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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069953
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240515BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G21/16 176
G03G15/08 390Z
G03G15/08 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180265
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 達也
(72)【発明者】
【氏名】仁枝 弘晃
(72)【発明者】
【氏名】松田 直樹
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077AA05
2H077AA33
2H077GA04
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA13
2H171GA03
2H171GA29
2H171HA19
2H171HA23
2H171HA24
2H171HA34
2H171JA07
2H171KA02
2H171KA09
2H171KA22
2H171KA26
2H171KA27
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB15
2H171QB32
2H171QB35
2H171QB36
2H171QC03
2H171QC22
2H171QC24
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
(57)【要約】
【課題】ボトルカバーを所望の開き角度で開け、かつ、装置のレイアウトの自由度を高めることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、装置本体に着脱可能なトナーボトル14と、トナーボトル14の挿入口たるボトル挿入口71を開閉するボトルカバー14とを備えている。ボトルカバー14には、貫通孔25が形成されている。ボトルカバー14を開いたとき、装置の突出形状部としての第二操作レバー72が貫通孔25を通過し、ボトルカバーを所望の開き角度θ1で開くことができる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に着脱可能なトナーボトルと、
前記トナーボトルの挿入口を開閉するボトルカバーと、を備えた画像形成装置において、
前記ボトルカバーは、開いたときに、装置の突出形状部が通過する貫通孔を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記トナーボトルを複数備え、
各トナーボトルの挿入口にそれぞれ設けられた複数のボトルカバーを有し、
少なくとも複数のボトルカバーのうち、開いたときに、前記突出形状部がぶつかるおそれのあるボトルカバーに前記貫通孔を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
すべてのボトルカバーに前記貫通孔を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記突出形状部は、回転軸に設けられた操作レバーであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記ボトルカバーの開き角度は、90°以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
互いに異なる色のトナーが収容された複数のトナーボトルを備え、
各トナーボトルの挿入口にそれぞれ設けられた複数のボトルカバーを有し、
各ボトルカバーの閉じたときに前記ボトルカバーに対向する面には、色識別部を有し、
前記ボトルカバーの開き角度は、180°以下であること特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成装置において、
開状態の前記ボトルカバーを、装置本体に設けられたユニットの撓み可能な部材で受けることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記ボトルカバーを閉じた状態でロックするロック手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体に着脱可能なトナーボトルと、トナーボトルの挿入口を開閉するボトルカバーと、を備えた画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記画像形成装置として、ボトルカバーの開き角度が略90°のものが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ボトルカバーを所望の開き角度で開けられるように、装置の突出形状部をボトルカバーが開いたときに、ボトルカバーにぶつからない位置に配置する必要があり、装置のレイアウトが制約を受けるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、装置本体に着脱可能なトナーボトルと、前記トナーボトルの挿入口を開閉するボトルカバーと、を備えた画像形成装置において、前記ボトルカバーは、開いたときに、装置の突出形状部が通過する貫通孔を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ボトルカバーを所望の開き角度で開け、かつ、装置のレイアウトの自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図。
図2】中間転写ユニットの詳細図。
図3】中間転写ユニットの概略平面図。
図4】第二操作レバーの操作による廃トナー搬送路のスライドについて説明する図。
図5】第一操作レバーの操作によるK色の一次転写ローラの接離について説明する図。
図6】転写ロック部材による中間転写ユニットの装置本体へのロックについて説明する図。
図7】(a)は、前カバーを開けた状態の画像形成装置の正面図であり、(b)は、ボトルカバーを開けた状態の画像形成装置の正面図。
図8】(a)は、貫通孔を有していない従来のボトルカバーの斜視図であり、(b)は、貫通孔を有する本実施形態のボトルカバーの斜視図。
図9】Y色以外のボトルカバーを開いたときの状態を示す概略図。
図10】Y色のボトルカバーが閉じられている状態を示す概略図。
図11】Y色のボトルカバーが開かれたときの状態を示す概略図。
図12】ボトルカバーの内面に設けられた色識別デカルを示す斜視図。
図13】ロック装置の概略構成図。
図14】ソレノイドを駆動する駆動ブロック図。
図15】ボトルカバーのロック解除制御の制御フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式の画像形成装置について説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す概略構成図である。
図中Z方向は、上下方向であり、図中Y方向は、装置の前後方向であり、図中X方向は、装置の左右方向を示している。
【0010】
画像形成装置100は、画像形成部3、給紙部4、画像形成対象である原稿の画像を読み取る画像読取装置2などを備えている。画像読取装置2は、画像形成部3の上方に配置されており、原稿搬送部2aと、スキャナ部2bとを備えている。給紙部4は、画像形成部3の下方に配置されており、転写紙Pを収容する2つの給紙カセット4a,4bを備えている。
【0011】
画像形成部3は、中間転写ベルト6を備えた中間転写ユニット15、各色を形成する4つの作像ユニット5Y,5M,5C,5Kを備えており、これらが図中矢印F方向に表面移動する中間転写ベルト6に沿って配置されている。各作像ユニット5Y,5M,5C,5Kは、ドラム状の像担持体としての感光体1Y,1M,1C,1Kをそれぞれ有している。さらに、画像形成部3は、露光装置7を備えている。
【0012】
中間転写ユニット15は、複数の支持ローラに掛け渡された無端状の中間転写ベルト6、一次転写ローラ8Y、8C、8M、8K、中間転写ベルト6の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置60等を備えている。一次転写ローラ8Y,8M,8C,8Kは、中間転写ベルト6の内側に配置され、感光体1Y,1M,1C,1Kから中間転写ベルト6上にトナー像を転写する。一次転写ローラ8Y,8M,8C,Kよりも中間転写ベルト6の表面移動方向下流側には、中間転写ベルト6表面に対向するように二次転写ローラ9を設けている。また、二次転写ローラ9の上方には、転写紙P上の画像を定着する定着装置10と、排紙ローラ11とを設けている。
【0013】
4つの作像ユニット5Y,5M,5C,5Kは、収容するトナーの色が異なる以外は、同一の構成であるため、以下、色分け符号を適宜省略して説明する。作像ユニット5は、感光体1の周りに、感光体1表面に電荷を与える帯電装置、感光体1表面に形成された潜像を各色トナーで現像してトナー像とする現像装置を備えている。また、トナー像転写後の感光体1表面のクリーニングをするクリーニング装置が配置されている。
【0014】
次に、本実施形態に係る画像形成装置100の動作例について説明する。
画像開始の信号を受けると、中間転写ベルト6が表面移動を開始する。同時に、イエロー用作像ユニット5Yでは、イエロー用感光体1Yを帯電装置により一様に帯電し、露光装置7によりレーザ光を照射され静電潜像を形成する。静電潜像は、現像装置により現像され、これによりイエロー用感光体1Yにイエローのトナー像が形成される。同様にして、他の色用の作像ユニット5M,5C,5Kにおいても、各感光体1M,1C,1Kに、それぞれマゼンタ、シアン、黒のトナー像が形成される。中間転写ベルト6の表面移動に伴い、各色トナー像は一次転写ローラ8Y,8M,8C,8Kで順次転写され、中間転写ベルト6上に合成カラー画像を形成する。なお、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト6の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト6の表面移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
【0015】
一方、上段の給紙カセット4aまたは下段の給紙カセット4bから転写紙Pが給紙され、中間転写ベルト6と二次転写ローラ9とによって形成される二次転写ニップ部に搬送される。そして、中間転写ベルト6上の合成カラー画像を二次転写ローラ9で転写して転写紙P上にカラー画像を転写する。画像転写後の転写紙Pは、定着装置10へと送り込まれ、転写画像を定着される。定着装置10内で定着処理が施された転写紙Pは、排紙ローラ11により排紙トレイ12上にスタックされるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために反転経路13に送られるかのいずれかの搬送形態が選択される。
【0016】
また、トナー像転写後の各感光体1Y,1M,1C,1K上の残留トナーは、それぞれのクリーニング装置によってクリーニングされる。また、トナー像転写後の中間転写ベルト6上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置60によってクリーニングされる。
【0017】
また、画像形成によりトナーを消費した各現像装置には、図1中左上方の、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各トナーが充填されたトナーボトル14Y,14M,14C,14Kから搬送経路によって、所定の補給量だけ各色の現像装置にトナーが補給される。なお、四つの作像ユニット5Y,5M,5C,5K及びトナーボトル14Y,14M,14C,14Kの配列順は図1に示す例に限定されるものではない。
【0018】
本実施形態に係る画像形成装置100で、原稿のコピーがとられる際には、例えばシート状の原稿が画像読取装置2の原稿搬送部2aにセットされる。原稿がセットされた後、コピースタートスイッチが押下されると、画像読取装置2による原稿の読取動作がスタートする。具体的には、原稿搬送部2aにより原稿を搬送し、スキャナ部2bで原稿を読み取る。
【0019】
この原稿読取動作と並行して、各作像ユニット5Y,5M,5C,5K内の各機器や、中間転写ベルト6、二次転写ローラ9、定着装置10等がそれぞれ駆動を開始する。そして、画像読取装置2によって読み取られた画像情報に基づいて、露光装置7が駆動制御されて、各感光体1Y,1M,1C,1K上に、Y、M、C及びKトナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト6上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
【0020】
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙部4内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、多段に収容される給紙カセット4a,4bの一つから転写紙Pが送り出される。送り出された転写紙Pは、二次転写ニップに向けて搬送される。
【0021】
図2は、中間転写ユニット15の詳細図である。
図2に示すように中間転写ユニット15は、中間転写ベルト6とベルトクリーニング装置60とを有している。
【0022】
中間転写ベルト6を張架する二次転写バックアップローラ54、クリーニング対向ローラ56、テンションローラ55、張架ローラ51、52、53のいずれかい一つのローラが回転駆動部によって回転駆動される。これにより、中間転写ベルト6は、図中矢印F方向に移動せしめられる。
【0023】
ベルトクリーニング装置60は、クリーニング部材たるクリーニングブレード61、クリーニングブレード61で掻き取った廃トナーをベルトクリーニング装置60外へ搬送するクリーニング搬送スクリュー62が設けられている。
【0024】
図3は、中間転写ユニット15の概略平面図である。
中間転写ベルト6を張架する二次転写バックアップローラ54、クリーニング対向ローラ56、テンションローラ55、張架ローラ51、52、53は、転写フレーム150に回転自在に支持されている。転写フレーム150は、前フレーム150aと、後フレーム150bと、2本ステー部材151a,151bとを有している。これら2本のステー部材151a,151bは、一端が前フレーム150aに固定され、他端が後フレーム150bに固定されている。
【0025】
二次転写バックアップローラ54、クリーニング対向ローラ56、テンションローラ55、張架ローラ51、52、53は、前フレーム150aと後フレーム150bに回転自在に支持されている。また、前フレーム150aには、樹脂からなる転写前カバー15aが取り付けられている。また、中間転写ユニット15の前側には、クリーニング搬送スクリュー62によりベルトクリーニング装置60外へ搬送された廃トナーを、本体廃トナー搬送路120(図5参照)へ搬送するための廃トナー搬送部80が設けられている。廃トナー搬送部80は、内部に廃トナー搬送スクリュー82を有し、装置の左右方向にスライド可能な廃トナー搬送路81を有している。
【0026】
クリーニング搬送スクリュー62の軸62a(図4参照)の前側端部には、駆動モータから駆動力が伝達される入力ギヤ62bが設けられており、この入力ギヤ62bに駆動力が伝達されることで、クリーニング搬送スクリュー62が回転駆動する。また、この入力ギヤ62bには、中間ギヤ86が噛み合っている。この中間ギヤ86と一体的に回転する第一かさ歯車85に廃トナー搬送スクリュー82の軸の一端に設けられた第二かさ歯車84が噛み合っている。これにより、駆動モータから駆動力が入力ギヤ62b、中間ギヤ86、第一かさ歯車85を介して第二かさ歯車に伝達され、廃トナー搬送スクリュー82が回転駆動する。
【0027】
また、中間転写ユニット15の右側には、第一操作レバー171が設けられており、中間転写ユニット15の左側には、第二操作レバー172が設けられている。これら操作レバー171、172は、転写前カバー15aから突出している。
【0028】
第一操作レバー171は、第一回転軸171aの前側端部に取り付けられている。この第一回転軸171aの後側端部は、後フレーム150bを貫通しており、後側端部には、転写ロック部材91が取り付けられている。また、第一回転軸171aのフレーム150a,150b内の両端には、それぞれ、K色の一次転写ローラ8Kを感光体1Kに対して接離させる接離カム92が設けられている。これら接離カム92は、フレーム内の両端に配置された接離アーム93を押圧する。
【0029】
第二操作レバー172は、第二回転軸172aの前側端部に取り付けられている。第二回転軸172aの後側端部には、廃トナー搬送路81を装置の左右方向にスライドさせるスライドカム173が取り付けられている。
【0030】
中間転写ユニット15は、装置の前側から引き出すことで装置本体から取り外すことができる。中間転写ユニット15を装置本体から引き出すときは、第一操作レバー171および第二操作レバー172を、ユーザーが回転操作することで、中間転写ユニット15が、装置本体から着脱可能な状態となる。
【0031】
図4は、第二操作レバー172の操作による廃トナー搬送路81のスライドについて説明する図である。(a)が、通常動作時であり、(b)が、中間転写ユニット15着脱時である。
図4(a)に示すように、廃トナー搬送路81には、第二操作レバー172に取り付けられたスライドカム173が当接する一対の当接部81a,81bを有している。一方の当接部81aは、スライドカム173に対して装置の左側に配置されており、他方の当接部81bは、スライドカム173に対して装置の右側に配置されている。
【0032】
また、通常動作時においては、廃トナー搬送路81の廃トナー搬送方向下流側端部は、中間転写ユニット15から突出しており、装置の前側側板に対向している。よって、この状態で中間転写ユニット15を装置手前側へ引き出そうとしても、廃トナー搬送路81の廃トナー搬送方向下流側端部が装置の前側側板に突き当たり、引き出すことができない。
【0033】
また、廃トナー搬送路81には、廃トナー排出口82aを開閉する蓋部材83が図中左右方向にスライド可能に取り付けれており、バネ等の付勢手段により、廃トナー排出口82aを閉じる方向に付勢されている。通常動作時においては、蓋部材83の突き当て部83aが、本体廃トナー搬送路120の廃トナー受け入れ口120aの縁に突き当たっており、廃トナー排出口82aが開口している。また、廃トナー排出口82aが本体廃トナー搬送路の廃トナー受け入れ口120aに対向している。
【0034】
また、通常動作時は、廃トナー搬送スクリュー82の廃トナー搬送方向上流側端部に取り付けられた第二かさ歯車84が、第一かさ歯車85と噛み合っている。よって、廃トナー搬送スクリュー82は、クリーニング搬送スクリューと共に回転駆動する。これにより、クリーニング搬送スクリュー62によって廃トナー搬送路81に搬送されてきた廃トナーが、廃トナー排出口82aに向けて搬送され、廃トナー排出口82aから本体廃トナー搬送路120へ搬送される。
【0035】
中間転写ユニット15を装置本体から取り外すべく、図5(b)の矢印Y1に示すように、第二操作レバー172を図中反時計回りに回転させると、スライドカム173が、スライドカム173に対して装置の右側に配置された当接部81bに当接する。その状態からさらに、第二操作レバー172を回転させると、スライドカム173により当接部81bが、装置の右側(+X方向)に押され、廃トナー搬送路81が装置の右側にスライド移動する。これにより、廃トナー搬送路81の廃トナー搬送方向下流側端部が、中間転写ユニット15内に引っ込み、装置の前側側板と対向しなくなり、中間転写ユニット15が手前側へ引き出し可能となる。
【0036】
また、廃トナー搬送路81が、装置の右側にスライド移動することで、蓋部材83の突き当て部83aが廃トナー受け入れ口120aから離間する。その結果、蓋部材83が付勢手段により図中左側へスライド移動し、廃トナー排出口82aが蓋部材83により塞がれる。これにより、中間転写ユニット15の装置本体からの取り出し時に、廃トナー搬送路81内の廃トナーが、廃トナー排出口82aから排出されるのを防止できる。
【0037】
図4(b)の状態から第二操作レバー172を図中時計回りに回動させると、スライドカム173が、スライドカム173に対して装置の左側に配置された当接部81aを押し込み、廃トナー搬送路81が装置の右側にスライド移動する。これにより、図5(a)に示す状態となる。
【0038】
図5は、第一操作レバー171の操作によるK色の一次転写ローラ8Kの接離について説明する図である。(a)が、通常動作時であり、(b)が、中間転写ユニット15着脱時である。
図5(a)に示すように、接離アーム93は、フレームに設けられた支持軸93aに回動自在に支持されており、一端側(図中右側端部)にK色の一次転写ローラ8Kが回動自在に支持されている。また、この接離アーム93の一端側は、接離バネ95により感光体側(図中下側)に付勢されている。
【0039】
通常動作時は、図5(a)に示すように、接離カム92は、接離アーム93から離間している。このときは、接離バネ95の付勢力によりK色の一次転写ローラ8Kは、中間転写ベルト6を介して感光体1Kに当接している。
【0040】
中間転写ユニット15を装置本体から取り外すべく、図5(b)の矢印Y2に示すように、第一操作レバー171を図中反時計回りに回転させると、接離カム92が、接離アーム93の他端側(図中左側端部)を押し込む。これにより、接離アーム93が接離バネ95の付勢力に抗して図中反時計回りに回動する。その結果、接離アーム93の一端側(図中右側端部)に支持されたK色の一次転写ローラ8Kが図中矢印S2方向に移動し、中間転写ベルト6がK色の感光体から離間する。これにより、中間転写ユニット15の着脱時に、中間転写ベルト6の感光体1Kの表面への摺擦を防止でき感光体1Kおよび中間転写ベルト6の表面が傷つくのを抑制できる。
【0041】
なお、Y,M、Cの一次転写ローラ8Y,8M,8Cについては、装置本体の駆動装置により、モノクロモード時にY,M、Cの一次転写ローラ8Y,8M,8Cを離間させる離間機構によって、感光体から離間可能に構成されている。そして、例えば、前カバー3aが開けられたとき、または、装置の待機状態のときは、装置本体の駆動装置によってY,M、Cの一次転写ローラ8Y,8M,8Cを離間位置に位置させ、中間転写ベルト6を感光体1Y,1M,1Cから離間させている。従って、中間転写ユニット15の着脱時に、中間転写ベルト6の感光体1Y,1M,1Cの表面への摺擦も防止している。
【0042】
図6は、転写ロック部材91による中間転写ユニット15の装置本体へのロックについて説明する図であり、(a)が、ロック状態を示しており、(b)が、ロック解除状態を示している。
図6は、装置の後側から見た転写ロック部材91の周辺の拡大図である。
装置本体の後側板30には、転写ロック部材91が通過する貫通孔部30aを有している。中間転写ユニット15が装着されている状態では、転写ロック部材91は、後側板30よりも後側に位置する。
【0043】
図6(a)に示すように、中間転写ユニット15がロックされているときは、転写ロック部材91が後側から後側板30に対向している。これにより、中間転写ユニット15を装置手前側へ引き出そうとしても、転写ロック部材91が装置本体の後側板30に突き当たり引き出すことができず、中間転写ユニットがロックされる。
【0044】
中間転写ユニット15を装置本体から取り外すべく、図5(b)の矢印Y2に示す方向に第一操作レバー171を回転させると、転写ロック部材91が、図中矢印Y3方向に回転する。その結果、図5(b)に示すように、転写ロック部材91が、装置本体の後側板30と対向しなくなり、中間転写ユニット15を装置手前側へ引き出可能となる。
【0045】
図7(a)は、前カバー3aを開けた状態を示しており、図7(b)は、ボトルカバー20Y,20M,20C,20Kを開けた状態を示している。
図7(a)に示すように、外カバーとしての前カバー3aは、下端が画像形成部3に回動自在に支持されている。そして、前カバー3aを開くことで、中間転写ユニット15および作像ユニット5Y,5M,5C,5Kが露出する。これにより、中間転写ユニット15および作像ユニットが着脱可能となる。
【0046】
また、前カバー3aを開くことで、画像形成部3のボトル収容部70のボトル挿入口71Y,71M,71C,71Kを開閉するボトルカバー20Y,20M,20C,20Kが露出する。そして、ボトルカバー20Y,20M,20C,20Kを開くことで、画像形成部3のボトル収容部70に収容されたトナーボトル14Y,14M,14C,14Kが露出し、ボトル挿入口71Y,71M,71C,71Kから着脱可能となる。
ボトルカバー20Y,20M,20C,20Kは、後述するロック装置40(図8参照)によりボトル挿入口71Y,71M,71C,71Kを塞ぐ閉じ位置でロックされている。そして、トナーエンドとなったトナーボトルの色に対応するボトルカバーのみロックが解除され開くようになっている。
【0047】
本実施形態では、前カバー3aを開くことで、ボトルカバー20Y,20M,20C,20K、中間転写ユニット15および作像ユニット5Y,5M,5C,5Kが開放される。これにより、前カバー3aを開くことで、ボトルカバーの開閉、中間転写ユニット15の着脱および作像ユニット5Y,5M,5C,5Kの着脱を行うことができる。これにより、前カバー3aを開いたときに、ボトルカバーのみを開放するものに比べて、開閉カバーの数を減らすことができる。その結果、装置の部品点数を削減することができ、装置のコストアップを抑制することができる。
【0048】
また、各ボトルカバー20Y,20M,20C,20Kには、貫通孔25が形成されている。図8(a)に示すように、ボトルカバーに貫通孔が形成されていない場合は、ボトルカバー20が閉じられた状態で、ボトル収容部70に収容されたトナーボトルを目視で確認できない。一方、図8(b)に示すように、ボトルカバーに貫通孔25を設けることで、貫通孔25からボトル収容部70に収容されたトナーボトルを目視で確認することができる(図7(a)も参照できる)。
【0049】
また、貫通孔25は、後述するように、Y色のボトルカバー20を開いたときに第二操作レバー172が通過して逃がすような形状および位置に形成されている。
【0050】
各トナーボトルは、ボトル内のトナーを補給する際に回転駆動するが、ボトルカバーに貫通孔を設けることで、ボトルカバーを開けることなく、貫通孔から各トナーボトルの回転駆動状態を確認することができる。よって、サービスマンによる装置のメンテナンス作業時において、後述するロック装置のロックを解除する特別な操作を行わずに、各トナーボトルの回転駆動状態を確認することができ、メンテナンス作業の簡素化を図ることができる。
【0051】
また、各ボトルカバーに透明窓を設けることでも、透明窓からトナーボトルの回転駆動状態を確認することが可能である。しかし、透明窓とした場合、Y色のボトルカバー20Yについて、装置の突出形状部である第二操作レバー172によって、Y色のボトルカバー20Yのみ、規定の開き角度開けないという不具合が発生する。一方、貫通孔25とすることで、Y色のボトルカバー20Yを、規定の開き角度開くことができる。以下、図面を用いて、具体的に説明する。
【0052】
図7(a)からわかるようにY色以外のボトルカバー20M,20C,20Kについては、その真下に操作レバーなどの装置の前側に突出した突起形状部がない。そのため、図9に示すように、Y色以外のボトルカバー20M,20C,20Kについては、中間転写ユニット15の撓み変形可能な樹脂製の転写前カバー15aに突き当たり、開き角度θ1を90°以上にできる。これにより、トナーボトル14の交換時にボトルカバー20が交換の邪魔になるのを防ぐことができ、容易にトナーボトルの交換を行うことができる。
【0053】
また、開いたときにボトルカバー20を中間転写ユニット15の撓み変形可能な樹脂からなる転写前カバー15aに突き当てることで以下の利点を得ることができる。すなわち、ボトルカバー20を閉め忘れた状態で前カバー3a(図7参照)を閉じ、前カバー3aがボトルカバー20に突き当たったときのボトルカバーの衝撃を、樹脂製の転写前カバー15aが撓み変形して吸収することができる。これにより、ボトルカバー20の破損を抑制することができる。
【0054】
一方、Y色のボトルカバー20Yについては、図10に示すように、その真下に転写前カバー15aから突き出た突出形状部としての第二操作レバー172がある。そのため、Y色のボトルカバー20Yに貫通孔25が無い場合は、開いたときに第二操作レバー172に突き当たってしまう。その結果、Y色以外のボトルカバーとは異なり、開き角度θ1が90°未満となるおそれがある。その結果、Y色については、トナーボトル14Yの交換時にボトルカバー20Yが交換の邪魔になるおそれがある。
【0055】
また、仮に、Y色のボトルカバーが90°以上、開けられたとしても、他のボトルカバーよりも開き角度よりが狭くなり、ユーザーは、Y色のボトルカバーについて、他のボトルカバーと同様に開かせようとして、ボトルカバーを押し込むおそれがある。その結果、第二操作レバー172が取り付けられた第二回転軸172aが変形し、第二操作レバー172が回転できなくなったり、廃トナー搬送路81(図3図4参照)をスライドさせることができなくなったりするおそれがある。
【0056】
さらには、Y色のボトルカバー20Yを閉め忘れた状態で前カバー3aを閉じ、前カバー3aがY色ボトルカバー20に突き当たったときの衝撃で第二回転軸172aが変形するおそれもある。
【0057】
一方、本実施形態では、ボトルカバーに貫通孔25を設けることで、図11に示すように、ボトルカバー20Yを開いたときに、貫通孔25により第二操作レバー172を逃がすことができる。これにより、他の色のボトルカバーと同様に、Y色のボトルカバー20を転写前カバー15aに突き当てることができ、開き角度θ1を他のボトルカバーと同一にできる。よって、他の色のボトルカバーと同様の効果を得ることができる。すなわち、トナーボトル14の交換時にボトルカバー20が交換の邪魔になるのを防ぐことができ、容易にトナーボトルの交換を行うことができる。また、前カバー3aがボトルカバー20に突き当たったときのボトルカバーの衝撃を転写前カバー15aが弾性変形(撓む)ことで吸収し、ボトルカバー20の破損を抑制することができるという効果である。
【0058】
さらに、開き角度θ1を他のボトルカバーと同一にできることで、ユーザーが、Y色のボトルカバー20Yについて、他のボトルカバーと同様に開かせようと押し込むようなことが抑制される。また、第二操作レバーが取り付けられた第二回転軸172aの変形を防止でき、第二操作レバー172が回転できなくなったり、廃トナー搬送路81をスライドさせることができなくなったりするのを防止できる。
【0059】
なお、Y色のボトルカバーのみ貫通孔25を有するボトルカバーとしてもよい。しかし、Y色のみならずM,C,Kのボトルカバーについても貫通孔25を設け、Y色のボトルカバーと同一形状とすることで、部品管理コストを削減でき、装置のコストアップを抑制することができ好ましい。
【0060】
なお、Y色のボトルカバーのみ貫通孔を有するものとしても構わない。Y色のボトルカバーのみ貫通孔を有するものとしても、上述したように第二回転軸172aの変形を抑制でき、かつ、Y色のボトルカバー20Yを90°以上開き角度で開け、かつ、他のボトルカバーと同一の開き角度にできる。さらに、他のボトルカバーと同様に、転写前カバー15aに突き当てることができ、ボトルカバーの破損を抑制できるという効果は得られる。
【0061】
また、図12に示すように、各ボトルカバーの内面(トナーボトルとの対向面)には、トナーボトル交換時に異色のトナーボトルを入れ間違えないよう、色識別デカル26を設けている。そのため、ボトルカバーを開いたときに、この色識別デカル26の視認性を確保するため、各ボトルカバーの開き角度θ1は180°以下にし、色識別デカル26が下方を向かないようにするのが好ましい。
【0062】
次に、ボトルカバーを閉じ位置でロックするロック装置40について、説明する。
図13は、ロック装置40の概略構成図であり、ロック装置40の周辺を上から見た図である。
ロック装置40は、先端にロック爪部41aを有するロックレバー41と、ソレノイド42とを有している。ロックレバー41は、支持軸43に回動自在に支持されている。この支持軸43には、付勢手段たるトーションスプリング46が取り付けられており、このトーションスプリング46の付勢力により、ロックレバー41を図13(a)に示すロック位置に位置させている。また、ロックレバー41は、ソレノイド42のプランジャー(可動鉄芯)42aに回転自在に取り付けられている。
【0063】
図13(a)に示すように、ボトルカバー20は、ロックレバー41のロック爪部41aが入り込むロック爪部収容部22と、被ロック部21とを有している。
ボトルカバー20を閉位置でロックしているときは、ロックレバー41のロック爪部41aが、ロック爪部収容部22に入り込んで、被ロック部21と、外側(前カバー側)から対向している。これにより、ボトルカバー20を開けようとしても、被ロック部21がロック爪部41aに突き当たり、ボトルカバー20が閉位置でロックされる。
【0064】
図13(b)に示すようにソレノイド42に通電して、電磁力でプランジャー42aを図13(b)に示す矢印方向A方向に引き寄せることで、トーションスプリング46の付勢力に抗してロックレバー41が図中矢印B方向に回動する。これにより、ロックレバー41のロック爪部41aが被ロック部21と対向しなくなり、ロックが解除される。これにより、ボトルカバー20を開くことができる。
【0065】
ボトルカバー20は、トーションスプリング等の付勢手段により開位置へ付勢されており、ロックが解除されたとき、ボトルカバー20は、付勢手段の付勢力により自動で開位置へ回動する。なお、ボトルカバー20が自重で開位置へ移動できる場合は、付勢手段は不要である。
【0066】
ソレノイド42への通電を遮断すると、プランジャー42aを引き寄せる電磁力が働かなくなり、トーションスプリング46の付勢力によりロックレバー41が、図13(b)の時計回りに回動し、ロックレバー41がロック位置に位置する。この状態でボトルカバー20を閉じていくと、被ロック部21が、ロック爪部41aの傾斜部41a1に突き当たる。この状態でさらにボトルカバー20を閉めていくと、ロックレバー41が、図13の反時計回りに回動し、ロック爪部41aが被ロック部21を乗り越えて、ロック爪部41aがロック爪部収容部22に入り込む。ロック爪部41aがロック爪部収容部22に入り込むと、トーションスプリング46の付勢力によりロックレバー41が、図中時計回りに回動し、ロック爪部41aが、被ロック部21と対向し、ボトルカバー20がロックされる。
【0067】
図14は、ソレノイド42を駆動する駆動ブロック図である。
図14に示すように、ソレノイド42は、スイッチ133、ヒューズ136を介して24V電源に接続されている。また、インターロックスイッチ131は、前カバー3aを開いたときにOFFとなり、画像形成部3のモータなどの負荷と24V電源との電気的な接続を遮断する。インターロックスイッチ131と負荷との間には、装置のモータなどの負荷に24V電源からの電圧が印加されているか否かを検知する通電検知部132が配置されている。前カバー3aが開かれインターロックスイッチ131がOFFとなると、通電検知部132が負荷に電圧が印加されていない(0V)ことを検出する。これにより、前カバー3aが開かれたことを検出することができる。一方、前カバー3aが閉じられており、インターロックスイッチ131がONのときは、通電検知部132が負荷に電圧が印加されていることを検出する。これにより、前カバー3aが閉じられていることを検出することができる。このように、本実施形態では、インターロックスイッチ131と通電検知部132とで、前カバー3aの開閉を検知する開閉検知手段を構成している。
【0068】
なお、前カバー3aの開閉を検知する開閉検知手段は、例えば、前カバー3aに設けたフィラーと、このフィラーを検知する光学センサとで構成し、光学センサからの出力電圧を検出して前カバー3aの開閉を検知するようにしてもよい。また、前カバー3aに設けた磁性体と、この磁性体の磁力を検出する磁気センサとを設け、磁気センサからの出力電圧を検出して前カバー3aの開閉を検知するようにしてもよい。しかし、インターロックスイッチ131のON/OFFで前カバー3aの開閉を検出することで以下の利点が得られる。すなわち、インターロックスイッチ131とは別に、前カバー3aを開閉を検出する装置を設けるものに比べて、部品点数を削減でき、装置のコストダウンを図ることができるという利点である。
【0069】
制御部130には、通電検知部132、トナーボトル14のトナー残量を検知する残量検知部134、操作表示部135およびソレノイド42への通電をON/OFFするスイッチ133が接続されている。
【0070】
残量検知部134としては、公知の手法を適宜用いることができる。例えば、印刷枚数等からトナー使用量を計算し、トナーボトル内のトナー残量を把握する手法や、トナーボトル内またはトナーボトル14のトナーを現像装置へ搬送する搬送路内の静電容量に基づいて、トナー残量を把握する手法等を用いることができる。
【0071】
残量検知部134がトナーボトル14のトナーエンドを検出したとき、制御部130は、操作表示部135にトナーエンドを検出したトナーボトルについて、トナーが無いことを通知する表示と、新品のトナーボトル14に交換するように指示する表示とを行う。また、制御部130は、残量検知部134がトナーエンドを検出した場合は、通電検知部132の検知結果からインターロックスイッチ131のON/OFFを検出し、前カバー3aの開閉を監視する。そして、前カバー3aが開かれたことを検出したら、スイッチ133をONにする。これにより、ソレノイド42に24V電源から電力が供給され、トナーエンドのトナーボトルに対応するボトルカバー20のロックが解除される。
【0072】
本実施形態では、ソレノイド42は、前カバー3aが開けられた状態で、インターロックスイッチ131により24V電源との通電が強制的に遮断されない。前カバー3aを開けた状態でソレノイド42を駆動しているときに漏電等により、ソレノイド42の磁気回路に過電流が流れるなどした場合は、ソレノイド42が異常高温となり、装置のボトルカバー周囲の温度が異常上昇するおそれがある。また、災厄の場合は、ソレノイド42が発火するおそれもある。そのため、本実施形態では、安全上、ヒューズ136が内蔵されたソレノイド42を用い、スイッチ133とソレノイド42の磁気回路との間にヒューズ136がある構成としている。これにより、ソレノイド42の磁気回路に過電流が流れるなどした場合、ヒューズ136により24V電源との通電を強制的に遮断することができる。よって、装置の安全性を確保することができる。なお、装置側の電気回路にヒューズ136を設けてもよい。
【0073】
図15は、ボトルカバー20のロック解除制御の制御フロー図である。
残量検知部134がトナーエンドを検知したら(S1のYes)、制御部130は、操作表示部135に、トナーエンドを検知したトナーボトルについて、新品のトナーボトル14への交換を指示する表示を行う(S2)。
【0074】
ユーザーが新品のトナーボトル14に交換するべく、前カバー3aを開くと、インターロックスイッチ131がOFFとなり、制御部130は、前カバー3aが開かれたことを検出する(S3のYes)。
【0075】
次に、制御部130は、前カバー3aが開かれたことを検出したら、スイッチ133をONにしソレノイド42に通電し、ソレノイド42を駆動する(S4)。ソレノイド42が駆動することで、上述したように、ロックレバー41が回動しボトルカバー20のロックが外れる。これにより、トナーエンドのトナーボトルに対応するボトルカバー20が、前カバー3aとともに開き、トナーエンドのトナーボトル14が露出する。このように、トナーエンドのトナーボトル14に対応するボトルカバー20のみが開くため、ユーザーは交換すべきトナーエンドのトナーボトル14を容易に把握することができ、トナーボトル14の交換作業性を高めることができる。
【0076】
制御部130は、スイッチ133をONにして、ソレノイド42への通電を開始したら、タイマー計測を開始する。そして、タイマーが予め設定した所定時間を経過したら(S5のYes)、スイッチ133をOFFにして、ソレノイド42への通電を遮断し、ソレノイド42の駆動を停止する(S6)。
【0077】
本実施形態では、インターロックスイッチ131のONからOFFの切り替わりにより前カバー3aが開かれたことを検出したら、トナーエンドのトナーボトルに対応するボトルカバーのロックを解除するようにしている。従って、ロックを解除すると、前カバー3aとともにボトルカバー20が開かれる。よって、ソレノイドの駆動開始後、一定時間経過したらソレノイドの駆動を停止して、ロックレバー41をボトルカバーをロックするロック位置に戻すことができる。これにより、例えば、残量検知部134がトナーエンドを検知したら、ソレノイドに通電してボトルカバーのロックを解除し、ボトルカバーが開かれたことを検出したら、ソレノイドへの通電を遮断するようにした装置に比べて、ソレノイドへの通電時間を短くすることができる。
【0078】
また、本実施形態では、自動でトナーエンドのトナーボトルに対応するボトルカバーのロックが解除されて、トナーエンドのトナーボトルに対応するボトルカバーが開く。これにより、ユーザーが操作表示部を操作して、トナーエンドのトナーボトルに対応するボトルカバーのロックを解除するものに比べて、トナーボトル14の交換作業性を高めることができる。
【0079】
なお、本実施形態では、ソレノイドによりロックレバー41を回動させているが、ロックレバー41を回動させる手段としては、これに限定されるものではなく、例えば、歯車機構を用いてロックレバー41を回動させてもよい。
【0080】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0081】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
装置本体に着脱可能なトナーボトル14と、トナーボトル14のボトル挿入口71などの挿入口を開閉するボトルカバー20と、を備えた画像形成装置において、ボトルカバー20は、開いたときに、第二操作レバー172などの装置の突出形状部が通過する貫通孔25を有する。
これによれば、実施形態で説明したように、ボトルカバーを開いたときに、装置の突出形状部がボトルカバーにぶつかるような位置に配置されていても、ボトルカバーを開いたとき、この突出形状部がボトルカバーの貫通孔を通過し、ボトルカバーを所望の開き角度で開くことができる。これにより、装置の突出形状部の配置位置の制約を受けず、装置のレイアウトの自由度を高めることができる。また、ボトルカバーを開くことなく、貫通孔から装置本体に装着されたトナーボトルの状態(例えば、駆動状態、トナー残量等)を確認することも可能となる。
【0082】
(態様2)
態様1において、トナーボトル14を複数備え、各トナーボトル14の挿入口にそれぞれ設けられた複数のボトルカバーを有し、少なくとも複数のボトルカバーのうち、開いたときに、突出形状部がぶつかるおそれのあるボトルカバー(本実施形態では、Y色のボトルカバー20Y)に貫通孔25を設けた。
これによれば、実施形態で説明したように、すべてのボトルカバーの開き角度を同一にできる。また、すべてのボトルカバーについて、開いたときに同一部材(本実施形態では、転写前カバー15a)に突き当てることが可能となる。
【0083】
(態様3)
態様2において、すべてのボトルカバーに貫通孔25を設けた。
これによれば、実施形態で説明したように、部品管理コストを削減でき、装置のコストアップを抑制することができ好ましい。また、各挿入口に挿入されたすべてのトナーボトルについて、貫通孔からトナーボトルの駆動状態や、トナー残量などのトナーボトルの状態を確認することができる。
【0084】
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、突出形状部は、第二回転軸172aなどの回転軸に設けられた第二操作レバー172などの操作レバーである。
これによれば、実施形態で説明したように、ボトルカバーが開いたとき第二操作レバー172などの操作レバーに突き当たらない。そのため、ボトルカバーを閉め忘れた状態で前カバー3aを閉めようとして前カバー3aがボトルカバーに突き当たるなど、ボトルカバーに衝撃が加わることがあっても、回転軸などが破損や変形することがない。これにより、操作レバーを操作することができなくなり、所定の操作ができなくなるのを防止できる。
【0085】
(態様5)
態様1乃至4いずれかにおいて、ボトルカバーの開き角度は、90°以上である。
これによれば、実施形態で説明したように、ボトルカバー20が交換時にトナーボトル14にぶつかるのを防ぐことができ、容易にトナーボトルの交換を行うことができる。
【0086】
(態様6)
態様5において、互いに異なる色のトナーが収容された複数のトナーボトルを備え、各トナーボトルの挿入口にそれぞれ設けられた複数のボトルカバーを有し、各ボトルカバーの閉じたときにボトルカバーに対向する面には、色識別デカル26などの色識別部を有し、ボトルカバーの開き角度は、180°以下である。
これによれば、実施形態で説明したように、ボトルカバーを開いたときに、色識別デカル26などの色識別部の視認性を確保することができる。
【0087】
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、開状態のボトルカバーを、装置本体に設けられた中間転写ユニット15などのユニットの転写前カバー15aなどの撓み可能な部材で受ける。
これによれば、実施形態で説明したように、ボトルカバー20を閉め忘れた状態で前カバー3aを閉じ、前カバー3aがボトルカバー20に突き当たったときのボトルカバーの衝撃を、転写前カバー15aなどの撓み変形可能な部材が撓み変形して吸収することができる。これにより、ボトルカバー20の破損を抑制することができる。
【0088】
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、ボトルカバーを閉じた状態でロックするロック装置40などのロック手段を備える。
これによれば、実施形態で説明したように、トナーエンドとなったときにロック手段によりロックを解除して、ボトルカバーを開き可能にすることができる。
【符号の説明】
【0089】
3 :画像形成部
3a :前カバー
6 :中間転写ベルト
14 :トナーボトル
15 :中間転写ユニット
15a :転写前カバー(撓み可能な部材)
20 :ボトルカバー
21 :被ロック部
22 :ロック爪部収容部
25 :貫通孔
26 :色識別デカル
30 :後側板
30a :貫通孔部
40 :ロック装置(ロック手段)
41 :ロックレバー
41a :ロック爪部
41a1 :傾斜部
42 :ソレノイド
42a :プランジャー
43 :支持軸
46 :トーションスプリング
60 :ベルトクリーニング装置
61 :クリーニングブレード
62 :クリーニング搬送スクリュー
70 :ボトル収容部
71 :ボトル挿入口
80 :廃トナー搬送部
81 :廃トナー搬送路
82 :廃トナー搬送スクリュー
82a :廃トナー排出口
83 :蓋部材
83a :突き当て部
91 :転写ロック部材
92 :接離カム
93 :接離アーム
95 :接離バネ
100 :画像形成装置
120 :本体廃トナー搬送路
120a :廃トナー受け入れ口
130 :制御部
131 :インターロックスイッチ
132 :通電検知部
133 :スイッチ
134 :残量検知部
135 :操作表示部
136 :ヒューズ
150 :転写フレーム
171 :第一操作レバー
171a :第一回転軸
172 :第二操作レバー(突出形状部)
172a :第二回転軸
173 :スライドカム
θ1 :開き角度
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】
【特許文献1】特開2011-59296号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15