(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072817
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】バッテリー診断方法、そしてこれを遂行するバッテリー診断装置およびバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
G01R 31/3835 20190101AFI20240521BHJP
G01R 31/385 20190101ALI20240521BHJP
G01R 31/382 20190101ALI20240521BHJP
G01R 31/00 20060101ALI20240521BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240521BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20240521BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
G01R31/3835
G01R31/385
G01R31/382
G01R31/00
H02J7/00 Q
H02J7/10 B
H02J7/00 X
H01M10/48 P
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023195093
(22)【出願日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】10-2022-0153721
(32)【優先日】2022-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0117896
(32)【優先日】2023-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】金 容贊
(72)【発明者】
【氏名】李 宰瑛
(72)【発明者】
【氏名】呉 正元
(72)【発明者】
【氏名】金 慧元
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲ウォン▼錫
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・セバ
【テーマコード(参考)】
2G036
2G216
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2G036AA22
2G036BB08
2G216BA01
2G216BB02
2G216CA11
5G503BA03
5G503BA04
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA08
5G503CA11
5G503CB11
5G503EA05
5G503EA09
5G503GD03
5G503GD06
5H030AA10
5H030AS18
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】本開示は、バッテリー診断方法、そしてこれを遂行するバッテリー診断装置およびバッテリーパックに関する。
【解決手段】バッテリー診断装置は、バッテリーセルのセル電圧を検出する検出装置、そして前記バッテリーセルの放置テストが開始されると前記セル電圧の時間に応じた電圧減少率を算出し、前記電圧減少率が減少傾向から増加傾向に変更される変曲点を検出し、前記変曲点が検出されると前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして診断する診断装置を含むことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルのセル電圧を検出する検出装置、そして
前記バッテリーセルの放置テストが開始されると前記セル電圧の時間に応じた電圧減少率を算出し、前記電圧減少率が減少傾向から増加傾向に変更される変曲点を検出し、前記変曲点が検出されると前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして診断する診断装置
を含むバッテリー診断装置。
【請求項2】
前記診断装置は、前記バッテリーセルのSOC(state of charge)が所定値以上充電された状態で前記放置テストを行うための放置テストモードで動作する、請求項1に記載のバッテリー診断装置。
【請求項3】
前記所定値は80%である、請求項2に記載のバッテリー診断装置。
【請求項4】
前記診断装置は、前記変曲点が検出されると、前記バッテリーセルを内部短絡危険群に分類し、前記変曲点以降の時間区間での前記電圧減少率が所定条件を満たす場合、前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終決定する、請求項1に記載のバッテリー診断装置。
【請求項5】
前記診断装置は、前記変曲点以降の時間区間での前記電圧減少率が0.7mV/h以上である場合、前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終決定する、請求項4に記載のバッテリー診断装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のバッテリー診断装置、そして
前記バッテリーセルを少なくとも一つ含むバッテリー
を含むバッテリーパック。
【請求項7】
バッテリーパックのバッテリー診断方法であって、
バッテリーセルの放置テストモードに進入する段階、
前記バッテリーセルのセル電圧を検出する段階、
前記セル電圧の時間に応じた電圧減少率を算出する段階、
前記電圧減少率が減少傾向から増加傾向に変更される変曲点を検出する段階、そして
前記変曲点が検出されると前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして決定する段階を含むバッテリー診断方法。
【請求項8】
前記進入する段階以前に、
前記バッテリーセルのSOCが所定値以上になるように前記バッテリーセルを充電する段階をさらに含む、請求項7に記載のバッテリー診断方法。
【請求項9】
前記所定値は80%である、請求項8に記載のバッテリー診断方法。
【請求項10】
前記決定する段階は、
前記変曲点が検出されると、前記バッテリーセルを内部短絡危険群に分類する段階、そして
前記変曲点以降の時間区間で前記電圧減少率が所定条件を満たす場合、前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終決定する段階を含む、請求項7に記載のバッテリー診断方法。
【請求項11】
前記最終決定する段階は、
前記変曲点以降の時間区間での前記電圧減少率が0.7mV/h以上である場合、前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終決定する段階を含む、請求項10に記載のバッテリー診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリー診断方法、およびこれを遂行するバッテリー診断装置およびバッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0002】
二次バッテリー(secondary battery)は、充電および放電が繰り返され得るという点で、化学物質の電気エネルギーへの非可逆的変換のみを提供する一次バッテリー(primary battery)とは異なる。
【0003】
一般的に、二次バッテリーセルは、正極、負極、および正極と負極との間に介されたセパレータを含む電極組立体、電極組立体を収容するケース、そして電極組立体と電気的に連結されている電極端子を含む。正極、負極、および電解質溶液の電気化学的反応を通じてバッテリーセルの充放電を可能にするために、ケースに電解液が注入される。円筒形または長方形のようなケースの形状はバッテリーセルの用途により異なる。
【0004】
二次バッテリーセルでは、分離膜の機能喪失によりバッテリーセル内部の正極と負極が短絡される内部短絡現象が発生することがある。二次バッテリーセルの内部短絡は、外部衝撃による変形、製造過程で流入された金属性異物、電気化学反応によるリチウムまたは銅のデンドライト(dendrite)形成などにより発生することがある。
【0005】
このような二次バッテリーセルの内部短絡は、熱暴走のような安全の問題を起こすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示を通じて解決しようとする課題は、内部短絡発生が予想されるバッテリーセルを検出するためのバッテリー診断方法、およびこれを遂行するバッテリー診断装置およびバッテリーパックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための一実施形態によるバッテリー診断装置は、バッテリーセルのセル電圧を検出する検出装置、そして前記バッテリーセルの放置テストが開始されると前記セル電圧の時間に応じた電圧減少率を算出し、前記電圧減少率が減少傾向から増加傾向に変更される変曲点を検出し、前記変曲点が検出されると前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして診断する診断装置を含むことができる。
【0008】
前記診断装置は、前記バッテリーセルのSOC(state of charge)が所定値以上充電された状態で前記放置テストを行うための放置テストモードで動作することができる。前記所定値は80%であり得る。
【0009】
前記診断装置は、前記変曲点が検出されると、前記バッテリーセルを内部短絡危険群に分類し、前記変曲点以降の時間区間での前記電圧減少率が所定条件を満たす場合、前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終決定することができる。
【0010】
前記診断装置は、前記変曲点以降の時間区間での前記電圧減少率が0.7mV/h以上である場合、前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終決定することができる。
【0011】
一実施形態によるバッテリーパックは、前記バッテリー診断装置、そして前記バッテリーセルを少なくとも一つ含むバッテリーを含むことができる。
【0012】
一実施形態によるバッテリーパックのバッテリー診断方法は、バッテリーセルの放置テストモードに進入する段階、前記バッテリーセルのセル電圧を検出する段階、前記セル電圧の時間に応じた電圧減少率を算出する段階、前記電圧減少率が減少傾向から増加傾向に変更される変曲点を検出する段階、そして前記変曲点が検出されると前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして決定する段階を含むことができる。
【0013】
前記バッテリー診断方法は、前記進入する段階以前に、前記バッテリーセルのSOCが所定値以上になるように前記バッテリーセルを充電する段階をさらに含むことができる。前記所定値は80%であり得る。
【0014】
前記決定する段階は、前記変曲点が検出されると、前記バッテリーセルを内部短絡危険群に分類する段階、そして前記変曲点以降の時間区間で前記電圧減少率が所定条件を満たす場合、前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終決定する段階を含むことができる。
【0015】
前記最終決定する段階は、前記変曲点以降の時間区間での前記電圧減少率が0.7mV/h以上である場合、前記バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終決定する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、事前診断を通じて内部短絡の発生の可能性が高い異常バッテリーセルを検出すことによって、熱暴走、発火などからバッテリーを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示す。
【
図2】放置テストの間に測定されたバッテリーセルのセル電圧変化の一例を示す。
【
図3】一実施形態によるバッテリー診断方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態による作用効果およびその具現方法を説明する。図面において、同一の参照符号は同一の素子を示し、重複する説明は省略される。しかし、本発明は、多様な形態に具体化することができ、ここに図示された実施形態のみに限定されると解釈されてはならない。むしろ、これら実施形態は、本開示が徹底かつ完全になることができるように一例として提供され、当業者に本発明の様態および特徴を十分に伝達する。
【0019】
したがって、本発明の様態および特徴の完全な理解のために、当業者に必要でないと考慮されるプロセス、要素、および技術は説明されないことがある。図面において、素子、層、および領域の相対的な大きさは明確性のために誇張され得る。
【0020】
ここで使用されたように、「および/または」という用語は、一つ以上の関連して列挙された項目の任意および全ての組み合わせを含む。また、本発明の実施形態を記述する時、「することができる」を使用することは、「本発明の一つ以上の実施形態」を意味する。本発明の実施形態に関する以下の説明において、単数の形態の用語は、文脈が異なるように明示されない限り、複数の形態を含むことができる。
【0021】
「第1」、「第2」、「第3」などの序数を含む用語は、多様な要素を説明するために使用されるが、これら要素はこれら用語により制限されてはならないことを理解することができる。この用語は一つの要素を他の要素と区別する目的のみで使用される。例えば、第1要素は第2要素と命名されてもよく、同様に第2要素は本発明の範囲を逸脱せずに、第1要素と命名されてもよい。ここで使用されたように、「および/または」という用語は、一つ以上の関連して列挙された項目の任意および全ての組み合わせを含む。「少なくとも一つ」のような表現は、要素の目録に先行して、要素の全体目録を修正し、目録の個別要素を修正しない。
【0022】
ここで使用される用語「実質的に」、「約」および類似の用語は、近似の用語として使用され、程度の用語としては使用されず、当該技術分野の通常の知識を有する者により認識され得る測定された値または計算された値の固有の偏差を説明するためのものである。また、用語「実質的に」が数値を使用して表現され得る特徴と組み合わせて使用されれば、「実質的な」という用語は、その数値を中心とした値の+/-5%の範囲を示す。
【0023】
一つの構成要素または層が他の構成要素または層に対して「上に」、「連結された」、または「結合された」と記載される場合において、「上に」、「連結された」および「結合された」とは、直接、または一つ以上の他の構成要素または層を介して形成されることを全て含む。また、一つの構成要素または層が2個の構成要素または層の「間」にあると記載される場合、2個の構成要素または層の間の唯一の構成要素または層であるか、または一つ以上の介された他の要素または層が存在すると理解されなければならない。
【0024】
2個の構成要素を電気的に連結するということは、2個の構成要素を直接(directly)連結する場合だけでなく、2個の構成要素の間に他の構成要素を経て連結する場合も含む。他の構成要素は、スイッチ、抵抗、キャパシタなどを含むことができる。実施形態を説明するに当たり、連結するという表現は、直接連結するという表現がない場合には、電気的に連結することを意味する。
【0025】
以下、必要な図面を参照して実施形態によるバッテリー診断方法、およびこれを遂行するバッテリー診断装置およびバッテリーパックについて詳しく説明する。
【0026】
図1は一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示す。
【0027】
図1を参照すれば、一実施形態によるバッテリーパック1は、バッテリー10およびバッテリー診断装置20を含むことができる。
【0028】
バッテリー10は、少なくとも一つのバッテリーセルを含むことができる。バッテリー10が複数のバッテリーセルを含む場合、複数のバッテリーセルは互いに電気的に直列および/または並列連結され得る。
【0029】
バッテリー診断装置20は、バッテリー10の状態情報を持続的に検出し、これに基づいてバッテリー10の異常有無を診断することができる。バッテリー診断装置20は、検出装置21および診断装置22を含むことができる。
【0030】
検出装置21は、バッテリー10の状態情報、つまり、バッテリー10を構成するバッテリーセルの状態情報(セル電圧、温度、電流など)を検出することができる。
【0031】
診断装置22は、検出装置21を通じてバッテリー10を構成するバッテリーセルの状態情報をモニタリングしてバッテリー10の異常有無を診断することができる。
【0032】
バッテリーパック1の使用前に長期放置性能を評価するための放置テストが行われ得る。放置テストは、バッテリー10を所定状態まで充電させた後、バッテリー10を充放電なしに休止(rest)状態で長期間放置しながら状態変化をモニタリングする方式で行われ得る。例えば、バッテリー10の放置テストは、バッテリー10を構成するバッテリーセルの充電状態(SOC:State of charge)が80%以上である区間に進入する時までバッテリー10の充電工程を行った後に行われ得る。
図2は放置テストの間に測定されたバッテリーセルのセル電圧変化を例示したものであり、SOCが100%充電されたバッテリーセルを10時間放置して獲得した結果を示す。
図2を参照すれば、内部短絡が発生したバッテリーセル(Flat#3)は、放置初期には他の正常バッテリーセルと同様に時間に応じたセル電圧減少率(つまり、単位時間当たりのセル電圧減少量)が次第に減少する。しかし、放置時間が6時間を経過した後は他の正常バッテリーセルとは異なり、バッテリーセル(Flat#3)のセル電圧減少率が次第に増加する非正常な挙動を示している。
【0033】
図1の診断装置22は、放置テストの間にこのような非正常な挙動を検出して異常バッテリーセルを検出することができる。このために、診断装置22は、バッテリー10の放置テストモードに進入すると、検出装置21を通じてバッテリー10を構成するバッテリーセルのセル電圧を持続的に獲得することができる。また、診断装置22は、検出装置21を通じて獲得されるバッテリーセルのセル電圧変化をモニタリングして時間に応じたセル電圧減少率を継続して算出し、時間に応じたセル電圧減少率が減少傾向から増加傾向に変更される変曲点を検出することができる。ここで、時間に応じたセル電圧減少率が減少傾向にあるということは、単位時間当たりのセル電圧減少量が次第に減少する状態を示し、時間に応じたセル電圧減少率が増加傾向にあるということは、単位時間当たりのセル電圧減少量が次第に増加する状態を示すことができる。
【0034】
診断装置22は、二階導関数(f”())を用いて変曲点を検出することもできる。下記の数式1は、二階導関数を用いて変曲点を検出する方法を示す。
【0035】
[数式1]
f”(a+h)×f”(a-h)<0
前記数式1で、f”(a+h)およびf”(a-h)は、二階導関数を示し、時間に応じたセル電圧変化率を示すセル電圧傾き(dV/dT)を微分して算出され得る。また、aは、放置テストモードに進入した後にバッテリー10が放置された時間を示し、hは、非常に小さい値が選択され得る。セル電圧傾き(dV/dT)の変曲点が発生すると、変曲点を基準としてセル電圧傾き(dV/dT)を微分した値の符号が変更される。そのために、バッテリー10をa時間だけ放置した時点に変曲点が発生する場合、f”(a+h)とf”(a-h)とは互いに符号が異なって二つの値を掛けると0より小さい値になることができる。したがって、診断装置22は、各バッテリーセルのセル電圧変化をモニタリングして前記数式1を満たす地点が検出される場合、当該地点を変曲点として決定することができる。
【0036】
診断装置22は、変曲点が検出されると、変曲点が検出されたバッテリーセルを内部短絡が発生した異常バッテリーセルに分類することができる。
【0037】
診断装置22は、正常バッテリーセルを異常バッテリーセルとして診断する誤診断を防止するために、変曲点が発生したバッテリーセルに対して追加の診断過程を行うこともできる。診断装置22は、変曲点が検出されると、まず当該バッテリーセルを内部短絡危険群に分類することができる。その後、診断装置22は、内部短絡危険群に分類されたバッテリーセルに対して、変曲点以降の電圧変化をモニタリングし、モニタリングされた電圧変化が所定条件を満たす場合、当該バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終診断することができる。例えば、診断装置22は、変曲点が発生した以降の時間区間での電圧減少率(つまり、単位時間当たりのセル電圧減少量)が臨界値(例えば、0.7mV/h)以上である場合、当該バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終診断することができる。
【0038】
診断装置22は、バッテリー10から異常バッテリーセルが検出されると、検出結果を出力装置(例えば、ディスプレイ)を通じて出力するか、または上位システムに伝達することができる。
【0039】
診断装置22は、バッテリーパック1に搭載されるバッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)に統合されるように具現され得る。
【0040】
図3は一実施形態によるバッテリー診断方法を概略的に示す。
図3のバッテリー診断方法は、
図1を参照して説明したバッテリーパック1のバッテリー診断装置20により行われ得る。
【0041】
図3を参照すれば、バッテリー診断装置20は、放置テストを行うためにバッテリー10を構成するバッテリーセルのSOCが所定条件(例えば、80%以上)を満たす時までバッテリー10が充電されるように制御することができる(S11、S12)。
【0042】
バッテリー診断装置20は、バッテリー10のSOCが所定条件を満たす場合、バッテリー10の充電を中止し、その後、外部から受信される制御入力などにより放置テストモードに進入することができる(S13)。放置テストモードで動作する間、バッテリー診断装置20は、バッテリー10の充放電を制限し、バッテリー10を休止状態に維持させることができる。
【0043】
放置テストモードで動作する間、バッテリー診断装置20は、バッテリーセルのセル電圧変化をモニタリングして(S14)変曲点の発生有無を診断することができる。つまり、バッテリー診断装置20は、バッテリーセルのセル電圧変化をモニタリングして、バッテリーセルの時間に応じたセル電圧減少率が減少傾向から増加傾向に変更されると、対応する地点を変曲点として検出することができる。
【0044】
バッテリー診断装置20は、変曲点が検出されると(S15)、変曲点が検出されたバッテリーセルを内部短絡危険群に分類することができる(S16)。その後、バッテリー診断装置20は、内部短絡危険群に分類されたバッテリーセルの変曲点以降のセル電圧変化が所定条件を満たすか否かを判断し(S17)、所定条件を満たす場合、当該バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終判定することができる(S18)。例えば、バッテリー診断装置20は、変曲点以降の時間区間で内部短絡危険群に分類されたバッテリーセルのセル電圧減少率が臨界値(例えば、0.7mV/h)以上と確認されると、当該バッテリーセルを異常バッテリーセルとして最終判定することができる。
【0045】
バッテリー診断装置20は、外部から受信される制御入力などにより放置テスト終了が決定される時まで(S19)、段階S14乃至段階S18を反復的に行って異常バッテリーセルを診断することができる。
【0046】
図3で段階S16および段階S17は、誤診断を防止するために追加的に実施される段階であって、省略されることもできる。例えば、バッテリー診断装置20は、段階S15を通じて変曲点が検出されると、追加の診断なしに変曲点が検出されたバッテリーセルを異常バッテリーセルとして決定することもできる。
【0047】
ここで説明された実施形態による電子または電気装置および/または任意の他の関連装置または構成要素は、任意の適したハードウェア、ファームウエア(例えば、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit))、ソフトウェア、またはソフトウェア、ファームウエアおよびハードウェアの組み合わせを利用して具現され得る。例えば、これら装置の多様な構成要素は、一つの集積回路(IC)チップ上にまたは個別のICチップ上に形成され得る。また、これら装置の多様な構成要素は、フレキシブルプリント回路フィルム(flexible printed circuit film)、テープキャリアパッケージ(TCP:tape carrier package)、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)または一つの基板上に具現され得る。本明細書に記載された電気的連結または相互連結は、例えば、PCBまたは他の種類の回路キャリア上の配線または伝導性素子により具現され得る。伝導性素子は、例えば表面金属化(surface metallizations)のような金属化、および/またはピン(pin)を含むことができ、伝導性重合体(conductive polymers)またはセラミック(ceramics)を含むことができる。
【0048】
また、これら装置の多様な構成要素は、ここで説明された多様な機能を遂行するために一つ以上のプロセッサー上で実行され、一つ以上のコンピューティング装置内で実行され、コンピュータプログラム命令を実行し、他のシステム構成要素と相互作用するプロセスまたはスレッドであり得る。コンピュータプログラム命令は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)のような、標準メモリ装置を使用するコンピューティング装置で具現され得るメモリに保存される。コンピュータプログラム命令はまた、例えばCD-ROM、フラッシュドライブなどのような他の非一時的(non-transitory)コンピュータ読み取り可能媒体に保存され得る。
【0049】
また、当業者は、多様なコンピューティング装置の機能が単一のコンピューティング装置に結合または統合され得るか、または特定のコンピューティング装置の機能が本発明の例示的な実施形態の範囲を逸脱せずに一つ以上の他のコンピューティング装置にわたって分散され得ることを認識しなければならない。
【符号の説明】
【0050】
1:バッテリーパック
10:バッテリー
20:バッテリー診断装置
21:検出装置
22:診断装置