(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070729
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】面状光源
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240516BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240516BHJP
【FI】
F21S2/00 411
F21S2/00 441
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181415
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】赤川 星太郎
(72)【発明者】
【氏名】中林 拓也
(72)【発明者】
【氏名】奥田 将人
(72)【発明者】
【氏名】四宮 保紀
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA08
3K244CA02
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA24
3K244EA02
3K244EA12
3K244EA23
3K244GA06
(57)【要約】
【課題】輝度むらを低減できる面状光源を提供する。
【解決手段】面状光源は、支持部材と、支持部材の上面側に位置する第1面と、第1面の反対側の第2面と、第1面から第2面まで貫通する貫通孔と、を有する導光部材と、発光素子と、発光素子の上面及び側面を覆う波長変換部材と、を有し、支持部材上の貫通孔に配置される光源部と、貫通孔における光源部と導光部材との間に配置された透光性部材と、光源部及び透光性部材の上に配置される光調整部材と、を有し、光源部の波長変換部材の上面は、導光部材の第2面よりも上方に位置する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、
前記支持部材の上面側に位置する第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、を有する導光部材と、
発光素子と、前記発光素子の上面及び側面を覆う波長変換部材と、を有し、前記支持部材上の前記貫通孔に配置される光源部と、
前記貫通孔における前記光源部と前記導光部材との間に配置された透光性部材と、
前記光源部及び前記透光性部材の上に配置される光調整部材と、
を有し、
前記光源部の前記波長変換部材の上面は、前記導光部材の前記第2面よりも上方に位置する面状光源。
【請求項2】
上面視において、前記波長変換部材の上面は複数の隅部を有する略矩形状であり、
前記波長変換部材の上面の隅部は、前記波長変換部材の上面の中央部よりも上方に位置する請求項1に記載の面状光源。
【請求項3】
前記波長変換部材の上面は、中央部が下方に向かって凹となる曲面を有する請求項2に記載の面状光源。
【請求項4】
前記透光性部材は、前記波長変換部材の上に配置される請求項1に記載の面状光源。
【請求項5】
前記透光性部材は、前記導光部材の前記第2面上に延在して配置されており、
前記光調整部材は、前記導光部材の前記第2面上に位置する前記透光性部材の上に配置される請求項1に記載の面状光源。
【請求項6】
平面視において、前記導光部材の外形は略矩形状であり、前記波長変換部材の外形を構成する辺が、前記導光部材の外形を構成する辺に対して傾斜している、請求項2に記載の面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子と、導光部材とを組み合わせた面状光源は、例えば液晶ディスプレイのバックライト等に広く利用されている。例えば、特許文献1には、複数の貫通孔を有する導光部材と、基板上に配置された複数の光源と、を備える発光装置が開示されている。複数の光源のそれぞれは、導光部材の貫通孔内に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る実施形態は、輝度むらを低減できる面状光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、面状光源は、支持部材と、前記支持部材の上面側に位置する第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、を有する導光部材と、発光素子と、前記発光素子の上面及び側面を覆う波長変換部材と、を有し、前記支持部材上の前記貫通孔に配置される光源部と、前記貫通孔における前記光源部と前記導光部材との間に配置された透光性部材と、前記光源部及び前記透光性部材の上に配置される光調整部材と、を有し、前記光源部の前記波長変換部材の上面は、前記導光部材の上面よりも上方に位置する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態の面状光源によれば、輝度むらを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る面状光源の概略上面図である。
【
図2】
図1のII-II線における概略断面図である。
【
図4A】導光部材10の凹部11の例を示す概略上面図である。
【
図4B】導光部材10の凹部11の例を示す概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面は、実施形態を模式的に示したものであるため、各部材のスケール、間隔若しくは位置関係などが誇張、又は部材の一部の図示を省略する場合がある。本明細書では、Z軸の矢印方向を上方とし、Z軸の矢印方向と反対側の方向を下方とする。X軸の矢印方向の側を+X側とし、X軸の矢印方向の反対側を-X側とする。Y軸の矢印方向の側を+Y側とし、Y軸の矢印方向の反対側を-Y側とする。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「平行」とは、2つの直線、辺、面等が延長しても交わらない場合だけでなく、2つの直線、辺、面等がなす角度が10°以内の範囲で交わる場合も含む。本明細書において「上」と表現する位置関係は、接している場合と、接していないが上方に位置している場合も含む。
【0010】
[第1実施形態]
実施形態の面状光源300を
図1から
図3を参照して説明する。
図1は、面状光源300の発光面側から見た図面である。
図1に示すように、面状光源300の発光面に対して平行であり、且つ互いに直交する2方向をX方向と、Y方向とする。X方向及びY方向と直交する方向を、Z方向とする。本明細書において、X方向、及び、Y方向と平行な平面をXY平面と称することがある。また、XY平面においてX方向から0°以上360°より小さい角度で傾く方向を横方向と称し、Z方向を上下方向と称することがある。
【0011】
面状光源300は、支持部材200と、導光部材10と、光源部20と、透光性部材30と、光調整部材40と、を備える。導光部材10は、支持部材200の上面200A側に位置する第1面101と、第1面101の反対側の第2面102と、第1面101から第2面102まで貫通する貫通孔10Hと、を含む。光源部20は、発光素子と、発光素子の上面及び側面を覆う波長変換部材と、を有する。光源部20は、支持部材200上の貫通孔10Hに配置される。透光性部材30は、貫通孔10Hにおける光源部20と導光部材10との間に配置される。光調整部材40は、光源部20及び透光性部材30の上に配置される。光源部20の波長変換部材23の上面は、導光部材10の前記第2面よりも上方に位置する。
【0012】
光源部20及び透光性部材30の上に光調整部材40が配置され、光源部20の波長変換部材23の上面が導光部材10の第2面よりも上方に位置することにより、光源部20からの光を効率よく導光部材10へ入射させることができ、光源部の直上領域が明るくなり過ぎることを低減することができる。これにより、面状光源300の輝度むらが低減される。
【0013】
以下、面状光源300を構成する各要素について詳説する。
【0014】
(導光部材10)
図1、
図2に示すように、面状光源300は、光源部20が配置される貫通孔10Hを有する導光部材10を備えている。導光部材10は、光源部20が発する光に対する透光性を有する部材である。光源部20のピーク波長に対する導光部材10の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0015】
導光部材10は、支持部材200の上面側に位置する第1面101と、第1面101の反対側に位置する第2面102と、を有する。導光部材10は、上面視において光源部20を連続して囲む。本実施形態では、導光部材10は、第1面101から第2面102まで貫通する貫通孔10Hを有する。導光部材10の貫通孔10Hに光源部20が配置される。本実施形態における貫通孔10Hは、上面視において円形状である。貫通孔10Hは、上面視において楕円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形状であってもよい。
【0016】
面状光源300が備える導光部材10の数は、1つでもよく、複数でもよい。
図1に示す例では、面状光源300は、第1導光部10A、第2導光部10B、第3導光部10C及び第4導光部10Dを含む複数の導光部材10を備えている。
図1に示すように、X方向において、第1導光部10Aと第2導光部10Bは隣り合っている。X方向において、第3導光部10Cと第4導光部10Dは隣り合っている。Y方向において、第1導光部10Aと第3導光部10Cは隣り合っている。Y方向において、第2導光部10Bと第4導光部10Dは隣り合っている。
【0017】
本実施形態では、複数の導光部材10のそれぞれが異なる発光領域300Aである。1つの発光領域300Aは、ローカルディミングの駆動単位とすることができる。面状光源300を構成する発光領域300Aの数は特に限定されない。例えば、面状光源300が1つの発光領域300Aを備えていてもよい。また、複数の面状光源300を並べることで、より面積の大きい面状光源装置としてもよい。
【0018】
図1に示すように、複数の導光部材10のそれぞれは隙間10Gを隔てて配置されていることが好ましい。このようにすることで、導光部材10と支持部材200の熱膨張係数の違いから生じる支持部材200の反りを低減することができる。これにより、支持部材200の導電部材に亀裂が生じることを低減できる。複数の導光部材10のそれぞれが隙間を隔てて配置されていることが好ましい。
【0019】
導光部材10は、第1面101又は第2面102に開口する凹部11を有することが好ましい。このようにすることで、導光部材10の表面積を大きくしやすくなる。これにより、導光部材10の表面から導光部材10の外部に取り出される光の量を増やしやすくなるので、面状光源300の光取り出し効率を向上させやすくなる。
【0020】
導光部材10の凹部11の形状は、特に限定されない。
図1に示すように、本実施形態の導光部材10の凹部11の形状は、線状の部分を含んでいてもよい。
図4Aに示す例においては、直線状の凹部11Sが、導光部材10の外形を構成する2辺に対して平行に配置されている。
図4Bに示す例においては、導光部材10の外形を構成する辺に対して平行な直線状の凹部を配置していない。また、本明細書において、線状とは、直線、曲線、又は、折れ曲がった線等も含む。例えば、上面視における導光部材10の凹部11の形状は、2方向に延びるV字形又はL字形の部分を含んでいてもよい。上面視における導光部材10の凹部11の形状は、円形、三角形、四角形、六角形又は八角形等の形状であってもよい。
【0021】
導光部材10の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂、又は、ガラスなどを用いることができる。導光部材10は、蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0022】
導光部材10の厚さは、例えば、150μm以上800μm以下が好ましい。導光部材10は、上下方向に単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。導光部材10が積層体で構成される場合、各層の間に透光性の接着剤を配置してもよい。積層体の各層は、異なる種類の主材を用いてもよい。
【0023】
(光源部20)
光源部20は、導光部材10の貫通孔10Hに配置される。面状光源300が備える光源部20の数は、1つでもよく、複数でもよい。
図1に示す例では、面状光源300は、第1光源20A、第2光源20B、第3光源20C及び第4光源20Dを含む複数の光源部20を備えている。第1光源20Aは、第1導光部10Aの貫通孔10Hに配置される。第2光源20Bは、第2導光部10Bの貫通孔10Hに配置される。第3光源20Cは、第3導光部10Cの貫通孔10Hに配置される。第4光源20Dは、第4導光部10Dの貫通孔10Hに配置される。
【0024】
図3に示すように、光源部20は、発光素子21を含む。発光素子21は、半導体積層体を含む。半導体積層体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の基板と、基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、n型半導体層とp型半導体層に挟まれた発光層とを含む。また、発光素子21は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極とを含む。n側電極及びp側電極は、発光素子21の下面の一部を構成する。さらに、光源部20は、正負の一対の電極22を含む。正負の一対の電極22は、光源部20の下面の一部を構成する。一対の電極22のうちの一方はp側電極と電気的に接続され、他方はn側電極と電気的に接続されている。尚、光源部20は電極22を含んでいなくてもよい。光源部20が正負の一対の電極22を含んでいない場合には、発光素子21のn側電極とp側電極が、光源部20の下面の一部を構成する。また、光源部20は、基板を備えていなくてもよい。このようにすることで、第3方向(Z方向)において光源部20を小型化しやすくなる。
【0025】
図3に示す光源部20は、発光素子21を1つ含んでいる。第1光源20A、第2光源20B、第3光源20C及び第4光源20D等の各光源部20は、複数の発光素子21を含んでいてもよい。各光源部20が含む複数の発光素子の発光ピーク波長は、同じでも異なっていてもよい。
【0026】
図3に示すように、光源部20は、さらに波長変換部材23を含む。波長変換部材23は、発光素子21の上面及び側面を覆っている。波長変換部材23は、例えば、透光性樹脂と、蛍光体とを含むものを用いることができる。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂等を用いることができる。また、蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca
10(PO
4)
6C
l2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr
4Al
14O
25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca
8MgSi
4O
16Cl
2:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)
2SiO
4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)
3(O,N)
4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)
12(O,N)
16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)
3Si
6N
11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)
2Si
5N
8:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl
3N
4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN
3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN
3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K
2SiF
6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K
2(Si
1-xAl
x)F
6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF
2・GeO
2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)
3ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)
2)等を用いることができる。波長変換部材23に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0027】
図2に示すように、光源部20の波長変換部材23の上面は、導光部材10の第2面102よりも上方に位置する。これにより、光源部20から出射される光が導光部材10に対して横方向に入射されやすくなり、光源部20からの光を横方向に伝播させやすくなる。波長変換部材23の上面のうち最も高い部分と、導光部材10の第2面102との高さの差は、例えば1μm以上55μm以下とすることが好ましい。波長変換部材23は、上面の全体が導光部材10の第2面102よりも上方に位置していてもよく、上面の一部が導光部材10の第2面102よりも上方に位置していてもよい。波長変換部材23の上面は、平坦な面、曲面または段差等を含む面とすることができる。波長変換部材23の上面が平坦な面である場合は、上面の全体が導光部材10の第2面102よりも上方に位置する。波長変換部材23の上面が曲面または段差等を含む面である場合は、波長変換部材23の上面のうち最も高い部分と、波長変換部材23の上面のうち最も低い部分との高さの差は、例えば0.1μm以上50μm以下とすることが好ましい。
【0028】
波長変換部材23の上面全体が曲面である場合は、曲面の上面の一部が導光部材10の第2面102よりも上方に位置するように配置することができる。この場合、波長変換部材23の上面の外周部が導光部材10の第2面102よりも上方に位置することが好ましい。このようにすることで、波長変換部材23の側面の面積を大きくすることができるため、光源部20の側面から導光部材10に向かって出射される光の量を増やすことができる。また、波長変換部材23の上面の表面積を大きくすることができるため、光取り出し効率を高めることができる。波長変換部材23の上面が複数の隅部を有する多角形等の形状である場合は、波長変換部材23の上面の隅部が導光部材10の第2面102よりも上方に位置するようにしてもよい。このようにすることで、光取り出し効率を高めることができるとともに、波長変換部材23の上面と光調整部材40との間を進む光を波長変換部材23の上面の隅部以外の外周部から横方向に伝播させることができる。
【0029】
上面視において、波長変換部材23の上面は、例えば4つの隅部を有する略矩形状である。波長変換部材23の上面の隅部は、波長変換部材23の上面の中央部よりも上方に位置することが好ましい。このようにすることで、波長変換部材23の側面の面積を大きくすることができるため、光源部20の側面から導光部材10に向かって出射される光の量を増やすことができる。また、波長変換部材23の上面の表面積を大きくすることができるため、光取り出し効率を高めることができる。
【0030】
波長変換部材23の上面は、中央部が下方に向かって凹となる曲面を有することが好ましい。これにより、波長変換部材23の上面と光調整部材40との間を伝播する光が波長変換部材23の曲面によって反射されることで、横方向へ進む光を増やすことができ、光取り出し効率を高めることができる。
【0031】
このように、上面の一部が他の部分よりも上方に位置する波長変換部材23を有する光源部20は、あらかじめそのような構造の光源部20を準備してもよく、上面が平坦な光源部20を準備し、その上面の一部を除去することで準備してもよい。また、上面が平坦な光源部20を準備し、貫通孔10H内に配置させた後、貫通孔10H内に配置する透光性部材30の樹脂を浸透させて波長変換部材23を膨潤させることで上面の一部が他の部分よりも上方に位置する波長変換部材23を形成してもよい。
【0032】
上面視における波長変換部材23の形状は特に限定されない。上面視における波長変換部材23の形状は、例えば、三角形、四角形、六角形又は八角形等の形状とすることができる。上面視における波長変換部材23の形状が四角形の場合には、波長変換部材23の外形を構成する辺が、導光部材10の外形を構成する辺に対して傾斜していることが好ましい。
図1に示す例では、波長変換部材23の外形を構成する辺が、導光部材10の外形を構成する辺に対して45度傾斜している。
【0033】
上面視において波長変換部材23の外形を構成する辺と垂直方向に出射される光の輝度は、波長変換部材23の対角方向に出射される光の輝度よりも高くなる傾向がある。また、上面視において、外形が四角形の導光部材10は、第2面102の四隅に光が拡がりにくい傾向がある。上面視における波長変換部材23の形状が四角形の場合、第2面102の角部を結ぶ対角線と、波長変換部材23の外形を構成する辺とが交差するように光源部20を導光部材10に対して配置して、波長変換部材23の外形を構成する辺を導光部材10の角部に対向するように位置させることで、波長変換部材23から出射した光を導光部材10の四隅に広げやすくすることができる。これにより、発光領域300Aにおける輝度むらを低減することができる。
【0034】
光源部20は、さらに被覆部材24を含むことができる。被覆部材24は、発光素子21の下面に配置される。被覆部材24は、光源部20の電極22の下面が被覆部材24から露出するように配置される。被覆部材24は、発光素子21の側面を覆う波長変換部材23の下面にも配置される。
【0035】
被覆部材24は、発光素子21が発する光に対する反射性を有する。被覆部材24は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。被覆部材24の樹脂部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。被覆部材24の光散乱粒子としては、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。
【0036】
(透光性部材30)
透光性部材30は、光源部20が発する光に対する透光性を有する部材である。透光性部材30は、第1透光部31と、第2透光部32と、を有する。
図2に示す例では、第1透光部31と第2透光部32は、別体である。第1透光部31と第2透光部32は、同じ材料で一体に形成されていてもよい。光源部20のピーク波長に対する第1透光部31及び第2透光部32のそれぞれの透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0037】
図2に示すように、第1透光部31は、光源部20の側面と接していることが好ましい。このようにすることで、光源部20からの光が第1透光部31に入射しやすくなる。また、第1透光部31は導光部材10と接していることが好ましい。このようにすることで、光源部20からの光が導光部材10に入射しやすくなる。第1透光部31は、光源部20の上面の少なくとも一部を露出させるように配置されていることが好ましい。このようにすることで、第1透光部31が光源部20の上面の全てを覆う場合よりも第3方向(Z方向)において面状光源300を小型化しやすくなる。第1透光部31は、光源部20の上面の全てを露出させるように配置されていてもよい。また、第1透光部31は、光源部20の上面の全てを覆っていてもよい。第1透光部31が光源部20の上面の全てを覆うことによって、光源部20の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、光源部20の上面を覆う部分の第1透光部31の厚さを変更することにより光源部20の直上領域における輝度を調整できる。これにより、輝度の調整が容易になるので、面状光源300の輝度むらを低減させやすくなる。第1透光部31が光源部20の上面を覆う場合には、第2透光部32は、第1透光部31を介して光源部20の上面を覆う。第1透光部31は、導光部材10の第2面102上に延在して配置することができる。このようにすることで、貫通孔10Hの近傍における導光部材10の第2面102の輝度を調整できる。
【0038】
第1透光部31は、第3方向(Z方向)において、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。また、第1透光部31は蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。第1透光部31が積層体である場合には、各層が蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。例えば、第1透光部31が、蛍光体を含む層と、蛍光体を含まない層とで構成されていてもよい。第1透光部31の材料として、例えば、被覆部材24の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。
【0039】
第2透光部32は、第1透光部31の上側に配置される。第2透光部32は、さらに光源部20の上側に配置されてもよい。第2透光部32は、光源部20の上面及び/又は第1透光部31の上面と接していることが好ましい。
図2に示す例においては、第2透光部32は、光源部20の上面と接している。第1透光部31が光源部20の上面を覆う場合は、第2透光部32は光源部20の上側に配置される第1透光部31の上面と接するように配置することができる。
【0040】
第2透光部32は、導光部材10の第2面102上に延在して配置されることが好ましい。これにより、貫通孔10Hの近傍における導光部材10の第2面102の輝度を調整できる。また、光調整部材40が導光部材10の第2面102上に位置する第2透光部32の上に配置されることが好ましい。これにより、貫通孔10Hの近傍における導光部材10の第2面102上の領域が明るくなりすぎることを低減することができる。
【0041】
第2透光部32の材料としては、例えば、被覆部材24の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。また、第2透光部32としては、シート状の光学用透明粘着剤(OCA)を用いてもよい。第2透光部32は蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0042】
図2に示すように、第2透光部32は凹部32A(以下、第2透光凹部という)を有する。第2透光部32が第2透光凹部32Aを含むことにより、第2透光部32の表面積を大きくすることができる。これにより、第2透光部32から外部に取り出される光の量を増やすことができる。
【0043】
第2透光凹部32Aは、光調整部材40の貫通孔40A(以下、光調整貫通孔という)と繋がっていることが好ましい。
図2に示す例では、第2透光凹部32Aの内側の空間と、光調整貫通孔40Aの内側の空間と、が繋がっている。このようにすることで、第2透光凹部32Aから出射された光が光調整部材40によって遮られることを低減することができる。つまり、第2透光凹部32Aから出射された光が光調整貫通孔40Aを通り面状光源300の外部に取り出される。これにより、面状光源300の光取り出し効率が向上する。上面視において、第2透光凹部32Aは、光調整貫通孔40Aと重なっている。
【0044】
図2に示すように、断面視において、横方向における第2透光凹部32Aの最大長さL1は、横方向における光調整貫通孔40Aの最大長さL2よりも短いことが好ましい。換言すると、横方向における光調整貫通孔40Aの最大長さL2は、横方向における第2透光凹部32Aの最大長さL1よりも長いことが好ましい。このようにすることで、透光凹部30Aから出射された光が光調整部材40によって遮られることを低減することができる。
【0045】
第2透光凹部32Aの少なくとも一部は、光調整部材40の下面よりも下側に位置する。このようにすることで、第3方向(Z方向)における第2透光凹部32Aから光源部20までの距離を短くすることができる。これにより、第2透光凹部32Aを通って面状光源300の外部に取り出される光源部20からの光の量を増やしやすくなる本実施形態においては、光源部20の波長変換部材23が導光部材10の第2面102よりも上方に位置することによって、第3方向(Z方向)における第2透光凹部32Aから光源部20までの距離を短くしやすいため、この効果がより顕著となる。
【0046】
第1透光部31は凹部31A(以下、第1透光凹部31Aという)を有し得る。
図2に示すように、横方向において第1透光凹部31Aは、光源部20の周囲に配置されている。このようにすることで、光源部20から横方向に進む光は、第1透光凹部31Aを通って面状光源300の外部に取り出されやすくなる。第1透光凹部31Aの深さは、第2透光凹部32Aの深さと異なることが好ましい。また、第1透光凹部31A及び第2透光凹部32Aが曲面により規定される場合は、それぞれの曲面は異なる曲率であることが好ましい。例えば、第1透光凹部31Aを規定する曲面の曲率は第2透光凹部32Aを規定する曲面の曲率より小さくする。これにより、光源部20からの光が第1透光凹部31A及び第2透光凹部32Aにおいて異なる角度で反射されるため、光取り出し効率を高めることができる。
【0047】
第2透光凹部32Aの深さは、第1透光凹部31Aの深さよりも浅いこと好ましい。これにより、光源部20からの光が第2透光部32内において横方向に拡がりやすくなる。
【0048】
(光調整部材40)
光調整部材40は、光源部20が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源部20から出射した光の一部は光調整部材40により反射し、他の一部は光調整部材40を透過する。光源部20のピーク波長に対する光調整部材40の透過率は、光源部20のピーク波長に対する第1透光部31及び第2透光部32のそれぞれの透過率よりも低い。例えば、光源部20のピーク波長に対する光調整部材40の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。光調整部材40は、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。
【0049】
光調整部材40は、光源部20の上側に配置される。平面視において光調整部材40と光源部20とが重なり、その重なる部分において光調整部材40が光源部20の上側に位置する。光調整部材40が、光源部20の上側に位置することにより、光源部20の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。
【0050】
光調整部材40は、透光性部材30の上側に配置される。平面視において光調整部材40と第1透光部31とが重なり、その重なる部分において光調整部材40が第1透光部31の上側に位置する。光調整部材40が、第1透光部31の上側に位置することにより、第1透光部31の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。
【0051】
光調整部材40は、第2透光部32の上側に配置される。平面視において光調整部材40と第2透光部32とが重なり、その重なる部分において光調整部材40が第2透光部32の上側に位置する。光調整部材40が、第2透光部32の上側に位置することにより、第2透光部32の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。光調整部材40は、平面視において第1透光部31と第2透光部32とが重なる部分において、第2透光部32の上側に位置することが好ましい。これにより、光源部20の側面からの光が取り出されやすい第1透光部31の上側に位置する第2透光部32の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。
【0052】
光調整部材40は、光調整貫通孔40Aを有していてもよく、有していなくてもよい。光調整部材40が、光調整貫通孔40Aを有することにより、光調整部材40の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、光調整貫通孔40Aの大きさや位置を変更することにより、光調整部材40によって遮られる光源部20からの光を調整できる。これにより、光調整部材40の直上領域における輝度の調整が容易になるので、面状光源300の輝度むらを低減させやすくなる。
【0053】
光調整部材40の光調整貫通孔40Aは、上面視において光源部20から離れて位置することが好ましい。このようにすることで、光源部20の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。
【0054】
上面視における光調整貫通孔40Aの形状は、特に限定されない。
図1に示すように平面視における光調整貫通孔40Aの形状は円形状である。上面視における光調整貫通孔40Aの形状は、楕円形、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形であってもよい。上面視における光調整貫通孔40Aの形状は、線状の部分を含んでいてもよい。
【0055】
上面視において、複数の光調整貫通孔40Aが光源部20を囲んでいることが好ましい。このようにすることで、X方向及び/又はY方向の面状光源300の輝度を調整しやすくなる。
【0056】
図2に示すように、上面視において、光調整部材40は、横方向に凹む複数の凹部40B(以下、光調整凹部という)を有することが好ましい。光調整凹部40Bは、光調整部材40の外縁に設けられる。光調整部材40が光調整凹部30Bを有することにより、光調整部材40の周囲における輝度の調整が容易になる。例えば、光調整凹部40Bの大きさや位置を変更することにより、光調整部材40によって遮られる光源部20からの光を調整できる。これにより、光調整部材40の周囲における輝度の調整が容易になるので、面状光源300の輝度むらを低減させやすくなる。光調整凹部40Bの大きさは特に限定されない。X方向における光調整凹部40Bの最大の長さは、X方向における光調整貫通孔40Aの最大の長さよりも短くてもよい。Y方向における光調整凹部40Bの最大の長さは、Y方向における光調整貫通孔40Aの最大の長さよりも短くてもよい。
【0057】
光調整部材40は、樹脂部材と、樹脂部材中に含まれる反射体によって構成することができる。光調整部材40の樹脂部材として、例えば、被覆部材24の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。光調整部材40の反射体の材料としては、被覆部材24の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。光調整部材40の反射体として窒素や酸素等の気体を用いてもよい。また、光調整部材40は、反射体として光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。
【0058】
(支持部材200)
支持体100は、光源部20及び導光部材10を支持する。導光部材10は、第1面101を支持部材200の上面に対向させて、支持部材200上に配置される。
【0059】
支持部材200は、配線基板50を有する。配線基板50は、絶縁基材51と、絶縁基材51の少なくとも一方の面に配置された少なくとも1層の配線層52とを有する。絶縁基材51は、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。面状光源の薄型化のため、絶縁基材51はフレキシブル基板であることが好ましい。絶縁基材51は、第3方向(Z方向)において単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。例えば、絶縁基材51は、単層のフレキシブル基板で構成されていてもよく、複数のリジッド基板の積層体で構成されていてもよい。絶縁基材51の材料として、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。配線層52は、金属膜であり、例えば銅膜である。
【0060】
支持部材200は、配線基板50上に配置された第1接着層61と、第1接着層61上に配置された反射部材70と、反射部材70上に配置された第2接着層62と、をさらに有していてもよい。
【0061】
第1接着層61は、配線基板50と反射部材70との間に配置され、配線基板50と反射部材70を接着している。第1接着層61は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第1接着層61の樹脂部材として、例えば、被覆部材24の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。第1接着層61の光散乱粒子として、例えば、被覆部材24の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第1接着層61として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0062】
第1接着層61の樹脂部材の屈折率は、反射部材70の樹脂部材の屈折率よりも低いことが好ましい。このようにすることで、反射部材70から第1接着層61に進む光の一部が、反射部材70と第1接着層61との界面において全反射しやすくなる。これにより、第1接着層61の下方へ抜ける光を低減できるので、面状光源300の光取り出し効率が向上する。
【0063】
反射部材70は、導光部材10の下方、光源部20の下方、及び透光性部材30の下方に配置されている。反射部材70は、光源部20が発する光に対する反射性を有する。反射部材70は、樹脂部材と、樹脂部材中に含まれる反射体によって構成することができる。反射部材70の樹脂部材として、例えば、被覆部材24の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。反射部材70の反射体の材料としては、被覆部材24の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。反射部材70の反射体として窒素や酸素等の気体を用いてもよい。また、反射部材70は、反射体として光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。
【0064】
反射部材70の反射体の屈折率は、反射部材70の樹脂部材の屈折率よりも低いことが好ましい。このようにすることで、反射部材70に入射した光源部20からの光の一部が、反射部材70の樹脂部材と反射部材70の反射体との界面において全反射しやすくなる。これにより、反射部材70から下方へ抜ける光を低減できるので、面状光源300の光取り出し効率が向上する。
【0065】
反射部材70の反射体の屈折率が反射部材70の樹脂部材の屈折率よりも低い場合には、反射部材70の樹脂部材の屈折率は導光部材10の母材の屈折率よりも高いことが好ましい。このようにすることで、反射部材70の樹脂部材と反射部材70の反射体の屈折率差を大きくしやすくなる。これにより、反射部材70に入射した光源部20からの光の一部が、反射部材70の樹脂部材と反射部材70の反射体との界面において全反射しやすくなる。
【0066】
第2接着層62は、反射部材70と導光部材10の第1面101との間に配置され、反射部材70と導光部材10を接着している。光源部20は、導光部材10の貫通孔10H内において第2接着層62上に配置される。第2接着層62は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第2接着層62の樹脂部材として、例えば、被覆部材24の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。第2接着層62の光散乱粒子として、例えば、被覆部材24の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第2接着層62として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0067】
第2接着層62の樹脂部材の屈折率は、導光部材10の母材の屈折率よりも低いことが好ましい。このようにすることで、導光部材10から第2接着層62に進む光の一部が、導光部材10と第2接着層62との界面において全反射しやすくなる。これにより、第2接着層62の下方へ抜ける光を低減できるので、面状光源300の光取り出し効率が向上する。第2接着層62の樹脂部材の屈折率は、第1透光部31の母材の屈折率よりも低いことが好ましい。このようにすることで、第1透光部31から第2接着層62に進む光の一部が、第1透光部31と第2接着層62との界面において全反射しやすくなる。これにより、第2接着層62の下方へ抜ける光を低減できるので、面状光源300の光取り出し効率が向上する。
【0068】
支持部材200は、導電部材80をさらに有する。導電部材80は、例えば、樹脂と、樹脂中に含まれる金属粒子とを含む。導電部材80の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いることができる。金属粒子として、例えば、銅又は銀の粒子を用いることができる。
【0069】
導電部材80は、接続部81と配線部82とを有する。接続部81は、第2接着層62、反射部材70、第1接着層61、及び絶縁基材51を上下方向において貫通している。配線部82は、配線基板50における配線層52が配置された面に配置され、接続部81と接続している。接続部81と配線部82は、同じ材料で一体に形成することができる。配線部82の一部は、配線層52と接続している。
【0070】
光源部20の正負の一対の電極22に対応して、一対の導電部材80が互いに離れて配置されている。一方の導電部材80の接続部81は、光源部20の下方において正側の電極22と接続され、他方の導電部材80の接続部81は、光源部20の下方において負側の電極22と接続されている。光源部20の電極22は、導電部材80及び配線層52と電気的に接続されている。
【0071】
支持部材200は、絶縁層90をさらに有する。絶縁層90は、配線基板50の下面に配置され、配線層52を覆っている。絶縁層90の材料として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂を用いることができる。
【0072】
本明細書は、下記の実施形態を含む。
項1. 支持部材と、
前記支持部材の上面側に位置する第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、を有する導光部材と、
発光素子と、前記発光素子の上面及び側面を覆う波長変換部材と、を有し、前記支持部材上の前記貫通孔に配置される光源部と、
前記貫通孔における前記光源部と前記導光部材との間に配置された透光性部材と、
前記光源部及び前記透光性部材の上に配置される光調整部材と、
を有し、
前記光源部の前記波長変換部材の上面は、前記導光部材の上面よりも上方に位置する面状光源。
項2. 上面視において、前記波長変換部材の上面は複数の隅部を有する略矩形状であり、
前記波長変換部材の上面の隅部は、前記波長変換部材の上面の中央部よりも上方に位置する項1に記載の面状光源。
項3. 前記波長変換部材の上面は、中央部が下方に向かって凹となる曲面を有する項1又は項2に記載の面状光源。
項4. 前記透光性部材は、前記波長変換部材の上に配置される項1~3のいずれか1つに記載の面状光源。
項5. 前記透光性部材は、前記導光部材の前記第2面上に延在して配置されており、
前記光調整部材は、前記導光部材の前記第2面上に位置する前記透光性部材の上に配置される項1~4のいずれか1つに記載の面状光源。
項6. 平面視において、前記導光部材の外形は略矩形状であり、前記波長変換部材の外形を構成する辺が、前記導光部材の外形を構成する辺に対して傾斜している、項2に記載の面状光源。
【符号の説明】
【0073】
10 導光部材
20 光源
30 透光性部材
40 光調整部材
200 支持部材
300 面状光源