(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072455
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】コンタクトフリーザ用のトレー
(51)【国際特許分類】
F25D 13/00 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
F25D13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183280
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 純
(72)【発明者】
【氏名】青池 博之
(72)【発明者】
【氏名】杉山 俊和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 政彦
(72)【発明者】
【氏名】梅原 健邦
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA04
3L045BA03
3L045CA03
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】対象物の厚さが比較的薄い場合であっても搬送及び冷凍を安定的に行うことができるコンタクトフリーザ用のトレーを提供する。
【解決手段】本開示の少なくとも一実施形態に係るコンタクトフリーザ用のトレーは、コンタクトフリーザによって冷却する対象物を載置するためのプレートと、平面視でプレートの範囲内において、プレートの背面側に設けられ、プレートを底上げするとともにプレートを補強するための少なくとも一つの背面側部材と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトフリーザによって冷却する対象物を載置するためのプレートと、
平面視で前記プレートの範囲内において、前記プレートの背面側に設けられる少なくとも一つの背面側部材と、
を備える、コンタクトフリーザ用のトレー。
【請求項2】
前記背面側部材を挟んで前記プレートとは反対側に設けられている底面プレート、
を備える、
請求項1に記載のコンタクトフリーザ用のトレー。
【請求項3】
前記底面プレートは、前記平面視で前記プレートと同形状を有する、
請求項2に記載のコンタクトフリーザ用のトレー。
【請求項4】
前記プレートの周縁を囲み、前記プレートの表面側及び背面側に突出する側壁部、
を備える、
請求項1又は2に記載のコンタクトフリーザ用のトレー。
【請求項5】
前記プレートの周縁を囲み、前記プレートの表面側及び背面側に突出する側壁部、
を備え、
前記側壁部は、前記プレートと前記底面プレートとに挟まれた領域と、前記平面視で前記プレートの外側の領域とを連通する少なくとも一つの貫通孔を有する、
請求項3に記載のコンタクトフリーザ用のトレー。
【請求項6】
前記背面側部材の少なくとも一つは、前記プレートと前記底面プレートとに接触している、
請求項2、3又は5の何れか一項に記載のコンタクトフリーザ用のトレー。
【請求項7】
前記プレートの表面から突出していて、前記プレートの表面側の領域を仕切る仕切りリブ、
を備え、
前記少なくとも一つの背面側部材は、前記平面視で前記仕切りリブと重複する位置において前記仕切りリブの延在方向に延在する第1背面側部材を含む、
請求項1又は2に記載のコンタクトフリーザ用のトレー。
【請求項8】
前記少なくとも一つの背面側部材は、前記平面視で前記第1背面側部材の延在方向とは異なる方向に延在する第2背面側部材を含む、
請求項7に記載のコンタクトフリーザ用のトレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンタクトフリーザ用のトレーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば食品等の対象物を冷凍するための冷凍装置として、コンタクトフリーザが知られている。コンタクトフリーザは、対象物を上下から挟んだ平板状の金属板の内部に冷媒を流すことで対象物を冷凍するように構成されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンタクトフリーザへの対象物の供給と、冷凍後の対象物のコンタクトフリーザからの排出とを自動化する場合、搬送装置で対象物を搬送することになり、対象物に種々の外力が加わることとなる。そのため、対象物は、例えば熱伝導率が比較的高い金属で形成されたトレーに載置された状態で、トレーと共に搬送することが望ましい。
【0005】
ここで、例えば対象物の厚さが比較的薄く、対象物に合わせてトレーの高さも低くすると、トレーを側方から見たときの面積が比較的小さくなる。そのため、搬送時にトレーを側方から押圧して移動させること等を行う場合に、トレーを側方から押圧し難くなり、搬送の確実性に影響を及ぼすおそれがある。
したがって、従来は、対象物の厚さが比較的薄い場合には、対象物とトレーとを複数段重ねた状態で搬送及び冷凍を行うようにしていた。
【0006】
しかし、対象物とトレーとを複数段重ねた状態で搬送及び冷凍を行う場合には、他の対象物の上に載っているトレー及び対象物の搬送中の安定性や、対象物とトレーとを複数段重ねるために作業工程が増える等の点で改善の余地がある。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、対象物の厚さが比較的薄い場合であっても搬送及び冷凍を安定的に行うことができるコンタクトフリーザ用のトレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るコンタクトフリーザ用のトレーは、
コンタクトフリーザによって冷却する対象物を載置するためのプレートと、
平面視で前記プレートの範囲内において、前記プレートの背面側に設けられ、前記プレートを底上げするとともに前記プレートを補強するための少なくとも一つの背面側部材と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、対象物の厚さが比較的薄い場合であっても搬送及びコンタクトフリーザでの冷凍を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るトレーの斜視図である。
【
図2】本開示の他の実施形態に係るトレーの斜視図である。
【
図6】幾つかの実施形態に係るトレーが用いられるフリーザシステムの構成を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係るトレーの斜視図である。
図2は、本開示の他の実施形態に係るトレーの斜視図である。
図3は、
図2のトレーの分解図である。
図4は、
図2のA-A矢視断面図である。
図5は、
図2のB-B矢視断面図である。
図6は、幾つかの実施形態に係るトレーが用いられるフリーザシステムの構成を模式的に示した図である。
【0013】
図1から
図5に示す幾つかの実施形態に係るトレー1は、食品等の対象物を冷凍するための冷凍装置である、
図6に示すようなフリーザシステム91で用いるトレーであり、コンタクトフリーザ92で冷凍する対象物F(
図4、5参照)が搭載されて、対象物Fと共にコンタクトフリーザ92へ投入されて冷却されるとともに、対象物Fと共にコンタクトフリーザ92への供給及び排出を行うための搬送装置93によって搬送されるように構成されている。
幾つかの実施形態に係るトレー1が用いられるフリーザシステム91では、コンタクトフリーザ92への対象物F及びトレー1の供給と、冷凍後の対象物F及びトレー1のコンタクトフリーザ92からの排出とが自動化されている。
【0014】
幾つかの実施形態に係るトレー1が用いられるフリーザシステム91では、コンタクトフリーザ92で冷凍する対象物Fは、例えば密閉された袋に充填されている食品である。
フリーザシステム91では、コンタクトフリーザ92への対象物Fの供給と、冷凍後の対象物Fのコンタクトフリーザ92からの排出とを自動化するため、上述したように対象物Fは幾つかの実施形態に係るトレー1に搭載されて、トレー1と共に搬送される。
幾つかの実施形態に係るトレー1は、熱伝導率が比較的高いアルミニウム合金等で形成されている。
【0015】
コンタクトフリーザ92は、冷媒が内部を流通可能に構成された平板状の金属板94が上下方向に複数段設けられているフリーザであり、冷凍する対象物Fを上下一対の金属板94で挟んで、各金属板の内部に冷媒を流すことで、対象物Fの上下から熱を奪うように構成されている。
【0016】
搬送装置93は、例えばローラコンベアやベルトコンベア等のコンベアを含んでいる。幾つかの実施形態に係るトレー1が用いられるフリーザシステム91では、複数のコンベアが用いられている。
【0017】
以下の説明では、
図1に示すトレー1について説明する場合、符号の後ろにアルファベットのAを付記してトレー1Aと表すものとする。また、以下の説明では、
図2から
図5に示すトレー1について説明する場合、符号の後ろにアルファベットのBを付記してトレー1Bと表すものとする。
なお、以下の説明では、
図1に示すトレー1A、及び
図2から
図5に示すトレー1Bについて、これらを総称する場合や、これらを特に区別する必要がない場合には、符号の後ろのアルファベットの付記を省略する。
【0018】
図2から
図5に示すトレー1Bが有する、後述する各構成要素の内、
図1に示すトレー1Aが有していないものについては、技術的に矛盾が生じない範囲内で
図1に示すトレー1Aが有していてもよい。
【0019】
図1から
図5に示す幾つかの実施形態に係るトレー1は、コンタクトフリーザ92によって冷却する対象物Fを載置するためのプレート2と、平面視でプレート2の範囲内において、プレート2の背面2b側に設けられる少なくとも一つの背面側部材10と、を備える。
【0020】
プレート2は、表面2aに対象物を一つ、又は互いに重ならないように複数載置できるように表面2aが平らな部材であり、平面視で例えば矩形形状を有する。
【0021】
なお、トレー1の使用態様を考慮して、プレート2の表面2aが向いた方向を上側とし、プレート2の背面2bが向いた方向を下側として、トレー1の上下方向を、
図1から
図5に示すように規定する。また、説明の便宜上、矩形形状を有するプレート2の辺の延在方向に沿って、
図1から
図5に示すように幅方向と奥行方向とを規定する。
【0022】
背面側部材10は、ある高さ位置までプレート2を底上げするために必要な高さと、プレート2を補強するために少なくとも一方向へのある程度の延在長さを有する部材である。そのため、背面側部材10は、例えば柱状の部材である。背面側部材10は、例えば矩形形状の断面を有しているとよい。
背面側部材10は、プレート2の背面2bに例えば溶接によって取り付けられている。
【0023】
このように、背面側部材10は、例えば柱状の部材であるため、プレート2の転倒防止の観点から、複数設けられているとよい。
例えば
図1に示すトレー1Aでは、幅方向に延在する2本の背面側部材10が互いに奥行方向に間隔を空けて配置されている。
【0024】
例えば
図2から
図5に示すトレー1Bでは、奥行方向に延在する3本の背面側部材10が互いに幅方向に間隔を空けて配置されている。この3本の背面側部材10の内、幅方向の端部側の2本の背面側部材10は、後述する側壁部4と幅方向に間隔を空けずに配置されている。3本の背面側部材10の内、残りの1本は、幅方向の中央に配置されている。
これら3本の背面側部材10は、奥行方向に離間して配置されている1対の壁部材41まで延在しているが、端部が該1対の壁部材41まで到達していなくてもよい。
【0025】
例えば
図2から
図5に示すトレー1Bでは、幅方向の中央に配置されている背面側部材10を挟んで幅方向の一方側及び他方側のそれぞれにおいて、幅方向に延在する2本の背面側部材10が互いに奥行方向に間隔を空けて配置されている。
【0026】
図1から
図5に示す幾つかの実施形態に係るトレー1によれば、プレート2と背面側部材10とを備えるので、対象物Fの厚さがコンタクトフリーザ92における上下一対の金属板94の間隔より薄い場合であってもコンタクトフリーザ92での冷凍及び搬送を安定的に行うことができる。また、
図1から
図5に示す幾つかの実施形態に係るトレー1によれば、コンタクトフリーザ92において上下で隣り合う一対の金属板94の間隔を必要以上に狭くする必要がないので、コンタクトフリーザ92に対する精度等の要求を緩和でき、コンタクトフリーザ92のコスト増を抑制できる。
また、
図1から
図5に示す幾つかの実施形態に係るトレー1によれば、プレート2が背面側部材10で補強されるため、トレー1の耐久性を向上できる。
なお、発明者らが鋭意検討した結果、対象物Fとトレー1とを複数段重ねた状態で搬送及び冷凍を行う場合と比べ、1回の冷凍で冷凍できる対象物Fの数が減るものの、対象物Fの上面では金属板94から直接、下面ではプレート2及び背面側部材10を介して熱を効率的に奪うことができるので、凍結に要する時間が短くなることから、コンタクトフリーザ92における単位時間当たりの処理量は、結果的にほとんど変わらないことが判明した。よって
図1から
図5に示す幾つかの実施形態に係るトレー1によれば、生産性の低下を抑制できる。
【0027】
図2から
図5に示すトレー1Bは、背面側部材10を挟んでプレート2とは反対側に設けられている底面プレート3を備える。
これにより、トレー1Bの下側の搬送装置93との接触面積が増えるので、トレー1Bに搬送装置93からの駆動力が伝わり易くなり、トレー1B及び対象物Fの搬送の確実性を向上できる。
【0028】
図2から
図5に示すトレー1Bでは、底面プレート3は、トレー1Bの下面の全面を覆っている。なお、底面プレート3の下面3uは、搬送装置93と接触すること、及びコンタクトフリーザ92への出し入れの際に金属板94上(より正確には金属板94上に着霜した霜の表面)を摺動するので、平らであり、滑らかな表面を有しているとよい。
なお、コンタクトフリーザ92では、トレー1の出し入れ時の摺動抵抗を低減させるため、金属板94の表面がある程度着霜した状態で運転される。そのため、例えば底面プレート3に孔等が形成されていると、コンタクトフリーザ92への出し入れの際に金属板94上の霜を削ってしまうおそれがあるため、底面プレート3には孔等が設けられていないことが望ましい。
【0029】
図2から
図5に示すトレー1Bでは、底面プレート3は、平面視でプレート2と同形状を有するとよい。すなわち、底面プレート3は、トレー1Bの下面の全面を覆っていて、且つ、平面視で後述する側壁部4からはみ出さないようになっているとよい。
底面プレート3の平面視における面積が大きいほど、トレー1Bに搬送装置93からの駆動力が伝わり易くなり、トレー1B及び対象物Fの搬送の確実性を向上できるが、平面視でプレート2(側壁部4)からはみ出してしまうと、はみ出した部分が搬送時に支障を来し、却って搬送の確実性を阻害するおそれがある。
図2から
図5に示すトレー1Bによれば、トレー1B及び対象物Fの搬送の確実性を向上できる。
【0030】
図2から
図5に示すトレー1Bは、プレート2の周縁を囲み、プレート2の表面2a側及び背面2b側に突出する側壁部4を備える。
図2から
図5に示すトレー1Bでは、側壁部4は、例えば矩形形状を有するプレート2の4つの辺に沿ってそれぞれ延在する板状の部材である壁部材41を含んでいる。側壁部4は、例えば溶接によってプレート2の周縁部に取り付けられている。
奥行方向に離間して配置されている1対の壁部材41には、後述する貫通孔43が複数形成されている。
【0031】
図2から
図5に示すトレー1Bによれば、側壁部4の内、プレート2の表面2a側に突出した部分である上側領域4aによってプレート2に載置された対象物Fの搬送時の安定性を向上できる。また、側壁部4の内、プレート2の背面2b側に突出した部分である下側領域4bがトレー1Bを転倒させようとしたときに転倒の支点となる。そのため、トレー1Bの不図示の重心から幅方向及び奥行方向の比較的離れた位置に転倒の支点が形成されるので、トレー1Bの転倒防止に寄与する。
さらに
図2から
図5に示すトレー1Bによれば、トレー1Bを側方から見たときの面積が増えるので、搬送時にトレー1Bを側方から押圧して移動させること等を行う場合にトレー1Bを側方から押圧し易くなり、搬送の確実性を向上できる。
【0032】
図2から
図5に示すトレー1Bでは、側壁部4は、プレート2と底面プレート3とに挟まれた領域Riと、平面視でプレート2の外側の領域とを連通する少なくとも一つの貫通孔43を有する。
これにより、搬送中の温度差によってプレート2、側壁部4、及び底面プレート3で囲まれた領域Ri内で結露が生じたとしても、貫通孔43から水を排出できる。これにより、例えば領域Ri内に結露によって水が溜まってしまい、コンタクトフリーザ92における冷凍時にその水が凍って体積が膨張することでトレー1Bが変形したり破損したりすることを回避できる。
【0033】
図2から
図5に示すトレー1Bでは、背面側部材10の少なくとも一つは、プレート2と底面プレート3とに接触しているとよく、すべての背面側部材10がプレート2と底面プレート3とに接触していることが望ましい。
これにより、対象物Fの冷凍時に対象物Fの熱がプレート2、背面側部材10、及び底面プレート3を介して奪われることとなるので、対象物Fから効率的に熱を奪うことができ、凍結に要する時間を短縮できるので、コンタクトフリーザ92における生産性を向上できる。
【0034】
図2から
図5に示すトレー1Bでは、プレート2の表面2aから突出していて、プレート2の表面2a側の領域を仕切る仕切りリブ5を備えているとよい。少なくとも一つの背面側部材10は、平面視で仕切りリブ5と重複する位置において仕切りリブ5の延在方向に延在する第1背面側部材11を含むとよい。
図2から
図5に示すトレー1Bでは、仕切りリブ5は、プレート2の表面2aにおいて幅方向の中央に位置していて、奥行方向に延在している。
図2から
図5に示すトレー1Bでは、仕切りリブ5は、奥行方向に離間して配置されている1対の壁部材41まで延在しているが、途中で途切れていてもよい。仕切りリブ5の高さは、側壁部4の上側領域4aの高さと同じであるが、側壁部4の上側領域4aの高さよりも低くてもよい。
【0035】
これにより、仕切りリブ5によって仕切られたプレート2上の各領域に対象物Fを搭載すれば、搬送中に受ける外力によって対象物Fが移動することを仕切りリブ5で規制できる。これにより、搬送中に受ける外力によって対象物Fが移動して互いに部分的に重なってしまい、伝熱不良で未冷凍部分が発生する等の不具合の発生を抑制できる。
また、
図2から
図5に示すトレー1Bによれば、仕切りリブ5がプレート2の補強に寄与するので、トレー1Bの耐久性向上に寄与する。
図2から
図5に示すトレー1Bによれば、プレート2が外力を受けた場合に仕切りリブ5に掛かる負担を第1背面側部材11が分担して受け持つことができるので、仕切りリブ5を含めたトレー1Bの耐久性を向上できるとともに、仕切りリブ5の厚さを必要以上に厚くする必要がなくなるので、平面視にてプレート2上で仕切りリブ5が占める面積を抑制でき、トレー1Bの小型化に寄与する。
【0036】
図2から
図5に示すトレー1Bでは、少なくとも一つの背面側部材10は、平面視で第1背面側部材11の延在方向とは異なる方向に延在する第2背面側部材12を含むとよい。
これにより、第2背面側部材12が平面視で第1背面側部材11の延在方向と同じ方向に延在する場合と比べて、プレート2を効率的に補強できる。
図2から
図5に示すトレー1Bでは、第2背面側部材12は、幅方向の中央に配置されている背面側部材10を挟んで幅方向の一方側及び他方側のそれぞれにおいて、幅方向に延在する2本の背面側部材10であり、互いに奥行方向に間隔を空けて配置されている。
なお、
図2から
図5に示すトレー1Bでは、第2背面側部材12は、プレート2の背面2bの延在方向であって幅方向及び奥行方向に交差する方向に延在していてもよい。
【0037】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述したように、
図2から
図5に示すトレー1Bが有する各構成要素の内、
図1に示すトレー1Aが有していないものについては、技術的に矛盾が生じない範囲内で
図1に示すトレー1Aが有していてもよい。
例えば、
図1に示すトレー1Aに底面プレート3、又は側壁部4の少なくともいずれか一方を設けてもよい。
例えば、
図1に示すトレー1Aに設けられた背面側部材10が
図2から
図5に示すトレー1Bに設けられた背面側部材10のように、幅方向に延在する背面側部材10と奥行方向に延在する背面側部材10とを含んでいてもよい。
例えば、
図1に示すトレー1Aに仕切りリブ5を設けてもよく、第1背面側部材11を設けてもよく、第2背面側部材12を設けてもよい。
【0038】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るコンタクトフリーザ用のトレー1は、コンタクトフリーザ92によって冷却する対象物Fを載置するためのプレート2と、平面視でプレート2の範囲内において、プレート2の背面2b側に設けられる少なくとも一つの背面側部材10と、を備える。
【0039】
上記(1)の構成によれば、対象物Fの厚さがコンタクトフリーザ92における上下一対の金属板94の間隔より薄い場合であっても背面側部材10の厚さの分だけプレート2の高さを嵩上げできるので、コンタクトフリーザ92での冷凍及び搬送を安定的に行うことができる。また、上記(1)の構成によれば、コンタクトフリーザ92において上下で隣り合う一対の金属板94の間隔を必要以上に狭くする必要がないので、コンタクトフリーザ92に対する精度等の要求を緩和でき、コンタクトフリーザ92のコスト増を抑制できる。
また、上記(1)の構成によれば、プレート2を背面側部材10で補強できるため、トレー1の耐久性を向上できる。
上記(1)の構成によれば、生産性の低下を抑制できる。
【0040】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、背面側部材10を挟んでプレート2とは反対側に設けられている底面プレート3を備えるとよい。
【0041】
上記(2)の構成によれば、トレー1の下側の搬送装置93との接触面積が増えるので、トレー1に搬送装置93からの駆動力が伝わり易くなり、トレー1及び対象物Fの搬送の確実性を向上できる。
【0042】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、底面プレート3は、平面視でプレート2と同形状を有するとよい。
【0043】
底面プレート3の平面視における面積が大きいほど、トレー1に搬送装置93からの駆動力が伝わり易くなり、トレー1及び対象物Fの搬送の確実性を向上できるが、平面視でプレート2からはみ出してしまうと、はみ出した部分が搬送時に支障を来し、却って搬送の確実性を阻害するおそれがある。
上記(3)の構成によれば、トレー1及び対象物Fの搬送の確実性を向上できる。
【0044】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、プレート2の周縁を囲み、プレート2の表面2a側及び背面2b側に突出する側壁部4を備えるとよい。
【0045】
上記(4)の構成によれば、側壁部4の内、プレート2の表面2a側に突出した部分(上側領域4a)によってプレート2に載置された対象物Fの搬送時の安定性を向上できる。また、側壁部4の内、プレート2の背面2b側に突出した部分(下側領域4b)がトレー1を転倒させようとしたときに転倒の支点となるので、トレー1の転倒防止に寄与する。
さらに上記(4)の構成によれば、トレー1を側方から見たときの面積が増えるので、搬送時にトレー1を側方から押圧して移動させること等を行う場合にトレー1を側方から押圧し易くなり、搬送の確実性を向上できる。
【0046】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、プレート2の周縁を囲み、プレート2の表面2a側及び背面2b側に突出する側壁部4を備えるとよい。側壁部4は、プレート2と底面プレート3とに挟まれた領域Riと、平面視でプレート2の外側の領域とを連通する少なくとも一つの貫通孔43を有するとよい。
【0047】
上記(5)の構成によれば、側壁部4の内、プレート2の表面2a側に突出した部分(上側領域4a)によってプレート2に載置された対象物Fの搬送時の安定性を向上できる。また、側壁部4の内、プレート2の背面2b側に突出した部分(下側領域4b)がトレー1を転倒させようとしたときに転倒の支点となるので、トレー1の転倒防止に寄与する。さらに、トレー1を側方から見たときの面積が増えるので、搬送時にトレー1を側方から押圧して移動させること等を行う場合にトレー1を側方から押圧し易くなり、搬送の確実性を向上できる。
さらに上記(5)の構成によれば、搬送中の温度差によってプレート2、側壁部4、及び底面プレート3で囲まれた領域Ri内で結露が生じたとしても、貫通孔43から水を排出できる。これにより、例えば上記領域Ri内に結露によって水が溜まってしまい、コンタクトフリーザ92における冷凍時にその水が凍って体積が膨張することでトレー1が変形したり破損したりすることを回避できる。
【0048】
(6)幾つかの実施形態では、上記(2)、(3)又は(5)の何れかの構成において、背面側部材10の少なくとも一つは、プレート2と底面プレート3とに接触しているとよい。
【0049】
上記(6)の構成によれば、対象物Fの冷凍時に対象物Fの熱がプレート2、背面側部材10、及び底面プレート3を介して奪われることとなるので、対象物Fから効率的に熱を奪うことができ、凍結に要する時間を短縮できるので、コンタクトフリーザ92における生産性を向上できる。
【0050】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、プレート2の表面2aから突出していて、プレート2の表面2a側の領域を仕切る仕切りリブ5を備えているとよい。少なくとも一つの背面側部材10は、平面視で仕切りリブ5と重複する位置において仕切りリブ5の延在方向に延在する第1背面側部材11を含むとよい。
【0051】
上記(7)の構成によれば、仕切りリブ5によって仕切られたプレート2上の各領域に対象物Fを搭載すれば、搬送中に受ける外力によって対象物Fが移動することを仕切りリブ5で規制できる。これにより、搬送中に受ける外力によって対象物Fが移動して互いに部分的に重なってしまい、伝熱不良で未冷凍部分が発生する等の不具合の発生を抑制できる。
また、上記(7)の構成によれば、仕切りリブ5がプレート2の補強に寄与するので、トレー1の耐久性向上に寄与する。
上記(7)の構成によれば、プレート2が外力を受けた場合に仕切りリブ5に掛かる負担を第1背面側部材11が分担して受け持つことができるので、仕切りリブ5を含めたトレー1の耐久性を向上できるとともに、仕切りリブ5の厚さを必要以上に厚くする必要がなくなるので、平面視にてプレート2上で仕切りリブが占める面積を抑制でき、トレー1の小型化に寄与する。
【0052】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、少なくとも一つの背面側部材10は、平面視で第1背面側部材11の延在方向とは異なる方向に延在する第2背面側部材12を含むとよい。
【0053】
上記(8)の構成によれば、第2背面側部材12が平面視で第1背面側部材11の延在方向と同じ方向に延在する場合と比べて、プレート2を効率的に補強できる。
【符号の説明】
【0054】
1、1A、1B トレー
2 プレート
3 底面プレート
4 側壁部
5 仕切りリブ
10 背面側部材
11 第1背面側部材
12 第2背面側部材
43 貫通孔