(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071426
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置、2次元又は3次元の像形成方法、硬化物、及び加飾体
(51)【国際特許分類】
C08F 290/06 20060101AFI20240517BHJP
B29C 64/112 20170101ALI20240517BHJP
B29C 64/314 20170101ALI20240517BHJP
B33Y 70/00 20200101ALI20240517BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240517BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240517BHJP
【FI】
C08F290/06
B29C64/112
B29C64/314
B33Y70/00
B33Y30/00
B33Y10/00
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039778
(22)【出願日】2024-03-14
(62)【分割の表示】P 2019231193の分割
【原出願日】2019-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 竜輝
(72)【発明者】
【氏名】野口 宗
(72)【発明者】
【氏名】森田 充展
(72)【発明者】
【氏名】岡田 崇
(57)【要約】
【課題】基材に対する密着性と塗膜強度を両立でき、更にインクジェット法による吐出安定性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物の提供。
【解決手段】活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物と、重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂と、を含有し、前記ポリエステル樹脂の数平均分子量が3,000以下である活性エネルギー線硬化型組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物と、重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂と、を含有し、
前記ポリエステル樹脂の数平均分子量が3,000以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項2】
前記ポリエステル樹脂に含まれる重合性不飽和結合が(メタ)アクリロイル基由来以外である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項3】
前記アロファネート結合含有化合物の含有量が4質量%以上10質量%以下である、請求項1から2のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項4】
前記ポリエステル樹脂の含有量が5質量%以上20質量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を含む、活性エネルギー線硬化型インク組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物を含む、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物、及び請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物のいずれかが収容されている組成物収容容器。
【請求項8】
請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物、及び請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物のいずれかが収容された収容部と、
活性エネルギー線を照射するための照射手段と、
を有する2次元又は3次元の像形成装置。
【請求項9】
請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物、及び請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物のいずれかに活性エネルギー線を照射する照射工程を含む、2次元又は3次元の像形成方法。
【請求項10】
請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物、及び請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物のいずれかに活性エネルギー線を照射して硬化させてなる硬化物。
【請求項11】
基材上に、請求項10に記載の硬化物からなる表面加飾が施されてなる加飾体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置、2次元又は3次元の像形成方法、硬化物、及び加飾体に関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線硬化型組成物は、活性エネルギー線の照射により硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、ガラスや金属等のような無機系基材への密着性も求められている。
例えば、インク非吸収性材料からなる記録媒体に形成した画像の密着性を向上させることができるインクジェットインク組成物として、着色剤と、重合性化合物と、重合開始剤と、非反応性樹脂と、有機溶剤とを含むインクジェットインク組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化して得られる硬化物が優れた硬化性及び耐衝撃性を示す活性エネルギー線硬化型組成物として、少なくとも、アロファネート基含有(メタ)アクリレート樹脂組成物を含有する活性エネルギー線硬化型組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
しかしながら、従来技術では、基材への密着性を達成しようとすると、塗膜強度が下がってしまう問題が生じることがあった。
また、密着性を向上させる手段として、樹脂の添加が効果的であることが知られているが、高分子量の樹脂の場合、インクジェット法による吐出安定性に問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、基材に対する密着性と塗膜強度を両立でき、更にインクジェット法による吐出安定性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための手段としての本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物と、重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂と、を含有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、基材に対する密着性と塗膜強度を両立でき、更にインクジェット法による吐出安定性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明における像形成装置の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明における別の像形成装置の一例を示す概略図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明における更に別の像形成装置の一例を示す概略図である(その1)。
【
図3B】
図3Bは、本発明における更に別の像形成装置の一例を示す概略図である(その2)。
【
図3C】
図3Cは、本発明における更に別の像形成装置の一例を示す概略図である(その3)。
【
図3D】
図3Dは、本発明における更に別の像形成装置の一例を示す概略図である(その4)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(活性エネルギー線硬化型組成物)
本発明における活性エネルギー線硬化型組成物は、活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物と、重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂と、を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0009】
従来技術の活性エネルギー線硬化型組成物では、基材に対する密着性を高めようとすると、塗膜強度が低下する場合があり、密着性を向上させる手段として樹脂を添加すると、高分子量の樹脂を添加するとインクジェット法による吐出安定性が低下してしまうという課題がある。
【0010】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物と、重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂と、を含有する活性エネルギー線硬化型組成物が、従来からのトレードオフ項目であった、基材に対する密着性と塗膜強度を両立でき、更にインクジェット法による吐出安定性に優れていることを見出した。
【0011】
<活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物>
本発明で用いられるアロファネート結合含有化合物は、活性エネルギー線により活性可能な基を有する。活性エネルギー線により活性可能な基を有することにより、該化合物が活性エネルギー線により重合及び架橋するため、塗膜強度に優れた活性エネルギー線硬化型組成物が得られる。また、アロファネート結合を有することにより、金属やガラスのような高極性の基材に対する密着に優れた活性エネルギー線硬化型組成物が得られる。
また、アロファネート結合に含まれる水素結合により、一般的なウレタン結合由来の増粘が抑制されるため、インクジェット法による吐出安定性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物が得られる。
【0012】
前記活性エネルギー線により活性可能な基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を末端に有することが好ましい。また、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性化合物が好ましい。
【0013】
前記活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物の含有量としては、活性エネルギー線硬化型組成物の全量に対して、4質量%以上10質量%以下が好ましく、4.8質量%以上8質量%以下がより好ましい。前記活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物の含有量が4質量%以上であると、十分な塗膜強度が得られ、10質量%以下であると、硬化収縮が抑えられ密着性がより低下しにくくなることがある。
【0014】
前記活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、EBECRYL4666(ダイセル・オルネクス株式会社製)、EBECRYL4738(ダイセル・オルネクス株式会社製)、EBECRYL4740(ダイセル・オルネクス株式会社製)などが挙げられる。
【0015】
活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物が含まれていることの分析は、活性エネルギー線硬化型組成物からは、LC-MS、GC-MS、IR等の分析手段を用いて同定可能である。また、活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物からは、超臨界メタノール分解した後、GC-MS等の分析手段を用いて同定可能である。
【0016】
<重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂を含む。前記ポリエステル樹脂が重合性不飽和結合を有していると、重合性化合物との共重合により、強固な基材密着性が得られると推測される。
本発明の重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂は、(メタ)アクリロイル基由来以外の不飽和結合を含有することが好ましい。(メタ)アクリロイル基以外の不飽和結合としては、ビニル基やアリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
具体的には、UVAD-081(株式会社大阪ソーダ製)、UVAD-085(株式会社大阪ソーダ製)などが挙げられる。
【0018】
前記重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂の数平均分子量は、3,000以下であることが好ましい。前記数平均分子量が3,000以下であると、インクジェット法による吐出安定性がより低下しにくくなる。前記数平均分子量の下限値としては、例えば、500程度である。
前記ポリエステル樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。
【0019】
前記重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂の含有量は、活性エネルギー線硬化型組成物の全量に対して、5質量%以上20質量%以下が好ましく、10質量%以上15質量%以下がより好ましい。前記ポリエステル樹脂の含有量が5質量%以上であると、十分な基材密着性が得られ、20質量%以下であると、吐出安定性がより低下しにくくなる。
【0020】
重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂が含まれていることの分析は、活性エネルギー線硬化型組成物からは、LC-MS、GC-MS等の分析手段を用いて同定可能である。また、活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物からは、超臨界メタノール分解した後、GC-MS等の分析手段を用いて同定可能である。
【0021】
本発明における活性エネルギー線硬化型組成物は、前述したアロファネート結合含有化合物及び重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂以外の重合性化合物を含んでいてもよい。
前記重合性化合物としては、単官能重合性モノマーが好ましい。前記単官能重合性モノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジキシルエチル(メタ)アクリレート、エチルジグリコール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルモノ(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、エトキシ化コハク酸(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、N-ビニルホルムアミド、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、エトキシ化トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(350)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(550)モノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環状構造を含む単官能重合性モノマーが好ましく、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0022】
前記活性エネルギー線硬化型組成物中に、前記重合性モノマーを含有させる場合、その含有量は40質量%以上80質量%以下が好ましく、60質量%以上76質量%以下がより好ましい。前記重合性モノマーの含有量が40質量%以上であると、基材密着性が良好であり、80質量%以下であると、鉛筆硬度が良好である。
【0023】
<活性エネルギー線>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザダイオード(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
【0024】
<重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型組成物の全量に対して、5質量%以上20質量%が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p-ジエチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルベンジルアミン及び4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
【0025】
<色材>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含有していてもよい。前記色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、特に制限はなく、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定することができるが、活性エネルギー線硬化型組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
<有機溶媒>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
【0027】
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他の成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
【0028】
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、アロファネート結合含有化合物と、重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂と、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に更に重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
【0029】
<粘度>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3mPa・s~40mPa・sが好ましく、5mPa・s~15mPa・sがより好ましく、6mPa・s~12mPa・sが特に好ましい。
また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃~65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いることができる。
【0030】
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
【0031】
更に、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、
図2や
図3A~
図3Dに示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、
図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、
図3A~
図3Dは、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。まず、
図3Aでは、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射している。続いて、
図3Bでは、活性エネルギー線4の照射により所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成している。続いて、
図3Cでは、可動ステージ3を下げている。続いて、
図3Dでは、活性エネルギー線4の照射により、得られた硬化層6の上に更に硬化層6を形成している。
【0032】
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
【0033】
<組成物収容容器>
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、又は容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
【0034】
<像の形成方法、形成装置>
本発明の像の形成方法は、活性エネルギー線を用いてもよいし、加温なども挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を活性エネルギー線で硬化させるためには、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。更に、活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
【0035】
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、セラミックスやガラス、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、ダンボール、壁紙や床材等の建材、コンクリート、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
【0036】
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物により記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。
図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、
図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
【0037】
(活性エネルギー線硬化型インク組成物及び活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物)
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、基材に対する密着性と塗膜強度を両立し、更にインクジェット法による吐出安定性に優れているので、活性エネルギー線硬化型インク組成物に適用するのに好適であり、特に、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物に利用するのに好適である。
【0038】
(硬化物)
本発明の硬化物は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク組成物、及び活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物の少なくともいずれかに活性エネルギー線を照射することにより硬化させて形成される。
活性エネルギー線硬化型組成物としては、前記活性エネルギー線硬化型組成物と同様のものを用いることができ、活性エネルギー線硬化型インク組成物としては、前記活性エネルギー線硬化型インク組成物と同様のものを用いることができ、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物としては、前記活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物と同様のものを用いることができる。
【0039】
(加飾体)
本発明の加飾体としては、基材上に、硬化物からなる表面加飾が施されてなり、前記硬化物と同様のものを用いることができる。
【実施例0040】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0041】
(実施例1~19及び比較例1~10)
<活性エネルギー線硬化型組成物の作製>
表1から表6に示す材料と含有量(質量%)に基づき、常法により、各実施例及び比較例の活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
表1から表6で用いた材料の詳細については、以下のとおりである。
・重合性モノマー(THFA、テトラヒドロフルフリルアクリレート、製品名:ビスコート#150、大阪有機化学工業株式会社製)
・重合性モノマー(IBXA、イソボロニルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製)
・重合性オリゴマー(CN959、サートマー社製)
・重合開始剤(Omnirad TPO、IGM社製)
・重合禁止剤(BHT、東京化成工業株式会社製)
【0049】
・活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物については、下記表7に示した。
【表7】
なお、上記3種のアロファネート化合物は、いずれも活性エネルギー線活性基としてアクリロイルオキシ基を有している。
【0050】
・ポリエステル樹脂については、下記表8に示した。
【表8】
・UVAD-081の重合性不飽和結合はアリル基である。
・UVAD-085の重合性不飽和結合はアリル基である。
ポリエステル樹脂における数平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により行った。
【0051】
<インクジェット法による吐出安定性>
各活性エネルギー線硬化型組成物を、インクジェット吐出装置(株式会社リコー製、ヘッド:リコープリンティングシステムズ株式会社製GEN5)に装填し、30分間連続で吐出した後のノズルからの吐出状態をカメラで観察し、下記基準により、吐出安定性を評価した。結果を表9から表14に示した。なお、吐出安定性は〇以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
〇:全てのノズルから吐出している
△:30ノズル未満の不吐出がみられる
×:30ノズル以上の不吐出がみられる
【0052】
<塗膜及び硬化膜の形成>
各活性エネルギー線硬化型組成物を用い、基材(スライドガラス、ステンレス板、又はポリプロピレンフィルム)上に、バーコーターにより厚さ10μmの塗膜を形成し、該塗膜をウシオ電機株式会社製メタルハライドランプ(4 ,000mJ/cm2)で硬化させて、硬化膜を得た。
-基材-
・スライドガラス:S9213、松浪硝子工業株式会社製、厚み1.2~1.5mm
・ステンレス板:テストピース(SUS304)、アズワン株式会社製、厚み0.8mm
・ポリプロピレンフィルム:P2161、東洋紡株式会社製、厚み60μm
【0053】
次に、得られた硬化膜について、以下のようにして、塗膜強度及び密着性を評価した。結果を表9から表14に示した。
【0054】
<塗膜強度(鉛筆硬度)>
塗膜強度は、鉛筆硬度試験JIS K5600-5-4(引っかき硬度:鉛筆法)に基づいて行った。鉛筆硬度の硬度順は6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6Hであり、HB以上であることが好ましいが、少なくとも2Bであれば、実用上問題ないレベルである。
【0055】
<密着性>
硬化膜の密着性は、密着性試験JIS K5600-5-6のクロスカット法の評価方法に従い、下記の基準に基づいて評価した。なお、△以上が実用上問題ないレベルである。
[評価基準]
◎:全く剥がれがない
〇:カッターの切込みに沿って剥がれがあるが、マスは剥がれていない
△:全体の50%未満のマスが剥がれている
×:全体の50%以上のマスが剥がれている
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
表9から表14の結果から、実施例1~19は、比較例1~10に比べて、基材に対する密着性と塗膜強度を両立でき、更にインクジェット法による吐出安定性に優れていることがわかった。
【0063】
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 活性エネルギー線により活性可能な基を有するアロファネート結合含有化合物と、重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂と、を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物である。
<2> 前記ポリエステル樹脂に含まれる重合性不飽和結合が(メタ)アクリロイル基由来以外である、前記<1>に記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<3> 前記ポリエステル樹脂の数平均分子量が3,000以下である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<4> 前記アロファネート結合含有化合物の含有量が4質量%以上10質量%以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<5> 前記ポリエステル樹脂の含有量が5質量%以上20質量%以下である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を含む、活性エネルギー線硬化型インク組成物である。
<7> 前記<6>に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物を含む、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物である。
<8> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、前記<6>に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物、及び前記<7>に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物のいずれかが収容されている組成物収容容器である。
<9> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、前記<6>に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物、及び前記<7>に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物のいずれかが収容された収容部と、
活性エネルギー線を照射するための照射手段と、
を有する2次元又は3次元の像形成装置である。
<10> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、前記<6>に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物、及び前記<7>に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物のいずれかに活性エネルギー線を照射する照射工程を含む、2次元又は3次元の像形成方法である。
<11> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、前記<6>に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物、及び前記<7>に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物のいずれかに活性エネルギー線を照射して硬化させてなる硬化物である。
<12> 基材上に、前記<11>に記載の硬化物からなる表面加飾が施されてなる加飾体である。
【0064】
前記<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、前記<6>に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物、前記<7>に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、前記<8>に記載の組成物収容容器、前記<9>に記載の2次元又は3次元の像形成装置、前記<10>に記載の2次元又は3次元の像形成方法、前記<11>に記載の硬化物、及び前記<12>に記載の加飾体によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。