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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072353
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】異常監視装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 13/06 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
F25D13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183087
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 純
(72)【発明者】
【氏名】青池 博之
(72)【発明者】
【氏名】杉山 俊和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 政彦
(72)【発明者】
【氏名】梅原 健邦
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA03
3L045BA04
3L045EA03
3L045KA03
3L045LA17
3L045LA18
3L045MA00
3L045PA02
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】コンタクトフリーザにおける金属板の不所望なたわみを検出する。
【解決手段】本開示の少なくとも一実施形態に係る異常監視装置は、上下方向に複数配置された金属板を備え、対象物を上下一対の金属板に接触させることで冷却するように構成されたコンタクトフリーザの異常を監視する異常監視装置である。本開示の少なくとも一実施形態に係る異常監視装置は、最上段又は最下段の金属板の高さ位置を複数箇所でそれぞれ検出するための複数の位置センサと、位置センサの検出信号に基づいてコンタクトフリーザの異常検知を行うための演算部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に複数配置された金属板を備え、対象物を上下一対の前記金属板に接触させることで冷却するように構成されたコンタクトフリーザの異常を監視する異常監視装置であって、
最上段又は最下段の前記金属板の高さ位置を複数箇所でそれぞれ検出するための複数の位置センサと、
前記位置センサの検出信号に基づいて前記コンタクトフリーザの異常検知を行うための演算部と、
を備える、異常監視装置。
【請求項2】
前記演算部は、前記複数の位置センサのそれぞれについて、上下一対の前記金属板における上側の金属板と下側の金属板との間隔を狭めた状態で検出した前記位置センサの第1検出信号と、前記第1検出信号を検出した後、前記上側の金属板と前記下側の金属板との間隔を一旦広げた後、再び狭めた状態で検出した前記位置センサの第2検出信号とを比較することで、前記コンタクトフリーザの異常の有無を検知する、
請求項1に記載の異常監視装置。
【請求項3】
前記金属板のそれぞれは、平面視にて矩形形状を有し、
前記コンタクトフリーザは、前記矩形形状における互いに対向する一対の辺の内の一方の辺に沿った側部から上下一対の前記金属板の間に前記対象物が投入され、前記一対の辺の内の他方の辺に沿った側部から上下一対の前記金属板の間で冷却された前記対象物が排出されるように構成され、
前記複数の位置センサは、前記一対の辺の延在方向に沿って間隔を空けて配置されていて、最上段又は最下段の前記金属板までの距離を検出可能である、
請求項1又は2に記載の異常監視装置。
【請求項4】
前記対象物は、上下一対の前記金属板の間に前記延在方向に複数配置され、
前記複数の位置センサのそれぞれは、上下一対の前記金属板の間に配置された複数の前記対象物の前記延在方向のそれぞれの配置位置と対応する前記延在方向の位置における、最上段又は最下段の前記金属板までの距離を検出可能である、
請求項3に記載の異常監視装置。
【請求項5】
前記複数の位置センサのそれぞれは、最上段又は最下段の前記金属板における、前記一方の辺を含む端部領域、又は、前記他方の辺を含む端部領域の少なくとも何れか一方までの距離を検出可能である、
請求項3に記載の異常監視装置。
【請求項6】
前記演算部は、前記複数の位置センサのそれぞれについて、上下一対の前記金属板における上側の金属板と下側の金属板との間隔を狭めた状態で検出した最上段又は最下段の前記金属板までの第1距離と、前記第1距離を検出した後、前記上側の金属板と前記下側の金属板との間隔を一旦広げた後、再び狭めた状態で検出した最上段又は最下段の前記金属板までの第2距離との差分を算出し、前記複数の位置センサの少なくとも何れか一つについての前記差分が管理値を超えている場合に、前記コンタクトフリーザに異常が有ると判断する、
請求項3に記載の異常監視装置。
【請求項7】
前記複数の位置センサは、第1位置センサと、前記第1位置センサよりも前記延在方向の中央に近い第2位置センサとを含み、
前記第2位置センサについて設定された前記管理値は、前記第1位置センサについて設定された前記管理値よりも大きい、
請求項6に記載の異常監視装置。
【請求項8】
複数の前記金属板の側方に配置されていて、検出対象物までの距離を検出するための側方センサを備え、
前記演算部は、上下一対の前記金属板における上側の金属板と下側の金属板との間隔を広げた状態で前記側方センサで検出した前記下側の金属板までの距離に基づいて前記コンタクトフリーザの異常検知を行う、
請求項1又は2に記載の異常監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンタクトフリーザの異常を監視する異常監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば食品等の対象物を冷凍するための冷凍装置として、コンタクトフリーザが知られている。コンタクトフリーザは、対象物を上下から挟んだ平板状の金属板の内部に冷媒を流すことで対象物を冷凍するように構成されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-047441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンタクトフリーザの運転を継続していると、金属板の表面に霜が付着して徐々に成長する。この霜に冷凍前の対象物が接触して霜が一度溶けて再凍結すると対象物が金属板に張り付いてしまうおそれがある。
例えばコンタクトフリーザへの対象物の供給と、冷凍後の対象物のコンタクトフリーザからの排出とを自動化した場合、上述したような対象物の金属板への張り付きが起こったまま、次に冷凍する対象物が投入されてしまうおそれがある。
【0005】
コンタクトフリーザでは、冷凍前の対象物を投入する際、上下方向で隣り合う一対の金属板同士の間隔を開いてから冷凍前の対象物を投入し、その後、該一対の金属板同士の間隔を狭めて該一対の金属板同士の間に対象物を挟む。
そのため、上述したような対象物の金属板への張り付きが起こったまま、次に冷凍する対象物が投入されてしまうと、金属板に張り付いている対象物と新たに投入した対象物とが重なって厚さが増えてしまい、そのまま該一対の金属板同士の間隔を狭めてしまうと、金属板が不所望にたわんでしまう。
【0006】
このような金属板の不所望なたわみが生じたままコンタクトフリーザへの対象物の供給等を継続すると、対象物をコンタクトフリーザへ挿入するため投入装置等と金属板とが衝突してしまうおそれがある。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、コンタクトフリーザにおける金属板の不所望なたわみを検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る異常監視装置は、
上下方向に複数配置された金属板を備え、対象物を上下一対の前記金属板に接触させることで冷却するように構成されたコンタクトフリーザの異常を監視する異常監視装置であって、
最上段又は最下段の前記金属板の高さ位置を複数箇所でそれぞれ検出するための複数の位置センサと、
前記位置センサの検出信号に基づいて前記コンタクトフリーザの異常検知を行うための演算部と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、コンタクトフリーザにおける金属板の不所望なたわみを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態のフリーザシステムの全体構成を模式的に示した側面図である。
図2】本実施形態のフリーザシステムの全体構成を模式的に示した側面図である。
図3】本実施形態のフリーザシステムの全体構成を模式的に示した側面図である。
図4図1のA-A矢視断面図である。
図5図1のB-B矢視図である。
図6】本実施形態の異常監視装置の全体構成を示す図である。
図7】側方センサによる異常検知について説明するための模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0012】
図1は、本実施形態のフリーザシステムの全体構成を模式的に示した側面図であり、後述する第1押込み装置で冷凍前の対象物が搭載されたトレーをコンタクトフリーザに投入する直前の状態を示している。
図2は、本実施形態のフリーザシステムの全体構成を模式的に示した側面図であり、後述する第1押込み装置で冷凍前の対象物が搭載されたトレーをコンタクトフリーザに投入した直後の状態を示している。
図3は、本実施形態のフリーザシステムの全体構成を模式的に示した側面図であり、後述する第2押込み装置で冷凍前の対象物が搭載されたトレーをコンタクトフリーザから排出した直後の状態を示している。
図4は、図1のA-A矢視断面図である。
図5は、図1のB-B矢視図である。
【0013】
本実施形態のフリーザシステム1は、コンタクトフリーザ2と、コンタクトフリーザ2で冷凍する対象物11をトレー13と共にコンタクトフリーザ2に投入するための投入装置4と、冷凍した後の対象物11をトレー13と共にコンタクトフリーザ2から排出される冷凍後の対象物11とトレー13を受け取って後工程へ搬出するための搬出装置7とを備えている。
本実施形態のフリーザシステム1では、コンタクトフリーザ2への対象物11の供給と、冷凍後の対象物11のコンタクトフリーザ2からの排出とが自動化されている。
【0014】
(コンタクトフリーザ2)
本実施形態のコンタクトフリーザ2は、冷媒が内部を流通可能に構成された平板状の金属板21が上下方向に複数段設けられているフリーザであり、冷凍する対象物11を上下一対の金属板21で挟んで、各金属板21の内部に冷媒を流すことで、対象物の上下から熱を奪うように構成されている。
本実施形態のコンタクトフリーザ2は、除湿環境に保たれた不図示の収容室内に配置されている。
なお、以下の説明では、水平方向の内、後述する第1押込み装置43や第2押込み装置46による対象物11及びトレー13の移動方向と平行な方向を奥行方向とも称し、水平方向の内、奥行方向と直交する方向を幅方向とも称する。
【0015】
本実施形態のコンタクトフリーザ2では、金属板21のそれぞれは、平面視で矩形形状を有している。コンタクトフリーザ2は、該矩形形状における互いに対向する一対の辺の内の一方の辺21aに沿った側部である幅方向に沿った側部2aから上下一対の金属板21の間に対象物11及びトレー13が投入され、一対の辺の内の他方の辺21bに沿った側部である幅方向に沿った側部2bから上下一対の金属板21の間で冷却された対象物11が排出されるように構成されている。
【0016】
本実施形態のコンタクトフリーザ2は、任意の高さ位置で上下方向で隣り合う一対の金属板21における上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を広げるための不図示のアクチュエータを備えている。このアクチュエータを駆動して上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を広げることで、後述するように上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間に対象物11とトレー13を投入したり、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間で冷凍された対象物11をトレー13と共に排出したりすることができる。
本実施形態のコンタクトフリーザ2では、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を広げ、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間に対象物11とトレー13を投入した後、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を狭めて上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間に対象物11とトレー13を挟み込んで冷凍する。そして、対象物11の冷凍が完了した後、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を広げ、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間から冷凍された対象物11をトレー13と共に排出する。
【0017】
本実施形態のフリーザシステム1では、コンタクトフリーザ2で冷凍する対象物11は、例えば密閉された袋に充填されている食品である。
本実施形態のフリーザシステム1では、コンタクトフリーザ2への対象物11の供給と、冷凍後の対象物11のコンタクトフリーザ2からの排出とを自動化するため、上述したように対象物11はトレー13に搭載されて、トレー13と共に搬送される。
本実施形態のフリーザシステム1では、トレー13は、熱伝導率が比較的高いアルミニウム合金等で形成されている。
【0018】
本実施形態のフリーザシステム1では、上下一対の金属板21の間には、例えば奥行方向に3列、幅方向に4列の対象物11及びトレー13が配置可能であるが、対象物11及びトレー13の配列数はこの列数に限定されない。
【0019】
(投入装置4)
本実施形態の投入装置4は、投入用昇降コンベア41と、第1押込み装置43と、第2押込み装置46とを備えている。
【0020】
(投入用昇降コンベア41)
投入用昇降コンベア41は、上流工程から搬送されてきた冷凍前の対象物11を搭載したトレー13を任意の高さ位置に移動させるためのコンベアである。投入用昇降コンベア41には、図4に示すように、例えば幅方向に4つの対象物11及びトレー13を載置可能である。
投入用昇降コンベア41は、冷凍前の対象物11を搭載したトレー13を昇降可能に構成されている。
【0021】
(第1押込み装置43)
第1押込み装置43は、投入用昇降コンベア41上の対象物11及びトレー13を奥行方向に押圧してコンタクトフリーザ2に投入するための装置である。第1押込み装置43は、トレー13の側面を押圧する第1押圧部44と、第1押圧部44を奥行方向に駆動するための第1駆動部45とを有する。
第1押込み装置43は、投入用昇降コンベア41と共に任意の高さ位置に移動可能である。
【0022】
第1押込み装置43は、奥行方向に1列分の対象物11及びトレー13をコンタクトフリーザ2に投入可能なストロークの分だけ第1押圧部44を奥行方向に移動可能に構成されている。
【0023】
(第2押込み装置46)
第2押込み装置46は、コンタクトフリーザ2に投入されている対象物11及びトレー13を奥行方向に押圧してコンタクトフリーザ2の外部に排出することができる装置である。第2押込み装置46は、トレー13の側面を押圧する第2押圧部47と、第2押圧部47を奥行方向に駆動するためのコンベアチェーン48と、コンベアチェーン48を巻き取り及び繰り出すことで奥行方向に伸縮させるための第2駆動部49とを有する。
第2押込み装置46は、投入用昇降コンベア41と共に任意の高さ位置に移動可能である。
本実施の形態では、第2押込み装置46の第2押圧部47は、第1押込み装置43の第1押圧部44よりも高い位置に配置されている。
【0024】
第2押込み装置46は、第2駆動部49によってコンベアチェーン48が奥行方向に駆動されると、コンベアチェーン48の先端に取り付けられた第2押圧部47がコンベアチェーン48と共に奥行方向に移動するように構成されている。
第2押込み装置46は、コンタクトフリーザ2を挟んで第2押込み装置46とは反対側の側部2bまで第2押圧部47を奥行方向に移動可能に構成されている。第2押込み装置46を動作させることで、任意の高さ位置の上下一対の金属板21の間から対象物11及びトレー13をすべて排出することができる。
【0025】
(搬出装置7)
搬出装置7は、排出用昇降コンベア71を備えている。
【0026】
(排出用昇降コンベア71)
排出用昇降コンベア71は、コンタクトフリーザ2から排出される冷凍後の対象物11を搭載するトレー13を受ける際に用いられるコンベアである。排出用昇降コンベア71は、投入用昇降コンベア41と同様に、冷凍後の対象物11を搭載したトレー13を昇降可能に構成されている。
【0027】
(フリーザシステム1における対象物11及びトレー13の流れ)
このように構成される本実施形態のフリーザシステム1では、対象物11及びトレー13は次のようにして冷凍される。
上流工程から搬送されてきた冷凍前の対象物11を搭載したトレー13は、投入用昇降コンベア41上に搬送される。
投入用昇降コンベア41上に搬送された対象物11及びトレー13は、図1に示すように投入用昇降コンベア41によって、適宜高さ位置が調整された後、図2に示すように第1押込み装置43によってコンタクトフリーザ2に投入される。
【0028】
なお、コンタクトフリーザ2では、対象物11及びトレー13の投入に先立って、投入先の上下一対の金属板21の上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を不図示のアクチュエータによって広げる。そして、対象物11及びトレー13の投入が完了すると、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を狭めて上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間に対象物11とトレー13を挟み込んで冷凍する。
【0029】
対象物11及びトレー13をコンタクトフリーザ2に投入する際、奥行方向に3列分の対象物11及びトレー13がコンタクトフリーザ2に投入済みであるときに、投入用昇降コンベア41上の対象物11及びトレー13が第1押込み装置43によって投入されると、第1押込み装置43から最も遠い対象物11及びトレー13がコンタクトフリーザ2から押し出されて排出用昇降コンベア71上に排出されることとなる。
【0030】
排出用昇降コンベア71上に排出された冷凍後の対象物11とトレー13は、排出用昇降コンベア71によって後工程へ搬出される。
【0031】
(金属板21のたわみについて)
コンタクトフリーザ2の運転を継続していると、金属板21の表面に霜が付着して徐々に成長する。この霜に冷凍前の対象物11が接触して霜が一度溶けて再凍結すると対象物11が金属板21に張り付いてしまうおそれがある。
例えば本実施形態のフリーザシステム1のようにコンタクトフリーザ2への対象物11の供給と、冷凍後の対象物11のコンタクトフリーザ2からの排出とを自動化されている場合、上述したような対象物11の金属板21への張り付きが起こったまま、次に冷凍する対象物11が投入されてしまうおそれがある。
【0032】
本実施形態のコンタクトフリーザ2では、冷凍前の対象物11を投入する際、上述したように上下方向で隣り合う一対の金属板21同士の間隔を開いてから冷凍前の対象物11を投入し、その後、該一対の金属板21同士の間隔を狭めて該一対の金属板21同士の間に対象物11を挟む。
そのため、上述したような対象物11の金属板21への張り付きが起こったまま、次に冷凍する対象物11が投入されてしまうと、金属板21に張り付いている対象物11と新たに投入した対象物11とが重なって厚さが増えてしまい、そのまま該一対の金属板21同士の間隔を狭めてしまうと、金属板21が不所望にたわんでしまう。
【0033】
このような金属板21の不所望なたわみが生じたままコンタクトフリーザ2への対象物11の供給、排出を継続すると、第1押込み装置43や第2押込み装置46と金属板21とが衝突してしまうおそれがある。
【0034】
そこで、本実施形態のフリーザシステム1では、以下で説明する異常監視装置100によって金属板21の不所望なたわみを検出することで、上述したような不具合の発生を抑制するようにしている。
【0035】
(異常監視装置100)
図6は、本実施形態の異常監視装置の全体構成を示す図である。
本実施形態の異常監視装置100は、複数の位置センサ101と、位置センサ101の検出信号に基づいてコンタクトフリーザ2の異常検知を行うための演算部150と、を備える。
また、本実施形態の異常監視装置100は、側方センサ103を備える。
【0036】
(位置センサ101)
複数の位置センサ101は、最上段の金属板22の高さ位置を複数箇所でそれぞれ検出するためのセンサであり、例えば反射型のレーザ変位センサである。
位置センサ101のそれぞれは、最上段の金属板22の上方においてコンタクトフリーザ2のフレーム2fに取り付けられている。なお、図5では、コンタクトフリーザ2のフレーム2fの記載を省略している。
本実施形態の異常監視装置100では、位置センサ101のそれぞれは、平面視で矩形形状を有する金属板21の幅方向に沿って間隔を空けて配置されていて、最上段の金属板22までの距離を検出可能である。
【0037】
より具体的には、本実施形態の異常監視装置100では、位置センサ101のそれぞれは、複数の対象物11の幅方向のそれぞれの配置位置と対応する幅方向の位置における、最上段の金属板22までの距離を検出可能である。
【0038】
本実施形態の異常監視装置100では、位置センサ101のそれぞれは、最上段の金属板22における、一方の辺21aを含む一方の端部領域22a、及び、他方の辺21bを含む他方の端部領域22bまでの距離を検出可能である。
すなわち、位置センサ101のそれぞれは、端部領域22a及び端部領域22bの上方で幅方向に沿って間隔を空けて配置されている。
なお、平面視で矩形形状を有する金属板21、22における、一方の辺21aは、図4において投入装置4と対向する図示右側の辺であり、他方の辺21bは、図4において搬出装置7と対向する図示左側の辺である。
【0039】
なお、位置センサ101のそれぞれは、平面視において上述した位置センサ101の配置位置と対応する配置位置であって、最下段の金属板23の下方に配置されていて、最下段の金属板23までの距離を検出可能とされていてもよい。
【0040】
(側方センサ103)
側方センサ103は、複数の金属板21の側方に配置されていて、検出対象物までの距離を検出するためのセンサであり、例えば反射型のレーザ変位センサである。
側方センサ103は、例えば第2押込み装置46のフレーム46fに取り付けられていて第2押込み装置46と共に高さ方向に移動可能である。側方センサ103の検出対象については後で説明する。
【0041】
(演算部150)
演算部150は、位置センサ101のセンサアンプ121と、側方センサ103のセンサアンプ123と、フリーザシステム制御装置131と、コンタクトフリーザ制御装置132とを含んでいる。
センサアンプ121、123、フリーザシステム制御装置131、及びコンタクトフリーザ制御装置132のそれぞれは、例えば、各種演算処理を実行する不図示のプロセッサと、プロセッサによって処理される各種データを非一時的または一時的に記憶する不図示のメモリとを備える。プロセッサは、CPU、GPU、MPU、DSP、これら以外の各種演算装置、又はこれらの組み合わせなどによって実現される。メモリは、ROM、RAM、フラシュメモリ、またはこれらの組み合わせなどによって実現される。
【0042】
(センサアンプ121)
位置センサ101のセンサアンプ121は、位置センサ101で検出した最上段の金属板22までの距離の信号と、あらかじめ設定された、最上段の金属板22までの距離についての管理値とに基づいて、警報信号をフリーザシステム制御装置131に出力するように構成されている。
位置センサ101のセンサアンプ121は、複数の位置センサ101のそれぞれに対応するように複数設けられている。
【0043】
(センサアンプ123)
側方センサ103のセンサアンプ123は、側方センサ103で検出した検出対象物までの距離の信号と、あらかじめ設定された、検出対象物までの距離についての管理値とに基づいて、警報信号をフリーザシステム制御装置131に出力するように構成されている。
なお、側方センサ103のセンサアンプ123は、側方センサ103が複数設けられている場合には、複数の側方センサ103のそれぞれに対応するように複数設けられる。
【0044】
(フリーザシステム制御装置131)
フリーザシステム制御装置131は、例えばコンタクトフリーザ2が収容される不図示の収容室内を除湿環境に保つための不図示の空調装置を含む、フリーザシステム1の全体を統括して制御するための制御装置である。フリーザシステム制御装置131は、コンタクトフリーザ制御装置132と連携してフリーザシステム1の全体を制御するように構成されている。
フリーザシステム制御装置131は、位置センサ101のセンサアンプ121の何れか、又は、側方センサ103のセンサアンプ123から警報信号を受信すると、コンタクトフリーザ2に異常があるものと判断して、コンタクトフリーザ2の運転を停止させるための警報信号をコンタクトフリーザ制御装置132に出力する。
また、フリーザシステム制御装置131は、コンタクトフリーザ2に異常があるものと判断すると、不図示の表示装置や音声による報知装置に対してコンタクトフリーザ2の点検を促す旨の報知画面や報知音声を出力するように制御信号を出力する。
【0045】
(コンタクトフリーザ制御装置132)
コンタクトフリーザ制御装置132は、コンタクトフリーザ2、投入装置4、及び搬出装置7の各部を制御するための制御装置である。
コンタクトフリーザ制御装置132は、フリーザシステム制御装置131から警報信号を受信すると、例えば投入装置4の運転を停止する制御信号を投入装置4に出力する。
【0046】
(位置センサ101の検出信号による異常判定について)
コンタクトフリーザ2では、例えば金属板21に冷凍後の対象物11が張り付いたまま、次に冷凍する対象物11が投入されてしまい、そのまま上下一対の金属板21同士の間隔を狭めてしまうと、金属板21が不所望にたわんでしまう。そして、この金属板21のたわみは、最上段及び最下段の金属板22、23の不所望なたわみを招く。
そこで、本実施形態の異常監視装置100は、位置センサ101の検出信号に基づいて以下のようにしてコンタクトフリーザの異常検知を行うようにしている。
これにより、最上段の金属板21の高さ位置の検出結果に基づいてコンタクトフリーザ2の異常検知を行うことができるので、上述したような金属板の不所望なたわみを検出できる。
【0047】
演算部150は、複数の位置センサ101のそれぞれについて、上下一対の金属板21における上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を狭めた状態で検出した位置センサ101の第1検出信号と、第1検出信号を検出した後、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を一旦広げた後、再び狭めた状態で検出した位置センサ101の第2検出信号とを比較することで、コンタクトフリーザ2の異常の有無を検知するように構成されている。
つまり、センサアンプ121のそれぞれは、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を一旦広げる前、すなわちある高さ位置における上下一対の金属板21の間に新たな対象物11及びトレー13を投入する前の位置センサ101のそれぞれにおける検出信号を第1検出信号として記憶する。
次いで、センサアンプ121のそれぞれは、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を一旦広げた後、再び狭めた後、すなわち上記のある高さ位置における上下一対の金属板21の間に新たな対象物11及びトレー13を投入した後の位置センサ101のそれぞれにおける検出信号を第2検出信号として記憶する。
【0048】
上述したような対象物11の金属板21への張り付き等の不具合が生じていなければ、金属板21が不所望にたわまないので、第1検出信号から算出される最上段の金属板22までの距離(第1距離L1)と、第2検出信号から算出される最上段の金属板22までの距離(第2距離L2)との差△Laは僅かである。
しかし、上述したような対象物11の金属板21への張り付き等の不具合が生じていれば、金属板21が不所望にたわむので、第1検出信号から算出される最上段の金属板22までの第1距離L1と、第2検出信号から算出される最上段の金属板22までの第2距離L2とに比較的大きな差が表れる。
そこで、本実施の形態の異常監視装置100では、上述したように、第1検出信号と第2検出信号とを比較することで、コンタクトフリーザ2の異常の有無を検知するように演算部150を構成した。
なお、複数の位置センサ101において検出した距離同士を比較することで金属板21に張り付いている対象物11と新たに投入した対象物11との重なりを検出することも考えられる。しかし、対象物11の重なりが生じていなくても、対象物11のつぶれ易さの差によって金属板21にたわみが生じることがある。また、金属板21のたわみも毎回異なる。そのため、複数の位置センサ101において検出した距離同士を比較することで対象物11の重なりを検出しようとすると、誤検出するおそれがある。そのため、上述したように、第1検出信号と第2検出信号とを比較することで、コンタクトフリーザ2の異常の有無を検知することが望ましい。
【0049】
より具体的には、センサアンプ121のそれぞれは、第1検出信号から算出される最上段の金属板22までの第1距離L1と、第2検出信号から算出される最上段の金属板22までの第2距離L2との差△Laを求め、この差△Laとあらかじめ定められた管理値Mvaとを比較する。そして、求めた差△Laが管理値Mvaを超えている場合には、警報信号をフリーザシステム制御装置131に出力する。
これにより、例えば金属板に冷凍後の対象物11が張り付いたまま、次に冷凍する対象物11が投入されてしまったような不具合の発生を検出できる。
また、本実施の形態の異常監視装置100によれば、コンタクトフリーザ2の異常の有無を精度よく判定できる。
【0050】
(管理値Mvaについて)
上述したような最上段及び最下段の金属板22,23の不所望なたわみは、幅方向の中央に近い領域の方が幅方向の中央から遠い領域よりも大きくなる傾向にある。そのため、このような傾向に応じて管理値Mvaを設定することが、異常の有無を精度よく判定する観点から望ましい。
そこで、本実施の形態の異常監視装置100では、幅方向に沿って間隔を空けて配置された4つの位置センサ101の内、幅方向の両端に位置する2つの位置センサ101(第1位置センサ101Aと称する)について設定された管理値Mva1よりも幅方向の中央寄りに位置する2つの位置センサ101(第2位置センサ101Bと称する)について設定された管理値Mva2の方を大きくしている。
これにより、異常の有無を精度よく判定できる。
【0051】
(側方センサ103の検出信号による異常判定について)
金属板21が不所望にたわんでしまうと、第1押込み装置43や第2押込み装置46を動作させたときに第1押圧部44や第2押圧部47と金属板21とが衝突してしまうおそれがある。
そこで、側方センサ103によって以下のようにして金属板21までの距離を検出し、検出した金属板21までの距離に基づいてコンタクトフリーザ2の異常検知を行うようにしている。
【0052】
図7は、側方センサによる異常検知について説明するための模式的な図である。
側方センサ103は、次の条件(a)から(c)をすべて満たしたときに、ある高さ位置における上下一対の金属板21の内の下側の金属板21dの上面の内の、上述した側部2aに比較的近い領域までの距離Lpを検出できるように、レーザ光線の光軸Axに向きが設定されている。
(a)ある高さ位置における上下一対の金属板21の上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔が広げられた状態である。
(b)第2押込み装置46の第2押圧部47の高さ位置がこの金属板21の上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間に挿入可能な高さ位置に設定されている。
(c)距離Lpの検出対象である下側の金属板21dが不所望にたわんでいない。
【0053】
しかし、例えば距離Lpの検出対象である下側の金属板21dの下方で上述したような対象物11の金属板21への張り付き等の不具合が生じている場合、図7の2点鎖線で示したように、距離Lpの検出対象である下側の金属板21dが上方へたわんでしまう。すると、側方センサ103は下側の金属板21dの上面ではなく側面(辺21a)までの距離Lp’を検出することになってしまう。
図7に示すように、下側の金属板21dの側面までの距離Lp’は、下側の金属板21dの上面までの距離Lpと比べて小さい。
【0054】
そこで、本実施の形態の異常監視装置100では、上記条件(a)及び(b)を満たしている状態で側方センサ103で検出した距離が、あらかじめ定められた管理値Mvbの範囲から外れている場合には、側方センサ103のセンサアンプ123は、警報信号をフリーザシステム制御装置131に出力する。
これにより、第2押込み装置46を動作させたときに第2押圧部47と金属板21とが衝突してしまうような不具合の発生を抑制できる。
【0055】
また、上述したように、本実施の形態の異常監視装置100では、位置センサ101のそれぞれは、平面視で矩形形状を有する金属板21の幅方向に沿って間隔を空けて配置されていて、最上段の金属板22までの距離を検出可能である。
これにより、本実施形態のフリーザシステム1のように対象物11が上下一対の金属板21の間に幅方向に複数配置されている場合に、これら複数の対象物11の内の何れか一つが金属板21に張り付くことで金属板21が部分的たわんでしまっても、複数の位置センサ101の何れかによって異常の有無を検出する可能性が高まる。
【0056】
上述したように、本実施の形態の異常監視装置100では、位置センサ101のそれぞれは、複数の対象物11の幅方向のそれぞれの配置位置と対応する幅方向の位置における、最上段の金属板22までの距離を検出可能である。
これにより、上下一対の金属板21の間に幅方向に複数配置されている対象物11の内の何れか一つが金属板21に張り付くことで金属板21が部分的たわんでしまっても、複数の位置センサ101の何れかによって異常の有無を検出する可能性が高まる。
【0057】
上述したように、本実施の形態の異常監視装置100では、位置センサ101のそれぞれは、最上段の金属板22における、一方の辺21aを含む端部領域22a、及び、他方の辺21bを含む端部領域22bまでの距離を検出可能である。
これにより、コンタクトフリーザ2の平面視にて、位置センサ101のそれぞれを奥行方向の比較的両端に近い位置に配置し易くなって、複数の位置センサ101のそれぞれの配置を比較的容易に行える。
【0058】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した異常監視装置100では、位置センサ101は、一方の端部領域22a、及び他方の端部領域22bの双方の上方に配置されているが、一方の端部領域22a、又は、他方の端部領域22bの何れか一方の上方にだけ配置されていてもよい。
【0059】
また、例えば、上述した異常監視装置100では、側方センサ103による異常検知は、第2押込み装置46を動作させたときに第2押圧部47と金属板21とが衝突してしまうような不具合の発生を抑制するためのものであるが、第1押込み装置43を動作させたときに第1押圧部44と金属板21とが衝突してしまうような不具合の発生を抑制するためのものであってもよい。
【0060】
例えば、上述した異常監視装置100では、演算部150は、位置センサ101のセンサアンプ121と、側方センサ103のセンサアンプ123と、フリーザシステム制御装置131と、コンタクトフリーザ制御装置132とを含んでいて、これらが連携することでコンタクトフリーザ2の上述した異常検知に係る動作を行うように構成されている。しかし、演算部150は、位置センサ101のセンサアンプ121と、側方センサ103のセンサアンプ123と、コンタクトフリーザ2や投入装置4、搬出装置7の各部の制御も可能である、フリーザシステム1を一括して制御可能な制御装置とによってコンタクトフリーザ2の上述した異常検知に係る動作を行うように構成されていてもよい。
また、フリーザシステム1を一括して制御可能な該制御装置が上述したセンサアンプ121、123の機能を有していてもよい。
【0061】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る異常監視装置100は、上下方向に複数配置された金属板21を備え、対象物11を上下一対の金属板21に接触させることで冷却するように構成されたコンタクトフリーザ2の異常を監視する異常監視装置100である。本開示の少なくとも一実施形態に係る異常監視装置100は、最上段又は最下段の金属板22、23の高さ位置を複数箇所でそれぞれ検出するための複数の位置センサ101と、位置センサ101の検出信号に基づいてコンタクトフリーザ2の異常検知を行うための演算部150と、を備える。
【0062】
コンタクトフリーザ2では、例えば金属板21に冷凍後の対象物11が張り付いたまま、次に冷凍する対象物11が投入されてしまい、そのまま上下一対の金属板21同士の間隔を狭めてしまうと、金属板21が不所望にたわんでしまう。そして、この金属板21のたわみは、最上段及び最下段の金属板22、23の不所望なたわみを招く。
上記(1)の構成によれば、最上段又は最下段の金属板22、23の高さ位置の検出結果に基づいてコンタクトフリーザ2の異常検知を行うことができるので、上述したような金属板21の不所望なたわみを検出できる。
【0063】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、演算部150は、複数の位置センサ101のそれぞれについて、上下一対の金属板21における上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を狭めた状態で検出した位置センサ101の第1検出信号と、第1検出信号を検出した後、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を一旦広げた後、再び狭めた状態で検出した位置センサ101の第2検出信号とを比較することで、コンタクトフリーザ2の異常の有無を検知するとよい。
【0064】
上記(2)の構成によれば、例えば金属板21に冷凍後の対象物11が張り付いたまま、次に冷凍する対象物11が投入されてしまったような不具合を検出できる。
【0065】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、金属板21のそれぞれは、平面視にて矩形形状を有しているとよい。コンタクトフリーザ2は、矩形形状における互いに対向する一対の辺の内の一方の辺21aに沿った側部2aから上下一対の金属板21の間に対象物11が投入され、一対の辺の内の他方の辺21bに沿った側部2bから上下一対の金属板21の間で冷却された対象物11が排出されるように構成されているとよい。複数の位置センサ101は、一対の辺の延在方向(幅方向)に沿って間隔を空けて配置されていて、最上段又は最下段の金属板22、23までの距離を検出可能であるとよい。
【0066】
上記(3)の構成によれば、例えば、対象物11が上下一対の金属板21の間に上記延在方向(幅方向)に複数配置されている場合に、これら複数の対象物11の内の何れか一つが金属板21に張り付く等によって金属板21が部分的たわんでしまっても、複数の位置センサ101の何れかによって異常の有無を検出する可能性が高まる。
【0067】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、対象物11は、上下一対の金属板21の間に延在方向(幅方向)に複数配置されていてもよい。複数の位置センサ101のそれぞれは、上下一対の金属板21の間に配置された複数の対象物11の延在方向(幅方向)のそれぞれの配置位置と対応する延在方向(幅方向)の位置における、最上段又は最下段の金属板22、23までの距離を検出可能であるとよい。
【0068】
上記(4)の構成によれば、上下一対の金属板21の間に上記延在方向(幅方向)に複数配置されている対象物11の内の何れか一つが金属板に張り付く等によって金属板21が部分的たわんでしまっても、複数の位置センサ101の何れかによって異常の有無を検出する可能性が高まる。
【0069】
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)の構成において、複数の位置センサ101のそれぞれは、最上段又は最下段の金属板22、23における、一方の辺21aを含む端部領域22a、又は、他方の辺21bを含む端部領域22bの少なくとも何れか一方までの距離を検出可能であるとよい。
【0070】
上記(5)の構成によれば、複数の位置センサ101のそれぞれを比較的容易に配置できる。
【0071】
(6)幾つかの実施形態では、上記(3)乃至(5)の何れかの構成において、演算部150は、複数の位置センサ101のそれぞれについて、上下一対の金属板21における上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を狭めた状態で検出した最上段又は最下段の金属板22、23までの第1距離L1と、第1距離L1を検出した後、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を一旦広げた後、再び狭めた状態で検出した最上段又は最下段の金属板22、23までの第2距離L2との差分(差△La)を算出し、複数の位置センサ101の少なくとも何れか一つについての差分(差△La)が管理値Mvaを超えている場合に、コンタクトフリーザ2に異常が有ると判断する。
【0072】
上記(6)の構成によれば、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を一旦広げる工程の実施の前後における検出距離の差分(差△La)に基づいてコンタクトフリーザ2の異常の有無を判断するので、異常の有無を精度よく判定できる。
【0073】
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、複数の位置センサ101は、第1位置センサ101Aと、第1位置センサ101Aよりも上記延在方向(幅方向)の中央に近い第2位置センサ101Bとを含むとよい。第2位置センサ101Bについて設定された上記管理値Mva2は、第1位置センサ101Aについて設定された上記管理値Mva1よりも大きいとよい。
【0074】
上述したような最上段及び最下段の金属板22、23の不所望なたわみは、上記延在方向(幅方向)の中央に近い領域の方が上記延在方向(幅方向)の中央から遠い領域よりも大きくなる傾向にある。そのため、このような傾向に応じて上記管理値Mvaを設定することが、異常の有無を精度よく判定する観点から望ましい。
上記(7)の構成によれば、異常の有無を精度よく判定できる。
【0075】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、複数の金属板21の側方に配置されていて、検出対象物までの距離を検出するための側方センサ103を備えているとよい。演算部150は、上下一対の金属板21における上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を広げた状態で側方センサ103で検出した下側の金属板21dまでの距離Lpに基づいてコンタクトフリーザ2の異常検知を行うとよい。
【0076】
上記(8)の構成によれば、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を広げた状態で冷凍前の対象物11を投入する際や、上側の金属板21uと下側の金属板21dとの間隔を広げた状態で冷凍後の対象物11を排出する際に、冷凍前の対象物11を投入するための装置(第1押込み装置43)や冷凍後の対象物11を排出するための装置(第1押込み装置43、第2押込み装置46)と金属板21との衝突という不具合の発生を抑制できる。
【符号の説明】
【0077】
1 フリーザシステム
2 コンタクトフリーザ
2a、2b 側部
4 投入装置
7 搬出装置
11 対象物
13 トレー
21 金属板
21u 上側の金属板
21d 下側の金属板
21a 一方の辺
21b 他方の辺
22 最上段の金属板
22a 端部領域
23 最下段の金属板
100 異常監視装置
101 位置センサ
101A 第1位置センサ
101B 第2位置センサ
103 側方センサ
150 演算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7