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  • 特開-車両用ドア 図1
  • 特開-車両用ドア 図2
  • 特開-車両用ドア 図3
  • 特開-車両用ドア 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007283
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】車両用ドア
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20240111BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
B60J5/10 R
B60J5/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108695
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉井 尚城
(72)【発明者】
【氏名】藤木 広幸
(57)【要約】
【課題】車両用ドアにおいて、ドア厚みを薄くしてもラッチユニット周りの剛性を確保する。
【解決手段】車両用ドアは、車両内側部を構成する樹脂製のインナパネルと、車両外側部を構成し、前記インナパネルに取り付けられる樹脂製のアウタパネルと、車体に設けられるストライカに係合可能なラッチを有するラッチユニットを前記インナパネルに取り付けると共に前記インナパネルを内面側から補強する補強部材と、前記ラッチと前記ストライカの係合状態を解除するスイッチユニットを構成し、前記アウタパネルの内面に取り付けられると共に前記補強部材に固定される筐体と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内側部を構成する樹脂製のインナパネルと、
車両外側部を構成し、前記インナパネルに取り付けられる樹脂製のアウタパネルと、
車体に設けられるストライカに係合可能なラッチを有するラッチユニットを前記インナパネルに取り付けると共に前記インナパネルを内面側から補強する補強部材と、
前記ラッチと前記ストライカの係合状態を解除するスイッチユニットを構成し、前記アウタパネルの内面に取り付けられると共に前記補強部材に固定される筐体と、
を備える車両用ドア。
【請求項2】
前記筐体は、締結部材によって前記補強部材に固定される、請求項1に記載の車両用ドア。
【請求項3】
前記補強部材は、前記筐体に接する第1板部と、前記第1板部と異なる方向に延び、前記筐体に接する第2板部とを有しており、前記第1板部及び前記第2板部の少なくとも一方が前記締結部材によって前記筐体に固定される、請求項2に記載の車両用ドア。
【請求項4】
前記補強部材は、板状であり、車両外側に位置する部分を折り曲げた曲げ部を有し、
前記曲げ部は、前記筐体の車両内側に位置する壁部に前記締結部材によって固定される、請求項2に記載の車両用ドア。
【請求項5】
前記筐体、前記補強部材及び前記アウタパネルが前記締結部材によって共締めされている、請求項2に記載の車両用ドア。
【請求項6】
前記補強部材と前記筐体は、複数の前記締結部材によって固定されており、
前記締結部材による複数の締結箇所のうち、第1の締結箇所における前記締結部材の締結方向と第2の締結箇所における前記締結部材の締結方向とが異なる、請求項2に記載の車両用ドア。
【請求項7】
前記締結部材がねじ部品である、請求項2に記載の車両用ドア。
【請求項8】
前記筐体は、接着剤によって前記補強部材に固定される、請求項1に記載の車両用ドア。
【請求項9】
前記筐体は、前記接着剤によって前記アウタパネルに固定される、請求項8に記載の車両用ドア。
【請求項10】
前記補強部材は金属製であり、
前記筐体は樹脂製である、請求項1に記載の車両用ドア。
【請求項11】
車両用バックドアに用いられる、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の車両用ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、樹脂製のインナパネルと樹脂製のアウタパネルで構成された車両用バックドアが開示されている。この車両用バックドアの下部には、車体に設けられたストライカに係合するラッチを有するラッチユニットが設けられている。ラッチとストライカの係合状態は、車両用バックドアに設けられたスイッチを操作することにより解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-182478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の室内空間を確保するために車両用バックドアの厚みを薄くすることが検討されている。特許文献1の車両用バックドアでは、ラッチユニットがインナパネル補強用のブラケットを介してインナパネルに取り付けられているが、ドア厚みを薄くした場合、ブラケットの厚みも薄くなり(ドア厚み方向の長さが短くなり)、断面係数が減少してドアのラッチユニット周りの剛性が低下すると考えられる。このため、市場では、ドア厚みを薄くしてもドアのラッチユニット周りの剛性を確保することが望まれている。
【0005】
そこで、本開示は、車両用ドアにおいて、ドア厚みを薄くしてもラッチユニット周りの剛性を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>
車両内側部を構成する樹脂製のインナパネルと、
車両外側部を構成し、前記インナパネルに取り付けられる樹脂製のアウタパネルと、
車体に設けられるストライカに係合可能なラッチを有するラッチユニットを前記インナパネルに取り付けると共に前記インナパネルを内面側から補強する補強部材と、
前記ラッチと前記ストライカの係合状態を解除するスイッチユニットを構成し、前記アウタパネルの内面に取り付けられると共に前記補強部材に固定される筐体と、
を備える車両用ドア。
<2>
前記筐体は、締結部材によって前記補強部材に固定される、<1>に記載の車両用ドア。
<3>
前記補強部材は、前記筐体に接する第1板部と、前記第1板部と異なる方向に延び、前記筐体に接する第2板部とを有しており、前記第1板部及び前記第2板部の少なくとも一方が前記締結部材によって前記筐体に固定される、<2>に記載の車両用ドア。
<4>
前記補強部材は、板状であり、車両外側に位置する部分を折り曲げた曲げ部を有し、
前記曲げ部は、前記筐体の車両内側に位置する壁部に前記締結部材によって固定される、<2>に記載の車両用ドア。
<5>
前記筐体、前記補強部材及び前記アウタパネルが前記締結部材によって共締めされている、<2>に記載の車両用ドア。
<6>
前記補強部材と前記筐体は、複数の前記締結部材によって固定されており、
前記締結部材による複数の締結箇所のうち、第1の締結箇所における前記締結部材の締結方向と第2の締結箇所における前記締結部材の締結方向とが異なる、<2>に記載の車両用ドア。
<7>
前記締結部材がねじ部品である、<2>~<6>のいずれか1項に記載の車両用ドア。
<8>
前記筐体は、接着剤によって前記補強部材に固定される、<1>に記載の車両用ドア。
<9>
前記筐体は、前記接着剤によって前記アウタパネルに固定される、<8>に記載の車両用ドア。
<10>
前記補強部材は金属製であり、
前記筐体は樹脂製である、<1>~<9>のいずれか1項に記載の車両用ドア。
<11>
車両用バックドアに用いられる、<1>~<10>のいずれか1項に記載の車両用ドア。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車両用ドアにおいて、ドア厚みを薄くしてもラッチユニット周りの剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態の車両用バックドアを示す背面図である。
図2図1の車両用バックドアの分解斜視図である。
図3図1における3X-3X線断面図である。
図4】筐体とアウタパネルと補強部材の組立手順を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。
【0010】
本開示の実施形態に係る車両用ドアは、車両内側部を構成する樹脂製のインナパネルと、車両外側部を構成し、前記インナパネルに取り付けられる樹脂製のアウタパネルと、車体に設けられるストライカに係合可能なラッチを有するラッチユニットを前記インナパネルに取り付けると共に前記インナパネルを内面側から補強する補強部材と、前記ラッチと前記ストライカの係合状態を解除するスイッチユニットを構成し、前記アウタパネルの内面に取り付けられると共に前記補強部材に固定される筐体と、を備える。以下、車両用ドアの具体例を、図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。
【0011】
以下、本実施形態の車両用ドア10について説明する。本実施形態の車両用ドアは、自動車のバックドアとして用いられる。以下では、車両用ドア10を、適宜バックドア10という。
【0012】
図1には、二点鎖線で示す車体11のバックドア開口部(図示省略)を閉じた状態のバックドア10が示されている。この図1において、矢印UPは車両上方を示し、矢印Wは車両幅方向を示し、矢印INは車両内側(車室側)を示し、矢印OUTは車両外側を示している。このバックドア10は、車体11に取り付けられて、バックドア開口部を開閉する機能を有する。
【0013】
バックドア10は、インナパネル12(図2参照)と、アウタパネル14(図2参照)と、補強部材16(図3及び図4参照)と、筐体18(図3及び図4参照)とを備えている。
【0014】
インナパネル12は、図2及び図3に示されるように、バックドア10の車両内側部を構成する樹脂製のパネル材である。
【0015】
アウタパネル14は、図2及び図3に示されるように、バックドア10の車両外側部を構成する樹脂製のパネル材である。このアウタパネル14は、インナパネル12に取り付けられる。一例としてアウタパネル14は、接着剤を用いてインナパネル12に取り付けられるが、本開示はこれに限定されない。
【0016】
また、インナパネル12及びアウタパネル14の材質は特に限定されない。バックドア10の軽量化の観点から、インナパネル12及びアウタパネル14は、それぞれ独立に、樹脂を含んでいてもよく、樹脂及び繊維を含んでいてもよい。
【0017】
インナパネル12及びアウタパネル14に含まれ得る樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン系樹脂(ABS樹脂)などの熱可塑性樹脂;エポキシ系樹脂、オキサジン系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂;などが挙げられる。コスト及び質量の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
インナパネル12及びアウタパネル14に含まれ得る樹脂は、一種であってもよく、二種以上であってもよい。
【0018】
インナパネル12及びアウタパネル14に含まれ得る繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミックス繊維等の無機繊維、アラミド繊維、セルロース繊維等の有機繊維などが挙げられる。強度向上の観点から、これらの中でも無機繊維が好ましく、無機繊維の中でもガラス繊維、炭素繊維、及び金属繊維がより好ましく、ガラス繊維がさらに好ましい。
インナパネル12及びアウタパネル14に含まれ得る繊維は、一種であってもよく、二種以上であってもよい。
【0019】
インナパネル12は、ガラス繊維強化ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂から構成されることが好ましい。アウタパネルは、ポリプロピレン系樹脂、ABS樹脂又はポリプロピレン系樹脂及びABS樹脂の混合物から構成されることが好ましい。
【0020】
インナパネル12及びアウタパネル14に含まれ得る樹脂は同種であってもよく、異種であってもよい。インナパネル12及びアウタパネル14に含まれ得る繊維は同種であってもよく、異種であってもよい。インナパネル12及びアウタパネル14の一方(例えば、インナパネル12)に繊維が含まれ、他方(例えば、アウタパネル14)に繊維が含まれていなくてもよく、インナパネル12及びアウタパネル14の一方(例えば、アウタパネル14)に含まれる繊維の含有率は、他方(例えば、インナパネル12)に含まれる繊維の含有率よりも少なくてもよい。
【0021】
インナパネル12及びアウタパネル14は、それぞれ独立に、樹脂及び繊維以外の成分を含んでいてもよい。樹脂及び繊維以外の成分としては、無機充填材、離型剤、難燃剤、着色剤等が挙げられる。
【0022】
図3に示されるように、インナパネル12とアウタパネル14との間には、空間部13が形成されている。この空間部13には、ラッチユニット20及びスイッチユニット30がそれぞれ配置されている。ラッチユニット20は、車体11に設けられるストライカ50に係合可能なラッチ22を有している。このラッチ22がストライカ50に係合することによりバックドア10を閉じた状態(ロック状態)が維持される。また、スイッチユニット30は、ラッチユニット20に電気的に接続される操作スイッチ32を有している。この操作スイッチ32を操作する(押す)ことによりラッチユニット20のラッチ22とストライカ50との係合が解除される。ラッチ22とストライカ50との係合を解除することによりバックドア10を開くことができる。なお、バックドア10は、車体11に連結されるダンパ(図示省略)により開いた状態が維持される(開いた状態で支持される)。
【0023】
補強部材16は、図3に示されるように、ラッチユニット20をインナパネル12に取り付けると共にインナパネル12を内面12A側から補強する部材である。この補強部材16は、インナパネル12の内面12Aに接合されている。補強部材16とインナパネル12の内面12Aとの接合方法は、特に限定されない。例えば、締結部材(ねじ部品やリベット等)を用いる締結でも、接着剤を用いる接着でも構わない。
【0024】
本実施形態の補強部材16は、一例として、金属製の板材である。金属製の板材としては、鉄板等が挙げられる。なお、ラッチユニット20が受ける引抜力に対してバックドア10のラッチユニット20周りの部分の剛性を確保できれば、補強部材16の材質に対して特に限定さない。
【0025】
また、補強部材16とラッチユニット20の取付方法は、特に限定さない。例えば、締結部材(ねじ部品やリベット等)を用いる締結でも、接着剤を用いる接着でも構わない。
【0026】
また、補強部材16は、図4に示されるように、筐体18に接する第1板部としての曲げ部16Aと、曲げ部16Aと異なる方向に延び、筐体18に接する第2板部としての張出部16Bとを有していてもよい。なお、本実施形態では、張出部16Bは、アウタパネル14の一部(後述する支持板19)を介してフランジ部18Bに接している。
曲げ部16Aは、補強部材16の車両外側に位置する部分を折り曲げた部分である。この曲げ部16Aは、バックドア10の上方へ向けて延びており、後述する筐体18の前壁部18Aに固定されてもよい。
張出部16Bは、補強部材16の曲げ部16Aを挟んで両側に設けられた部分である。この張出部16Bは、車両外側(詳細には、車両後方)へ延びており、後述する筐体18のフランジ部18Bに固定されてもよい。
【0027】
本実施形態では、バックドア10の下部を構成するインナパネル12の内面12A側にラッチユニット20の本体部21が配置されている。この本体部21からラッチ22がインナパネル12に形成された開口12Bを通して延び出している。開口12Bから延び出したラッチ22がストライカ50と係合する。
【0028】
筐体18は、図3に示されるように、ラッチ22とストライカ50の係合状態を解除するスイッチユニット30を構成し、アウタパネル14の内面14Aに取り付けられると共に補強部材16に固定される部材である。筐体18は、アウタパネル14の内面14Aに取り付けられている。筐体18とアウタパネル14の内面14Aとの取付方法は、特に限定されない。例えば、締結部材(ねじ部品やリベット等)を用いる締結でも、接着剤を用いる接着でも構わない。
【0029】
本実施形態の筐体18は、一例として、樹脂製であるが、本開示はこの構成に限定されない。筐体18を構成する樹脂材としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン系樹脂(ABS樹脂)などの熱可塑性樹脂;エポキシ系樹脂、オキサジン系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂;などが挙げられる。
【0030】
本実施形態の筐体18は、締結部材の一例であるねじ部品40の締結によって補強部材16に固定される。なお、ここでいうねじ部品40は、ねじ部材42及びナット44を指す。
【0031】
また、筐体18は、図4に示されるように、筐体18の車両内側に位置する前壁部18Aが補強部材16の曲げ部16Aに第1のねじ部品40Aの締結によって固定されてもよい。
【0032】
また、筐体18は、各壁部の下部から外側へ張り出したフランジ部18Bを有していてもよい。このフランジ部18Bは、補強部材16の張出部16Bに第2のねじ部品40Bの締結によって固定されてもよい。
なお、本開示は上記に限定されず、補強部材16と筐体18の固定は、曲げ部16Aと前壁部18Aのみを第1のねじ部品40Aで締結する固定でもよいし、張出部16Bとフランジ部18Bのみを第2のねじ部品40Bで締結する固定でもよい。
また、第1のねじ部品40Aの締結方向と第2のねじ部品40Bの締結方向が異なる。なお、本実施形態では、第1のねじ部品40Aの締結方向はバックドア10の上下方向であり、第2のねじ部品40Bの締結方向はバックドア10の厚み方向であるが本開示はこれに限定されない。
【0033】
なお、本実施形態では、一例として、アウタパネル14に設けられた開口を有する支持板19上に筐体18のフランジ部18Bが配置され、支持板19の下に補強部材16の張出部16Bが配置され、その状態でフランジ部18B、支持板19及び張出部16Bが第2のねじ部品40Bによって共締めされている。
【0034】
また、バックドア10には、ドアガラスとしてのリアウインドガラス15が取り付けられている。
【0035】
次に本実施形態の作用並びに効果について説明する。
本実施形態のバックドア10では、インナパネル12を内面12A側から補強する補強部材16にスイッチユニット30を構成する筐体18を固定しているため、例えば、補強部材16と筐体18を固定しない構成と比べて、バックドア下部側であってラッチユニット20周りの剛性が向上する。これにより、車室空間確保のために、バックドア10の厚みを薄くしても、バックドア10の下部側であってラッチユニット20周りの剛性を確保できる。
【0036】
また、筐体18を締結部材の一例であるねじ部品40の締結によって補強部材16に固定する場合、筐体18と補強部材16との固定作業が簡単で且つ補強部材16に筐体18を強固に固定できる。
【0037】
また、筐体18を第1のねじ部品40Aの締結方向と第2のねじ部品40Bの締結方向が異なる場合、例えば、複数のねじ部品40の締結方向が同じ場合と比べて、補強部材16と筐体18に作用する各方向の力に対してねじ部品40の締結力が効果的に作用し、補強部材16と筐体18とをより強固に固定される。
【0038】
また、板状の補強部材16の曲げ部16Aに筐体18の前壁部18Aをねじ部品40の締結によって固定する場合、補強部材16と筐体18の接触面積が広くなるため、バックドア10の下部側であってラッチユニット20周りの剛性を確保しやすい。
【0039】
また、筐体18、補強部材16及びアウタパネル14がねじ部品40によって共締めされている場合、例えば、補強部材16がアウタパネル14に固定されない場合と比べて、バックドア10の下部側であってラッチユニット20周りの剛性を確保できる。これにより、バックドア10の厚みを薄くして、車両の室内空間を確保しやすくなる。
【0040】
また、補強部材16を金属製とする場合、補強部材16によるバックドア10の補強効果が高くなる。そして、筐体18を樹脂製とする場合、例えば、筐体18を金属製とする場合と比べて、バックドア10が重くなりすぎるのを抑制できる。
【0041】
[その他の実施形態]
前述の実施形態では、筐体18を補強部材16に締結部材の一例であるねじ部品40の締結によって固定しているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、筐体18を補強部材16に接着剤により固定してもよい。この場合には、一例として、筐体18のフランジ部18Bをアウタパネル14の支持板19の上面に接着剤で接着し、補強部材16の張出部16Bを支持板19の下面に接着剤で接着してもよい。このように筐体18を補強部材16に接着剤により固定する場合、接着剤の塗布面積により接着力を向上できるため、補強部材16と筐体18とをより強固に固定することができる。なお、接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤等が挙げられる。
【0042】
前述の実施形態では、筐体18を補強部材16に固定する締結部材の一例であるねじ部品40として、ねじ部材42及びナット44を用いているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、補強部材16又は筐体18に形成された雌ねじにねじ部材42をねじ込むことによって筐体18を補強部材16に固定してもよい。また、ねじ部材としてドリルねじを用いてもよい。さらに、筐体18を補強部材16に固定する締結部材の他の例として、リベットを用いてもよい。すなわち、本開示における筐体18を補強部材16に締結する方法及び締結部材については、特に限定されない。
【0043】
前述の実施形態では、筐体18を締結部材によって補強部材16に固定しているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、筐体18を補強部材16に溶接(一例としてスポット溶接)により固定してもよい。すなわち、本開示における筐体18を補強部材16に固定する方法については、特に限定されない。
【0044】
前述の実施形態では、本開示の車両用ドアに関する技術を車両のバックドア10に適用したが、これに限定されない。例えば、本開示の車両用ドアに関する技術をバックドア以外のドア(例えば、サイドドア)に適用してもよい。この場合でも、前述の実施形態と同様の作用並びに効果を得られる。
【0045】
前述の実施形態では、アウタパネル14を一枚の成形品としているが、本開示はこれに限定されない。例えば、アウタパネル14をバックドア10の上部を構成するアウタアッパと、バックドア10の下部を構成するアウタロアとに分割してもよい。
【0046】
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 バックドア(車両用ドア)
12 インナパネル
12A 内面
14 アウタパネル
14A 内面
16 補強部材
16A 曲げ部(曲げ部、第1板部)
16B 張出部(第2板部)
18 筐体
18A 前壁部(車両内側の壁部)
20 ラッチユニット
22 ラッチ
30 スイッチユニット
40 ねじ部品(締結部材)
40A 第1のねじ部品(第1の締結箇所における締結部材)
40B 第2のねじ部品(第2の締結箇所における締結部材)
50 ストライカ
図1
図2
図3
図4