の径方向外端の保護を提供する、前記エッジリングと前記ベースプレートとに接触して前記エッジリングと前記ベースプレートとの間にある単一の環状シールと、
を備える、静電チャック。
【請求項41】
請求項40に記載の静電チャックであって、
前記環状シールは、前記中間層の前記径方向外端を覆う、静電チャック。
【請求項42】
請求項17に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、少なくとも部分的に前記第1部分に配置された1つ以上のガス流路を備える、静電チャック。
【請求項43】
請求項42に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、前記第2部分に配置された1つ以上の冷媒流路を備える、静電チャック。
【請求項44】
請求項43に記載の静電チャックであって、
前記1つ以上の冷媒流路は、液体冷媒を循環させる、静電チャック。
【請求項45】
基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された静電チャックであって、
基板に静電気的にクランプするように構成され、セラミックで形成されたトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された中間層と、
前記トッププレートとは異なる、前記中間層の下方に配置され、セラミックで形成されたベースプレートであって、第1部分および第2部分を備え、前記第1部分は、前記第2部分から上向きに突出し、前記ベースプレートの外径よりも小さい直径を有する、ベースプレートと、を含む静電チャックと、
前記ベースプレートに配置され、少なくとも部分的に前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングと、
前記ベースプレートの前記第2部分において前記エッジリングの下方に配置され、RFプラズマを生成するように構成された無線周波数(RF)電極と、
を備える、基板処理システム。
【請求項46】
請求項45に記載の基板処理システムであって、
前記第1部分の前記直径は、前記トッププレートの外径よりも小さく、
前記トッププレートの前記外径は、前記ベースプレートの前記外径よりも小さい、基板処理システム。
【請求項47】
請求項45に記載の基板処理システムであって、
前記静電チャックは、1つ以上の温度調節素子を備え、前記基板処理システムは、さらに、
前記トッププレートおよび前記ベースプレートの少なくとも1つに配置され、前記トッププレートの温度を検出するように構成された温度センサと、
前記温度センサの出力を受信するように構成されたコントローラであって、前記トッププレートおよび前記ベースプレートの前記少なくとも1つの温度を調節するために、前記温度センサの前記出力に基づいてアクチュエータの動作を制御して前記1つ以上の温度調節素子の温度を調節する、コントローラと、
を備える、基板処理システム。
【請求項48】
請求項47に記載の基板処理システムであって、
前記1つ以上の温度調節素子は、温度調節素子、ガス流路、および冷媒流路のうちの少なくとも1つを含み、
前記アクチュエータは、電源、冷媒ポンプ、ガスポンプ、または弁である、基板処理システム。
【請求項49】
請求項47に記載の基板処理システムであって、
前記温度センサは、前記ベースプレートに配置され、前記ベースプレートの温度を検出するように構成される、基板処理システム。
【請求項50】
請求項47に記載の基板処理システムであって
記温度センサは、前記ベースプレートに配置され、前記ベースプレートの領域の温度を検出するように構成され、
前記ベースプレートの前記領域は、前記エッジリングの下方である、基板処理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本開示のさらなる適用範囲は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、説明の目的のみを意図し、本開示の範囲を限定する意図はない。
本開示は、例えば、以下の形態により実現してもよい。
[形態1]
基板処理システムのための静電チャックであって、
基板に静電気的にクランプするように構成され、セラミックで形成されたトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された中間層と、
前記中間層の下方に配置され、セラミックで形成されたベースプレートと、を備え、
前記中間層は、前記トッププレートを前記ベースプレートに結合する、静電チャック。
[形態2]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートのセラミック純度は、90%以上である、静電チャック。
[形態3]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートのセラミック純度は、95%以上である、静電チャック。
[形態4]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートのセラミック純度は、99.9%以上である、静電チャック。
[形態5]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、
ベース層と、
前記ベース層に配置された保護被覆層と、を備え、
前記保護被覆層は、前記ベース層と前記中間層との間に配置される、静電チャック。
[形態6]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、第1部分および第2部分を備え、
前記第1部分は、前記第2部分から上向きに突出し、
前記中間層および前記トッププレートは、前記第1部分に配置される、静電チャック。
[形態7]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、1つ以上のガス流路を備え、
前記1つ以上のガス流路は、前記トッププレートの下方に配置される、静電チャック。
[形態8]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、第1層および第2層を備え、
前記第1層は、前記第2層の上方に配置され、
前記第1層は、第1ガス流路セットを備え、
前記第2層は、第2ガス流セットを備える、静電チャック。
[形態9]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、複数の無線周波数(RF)電極を備える、静電チャック。
[形態10]
形態9に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、1つ以上のガス流路を備え、
前記複数のRF電極の1つ以上は、前記ベースプレートにおいて前記1つ以上のガス流路の上方に配置される、静電チャック。
[形態11]
形態9に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、第1部分および第2部分を備え、
前記第1部分は、前記第2部分から上向きに突出し、
前記複数のRF電極の1つ以上は、前記ベースプレートにおいて前記第1部分の径方向外側に配置される、静電チャック。
[形態12]
形態9に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレートに配置され、少なくとも部分的に前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングを備え、
前記ベースプレートは、前記トッププレートに向かって上向きに延びる凸部を備え、
前記凸部は、前記ベースプレート上の前記エッジリングの中心にある、静電チャック。
[形態13]
形態12に記載の静電チャックであって、
前記複数のRF電極の1つ以上は、前記ベースプレートにおいて前記エッジリングの下方に配置される、静電チャック。
[形態14]
形態1に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレート上に配置された、前記トッププレートに中心を置く、前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングを備える、静電チャック。
[形態15]
形態1に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレートに配置された、少なくとも部分的に前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングを備え、
前記エッジリングは、無線周波数電極または静電クランプ電極を備える、静電チャック。
[形態16]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記トッププレートは、1つ以上の静電クランプ電極を備える、静電チャック。
[形態17]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記トッププレートは、1つ以上の加熱素子を備える、静電チャック。
[形態18]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、1つ以上の直流電極を備える、静電チャック。
[形態19]
形態1に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、複数の冷媒流路を備える、静電チャック。
[形態20]
形態19に記載の静電チャックであって、
前記複数の冷媒流路の少なくとも1つは、バイファイラ配置である、静電チャック。
[形態21]
形態19に記載の静電チャックであって、
前記複数の冷媒流路の少なくとも1つは、シングルファイラ配置である、静電チャック。
[形態22]
形態19に記載の静電チャックであって、
前記ベースプレートは、第1層および第2層を備え、
前記複数の冷媒流路は、第1冷媒流路セットおよび第2冷媒流路セットを含み、
前記第1層は、前記第1冷媒流路セットを備え、
前記第2層は、前記第2冷媒流路セットを備える、静電チャック。
[形態23]
形態1に記載の静電チャックであって、さらに、
前記ベースプレートの底部から前記トッププレートの出口まで延びるガス流路を備え、
前記ガス流路は、少なくとも1つの多孔質媒体を含む、静電チャック。
[形態24]
形態1に記載の静電チャックであって、さらに、
前記中間層の径方向外側に配置された、前記中間層の保護を提供する環状シールを備える、静電チャック。
[形態25]
基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置され、温度調節素子を含む形態1に記載の静電チャックと、
前記トッププレートおよび前記ベースプレートの少なくとも1つに配置され、前記トッププレートの温度を検出するように構成された温度センサと、
前記温度センサの出力を受信するように構成された制御モジュールであって、前記トッププレートおよび前記ベースプレートの前記少なくとも1つの温度を調節するために、前記温度センサの前記出力に基づいてアクチュエータの動作を制御して前記1つ以上の温度調節素子の温度を調節する、制御モジュールと、
を備える、基板処理システム。
[形態26]
形態25に記載の基板処理システムであって、
前記1つ以上の温度調節素子は、加熱素子、ガス流路、および冷媒流路のうちの少なくとも1つを含み、
前記アクチュエータは、電源、冷媒ポンプ、ガスポンプ、または弁である、基板処理システム。
[形態27]
形態25に記載の基板処理システムであって、
前記温度センサは、前記ベースプレートに配置され、前記ベースプレートの温度を検出するように構成される、基板処理システム。
[形態28]
形態25に記載の基板処理システムであって、さらに、
前記ベースプレートに配置され、少なくとも部分的に前記トッププレートの径方向外側に配置されたエッジリングと、
前記ベースプレートにおいて前記エッジリングの下方に配置された無線周波数電極と、を備え、
前記温度センサは、前記ベースプレートに配置され、前記ベースプレートの領域の温度を検出するように構成され、
前記ベースプレートの前記領域は、前記エッジリングの下方である、基板処理システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
ベースプレート256は、静電クランプ電極258の1つに接続された端子(図示せず)を有するタワー280を含んでよい。ベースプレート256は、さらに、1つ以上の温度センサを含んでよい。温度センサ290の例が図示されており、温度センサ290は、それぞれのタワー292に取り付けられている。温度センサは、コントローラ142およびコントローラ160に出力信号を提供してよい。第1温度センサ290aは、トッププレート252内の温度を検出することが示されている。第2温度センサ290bは、ベース層259内の温度を検出することが示されている。第3温度センサ290cは、RF電極294の下方でベースプレート256の外周付近の温度を検出することが示されている。プレート252およびプレート256には、任意の数の温度センサが含まれてよい。
【外国語明細書】