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特開2024-70331シミュレーション装置、シミュレーション方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070331
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】シミュレーション装置、シミュレーション方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20240516BHJP
   G05F 1/67 20060101ALI20240516BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240516BHJP
   H02S 50/10 20140101ALI20240516BHJP
【FI】
H02M3/00 H
G05F1/67
H02J7/35 F
H02S50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180744
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 智史
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
5G503
5H420
5H730
【Fターム(参考)】
5F151JA28
5F151KA04
5F151KA09
5F251JA28
5F251KA04
5F251KA09
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA04
5G503GB03
5H420BB12
5H420BB13
5H420BB14
5H420CC03
5H420DD02
5H420EB26
5H420EB37
5H420FF03
5H420FF04
5H420FF05
5H420FF22
5H420FF25
5H420FF29
5H730AA13
5H730AA14
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS17
5H730FD01
5H730FD11
5H730FD31
5H730FD41
5H730FF09
5H730XX02
5H730XX03
5H730XX13
5H730XX16
5H730XX22
5H730XX23
5H730XX33
5H730XX35
5H730XX50
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所望の発電デバイスで直流電圧変換器を駆動させることが可能なかどうかを容易に判断できるシミュレーション装置、シミュレーション方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】シミュレーション装置100は、発電デバイスの電流電圧特性(IV特性)及び発電デバイスからの直流電圧を昇圧又は降圧して蓄電デバイスを充電する直流電圧変換器の入力側の電流電圧特性(IV特性)を特定する特定部と、発電デバイスのIV特性と、直流電圧変換器のIV特性とに基づいて、直流電圧変換器が発電デバイスの直流電圧を昇圧又は降圧して蓄電デバイスを充電することが可能か否を示す特性情報を生成する生成部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電デバイスからの直流電圧を直流電圧変換器で昇圧または降圧して蓄電デバイスに充電し、前記蓄電デバイスからの電力で電子デバイスを駆動させるシステムにおける前記発電デバイスの選定を補助するシミュレーション装置であって、
発電デバイスの電流電圧特性(IV特性)、及び前記直流電圧変換器の入力側の電流電圧特性(IV特性)を特定する特定部と、
前記発電デバイスの前記IV特性と、前記直流電圧変換器の前記IV特性とに基づいて、前記直流電圧変換器が前記発電デバイスの直流電圧を昇圧または降圧して前記蓄電デバイスを充電することが可能か否を示す特性情報を生成し、表示部に表示させる生成部と、
を備えるシミュレーション装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記発電デバイスの前記IV特性を示す曲線と、前記直流電圧変換器の前記IV特性を示す曲線とを示す情報を前記特性情報として生成する、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記発電デバイスの電力電圧特性(PV特性)をさらに特定し、
前記生成部は、前記発電デバイスの前記PV特性を示す曲線をさらに示す前記特性情報を生成する、請求項2に記載のシミュレーション装置。
【請求項4】
前記発電デバイスの開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値の入力を受け付ける情報受付部をさらに備え、
前記特定部は、前記開放電圧値、前記短絡電流値、前記最大電力時の電流値、及び前記最大電力時の電圧値に基づいて、前記発電デバイスの前記IV特性及び前記PV特性を特定する、請求項3に記載のシミュレーション装置。
【請求項5】
前記発電デバイスの前記開放電圧値、前記短絡電流値、前記最大電力時の電流値、及び前記最大電力時の電圧値の少なくとも1つについての調整パラメータの入力を受け付ける調整受付部をさらに備え、
前記特定部は、前記調整パラメータに基づいて調整された後の前記開放電圧値、前記短絡電流値、前記最大電力時の電流、及び前記最大電力時の電圧に基づいて、前記発電デバイスの調整後のIV特性及びPV特性を特定し、
前記生成部は、前記発電デバイスの調整前の前記IV特性を示す曲線及び前記PV特性を示す曲線と、前記発電デバイスの調整後の前記IV特性を示す曲線及び前記PV特性を示す曲線と、前記直流電圧変換器の前記IV特性を示す曲線とを示す情報を前記特性情報として生成する、請求項4に記載のシミュレーション装置。
【請求項6】
前記発電デバイスの種別値の入力を受け付けるデバイス種別受付部をさらに備え、
前記特定部は、前記デバイス種別受付部により受け付けられた前記発電デバイスの前記種別値と、前記発電デバイスの前記種別値と前記発電デバイスの前記IV特性及び前記PV特性に関する情報とを関連付けて示す情報とに基づいて、前記発電デバイスの前記IV特性及び前記PV特性を特定する、請求項3に記載のシミュレーション装置。
【請求項7】
前記直流電圧変換器の識別子の入力を受け付ける識別子受付部をさらに備え、
前記特定部は、前記識別子受付部により受け付けられた前記直流電圧変換器の前記識別子と、前記直流電圧変換器の前記識別子と前記直流電圧変換器の前記IV特性に関する情報とを関連付けて示す情報とに基づいて、前記直流電圧変換器の前記IV特性を特定する、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項8】
前記蓄電デバイスを充電するために前記直流電圧変換器から出力すべき電力の大きさを示す電力値を受け付ける電力値受付部をさらに備え、
前記特定部は、前記直流電圧変換器の任意の出力電圧値における[0]入力側の電圧に対する[0]出力電流特性をさらに特定し、
前記シミュレーション装置は、
前記直流電圧変換器の任意の出力電圧値における[0]入力側の電圧に対する[0]出力電流特性、入力側の前記IV特性、及び前記電力値に基づいて、前記直流電圧変換器から前記電力値の電力を出力する場合に前記発電デバイスから最大電力を出力可能な前記発電デバイスのIV特性及びPV特性を推定する推定部をさらに備え、
前記生成部は、推定された前記発電デバイスの前記IV特性を示す曲線と、推定された前記発電デバイスの前記PV特性を示す曲線とをさらに示す前記特性情報を生成する、請求項1から7の何れか1つに記載のシミュレーション装置。
【請求項9】
発電デバイスからの直流電圧を直流電圧変換器で昇圧または降圧して蓄電デバイスに充電し、前記蓄電デバイスからの電力で電子デバイスを駆動させるシステムにおける前記発電デバイスの選定を補助するシミュレーション方法であって、
発電デバイスの電流電圧特性(IV特性)、及び前記直流電圧変換器の入力側の電流電圧特性(IV特性)を特定する段階と、
前記発電デバイスの前記IV特性と、前記直流電圧変換器の前記IV特性とに基づいて、前記直流電圧変換器が前記発電デバイスの直流電圧を昇圧または降圧して前記蓄電デバイスを充電することが可能か否を示す特性情報を生成し、表示部に表示させる段階と、
を備えるシミュレーション方法。
【請求項10】
発電デバイスからの直流電圧を直流電圧変換器で昇圧または降圧して蓄電デバイスに充電し、前記蓄電デバイスからの電力で電子デバイスを駆動させるシステムにおける前記発電デバイスの選定を補助するシミュレーション装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
発電デバイスの電流電圧特性(IV特性)、及び前記直流電圧変換器の入力側の電流電圧特性(IV特性)を特定する特定部と、
前記発電デバイスの前記IV特性と、前記直流電圧変換器の前記IV特性とに基づいて、前記直流電圧変換器が前記発電デバイスの直流電圧を昇圧または降圧して前記蓄電デバイスを充電することが可能か否を示す特性情報を生成し、表示部に表示させる生成部と
して前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シミュレーション装置、シミュレーション方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1-3に示すように、太陽光または熱などの環境エネルギーで発電する発電デバイスから入力される僅かな電力を直流電圧変換器で昇圧及び降圧の少なくとも一方を実行して蓄電デバイスに充電した後、蓄電デバイスからの電力で電子デバイスを駆動することで、環境エネルギーを有効に利用するシステムが存在する。このようなシステムは、直流発電だけでなく、振動または電波発電などの交流発電を直流電圧に変換する場合、あるいは発電デバイスを使用せずとも微生物活動などによって自然に生じる微少な電力を変換する場合もある。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2019-122151号公報
[特許文献2] 特開2019-122152号公報
[特許文献3] 特開2019-122153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなシステムを導入するにあたり、所望の発電デバイスで直流電圧変換器を駆動させることが可能なかどうかを容易に判断できることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係るシミュレーション装置は、発電デバイスからの直流電圧を直流電圧変換器で昇圧して蓄電デバイスに充電し、前記蓄電デバイスからの電力で電子デバイスを駆動させるシステムにおける前記発電デバイスの選定を補助する。シミュレーション装置は、発電デバイスの電流電圧特性(IV特性)、及び前記発電デバイスからの直流電圧を昇圧または降圧して蓄電デバイスを充電する直流電圧変換器の入力側の電流電圧特性(IV特性)を特定する特定部を備えてよい。前記シミュレーション装置は、前記発電デバイスの前記IV特性と、前記直流電圧変換器の前記IV特性とに基づいて、前記直流電圧変換器が前記発電デバイスの直流電圧を昇圧または降圧して前記蓄電デバイスを充電することが可能か否を示す特性情報を生成し、表示部に表示させる生成部を備えてよい。
【0005】
前記シミュレーション装置において、前記生成部は、前記発電デバイスの前記IV特性を示す曲線と、前記直流電圧変換器の前記IV特性を示す曲線とを示す情報を前記特性情報として生成してよい。
【0006】
いずれかの前記シミュレーション装置において、前記特定部は、前記発電デバイスの電力電圧特性(PV特性)をさらに特定してよい。前記生成部は、前記発電デバイスの前記PV特性を示す曲線をさらに示す前記特性情報を生成してよい。
【0007】
いずれかの前記シミュレーション装置は、前記発電デバイスの開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値の入力を受け付ける情報受付部をさらに備えてよい。前記特定部は、前記開放電圧値、前記短絡電流値、前記最大電力時の電流値、及び前記最大電力時の電圧値に基づいて、前記発電デバイスの前記IV特性及び前記PV特性を特定してよい。
【0008】
いずれかの前記シミュレーション装置は、前記発電デバイスの前記開放電圧値、前記短絡電流値、前記最大電力時の電流値、及び前記最大電力時の電圧値の少なくとも1つについての調整パラメータの入力を受け付ける調整受付部をさらに備えてよい。前記特定部は、前記調整パラメータに基づいて調整された後の前記開放電圧値、前記短絡電流値、前記最大電力時の電流、及び前記最大電力時の電圧に基づいて、前記発電デバイスの調整後のIV特性及びPV特性を特定してよい。前記生成部は、前記発電デバイスの調整前の前記IV特性を示す曲線及び前記PV特性を示す曲線と、前記発電デバイスの調整後の前記IV特性を示す曲線及び前記PV特性を示す曲線と、前記直流電圧変換器の前記IV特性を示す曲線とを示す情報を前記特性情報として生成してよい。
【0009】
いずれかの前記シミュレーション装置は、前記発電デバイスの種別値の入力を受け付けるデバイス種別受付部をさらに備えてよい。前記特定部は、前記デバイス種別受付部により受け付けられた前記発電デバイスの前記種別値と、前記発電デバイスの前記種別値と前記発電デバイスの前記IV特性及び前記PV特性に関する情報とを関連付けて示す情報とに基づいて、前記発電デバイスの前記IV特性及び前記PV特性を特定してよい。
【0010】
いずれかの前記シミュレーション装置は、前記直流電圧変換器の識別子の入力を受け付ける識別子受付部をさらに備えてよい。
【0011】
前記特定部は、前記識別子受付部により受け付けられた前記直流電圧変換器の前記識別子と、前記直流電圧変換器の前記識別子と前記直流電圧変換器の前記IV特性に関する情報とを関連付けて示す情報とに基づいて、前記直流電圧変換器の前記IV特性を特定してよい。
【0012】
いずれかの前記シミュレーション装置は、前記蓄電デバイスを充電するために前記直流電圧変換器から出力すべき電力の大きさを示す電力値を受け付ける電力値受付部をさらに備えてよい。前記特定部は、前記直流電圧変換器の任意の出力電圧値における入力側の電圧に対する[0]出力電流特性をさらに特定してよい。前記シミュレーション装置は、前記直流電圧変換器の任意の出力電圧値における入力側の電圧に対する[0]前記出力電流特性入力側の前記IV特性、及び前記電力値に基づいて、前記直流電圧変換器から前記電力値の電力を出力する場合に前記発電デバイスから最大電力を出力可能な前記発電デバイスのIV特性及びPV特性を推定する推定部をさらに備えてよい。前記生成部は、推定された前記発電デバイスの前記IV特性を示す曲線と、推定された前記発電デバイスの前記PV特性を示す曲線とをさらに示す前記特性情報を生成してよい。
【0013】
本発明の一態様に係るシミュレーション装置は、発電デバイスからの直流電圧を直流電圧変換器で昇圧または降圧して蓄電デバイスに充電し、前記蓄電デバイスからの電力で電子デバイスを駆動させるシステムにおける前記発電デバイスの選定を補助する。シミュレーション方法は、発電デバイスの電流電圧特性(IV特性)、及び前記発電デバイスからの直流電圧を昇圧または降圧して蓄電デバイスを充電する直流電圧変換器の入力側の電流電圧特性(IV特性)を特定する段階を備えてよい。シミュレーション方法は、前記発電デバイスの前記IV特性と、前記直流電圧変換器の前記IV特性とに基づいて、前記直流電圧変換器が前記発電デバイスの直流電圧を昇圧または降圧して前記蓄電デバイスを充電することが可能か否を示す特性情報を生成する段階を備えてよい。
【0014】
本発明の一態様に係るプログラムは、発電デバイスからの直流電圧を直流電圧変換器で昇圧または降圧して蓄電デバイスに充電し、前記蓄電デバイスからの電力で電子デバイスを駆動させるシステムにおける前記発電デバイスの選定を補助するシミュレーション装置として。発電デバイスの電流電圧特性(IV特性)、及び前記発電デバイスからの直流電圧を昇圧または降圧して蓄電デバイスを充電する直流電圧変換器の入力側の電流電圧特性(IV特性)を特定する特定部としてコンピュータを機能させてよい。前記プログラムは、前記発電デバイスの前記IV特性と、前記直流電圧変換器の前記IV特性とに基づいて、前記直流電圧変換器が前記発電デバイスの直流電圧を昇圧または降圧して前記蓄電デバイスを充電することが可能か否を示す特性情報を生成する生成部として前記コンピュータを機能させてよい。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】発電デバイスの電力で電子デバイスを駆動させるシステムの一例を示す構成図である。
図2】本実施形態に係るシミュレーション装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図3A】熱電発電デバイスの場合の特性情報の画像の一例を示す図である。
図3B】太陽光発電デバイスの場合の特性情報の画像の一例を示す図である。
図4】シミュレーション装置が特性情報を表示部に表示させる手順の一例を示すフローチャートである。
図5】調整操作画面の一例を示す図である。
図6】特性情報の画像の一例を示す図である。
図7】昇降圧動作点の値を示す情報の画像の一例を示す図である。
図8】シミュレーション装置が発電デバイスのIV特性及びPV特性の調整前後の特性情報を表示部に表示させる手順の一例を示すフローチャートである。
図9】目標出力電力の入力画像の一例を示す図である。
図10】直流電圧変換器の入力側のIV特性及び入力側の電圧に対する出力電流特性の一例を示す図である。
図11】特性情報の画像の一例を示す図である。
図12】特性情報の画像の一例を示す図である。
図13】直流電圧変換器の入力側のIV特性及び入力側の電圧に対する出力電流特性の一例を示す図である。
図14】特性情報の画像の一例を示す図である。
図15】特性情報の画像の一例を示す図である。
図16】目標の電力値の電力を直流電圧変換器から出力させるために理想的な発電デバイスのIV特性及びPV特性を示す特性情報を表示部に表示させる手順の一例を示すフローチャートを示す。
図17】ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、発電デバイス10の電力で電子デバイス40を駆動させるシステムの一例を示す構成図である。システムは、発電デバイス10、直流電圧変換器20、蓄電デバイス30、及び電子デバイス40を備える。システムは、エネルギーハーベスティングを利用するシステムである。
【0019】
発電デバイス10は、太陽光発電素子、熱発電素子などの環境エネルギーを利用して発電するデバイスである。直流電圧変換器20は、DCDCコンバータであり、発電デバイス10からの直流電圧を昇圧または降圧して、蓄電デバイス30を充電する。直流電圧変換器20は、蓄電デバイス30からの電力を電子デバイス40に出力するか否かを切り替えるスイッチを有する。直流電圧変換器20は、蓄電デバイス30の充電容量が予め定められた充電容量に達するとスイッチを切り替えて、蓄電デバイス30からの電力で電子デバイス40を駆動させる。システムは、蓄電デバイス30の充電と、蓄電デバイス30の放電とを繰り返す。このシステムによれば、発電デバイス10で発電された僅かな電力を一旦蓄電デバイス30に充電した後、蓄電デバイス30から電子デバイス40に電力を供給する。これにより、発電デバイス10での発電量より大きな消費電力の電子デバイス40を駆動させることができる。よって、環境エネルギーをより有効に活用することができる。
【0020】
このようなシステムを設計するにあたり、直流電圧変換器20が動作可能な電力を供給できる発電デバイス10を選択する必要がある。しかし、システムの動作に関係するパラメータは多く、適切な発電デバイス10を選択することは難しく、環境エネルギーの有効活用が最適に行えない可能性がある。
【0021】
また、このようなシステムを設計するにあたり、蓄電デバイス30を充電する場合に要求すべき電力が直流電圧変換器20から出力できるように適切な発電デバイス10を選択することは難しく、環境エネルギーの有効活用が最適に行えない可能性がある。
【0022】
そこで、本実施形態では、適切な発電デバイス10の選択を容易にできるシミュレーションを実現できるシミュレーション装置を提供する。
【0023】
図2は、本実施形態に係るシミュレーション装置100の機能ブロックの一例を示す図である。シミュレーション装置100は、発電デバイス10からの直流電圧を直流電圧変換器20で昇圧または降圧して蓄電デバイス30に充電し、蓄電デバイス30からの電力で電子デバイスを駆動させるシステムにおける発電デバイス10の選定を補助する。シミュレーション装置100は、識別子受付部102、特定部104、デバイス種別受付部106、情報受付部108、生成部110、調整受付部112、推定部114、電力値受付部116、記憶部120、及び表示部130を備える。本実施形態では、発電デバイス10として、熱発電デバイスを例に説明する。しかし、発電デバイス10は、熱発電デバイス以外に、太陽光発電デバイスなど環境エネルギーを利用して発電する他の発電デバイスでもよい。この時、発電デバイス10の出力IV特性は発電素子の種別によって異なる。例えば、熱電発電素子の出力電圧と出力電流は負比例の関係にあり、負荷抵抗を無負荷状態から小さくすると、出力電圧は単調減少し、出力電流は単調増加する。太陽光発電素子の出力電圧と出力電流は指数関数の関係にあり、負荷抵抗を無負荷状態から小さくすると、出力電圧は低下するとともに出力電流はある電圧値までは増加していき、ある電流値以上では徐々に飽和していく。
【0024】
シミュレーション装置100は、コンピュータで構成されてよい。識別子受付部102、特定部104、デバイス種別受付部106、情報受付部108、生成部110、調整受付部112、推定部114、及び電力値受付部116は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶され、各種処理を行うプログラムをインストールし、このプログラムをコンピュータに実行させることで、構成してもよい。
【0025】
コンピュータは、CPU、ROM、RAM、EEPROM(登録商標)等の各種メモリ、通信バス及びインタフェースを有し、予めファームウェアとしてROMに格納された処理プログラムをCPUが読み出して順次実行することで、シミュレーション装置100として機能してよい。
【0026】
識別子受付部102は、システムに採用する予定の直流電圧変換器20の識別子をユーザから受け付ける。直流電圧変換器20の識別子は、直流電圧変換器20の電流電圧特性(IV特性)などの電気的な特性を一意に特定するための識別情報である。直流電圧変換器20の識別子は、例えば、直流電圧変換器20に割り当てられた型式番号でよい。
【0027】
デバイス種別受付部106は、システムに採用する予定の発電デバイス10の種別値をユーザから受け付けてよい。発電デバイス10の種別値は、発電デバイス10の発電に利用するエネルギー源ごとに異なる種類を示してよい。発電デバイス10の種別値は、例えば、光発電デバイス、熱電発電デバイス、振動発電デバイス、及び電磁波発電デバイスの何れか1つを示してよい。デバイス種別受付部106は、発電デバイス10の電流電圧特性(IV特性)及び電力電圧特性(PV特性)などの電気的な特性を一意に特定するための識別子を、発電デバイス10の種別値として受け付けてよい。デバイス種別受付部106は、発電デバイス10の型式番号を発電デバイス10の種別値として受け付けてもよい。
【0028】
情報受付部108は、発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値の入力を受け付けてよい。記憶部120は、直流電圧変換器20の識別子ごとに入力側のIV特性および[0]入力側の電圧に対する[0]出力電流特性を示す情報を記憶してよい。直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す情報は、直流電圧変換器20に入力される電流の大きさを示す入力電流値と、直流電圧変換器20に入力される電圧の大きさを示す入力電圧値との関係を示す情報である。直流電圧変換器20の入力側の電圧に対する出力電流特性を示す情報は、直流電圧変換器20から出力される電流の大きさを示す出力電流値と、直流電圧変換器20から出力される電圧の大きさを示す出力電圧値との関係を示す情報である。直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す情報は、入力電圧値を変数とする関数、すなわち近似式で入力電流値を示す情報でよい。直流電圧変換器20の入力側の電圧に対する出力電流特性を示す情報は、出力電圧値を変数とする関数、すなわち近似式で出力電流値を示す情報でよい。
【0029】
記憶部120は、発電デバイス10の種別値ごとにIV特性及びPV特性を示す情報を記憶してよい。記憶部120は、発電デバイス10の種別値ごとに、発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値をパラメータとするIV特性及びPV特性を示す情報を記憶してよい。発電デバイス10のIV特性を示す情報は、発電デバイス10から出力される電流の大きさを示す出力電流値と、発電デバイス10から出力される電圧の大きさを示す出力電圧値との関係を示す情報である。発電デバイス10のIV特性を示す情報は、出力電圧値を変数とする関数で出力電流値を示す情報でよい。発電デバイス10のPV特性を示す情報は、発電デバイス10から出力される電力の大きさを示す出力電力値と、発電デバイス10から出力される電圧の大きさを示す出力電圧値との関係を示す情報である。発電デバイス10のPV特性を示す情報は、出力電圧値を変数とする関数で出力電力値を示す情報でよい。
【0030】
記憶部120は、発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値と、発電デバイス10のIV特性、及びPV特性との関係を示す情報を記憶してよい。記憶部120は、発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値を変数とする関数として発電デバイス10のIV特性、及びPV特性を示す情報を記憶してよい。
【0031】
記憶部120が、システムに採用する候補となる発電デバイス10についてのIV特性及びPV特性を示す情報を記憶していない場合もある。この場合には、情報受付部108が、システムに採用する候補となる発電デバイス10について実際に測定した複数の出力電流値及び出力電圧値のペアを発電デバイス10のIV特性及びPV特性を示す情報としてユーザから受け付けて、記憶部120に記憶させてよい。
【0032】
特定部104は、発電デバイス10のIV特性及びPV特性、並びに直流電圧変換器の入力側のIV特性を特定してよい。特定部104は、デバイス種別受付部106により受け付けられた発電デバイス10の種別値に対応付けて記憶部120に記憶されている発電デバイス10のIV特性のPV特性を示す情報を特定してよい。特定部104は、記憶部120に記憶されている発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値を変数とするIV特性の関数およびPV特性の関数に従って、発電デバイス10のIV特性及びPV特性を特定してよい。
【0033】
生成部110は、発電デバイス10のIV特性と、直流電圧変換器20のIV特性とに基づいて、直流電圧変換器20が発電デバイスの直流電圧を昇圧または降圧して蓄電デバイス30を充電することが可能か否を示す特性情報を生成する。生成部110は、発電デバイス10のIV特性を示す曲線と、直流電圧変換器20のIV特性を示す曲線とを示す情報を特性情報として生成してよい。生成部110は、発電デバイス10のPV特性を示す曲線をさらに示す特性情報を生成してよい。
【0034】
発電デバイス10が、熱電発電デバイスの場合、生成部110は、図3Aに示すように、発電デバイス10のIV特性を示す曲線L1a、発電デバイス10のPV特性を示す曲線L2a、及び直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す曲線L3aを示す特性情報を生成してよい。生成部110は、曲線L1a、曲線L2a、及び曲線L3aが重畳された特性情報を表示部130に表示させる画像として生成してよい。
【0035】
発電デバイス10が、太陽光発電デバイスの場合、生成部110は、次式(1)及び(2)を利用して、発電デバイス10のIV特性を特定してよい。
【数1】
ここで、Iは、太陽光発電デバイスの出力電流値、Vは、太陽光発電デバイスの出力電圧値、eは、エレクトロンボルト(1.602×10-19の固定値)、nは、太陽光発電デバイス固有の係数、kは、ボルツマン定数(1.38×10-23の固定値)、Tはケルビン(300の固定値)、Iは、逆方向飽和電流値、Iは、短絡電流値、Vは、開放電圧値である。
【0036】
生成部110は、式(1)のVに発電デバイス10の最大電力時の電圧値、Iに発電デバイス10の最大電力時の電流値を代入する。式(1)中のn及びIは未知数であるが、例えば、生成部110は、短絡電流値I=逆方向飽和電流値Iで近似することで、nを導出できる。これにより、IをVの関数として表すことができ、生成部110は、発電デバイス10が、太陽光発電デバイスの場合における発電デバイス10のIV特性を特定できる。
【0037】
表示部130は、図3Aに示すような特性情報を示す画像を表示してよい。曲線L1aと、曲線L3aとの交点Paが存在する場合、曲線L1aのIV特性を有する発電デバイス10で、曲線L3aのIV特性を有する直流電圧変換器20を動作させ、直流電圧変換器20で蓄電デバイス30を充電することが可能であることを意味する。交点Paは、直流電圧変換器20の昇降圧動作点を示す。よって、ユーザは、曲線L1aと、曲線L3aとの交点Paが存在するか否かを確認することで、採用候補の発電デバイス10を利用して、直流電圧変換器20を動作させ、直流電圧変換器20で蓄電デバイス30を充電できるかどうかを容易に判断できる。これにより、環境エネルギーを有効に活用できるシステムを提供できる。
【0038】
曲線L2aの頂点は、発電デバイス10で出力可能な最大電力Wa_maxを示す。直流電圧変換器20が動作する入力電圧に対応する電力Wa_1と、最大電力Wa_maxとの差ΔWaが小さいほど、直流電圧変換器20が発電デバイス10の電力を効率的に取り出すことができることを意味する。
【0039】
図3Aに示す曲線L1a'は、曲線L3aのIV特性を有する直流電圧変換器20を動作させることが可能な最小の昇降圧動作点を示す発電デバイス10のIV特性を示す。図3Aに示すIV特性の例は、発電デバイス10が熱電発電デバイスの場合の例であり、発電デバイス10が太陽光発電デバイスの場合は、出力IV特性が熱電発電デバイスの出力IV特性と異なる。したがって、発電デバイス10が太陽光発電デバイスの場合は、出力IV特性は、例えば、図3Bに示すような曲線したがって、発電デバイス10の種別に応じたIV特性が使用されてよい。
【0040】
このように、シミュレーション装置100は、図3Aに示すような特性情報を表示部130に表示させる。これにより、発電デバイス10の昇降圧条件を可視化できる。より具体的には、直流電圧変換器20が、発電デバイス10で取り出すことが可能な最大電力に近い条件で昇圧または降圧できるかを可視化できる。また、直流電圧変換器20が、発電デバイス10の出力が周囲の環境の変化等で低下しても昇圧または降圧できるだけの余裕があるかどうかを可視化できる。すなわち、発電デバイス10のIV特性を示す曲線La1が、最小の動作点を示す下限のIV特性を示す曲線La1'に近いかどうかで、ユーザは、直流電圧変換器20が、発電デバイス10の電力を利用して、安定して昇圧または降圧できるかどうか容易に判断できる。
【0041】
以上のように、本実施形態に係るシミュレーション装置100によれば、発電デバイス10と直流電圧変換器20との接続の相性がよいかどうかの指標を提供できる。
【0042】
図4は、シミュレーション装置100が特性情報を表示部130に表示させる手順の一例を示すフローチャートである。
【0043】
識別子受付部102が、システムに採用する予定の直流電圧変換器20の識別子をユーザから受け付ける(S100)。識別子受付部102は、表示部130に表示された直流電圧変換器20の複数の型式番号の中から所望の型式番号をユーザに選択させることで、システムに採用する予定の直流電圧変換器20の識別子を受け付けてよい。
【0044】
特定部104は、直流電圧変換器20の識別子に基づいて、直流電圧変換器20の入力側のIV特性を特定する(S102)。特定部104は、記憶部120を参照することで、受け付けられた直流電圧変換器20の識別子に対応する直流電圧変換器20のIV特性を示す情報を特定してよい。
【0045】
情報受付部108は、システムに採用する予定の発電デバイス10の種別値、開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値の入力を受け付ける(S104)。特定部104は、発電デバイス10の種別値、開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値に基づいて、発電デバイス10のIV特性及びPV特性を特定する(S106)。特定部104は、記憶部120を参照して、発電デバイス10の種別値に対応する発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値を変数とするIV特性の関数およびPV特性の関数を特定する。さらに、特定部104は、特定されたIV特性の関数およびPV特性の関数に、受け付けられた発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値を適用することで、発電デバイス10のIV特性及びPV特性を特定してよい。
【0046】
生成部110は、特定された直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す曲線、並びに特定された発電デバイス10のIV特性を示す曲線及びPV特性を示す曲線を重畳した特性情報を生成する(S108)。表示部130は、特性情報を表示する(S110)。
【0047】
以上のように、シミュレーション装置100は、発電デバイス10のIV特性及びPV特性、並びに直流電圧変換器の入力側のIV特性を示す特性情報を表示部130に表示させる。これにより、ユーザは特性情報を参照することで、発電デバイス10と直流電圧変換器20との接続の相性がよいかどうかを容易に判断できる。よって、環境エネルギーを有効に活用できるシステムを提供できる。
【0048】
なお、シミュレーション装置100は、発電デバイス10のIV特性及びPV特性、並びに直流電圧変換器20の入力側のIV特性に加えて、直流電圧変換器20の入力側の電圧に対する出力電流特性を示す特性情報を表示部130に表示させてもよい。
【0049】
ここで、シミュレーション装置100は、発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値の少なくとも1つの調整パラメータをユーザから受け付け、調整後の発電デバイス10のIV特性を示す曲線及びPV特性を示す曲線をさらに示す特性情報を表示部130に表示させてよい。これにより、IV特性及びPV特性の調整前後の発電デバイス10と直流電圧変換器20との接続の相性の変化を容易に判断できる。
【0050】
調整受付部112は、発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値の少なくとも1つについての調整パラメータの入力を受け付ける。調整受付部112は、発電デバイス10の開放電圧値及び短絡電流値の調整の割合の入力を調整パラメータの入力として受け付けてよい。調整受付部112は、表示部130に表示される図5に示すような調整操作画面上の調整バー200を介して、発電デバイス10の開放電圧値及び短絡電流値の調整の割合の入力を受け付けてよい。
【0051】
特定部104は、調整された後の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流、及び最大電力時の電圧に基づいて、発電デバイス10の調整後のIV特性及びPV特性を特定してよい。生成部110は、発電デバイス10の調整前のIV特性を示す曲線及びPV特性を示す曲線と、発電デバイスの調整後のIV特性を示す曲線及びPV特性を示す曲線と、直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す曲線とを示す情報を特性情報として生成してよい。
【0052】
生成部110は、図6に示すように、発電デバイス10の調整前のIV特性を示す曲線Lb1及びPV特性Lb2を示す曲線と、発電デバイスの調整後のIV特性を示す曲線Lb1'及びPV特性を示す曲線Lb2'と、直流電圧変換器20のIV特性を示す曲線Lb3とを示す情報を特性情報として生成してよい。
【0053】
表示部130は、図6に示すような特性情報を表示してよい。例えば、発電デバイス10の周囲の環境変化で、発電デバイス10が収集する環境エネルギーが小さくなり、発電デバイス10の出力が調整前より50%低下した場合でも、その発電デバイス10を利用して、直流電圧変換器20が正常に昇降圧動作して、蓄電デバイス30を充電させることができるかを容易に判断できる。IV特性及びPV特性の調整前後のいずれにおいても発電デバイス10と直流電圧変換器20との接続の相性がよいかどうかを容易に判断できる。よって、環境エネルギーを有効に活用できるシステムを提供できる。発電デバイス10が熱電発電デバイスの場合は、環境エネルギーが小さくなると出力電圧と出力電流の両方が小さくなる。一方、発電デバイス10が太陽光発電デバイスの場合は、図3Bに示すように、環境エネルギーが小さくなると、出力電圧はほとんど変化せずに出力電流が小さくなる。出力電圧と出力電流を個別に調整できることにより、様々な種別の発電デバイスの調整に適用できる。
【0054】
生成部110は、図7に示すように、IV特性及びPV特性の調整前後の直流電圧変換器20の昇降圧動作点における入力電圧、入力電流、出力電圧、及び出力電流を示す画面情報を生成してよい。表示部130は、図7に示すような昇降圧動作点の値を示す画面情報をさらに表示してよい。
【0055】
図8は、シミュレーション装置100が、発電デバイス10のIV特性及びPV特性の調整前後の特性情報を表示部130に表示させる手順の一例を示すフローチャートである。
【0056】
調整受付部112が、発電デバイス10の開放電圧値及び短絡電流値の調整の割合の入力を調整パラメータの入力として受け付ける(S200)。調整受付部112は、図5に示すような調整操作画面上の調整バー200を介して、発電デバイス10の開放電圧値及び短絡電流値の調整の割合の入力を受け付けてよい。
【0057】
特定部104は、受け付けられた割合に調整された発電デバイス10の開放電圧値及び短絡電流値に基づいて、発電デバイス10の調整後のIV特性及びPV特性を特定する(S202)。生成部110は、直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す曲線、発電デバイス10の調整前のIV特性及びPV特性を示すそれぞれの曲線、並びに発電デバイス10の調整後のIV特性及びPV特性を示すそれぞれの曲線を重畳させた特性情報を生成する(S204)。表示部130は、生成された特性情報を表示する(S206)。
【0058】
以上のように、調整受付部112が、発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値の少なくとも1つについての調整の入力を受け付ける。これにより、発電デバイス10のIV特性及びPV特性を適宜調整し、調整後のIV特性の曲線及びPV特性の曲線を、直流電圧変換器20の入力側のIV特性の曲線とともに表示部130に表示させることができる。よって、IV特性及びPV特性の調整後の発電デバイス10と直流電圧変換器20との接続の相性を容易に把握できる。これにより、環境エネルギーを有効に活用できるシステムに採用すべき発電デバイス10の選定を容易にできる。
【0059】
ところで、蓄電デバイス30を充電するために直流電圧変換器20が出力すべき目標の電力の大きさを示す電力値が決まっている場合がある。このような場合に、目標の電力値の電力を直流電圧変換器20から出力させるために最適なIV特性及びPV特性を有する発電デバイス10を容易に選択できるようにすることが望まれている。
【0060】
そこで、シミュレーション装置100は、蓄電デバイス30を充電するために直流電圧変換器20が出力すべき目標の電力の大きさを示す電力値をパラメータとして、発電デバイス10の理想的なIV特性及びPV特性を提示する。
【0061】
電力値受付部116は、蓄電デバイス30を充電するために直流電圧変換器20から出力すべき目標の電力の大きさを示す電力値を受け付ける。電力値受付部116は、例えば、表示部130に表示される図9に示すような目標出力電力の入力画像を介して、直流電圧変換器20から出力すべき目標の電力の大きさを示す電力値を受け付けてよい。
【0062】
直流電圧変換器20の目標出力電流の値は、生成部110が、目標出力電力を予め定められた直流電圧変換器20の出力電圧値で除算することで導出されてよい。直流電圧変換器20の出力電圧値は、蓄電デバイス30の電力で電子デバイス40の動作を開始させるときの基準となる蓄電デバイス30の出力電圧値に基づいて定められてよい。例えば、蓄電デバイス30の電圧が3.3Vに達したことに対応して、直流電圧変換器20が蓄電デバイス30の電力を電子デバイス40に供給して電子デバイス40の動作を開始させる場合、直流電圧変換器20の出力電圧値は、3.3Vでよい。なお、3.3Vは一例であり、他の電圧値でも構わない。
【0063】
特定部104は、直流電圧変換器20の入力側のIV特性に加えて、入力側の電圧に対する出力電流特性を特定する。特定部104は、識別子受付部102により受け付けられた直流電圧変換器20の識別子と、記憶部120に記憶された直流電圧変換器20の識別子と直流電圧変換器20の入力側の電圧に対する出力電流特性及び入力側のIV特性に関する情報とを関連付けて示す情報とに基づいて、直流電圧変換器20の入力側のIV特性及び入力側の電圧に対する出力電流特性を特定してよい。
【0064】
推定部114は、直流電圧変換器20の入力側の電圧に対する出力電流特性、入力側のIV特性、及び目標の電力値に基づいて、直流電圧変換器20から目標の電力値の電力を出力する場合に発電デバイス10から最大電力を出力可能な発電デバイス10のIV特性及びPV特性を推定する。推定部114は、例えば、図10に示すように、直流電圧変換器20の入力側の電圧に対する出力電流特性から、直流電圧変換器20の目標の電力値に対応する目標出力電流値(0.39μA)が得られる目標出力電圧値(28.2mV)を特定する。さらに、推定部114は、直流電圧変換器20の入力側のIV特性から、特定された目標出力電圧値(28.2mV)に対応する目標入力電流値(402.6μA)を特定する。推定部114は、目標出力電圧値と同じ値である目標入力電圧値(28.2mV)と、特定された目標入力電流値(402.6μA)とを直流電圧変換器20の昇降圧動作点として特定する。推定部114は、昇降圧動作点の目標入力電圧値及び目標入力電流値に基づいて、直流電圧変換器20から目標の電力値の電力を出力する場合に発電デバイス10から最大電力を出力可能な発電デバイス10のIV特性及びPV特性を推定する。推定部114は、直流電圧変換器20の入力電圧値及び入力電流値を変数とする予め定められたIV特性及びPV特性の関数の中から、昇降圧動作点の電圧値及び電流値で最大の電力が得られる関数を特定することで、発電デバイス10から最大電力を出力可能な発電デバイス10のIV特性及びPV特性を推定してよい。この時、発電デバイス10のIV特性およびPV特性は、発電デバイスの種別によって異なるため、使用する発電デバイスの種別に応じて適切なIV特性およびPV特性を選択してよい。
【0065】
発電デバイス10が熱発電デバイスの場合、推定部114は、昇降圧動作点の電圧値の2倍の電圧値を開放電圧値として特定し、昇降圧動作点の電流値の2倍の電流値を短絡電流値として特定することで、発電デバイス10のIV特性及びPV特性を特定してよい。
【0066】
生成部110は、図11に示すような、推定部114により推定された発電デバイス10のIV特性を示す曲線Lc1及びPV特性を示す曲線Lc2と、特定部104により特定された直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す曲線Lc3とを示す特性情報を生成する。生成部110は、推定部114により推定された発電デバイス10のIV特性を示す曲線Lc1及びPV特性を示す曲線Lc2の少なくとも一方と、特定部104により特定された直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す曲線Lc3とを示す特性情報を生成してもよい。生成部110は、図12に示すように、推定部114により推定されたIV特性及びPV特性を有する発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電圧値、及び最大電力時の電流値を示す特性情報をさらに生成してよい。
【0067】
ここで、発電デバイス10が太陽光発電デバイスの場合、IV特性およびPV特性は熱電発電デバイスとは異なる。推定部114は、太陽光発電デバイスのIV特性およびPV特性の近似式を用いて、開放電圧値および短絡電流値を計算してよい。
【0068】
発電デバイス10が太陽光発電デバイスの場合、推定部114は、直流電圧変換器20の目標の出力電力値(例えば、12.8μW)を、直流電圧変換器20の出力電圧値(3.35V)で除することで、直流電圧変換器20の目標の電力値に対応する目標出力電流値(3.82μA)を導出する。そして、推定部114は、図13に示すようなIV特性を参照して、目標出力電流値(3.82μA)が得られる目標出力電圧値(344.9mV)を特定する。さらに、推定部114は、直流電圧変換器20の入力側のIV特性から、特定された目標出力電圧値(344.9mV)に対応する目標入力電流値(100.2μA)を特定する。
【0069】
次いで推定部114は、目標出力電圧値と同じ値である目標入力電圧値(344.9mV)と、特定された目標入力電流値(100.2μA)とを直流電圧変換器20の昇降圧動作点(最大電力点)として特定する。推定部114は、昇降圧動作点の目標入力電圧値及び目標入力電流値に基づいて、直流電圧変換器20から目標の電力値の電力を出力する場合に発電デバイス10から最大電力を出力可能な発電デバイス10のIV特性を推定する。
【0070】
発電デバイス10が太陽光発電デバイスの場合、推定部114は、式(1)及び式(2)と基づいて発電デバイス10のIV特性を推定する。
【数2】
【0071】
推定部114は、式(1)のVに発電デバイス10の最大電力時の電圧値、Iに発電デバイス10の最大電力時の電流値を代入する。式(1)中の係数n、逆方向飽和電流値I、開放電圧値V、短絡電流値Iは未知数である。そこで、例えば、推定部114は、短絡電流値Iを最大電力時の電流値/0.9で近似し、短絡電流値I=逆方向飽和電流値Iで近似することで、式(1)および式(2)の連立方程式を解くことで、未知数の係数nと、開放電圧値Vとを導出する。これにより、推定部114は、発電デバイス10のIV特性を推定し、さらにPV特性を推定できる。そして、生成部110は、図14に示すような、推定部114により推定された発電デバイス10のIV特性を示す曲線Ld1及びPV特性を示す曲線Ld2と、特定部104により特定された直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す曲線Ld3とを示す特性情報を生成する。
【0072】
表示部130は、図11及び図12に示す特性情報を表示してよい。これにより、ユーザは、目標の電力値の電力を直流電圧変換器20から出力させるために最適な発電デバイス10のIV特性及びPV特性を容易に把握することができる。よって、目標の電力値の電力を直流電圧変換器20から出力させるために最適な発電デバイス10を用いて環境エネルギーを有効に活用できるシステムを提供できる。
【0073】
生成部110は、推定部114により推定された発電デバイス10のIV特性を示す曲線及びPV特性を示す曲線と、特定部104により特定された直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す曲線とに加えて、予め定められた少なくとも1つの候補の発電デバイスのIV特性を示す曲線及びPV特性を示す曲線をさらに示す特性情報を生成してよい。
【0074】
生成部110は、図15に示すように、推定部114により推定された発電デバイス10のIV特性を示す曲線Lt1及びPV特性を示す曲線Lt2と、特定部104により特定された直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す曲線Lt3とに加えて、候補の発電デバイスのIV特性を示す曲線Lx1及び曲線Ly1、並びにPV特性を示す曲線Lx2及びLy2をさらに示す特性情報を生成してよい。
【0075】
表示部130は、図15に示すような特性情報を表示してよい。表示部130は、目標の電力値の電力を直流電圧変換器20から出力させるために理想的な発電デバイス10のIV特性及びPV特性の曲線とともに、システムに採用する候補となる少なくとも1つの発電デバイス10のIV特性及びPV特性の曲線を、システムに採用する候補の直流電圧変換器20の入力側のIV特性の曲線とともに表示する。これにより、ユーザは、システムに採用する候補となる少なくとも1つの発電デバイス10の中から、理想的な発電デバイス10に最も近いIV特性及びPV特性を有する発電デバイス10を容易に選択することができる。図15に示す例では、曲線Ly1のIV特性及び曲線Ly2のPV特性を有する発電デバイス10よりも、曲線Lx1のIV特性及び曲線Lx2のPV特性を有する発電デバイス10のほうが、理想的な発電デバイス10に近い最適な発電デバイス10であることをユーザは容易に把握できる。
【0076】
図16は、目標の電力値の電力を直流電圧変換器20から出力させるために理想的な発電デバイス10のIV特性及びPV特性を示す特性情報を表示部130に表示させる手順の一例を示すフローチャートを示す。
【0077】
識別子受付部102が、システムに採用する予定の直流電圧変換器20の識別子をユーザから受け付ける(S300)。特定部104は、直流電圧変換器20の識別子に基づいて、直流電圧変換器20の入力側の電圧に対する出力電流特性及び入力側のIV特性を特定する(S302)。電力値受付部116が、蓄電デバイス30を充電するために直流電圧変換器20から出力すべき目標の電力の大きさを示す出力電力値を受け付ける(S304)。
【0078】
推定部114は、直流電圧変換器20の目標の出力電力値、並びに直流電圧変換器20の入力側の電圧に対する出力電流特性に基づいて、直流電圧変換器20の目標の出力電圧値及び目標の出力電流値を推定する(S306)。
【0079】
さらに、推定部114は、直流電圧変換器20の入力側の電圧に対する出力電流特性及び入力側のIV特性に基づいて、直流電圧変換器20の目標の出力電圧値及び目標の出力電流値に対応する直流電圧変換器20の入力電圧値及び入力電流値を特定し、その入力電圧値及び入力電流値で最大電力を出力可能な目標の発電デバイス10のIV特性及びPV特性を推定する(S308)。推定部114は、目標の発電デバイス10の種別値に応じた電圧値及び電流値を変数とする関数に従って、目標の発電デバイス10のIV特性及びPV特性を推定してよい。
【0080】
推定部114は、推定された目標の発電デバイス10のIV特性及びPV特性に基づいて、目標の発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値を特定する(S310)。
【0081】
生成部110は、直流電圧変換器20の入力側のIV特性を示す曲線、並びに目標の発電デバイス10のIV特性を示す曲線及びPV特性を示す曲線を示す情報と、目標の発電デバイス10の開放電圧値、短絡電流値、最大電力時の電流値、及び最大電力時の電圧値を示す情報とを含む特性情報を生成する(S312)。表示部130は、特性情報を表示する(S314)。
【0082】
本実施形態に係るシミュレーション装置100によれば、目標の電力値の電力を直流電圧変換器20から出力させるために理想的な発電デバイス10のIV特性及びPV特性をユーザに提示できる。ユーザは、理想的な発電デバイス10のIV特性及びPV特性を参考にして、システムに採用する候補となる少なくとも1つの発電デバイス10の中から最適な発電デバイス10を容易に選択することができる。
【0083】
図17は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0084】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0085】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CD-ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0086】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0087】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0088】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0089】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0090】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM(登録商標))、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0091】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0093】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0094】
10 発電デバイス
20 直流電圧変換器
30 蓄電デバイス
40 電子デバイス
100 シミュレーション装置
102 識別子受付部
104 特定部
106 デバイス種別受付部
108 情報受付部
110 生成部
112 調整受付部
114 推定部
116 電力値受付部
120 記憶部
130 表示部
1200 コンピュータ
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1220 入力/出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1230 ROM
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17