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特開2024-72798電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、及び電子写真画像形成装置
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  • 特開-電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、及び電子写真画像形成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072798
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、及び電子写真画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/113 20060101AFI20240521BHJP
   G03G 9/107 20060101ALI20240521BHJP
   G03G 9/10 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
G03G9/113 361
G03G9/113
G03G9/113 352
G03G9/113 351
G03G9/107 321
G03G9/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023189764
(22)【出願日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】P 2022183121
(32)【優先日】2022-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】竹内 健都
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 亨
(72)【発明者】
【氏名】長山 将志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智美
【テーマコード(参考)】
2H500
【Fターム(参考)】
2H500AB04
2H500AB05
2H500CB02
2H500CB07
2H500CB09
2H500CB10
2H500EA44E
2H500EA56E
2H500FA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】長期印刷下においてキャリア付着及びゴースト画像の発生を防止する電子写真画像形成用キャリアの提供。
【解決手段】芯材粒子と、前記芯材粒子の表面を被覆する被覆層とを有し、前記被覆層が、無機微粒子Aと、前記無機微粒子Aの表面に配された、アンチモンをドープした酸化スズとを含むアンチモン含有粒子を含有し、見掛け密度が2.0g/cm以上2.5g/cm以下である電子写真画像形成用キャリアである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材粒子と、前記芯材粒子の表面を被覆する被覆層とを有し、
前記被覆層が、無機微粒子Aと、前記無機微粒子Aの表面に配された、アンチモンをドープした酸化スズとを含むアンチモン含有粒子を含有し、
見掛け密度が2.0g/cm以上2.5g/cm以下であることを特徴とする電子写真画像形成用キャリア。
【請求項2】
前記アンチモンが、五酸化二アンチモンである、請求項1に記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項3】
前記無機微粒子Aが、酸化アルミニウムである、請求項1から2のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項4】
前記アンチモン含有粒子の含有量が、前記被覆層100質量部に対して、20質量部以上60質量部以下である、請求項1から2のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項5】
前記被覆層が、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂の少なくともいずれかを含有する、請求項1から2のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項6】
前記被覆層が、さらに無機微粒子Bを含有する、請求項1から2のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項7】
前記無機微粒子Bが、硫酸バリウムを含有する、請求項6に記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項8】
前記芯材粒子が、Mnフェライトを含有する、請求項1から2のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項9】
前記芯材粒子の見掛け密度が2.1g/cm以上2.6g/cm以下である、請求項1から2のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項10】
請求項1から2のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア、及びトナーを含むことを特徴とする電子写真画像形成用現像剤。
【請求項11】
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を、請求項10に記載の電子写真画像形成用現像剤を用いて現像してトナー像を形成するトナー像形成工程と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させて画像を形成する定着工程と、
を含むことを特徴とする電子写真画像形成方法。
【請求項12】
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を、請求項10に記載の電子写真画像形成用現像剤を用いて現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させて画像を形成する定着手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、及び電子写真画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント速度の高速化が相まって、キャリアにはトナーへの素早い帯電付与能力が強く要求されている。
長期の印刷で劣化したトナーがキャリアの表面に付着するトナースペントによりキャリアの電気抵抗が変動し、トナーがキャリアと十分に摩擦帯電されず、電子写真画像形成装置外にトナーが堆積してしまうトナー飛散や白紙部にトナーが現像されてしまう地汚れが問題となっている。
また、近年のさらなる高速現像化によって、電子写真画像形成装置の内部でキャリアが強いストレスを受け、キャリアの被覆層の削れや剥がれにより芯材粒子が露出し、キャリアの電気抵抗が変動することでキャリアが静電潜像担持体上に転移する、所謂キャリア付着が発生するという問題がある。キャリア付着が発生すると、電子写真画像の端部や中央部に白抜けが発生する。
上記問題に対して、例えば、画像濃度が高く、白スジ等の異常画像やキャリア付着が発生しない電子写真画像形成用キャリアを提供することを目的として、芯材粒子と芯材粒子の表面を被覆する被覆層を有する電子写真画像形成用キャリアであって、キャリアのRaが0.50μm~1.00μmの範囲であり、嵩密度が2.08g/cm~2.24g/cmの範囲である電子写真画像形成用キャリアが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、長期印刷下においてキャリア付着及びゴースト画像の発生を防止する電子写真画像形成用キャリアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するための手段としての本発明の電子写真画像形成用キャリアは、芯材粒子と、前記芯材粒子の表面を被覆する被覆層とを有し、
前記被覆層が、無機微粒子Aと、前記無機微粒子Aの表面に配された、アンチモンをドープした酸化スズとを含むアンチモン含有粒子を含有し、
見掛け密度が2.0g/cm以上2.5g/cm以下である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、長期印刷下においてキャリア付着及びゴースト画像の発生を防止する電子写真画像形成用キャリアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る電子写真画像形成用キャリアに関するプロセスカートリッジの一例を表す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る電子写真画像形成装置の一例を表す概略図である。
図3A図3Aは、実施例における縦帯チャートにおける正常な画像の一例を示す概略図である。
図3B図3Bは、実施例における縦帯チャートにおけるゴースト画像の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(電子写真画像形成用キャリア)
本発明の電子写真画像形成用キャリアは、芯材粒子と、前記芯材粒子の表面を被覆する被覆層とを有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記被覆層は、無機微粒子Aと、前記無機微粒子Aの表面に配された、アンチモンをドープした酸化スズとを含むアンチモン含有粒子を含有する。
前記電子写真画像形成用キャリアは、見掛け密度が2.0g/cm以上2.5g/cm以下である。
【0008】
特許文献1(特開2016-090644号公報)では、電子写真画像形成用キャリアの樹脂層に含まれるアンチモン含有粒子として、アンチモンがドープされた酸化インジウムで表面処理された無機微粒子が用いることができることが記載されているが、アンチモン含有粒子としてアンチモンがドープされた酸化スズで表面処理された無機微粒子については記載されていない。また、アンチモン含有粒子としてアンチモンがドープされた酸化スズで表面処理された無機微粒子を用いることで長期印刷下におけるキャリア付着の発生を防止することができることは記載されていない。
【0009】
本発明者らが鋭意検討を行ったところ、前記被覆層中に、無機微粒子Aと、前記無機微粒子Aの表面に配された、アンチモンをドープした酸化スズとを含むアンチモン含有粒子を含むことで、長期印刷下においてキャリア付着及びゴースト画像の発生を防止することができることが明らかとなった。
前記アンチモンは、導電性に優れるため、前記アンチモン含有粒子を少量添加するだけで電子写真画像形成用キャリアに高い導電性を付与することが可能となる。前記アンチモン含有粒子の添加量が少ないことで、前記アンチモン含有粒子の脱離や削れた時の前記アンチモン含有粒子の露出を抑えることができる。
また、前記アンチモンを酸化スズにドープして使用することで非常に高い抵抗調整剤とすることができる。酸化スズを用いることで、導電性のバランスから抵抗調整剤の被覆層に厚みを持たせることができ、基材となる無機微粒子Aの露出を抑えてキャリア同士の衝突時の削れを抑制できる。
また、前記アンチモンがドープした酸化スズを、無機微粒子A(以下、「基体粒子」と称することがある)の表面に配することで前記アンチモン含有粒子が被覆層中で崩れて破片となったとしても前記被覆層から脱離することを防ぐことがきる。
【0010】
<見掛け密度>
前記電子写真画像形成用キャリアの見掛け密度(以下、「嵩密度」と称することがある)としては、2.0g/cm以上2.5g/cm以下であり、2.2g/cm以上2.4g/cm以下が好ましい。前記見掛け密度が2.0g/cm以上であると、前記電子写真画像形成用キャリア1粒子当たりの質量が大きいので、静電潜像担持体(以下、「ドラム」と称することがある)上に転移しにくくなり、キャリア付着を防止することができる。前記見掛け密度が2.5g/cm以下であると、前記電子写真画像形成用キャリア1粒子当たりの質量が小さいので、高速印刷時において前記電子写真画像形成用キャリアが遠心力を受けにくくなり、キャリア付着を防止することができる。
【0011】
前記見掛け密度の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、JIS-Z2504に準拠して測定することができる。
【0012】
<被覆層>
前記被覆層は、前記電子写真画像形成用キャリアの芯材粒子の表面を被覆する。
前記被覆層は、無機微粒子Aと、前記無機微粒子Aの表面に配された、アンチモンをドープした酸化スズとを含むアンチモン含有粒子を含み、樹脂、カップリング剤、無機微粒子Bを含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
【0013】
<<アンチモン含有粒子>>
前記アンチモン含有粒子としては、無機微粒子Aと、前記無機微粒子Aの表面に配された、アンチモンをドープした酸化スズとを含む。前記アンチモン含有粒子が導電性の高いアンチモンを含むことで、少量の前記アンチモン含有粒子を添加するだけで電子写真画像形成用キャリアに高い導電性を付与することができる。前記アンチモン含有粒子の含有量が少ないことで、アンチモン含有粒子の脱離や前記被覆層の削れによる微粒子の露出を抑えることができる。
【0014】
-アンチモンをドープした酸化スズ-
前記アンチモンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、五酸化二アンチモン、三酸化二アンチモンなどが挙げられる。これらの中でも、優れた帯電安定性が得られ、トナー飛散、キャリア付着、及びゴースト画像の発生を防止することができる点から、五酸化二アンチモンが好ましい。また、前記五酸化二アンチモンは、人体への有害性が低い点からも好ましい。
【0015】
前記無機微粒子Aとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、シリカ、アルミニウム等の金属微粒子、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、ITO、酸化シリコーン、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化セレン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハ二酸化ケイ素、窒化硼素、窒化珪素、チタン酸カリウム、ハイドロタルサイト、アンチモンやタングステンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウムなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、及び酸化チタンが好ましく、より優れた帯電安定性が得られ、キャリア付着の発生をより防止することができる点から、酸化アルミニウムがより好ましい。
【0016】
前記アンチモン含有粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記被覆層100質量部に対して、20質量部以上60質量部以下が好ましく、30質量部以上50質量部以下がより好ましい。前記含有量が20質量部以上60質量部以下であると、アンチモン含有粒子の脱離や前記被覆層の削れによる微粒子の露出を抑えることができるので、キャリア付着を防止することができる。
【0017】
前記アンチモン含有粒子の円相当径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、500nm以上1,000nm以下が好ましい。前記円相当径が500nm以上であると、前記アンチモン含有粒子が適度に大きいためキャリアの抵抗値を効率良く下げることができる。前記円相当径が1,000nm以下であると、前記被覆層の表面からの前記アンチモン含有粒子の脱離が発生しにくくなる。
前記円相当径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子写真画像形成用キャリアの製造前であれば、ナノトラックUPAシリーズ(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。電子写真画像形成用キャリアの製造後であれば、FIBにて電子写真画像形成用キャリアの被覆層を切断して断面をSEM、EDXなどで観察することで確認をすることができる。
具体的には、電子写真画像形成用キャリアを包埋樹脂(Devcon社製、2液混合、30分硬化型エポキシ樹脂)に混ぜ込み、一晩以上置いて硬化させ、機械研磨により大まかな断面試料を作製する。作成した断面試料にクロスセクションポリッシャー(JEOL製、SM-09010)を用いて、加速電圧5.0kV、ビーム電流120μAの条件で断面の仕上げを行う。仕上げを行った前記断面を、走査型電子顕微鏡(Carl Zeiss製、Merlin)を用いて、加速電圧0.8kV、倍率30,000倍の条件で撮影する。撮影した画像をTIFF画像に取り込み、Media Cybernetics社製のImage-Pro Plusを用いて、粒子100個の円相当径を測定し、その平均値を算出する。
なお、確認方法はこれに限られるものではない。また、被覆層の厚さについても同様に撮影した画像から計測することが可能である。ただし、粒子には粒子毎の個体差、被覆層厚には場所による厚さのばらつきが存在することから、1粒に対して1箇所だけの測定に留まらず、統計的に問題のない数の計測を行なう。
【0018】
前記アンチモン含有粒子としては、前記アンチモンをドープした酸化スズによって前記無機微粒子が表面処理されていることが好ましい。前記アンチモンをドープした酸化スズによって前記無機微粒子が表面処理されていると、前記アンチモン含有粒子が前記被覆層中で崩れて破片となったとしても前記被覆層から離脱することがないため、前記電子写真画像形成用キャリアの電気抵抗の低下を防ぐことができる。
前記表面処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、塩化第二スズ及び三塩化アンチモンの塩酸溶液と、水酸化ナトリウム溶液とを、アルミナを分散させた基体粉末懸濁液に並行添加し、pHを調整した後にデカンテーションにて洗浄及びろ過し、乾燥、焼成、及び粉砕することによって、表面処理をすることができる。
【0019】
前記アンチモン含有粒子の導電性(以下、「体積抵抗値」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5Ω・cm以上4.0Ω・cm以下が好ましい。前記導電性が4.0Ω・cm以下であると、前記アンチモン含有粒子の添加量が少量であっても前記電子写真画像形成用キャリアに高い導電性を付与することができる。前記導電性が0.5Ω・cm以上であると、高い導電性と耐久性との両立が可能である。
【0020】
<<樹脂>>
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、被覆層の耐久性をより高くできる点から、シリコーン樹脂、及びアクリル樹脂が好ましい。
【0021】
前記アクリル樹脂は、接着性が高く脆性が低いので耐摩耗性に優れた性質を有するが、表面エネルギーが高いため、スペントが起こりやすいトナーとの組み合わせではトナーのスペントが蓄積することによる帯電量の低下などが生じる場合がある。前記アクリル樹脂と、表面エネルギーが低いシリコーン樹脂とを併用することで、トナー成分のスペントが起こりにくくなるため、上記問題を解決することができる。
一方で、前記シリコーン樹脂は、接着性が低く脆性が高いので耐摩耗性が悪い。このため、前記アクリル樹脂及び前記シリコーン樹脂の性質をバランス良く得ることでトナーのスペントが起こりにくく、優れた耐摩耗性を有する被覆層を得ることができる。
【0022】
前記アクリル樹脂としては、アクリル成分を有する樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記アクリル樹脂単体で用いてもよいし、架橋反応する他成分を少なくとも1つ以上同時に用いてもよい。
前記架橋反応する他成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ樹脂、酸性触媒などが挙げられる。
前記アミノ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グアナミン、メラミン樹脂などが挙げられる。
前記酸性触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、メチロール基又はイミノ基型等の反応性基を有するものが挙げられる。
【0023】
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタン等で変性した変性シリコーン樹脂、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂などが挙げられる。
【0024】
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記ストレートシリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学株式会社製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記シリコーン樹脂としては、架橋反応する他成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
【0027】
前記樹脂としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、及びこれらを併用して使用する場合のいずれかにおいて、シラノール基を縮重合触媒によって縮合することで架橋させることにより、膜強度を高くすることができる。
前記縮重合触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒、アルミニウム系触媒などが挙げられる。これらの中でも、チタン系触媒が好ましい。
前記チタン系触媒としては、シラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、且つ触媒が失活しにくい観点から、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)が好ましい。
【0028】
<<カップリング剤>>
前記カップリング剤は、前記被覆層中に含有することができ、これにより前記無機微粒子A及び後述する無機微粒子Bを安定して前記被覆層中に分散することができる。
【0029】
前記カップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ-クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3-ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3-トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
前記シランカップリング剤としては、適宜合成してもよいし、市販品を用いてもよい。
前記市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、AY43-059、SR6020、SZ6023、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43-310M、SZ6030、SH6040、AY43-026、AY43-031、SH6062、Z-6911、SH6300、SH6075、SH6079、SH6083、SH6070、SH6072、Z-6721、AY43-004、Z-6187、AY43-021、AY43-043、AY43-040、AY43-047、Z-6265、AY43-204M、AY43-048、Z-6403、AY43-206M、AY43-206E、Z6341、AY43-210MC、AY43-083、AY43-101、AY43-013、AY43-158E、Z-6920、Z-6940(東レ・シリコーン株式会社製)などが挙げられる。
【0031】
前記シランカップリング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記シリコーン樹脂に対して、0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましい。前記含有量が0.1質量%以上であると、前記芯材粒子や前記無機微粒子と前記シリコーン樹脂との接着性が向上し、長期間の使用における前記被覆層の脱落を防止することができる。前記含有量が10.0質量%以下であると、長期間の使用におけるトナーのフィルミングを防止することができる。
【0032】
<<無機微粒子B>>
前記無機微粒子Bとしては、前記アンチモン含有粒子に含まれる前記無機微粒子Aと同じ材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。前記被覆層が、前記無機微粒子Bを含有することで、前記被覆層の摺擦に対する耐久性が向上し、摩耗や削れによる劣化を抑制することができる。
前記被覆層の耐久性は、前記アンチモン含有粒子を含むことでも向上するが、前記アンチモン含有粒子の含有量によっては前記電子写真画像形成用キャリアの電気抵抗値が変化してしまうことから、前記無機微粒子Bを含有することによって、前記電気抵抗値を一定に保ったまま被覆層の耐久性を担保することができる。
【0033】
前記無機微粒子Bとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、シリカ、アルミニウム等の金属微粒子、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、ITO、酸化シリコーン、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化セレン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハ二酸化ケイ素、窒化硼素、窒化珪素、チタン酸カリウム、ハイドロタルサイト、アンチモンやタングステンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、及び水酸化マグネシウムが好ましく、優れた帯電安定性が得られ、トナー飛散、キャリア付着、及びゴースト画像の発生を防止することができる点から、硫酸バリウムがより好ましい。また、前記硫酸バリウムは、白色であり、負帯電トナーに対する帯電能力が高い点からも好ましい。
【0034】
前記無機微粒子Bとしては、被覆層から脱離した場合にもトナーの色味への影響が少ない点から、白色であることが好ましい。
【0035】
前記無機微粒子Bの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記被覆層に対して、15質量部以上70質量部以下が好ましく、20質量部以上50質量部以下がより好ましい。
【0036】
前記無機微粒子Bの円相当径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、400nm以上900nm以下が好ましく、より優れた帯電安定性が得られる点から600nm以上900nm以下がより好ましい。前記円相当径が400nm以上であると、前記無機微粒子Bを前記被覆層の表面から凸状に突出する状態で存在させることができ、トナーとの帯電性を確保することができる。前記円相当径が900nm以下であると、前記被覆層の厚みに対する前記無機微粒子Bの円相当径が樹脂に十分保持される程度の大きさであるため、前記無機微粒子Bが前記被覆層から脱離しにくくなる。
前記円相当径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アンチモン含有粒子の円相当径の測定方法と同様の方法で測定することができる。
【0037】
前記被覆層の平均厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.50μm以上が好ましく、0.50μm以上1.00μm以下がより好ましい。前記平均厚さが0.50μm以上であると、前記被覆層の欠損箇所がなく、前記アンチモン含有粒子、前記無機微粒子などを十分に保持することができる。
【0038】
前記被覆層の平均厚さの測定方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、キャリア表面を覆う被覆層の樹脂部の厚みを測定して、その平均値から求めることができる。なお、前記アンチモン含有粒子及び前記無機微粒子B上の樹脂部からなる前記被覆層の厚みは測定には含めない。前記キャリア断面の任意の50点測定の平均を求め厚みh(μm)とすることができる。
【0039】
<芯材粒子>
前記芯材粒子としては、前記被覆層に被覆されている。
前記芯材粒子としては、磁性を有する芯材粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、コバルト等の強磁性金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、各種合金、化合物等の磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子などが挙げられる。これらの中でも環境面への配慮の点からフェライトが好ましい。
【0040】
前記フェライトとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mnフェライト、Mn-Mgフェライト、Mn-Mg-Srフェライトなどが挙げられる。これらの中でも、比較的磁化が高いためキャリア1粒あたりの磁気モーメントを最適化しやすく、キャリア付着とゴースト画像の発生をより防止することができる点から、Mnフェライトが好ましい。
【0041】
前記芯材粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上100μm以下が好ましく、30μm以上50μm以下がより好ましい。
【0042】
前記芯材粒子のBET比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01m/g以上0.50m/g以下が好ましく、0.03m/g以上0.35m/g以下がより好ましく、0.05m/g以上0.25m/g以下が特に好ましい。
【0043】
前記芯材粒子の見掛け密度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2.1g/cm以上2.6g/cm以下が好ましく、2.2g/cm以上2.5g/cm以下がより好ましい。前記見掛け密度が2.1g/cm以上2.6g/cm以下であると、見掛け密度が2.0g/cm以上2.5g/cm以下である電子写真画像形成用キャリアを得ることができる。
前記芯材粒子の見掛け密度の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電子写真画像形成用キャリアの見掛け密度の測定と同様にJIS-Z2504に準拠して測定することができる。
【0044】
前記電子写真画像形成用キャリアの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上100μm以下が好ましく、近年の高画質化に対してより好適に用いることができる点から20μm以上60μm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が20μm以上であると、キャリア付着を防止することができる。前記体積平均粒径が100μm以下であると、画像の細部の再現性が低下せずにより精細な画像を形成することができる。
前記体積平均粒径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マイクロトラック粒度分布計(モデルHRA9320―X100)、SRAタイプ(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
【0045】
(電子写真画像形成用キャリアの製造方法)
前記電子写真画像形成用キャリアの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、公知の方法によって製造することができる。
具体的には、前記アンチモン含有粒子、前記樹脂、前記カップリング剤、前記無機微粒子B、有機溶媒、更に必要に応じてその他の成分を混合し、ホモミキサー等を用いて10分間分散して被覆層形成液(以下、「コート液」と称することがある)を調製する。その後、前記被覆層形成液を、前記芯材粒子の表面に塗布する。前記被覆層形成液を塗布した前記芯材粒子を焼成した後に冷却し、冷却後に目開き100μmの篩を用いて解砕することで、電子写真画像形成用キャリアが得られる。
【0046】
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、合成イソパラフィン系炭化水素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエンが好ましい。
【0047】
前記有機溶媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記被覆層形成液の総量に対して、4,000質量部以上9,000質量部以下が好ましい。
【0048】
前記被覆層形成液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法などが挙げられる。
前記被覆層形成液の塗布としては、例えば、スピラコーターSP-40(岡田精工株式会社製)等を用いて、60℃の雰囲気下、30g/minの条件で塗布することができる。
【0049】
前記焼成の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外部加熱、内部加熱などによって焼成することができる。前記焼成に用いられる装置としては、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉、マイクロウエーブを備えた装置などが挙げられる。
前記焼成としては、例えば、電気炉中にて230℃で1時間放置することで焼成することができる。
【0050】
(電子写真画像形成用現像剤)
本発明の電子写真画像形成用現像剤としては、本発明の電子写真画像形成用キャリア、及びトナーを含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
【0051】
(トナー)
前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結着樹脂、及び着色剤を含むことが好ましく、必要に応じてその他の成分を含有することができる。
【0052】
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp-スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体、スチレン-p-クロロスチレン共重合体、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-α-クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
圧力定着用の結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体;エポキシ樹脂、ポリエステル、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0054】
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等の緑色顔料、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等の黒色顔料、酸化チタン等の白色顔料等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、透明のトナーの場合は使用しなくてもよい。
【0055】
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、帯電制御剤、外添剤などが挙げられる。
【0056】
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0057】
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン;炭素数が2~16のアルキル基を有するアジン系染料;C.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等の塩基性染料;これらの塩基性染料のレーキ顔料;C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩;ジブチル、ジオクチル等のジアルキルスズ化合物;ジアルキルスズボレート化合物;グアニジン誘導体;アミノ基を有するビニル系ポリマー、アミノ基を有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂;モノアゾ染料の金属錯塩;サルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体;スルホン化した銅フタロシアニン顔料;有機ホウ素塩類;含フッ素4級アンモニウム塩;カリックスアレン系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0058】
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05μm~1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0059】
(プロセスカートリッジ)
本発明に関するプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、上述した本発明の電子写真画像形成用キャリア及びトナーを含む現像剤を用いて現像する手段とが、一体に支持されるように形成される。
【0060】
本発明に関するプロセスカートリッジの実施形態について、図1を用いて説明する。
図1に示されるように、プロセスカートリッジ10は、静電潜像担持体11、該静電潜像担持体を帯電する帯電装置12、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置13、及び該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、該静電潜像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング装置14を有し、複写機、プリンタ等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
【0061】
(電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置)
本発明の電子写真画像形成方法としては、静電潜像形成工程と、トナー像形成工程と、転写工程と、定着工程と、を含み、必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の電子写真画像形成装置としては、静電潜像形成手段と、トナー像形成手段と、転写手段と、定着手段と、を含み、必要に応じてその他の手段を含む。
【0062】
前記静電潜像形成工程としては、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であり、前記静電潜像形成手段によって実行することできる。
【0063】
前記トナー像形成工程としては、前記静電潜像を、前記電子写真画像形成用現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程であり、前記トナー像形成手段によって実行することできる。
前記トナー像形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、磁気ブラシが形成された現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する手段が好ましい。
【0064】
前記転写工程としては、トナー像を記録媒体に転写する工程であり、前記転写手段によって実行することできる。
【0065】
前記定着工程としては、記録媒体に転写されたトナー像を定着させて画像を形成する工程であり、前記定着手段によって実行することできる。
【0066】
前記その他工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
前記その他手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
【0067】
本発明の一実施形態に係る電子写真画像形成装置の一例を図2に示す。図2の符号(101A)は駆動ローラ、(101B)は従動ローラ、(102)は潜像担持体例としての感光体ベルト、(103)は帯電器、(104)はレーザ書き込み系ユニット、(105A)~(105D)はそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを収容する現像ユニット、(105E)は透明のトナーを収容する現像ユニット、(106)は給紙カセット、(107)は中間転写ベルト、(107A)は中間転写ベルト駆動用の駆動軸ローラ、(107B)は中間転写ベルトを支持する従動軸ローラ、(108)はクリーニング装置、(109)は定着ローラ、(109A)は加圧ローラ、(110)は排紙トレイ、(113)は紙転写ローラを示している。
【0068】
このカラー画像形成装置では、前記転写ドラムに対して可撓性の中間転写ベルト(107)が使用されており、該中間転写体たる中間転写ベルト(107)は駆動軸ローラ(107A)と一対の従動軸ローラ(107B)に張架されて時計方向に循環搬送されていて、一対の従動軸ローラ(107B)間のベルト面を駆動ローラ(101A)の外周の感光体ベルト(102)に対して水平方向から当接させた状態としている。
【0069】
通常のカラー画像出力時は、感光体ベルト(102)上に形成される各色のトナー像は、形成の都度前記中間転写ベルト(107)に転写されて、カラーのトナー像を合成し、これを給紙カセット(106)から搬送される転写紙に対し紙転写ローラ(113)によって一括転写し、転写後の転写紙は定着装置の定着ローラ(109)と加圧ローラ(109A)の間へと搬送され、定着ローラ(109)と加圧ローラ(109A)による定着後、排紙トレイ(110)に排紙される。
【0070】
現像ユニット(105A)~(105E)がトナーで現像すると、現像ユニットに収容されている現像剤のトナー濃度が低下する。現像剤のトナー濃度の低下はトナー濃度センサ(図示せず)により検知される。トナー濃度の低下が検知されると、各現像ユニットにそれぞれ接続されている現像剤補給装置(図示せず)が稼動し、トナー含んだ現像剤を補給してトナー濃度を上昇させる。このとき、補給される現像剤中のトナーは現像ユニットに収容されているトナーと同色のものである。
【0071】
図2では中間転写ベルト上にトナー像を重ねて画像を形成しているが、中間転写ベルトを用いることなく転写ドラムから直接に記録媒体へ転写を行なうシステムにおいても、同様に本発明の電子写真画像形成装置とすることができる。
【実施例0072】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に記載中の「部」は「質量部」を表し、「%」は「質量%」を表す。
【0073】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例1)
樹脂としてのアクリル樹脂溶液(固形分濃度:20質量%)200質量部、及びシリコーン樹脂溶液(商品名:SR2410、ダウ・東レ株式会社製、固形分濃度:40質量%)2,000質量部と、カップリング剤としてのアミノシラン(商品名:SH6020、ダウ・東レ株式会社製、固形分濃度:100質量%)35質量部と、アンチモン含有粒子としての五酸化二アンチモンをドープした酸化スズで表面処理した酸化アルミニウム(アンチモン:五酸化二アンチモン、無機微粒子A:酸化アルミニウム、円相当径:0.55μm)700質量部と、無機微粒子Bとしての硫酸バリウム(円相当径:0.60μm)570質量部と、有機溶媒としてのトルエン6,000質量部とを混合し、ホモミキサーを用いて10分間分散して被覆層形成液を得た。
スピラコーターSP-40(岡田精工株式会社製)を用いて、60℃の雰囲気下、30g/minの条件で前記被覆層形成液を、芯材粒子としてのMnフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.4g/cm)の表面に塗布して乾燥させて、前記芯材粒子の表面に被覆層を形成した。
前記被覆層を形成した芯材粒子を、電気炉中にて230℃で1時間放置して焼成してその後冷却した。冷却後に目開き100μmの篩を用いて解砕し電子写真画像形成用キャリア1を得た。なお、アンチモン含有粒子の含有量は、前記被覆層100質量部に対して、20質量部であった。
得られた電子写真画像形成用キャリア1について、JIS-Z2504に準拠して見掛け密度を測定したところ2.3g/cmであった。また、下記方法によって前記被覆層の平均厚さを測定したところ0.50μmであった。
【0074】
<電子写真画像形成用キャリアの平均厚さ>
前記被覆層の平均厚さとしては、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、前記電子写真画像形成用キャリアの断面を観察し、前記芯材粒子の表面から被覆層表面までの厚みTを、キャリア表面に沿って0.2μm間隔で50点測定し、得られた測定値を平均して算出した。
【0075】
また、芯材粒子の見掛け密度及び体積平均粒径、アンチモン含有粒子の円相当径、無機微粒子Bの円相当径などについては、下記方法で測定した。
【0076】
<芯材粒子の見掛け密度>
前記芯材粒子の見掛け密度は、前記電子写真画像形成用キャリアの見掛け密度と同様にJIS-Z2504に準拠して測定した。
【0077】
<芯材粒子の体積平均粒径>
前記芯材粒子の体積平均粒径は、マイクロトラック粒度分布計(日機装株式会社製)のSRAタイプを使用し、0.7μm以上125μm以下の設定範囲にて測定した。
【0078】
<アンチモン含有粒子及び無機微粒子Bの円相当径>
前記アンチモン含有粒子及び前記無機微粒子Bの円相当径は、電子写真画像形成用キャリアを形成する前のアンチモン含有粒子又は無機微粒子Bを用いて、ナノトラックUPAシリーズ(日機装株式会社製)で測定した。
【0079】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例2)
製造例1において、アンチモン含有粒子としての「五酸化二アンチモンをドープした酸化スズで表面処理した酸化アルミニウム」を、「三酸化二アンチモンをドープした酸化スズで表面処理した酸化アルミニウム(アンチモン:三酸化二アンチモン、無機微粒子A:酸化アルミニウム、円相当径:0.55μm)」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア2を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア2について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0080】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例3)
製造例1において、芯材粒子としての「Mnフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.4g/cm)」を、「Mnフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.6g/cm)」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア3を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア3について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.5g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0081】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例4)
製造例1において、芯材粒子としての「Mnフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.4g/cm)」を、「Mnフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.1g/cm)」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア4を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア4について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.0g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0082】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例5)
製造例1において、アンチモン含有粒子としての「五酸化二アンチモンをドープした酸化スズで表面処理した酸化アルミニウム」を、「五酸化二アンチモンをドープした酸化スズで表面処理した酸化チタン(アンチモン:五酸化二アンチモン、無機微粒子A:酸化チタン、円相当径:0.55μm)」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア5を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア5について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0083】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例6)
製造例1において、芯材粒子としての「Mnフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.4g/cm)」を、「Mn-Mgフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.4g/cm)」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア6を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア6について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0084】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例7)
製造例1において、無機微粒子Bとしての「硫酸バリウム」を含有させなかった以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア7を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア7について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0085】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例8)
製造例1において、無機微粒子Bとしての「硫酸バリウム」を、「酸化マグネシウム」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア8を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア8について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0086】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例9)
製造例1において、無機微粒子Bとしての「硫酸バリウム」を、「ハイドロタルサイト」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア9を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア9について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0087】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例10)
製造例1において、無機微粒子Bとしての「硫酸バリウム」を、「水酸化マグネシウム」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア10を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア10について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0088】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例11)
製造例1において、無機微粒子Bとしての「硫酸バリウム」を、「酸化アルミニウム」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア11を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア11について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0089】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例12)
製造例1において、樹脂としての「アクリル樹脂200質量部」及び「シリコーン樹脂2,000質量部」を、「フェノール樹脂2,200質量部」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア12を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア12について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0090】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例13)
製造例1において、アンチモン含有粒子としての「五酸化二アンチモンをドープした酸化スズで表面処理した酸化アルミニウム」の含有量を、「700質量部」から「1,460質量部」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア13を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア13について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0091】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例14)
製造例1において、アンチモン含有粒子としての「五酸化二アンチモンをドープした酸化スズで表面処理した酸化アルミニウム」を、「五酸化二アンチモンをドープした酸化スズ(アンチモン:五酸化二アンチモン、無機微粒子A:なし、円相当径:0.55μm)」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア14を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア14について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0092】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例15)
製造例1において、芯材粒子としての「Mnフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.4g/cm)」を、「Mnフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.7g/cm)」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア15を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア15について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.6g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0093】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例16)
製造例1において、芯材粒子としての「Mnフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.4g/cm)」を、「Mnフェライト(体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.0g/cm)」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア16を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア16について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が1.9g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0094】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例17)
製造例1において、アンチモン含有粒子としての「五酸化二アンチモンをドープした酸化スズで表面処理した酸化アルミニウム」を、「五酸化二アンチモンをドープした酸化スズで表面処理した酸化インジウム(アンチモン:五酸化二アンチモン、無機微粒子A:酸化インジウム、円相当径:0.55μm)」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア17を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア17について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0095】
(電子写真画像形成用キャリアの製造例18)
製造例1において、アンチモン含有粒子としての「五酸化二アンチモンをドープした酸化スズで表面処理した酸化アルミニウム」を、「酸化インジウムスズ(アンチモン:なし、無機微粒子A:なし、円相当径:0.55μm)」に変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真画像形成用キャリア18を得た。
得られた電子写真画像形成用キャリア18について、前記電子写真画像形成用キャリア1と同様の方法で各物性値を測定したところ、見掛け密度が2.3g/cmであり、前記被覆層の平均厚さが0.50μmであった。
【0096】
<ポリエステル樹脂の合成例>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物65質量部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物86質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルスズオキシド2質量部を投入し、常圧下、230℃で15時間反応させた後に、5mmHg~10mmHgの減圧下で6時間反応させてポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は2,300、重量平均分子量(Mw)は8,000、ガラス転移温度(Tg)は58℃、酸価は25mgKOH/g、水酸基価は35mgKOH/gであった。
【0097】
<プレポリマーの合成例>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下で、230℃で8時間反応させた後に、10mmHg~15mmHgの減圧下で5時間反応させて中間体ポリエステル樹脂を得た。
得られた中間体ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は2,100、重量平均分子量(Mw)は9,600、ガラス転移温度(Tg)は55℃、酸価は0.5mgKOH/g、水酸基価が49mgKOH/gであった。
次に、冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、前記中間体ポリエステル樹脂411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を投入し、100℃にて5時間反応させてプレポリマーを得た。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネートの含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
【0098】
<ケチミン化合物の合成例>
攪拌棒及び温度計の付いた反応槽中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を投入し、50℃にて5時間反応させてケチミン化合物を得た。得られたケチミン化合物のアミン価は、423mol/Lであった。
【0099】
<マスターバッチの合成例>
水1,000質量部、カーボンブラックPrintex35(デグサ社製、DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)540質量部、及び前記ポリエステル樹脂1,200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合し、混合物を得た。次に、二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後に圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを得た。
【0100】
<水系媒体の合成例>
水306質量部、リン酸三カルシウムの10質量%懸濁液265質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0質量部を混合攪拌し均一に溶解させて水系媒体を得た。
【0101】
(トナーの製造例)
-トナー材料液の調製-
ビーカー内に、前記ポリエステル樹脂を70質量部、前記プレポリマーを10質量部、及び酢酸エチル100質量部を入れて攪拌し溶解させた。その後、離型剤としてのパラフィンワックス5質量部(日本精鑞株式会社製、HNP-9、融点:75℃)、MEK-ST(日産化学工業株式会社製)2質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を加えて、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスクの周速度6m/秒、粒径0.5mmのジルコニアビーズの充填量80体積%の条件で3回パスした後、前記ケチミン化合物2.7質量部を加えて溶解させてトナー材料液を得た。
【0102】
-乳化及び分散工程-
前記水系媒体150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて回転数12,000rpmで攪拌した後に前記トナー材料液100質量部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを得た。
【0103】
-脱溶剤工程-
拌機及び温度計の付いたコルベンに得られた乳化スラリー100質量部を投入し、攪拌周速20m/分、30℃、12時間の条件で攪拌して前記乳化スラリーの脱溶剤を行った。
【0104】
-洗浄工程-
脱溶剤した乳化スラリー100質量部を減圧濾過して濾過ケーキを得た。得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、回転数12,000rpmにて10分間混合した後濾過した。この操作をあと2回行った。
その後、得られた濾過ケーキに10質量%の水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、回転数12,000rpmにて30分間混合した後減圧濾過した。
その後、得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、回転数12,000rpmにて10分間混合した後濾過した。この操作をあと2回行った。
更に得られた濾過ケーキに10質量%の塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、回転数12,000rpmにて10分間混合した後に濾過を行い、洗浄後の濾過ケーキを得た。
【0105】
-界面活性剤量調製工程-
前記洗浄後の濾過ケーキに、イオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、回転数12,000rpmにて10分間混合した際のトナー分散液の電気伝導度を測定し、事前に作成した界面活性剤濃度の検量線より、トナー分散液の界面活性剤濃度を算出した。その値から、界面活性剤濃度が狙いの界面活性剤濃度0.05質量%になるように、イオン交換水を追加し、トナー分散液を得た。
【0106】
-表面処理工程-
得られたトナー分散液を、TK式ホモミキサーを用いて、回転数5,000rpmにて混合しながら、ウォーターバスで加熱温度T1=55℃で10時間加熱を行なった。その後、トナー分散液を25℃まで冷却し濾過を行なった。更に得られた濾過ケーキに、イオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、回転数12,000rpmにて10分間混合した後、濾過して最終濾過ケーキを得た。
【0107】
-乾燥工程-
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
【0108】
-外添処理工程-
得られたトナー母体粒子100質量部に対して、体積平均粒径が100nmである疎水性シリカ3.0質量部、体積平均粒径が20nmである酸化チタン1.0質量部、及び体積平均粒径15nmの疎水性シリカ1.5質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーを得た。
【0109】
(実施例1~13及び比較例1~5)
前記電子写真画像形成用キャリア1~18をそれぞれ930質量部と、前記トナー70質量部とを混合(質量比93:7)した後、タービュラーミキサーを用いて81rpmで5分間攪拌し、評価用の電子写真画像形成用現像剤1~18を得た。
【0110】
得られた評価用の電子写真画像形成用現像剤1~18について、「トナー飛散」、「画像濃度(ID)」、「キャリア付着(エッジ)」、「キャリア付着(ベタ)」、「経時帯電安定性」、及び「ゴースト画像」を、下記評価基準に基づき評価した。
【0111】
<トナー飛散>
実施例1~13及び比較例1~5における評価用の電子写真画像形成用現像剤1~18を、デジタルフルカラー複合機(Pro C9100、株式会社リコー製)にセットし、画像面積率5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)の画像を100万枚出力後に、現像剤担持体の下部に溜まったトナーを回収してトナーの重量(mg)を測定した。測定したトナーの重量(mg)から下記評価基準に基づき「トナー飛散」を評価した。下記評価基準における「△」以上が実用可能であることを示す。
[評価基準]
◎:0mg以上50mg未満
○:50mg以上100mg未満
△:100mg以上250mg未満
×:250mg以上
【0112】
<画像濃度(ID)>
実施例1~13及び比較例1~5における評価用の電子写真画像形成用現像剤1~18を、デジタルフルカラー複合機(Pro C9100、株式会社リコー製)にセットし、環境評価室(10℃、15%の低温低湿環境)内で、画像面積率5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)の画像を10万枚出力後に、白ベタ画像及び黒ベタ画像を各3枚印字し(銘柄:RICOH MyPaper、A3紙)、画像濃度を目視で評価した。目視による画像濃度から画像見本と比較して下記評価基準に基づき「画像濃度(ID)」を評価した。下記評価基準における「△」以上が実用可能であることを示す。
[評価基準]
◎:画像見本と比較して画像濃度が同等である
○:単体では分からないが見本と比較すると劣る
△:単体でも注視すると画像濃度が薄いことが分かる
×:明らかに濃度が薄い
【0113】
<キャリア付着(エッジ)>
実施例1~13及び比較例1~5における評価用の電子写真画像形成用現像剤1~18を、デジタルフルカラー複合機(Pro C9100、株式会社リコー製)にセットし、画像面積率5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)の画像を100万枚出力後に、前記デジタルフルカラー複合機を環境評価室(10℃、15%の低温低湿環境)に一日入れた。その後、帯電電位(Vd):-630V、現像バイアス:DC-500Vの現像条件にて、170μm×170μmを1マスとして、ベタ部と白紙を縦横交互に配置させた画像をA3サイズで出力し、1マス毎の境目にあるキャリア付着による画像の白抜けが発生しているマスの数を測定した。測定したマスの数から下記評価基準に基づき「キャリア付着(エッジ)」を評価した。下記評価基準における「△」以上が実用可能であることを示す。
[評価基準]
◎:0個
○:1個以上3個以下
△:4個以上10個以下
×:11個以上
【0114】
<キャリア付着(ベタ)>
実施例1~13及び比較例1~5における評価用の電子写真画像形成用現像剤1~18を、デジタルフルカラー複合機(Pro C9100、株式会社リコー製)にセットし、画像面積率5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)の画像を100万枚出力後に、環境評価室(10℃、15%の低温低湿環境)内で、帯電電位(Vd):-600V、画像部(ベタ)にあたる部分の感光後の電位:-100V、現像バイアス:DC-500Vの現像条件にてトナー像を作像中に電源をOFFにして作像を中断し、転写後の感光体の10mm×100mmの領域上に付着するキャリアの個数を測定した。測定したキャリアの個数から下記評価基準に基づき「キャリア付着(ベタ)」を評価した。下記評価基準における「△」以上が実用可能であることを示す。
[評価基準]
◎:0個
○:1個以上3個以下
△:4個以上10個以下
×:11個以上
【0115】
<経時帯電安定性>
実施例1~13及び比較例1~5における評価用の電子写真画像形成用現像剤1~18を、デジタルフルカラー複合機(Pro C9100、株式会社リコー製)にセットし、画像面積率40%の画像を100万枚出力し、出力前の帯電量(Q1)と、出力後の帯電量(Q2)とについて、下記式(I)に基づき算出される値の絶対値を、帯電量の変化率として求めた。なお、前記帯電量(Q1)は、電子写真画像形成用キャリア1~18と、トナー1とを質量比93:7で混合して摩擦帯電させた電子写真画像形成用現像剤を、ブローオフ装置TB-200(東芝ケミカル社製)を用いて測定した値であり、前記帯電量(Q2)は、トナー1が除去された電子写真画像形成用キャリアを、前記ブローオフ装置を用いて測定した値である。下記評価基準における「△」以上が実用可能であることを示す。
[(Q1-Q2)/Q1]×100・・・式(I)
[評価基準]
◎:0%以上5%未満
○:5%以上10%未満
△:10%以上20%未満
×:20%以上
【0116】
<ゴースト画像>
実施例1~13及び比較例1~5における評価用の電子写真画像形成用現像剤1~18を、デジタルフルカラー複合機(Pro C9100、株式会社リコー製)にセットし、画像面積率40%の画像を100万枚出力し、図3A及び図3Bに示すような画像部20及び非画像部21を有する縦帯チャートの画像を出力後に、センター、リア及びフロントの3箇所におけるスリーブ一周分100の後方(a1、a2及びa3)と画像部先端一周分(b1、b2及びb3)の濃度差をX-Rite938(X-Rite社製)により測定し、前記3箇所の平均の濃度差(ΔID)を算出した。図3Aは、縦帯チャートの正常な画像を示し、図3Bは、画像部(a1)、(a2)及び(a3)に対するゴースト画像(b1)、(b2)及び(b3)をそれぞれ示している。図3A及び図3Bにおいて、矢印は通紙方向を示し、符号「100」はスリーブ一周分を示す。
算出した濃度差(ΔID)から下記評価基準に基づき「ゴースト画像」を評価した。下記評価基準における「△」以上が実用可能であることを示す。
[評価基準]
◎:0.01以下
○:0.01超0.03以下
△:0.03超0.06以下
×:0.06超
【0117】
【表1】
【0118】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 芯材粒子と、前記芯材粒子の表面を被覆する被覆層とを有し、
前記被覆層が、無機微粒子Aと、前記無機微粒子Aの表面に配された、アンチモンをドープした酸化スズとを含むアンチモン含有粒子を含有し、
見掛け密度が2.0g/cm以上2.5g/cm以下であることを特徴とする電子写真画像形成用キャリアである。
<2> 前記アンチモンが、五酸化二アンチモンである、前記<1>に記載の電子写真画像形成用キャリアである。
<3> 前記無機微粒子Aが、酸化アルミニウムである、前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリアである。
<4> 前記アンチモン含有粒子の含有量が、前記被覆層100質量部に対して、20質量部以上60質量部以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリアである。
<5> 前記被覆層が、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂の少なくともいずれかを含有する、前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリアである。
<6> 前記被覆層が、さらに無機微粒子Bを含有する、前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリアである。
<7> 前記無機微粒子Bが、硫酸バリウムを含有する、前記<6>に記載の電子写真画像形成用キャリアである。
<8> 前記芯材粒子が、Mnフェライトを含有する、前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリアである。
<9> 前記芯材粒子の見掛け密度が2.1g/cm以上2.6g/cm以下である、前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリアである。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア、及びトナーを含むことを特徴とする電子写真画像形成用現像剤である。
<11> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を、前記<10>に記載の電子写真画像形成用現像剤を用いて現像してトナー像を形成するトナー像形成工程と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させて画像を形成する定着工程と、
を含むことを特徴とする電子写真画像形成方法である。
<12> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を、前記<10>に記載の電子写真画像形成用現像剤を用いて現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させて画像を形成する定着手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置である。
【0119】
前記<1>から<9>に記載の電子写真画像形成用キャリア、前記<10>に記載の電子写真画像形成用現像剤、前記<11>に記載の電子写真画像形成方法、及び前記<12>に記載の電子写真画像形成装置は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0120】
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
20 画像部
21 非画像部
100 スリーブ一周分
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】
【特許文献1】特開2016-090644号公報
図1
図2
図3A
図3B