(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007000
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】超伝導量子回路
(51)【国際特許分類】
H10N 60/82 20230101AFI20240111BHJP
H01P 7/08 20060101ALI20240111BHJP
H01P 5/02 20060101ALI20240111BHJP
H01P 1/203 20060101ALI20240111BHJP
H03H 7/09 20060101ALI20240111BHJP
G06F 7/38 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H01L39/06
H01P7/08 ZAA
H01P5/02 603C
H01P1/203
H03H7/09 Z
G06F7/38 610
G06F7/38 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108087
(22)【出願日】2022-07-05
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)2020年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/次世代コンピューティング技術の開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】川上 洋平
(72)【発明者】
【氏名】浦出 芳郎
(72)【発明者】
【氏名】橋本 義仁
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛
【テーマコード(参考)】
4M113
5J006
5J024
【Fターム(参考)】
4M113AC45
4M113AC50
4M113AD51
5J006HB03
5J006HB12
5J006JA02
5J006LA02
5J006MA12
5J006NA08
5J024AA01
5J024CA04
5J024CA06
5J024CA09
5J024DA01
5J024DA29
5J024DA35
5J024EA03
5J024KA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】内部損失を抑制する超伝導量子回路を提供する。
【解決手段】超伝導量子回路である周波数可変型共振器1は、超伝導量子干渉計SQUID11と、超伝導量子干渉計とともに閉ループを構成するキャパシタ12と、を有する第1共振器10と、第1制御ポートP1に接続され、且つ、超伝導量子干渉計に磁気的に結合された、制御ラインL1と、を備える。制御ラインL1は、特性インピーダンスが第1インピーダンス値を示す制御ラインL11と、制御ラインL11よりも超伝導量子干渉計に磁気的に結合された部分に近い側に設けられ、且つ、特性インピーダンスが第1インピーダンス値とは異なる第2インピーダンス値を示す制御ラインL12と、を少なくとも含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導量子干渉計と、前記超伝導量子干渉計とともに閉ループを構成するキャパシタと、を有する第1共振器と、
第1制御ポートに接続され、且つ、前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合された、制御ラインと、
を備え、
前記制御ラインは、
特性インピーダンスが第1インピーダンス値を示す第1ラインと、
前記第1ラインよりも前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合された部分に近い側に設けられ、且つ、特性インピーダンスが前記第1インピーダンス値とは異なる第2インピーダンス値を示す第2ラインと、
を少なくとも含む、
超伝導量子回路。
【請求項2】
外部から制御信号が前記第1制御ポートに供給されることによって発生する、前記第1共振器の共振、の周波数である第1共振周波数と、前記第1ラインと前記第2ラインとによって構成される第2共振器の共振周波数である第2共振周波数と、が異なるように構成される、
請求項1に記載の超伝導量子回路。
【請求項3】
前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数の2倍の0.9倍以上、前記第2共振周波数の2倍の1.1倍以下である、
請求項2に記載の超伝導量子回路。
【請求項4】
前記制御ラインの一端は、前記第1制御ポートに接続され、前記制御ラインの他端は、グランドに接続され、
前記第2ラインが、前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合されている、
請求項1~3の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【請求項5】
前記制御ラインは、
前記第1ラインとの間に前記第2ラインを介すようにして設けられ、特性インピーダンスが前記第1インピーダンス値を示す第3ラインをさらに含む、
請求項1に記載の超伝導量子回路。
【請求項6】
外部から制御信号が前記第1制御ポートに供給されることによって発生する、前記第1共振器の共振、の周波数である第1共振周波数と、前記第1ライン、前記第2ライン、及び、前記第3ラインによって構成される第2共振器の共振周波数である第2共振周波数と、が異なるように構成される、
請求項5に記載の超伝導量子回路。
【請求項7】
前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数の2倍の0.9倍以上、前記第2共振周波数の2倍の1.1倍以下である、
請求項6に記載の超伝導量子回路。
【請求項8】
前記第3ラインは、外部から制御信号が前記第1制御ポートに供給されることによって発生する、前記第1共振器の共振、の周波数である第1共振周波数、に対する波長の12分の1の長さに構成されている、
請求項5に記載の超伝導量子回路。
【請求項9】
前記制御ラインの一端は、前記第1制御ポートに接続され、前記制御ラインの他端は、グランドに接続され、
前記第3ラインが、前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合されている、
請求項5~8の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【請求項10】
前記制御ラインの一端は、前記第1制御ポートに接続され、前記制御ラインの他端は、グランド又は第2制御ポートに接続され、
前記第2ラインが、前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合されている、
請求項5~8の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導量子回路に関する。
【背景技術】
【0002】
量子情報処理回路において、共振器は、量子回路(量子ビットを生成する回路)、結合器、及び、増幅器等の様々な用途で用いられる。ここで、共振器に蓄えられたエネルギーが失われることは、損失と呼ばれ、量子情報処理回路ではエラーに相当するため、低減することが求められている。共振器の損失には、共振器の構成要素の抵抗成分などに起因した内部損失と、共振器を外部環境と結合させるために当該共振器に意図的に取り付けられたポートに起因した外部損失と、がある。外部損失の抑制は、結合強度等のパラメータを調整すればよいため比較的容易である。しかしながら、内部損失は、物質の誘電損や浮遊モードへの結合など、設計者が意図しない要因によることが多いため、内部損失を抑制することは、量子情報処理回路に用いられる共振器における重要課題の一つである。
【0003】
特許文献1には、共振周波数を外的に制御するための制御信号が供給されるポート(制御ポート)を有する、周波数可変型共振器の典型的な構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6530326号
【特許文献2】特許第6437607号
【特許文献3】特許第6749382号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超伝導を用いた量子情報処理回路では、共振周波数を外的に制御可能な周波数可変型共振器が、量子ビットを生成する量子回路や、増幅器の一種であるパラメトリック増幅器、に用いられる。特許文献1に開示された周波数可変型共振器は、キャパシタと超伝導量子干渉計(SQUID;Superconducting Quantum Interference Device)とによって構成された共振器と、外部から制御信号が供給される制御ポートに接続され、且つ、超伝導量子干渉計に磁気的に結合された、制御ラインと、を備える。この周波数可変型共振器では、共振器が、外部から制御ポートに供給される制御信号に応じた発振周波数で発振する。しかしながら、この周波数可変型共振器では、共振器の発振信号が制御ポートへ漏出するため、内部損失が増大してしまう、という課題があった。
【0006】
本開示の目的の一つは、上述した課題を解決する超伝導量子回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施の形態によれば、超伝導量子回路は、超伝導量子干渉計と、前記超伝導量子干渉計とともに閉ループを構成するキャパシタと、を有する第1共振器と、第1制御ポートに接続され、且つ、前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合された、制御ラインと、を備え、前記制御ラインは、特性インピーダンスが第1インピーダンス値を示す第1ラインと、前記第1ラインよりも前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合された部分に近い側に設けられ、且つ、特性インピーダンスが前記第1インピーダンス値とは異なる第2インピーダンス値を示す第2ラインと、を少なくとも含む。
【発明の効果】
【0008】
前記一実施の形態によれば、内部損失を抑制することが可能な超伝導量子回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る周波数可変型共振器の構成例を示す回路図である。
【
図2】実施の形態1に係るシミュレーション実施用の周波数可変型共振器の構成例を示す回路図である。
【
図3】
図2に示す周波数可変型共振器における、共振器10の励振周波数と、物理量S21の絶対値と、の関係を示す図である。
【
図4】
図2に示す周波数可変型共振器における、制御ラインL13の長さと、共振器10から制御ポートに透過する電力と、の関係を示す図である。
【
図5】
図2に示す周波数可変型共振器のレイアウトの一例を示す図である。
【
図6】実施の形態2に係る周波数可変型共振器の構成例を示す回路図である。
【
図7】
図6に示す周波数可変型共振器の変形例を示す回路図である。
【
図8】実施の形態3に係る周波数可変型共振器の構成例を示す回路図である。
【
図9】構想段階の周波数可変型共振器の構成例を示す回路図である。
【
図10】構想段階のシミュレーション実施用の周波数可変型共振器の構成例を示す回路図である。
【
図11】
図10に示す周波数可変型共振器における、共振器50の励振周波数と、物理量S21の絶対値と、の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として実施の形態の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明する。ただし、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0012】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(動作ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0013】
以下、量子コンピューティングとは、量子力学的な現象(量子ビット)を用いてデータを操作する領域のことである。量子力学的な現象とは、複数の状態の重ね合わせ(量子変数が複数の異なる状態を同時にとること)、もつれ(複数の量子変数が空間または時間に関わらず関係する状態)などである。量子チップには、量子ビットを生成する量子回路が設けられている。
【0014】
<発明者らによる事前検討>
実施の形態1に係る周波数可変型共振器(超伝導量子回路)について説明する前に、発明者らが事前検討した内容について説明する。
【0015】
図9は、周波数可変型共振器5の構成例を示す回路図である。周波数可変型共振器5は、超伝導を用いた量子情報処理回路において、例えば量子ビットを生成する量子回路や、増幅器の一種であるパラメトリック増幅器等に用いられる、超伝導量子回路である。
【0016】
図9に示すように、周波数可変型共振器5は、共振器50と、制御ラインL5と、によって構成されている。共振器50は、SQUID51と、SQUID51とともに閉ループを構成するキャパシタ52と、を有する。制御ラインL5の一端は、制御ポートP5に接続され、制御ラインL5の他端は、グランドGNDに接続(終端)されている。制御ポートP5には、外部から直流又は高周波の制御信号S5が供給される。また、制御ラインL5は、SQUID51と磁気的に結合されている。なお、図中のMは、磁気的に結合している状態を表している。周波数可変型共振器5では、共振器50が、外部から制御ポートP5に供給される制御信号S5に応じた周波数で発振する。周波数可変型共振器5は、例えばトランズモンに用いられてもよいし、ジョセフソンパラメトリック発振器やジョセフソンパラメトリック増幅器に用いられてもよい。
【0017】
図10は、シミュレーションに用いる周波数可変型共振器5aの構成例を示す回路図である。周波数可変型共振器5aは、周波数可変型共振器5(
図9に例示)と比較して、共振器50から制御ポートP5へ漏出する励振エネルギーをシミュレーションによって定量的に評価するために、当該シミュレーションに用いられる信号を入出力するための入出力ラインL6をさらに備える。入出力ラインL6の一端は、外部との間で信号の入出力が行われる入出力ポートP6に接続されている。入出力ラインL6の他端は、共振器50に接続されている。また、入出力ラインL6上には、キャパシタ53が設けられている。つまり、入出力ポートP6と、共振器50とは、キャパシタ53を介して入出力ラインL6によって結合されている。周波数可変型共振器5aのその他の構成については、周波数可変型共振器5と同様であるため、その説明を省略する。
【0018】
周波数可変型共振器5aでは、共振器50が、外部から制御ポートP5に供給される制御信号S5に応じた周波数で発振する。より具体的には、周波数可変型共振器5aでは、外部から制御ポートP5に制御信号S5が供給され、SQUID51に制御信号S5に応じた強度の磁場が印加されることにより、SQUID51のインダクタンスが変化するため、共振器50の共振周波数が調整される。
【0019】
ここで、ある磁場におけるSQUID51のインダクタンスをL、キャパシタ52のキャパシタンスをCとした場合、周波数可変型共振器5aの共振周波数ωrは、以下の式(1)のように表される。
【0020】
ωr=(LC)^(-1/2) ・・・(1)
【0021】
この周波数可変型共振器5aの内部損失は、外部から入出力ポートP6に入力信号が供給された場合に、その入力信号の一部が制御ラインL5を介して制御ポートP5へ透過することによって発生する。この透過は、S21と呼ばれる物理量を電磁界シミュレーションにより計算することで、定量的に評価することができる。物理量S21は、Sパラメータの一つであって、その絶対値の二乗は、第1ポートと第2ポートとが存在する場合において、第1ポートに供給されたエネルギーのうち、第2ポートに透過するエネルギーの割合を示している。周波数可変型共振器5aでは、入出力ポートP6が第1ポートに対応し、制御ポートP5が第2ポートに対応する。以下、周波数可変型共振器5の内部損失については、周波数可変型共振器5aを用いてシミュレーションを行うことにより調査されている。
【0022】
図11は、周波数可変型共振器5aのシミュレーション結果を示す図である。
図11では、周波数可変型共振器5aにおける、共振器50の励振周波数と、物理量S21の絶対値と、の関係が示されている。
図11において、横軸は、共振器50の励振周波数を表し、縦軸は、物理量S21の絶対値を表している。
【0023】
図11を参照すると、共振器50の共振周波数である11.1612GHzでは、物理量S21の絶対値が、最大値である0.0892を示している。これは、例えば入出力ポートP6に1000mW(ミリワット)の電力が供給された場合、制御ポートP5に約8.0mW(=1000mW×(0.0892)^2)の電力が透過することを意味する。また、このとき、入出力ポートP6には、残りの約992mWの電力が反射する。つまり、入出力ポートP6に供給された1000mWの電力は、入出力ポートP6に反射する電力と、制御ポートP5に透過する電力と、に分けられる。したがって、制御ラインL5が終端されたグランドGNDへのエネルギーの漏出については考慮しなくてもよい。
【0024】
このように、周波数可変型共振器5では、共振器50から制御ポートP5へのエネルギーの透過、即ち、周波数可変型共振器5の内部損失、を抑制することが求められている。この要求を満たすため、発明者等は、以下に示すように、周波数可変型共振器1~3を見出した。
【0025】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1にかかる周波数可変型共振器1の構成例を示す回路図である。周波数可変型共振器1は、超伝導を用いた量子情報処理回路において、例えば量子ビットを生成する量子回路や、増幅器の一種であるパラメトリック増幅器等に用いられる、超伝導量子回路である。
【0026】
図1に示すように、周波数可変型共振器1は、共振器10と、制御ラインL1と、によって構成されている。共振器10は、SQUID11と、SQUID11とともに閉ループを構成するキャパシタ12と、を有する。制御ラインL1の一端は、制御ポートP1に接続され、制御ラインL1の他端は、グランドGNDに接続(終端)されている。制御ポートP1には、外部から例えば直流又は高周波の制御信号S1が供給される。また、制御ラインL1は、SQUID11と磁気的に結合されている。なお、図中のMは、磁気的に結合している状態を表している。周波数可変型共振器1では、共振器10が、外部から制御ポートP1に供給される制御信号S1に応じた周波数で発振する。
【0027】
ここで、制御ラインL1は、ステップインピーダンス共振器15を構成する制御ラインL11,L12,L13を含む。制御ラインL11,L12,L13は、制御ラインL1において、制御ポートP1からグランドGNDにかけて順番に設けられている。具体的には、制御ラインL11は、制御ラインL1において、制御ポートP1に最も近い側に設けられている。制御ラインL12は、制御ラインL1において、制御ラインL11よりもSQUID11に磁気的に結合された部分に近い側に、制御ラインL11と連なるように設けられている。制御ラインL13は、制御ラインL1において、制御ラインL12よりもさらにSQUID11に磁気的に結合された部分に近い側(換言すると、制御ポートP1から最も遠い側)に、制御ラインL12と連なるように設けられている。そして、本実施の形態では、制御ラインL13とSQUID11とが磁気的に結合されている。
【0028】
制御ラインL11,L13の特性インピーダンスは何れもZ0を示す。制御ラインL12の特性インピーダンスは、Z0とは異なるZ1を示す。
【0029】
なお、周波数可変型共振器1において、共振器10及びステップインピーダンス共振器15は、例えば半導体チップ上に微細加工によって作製される。また、制御ポートP1は、周波数可変型共振器1の外部において、図示しないコネクタによって高周波ケーブルに接続される。当該高周波ケーブルは、例えば制御信号S1を出力する電子回路(制御回路)に接続される。ここで、高周波の反射損失を抑制するため、高周波ケーブルの特性インピーダンスと、制御ポートP1に接続された制御ラインL11の特性インピーダンスとは、同じ値であることが好ましい。一般的に、高周波ケーブルの特性インピーダンスは、50Ω(オーム)又は75Ωであることが多い。そこで、本実施の形態では、高周波ケーブルの特性インピーダンスが50Ωであって、それにあわせて、制御ラインL11,L13の特性インピーダンスも50Ωである場合を例に説明する。即ち、本実施の形態では、Z0=50Ωである場合を例に説明する。
【0030】
また、制御ラインL12の特性インピーダンスと、制御ラインL11,L13の特性インピーダンスと、の差分は、大きいほど好ましい。即ち、Z0とZ1との差分は大きいほど好ましい。例えば、|Z0-Z1|は、20Ω以上であることが好ましく、30Ω以上であることがさらに好ましい。そこで、本実施の形態では、制御ラインL11,L13の特性インピーダンスが50Ωであるのに対し、制御ラインL12の特性インピーダンスが20Ωである場合を例に説明する。即ち、本実施の形態では、Z0=50Ω、Z1=20Ωである場合を例に説明する。但し、Z0,Z1は、Z0とZ1とが異なっていれば任意の値に設定されてよい。
【0031】
ここで、ステップインピーダンス共振器15の共振周波数は、制御ラインL12の長さによって決まる。なお、ステップインピーダンス共振器15の共振周波数には、最も周波数の低い基本モードの共振周波数に加えて、高次のモードの共振周波数が存在する。そのうち、ステップインピーダンス共振器15の基本モードの共振周波数は、制御ラインL12の長さが波長の2分の1となるような周波数である。以降の説明では、制御ラインL11,L12,L13からなるステップインピーダンス共振器15を、半波長のステップインピーダンス共振器とも称す。
【0032】
また、周波数可変型共振器1では、ステップインピーダンス共振器15の基本モード及び高次のモードのそれぞれの共振周波数と、共振器10の共振周波数と、が異なるように構成される。なお、以降の説明では、ステップインピーダンス共振器15の基本モード及び高次のモードのそれぞれの共振周波数を纏めて、単に、ステップインピーダンス共振器15の共振周波数とも称す。それにより、ステップインピーダンス共振器15は、制御ラインL12の端部において周波数可変型共振器1の共振エネルギーを反射するフィルタとしての機能を有する。そのため、ステップインピーダンス共振器15は、共振器10の共振エネルギーの制御ポートP1への透過を防ぐことができる。
【0033】
さらに、ステップインピーダンス共振器15の透過率が共振器10の共振周波数ωrにおいて最も低くなるように設計することにより、ステップインピーダンス共振器15のフィルタとしての機能を強化することができる。そのためには、ステップインピーダンス共振器15の共振周波数は、共振器10の共振周波数の2倍±10%であることが好ましく、2倍であることが最も好ましい。換言すると、ステップインピーダンス共振器15の共振周波数は、共振器10の共振周波数の2倍の0.9倍以上、且つ、共振器10の共振周波数の2倍の1.1倍以下であることが好ましく、2倍であることが最も好ましい。
【0034】
図2は、シミュレーション実施用の周波数可変型共振器1aの構成例を示す回路図である。周波数可変型共振器1aは、周波数可変型共振器1(
図1に例示)と比較して、共振器10から制御ポートP1へ漏出する励振エネルギーをシミュレーションによって定量的に評価するために、当該シミュレーションに用いられる信号を入出力するための入出力ラインL4をさらに備える。入出力ラインL4の一端は、外部との間で信号の入出力が行われる入出力ポートP4に接続されている。入出力ラインL4の他端は、共振器10に接続されている。また、入出力ラインL4上には、キャパシタ13が設けられている。つまり、入出力ポートP4と、共振器10とは、キャパシタ13を介してラインL4によって結合されている。周波数可変型共振器1aのその他の構成については、周波数可変型共振器1と同様であるため、その説明を省略する。以下、周波数可変型共振器1の内部損失については、周波数可変型共振器1aを用いてシミュレーションを行うことにより調査されている。
【0035】
図3は、周波数可変型共振器1aのシミュレーション結果を示す図である。
図3では、周波数可変型共振器1aにおける、共振器10の励振周波数と、物理量S21の絶対値と、の関係が示されている。
図3において、横軸は、共振器10の励振周波数を表し、縦軸は、物理量S21の絶対値を表している。なお、物理量S21は、Sパラメータの一つであって、その絶対値の二乗は、第1ポートと第2ポートとが存在する場合において、第1ポートに供給されたエネルギーのうち、第2ポートに透過するエネルギーの割合を示している。周波数可変型共振器1aでは、入出力ポートP4が第1ポートに対応し、制御ポートP1が第2ポートに対応する。
【0036】
図3を参照すると、共振器10の共振周波数である11.1538GHzでは、物理量S21の絶対値が、最大値である0.0291を示している。これは、例えば入出力ポートP4に1000mWの電力が供給された場合、制御ポートP1に約0.8mW(=1000mW×(0.0291)^2)の電力が透過することを意味する。それに対し、周波数可変型共振器5aでは、入出力ポートP6に1000mWの電力が供給された場合、制御ポートP5に約8.0mWの電力が透過していた。したがって、周波数可変型共振器1aは、周波数可変型共振器5aと比較して、共振器10から制御ポートP1へのエネルギーの透過(漏出)を大幅に抑制することができる。
【0037】
なお、周波数可変型共振器1aが搭載される回路の集積度を上げるためには、周波数可変型共振器1aの回路規模はできるだけ小さい方がよい。
【0038】
そこで、まず、制御ラインL13の長さをできるだけ短くすることを検討する。具体的には、制御ラインL13の長さが異なる周波数可変型共振器1aに対して電磁界シミュレーションを行う。
図4は、制御ラインL13の長さと、制御ポートP1に透過する電力と、の関係を示す図である。
図4に示すように、制御ラインL13が長いほど、共振器10から制御ポートP1への電力の透過、即ち、周波数可変型共振器1aの内部損失が抑制されている。特に、共振器10から制御ポートP1への電力の透過を、ステップインピーダンス共振器15を有しない周波数可変型共振器5aと比較して30%以下に抑えるためには、制御ラインL13の長さは1.0mm以上である必要がある。1.0mmという長さは、量子ビットの共振周波数(11.1538GHz)に対する波長のおよそ12分の1である。したがって、制御ラインL13の長さは、共振器10の共振周波数に対する波長の12分の1以上であることが好ましいと言える。
【0039】
次に、制御ラインL1をできるだけ小さなエリアに配置することを検討する。
図5は、周波数可変型共振器1aのレイアウトの一例を示す図である。
図5の例では、制御ラインL1(換言すると、ステップインピーダンス共振器15)が、部分的に湾曲するようにして配置されている。このようなレイアウト構造は、メアンダ型のレイアウト構造と呼ばれる。なお、制御ラインL1のレイアウト構造は、
図5に示すメアンダ型に限られず、任意に湾曲された他のレイアウト構造であってもよい。このように、制御ラインL1を部分的に湾曲させて配置することにより、周波数可変型共振器1aの回路規模を小さくすることができる。
【0040】
また、比較的長い制御ラインL1を有する周波数可変型共振器1の構造では、意図した共振とは異なる共振がチップに現れることがある。このような現象を防ぐため、制御ラインL1を囲むように形成されたエアブリッジを設けることが好ましい。エアブリッジとは、制御ラインL1によって隔てられたグランド両面を、超伝導体を用いて空中架橋して電気的に接続する構造のことである。この構造の有効性は、例えば特許文献2及び特許文献3に記載されている。ただ、エアブリッジとは限らず、グランド両面を電気的に接続する導体であればよい。
【0041】
このように、本実施の形態にかかる周波数可変型共振器1は、制御ラインL1にステップインピーダンス共振器15を設けることにより、共振器10から制御ポートP1へのエネルギーの透過、即ち、内部損失、を抑制することができる。
【0042】
なお、周波数可変型共振器1は、例えばトランズモンに用いられてもよいし、ジョセフソンパラメトリック発振器やジョセフソンパラメトリック増幅器に用いられてもよい。ジョセフソンパラメトリック増幅器での内部Q値の上昇は信号の増幅効率(量子効率)の上昇につながる。ただし、周波数可変型共振器1をトランズモンに適用する場合において、高周波の制御信号S1が用いられる場合、制御ラインL1に含まれるステップインピーダンス共振器15を考慮して、外部から制御ポートP1に供給される高周波の制御信号S1を予め校正しておく必要がある。つまり、周波数可変型共振器1をトランズモンに適用する場合には、ステップインピーダンス共振器15を透過した後の制御信号S1が所望の矩形波になるように、ステップインピーダンス共振器15を透過する前の制御信号S1を予め校正しておく必要がある。
【0043】
<実施の形態2>
図6は、実施の形態2に係る周波数可変型共振器2の構成例を示す回路図である。周波数可変型共振器2は、超伝導を用いた量子情報処理回路において、特に、ジョセフソンパラメトリック発振器や、ジョセフソンパラメトリック増幅器に用いられる、超伝導量子回路である。
【0044】
周波数可変型共振器2は、周波数可変型共振器1(
図1に例示)と比較して、制御ラインL1の代わりに制御ラインL2を備える。制御ラインL2の一端は、制御ポートP2_1に接続され、制御ラインL2の他端は、制御ポートP2_2に接続されている。制御ポートP2_1,P2_2の少なくとも何れかには、外部から直流又は高周波の制御信号S2が供給される。また、制御ラインL2は、SQUID11と磁気的に結合されている。なお、図中のMは、磁気的に結合している状態を表している。周波数可変型共振器2では、共振器10が、外部から制御ポートP2_1,P2_2の少なくとも何れかに供給される制御信号S2に応じた周波数で発振する。
【0045】
ここで、制御ラインL2は、ステップインピーダンス共振器25を構成する制御ラインL21,L22,L23を含む。なお、ステップインピーダンス共振器25は、ステップインピーダンス共振器15に対応し、制御ラインL21,L22,L23は、それぞれ制御ラインL11,L12,L13に対応する。制御ラインL21,L22,L23は、制御ラインL2において、制御ポートP2_1から制御ポートP2_2にかけて順番に設けられている。ここで、本実施の形態では、制御ラインL22の中央付近とSQUID11とが磁気的に結合されている。周波数可変型共振器2のその他の構造については、周波数可変型共振器1と同様であるため、その説明を省略する。
【0046】
半波長のステップインピーダンス共振器25では、制御ラインL22の中央付近において、電流が最も大きくなり、制御信号S2の増幅効果を見込めるため、制御ラインL22の中央付近とSQUID11とを磁気的に結合することにより、制御ポートP2_1,P2_2の少なくとも何れかから供給される制御信号S2のパワーを低く設定することができる。
【0047】
(周波数可変型共振器2の変形例)
図7は、周波数可変型共振器2(
図6に例示)の変形例を周波数可変型共振器2aとして示す回路図である。周波数可変型共振器2aでは、制御ラインL2の他端が、制御ポートP2_2の代わりにグランドGNDに接続(終端)されている。周波数可変型共振器2aのその他の構造については、周波数可変型共振器2と同様であるため、その説明を省略する。それにより、周波数可変型共振器2aは、周波数可変型共振器2よりも構造を簡略化することができる。また、周波数可変型共振器2aでは、周波数可変型共振器2よりも制御ポートの数が少ないため、制御ポートに接続される高周波配線の数の削減が可能である。
【0048】
<実施の形態3>
図8は、実施の形態3に係る周波数可変型共振器3の構成例を示す回路図である。周波数可変型共振器3は、周波数可変型共振器1(
図1に例示)と比較して、制御ラインL1の代わりに制御ラインL3を備える。制御ラインL3の一端は、制御ポートP3に接続され、制御ラインL3の他端は、グランドGNDに接続(終端)されている。制御ポートP1には、外部から例えば直流又は高周波の制御信号S3が供給される。
【0049】
制御ラインL3は、ステップインピーダンス共振器35を構成する制御ラインL31,L32を含む。なお、ステップインピーダンス共振器35は、ステップインピーダンス共振器15に対応し、制御ラインL31,L32は、それぞれ制御ラインL11,L12に対応する。ステップインピーダンス共振器35には、制御ラインL13に対応する制御ラインは存在しない。制御ラインL31,L32は、制御ラインL3において、制御ポートP3からグランドGNDにかけて順番に設けられている。また、本実施の形態では、制御ラインL32とSQUID11とが磁気的に結合されている。周波数可変型共振器3では、共振器10が、外部から制御ポートP3に供給される制御信号S3に応じた周波数で発振する。
【0050】
ここで、ステップインピーダンス共振器35の基本モードの共振周波数は、制御ラインL32の長さが波長の4分の1となるような周波数である。以降の説明では、制御ラインL31,L32からなるステップインピーダンス共振器35を、四分の一波長のステップインピーダンス共振器とも称す。それに対し、ステップインピーダンス共振器15の基本モードの共振周波数は、制御ラインL12の長さが波長の2分の1となるような周波数であった。つまり、ステップインピーダンス共振器35では、基本モードの共振周波数を設定するために、制御ラインL32の長さを、ステップインピーダンス共振器15の制御ラインL12の長さよりも短くすることができる。そのため、周波数可変型共振器3は、周波数可変型共振器1よりも、回路規模を抑制することができる
【0051】
以上、図面を参照して、本開示の実施の形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等が可能である。
【0052】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0053】
(付記1)
超伝導量子干渉計と、前記超伝導量子干渉計とともに閉ループを構成するキャパシタと、を有する第1共振器と、
第1制御ポートに接続され、且つ、前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合された、制御ラインと、
を備え、
前記制御ラインは、
特性インピーダンスが第1インピーダンス値を示す第1ラインと、
前記第1ラインよりも前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合された部分に近い側に設けられ、且つ、特性インピーダンスが前記第1インピーダンス値とは異なる第2インピーダンス値を示す第2ラインと、
を少なくとも含む、
超伝導量子回路。
【0054】
(付記2)
外部から制御信号が前記第1制御ポートに供給されることによって発生する、前記第1共振器の共振、の周波数である第1共振周波数と、前記第1ラインと前記第2ラインとによって構成される第2共振器の共振周波数である第2共振周波数と、が異なるように構成される、
付記1に記載の超伝導量子回路。
【0055】
(付記3)
前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数の2倍の0.9倍以上、前記第2共振周波数の2倍の1.1倍以下である、
付記2に記載の超伝導量子回路。
【0056】
(付記4)
前記制御ラインの一端は、前記第1制御ポートに接続され、前記制御ラインの他端は、グランドに接続され、
前記第2ラインが、前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合されている、
付記1~3の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【0057】
(付記5)
前記制御ラインは、
前記第1ラインとの間に前記第2ラインを介すようにして設けられ、特性インピーダンスが前記第1インピーダンス値を示す第3ラインをさらに含む、
付記1に記載の超伝導量子回路。
【0058】
(付記6)
外部から制御信号が前記第1制御ポートに供給されることによって発生する、前記第1共振器の共振、の周波数である第1共振周波数と、前記第1ライン、前記第2ライン、及び、前記第3ラインによって構成される第2共振器の共振周波数である第2共振周波数と、が異なるように構成される、
付記5に記載の超伝導量子回路。
【0059】
(付記7)
前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数の2倍の0.9倍以上、前記第2共振周波数の2倍の1.1倍以下である、
付記6に記載の超伝導量子回路。
【0060】
(付記8)
前記第3ラインは、外部から制御信号が前記第1制御ポートに供給されることによって発生する、前記第1共振器の共振、の周波数である第1共振周波数、に対する波長の12分の1の長さに構成されている、
付記5~7の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【0061】
(付記9)
前記制御ラインの一端は、前記第1制御ポートに接続され、前記制御ラインの他端は、グランドに接続され、
前記第3ラインが、前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合されている、
付記5~8の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【0062】
(付記10)
前記制御ラインの一端は、前記第1制御ポートに接続され、前記制御ラインの他端は、グランド又は第2制御ポートに接続され、
前記第2ラインが、前記超伝導量子干渉計に磁気的に結合されている、
付記5~8の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【0063】
(付記11)
前記第1共振器は、ジョセフソンパラメトリック発振器又はジョセフソンパラメトリック増幅器として用いられる、
付記10に記載の超伝導量子回路。
【0064】
(付記12)
前記第1インピーダンス値は、50Ω及び75Ωの少なくとも何れかである、
付記1~11の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【0065】
(付記13)
前記第2インピーダンス値は、前記第1インピーダンス値との差分が20Ω以上である、付記1~12の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【0066】
(付記14)
前記制御ラインは、部分的に湾曲した湾曲部を有する、
付記1~13の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【0067】
(付記15)
前記制御ラインを囲むように形成されたエアブリッジ構造をさらに備える、
付記1~14の何れか一項に記載の超伝導量子回路。
【符号の説明】
【0068】
1 周波数可変型共振器
1a 周波数可変型共振器
2 周波数可変型共振器
2a 周波数可変型共振器
3 周波数可変型共振器
5 周波数可変型共振器
5a 周波数可変型共振器
10 共振器
11 SQUID
12 キャパシタ
13 キャパシタ
15 ステップインピーダンス共振器
25 ステップインピーダンス共振器
35 ステップインピーダンス共振器
50 共振器
51 SQUID
52 キャパシタ
53 キャパシタ
L1 制御ライン
L2 制御ライン
L3 制御ライン
L4 入出力ライン
L5 制御ライン
L6 入出力ライン
L11 制御ライン
L12 制御ライン
L13 制御ライン
L21 制御ライン
L22 制御ライン
L23 制御ライン
L31 制御ライン
L32 制御ライン
P1 制御ポート
P2_1 制御ポート
P2_2 制御ポート
P3 制御ポート
P4 入出力ポート
P5 制御ポート
P6 入出力ポート