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特開2024-71001記録ヘッド位置調整機構、記録ヘッドモジュール、及び、画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071001
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】記録ヘッド位置調整機構、記録ヘッドモジュール、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
B41J2/01 307
B41J2/01 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181685
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】椿 健悟
(72)【発明者】
【氏名】中沢 祐哉
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056HA08
2C056HA10
2C056HA11
(57)【要約】
【課題】記録ヘッドの長手方向の位置を精度良く調整する。
【解決手段】液滴を吐出する記録ヘッド10の位置を調整する記録ヘッド位置調整機構であって、記録ヘッド10を支持する支持部材20と、支持部材20に対する記録ヘッド10の長手方向の位置を定めるために記録ヘッド10の突当部15が当接して固定される位置決め部40と、が設けられている。そして、支持部材20に対する位置決め部40の長手方向の位置を調整可能に構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出する記録ヘッドの位置を調整する記録ヘッド位置調整機構であって、
前記記録ヘッドを支持する支持部材と、
前記支持部材に対する前記記録ヘッドの長手方向の位置を定めるために前記記録ヘッドの突当部が当接して固定される位置決め部と、
を備え、
前記支持部材に対する前記位置決め部の長手方向の位置を調整可能に構成されたことを特徴とする記録ヘッド位置調整機構。
【請求項2】
前記位置決め部は、前記支持部材との間にスペーサを挟んだ状態で前記支持部材に固定可能に構成され、
前記突当部は、前記位置決め部と前記スペーサとを介して前記支持部材に固定可能に構成され、
厚さが同じ前記スペーサの枚数を調整するか、又は、厚さが異なる複数の前記スペーサのうちから1つ又は複数を選択するか、することで、前記支持部材に対する前記位置決め部の長手方向の位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド位置調整機構。
【請求項3】
前記支持部材は、前記記録ヘッドの長手方向一端側であって短手方向一端側を支持する一端側第1支持部と、前記記録ヘッドの長手方向一端側であって短手方向他端側を支持する一端側第2支持部と、前記記録ヘッドの長手方向他端側であって短手方向一端側を支持する他端側第1支持部と、前記記録ヘッドの長手方向他端側であって短手方向他端側を支持する他端側第2支持部と、を具備し、
前記記録ヘッドは、長手方向他端側を装着方向手前側として着脱可能に設置され、
前記長手方向に交差する方向は、シートが搬送される方向であって、
前記位置決め部は、前記一端側第1支持部と前記一端側第2支持部と前記他端側第1支持部と前記他端側第2支持部とのうち1つの支持部にのみ設置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録ヘッド位置調整機構。
【請求項4】
前記突当部は、前記位置決め部に形成された貫通穴部を介して前記1つの支持部に形成された穴部に嵌合するピンを具備し、
前記記録ヘッドは、前記一端側第1支持部と前記一端側第2支持部と前記他端側第1支持部と前記他端側第2支持部とのうち前記1つの支持部を除く3つの支持部にそれぞれ形成された第2穴部に対して、根元部が隙間をあけてそれぞれ嵌合する第2ピンを具備したことを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド位置調整機構。
【請求項5】
前記1つの支持部は、前記他端側第1支持部であって、
前記他端側第1支持部において前記穴部が開口する面と、前記他端側第2支持部において前記第2穴部が開口する面と、は長手方向の位置が異なることを特徴とする請求項4に記載の記録ヘッド位置調整機構。
【請求項6】
前記3つの支持部の少なくとも1つと前記第2ピンとの前記隙間に第2スペーサを設置可能に構成されたことを特徴とする請求項4に記載の記録ヘッド位置調整機構。
【請求項7】
前記3つの支持部の少なくとも1つと前記第2ピンとの前記隙間に弾性部材が設置されたことを特徴とする請求項4に記載の記録ヘッド位置調整機構。
【請求項8】
前記支持部材によって支持された状態で前記記録ヘッドを回転させることで、前記記録ヘッドから液滴が吐出される方向を調整する吐出角調整機構を備え、
前記支持部材に対する前記位置決め部の長手方向の位置を調整した後に、前記吐出角調整機構による調整をおこなって、その後に前記支持部材に前記位置決め部を介して前記突当部をネジ止めによって固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録ヘッド位置調整機構。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の記録ヘッド位置調整機構と前記記録ヘッドとがユニット化されたことを特徴とする記録ヘッドモジュール。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載の記録ヘッド位置調整機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液滴を吐出する記録ヘッドの位置を調整する記録ヘッド位置調整機構と、それを備えた記録ヘッドモジュールと画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクジェットプリンタなどの画像形成装置において、良好な画像を形成することを目的として、記録ヘッドの位置を調整する技術が広く知られている(例えば、特許文献1、2等参照。)。
【0003】
詳しくは、画像形成装置では、搬送手段によって搬送されるシートに対向するように複数色の記録ヘッド(印字モジュール)が配列されている。そして、搬送されるシートに向けて、複数色の記録ヘッドからそれぞれ液滴が吐出されて、シート上に所望のカラー画像が形成される。
【0004】
一方、特許文献1、2には、記録ヘッドをドラム上に高精度に配置することを目的として、記録ヘッドの角度を調整する角度調整機構(吐出角調整機構)を設ける技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の記録ヘッド位置調整機構は、記録ヘッドの傾き(角度)を精度良く調整することはできても、記録ヘッドの長手方向の位置を精度良く調整することができなかった。
そのため、シート上に形成する画像の長手方向の位置が狙いの位置からズレてしまう不具合が生じてしまうことがあった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、記録ヘッドの長手方向の位置を精度良く調整することができる、記録ヘッド位置調整機構、記録ヘッドモジュール、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明における記録ヘッド位置調整機構は、液滴を吐出する記録ヘッドの位置を調整する記録ヘッド位置調整機構であって、前記記録ヘッドを支持する支持部材と、前記支持部材に対する前記記録ヘッドの長手方向の位置を定めるために前記記録ヘッドの突当部が当接して固定される位置決め部と、を備え、前記支持部材に対する前記位置決め部の長手方向の位置を調整可能に構成されたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、記録ヘッドの長手方向の位置を精度良く調整することができる、記録ヘッド位置調整機構、記録ヘッドモジュール、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】記録ヘッドが支持部材に懸架された状態を示す概略図である。
図3】記録ヘッドが第1、第2支持部材に支持された状態を示す上面図である。
図4】記録ヘッドが画像形成装置本体の支持部材に装着される動作を示す図である。
図5】記録ヘッドの突当部、位置決め部、スペーサが支持部材に装着される状態を示す斜視図である。
図6】(A)複数の記録ヘッドの長手方向の位置が一致した状態を示す図と、(B)複数の記録ヘッドの長手方向の位置が一致していない状態を示す図と、である。
図7】比較例としての、記録ヘッド調整機構を示す図である。
図8】変形例としての、記録ヘッド調整機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、図1にて、画像形成装置1の全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのインクジェットプリンタ、2はシートPを搬送する搬送ドラム、3は印刷前のシートPが積載された給紙カセット、5は搬送ドラム2上でシートPを把持するクリッパ、を示す。
また、6は搬送ドラム2からシートPを分離する分離部材、7は搬送ドラム2から分離されたシートPを搬送する搬送ベルト、8は印刷後のシートPが排紙・積載される排紙トレイ、を示す。
10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2はインクジェット方式により印字・印画するための画像形成部がユニット化された記録ヘッド(印字モジュール)、19、20は記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2を支持(懸架)する支持部材、30は支持部材19、20を保持するためのベースフレーム、を示す。
【0012】
ここで、本実施の形態における画像形成装置1は、カラー画像を形成するためのものであって、図1に示すように、黒色用の記録ヘッド10Kと、カラー用の3色(イエロー、マゼンタ、シアン)の記録ヘッド10Y、10M、10Cと、コーティング用(特殊色用)の2色の記録ヘッド10S1、10S2と、が設置されている。これらの6つの記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2は、搬送ドラム2に対向して、搬送ドラム2の回転方向に沿うように並設されている。換言すると、複数の前記記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2と、後述する複数の記録ヘッド位置調整機構と、が長手方向(図1の紙面垂直方向である。)に交差する方向(又は、シートPの搬送方向)に沿って放射状に並設されている。
【0013】
なお、6つの記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2は、印刷に用いられるインクの色(種類)が異なる以外はほぼ同一構造であるため、図2図4等では、記録ヘッド10に付した符号のアルファベット(Y、M、C、K、S1、S2)を除して図示する。
また、図2では、記録ヘッド10の理解を容易とするために、実線で示す記録ヘッド10を傾斜していない状態で図示しているが、実際には図1(又は図12)に示すように、6つの記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2は、いずれも傾斜した状態で設置されている。
【0014】
図2に示すように、記録ヘッド10は、その主部が圧電アクチュエータやサーマルアクチュエータなどで構成されていて、液滴としてのインクを吐出するノズル10aや、インクが充填されたインクタンク10bや、制御基板(制御部)などが設けられている。
【0015】
図1を参照して、画像形成装置1の動作について簡単に説明する。
まず、パソコンなどから画像形成装置1の制御部に画像情報とともにプリント指令が入力されると、給紙ローラによって給紙カセット3からシートPが給送される。給紙カセット3から給送されたシートPは、搬送ローラ4によって、搬送ドラム2に向けて搬送される。他方、各色の記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2では、入力された画像情報に基づいて各色の書込み情報に変換される。
そして、搬送ドラム2に搬送されたシートPは、クリッパ5に把持された状態で搬送ドラム2上に位置決めされて、搬送ドラム2の反時計方向に回転に沿うように搬送される。
そして、搬送ドラム2の回転によって図1の矢印方向に搬送されるシートP上に、各色の記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2から書込み情報に基づいて液滴としてのインクが順次吹き付けられて、シートP上に所望の画像が形成される。
その後、所望の画像が形成されたシートPは、分離部材6によって搬送ドラム2から分離される。そして、搬送ドラム2から分離されたシートPは、搬送ベルト7によって搬送されて、排紙トレイ8上に排出されることになる。
【0016】
以下、このように構成された画像形成装置1において、インク(液滴)を吐出する記録ヘッド10の位置を調整する記録ヘッド位置調整機構について説明する。
本実施の形態における記録ヘッド位置調整機構は、記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2(ノズル10a)から液滴が吐出される方向(吐出角θであって、図2参照)を調整する吐出角調整機構56、57と、記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2の長手方向の位置を調整する長手方向調整機構40、41、45と、で構成されている。
【0017】
図2図4等に示すように、画像形成装置1には、記録ヘッド10を所定方向(+Y方向である。)に引出し可能に支持する支持部材19、20が設けられている。
すなわち、記録ヘッド10は、画像形成装置1に対して、+Y方向に引出したり-Y方向に装着したり、着脱可能(交換可能)に設置されている。そして、記録ヘッド10は、インクタンク10bに貯留されたインクが空になると、既設のものが引出されて、新品のものが装着されて交換されることになる。
【0018】
ここで、記録ヘッド位置調整機構には、記録ヘッド10の長手方向一端側(第1所定位置)を支持する第1支持部材19と、記録ヘッド10の長手方向他端側(第1所定位置とは異なる第2所定位置)を支持する第2支持部材20と、が設置されている。
なお、記録ヘッド10は、長手方向(図3において白矢印で示すシートPの搬送方向に略直交する方向であって、±Y方向である。)を着脱方向として着脱可能に設置されている。
【0019】
詳しくは、支持部材19、20は、記録ヘッド10を略水平方向に挟むように記録ヘッド10の両側に対となって配置されている。そして、本実施の形態において、支持部材は、図3等に示すように、記録ヘッド10の長手方向一端側(装着方向奥側)を支持する第1支持部材19と、記録ヘッド10の長手方向他端側(装着方向手前側)を支持する第2支持部材20と、に分割されている。すなわち、記録ヘッド10は、長手方向一端側の両側が挟まれるように一対の第1支持部材19(一端側第1支持部21Aa、21Abと一端側第2支持部22Aとである。)によって支持され、長手方向他端側の両側が挟まれるように一対の第2支持部材20(他端側第1支持部21Ba、21Bbと他端側第2支持部22Bとである。)によって支持されている。
【0020】
また、図3等を参照して、第1支持部材19には、記録ヘッド10の長手方向一端側であって短手方向一端側を支持する(嵌合して支持する)一端側第1支持部としての第1上溝付コロ21Aa及び第1下円柱状コロ21Abと、記録ヘッド10の長手方向一端側であって短手方向他端側を移動可能に支持する一端側第2支持部としての2つの第1円柱状コロ22Aと、が設けられている。第1支持部材19は、画像形成装置1(側方フレーム31)に固定して設けられていて、後述する吐出角調整機構56、57が設置されている。
同様に、第2支持部材20には、記録ヘッド10の長手方向他端側であって短手方向一端側を支持する他端側第1支持部としての第2上溝付コロ21Ba及び第2下円柱状コロ21Bbと、記録ヘッド10の長手方向他端側であって短手方向他端側を移動可能に支持する他端側第2支持部としての2つの第2円柱状コロ22Bと、が設けられている。第2支持部材20には、後述する吐出角調整機構56が設置されている。
【0021】
詳しくは、記録ヘッド10には、短手方向(長手方向に直交する方向であって、シートPの搬送方向に略一致する方向である。)の一端側に第1滑動部としての溝付レール11a及び平面状レール11bが上下に離れた位置に形成され、短手方向の他端側に第2滑動部としての1つの平面状レール12が形成されている。図2等に示すように、溝付レール11aは、案内面にV字状の突起が形成されたものであり、平面状レール11b、12は、案内面が平面状に形成されたものである。これらのレール11a、11b、12は、着脱方向(±Y方向)に延在するように形成されている。
また、溝付コロ21Aa、21Baは、その外周面にV字状の溝が形成されたものであって、第1、第2支持部材19、20に回転可能に軸支されている。また、円柱状コロ21Ab、21Bb、22A、22Bは、その外周面が円状に形成されたものであって、第1、第2支持部材19、20に回転可能に軸支されている。
そして、上下に配置された第1上溝付コロ21Aa及び第1下円柱状コロ21Ab(一端側第1支持部)は、記録ヘッド10において上下に配置された溝付レール11a及び平面状レール11b(第1滑動部)にそれぞれ嵌合して、2つの第1円柱状コロ22A(一端側第2支持部)は、記録ヘッド10の平面状レール12(第2滑動部)を上下から挟むように当接することになる。
同様に、上下に配置された溝付コロ21Ba及び第2円柱状コロ21Bb(他端側第1支持部)は、記録ヘッド10において上下に配置された溝付レール11a及び平面状レール11bにそれぞれ嵌合して、第2円柱状コロ22B(他端側第2支持部)は、記録ヘッド10の平面状レール12(第2滑動部)を上下から挟むように当接することになる。
そして、レール11a、11b、12上をコロ21Aa、21Ab、21Ba、21Bb、22A、21B、22Bが回転しながら相対的に移動することで記録ヘッド10が±Y方向に着脱されることになる。
【0022】
ここで、図2図3等を参照して、本実施の形態において、第1支持部材19は、記録ヘッド10に隣接する他の記録ヘッド10を支持するために、一端側第1支持部としての第1上溝付コロ21Aa及び第1下円柱状コロ21Abが設けられた部分の反対側に円柱状コロ22Aが設けられている。
同様に、第2支持部材20は、記録ヘッド10に隣接する他の記録ヘッド10を支持するために、他端側第1支持部としての第2上溝付コロ21Ba及び第2下円柱状コロ21Bbが設けられた部分の反対側に円柱状コロ22B設けられている。
このように構成することにより、画像形成装置1において、複数の記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2を、シートPの搬送方向に沿ってコンパクトに着脱可能に設置することができる。
【0023】
ここで、本実施の形態における記録ヘッド位置調整機構には、記録ヘッド10(ノズル10a)から液滴が吐出される方向(吐出角θであって、図2参照)を調整する吐出角調整機構56、57が設けられている。この吐出角調整機構56、57は、記録ヘッド10を長手方向に交差する方向(シートPの搬送方向に略一致する方向であって、短手方向である。)に移動させて、第1、第2上溝付コロ21Aa、21Ba(上方支持部)によって支持された部分を支点にして記録ヘッド10の下方を回転させることで、記録ヘッド10から液滴が吐出される方向(吐出角θ)が搬送ドラム2の中心に向くように調整するものである。換言すると、記録ヘッド10は、吐出角θの調整時に、吐出角調整機構56、57によって、第1、第2上溝付コロ21Aa、21Ba(上方支持部)のV溝を支点として、長手方向の軸を中心に回転されることになる。
【0024】
詳しくは、図2等を参照して、本実施の形態において、吐出角調整機構56、57は、第1、第2下円柱状コロ21Ab、21Bb(下方支持部)の近傍に設置されている。具体的に、吐出角調整機構56、57は、調整コロ(不図示)によって、記録ヘッド10の下方の平面状レール11bを押動可能に構成されている。
これにより、記録ヘッド10を第1、第2上溝付コロ21Aa、21Ba(上方支持部)によって支持された部分を支点にして効率的に回転させて、吐出角θを効率的に調整することができる。
なお、吐出角調整機構56、57は、本実施の形態のものに限定されることなく、種々の形態のものを用いることができる。
【0025】
なお、本実施の形態における記録ヘッド位置調整機構において、記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2の長手方向の傾きを調整する傾き調整機構を、さらに設けることもできる。
このような傾き調整機構としては、第1支持部材19に対して第2支持部材20を長手方向に交差する方向(シートPが搬送される方向であって、短手方向である。)に移動させることで、記録ヘッド10の長手方向の傾きを調整するものを用いることができる。
詳しくは、傾き調整部材によって、第2上溝付コロ21Ba及び第2下円柱状コロ21Bb(他端側第1支持部)を短手方向(交差する方向)に移動することで、記録ヘッド10の長手方向他端側であって短手方向一端側を第2溝付コロ21Ba及び第2下円柱状コロ21Bbの移動に追従して移動させ、かつ、記録ヘッド10を長手方向一端側(第1上溝付コロ21Aa及び第1下円柱状コロ21Abの位置である。)を中心に回動させて、記録ヘッド10の長手方向の傾きを調整する。
【0026】
以下、本実施の形態における記録ヘッド位置調整機構の、特徴的な構成について説明する。
本実施の形態における記録ヘッド位置調整機構には、上述した吐出角調整機構56、57の他に、記録ヘッド10の長手方向の位置を調整する長手方向調整機構40、41、45が設けられている。
先に説明したように、本実施の形態における記録ヘッド位置調整機構には、記録ヘッド10を支持する支持部材(第1支持部材19と第2支持部材20とである。)が設けられている。また、第1支持部材19は一端側第1支持部21Aa、21Abと一端側第2支持部22Aとで構成され、第2支持部材20は他端側第1支持部21Ba、21Bbと他端側第2支持部22Bとで構成されている。
【0027】
ここで、図3図5等を参照して、本実施の形態における長手方向調整機構(記録ヘッド位置調整機構)には、支持部材19、20(画像形成装置本体1)に対する記録ヘッド10の長手方向(±Y方向)の位置を定めるために記録ヘッド10の突当部15(突当て板)が当接して固定される位置決め部40(位置決め板)が設けられている。換言すると、位置決め部40は、支持部材19、20に対する記録ヘッド10の長手方向の位置を定めるために記録ヘッド10の突当部15が突き当たった状態で固定されるものである。
そして、長手方向調整機構(記録ヘッド位置調整機構)は、支持部材19、20(画像形成装置本体1)に対する位置決め部40の長手方向の位置を調整可能に構成されている。
【0028】
詳しくは、位置決め部40は、一端側第1支持部21Aa、21Abと一端側第2支持部22Aと他端側第1支持部21Ba、21Bbと他端側第2支持部22Bとのうち1つの支持部(他端側第1支持部21Ba、21Bbが設置された第2支持部材20であって、図5参照。)にのみ設置されている。この位置決め部40は、金属材料からなる板状部材である。
そして、位置決め部40は、第2支持部材20(支持部材)との間にスペーサ41を挟んだ状態で第2支持部材20に固定可能に構成されている。具体的に、図5等に示すように、位置決め部40と第2支持部材20との間にスペーサ41を挟んだ状態で、位置決め部40の4つの第3貫通穴部40wを介して第2支持部材20の4つの第2雌ネジ部20wにそれぞれ第2固定ネジ46が螺合されて、位置決め部40が第2支持部材20に固定されることになる。
【0029】
また、突当部15は、位置決め部40に形成された貫通穴部40x(第1貫通穴部)を介して第2支持部材20(1つの支持部)に形成された穴部20xに嵌合するピン15aが形成されている。この突当部15は、金属材料からなる略板状部材であって、記録ヘッド10の長手方向他端側であって短手方向一端側の上部に設置されている。
そして、突当部15は、位置決め部40とスペーサ41とを介して第2支持部材20に固定可能に構成されている。具体的に、図5等に示すように、突当部15と第2支持部材20との間に位置決め部40とスペーサ41とを挟んだ状態で、突当部15の貫通穴15bと位置決め部40の第2貫通穴部40zとを介して第2支持部材20の第1雌ネジ部40zに固定ネジ45が螺合されて、突当部15が第2支持部材20に固定されることになる。
【0030】
そして、本実施の形態では、厚さが同じスペーサ41の枚数(図5の例では4枚である。)を調整することで、第2支持部材20(支持部材)に対する位置決め部40の長手方向の位置を調整している。
詳しくは、スペーサ41として、金属材料からなり厚さが0.3~0.6mm程度(本実施の形態では、0.5mmである。)のものを用いている。そして、スペーサ41の標準枚数(基準設定)を5枚として、必要に応じてその枚数を増減することで、記録ヘッド10の長手方向の位置を調整している。
具体的に、記録ヘッド10の長手方向の位置調整は、画像形成装置1の製造工程時(又は、記録ヘッド10の交換時)に、搬送ドラム2上に設置した治具100(図4(B)参照)の基準部100xと、記録ヘッド10に設置された基準ピン10x(振動防止ピンとして機能するものであって、図4参照)と、の距離Nが狙いの値になるように、上述したスペーサ41の枚数を調整する。例えば、狙いの距離Nが10mmであって、実測された距離N´が9mmであった場合には、不足分の1mmを増加するため、スペーサ41の枚数を標準枚数の5枚から7枚に増やす。これに対して、実測された距離N´が11mmであった場合には、超過分の1mmを減少するため、スペーサ41の枚数を標準枚数の5枚から3枚に減らす。
なお、本実施の形態では、厚さが同じスペーサ41の枚数を調整することで第2支持部材20に対する位置決め部40の長手方向の位置を調整したが、厚さが異なる複数のスペーサのうちから1つ(又は、複数)を選択することで第2支持部材20に対する位置決め部40の長手方向の位置を調整しても良い。
【0031】
このように、本実施の形態における記録ヘッド位置調整機構は、第2支持部材20に対する位置決め部40の長手方向の位置を調整可能に構成されているため、記録ヘッド10の長手方向の位置を精度良く調整することができる。したがって、記録ヘッド10によって、シートPにおける狙いの長手方向の位置に、精度良く画像を形成することができる。
【0032】
具体的に、図6を用いて、上述した本発明の効果について、さらに詳しく説明する。
なお、図6は、変形例として、4つのアレイ式の記録ヘッド10Y、10M、10C、10Kが白矢印で示すシート搬送方向に配列された状態を上方から示している。
図6に示すアレイ式の記録ヘッド10Y、10M、10C、10Kは、1つの記録ヘッドに複数のヘッド110(図6の例では11個のヘッド110である。)が並設されている点が、シート幅以上の幅の1つのヘッドからなる単一式の6つの記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2を用いた本実施の形態のものと異なる。
図6(A)に示すように、先に説明した記録ヘッド位置調整機構によって複数の記録ヘッド10Y、10M、10C、10Kの長手方向(図の左右方向である。)の位置が狙いの位置に位置調整されている状態(図の破線で示す位置に記録ヘッドの端面が位置している状態である。)では、シートP上に形成される複数色の画像YMCKの長手方向の位置ズレは生じない。これに対して、複数の記録ヘッド10Y、10M、10C、10Kの長手方向の位置が狙いの位置に位置調整されていない状態では、シートP上に形成される複数色の画像YMCKに長手方向の位置ズレが生じてしまうことになる。したがって、複数色の画像YMCKが重ねて形成される画像は、色ズレが生じることになる。これらの原理は、図6に示すようにアレイ式の記録ヘッド10を用いた場合に限定されることなく、本実施の形態の記録ヘッド10を用いた場合にも当然に共通するものである。
【0033】
ここで、図3等を参照して、記録ヘッド10は、一端側第1支持部21Aa、21Abと一端側第2支持部22Aと他端側第1支持部21Ba、21Bbと他端側第2支持部22Bとのうち1つの支持部(他端側第1支持部21Ba、21Bbが設置された第2支持部材20であって、図5参照。)を除く3つの支持部(図3の下方の第2支持部材20と、2つの第1支持部材19と、である。)にそれぞれ形成された第2穴部に対して、根元部が隙間R(図4(B)参照)をあけてそれぞれ嵌合する第2ピン16a~18aが設けられている。
詳しくは、記録ヘッド10には、長手方向他端側であって短手方向他端側の上部に第1の補助板16(第2ピン16aが設置されている。)が設置され、長手方向一端側であって短手方向一端側の上部に第2の補助板17(第2ピン17aが設置されている。)が設置され、長手方向一端側であって短手方向他端側の上部に第3の補助板18(第2ピン18aが設置されている。)が設置されている。そして、これらの補助板16~18は、支持部材19、20に突き当たることなく隙間Rをあけて対向することになる。すなわち、突当部15のみが位置決め部40やスペーサ41を介して支持部材20に密着して、補助板16~18は支持部材19、20に密着することはない。
【0034】
このように、本実施の形態では、4つのピン(1つの第1ピン15aと3つの第2ピン16a~18aとである。)が支持部材19、20の穴部(1つ第1穴部20aと3つの第2穴部とである。)に嵌合するように構成している。
そのため、支持部材19、20のコロ21a、21b、22によって支持される記録ヘッド10において、4つのピン15a~18aが4つの穴部にそれぞれ嵌合させることになり、記録ヘッド10が支持部材19、20にさらに強固に支持される。
なお、図4(A)、(B)を参照して、4つのピン15a~18aは、画像形成装置本体1(支持部材19、20)に対する記録ヘッド10の着脱動作に連動して、4つの穴部に嵌合・嵌合解除されることになる。
また、突当部15(突当て板)や補助板16~18は、記録ヘッド10の上方に突き出るように形成され、さらに図4に示すように長手方向両側に配置されたピン15a、17a(16a、18a)の高さ方向の位置が一致3ないように形成されていて、画像形成装置本体1(支持部材19、20)に対する記録ヘッド10の着脱動作の障害にならないように構成されている。
【0035】
また、本実施の形態では、4つのピン15a~18aのうち、1つのピン15aのみが支持部材20に対して隙間なく嵌合して、その他のピン16a~18aが支持部材19、20に対して隙間Rをあけて嵌合するように構成している。
そのため、比較例として図7に示す画像形成装置(記録ヘッド位置調整機構)のように、4つのピン15a~18aのうち、複数のピン15a、16aが支持部材20に対して隙間なく嵌合する場合のように、記録ヘッド10が長手方向に対して傾斜した状態で支持部材19、20に支持されてしまう不具合が抑止されることになる。具体的に、図7の例では、記録ヘッド10の短手方向一端側を支持する第2支持部材20に対して、位置決め部40及びスペーサ41を介して突当部15が固定ネジ45によって固定されて、記録ヘッド10の短手方向他端側を支持する第2支持部材20に対して、補助板16がネジ145によって固定されている。このとき、第2支持部材20に対して補助板16は長手方向に位置が調整されずに固定されるため、第2支持部材20に倣うように、記録ヘッド10が傾斜してしまう(又は、捻じれてしまう)ことになる。
これに対して、本実施の形態では、4つのピン15a~18aのうち1つのピン15aのみが支持部材20に対して隙間なく嵌合するように構成しているため(突当部15を一箇所のみに設けているため)、上述したような記録ヘッド10の傾斜(又は、捻じれ)を軽減することができる。
【0036】
ここで、図3を参照して、本実施の形態では、図3の上方の第2支持部材20(他端側第1支持部)において穴部20x(図5等参照)が開口する面X1と、図3の下方の第2支持部材20(他端側第2支持部)において第2穴部が開口する面X2と、は長手方向の位置が異なるように構成されている(長手方向の位置がズレている)。
具体的に、記録ヘッド10において、長手方向他端側であって短手方向一端側に設置された突当部15(突当て板)は、長手方向一端側であって短手方向他端側に設置された補助板16に対して、装着方向手前側(図3の左側である。)に設置されている。
このように構成することで、先に説明したスペーサ41の枚数を増減して記録ヘッド10の長手方向の位置を調整する作業を、装着方向手前側(操作側)で容易におこなうことができる。また、突当部15(突当て板)の長手方向の位置がズレていることで、突当部15が位置決め部40に突き当たりやすくなる。
【0037】
ここで、先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態における画像形成装置1には、支持部材19、20によって支持された状態で記録ヘッド10を回転させることで、記録ヘッド10から液滴が吐出される方向(吐出角θ)を調整する吐出角調整機構56、57が設けられている。
そして、本実施の形態では、スペーサ41の枚数の増減によって第2支持部材20(支持部材)に対する位置決め部40の長手方向の位置を調整した後に、吐出角調整機構56、57による調整をおこなって、その後に第2支持部材20に位置決め部40を介して突当部15をネジ止めによって固定している(固定ネジ45によって固定する。)。
【0038】
まず、図4(A)、(B)に示すように、画像形成装置本体1(支持部材19、20)に対して、コロ21a、21b、22にレール11a、11bが沿いながら、記録ヘッド10がレール11a、11bとともに装着方向奥側に移動する(図4(A)の位置から図4(B)の位置に移動する)。
このとき、4つのピン15a~18aのうち、1つのピン15aのみが支持部材20に対して隙間なく嵌合して、その他のピン16a~18aが支持部材19、20に対して隙間Rをあけて嵌合する。また、位置決め部40は、第2支持部材20との間に標準枚数のスペーサ41を挟んだ状態で、第2支持部材20に対して第2固定ネジ46(図5参照)によって仮止めされている。
そして、搬送ドラム2上に設置した治具100(図4(B)参照)の基準部100xと、記録ヘッド10に設置された基準ピン10x(振動防止ピン)と、の距離Nが狙いの値になるように、上述したスペーサ41の枚数が増減されて、位置決め部40の長手方向の位置が定められる。そして、その状態で、位置決め部40が、枚数調整されたスペーサ41を介して、第2支持部材20に第2固定ネジ46によって本締めされる。このとき、突当部15は、位置決め部40に当接しているものの、固定ネジ45による第2支持部材20へのネジ止めはされていない。
そして、吐出角調整機構56、57による記録ヘッド10の吐出角θの調整がされた後に、第2支持部材20への位置決め部40及びスペーサ41を介した突当部15の固定ネジ45によるネジ止め(固定)がおこなわれる。
このような手順により、記録ヘッド10の吐出角θや長手方向位置の調整を効率的におこなうことができる。
【0039】
<変形例>
図8に示すように、変形例における記録ヘッド調整機構は、位置決め部40が設置されない3つの支持部(図8の下方の第2支持部材20と、2つの第1支持部材19と、である。)の少なくとも1つ(図8の例では、下方の第2支持部材20である。)と、第2ピン16aの根元部(補助板16)と、の隙間Rに第2スペーサ44を設置可能に構成されている。
具体的に、記録ヘッド10の長手方向の位置調整が完了した後に、第2支持部材20と補助板16との隙間を埋めるように第2スペーサ44が設置されることになる。
このように構成することで、先に図7を用いて説明したような記録媒体10の傾斜や捻じれを生じさせることなく、複数の支持部材20で記録ヘッド10の補助的な支持を強固におこなうことができる。
なお、図8の例では、3つの支持部の少なくとも1つと第2ピン(補助板)との隙間Rに第2スペーサ44を設置したが、第2スペーサ44の代わりに、比較的小さな弾性力を有する発泡ポリウレタンなどの弾性部材を設置することもできる。そのような場合にも、上述したものとほぼ同様の効果を得ることができる。
また、図8の例では、3つの第2ピン16a~18a(補助板16~18)のうち、1つの第2ピン16a(補助板16)の隙間Rにのみ第2スペーサ44(又は、弾性部材)を設置したが、3つの第2ピン16a~18a(補助板16~18)のうち複数の第2ピン(補助板)の隙間Rにそれぞれ第2スペーサ(又は、弾性部材)を設置することもできる。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態における記録ヘッド位置調整機構は、液滴を吐出する記録ヘッド10の位置を調整する記録ヘッド位置調整機構であって、記録ヘッド10を支持する支持部材20と、支持部材20に対する記録ヘッド10の長手方向の位置を定めるために記録ヘッド10の突当部15が当接して固定される位置決め部40と、が設けられている。そして、支持部材20に対する位置決め部40の長手方向の位置を調整可能に構成されている。
これにより、記録ヘッド10の長手方向の位置を精度良く調整することができる。
【0041】
なお、本実施の形態では、6つの記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2が設置された画像形成装置1に対して本発明を適用したが、例えば図6に変形例として図示したように、記録ヘッドの数はこれに限定されることはない。
また、本実施の形態では、複数の記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2を搬送ドラム2の外周面に沿うように放射状(曲面状)に並設したが、シートPが平面状に搬送される場合などには、複数の記録ヘッドをその搬送面に沿うように平面状に並設することもできる。
また、吐出角調整機構56、57は、本実施の形態のものに限定されることなく、種々の形態のものを用いることができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、本実施の形態において、第1、第2支持部材19、20、ベースフレーム30.側方フレーム31、32などからなる記録ヘッド位置調整機構と、記録ヘッド10と、をユニット化して記録ヘッドモジュールを形成することもできる。その場合、その記録ヘッドモジュールの単位で、画像形成装置1に対して着脱されることになる。
さらに、その場合に、複数の記録ヘッド位置調整機構と複数の記録ヘッド10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2とがユニット化された記録ヘッドモジュールとすることもできる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0043】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 画像形成装置(インクジェットプリンタ)、
2 搬送ドラム、
10、10Y、10M、10C、10K、10S1、10S2 記録ヘッド、
11a、11b 溝付レール(第1滑動部、第1レール)、
12 平面状レール(第2滑動部、第2レール)、
15 突当部(突当て板)、
15a ピン(第1ピン)、
15b ネジ用穴、
16~18 補助板、
16a~18a 第2ピン、
19 第1支持部材、
20 第2支持部材、
20x 穴部(第1穴部)、
20z 第1雌ネジ部、
20w 第2雌ネジ部、
21Aa 第1上溝付コロ(一端側第1支持部)、
21Ab 第1下円柱状コロ(一端側第1支持部)、
21Ba 第2上溝付コロ(他端側第1支持部)、
21Bb 第2下円柱状コロ(他端側第1支持部)、
22A 第1円柱状コロ(一端側第2支持部)、
22B 第2円柱状コロ(他端側第2支持部)、
40 位置決め部(位置決め板)、
40x 貫通穴部(第1貫通穴部)、
40z 第2貫通穴部、
40w 第3貫通穴部、
41 スペーサ、
44 第2スペーサ、
45 固定ネジ(第1固定ネジ)、
46 第2固定ネジ、
56、57 吐出角調整機構、
P シート。
【0045】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~10の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
液滴を吐出する記録ヘッドの位置を調整する記録ヘッド位置調整機構であって、
前記記録ヘッドを支持する支持部材と、
前記支持部材に対する前記記録ヘッドの長手方向の位置を定めるために前記記録ヘッドの突当部が当接して固定される位置決め部と、
を備え、
前記支持部材に対する前記位置決め部の長手方向の位置を調整可能に構成されたことを特徴とする記録ヘッド位置調整機構。
(付記2)
前記位置決め部は、前記支持部材との間にスペーサを挟んだ状態で前記支持部材に固定可能に構成され、
前記突当部は、前記位置決め部と前記スペーサとを介して前記支持部材に固定可能に構成され、
厚さが同じ前記スペーサの枚数を調整するか、又は、厚さが異なる複数の前記スペーサのうちから1つ又は複数を選択するか、することで、前記支持部材に対する前記位置決め部の長手方向の位置を調整することを特徴とする付記1に記載の記録ヘッド位置調整機構。
(付記3)
前記支持部材は、前記記録ヘッドの長手方向一端側であって短手方向一端側を支持する一端側第1支持部と、前記記録ヘッドの長手方向一端側であって短手方向他端側を支持する一端側第2支持部と、前記記録ヘッドの長手方向他端側であって短手方向一端側を支持する他端側第1支持部と、前記記録ヘッドの長手方向他端側であって短手方向他端側を支持する他端側第2支持部と、を具備し、
前記記録ヘッドは、長手方向他端側を装着方向手前側として着脱可能に設置され、
前記長手方向に交差する方向は、シートが搬送される方向であって、
前記位置決め部は、前記一端側第1支持部と前記一端側第2支持部と前記他端側第1支持部と前記他端側第2支持部とのうち1つの支持部にのみ設置されたことを特徴とする付記1又は付記2に記載の記録ヘッド位置調整機構。
(付記4)
前記突当部は、前記位置決め部に形成された貫通穴部を介して前記1つの支持部に形成された穴部に嵌合するピンを具備し、
前記記録ヘッドは、前記一端側第1支持部と前記一端側第2支持部と前記他端側第1支持部と前記他端側第2支持部とのうち前記1つの支持部を除く3つの支持部にそれぞれ形成された第2穴部に対して、根元部が隙間をあけてそれぞれ嵌合する第2ピンを具備したことを特徴とする付記3に記載の記録ヘッド位置調整機構。
(付記5)
前記1つの支持部は、前記他端側第1支持部であって、
前記他端側第1支持部において前記穴部が開口する面と、前記他端側第2支持部において前記第2穴部が開口する面と、は長手方向の位置が異なることを特徴とする付記4に記載の記録ヘッド位置調整機構。
(付記6)
前記3つの支持部の少なくとも1つと前記第2ピンとの前記隙間に第2スペーサを設置可能に構成されたことを特徴とする付記4又は付記5に記載の記録ヘッド位置調整機構。
(付記7)
前記3つの支持部の少なくとも1つと前記第2ピンとの前記隙間に弾性部材が設置されたことを特徴とする付記4又は付記5に記載の記録ヘッド位置調整機構。
(付記8)
前記支持部材によって支持された状態で前記記録ヘッドを回転させることで、前記記録ヘッドから液滴が吐出される方向を調整する吐出角調整機構を備え、
前記支持部材に対する前記位置決め部の長手方向の位置を調整した後に、前記吐出角調整機構による調整をおこなって、その後に前記支持部材に前記位置決め部を介して前記突当部をネジ止めによって固定することを特徴とする付記1~付記7のいずれかに記載の記録ヘッド位置調整機構。
(付記9)
付記1~付記8のいずれかに記載の記録ヘッド位置調整機構と前記記録ヘッドとがユニット化されたことを特徴とする記録ヘッドモジュール。
(付記10)
付記1~付記8のいずれかに記載の記録ヘッド位置調整機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特開2019-142030号公報
【特許文献2】特開2022-85395号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8