(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073156
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】加工装置
(51)【国際特許分類】
B24B 49/12 20060101AFI20240522BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20240522BHJP
B24B 19/02 20060101ALI20240522BHJP
B24B 49/04 20060101ALI20240522BHJP
B23Q 17/24 20060101ALI20240522BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
B24B49/12
H01L21/78 C
H01L21/78 P
B24B19/02
B24B49/04 Z
B23Q17/24 A
G01B11/24 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184224
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】對馬 健夫
【テーマコード(参考)】
2F065
3C029
3C034
3C049
5F063
【Fターム(参考)】
2F065AA25
2F065AA52
2F065BB08
2F065CC17
2F065DD04
2F065FF52
2F065GG24
2F065HH04
2F065HH13
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065MM03
2F065PP24
2F065QQ03
2F065QQ21
2F065QQ24
2F065QQ31
2F065UU06
3C029CC01
3C029CC10
3C034AA07
3C034BB32
3C034BB38
3C034BB73
3C034BB87
3C034BB93
3C034CA03
3C034CA22
3C034DD10
3C049AA03
3C049AA18
3C049AC02
3C049BA01
3C049CA01
3C049CA05
3C049CB01
5F063AA02
5F063AA48
5F063BA13
5F063CA04
5F063CB05
5F063DD06
5F063DD08
5F063DE01
5F063DE12
5F063DE16
5F063DE23
5F063DE33
5F063DE35
5F063EE21
5F063FF01
(57)【要約】
【課題】加工されたワークの形状を精度よく測定できる加工装置を提供する。
【解決手段】加工装置は、Z軸と直交する保持面上でワークを保持するテーブルと、テーブル上のワークを加工する加工ユニットと、ワークの表面を光干渉方式で撮像する撮像ユニットと、テーブルに対し撮像ユニットをZ軸の方向に沿って相対的に移動させる駆動部と、駆動部及び撮像ユニットを制御し、テーブル上のワークの表面をZ軸の方向に走査して撮像する撮像制御部と、を備える。撮像制御部は、ワークの表面をZ軸の方向に走査して撮像する際に、撮像する部位ごとに定められた撮像条件に従って撮像する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Z軸と直交する保持面上でワークを保持するテーブルと、
前記テーブル上の前記ワークを加工する加工ユニットと、
前記ワークの表面を光干渉方式で撮像する撮像ユニットと、
前記テーブルに対し前記撮像ユニットを前記Z軸の方向に沿って相対的に移動させる駆動部と、
前記駆動部及び前記撮像ユニットを制御し、前記テーブル上の前記ワークの表面を前記Z軸の方向に走査して撮像する撮像制御部と、
を備え、
前記撮像制御部は、前記ワークの表面を前記Z軸の方向に走査して撮像する際に、撮像する部位ごとに定められた撮像条件に従って撮像する、
加工装置。
【請求項2】
前記撮像制御部は、前記部位ごとに定められた光量で照明光を照射し、前記ワークの表面を撮像する、
請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記撮像制御部は、前記部位ごとに定められた設定でゲイン調整を行い、前記ワークの表面を撮像する、
請求項1に記載の加工装置。
【請求項4】
前記撮像制御部は、前記部位ごとに定められた設定で露光時間を制御し、前記ワークの表面を撮像する、
請求項1に記載の加工装置。
【請求項5】
前記撮像制御部は、前記部位ごとに定められた設定で階調補正を行い、前記ワークの表面を撮像する、
請求項1に記載の加工装置。
【請求項6】
前記撮像制御部は、前記部位ごとに定められた出力範囲で各画素から画素値を出力し、前記ワークの表面を撮像する、
請求項1に記載の加工装置。
【請求項7】
前記ワークの表面に加工された溝を撮像する場合、前記ワークの表面を含む第1部位と、前記溝の底面を含む第3部位と、前記第1部位と前記第3部位との間の第2部位とに分割し、分割された部位ごとに前記撮像条件が定められる、
請求項1に記載の加工装置。
【請求項8】
前記ワークの表面を前記Z軸の方向に走査して撮像した画像を処理して、前記ワークの表面の形状を測定する画像処理部を更に備える、
請求項1に記載の加工装置。
【請求項9】
前記ワークの断面の形状の情報を含むワーク情報を取得するワーク情報取得部と、
前記ワーク情報に基づいて前記撮像条件を設定する撮像条件設定部と、
を更に備える、
請求項1から8のいずれか1項に記載の加工装置。
【請求項10】
前記ワークの断面の形状の情報に基づいて、画像の出力範囲を設定する出力範囲設定部を更に備え、
前記撮像制御部は、撮像された画像から前記出力範囲設定部で設定された範囲の画像を抽出し、出力する、
請求項9に記載の加工装置。
【請求項11】
撮像された画像を解析して、出力範囲を設定する出力範囲設定部を更に備え、
前記撮像制御部は、撮像された画像から前記出力範囲設定部で設定された範囲の画像を抽出し、出力する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の加工装置。
【請求項12】
前記出力範囲設定部は、撮像された画像を解析して前記ワークの界面を認識し、認識した前記界面及びを含む所定の範囲を前記出力範囲に設定する、
請求項11に記載の加工装置。
【請求項13】
前記ワークの表面に加工された溝を撮像する場合、前記出力範囲設定部は、前記ワークの表面、前記溝の内壁面、及び、前記溝の底面を認識し、認識した各面を含む所定の範囲を前記出力範囲に設定する、
請求項12に記載の加工装置。
【請求項14】
前記撮像ユニットは、前記ワークの表面を白色干渉方式で撮像する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置に関し、特に光干渉方式で撮像する撮像ユニットを備えた加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速回転するスピンドルに装着されたブレード(極薄外周刃)によってワークを切削加工する加工装置としてダイシング装置(ブレードダイサ)が知られている。特許文献1には、装置内に白色干渉計を備えたダイシング装置が記載されている。特許文献1に記載のダイシング装置によれば、白色干渉計を用いて、切溝(カーフ)の形状等を装置内で測定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
白色干渉計等の光干渉方式の形状測定装置では、いわゆる干渉画像を撮像することで測定が行われる。干渉画像は、光源から照射された光を二分割し、一方を参照面、他方を測定対象の表面に照射し、双方からの反射光をイメージセンサで受光して撮像する。
【0005】
溝を光干渉方式の形状測定装置で測定すると、溝の内部からの反射光が微弱となり、S/N比が小さくなって、ノイズの誤認識が発生する場合がある。また、溝を光干渉方式の形状測定装置で測定すると、溝の内部での反射光により、疑似的な干渉縞が発生する場合がある。この疑似的な干渉縞は、本来の形状を抽出する際の不安定要因、誤検出要因となる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、加工されたワークの形状を精度よく測定できる加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の態様の加工装置は、Z軸と直交する保持面上でワークを保持するテーブルと、テーブル上のワークを加工する加工ユニットと、ワークの表面を光干渉方式で撮像する撮像ユニットと、テーブルに対し撮像ユニットをZ軸の方向に沿って相対的に移動させる駆動部と、駆動部及び撮像ユニットを制御し、テーブル上のワークの表面をZ軸の方向に走査して撮像する撮像制御部と、を備え、撮像制御部は、ワークの表面をZ軸の方向に走査して撮像する際に、撮像する部位ごとに定められた撮像条件に従って撮像する。
【0008】
第2の態様の加工装置は、第1の態様の加工装置において、撮像制御部は、部位ごとに定められた光量で照明光を照射し、ワークの表面を撮像する。
【0009】
第3の態様の加工装置は、第1の態様の加工装置において、撮像制御部は、部位ごとに定められた設定でゲイン調整を行い、ワークの表面を撮像する。
【0010】
第4の態様の加工装置は、第1の態様の加工装置において、撮像制御部は、部位ごとに定められた設定で露光時間を制御し、ワークの表面を撮像する。
【0011】
第5の態様の加工装置は、第1の態様の加工装置において、撮像制御部は、部位ごとに定められた設定で階調補正を行い、ワークの表面を撮像する。
【0012】
第6の態様の加工装置は、第1の態様の加工装置において、撮像制御部は、部位ごとに定められた出力範囲で各画素から画素値を出力し、ワークの表面を撮像する。
【0013】
第7の態様の加工装置は、第1の態様の加工装置において、ワークの表面に加工された溝を撮像する場合、ワークの表面を含む第1部位と、溝の底面を含む第3部位と、第1部位と第3部位との間の第2部位とに分割し、分割された部位ごとに撮像条件が定められる。
【0014】
第8の態様の加工装置は、第1の態様の加工装置において、ワークの表面をZ軸の方向に走査して撮像した画像を処理して、ワークの表面の形状を測定する画像処理部を更に備える。
【0015】
第9の態様の加工装置は、第1から第8のいずれか一の態様の加工装置において、ワークの断面の形状の情報を含むワーク情報を取得するワーク情報取得部と、ワーク情報に基づいて撮像条件を設定する撮像条件設定部と、を更に備える。
【0016】
第10の態様の加工装置は、第9の態様の加工装置において、ワークの断面の形状の情報に基づいて、画像の出力範囲を設定する出力範囲設定部を更に備え、撮像制御部は、撮像された画像から出力範囲設定部で設定された範囲の画像を抽出し、出力する。
【0017】
第11の態様の加工装置は、第1から第8の態様の加工装置において、撮像された画像を解析して、出力範囲を設定する出力範囲設定部を更に備え、撮像制御部は、撮像された画像から出力範囲設定部で設定された範囲の画像を抽出し、出力する。
【0018】
第12の態様の加工装置は、第11の態様の加工装置において、出力範囲設定部は、撮像された画像を解析してワークの界面を認識し、認識した界面及び所定の範囲を出力範囲に設定する。
【0019】
第13の態様の加工装置は、第12の態様の加工装置において、ワークの表面に加工された溝を撮像する場合、出力範囲設定部は、ワークの表面、溝の内壁面、及び、溝の底面を認識し、認識した各面を含む所定の範囲を出力範囲に設定する。
【0020】
第14の態様の加工装置は、第1から第8のいずれか一の態様の加工装置において、撮像ユニットは、ワークの表面を白色干渉方式で撮像する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、加工されたワークの形状を精度よく測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明が適用されたダイシング装置の一実施形態を示す正面図である。
【
図2】
図2は、テーブルの概略構成を示す図である。
【
図3】
図3は、第1撮像ユニットの概略構成を示す図である。
【
図4】
図4は、第2撮像ユニットの概略構成を示す図である。
【
図5】
図5は、ダイシング装置の制御系のブロック図である。
【
図6】
図6は、画像処理部が有する機能のブロック図である。
【
図7】
図7は、第1撮像ユニットの電気的構成のブロック図である。
【
図8】
図8は、第2撮像ユニットの電気的構成のブロック図である。
【
図10】
図10は、照明光の光量の制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【
図11】
図11は、切溝の形状測定の処理の手順を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、干渉画像の撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、ゲインの制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【
図14】
図14は、干渉画像の撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、露光時間の制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【
図16】
図16は、干渉画像の撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、階調補正の制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【
図19】
図19は、干渉画像の撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、画素値の出力の制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【
図21】
図21は、干渉画像の撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、白色干渉計によるウェーハの切溝の測定結果の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、画像の出力の制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【
図28】
図28は、多関節の枠を用いて画像の出力範囲を設定する場合の一例を示す図である。
【
図29】
図29は、画像の出力範囲を設定する枠の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0024】
[第1の実施の形態]
ここでは、本発明をダイシング装置に適用した場合を例に説明する。上記のように、ダイシング装置は、高速回転するスピンドルに装着されたブレードにより、ウェーハを切削する装置である。加工対象のウェーハは、たとえば、半導体のウェーハである。半導体のウェーハの表面には、ストリートによって区画された格子状の領域にIC(Integrated Circuit:集積回路)等が多数形成されている。ダイシング装置は、ウェーハをストリートに沿って切削し、個々のIC等をチップ化する。ダイシング装置は、加工装置の一例である。ウェーハは、ワークの一例である。
【0025】
[装置構成]
図1は、本発明が適用されたダイシング装置の一実施形態を示す正面図である。
図1において、X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交する軸である。X軸及びY軸を含む平面は水平面を構成する。
【0026】
図1に示すダイシング装置1は、いわゆるツインスピンドルダイサである。ツインスピンドルダイサは、一対のスピンドルを備えたダイシング装置である。ツインスピンドルダイサは、デュアルカット、ステップカット等の加工形態を採用できる。デュアルカットとは、一対のブレードで2ライン同時にフルカット又はハーフカットを行う加工方式である。フルカットとは、ダイシングテープなどの固定材料まで切り込み、加工対象を完全切断する加工方式である。ハーフカットとは、加工対象の厚さの中ほどまで切り込む、溝入れ加工である。ステップカットとは、ハーフカットとフルカットを2段階に分けて行う加工方式である。
【0027】
図1に示すように、ダイシング装置1は、基台となるベース2を有する。ベース2上には、ウェーハWを保持するテーブル10及びテーブル10をX軸方向に送るX軸送り機構30X等が設けられる。
【0028】
【0029】
図2に示すように、テーブル10は、円盤状の形状を有し、水平な保持面10A上でウェーハWを保持する。一例として、テーブル10は、真空吸着により、ウェーハWを保持する。
【0030】
加工対象であるウェーハWは、
図2に示すように、ダイシングフレームDFにマウントされた状態でテーブル10に保持される。ウェーハWは、円盤状の形状を有し、ダイシングテープDTを介して、ダイシングフレームDFにマウントされる。
【0031】
テーブル10は、テーブル駆動ユニット11に駆動されて、θ軸周りに回転する。θ軸は、テーブル10の中心を通り、Z軸と平行な軸である。テーブル駆動ユニット11は、図示しないモータ及び回転位置検出器を含む。回転位置検出器は、たとえば、ロータリーエンコーダで構成され、テーブル10の回転位置を検出する。
【0032】
X軸送り機構30Xは、テーブル10をX軸方向に移動させる機構である。
図1に示すように、X軸送り機構30Xは、X軸ガイドレール31X、X軸テーブル32X、X軸アクチュエータ33X及びX軸位置検出器(図示せず)等で構成される。X軸ガイドレール31Xは、X軸方向に沿ってベース2に設けられる。X軸テーブル32Xは、X軸ガイドレール31X上を移動自在に設けられる。X軸アクチュエータ33Xは、X軸テーブル32XをX軸ガイドレール31Xに沿って移動させる。X軸アクチュエータ33Xは、たとえば、リニアモータで構成される。図示しないX軸位置検出器は、X軸テーブル32Xの位置を検出する。X軸位置検出器は、たとえば、リニアスケールで構成される。
【0033】
テーブル10及びテーブル駆動ユニット11は、X軸テーブル32X上に配置される。X軸アクチュエータ33Xを駆動し、X軸テーブル32XをX軸方向に移動させることにより、テーブル10が、X軸方向に移動する。また、図示しないX軸位置検出器でX軸テーブル32Xの位置を検出することにより、テーブル10のX軸方向の位置が検出される。
【0034】
図1に示すように、ベース2には、X軸ガイドレール31Xを跨いで門型のコラム3が設けられる。コラム3には、テーブル10上のウェーハWを加工する第1加工ユニット40A及び第2加工ユニット40B、テーブル10上のウェーハWを撮像する第1撮像ユニット50及び第2撮像ユニット60、第1加工ユニット40A及び第1撮像ユニット50をY軸方向に送る第1Y軸送り機構30YA、第2加工ユニット40B及び第2撮像ユニット60をY軸方向に送る第2Y軸送り機構30YB、第1加工ユニット40A及び第1撮像ユニット50をZ軸方向に送る第1Z軸送り機構30ZA、第2加工ユニット40B及び第2撮像ユニット60BをZ軸方向に送る第2Z軸送り機構30ZB等が設けられる。
【0035】
第1加工ユニット40Aは、高速回転するブレード41により、ウェーハWを切削加工する。第1加工ユニット40Aは、ブレード41が装着される第1スピンドル42A、第1スピンドル42Aを回転させる第1スピンドルモータ43A等を備える。第1スピンドル42Aは、Y軸と平行に配置される。第1スピンドル42Aは、先端部にブレード装着部を備える。ブレード41は、ブレード装着部に着脱可能に装着される。第1スピンドル42Aに装着されたブレード41は、第1スピンドルモータ43Aを駆動して、第1スピンドル42Aを高速回転させることにより、軸周りに高速回転する。
【0036】
第2加工ユニット40Bは、高速回転するブレード41により、ウェーハWを切削加工する。第2加工ユニット40Bは、ブレード41が装着される第2スピンドル42B、第2スピンドル42Bを回転させる第2スピンドルモータ43B等を備える。第2スピンドル42Bは、Y軸と平行に配置される。第2スピンドル42Bは、先端部にブレード装着部を備える。ブレード41は、ブレード装着部に着脱可能に装着される。第2スピンドル42Bに装着されたブレード41は、第2スピンドルモータ43Bを駆動して、第2スピンドル42Bを高速回転させることにより、軸周りに高速回転する。
【0037】
第1撮像ユニット50は、アライメント用の撮像ユニットである。第1撮像ユニット50は、テーブル10上のウェーハWの表面の一部を真上から拡大して撮像する。
【0038】
図3は、第1撮像ユニットの概略構成を示す図である。
【0039】
第1撮像ユニット50は、第1顕微鏡部51及び第1カメラ部56を備える。第1撮像ユニット50は、第1顕微鏡部51で拡大した像を第1カメラ部56で撮像する。
【0040】
第1顕微鏡部51は、照明部52、ビームスプリッタ53、対物レンズ54、及び、結像レンズ55等を備える。
【0041】
照明部52は、照明光源52A及び照明用レンズ52Bを有する。照明部52は、照明用レンズ52Bを介して、照明光源52Aから発せられた光(照明光)を出射する。照明光源52Aには、たとえば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、発光ダイオード(light emitting diode:LED)などが用いられる。
【0042】
照明部52から出射された光は、ビームスプリッタ53及び対物レンズ54を介して、テーブル10上のウェーハWに照射される。そして、ウェーハWで反射した光が、対物レンズ54、ビームスプリッタ53、結像レンズ55を介して第1カメラ部56に入射する。
【0043】
第1カメラ部56は、撮像素子56Aを有し、第1顕微鏡部51で拡大された像を電子的に撮像する。撮像素子56Aには、たとえば、CMOSイメージセンサ(complementary metal oxide semiconductor image sensor)、CCDイメージセンサ(charge-coupled device image sensor)等のエリアイメージセンサが用いられる。第1カメラ部56で撮像された画像は、画像処理部110に出力される。
【0044】
第2撮像ユニット60は、測定用の撮像ユニットである。第2撮像ユニット60は、光干渉方式でウェーハWの表面を撮像する。特に、本実施の形態では、光源に白色光を用いた白色干渉方式でウェーハWの表面を撮像する。白色干渉方式でウェーハWの表面をZ軸の方向(高さ方向)に走査して撮像することで、ウェーハWの表面の形状を測定できる。白色干渉方式でウェーハWの表面を撮像することから、第2撮像ユニット60は、実質的に白色干渉計を構成する。
【0045】
図4は、第2撮像ユニットの概略構成を示す図である。
【0046】
第2撮像ユニット60は、第2顕微鏡部61及び第2カメラ部68を備える。第2撮像ユニット60は、第2顕微鏡部61で観察される画像(干渉画像)を第2カメラ部68で撮像する。第2撮像ユニット60は、テーブル10の上方からZ軸の方向に沿ってウェーハWの表面を撮像する。
【0047】
第2顕微鏡部61は、白色干渉顕微鏡で構成される。本実施の形態では、いわゆるミラウ干渉型の白色干渉顕微鏡で第2顕微鏡部61が構成される。
図4に示すように、第2顕微鏡部61は、照明部62、第1ビームスプリッタ63、対物レンズ64、ガラスプレート65、第2ビームスプリッタ66、及び、結像レンズ67等を備える。ガラスプレート65は、中央部分に参照ミラー65Aを有する。対物レンズ64、ガラスプレート65及び第2ビームスプリッタ66は、干渉光学系を構成する。
【0048】
照明部62は、照明光源62A及び照明用レンズ62Bを有する。照明部62は、照明用レンズ62Bを介して、照明光源62Aから発せられた白色光を出射する。照明光源62Aには、たとえば、ハロゲンランプ、LED等を用いることができる。
【0049】
照明部62から出射された白色光は、第1ビームスプリッタ63、対物レンズ64、ガラスプレート65を介して第2ビームスプリッタ66に入射する。第2ビームスプリッタ66に入射した白色光は、第2ビームスプリッタ66によって測定光及び参照光に分離される。
【0050】
測定光は、第2ビームスプリッタ66を透過して、ウェーハWの表面に入射する。そして、ウェーハWの表面で反射した測定光が、第2ビームスプリッタ66、ガラスプレート65、対物レンズ64、第1ビームスプリッタ63、結像レンズ67を介して第2カメラ部68に入射する。
【0051】
参照光は、第2ビームスプリッタ66で反射して、ガラスプレート65に入射する。ガラスプレート65に入射した参照光は、参照ミラー65Aで反射され、再び第2ビームスプリッタ66に入射する。そして、第2ビームスプリッタ66で再度反射され、ガラスプレート65、対物レンズ64、第1ビームスプリッタ63、結像レンズ67を介して第2カメラ部68に入射する。
【0052】
ウェーハWの表面で反射して第2カメラ部68に入射する測定光と、参照ミラー65Aで反射して第2カメラ部68に入射する参照光とが重なることで干渉光が生成される。対物レンズ64、ガラスプレート65及び第2ビームスプリッタ66で構成される干渉光学系は、測定対象に焦点が合った際に、測定光と参照光の光路長が等しくなるように設計される。
【0053】
第2カメラ部68は、撮像素子68Aを有し、第2顕微鏡部61で生成される画像(干渉画像)を電子的に撮像する。撮像素子68Aには、たとえば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等のエリアイメージセンサが用いられる。第2カメラ部68で撮像された画像(干渉画像)は、画像処理部110に出力される。
【0054】
第2撮像ユニット60をZ軸方向(高さ方向)に沿って移動させると、ウェーハWの表面で反射する測定光の光路長が変化する。撮像素子68Aに入射した干渉光は、互いの光路長が一致した場合に干渉強度が最大となる。したがって、画素ごとに干渉強度が最大となるZ軸方向の位置を読み取ることで、ウェーハWの表面の凹凸の位置を測定できる。
【0055】
第1Y軸送り機構30YAは、第1加工ユニット40A及び第1撮像ユニット50をY軸方向に移動させる機構である。
図1に示すように、第1Y軸送り機構30YAは、第1Y軸ガイドレール31YA、第1Y軸テーブル32YA、第1Y軸アクチュエータ33YA及び第1Y軸位置検出器(図示せず)等で構成される。第1Y軸ガイドレール31YAは、Y軸方向に沿ってコラム3に敷設される。第1Y軸テーブル32YAは、第1Y軸ガイドレール31YA上を移動自在に設けられる。第1Y軸アクチュエータ33YAは、第1Y軸テーブル32YAを第1Y軸ガイドレール31YAに沿って移動させる。第1Y軸アクチュエータ33YAは、たとえば、リニアモータで構成される。図示しない第1Y軸位置検出器は、第1Y軸テーブル32YAの位置を検出する。第1Y軸位置検出器は、たとえば、リニアスケールで構成される。
【0056】
第2Y軸送り機構30YBは、第2加工ユニット40B及び第2撮像ユニット60をY軸方向に移動させる機構である。
図1に示すように、第2Y軸送り機構30YBは、第2Y軸ガイドレール31YB、第2Y軸テーブル32YB、第2Y軸アクチュエータ33YB及び第2Y軸位置検出器(図示せず)等で構成される。第2Y軸ガイドレール31YBは、Y軸方向に沿ってコラム3に敷設される。第2Y軸テーブル32YBは、第2Y軸ガイドレール31YB上を移動自在に設けられる。第2Y軸アクチュエータ33YBは、第2Y軸テーブル32YBを第2Y軸ガイドレール31YBに沿って移動させる。第2Y軸アクチュエータ33YBは、たとえば、リニアモータで構成される。図示しない第2Y軸位置検出器は、第2Y軸テーブル32YBの位置を検出する。第2Y軸位置検出器は、たとえば、リニアスケールで構成される。
【0057】
第1Z軸送り機構30ZAは、第1加工ユニット40A及び第1撮像ユニット50をZ軸方向に移動させる機構である。第1Z軸送り機構30ZAは、第1Z軸ガイドレール31ZA、第1Z軸テーブル32ZA、第1Z軸アクチュエータ33ZA及び第1Z軸位置検出器(図示せず)等で構成される。第1Z軸ガイドレール31ZAは、Z軸方向に沿って第1Y軸テーブル32YA上に敷設される。第1Z軸テーブル32ZAは、第1Z軸ガイドレール31ZA上を移動自在に設けられる。第1Z軸アクチュエータ33ZAは、第1Z軸テーブル32ZAを第1Z軸ガイドレール31ZAに沿って移動させる。第1Z軸アクチュエータ33ZAは、たとえば、リニアモータで構成される。図示しない第1Z軸位置検出器は、第1Z軸テーブル32ZAの位置を検出する。第1Z軸位置検出器は、たとえば、リニアスケールで構成される。
【0058】
第2Z軸送り機構30ZBは、第2加工ユニット40B及び第2撮像ユニット60をZ軸方向に移動させる機構である。第2Z軸送り機構30ZBは、第2Z軸ガイドレール31ZB、第2Z軸テーブル32ZB、第2Z軸アクチュエータ33ZB及び第2Z軸位置検出器(図示せず)等で構成される。第2Z軸ガイドレール31ZBは、Z軸方向に沿って第2Y軸テーブル32YB上に敷設される。第2Z軸テーブル32ZBは、第2Z軸ガイドレール31ZB上を移動自在に設けられる。第2Z軸アクチュエータ33ZBは、第2Z軸テーブル32ZBを第2Z軸ガイドレール31ZBに沿って移動させる。第2Z軸アクチュエータ33ZBは、たとえば、リニアモータで構成される。図示しない第2Z軸位置検出器は、第2Z軸テーブル32ZBの位置を検出する。第2Z軸位置検出器は、たとえば、リニアスケールで構成される。
【0059】
第1加工ユニット40A及び第1撮像ユニット50は、ブラケット44Aを介して、第1Z軸テーブル32ZAに取り付けられる。これにより、第1Z軸テーブル32ZAを移動させると、第1加工ユニット40A及び第1撮像ユニット50がZ軸方向(高さ方向)に移動する。また、第1Y軸テーブル32YAを移動させると、第1加工ユニット40A及び第1撮像ユニット50がY軸方向(横方向)に移動する。また、図示しない第1Z軸位置検出器で第1Z軸テーブル32ZAのZ軸方向の位置を検出することにより、第1スピンドル42Aに装着されたブレード41のZ軸方向の位置、及び、第1撮像ユニット50のZ軸方向の位置が検出される。また、図示しない第1Y軸位置検出器で第1Y軸テーブル32YAのY軸方向の位置を検出することにより、第1スピンドル42Aに装着されたブレード41のY軸方向の位置、及び、第1撮像ユニット50のY軸方向の位置が検出される。
【0060】
第2加工ユニット40B及び第2撮像ユニット60は、ブラケット44Bを介して、第2Z軸テーブル32ZBに取り付けられる。これにより、第2Z軸テーブル32ZBを移動させると、第2加工ユニット40B及び第2撮像ユニット60がZ軸方向(高さ方向)に移動する。また、第2Y軸テーブル32YBを移動させると、第2加工ユニット40B及び第2撮像ユニット60がY軸方向(横方向)に移動する。また、図示しない第2Z軸位置検出器で第2Z軸テーブル32ZBのZ軸方向の位置を検出することにより、第2スピンドル42Bに装着されたブレード41のZ軸方向の位置、及び、第2撮像ユニット60のZ軸方向の位置が検出される。また、図示しない第2Y軸位置検出器で第2Y軸テーブル32YBのY軸方向の位置を検出することにより、第2スピンドル42Bに装着されたブレード41のY軸方向の位置、及び、第2撮像ユニット60のY軸方向の位置が検出される。
【0061】
図5は、ダイシング装置の制御系のブロック図である。
【0062】
ダイシング装置1は、全体の制御部として機能するシステムコントローラ100、第1撮像ユニット50及び第2撮像ユニット60で撮像された画像を処理する画像処理部110、オペレータが各種操作を行うための操作部120、各種情報を表示するための表示部130、外部機器と通信する通信部140等を有する。通信の形態は、特に限定されない。有線による通信でもよいし、また、無線による通信でもよい。また、ネットワークを介して通信する形態であってもよい。
【0063】
システムコントローラ100は、プロセッサ及びメモリ等を備えたコンピュータで構成される。すなわち、コンピュータが、所定のプログラムを実行することにより、システムコントローラ100として機能する。プロセッサは、たとえば、CPU(Central Processing Unit)等である。メモリには、RAM(Random Access Memory)の他にROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が含まれる。
【0064】
テーブル10の動作に関して、システムコントローラ100は、テーブル駆動ユニット11を制御し、テーブル10の回転を制御する。また、システムコントローラ100は、X軸送り機構30Xを制御し、テーブル10のX軸方向の送りを制御する。より具体的には、図示しないX軸位置検出器の出力に基づいて、X軸アクチュエータ33Xを制御し、テーブル10のX軸方向の送りを制御する。
【0065】
第1加工ユニット40Aの動作に関して、システムコントローラ100は、第1Y軸送り機構30YAを制御し、第1加工ユニット40AのY軸方向の送り(インデックス送り)を制御する。より具体的には、図示しない第1Y軸位置検出器の出力に基づいて、第1Y軸アクチュエータ33YAを制御し、第1加工ユニット40AのY軸方向の送りを制御する。また、システムコントローラ100は、第1Z軸送り機構30ZAを制御し、第1加工ユニット40AのZ軸方向の送りを制御する。より具体的には、図示しない第1Z軸位置検出器の出力に基づいて、第1Z軸アクチュエータ33ZAを制御し、第1加工ユニット40AのZ軸方向の送りを制御する。更に、システムコントローラ100は、第1スピンドルモータ43Aを制御し、第1スピンドル42Aの駆動を制御する。
【0066】
第2加工ユニット40Bの動作に関して、システムコントローラ100は、第2Y軸送り機構30YBを制御し、第2加工ユニット40BのY軸方向の送りを制御する。より具体的には、図示しない第2Y軸位置検出器の出力に基づいて、第2Y軸アクチュエータ33YBを制御し、第2加工ユニット40BのY軸方向の送りを制御する。また、システムコントローラ100は、第2Z軸送り機構30ZBを制御し、第2加工ユニット40BのZ軸方向の送りを制御する。より具体的には、図示しない第2Z軸位置検出器の出力に基づいて、第2Z軸アクチュエータ33ZBを制御し、第2加工ユニット40BのZ軸方向の送りを制御する。更に、システムコントローラ100は、第2スピンドルモータ43Bを制御し、第2スピンドル42Bの駆動を制御する。
【0067】
テーブル10のX軸方向の送りを制御することにより、切削方向の送り(切削送り)が制御される。また、第1加工ユニット40A及び第2加工ユニット40BのY軸方向の送りを制御することにより、切削方向と直交する方向の送り(インデックス送り)が制御される。更に、第1加工ユニット40A及び第2加工ユニット40BのZ軸方向の送りを制御することにより、切り込み方向の送り(切り込み送り)が制御される。そして、切り込み方向の送りを制御することにより、切り込み深さが制御される。
【0068】
また、システムコントローラ100は、第1撮像ユニット50及び第2撮像ユニット60を制御し、ウェーハWの撮像を制御する。撮像の制御については、後述する。
【0069】
画像処理部110は、プロセッサ及びメモリ等を備えたコンピュータで構成される。すなわち、コンピュータが、所定のプログラムを実行することにより、画像処理部110として機能する。なお、画像処理部110を構成するコンピュータと、システムコントローラ100を構成するコンピュータは、同じであってもよい。すなわち、同じコンピュータをシステムコントローラ100及び画像処理部110として機能させてもよい。
【0070】
図6は、画像処理部が有する機能のブロック図である。
【0071】
図6に示すように、画像処理部110は、アライメント部110A、カーフチェック部110B、及び、カーフ形状測定部110C等の機能を有する。
【0072】
アライメント部110Aは、システムコントローラ100と協同して、アライメントの処理を行う。アライメントは、ストリートの位置を割り出す動作である。ストリートの位置は、たとえば、アライメントマークを基準にして割り出される。アライメントマークは、アライメントのために、ウェーハWの表面に付されるマークである(アライメントターゲットともいう。)。ストリートは、ウェーハW上の切削可能な領域である。第1撮像ユニット50で撮像された画像を処理し、画像内からアライメントマークを検出する。なお、この種の技術は、公知であるので、その詳細についての説明は省略する。
【0073】
カーフチェック部110Bは、第1撮像ユニット50で撮像された画像に基づいて、カーフチェックを行う。カーフチェックとは、ブレード41が、ウェーハW上の正しい位置を適切な状態で加工しているか確認する処理である。カーフチェックには、カットずれの検出、チッピングの検出、カーフ幅の検出等が含まれる。カーフチェックは、あらかじめ設定された位置に対し、あらかじめ設定された頻度で実施される。なお、画像を利用したカーフチェック自体は公知の技術であるので、その詳細についての説明は省略する。
【0074】
カーフ形状測定部110Cは、第2撮像ユニット60で撮像された画像(干渉画像)を処理し、カーフ形状を測定する。具体的には、第2撮像ユニット60をZ軸方向に走査して撮像した画像群(例えば、対象物に対して焦点面が互いに異なる画像群)を処理し、測定対象の三次元形状を測定する。測定対象は、ウェーハWの表面に加工された切溝(カーフ)である。上記のように、第2撮像ユニット60は、白色干渉計で構成される。したがって、第2撮像ユニット60で測定対象をZ軸方向に走査して撮像することにより、得られた画像群から測定対象の三次元形状を測定できる。なお、白色干渉計で撮像された画像群から測定対象の三次元形状を求める処理自体は公知の技術である。よって、その詳細についての説明は省略する。カーフ形状測定部110Cは、測定対象の三次元形状データを生成し、出力する。
【0075】
図7は、第1撮像ユニットの電気的構成のブロック図である。
【0076】
図7に示すように、第1カメラ部56は、撮像素子56A、アナログ信号処理部56B、ADC(Analog to Digital Converter)56C、デジタル信号処理部56D及び第1カメラ制御部56Eを含む。
【0077】
アナログ信号処理部56Bは、撮像素子56Aから出力される画像信号に対し、相関二重サンプリング処理、ゲイン調整等の所定のアナログ信号処理を行う。
【0078】
ADC56Cは、アナログ信号処理部56Bで所定の信号処理が施されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換する。
【0079】
デジタル信号処理部56Dは、各種信号処理を実施する。デジタル信号処理部56Dが行う処理には、撮像素子56Aから出力される信号に基づいて、画像データを生成する処理が含まれる。画像データを生成する処理には、階調補正等の処理が含まれる。
【0080】
第1カメラ制御部56Eは、第1カメラ部56及び第1顕微鏡部51の各部を制御し、第1撮像ユニット50による撮像を制御する。第1カメラ制御部56Eは、プロセッサ及びメモリ等を備えたコンピュータで構成される。
【0081】
第1カメラ制御部56Eが行う制御には、AF(Autofocus:自動焦点調節)制御が含まれる。AF制御は、システムコントローラ100と協働して行われる。すなわち、Z軸方向に走査して、ウェーハWの表面に焦点が合う位置(合焦位置)が検出される。合焦位置の検出は、たとえばコントラスト方式(いわゆるコントラストAF)にて行われる。ウェーハWの表面に対する合焦位置を検出することで、ウェーハWの表面の高さ位置(Z軸方向の位置)を検出できる。
【0082】
第1カメラ制御部56Eが行う第1顕微鏡部51の制御は、照明部52の制御である。より具体的には、照明部52の照明光源52Aの制御である。第1カメラ制御部56Eは、照明光源52Aから照射する照明光の光量(明るさ)を制御する。
【0083】
図8は、第2撮像ユニットの電気的構成のブロック図である。
【0084】
図8に示すように、第2カメラ部68は、撮像素子68A、アナログ信号処理部68B、ADC68C、デジタル信号処理部68D及び第2カメラ制御部68Eを含む。
【0085】
アナログ信号処理部68Bは、撮像素子68Aから出力される画像信号に対し、相関二重サンプリング処理、ゲイン調整等の所定のアナログ信号処理を行う。
【0086】
ADC68Cは、アナログ信号処理部68Bで所定の信号処理が施されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換する。
【0087】
デジタル信号処理部68Dは、各種信号処理を実施する。デジタル信号処理部68Dが行う処理には、撮像素子68Aから出力される信号に基づいて、画像データを生成する処理が含まれる。画像データを生成する処理には、階調補正等の処理が含まれる。
【0088】
第2カメラ制御部68Eは、第2カメラ部68及び第2顕微鏡部61の各部を制御し、第2撮像ユニット60による撮像を制御する。第2カメラ制御部68Eは、プロセッサ及びメモリ等を備えたコンピュータで構成される。
【0089】
撮像の制御は、システムコントローラ100と協働して行われる。上記のように、第2撮像ユニット60による撮像は、Z軸方向に走査して行われる。このため、システムコントローラ100でZ軸方向の移動を制御し、第2カメラ制御部68Eで各位置での撮像を制御する。したがって、本実施の形態では、第2カメラ制御部68E及びシステムコントローラ100が、撮像制御部を構成する。
【0090】
第2カメラ制御部68Eが行う第2顕微鏡部61の制御は、照明部62の制御である。より具体的には、照明部62の照明光源62Aの制御である。第2カメラ制御部68Eは、照明光源62Aから照射する照明光の光量(明るさ)を制御する。特に、本実施の形態では、測定対象を走査方向に沿って複数の部位に分割し、撮像する部位に応じて、照明光の光量が変わるように制御する。部位は、走査範囲の全体の中である位置を占める部分である。各部位は、同じ条件で撮像できる部分として設定される。本実施の形態では、同じ照明光の光量で撮像できる部分として、測定対象が走査方向に沿って複数の部位に分割される。
【0091】
以下、撮像する部位(撮像部位)に応じた照明光の光量の制御について説明する。
【0092】
溝を白色干渉計等の光干渉方式の形状測定装置で測定すると、溝の内部からの反射光が微弱となり、求めたい干渉縞とノイズとのS/N比が小さくなる場合がある。この結果、ノイズの誤認識が発生する場合がある。
【0093】
そこで、本実施の形態では、Z軸方向に走査して撮像する際、撮像部位(測定部位)に応じて照明光の光量を変えて撮像する。
【0094】
図9は、照明光の光量制御の概念図である。
図9は、ウェーハWの表面に加工された切溝Cの形状を測定する場合の例を示している。
【0095】
テーブル10上のウェーハWに対し、第2撮像ユニット60を鉛直下方に移動(Z軸走査)させて、切溝Cを撮像する場合を考える。撮像は撮像開始位置Z0から開始される。撮像開始位置Z0は、ウェーハWの表面から所定高さHの位置に設定される。なお、
図9において、位置Z1は、ウェーハWの表面の位置である。また、位置Z2は、切溝Cの底面の位置である。位置ZEは、撮像終了位置である。撮像終了位置は、切溝Cの底面の位置から所定距離の位置に設定される。
【0096】
本実施の形態では、測定対象を走査方向に沿って3つの部位に分け、部位ごとに照明光の光量を設定する。具体的には、ウェーハWの表面までを第1部位Pz1(Z1≦Pz1≦Z0)、ウェーハWの表面から切溝Cの底面までを第2部位Pz2(Z2<Pz2<Z1)、切溝Cの底面以降の部位を第3部位Pz3(Pz3≦Z2)とし、部位ごとに照明光の光量を設定する。
【0097】
第1部位Pz1を撮像する場合の照明光の光量を第1光量LV1、第2部位Pz2を撮像する場合の照明光の光量を第2光量LV2、第3部位Pz3を撮像する場合の照明光の光量を第3光量LV3とする。
【0098】
第1部位Pz1の撮像は、通常の空気中の測定対象を撮像する場合と変わらない。よって、第1光量LV1は、通常の空気中の測定対象を撮像する場合と同じ光量に設定される。
【0099】
第2部位Pz2の撮像は、切溝Cの内部の撮像である。よって、第2光量LV2は、第1光量LV1よりも高い値に設定される(LV1<LV2)。
【0100】
第3部位Pz3は、切溝Cの底面の撮像である。よって、第3光量LV3は、切溝Cの底面の状態に応じて設定することが好ましい。底面が平滑面の場合、底面から反射光が得られる場合がある。よって、この場合、第3光量LV3は、第1光量LV1と第2光量LV2との間の値に設定される(LV1<LV3<LV2)。底面が平滑面でない場合(底面からの反射光がほぼない場合、あるいは、切溝Cの内壁面よりも暗い場合)、あるいは、平滑面であっても深さが深い場合(閾値以上の場合)、反射光量は第2部位Pz2よりも低下する。よって、この場合は、第2光量LV2よりも高い値に設定される(LV2<LV3)。
【0101】
第2カメラ制御部68Eは、切溝Cの加工形状の情報(切溝Cの断面の形状の情報)、及び、切溝Cの底面の状態の情報を含む情報(ワーク情報)を取得し、取得したワーク情報に基づいて、部位の設定、及び、各部位の照明光の光量の設定を行う。そして、設定した部位及び光量に基づいて、照明部52を制御する。
【0102】
図10は、照明光の光量の制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【0103】
図10に示すように、第2カメラ制御部68Eは、ワーク情報取得部68E1、撮像条件設定部68E2及び照明制御部68E3の機能を有する。
【0104】
ワーク情報取得部68E1は、ワーク情報を取得する。上記のように、ワーク情報には、切溝Cの加工形状の情報、及び、切溝Cの底面の状態の情報が含まれる。ワーク情報取得部68E1は、システムコントローラ100からワーク情報を取得する。システムコントローラ100は、オペレータからワーク情報を取得する。オペレータは、操作部120又は通信部140を介してワーク情報を入力する。
【0105】
切溝Cの加工形状の情報(いわゆる断面プロファイル)については、たとえば、シミュレーション等で求めた情報が用いられる。使用するブレード41及び切り込み深さが分かれば、加工される切溝Cの断面形状(理論上の断面形状)も分かる。したがって、シミュレーション等で切溝Cの加工形状を求めて、その情報を加工形状の情報として使用する。
【0106】
なお、システムコントローラ100が、オペレータから使用するブレード41の情報、及び、切り込み深さの情報を取得し、取得した情報に基づいて、切溝Cの加工形状の情報を自動的に算出する構成とすることもできる。
【0107】
この他、同じ条件で加工した切溝Cを測定し、その結果を対象の加工形状の情報として使用する構成とすることもできる。
【0108】
あるいは、AFでワーク表面を求め、第3光量LV3で第3部位Pz3付近を走査し、第3部位Pz3を最初に求め、第2部位Pz2の区間を決定してもよい。
【0109】
撮像条件設定部68E2は、ワーク情報に基づいて、撮像条件を設定する。本実施の形態では、撮像する部位ごとに、照明部62から照射する照明光の光量を設定する。具体的には、切溝CをZ軸の方向に沿って3つの部位(第1部位Pz1、第2部位Pz2及び第3部位Pz3)に分割し、部位ごとに撮像時の照明光の光量(第1光量VL1、第2光量VL2及び第3光量VL3)を設定する。
【0110】
部位ごとに定められた光量の設定条件の情報は、たとえば、メモリに格納される。
【0111】
照明制御部68E3は、撮像条件設定部68E2による光量の設定条件に従って、照明部62から照射する照明光の光量を制御する。より具体的には、照明部62の照明光源62Aを制御し、照明光源62Aから照射する照明光の光量を制御する。照明制御部68E3は、部位ごと設定された光量で照明光が照射されるように、撮像位置情報に基づいて、照明光源62Aを制御する。
【0112】
照明制御部68E3は、撮像位置情報をシステムコントローラ100から取得する。システムコントローラ100は、第2Z軸位置検出器の検出結果に基づいて、撮像位置を検出する。なお、本実施の形態において、撮像位置は、測定対象に焦点が合う位置(合焦位置)である。撮像位置は、測定位置と同義である。構成上、合焦位置は既知なので、第2撮像ユニット60のZ軸方向の位置から撮像位置を求めることができる。
【0113】
[作用]
[ウェーハの加工]
ウェーハWは、ストリートに沿って切削することで、チップ化される。
【0114】
まず、アライメントが行われる。上記のように、アライメントは、ストリートの位置を割り出す動作である。アライメント後、加工が開始される。
【0115】
まず、ブレード41を所定の高さ位置に設定し、高速回転させる。ブレード41の高さ位置は、所定の切り込み深さとなる位置に設定される。ブレード41の設定後、ウェーハWに切削送り(X軸方向の送り)を与える。これにより、ウェーハWがストリートに沿って切削される。切削後、ブレード41にインデックス送り(Y軸方向の送り)を与える。これにより、次のストリートの切削が可能になる。このように、切削送りとインデックス送りを交互に行って、ウェーハWを切削する。第1の方向の全てのストリートの切削が完了したら、ウェーハWを90°回転させて、第2の方向のストリートを切削する。
【0116】
本実施の形態のダイシング装置1は、スピンドル(第1スピンドル42A及び第2スピンドル42B)を2本備えているので、2個所を同時に加工することも可能である。
【0117】
切削の態様は、特に限定されない。フルカット(ダイシングテープDTまで切り込み、ウェーハを完全に切断する加工)、ハーフカット(ウェーハの厚さの中ほどまで切り込む溝入れ加工)等、いずれの態様で加工してもよい。
【0118】
[切溝の形状測定]
次に、加工された切溝(カーフ)の形状を測定する場合について説明する。
【0119】
図11は、切溝の形状測定の処理の手順を示すフローチャートである。
【0120】
まず、ワーク情報が取得される(ステップS1)。上記のように、ワーク情報には、切溝Cの加工形状の情報、及び、切溝Cの底面の状態の情報が含まれる。
【0121】
次に、取得したワーク情報に基づいて、撮像条件が設定される(ステップS2)。本実施の形態では、各部位(第1部位Pz1、第2部位Pz2及び第3部位Pz3)を撮像する際の照明光の光量が設定される。
【0122】
次に、設定された撮像条件で干渉画像が撮像される(ステップS3)。
【0123】
図12は、干渉画像の撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【0124】
まず、測定対象とする切溝の測定対象とする部位が、測定位置に移動する(ステップS3_A0)。すなわち、第2撮像ユニット60の真下(撮像光軸上)に移動する。
【0125】
次に、第2撮像ユニット60が、撮像開始位置に移動する(ステップS3_A1)。上記のように、撮像開始位置Z0は、ウェーハWの表面から所定高さHの位置に設定される(
図9参照)。なお、ウェーハWの表面の位置は、アライメントの過程で測定される。
【0126】
撮像開始位置に移動後、照明光の光量が第1光量LV1に設定される(ステップS3_A2)。その後、干渉画像の撮像が開始される(ステップS3_A3)。すなわち、第2撮像ユニット60を鉛直下向きに一定ピッチで移動させつつ、一定の間隔で干渉画像の撮像が行われる。より具体的には、一定ピッチでの移動と撮像とを交互に繰り返して、干渉画像が撮像される。
【0127】
撮像開始後、撮像位置が第2部位Pz2に到達したか否が判定される(ステップS3_A4)。第2部位Pz2に到達していないと判定されると、継続して第1光量LV1で撮像が行われる。一方、第2部位Pz2に到達したと判定されると、照明光の光量が第2光量に切り換えられる(ステップS3_A5)。以後、第2光量LV2で撮像が行われる。
【0128】
照明光の光量が、第2光量LV2に切り換えられた後、撮像位置が第3部位Pz3に到達したか否が判定される(ステップS3_A6)。第3部位Pz3に到達していないと判定されると、継続して第2光量LV2で撮像が行われる。一方、第3部位Pz3に到達したと判定されると、照明光の光量が第3光量に切り換えられる(ステップS_A7)。以後、第3光量LV3で撮像が行われる。
【0129】
この後、撮像位置が、撮像終了位置に到達したか否か判定される(ステップS3_A8)。撮像終了位置に到達していないと判定されると、継続して第3光量LV3で撮像が行われる。一方、撮像終了位置に到達したと判定されると、撮像が終了する(ステップS3_A9)。
【0130】
以上一連の工程で第2撮像ユニット60による干渉画像の撮像が終了する。撮像により得られた干渉画像は、順次、システムコントローラ100に出力される。
【0131】
システムコントローラ100は、撮像により得られた画像を画像処理部110に出力し、画像処理させる(ステップS4)。すなわち、対象の三次元形状データを生成させる。
【0132】
以上説明したように、本実施の形態のダイシング装置1によれば、干渉画像を撮像する際、撮像する部位に応じて照明光の光量が変えられる。これにより、適切な明るさで干渉画像を撮像できる。また、これにより、精度よく切溝の形状を測定できる。
【0133】
なお、上記の例では、撮像する部位を3つの部位に分ける場合を例に説明したが、撮像する部位の分割の態様は、これに限定されるものではない。より詳細に分割する構成とすることもできる。より詳細に分割することで、より詳細に照明光の光量を制御できる。
【0134】
また、切溝Cを測定する場合、切溝Cの幅(カーフ幅)に応じて照明光の光量を設定することが好ましい。
【0135】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、第2撮像ユニット60によって干渉画像を撮像する際、撮像する部位に応じて、自動的にゲインが調整される。
【0136】
なお、干渉画像の撮像条件が異なる点以外は、上記第1の実施の形態のダイシング装置1の構成と同じである。よって、以下においては、干渉画像の撮像の制御に関する点についてのみ説明する。
【0137】
ゲイン調整は、アナログ信号処理部68Bで行われる。第2カメラ制御部68Eは、部位ごとに定められた設定に従ってゲイン調整が行われるように、アナログ信号処理部68Bを制御する。
【0138】
図13は、ゲインの制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【0139】
図13に示すように、第2カメラ制御部68Eは、ワーク情報取得部68E1、撮像条件設定部68E2及びゲイン制御部68E4の機能を有する。
【0140】
ワーク情報取得部68E1の機能は、上記第1の実施の形態と同じである。すなわち、ワーク情報を取得する。
【0141】
撮像条件設定部68E2は、ワーク情報に基づいて、撮像条件を設定する。本実施の形態では、撮像する部位ごとにゲイン調整の設定を定める。部位の設定は、上記第1の実施の形態と同じである(
図9参照)。
【0142】
第1部位Pz1を撮像する場合のゲイン調整の設定を「ゲイン設定1」、第2部位Pz2を撮像する場合のゲイン調整の設定を「ゲイン設定2」、第3部位Pz3を撮像する場合のゲイン調整の設定を「ゲイン設定3」とする。
【0143】
第1部位Pz1の撮像は、通常の空気中の測定対象を撮像する場合と変わらない。よって、ゲイン設定1は、通常の空気中の測定対象を撮像する場合のゲインと同じ値に設定される。
【0144】
第2部位Pz2の撮像は、切溝Cの内部の撮像である。よって、ゲイン設定2は、ゲイン設定1よりも高い値に設定される(ゲイン設定1<ゲイン設定2)。
【0145】
第3部位Pz3は、切溝Cの底面の撮像である。よって、ゲイン設定3は、切溝Cの底面の状態に応じて設定することが好ましい。底面が平滑面の場合(底面からの反射光がある場合)、ゲイン設定3は、ゲイン設定1とゲイン設定2との間の値に設定される(ゲイン設定1<ゲイン設定3<ゲイン設定2)。一方、底面が平滑面でない場合(底面からの反射光がほぼない場合、あるいは、切溝Cの内壁面よりも暗い場合)、あるいは、切溝Cの深さが深い場合(閾値以上の場合)などは、ゲイン設定2よりも高い値に設定される(ゲイン設定2<ゲイン設定3)。
【0146】
部位ごとに定められたゲイン設定の情報は、たとえば、メモリに格納される。
【0147】
ゲイン制御部68E4は、撮像条件設定部68E2によるゲインの設定に従って、アナログ信号処理部68Bを制御する。すなわち、部位ごとに定められたゲインの設定でゲイン調整が行われるように、アナログ信号処理部68Bを制御する。
【0148】
図14は、干渉画像の撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【0149】
まず、測定対象とする切溝の測定対象とする部位が、測定位置に移動する(ステップS3_B0)。
【0150】
次に、第2撮像ユニット60が、撮像開始位置に移動する(ステップS3_B1)。
【0151】
撮像開始位置に移動後、ゲイン調整の設定が「ゲイン設定1」に設定されて(ステップS3_B2)、干渉画像の撮像が開始される(ステップS3_B3)。
【0152】
撮像開始後、撮像位置が第2部位Pz2に到達したか否が判定される(ステップS3_B4)。第2部位Pz2に到達していないと判定されると、ゲイン設定1のまま継続して干渉画像が撮像される。すなわち、ゲイン設定1でゲイン調整が行われて、干渉画像が撮像される。一方、第2部位Pz2に到達したと判定されると、ゲイン調整の設定が、「ゲイン設定2」に切り換えられる(ステップS3_B5)。以後、ゲイン設定2でゲイン調整が行われて、干渉画像が撮像される。
【0153】
ゲイン調整の設定が、ゲイン設定2に切り換えられた後、撮像位置が第3部位Pz3に到達したか否が判定される(ステップS3_B6)。第3部位Pz3に到達していないと判定されると、ゲイン設定2のまま継続して干渉画像が撮像される。すなわち、ゲイン設定2でゲイン調整が行われて、干渉画像が撮像される。一方、第3部位Pz3に到達したと判定されると、ゲイン調整の設定が、「ゲイン設定3」に切り換えられる(ステップS_B7)。以後、ゲイン設定3でゲイン調整が行われて、干渉画像が撮像される。
【0154】
この後、撮像位置が、撮像終了位置に到達したか否か判定される(ステップS3_B8)。撮像終了位置に到達していないと判定されると、ゲイン設定3のまま継続して干渉画像が撮像される。すなわち、ゲイン設定3でゲイン調整が行われて、干渉画像が撮像される。一方、撮像終了位置に到達したと判定されると、撮像が終了する(ステップS3_B9)。
【0155】
以上説明したように、本実施の形態のダイシング装置1によれば、撮像する部位に応じて、ゲイン調整の設定が切り替えられる。これにより、適切な明るさの画像を取得できる。また、これにより、精度よく切溝の形状を測定できる。
【0156】
なお、本例では、アナログ信号に対しゲイン調整を行う構成(いわゆるアナログゲイン調整)としているが、デジタル信号に対しゲイン調整を行う構成(いわゆるデジタルゲイン調整)としてもよい。
【0157】
また、上記の例では、撮像する部位を3つの部位に分ける場合を例に説明したが、撮像する部位の分割の態様は、これに限定されるものではない。より詳細に分割する構成とすることもできる。より詳細に分割することで、より詳細にゲインを調整できる。
【0158】
また、切溝Cを測定する場合、切溝Cの幅に応じてゲインを設定することが好ましい。
【0159】
[第3の実施の形態]
本実施の形態では、第2撮像ユニット60によって干渉画像を撮像する際、撮像する部位に応じて、自動的に露光時間が調整される。
【0160】
なお、干渉画像の撮像条件が異なる点以外は、上記第1の実施の形態のダイシング装置1の構成と同じである。よって、以下においては、干渉画像の撮像の制御に関する点についてのみ説明する。
【0161】
一例として、本実施の形態では、撮像素子68Aが、いわゆる電子シャッタの機能を有する。第2カメラ制御部68Eは、部位ごとに定められた露光時間で撮像が行われるように、撮像素子68Aを制御する。
【0162】
図15は、露光時間の制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【0163】
図15に示すように、第2カメラ制御部68Eは、ワーク情報取得部68E1、撮像条件設定部68E2及び露光制御部68E5の機能を有する。
【0164】
ワーク情報取得部68E1の機能は、上記第1の実施の形態と同じである。すなわち、ワーク情報を取得する。
【0165】
撮像条件設定部68E2は、ワーク情報に基づいて、撮像条件を設定する。本実施の形態では、撮像する部位ごとに撮像時の露光時間を定める。部位の設定は、上記第1の実施の形態と同じである(
図9参照)。
【0166】
第1部位Pz1を撮像する場合の露光時間を「第1時間T1」、第2部位Pz2を撮像する場合の露光時間を「第2時間T2」、第3部位Pz3を撮像する場合の露光時間を「第3時間T3」とする。
【0167】
第1部位Pz1の撮像は、通常の空気中の測定対象を撮像する場合と変わらない。よって、第1時間T1は、通常の空気中の測定対象を撮像する場合の露光時間と同じ時間に設定される。
【0168】
第2部位Pz2の撮像は、切溝Cの内部の撮像である。よって、第2時間T2は、第1時間T1よりも長い時間に設定される(第1時間T1<第2時間T2)。
【0169】
第3部位Pz3は、切溝Cの底面の撮像である。よって、第3時間T3は、切溝Cの底面の状態に応じて設定することが好ましい。底面が平滑面の場合(底面からの反射光がある場合)、第3時間T3は、第1時間T1と第2時間T2との間の時間に設定される(第1時間T1<第3時間T3<第2時間T2)。一方、底面が平滑面でない場合(底面からの反射光がほぼない場合、あるいは、切溝Cの内壁面よりも暗い場合)、あるいは、切溝Cの深さが深い場合(閾値以上の場合)などは、第2時間T2よりも長い時間に設定される(第2時間T2<第3時間T3)。
【0170】
部位ごとに定められた露光時間の設定情報は、たとえば、メモリに格納される。
【0171】
露光制御部68E5は、撮像条件設定部68E2による露光時間の設定に従って、撮像素子68Aの駆動を制御する。すなわち、部位ごと定められた露光時間で露光されるように、撮像素子68Aの駆動を制御する。
【0172】
図16は、干渉画像の撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【0173】
まず、測定対象とする切溝の測定対象とする部位が、測定位置に移動する(ステップS3_C0)。
【0174】
次に、第2撮像ユニット60が、撮像開始位置に移動する(ステップS3_C1)。
【0175】
撮像開始位置に移動後、露光時間が第1時間T1に設定されて(ステップS3_C2)、干渉画像の撮像が開始される(ステップS3_C3)。
【0176】
撮像開始後、撮像位置が第2部位Pz2に到達したか否が判定される(ステップS3_C4)。第2部位Pz2に到達していないと判定されると、露光時間が、第1時間T1のまま継続して干渉画像が撮像される。一方、第2部位Pz2に到達したと判定されると、露光時間が第2時間T2に切り換えられる(ステップS3_C5)。以後、露光時間を第2時間T2として、干渉画像が撮像される。
【0177】
露光時間が第2時間T2に切り換えられた後、撮像位置が第3部位Pz3に到達したか否が判定される(ステップS3_C6)。第3部位Pz3に到達していないと判定されると、露光時間が第2時間T2のまま継続して干渉画像が撮像される。一方、第3部位Pz3に到達したと判定されると、露光時間が第3時間T3に切り換えられる(ステップS_C7)。以後、露光時間を第3時間T3として、干渉画像が撮像される。
【0178】
この後、撮像位置が、撮像終了位置に到達したか否か判定される(ステップS3_C8)。撮像終了位置に到達していないと判定されると、第3時間T3のまま継続して干渉画像が撮像される。一方、撮像終了位置に到達したと判定されると、撮像が終了する(ステップS3_C9)。
【0179】
以上説明したように、本実施の形態のダイシング装置1によれば、撮像する部位に応じて、露光時間が切り替えられる。これにより、適切な明るさの画像を取得できる。また、これにより、精度よく切溝の形状を測定できる。
【0180】
なお、上記の例では、撮像する部位を3つの部位に分ける場合を例に説明したが、撮像する部位の分割の態様は、これに限定されるものではない。より詳細に分割する構成とすることもできる。より詳細に分割することで、より詳細に露光時間を制御できる。
【0181】
また、切溝Cを測定する場合、切溝Cの幅に応じて露光時間を設定することが好ましい。
【0182】
[第4の実施の形態]
本実施の形態では、第2撮像ユニット60によって干渉画像を撮像する際、撮像する部位に応じて、自動的に階調が補正される。
【0183】
なお、干渉画像の撮像条件が異なる点以外は、上記第1の実施の形態のダイシング装置1の構成と同じである。よって、以下においては、干渉画像の撮像の制御に関する点についてのみ説明する。
【0184】
階調補正は、デジタル信号処理部68Dで行われる。第2カメラ制御部68Eは、部位ごとに定められた設定に従って階調補正が行われるように、デジタル信号処理部68Dを制御する。
【0185】
図17は、階調補正の制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【0186】
図17に示すように、第2カメラ制御部68Eは、ワーク情報取得部68E1、撮像条件設定部68E2及び階調制御部68E6の機能を有する。
【0187】
ワーク情報取得部68E1の機能は、上記第1の実施の形態と同じである。すなわち、ワーク情報を取得する。
【0188】
撮像条件設定部68E2は、ワーク情報に基づいて、撮像条件を設定する。本実施の形態では、撮像する部位ごとに階調補正の設定を定める。部位の設定は、上記第1の実施の形態と同じである(
図9参照)。
【0189】
第1部位Pz1を撮像する場合の階調補正の設定を「階調設定1」、第2部位Pz2を撮像する場合の階調補正の設定を「階調設定2」、第3部位Pz3を撮像する場合の階調補正の設定を「階調設定3」とする。
【0190】
図18は、階調補正の設定の一例を示す図である。
図18は、撮像される画像が8ビット画像(8bit画像)である場合の例を示している。すなわち、画像の階調が256階調で表現される場合の例を示している。
【0191】
第1部位Pz1の撮像は、通常の空気中の測定対象を撮像する場合と変わらない。よって、階調設定1は、通常の空気中の測定対象を撮像する場合の階調補正の設定と同じ設定とされる。
図18(A)は、階調設定1の階調変換特性の一例を示している。本例では、入力と出力がリニアな関係となる設定としている。
【0192】
第2部位Pz2の撮像は、切溝Cの内部の撮像である。よって、階調設定2は、暗い領域を撮像する場合の設定とされる。具体的には、暗い入力データを増幅する設定とされる。
図18(B)は、階調設定2の階調変換特性の一例を示している。本例では、暗い入力データを増幅する関係となる設定としている。
図18(B)に示す例では、入力100で最大(255)となる設定としている。
【0193】
第3部位Pz3は、切溝Cの底面の撮像である。よって、階調設定3は、切溝Cの底面の状態に応じて設定することが好ましい。底面が平滑面の場合(底面からの反射光がある場合)、階調設定1と階調設定2の中間の設定とされる。
図18(C)は、この場合の階調設定3の階調変換特性の一例を示している。同図に示す例では、入力150で最大(255)となる設定としている。一方、底面が平滑面でない場合(底面からの反射光がほぼない場合、あるいは、切溝Cの内壁面よりも暗い場合)、あるいは、切溝Cの深さが深い場合(閾値以上の場合)などは、階調設定2よりも暗い領域を撮像する場合の設定とされる。
図18(D)は、この場合の階調設定3の階調変換特性の一例を示している。同図に示す例では、入力50で最大(255)となる設定としている。
【0194】
図18は、撮像される画像が8ビット画像の場合の例であるが、撮像される画像が14ビット画像(14bit画像)の場合、16384階調(0~16383)で画像が表現される。
【0195】
階調補正は、たとえば、ルックアップテーブル(Lookup table:LUT)等のテーブル(階調変換テーブル)を利用して行う。この場合、撮像する部位ごとに使用する階調変換テーブルが定められる。
【0196】
部位ごとに定められた階調補正の設定(使用する階調変換テーブルの設定)の情報は、たとえば、メモリに格納される。
【0197】
階調制御部68E6は、撮像条件設定部68E2で定められた階調補正の設定に従って部位ごとに階調補正が行われるように、デジタル信号処理部68Dを制御する。
【0198】
図19は、干渉画像の撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【0199】
まず、測定対象とする切溝の測定対象とする部位が、測定位置に移動する(ステップS3_D0)。
【0200】
次に、第2撮像ユニット60が、撮像開始位置に移動する(ステップS3_D1)。
【0201】
撮像開始位置に移動後、階調補正の設定が「階調設定1」に設定されて(ステップS3_D2)、干渉画像の撮像が開始される(ステップS3_D3)。
【0202】
撮像開始後、撮像位置が第2部位Pz2に到達したか否が判定される(ステップS3_D4)。第2部位Pz2に到達していないと判定されると、階調設定1のまま継続して干渉画像が撮像される。すなわち、階調設定1で階調補正が行われて、干渉画像が撮像される。一方、第2部位Pz2に到達したと判定されると、階調補正の設定が、「階調設定2」に切り換えられる(ステップS3_D5)。以後、階調設定2で階調補正が行われて、干渉画像が撮像される。
【0203】
階調補正の設定が、階調設定2に切り換えられた後、撮像位置が第3部位Pz3に到達したか否が判定される(ステップS3_D6)。第3部位Pz3に到達していないと判定されると、階調設定2のまま継続して干渉画像が撮像される。すなわち、階調設定2で階調補正が行われて、干渉画像が撮像される。一方、第3部位Pz3に到達したと判定されると、階調補正の設定が、「階調設定3」に切り換えられる(ステップS_D7)。以後、階調設定3で階調補正が行われて、干渉画像が撮像される。
【0204】
この後、撮像位置が、撮像終了位置に到達したか否か判定される(ステップS3_D8)。撮像終了位置に到達していないと判定されると、階調設定3のまま継続して干渉画像が撮像される。すなわち、階調設定3で階調補正が行われて、干渉画像が撮像される。一方、撮像終了位置に到達したと判定されると、撮像が終了する(ステップS3_D9)。
【0205】
以上説明したように、本実施の形態のダイシング装置1によれば、撮像する部位に応じて、階調補正の設定が切り替えられる。これにより、適切な明るさの画像を取得できる。また、これにより、精度よく切溝の形状を測定できる。
【0206】
なお、上記の例では、撮像する部位を3つの部位に分ける場合を例に説明したが、撮像する部位の分割の態様は、これに限定されるものではない。より詳細に分割する構成とすることもできる。より詳細に分割することで、より詳細に撮像する画像の階調を調整できる。
【0207】
また、切溝Cを測定する場合、切溝Cの幅に応じて階調補正の設定を変えることが好ましい。
【0208】
[第5の実施の形態]
本実施の形態では、第2撮像ユニット60によって干渉画像を撮像する際、撮像する部位に応じて、画素値(輝度値)の出力範囲が切り替えられる。
【0209】
なお、干渉画像の撮像条件が異なる点以外は、上記第1の実施の形態のダイシング装置1の構成と同じである。よって、以下においては、干渉画像の撮像の制御に関する点についてのみ説明する。
【0210】
画素値の出力範囲を調整する処理は、デジタル信号処理部68Dで行われる。第2カメラ制御部68Eは、部位ごとに定められた出力範囲で画素値が出力されるように、デジタル信号処理部68Dを制御する。
【0211】
図20は、画素値の出力の制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【0212】
図20に示すように、第2カメラ制御部68Eは、ワーク情報取得部68E1、撮像条件設定部68E2及び画素出力制御部68E7の機能を有する。
【0213】
ワーク情報取得部68E1の機能は、上記第1の実施の形態と同じである。すなわち、ワーク情報を取得する。
【0214】
撮像条件設定部68E2は、ワーク情報に基づいて、撮像条件を設定する。本実施の形態では、撮像する部位ごとに画素値の出力範囲を定める。部位の設定は、上記第1の実施の形態と同じである(
図9参照)。
【0215】
第1部位Pz1を撮像する場合の出力範囲の設定を「出力設定1」、第2部位Pz2を撮像する場合の出力範囲の設定を「出力設定2」、第3部位Pz3を撮像する場合の出力範囲の設定を「出力設定3」とする。
【0216】
第1部位Pz1の撮像は、通常の空気中の測定対象を撮像する場合と変わらない。よって、出力設定1は、通常の空気中の測定対象を撮像する場合と同じ設定とされる。たとえば、8ビット画像(画素値が0~255の画像)の場合、100以上の画素値を出力する設定とされる(画素値が100未満の画素は、0ないしNULLとして画素値を出力する。)。
【0217】
第2部位Pz2の撮像は、切溝Cの内部の撮像である。よって、出力設定2は、暗い領域を撮像する場合の設定とされる。たとえば、8ビット画像の場合、0以上、100未満の画素値を出力する設定とされる(画素値が100以上の画素は、0ないしNULLとして画素値を出力する。)。
【0218】
第3部位Pz3は、切溝Cの底面の撮像である。よって、出力設定3は、切溝Cの底面の状態に応じて設定することが好ましい。底面が平滑面の場合(底面からの反射光がある場合)、出力設定1と出力設定2の中間の設定とされる。たとえば、8ビット画像の場合、50以上、150未満の画素値を出力する設定とされる(画素値が50未満、及び、150以上の画素は、0ないしNULLとして画素値を出力する。)。一方、底面が平滑面でない場合(底面からの反射光がほぼない場合、あるいは、切溝Cの内壁面よりも暗い場合)、あるいは、切溝Cの深さが深い場合(閾値以上の場合)などは、出力設定2よりも暗い領域を撮像する場合の設定とされる。たとえば、8ビット画像の場合、0以上、50未満の画素値を出力する設定とされる(画素値が50以上の画素は、0ないしNULLとして画素値を出力する。)。
【0219】
画素値の出力範囲は、たとえば、フィルタ処理によって制御する。この場合、部位ごとに使用するフィルタが設定される。部位ごとに定められた画素値の出力範囲の設定(使用するフィルタの設定)の情報は、たとえば、メモリに格納される。
【0220】
画素出力制御部68E7は、撮像条件設定部68E2で定められた設定に従って、画素値が出力されるように、デジタル信号処理部68Dを制御する。画素値の出力範囲を制限することで、制限を受けた画素の画素値が、0ないしNULLとなった画像データが生成される。
【0221】
図21は、干渉画像の撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【0222】
まず、測定対象とする切溝の測定対象とする部位が、測定位置に移動する(ステップS3_E0)。
【0223】
次に、第2撮像ユニット60が、撮像開始位置に移動する(ステップS3_E1)。
【0224】
撮像開始位置に移動後、出力範囲の設定が「出力設定1」に設定されて(ステップS3_E2)、干渉画像の撮像が開始される(ステップS3_E3)。
【0225】
撮像開始後、撮像位置が第2部位Pz2に到達したか否が判定される(ステップS3_E4)。第2部位Pz2に到達していないと判定されると、出力設定1のまま継続して干渉画像が撮像される。すなわち、出力設定1で定められた出力範囲で画素値が出力される。一方、第2部位Pz2に到達したと判定されると、出力範囲の設定が、「出力設定2」に切り換えられる(ステップS3_E5)。以後、出力設定2で定められた出力範囲で画素値が出力される。
【0226】
出力範囲の設定が、出力設定2に切り換えられた後、撮像位置が第3部位Pz3に到達したか否が判定される(ステップS3_E6)。第3部位Pz3に到達していないと判定されると、出力設定2のまま継続して干渉画像が撮像される。すなわち、出力設定2で定められた出力範囲で画素値が出力される。一方、第3部位Pz3に到達したと判定されると、出力範囲の設定が、「出力設定3」に切り換えられる(ステップS_E7)。以後、出力設定3で定められた出力範囲で画素値が出力される。
【0227】
この後、撮像位置が、撮像終了位置に到達したか否か判定される(ステップS3_E8)。撮像終了位置に到達していないと判定されると、出力設定3のまま継続して干渉画像が撮像される。すなわち、出力設定3で定められた出力範囲で画素値が出力される。一方、撮像終了位置に到達したと判定されると、撮像が終了する(ステップS3_E9)。
【0228】
以上説明したように、本実施の形態のダイシング装置1によれば、撮像する部位に応じて、画素値の出力範囲が制限される。これにより、画像中にノイズ成分が含まれるのを抑制できる。また、これにより、精度よく切溝の形状を測定できる。
【0229】
なお、上記の例では、撮像する部位を3つの部位に分ける場合を例に説明したが、撮像する部位の分割の態様は、これに限定されるものではない。より詳細に分割する構成とすることもできる。より詳細に分割することで、より詳細に画素値の出力範囲を制御できる。
【0230】
また、切溝Cを測定する場合、切溝Cの幅に応じて画素値の出力範囲を設定することが好ましい。
【0231】
[第6の実施の形態]
図22は、白色干渉計によるウェーハの切溝の測定結果の一例を示す図である。同図は、三次元形状データを二次元断面(切溝CのYZ断面)に投影した図である。
【0232】
図22に示すように、ウェーハの表面に加工された切溝Cを白色干渉計で測定すると、ウェーハWの表面付近でノイズが発生する場合がある。また、表面付近において、溝内部に干渉縞の映り込みが発生する場合がある。更に、溝内部においても、ゴースト状の干渉縞が発生する場合がある。
【0233】
これらのノイズや本来何もない領域に発生する干渉縞は、本来の形状を抽出する際の不安定要因、誤検出要因となる。
【0234】
そこで、本実施の形態では、撮像された干渉画像から形状抽出に必要な領域のみを抽出し、抽出した画像を撮像画像としてシステムコントローラ100に出力する。すなわち、測定に不要な領域をカットして出力する。これにより、本来の形状を抽出する際の不安定要因、誤検出要因を排除できる。
【0235】
【0236】
図23は、切溝Cの形状を測定する場合の例を示している。
図23において、太線Lは、切溝Cの断面(YZ断面)の輪郭形状を示している。また、斜線で示す領域(ハッチングの領域)は、設定する出力範囲の一例を示している。
【0237】
切溝Cを測定する場合、ウェーハの表面Fa1、切溝Cの内壁面Fa2及び切溝Cの底面Fa3の位置が、画像から抽出される。したがって、これらの面を含む範囲が、画像の出力範囲に設定される。
図23に示す例では、抽出対象とする面の位置を中心とした一定幅の範囲を出力範囲としている。これにより、形状抽出に必要な領域のみを抽出して、出力できる。
【0238】
画像の出力範囲の設定及びその制御は、たとえば、第2カメラ制御部68Eで行われる。第2カメラ制御部68Eは、たとえば、ワーク情報に基づいて、画像の出力範囲を設定する。
【0239】
画像の出力範囲を調整する処理は、デジタル信号処理部68Dで行われる。第2カメラ制御部68Eは、設定に従って画像が出力されるように、デジタル信号処理部68Dを制御する。
【0240】
図24は、画像の出力の制御に関して第2カメラ制御部が有する機能のブロック図である。
【0241】
図24に示すように、第2カメラ制御部68Eは、ワーク情報取得部68E1、画像出力範囲設定部68E8及び画像出力制御部68E9の機能を有する。
【0242】
ワーク情報取得部68E1の機能は、上記第1の実施の形態と同じである。すなわち、ワーク情報を取得する。
【0243】
画像出力範囲設定部68E3は、ワーク情報に基づいて、画像の出力範囲を設定する。画像の出力範囲は、Z軸方向における撮像位置ごとに設定される。
【0244】
上記のように、画像の出力範囲は、抽出する面(ウェーハWの表面、切溝Cの内壁面、切溝Cの底面)を含むように設定される(
図23参照)。たとえば、抽出する面の位置を基準として、一定幅の範囲を画像の出力範囲として設定する。画像の出力範囲は、切溝Cの加工形状の情報(切溝Cの断面の形状の情報)に基づいて設定される。
【0245】
画像出力制御部68E9は、画像出力範囲設定部68E8による出力範囲の設定に従って、画像が出力されるように、デジタル信号処理部68Dを制御する。すなわち、Z軸方向の撮像位置ごとに定められた出力範囲で画像が出力されるように、デジタル信号処理部68Dを制御する。
【0246】
デジタル信号処理部68Dは、出力範囲以外の画素の画素値を0ないしNULLとして、画像を出力する。出力された画像は、画像処理部110に加えられ、三次元形状データの生成に供される。
【0247】
このように、本実施の形態によれば、撮像された干渉画像から形状抽出に必要な領域のみを抽出し、抽出した画像を撮像画像として出力する。これにより、測定に不要な領域をカットして出力する。これにより、本来の形状を抽出する際の不安定要因、誤検出要因を排除でき、安定した測定が可能になる。
【0248】
なお、上記の例では、第2撮像ユニット60側で画像の出力範囲を調整する処理を行う構成としているが、第2撮像ユニット60とは別のユニットで同様の処理を行う構成としてもよい。たとえば、システムコントローラ100で行う構成としてもよい。あるいは、別に設けたユニットで行う構成としてもよいし、画像処理部110で行う構成としてもよい。
【0249】
[第7の実施の形態]
本実施の形態では、撮像された画像に基づいて、画像の出力範囲を自動設定する。具体的には、撮像された干渉画像から測定対象の界面の位置(又は、所定の面及びこの面と交差する他の面との交点)を認識して、出力範囲を自動設定する。切溝Cの場合、撮像された干渉画像からウェーハWの表面、切溝Cの内壁面、及び、切溝Cの底面の位置を認識して、出力範囲を設定する。
【0250】
【0251】
図25は、切溝Cの形状を測定する場合の例を示している。
図25において、太線Lは、切溝Cの断面(YZ断面)の輪郭形状を示している。
【0252】
切溝Cの場合、ウェーハの表面、切溝Cの内壁面、及び、切溝Cの底面が抽出対象とされる。したがって、ウェーハの表面、切溝Cの内壁面、及び、切溝Cの底面を含む一定の範囲が、画像の出力範囲として設定される。本実施の形態では、各面の位置を中心とした一定幅の範囲を画像の出力範囲として設定する。
【0253】
図25において、矩形の枠F1及びF5で示す範囲は、ウェーハの表面に対して設定する画像の出力範囲である。また、矩形の枠F2及びF4で示す範囲は、切溝Cの内壁面に対して設定する画像の出力範囲である。また、矩形の枠F3で示す範囲は、切溝Cの底面に対して設定する画像の出力範囲である。各枠F1~F5は、隣り合う枠同士が端部で連結された構成を有する。たとえば、枠F2は、枠F1の一端と枠F3の一端とを連結し、枠F4は、枠F5の一端と枠F3の一端とを連結する。
【0254】
本実施の形態では、画像から認識した各面(ウェーハの表面、切溝Cの内壁面、切溝Cの底面)に枠F1~F5を設定して、画像の出力範囲を動的に設定する。
【0255】
【0256】
図26(A)は、撮像開始時の枠F1~F5の設定状態を示している。撮像開始時、各枠F1~F5は、横一列に並んだ状態にある。
【0257】
撮像位置の移動に連動して、各枠F1~F5が移動する。
【0258】
図26(B)は、ウェーハの表面が認識された際の枠F1~F5の設定状態を示している。画像からウェーハの表面の位置が認識されると、枠F1、F5の移動が停止される。また、エッジの位置が調整される。これにより、ウェーハの表面に対して設定する画像の出力範囲が定まる。
【0259】
図26(C)は、切溝Cの内壁面を撮像している最中の枠F1~F5の設定状態を示している。枠F2及び枠F4は、伸縮可能な枠(いわゆるラバーバンド)として構成される。上記のように、ウェーハの表面の位置が認識されると、枠F1及び枠F5は移動が停止される。一方、枠F2~F4については、継続して、撮像位置の移動に連動して移動する。この際、枠F2、F4が、枠F1、F5と枠F3との間で伸長する。この際、枠F2、F4は、画像から認識された切溝Cの内壁面の位置を基準として、傾きが調整されて伸長される。これにより、切溝Cの内壁面に対して設定する画像の出力範囲が定まる。
【0260】
図26(D)は、切溝Cの底面が認識された場合の枠F1~F5の設定状態を示している。画像から切溝Cの底面の位置が認識されると、枠F3の移動が停止される。これにより、切溝Cの底面に対して設定する画像の出力範囲が定まる。
【0261】
このように、本実施の形態では、画像から抽出対象の各面(ウェーハの表面、切溝Cの内壁面、切溝Cの底面)を認識して、枠F1~F5を設定し、画像の出力範囲を動的に設定する。換言すると、界面の位置を追尾して、枠F1~F5を設定し、画像の出力範囲を設定する。
【0262】
【0263】
画像出力の制御は、第2カメラ制御部68E及びデジタル信号処理部68Dが協働して行う。画像出力の制御に関して、第2カメラ制御部68Eは、画像出力範囲設定部68E8及び画像出力制御部68E9の機能を有する。また、デジタル信号処理部68Dは、バッファ処理部68D1、画像認識部68D2及び画像出力処理部68D3の機能を有する。
【0264】
バッファ処理部68D1は、処理対象の画像データをバッファ処理する。すなわち、メモリに一時的に格納する処理を行う。画像データは、時系列順にメモリに格納される。
【0265】
画像認識部68D2は、撮像された画像を解析し、抽出対象の面を認識する。本実施の形態では、切溝Cを測定対象とすることから、ウェーハWの表面、切溝Cの内壁面及び切溝Cの底面を認識する。画像認識には、公知の手法を採用できる。たとえば、ウェーハWの表面については、枠F1、F5の内部の干渉強度の強い点数が、表面と認識できる状態(点数、面積、Hough近似線等の特徴量を利用)になった時点で表面と認識する手法を採用できる。同様に、切溝Cの底面は、F3の内部の干渉強度の強い点数が、底面と認識できる状態になった時点で底面と認識する手法を採用できる。また、切溝Cの内壁面については、候補点の並びから領域の角度を分析(たとえば、Houghラインの傾き、最小自乗乗直線の傾き、点列の長軸の傾き)し、傾斜角度を求める。
【0266】
画像出力範囲設定部68E8は、画像認識部68D2による抽出対象の面の認識結果に基づいて、画像の出力範囲を設定する。本実施の形態では、枠F1~F5を設定し、各面(ウェーハの表面、切溝Cの内壁面、切溝Cの底面)での画像出力範囲を設定する。
【0267】
画像出力制御部68E9は、画像出力範囲設定部68E8で設定された出力範囲に基づいて、画像出力処理部68D3に画像の出力処理を行わせる。
【0268】
画像出力処理部68D3は、画像出力制御部68E9の指示に基づいて、メモリに格納された画像データを処理し、出力用の画像データを生成する。すなわち、設定された出力範囲の画像を抽出し、出力用の画像データを生成する。出力用の画像データは、出力範囲として設定された範囲以外を0ないしNULLとした画像が生成される。
【0269】
このように、本実施の形態では、撮像された画像を認識して、画像の出力範囲を設定する。これにより、適切に出力範囲を設定できる。
【0270】
上記の例では、切溝Cの内壁面の出力範囲を設定する枠F2、F4を伸縮する枠で構成しているが、いわゆる多関節の枠で構成することもできる。
【0271】
図28は、多関節の枠を用いて画像の出力範囲を設定する場合の一例を示す図である。
【0272】
図28は、ステップカットされた切溝の形状を測定する場合の例を示している。ステップカットでは、ハーフカット後、ハーフカット内部をフルカットする。このため、切溝Cの断面は、段部を有する。
【0273】
多関節の枠F2A、F4Aは、一定の長さを有する枠F2a、F4aを連続的に生成することで構成される。各枠F2a、F4aは、隣り合う枠同士が屈曲可能に連結される。これにより、より断面の形状にマッチした枠F2A、F4Aを設定できる。特に、本例の切溝Cのように、内壁面が直線状でない場合(段部を有する場合や曲面の場合など)に有効である。
【0274】
図29は、画像の出力範囲を設定する枠の他の一例を示す図である。
【0275】
図29に示す例は、極点単位で枠を分割して設定する場合の例を示している。切溝Cの内壁面の出力範囲を設定する枠F2B、F4Bについては、伸縮する構成とする一方、極点ごとに伸長を止めて、新たな枠を生成する構成とする。
図29に示す例では、極点となる段部の端点、及び、曲面の端点において、枠F2b、F4bの伸長を止め、新たな枠F2b、F4bを生成している。これにより、断面の形状にマッチした枠F2B、F4Bを設定できる。
【0276】
なお、上記の例では、枠の幅を一定としているが、測定対象とする面の傾き等に応じて設定する構成としてもよい。
【0277】
また、ワーク情報を取得できる場合には、ワーク情報を利用して、各枠F1~F5を設定することが好ましい。たとえば、初期の各枠F1~F5については、ワーク情報を利用して、その幅及び長さを設定することが好ましい。また、各面の認識もワーク情報を利用して行うことが好ましい。
【0278】
更に、画像認識に使用する画像は、上記撮像制御を行って撮像した画像であることが好ましい。これにより、画像認識が容易になる。
【0279】
また、上記の例では、第2撮像ユニット60側で画像の出力範囲を調整する処理を行う構成としているが、第2撮像ユニット60とは別のユニットで同様の処理を行う構成としてもよい。
【0280】
また、上記では画像の出力範囲としているが、最小二乗線、Houghライン、主軸を界面=断面形状領域として出力することもできる。
【0281】
[その他の実施の形態]
上記各実施の形態は、適宜組み合わせて実施できる。すなわち、照明光の光量の調整、ゲイン調整、階調補正、露光時間の調整、及び、画素値の出力範囲の調整等を適宜組み合わせて実施できる。また、画像の出力範囲の調整も適宜組み合わせて実施できる。
【0282】
また、Z軸の方向に走査して撮像する際に各部位に設定する撮像条件は、上記実施の形態のものに限定されず、種々の条件を設定できる。
【0283】
また、上記実施の形態では、三次元形状データの生成処理を第2撮像ユニット60とは別の画像処理部110で行う構成としているが、画像処理部110の機能を第2撮像ユニット60に持たせてもよい。
【0284】
また、上記実施の形態では、第2撮像ユニット60が白色干渉計で構成される場合を例に説明したが、本発明は、第2撮像ユニット60が他の光干渉方式の形状測定装置で構成される場合にも適用できる。また、干渉光学系については、ミラウ型の他、マイケルソン型、フィゾー型等の干渉光学系を採用することもできる。
【0285】
更に、本発明は、第2撮像ユニット60が、レーザ顕微鏡(照明光源としてレーザ、光学系に共焦点方式を使用した光学系顕微鏡)で構成される場合や、フォーカスバリエーション法で撮像する場合にも適用できる。
【0286】
また、上記実施の形態では、いわゆるツインスピンドルダイサに本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。装置に搭載されるスピンドルの数は、1であってもよいし、また、3以上であってもよい。また、上記実施の形態では、半導体のウェーハを加工する場合を例に説明したが、加工対象は、これに限定されるものではない。
【0287】
また、上記実施の形態では、第2撮像ユニット60の駆動部を第2加工ユニット40Bの駆動部と共用する構成としているが、各々独立した駆動部を備える構成としてもよい。あるいは、装置内に別途測定部を設け、測定部で測定する構成としてもよい。
【0288】
また、上記実施の形態では、Z軸方向に走査して撮像する際、第2撮像ユニット60側を移動させる構成としているが、テーブル10側を移動させる構成としてもよい。あるいは、双方を移動させる構成としてもよい。すなわち、テーブル10上のワークに対し、第2撮像ユニット60がZ軸の方向に沿って相対的に移動できる構成であればよい。
【符号の説明】
【0289】
1…ダイシング装置、2…ベース、3…コラム、10…テーブル、10A…保持面、11…テーブル駆動ユニット、30X…X軸送り機構、30YA…第1Y軸送り機構、30YB…第2Y軸送り機構、30ZA…第1Z軸送り機構、30ZB…第2Z軸送り機構、31X…X軸ガイドレール、31YA…第1Y軸ガイドレール、31YB…第2Y軸ガイドレール、31ZA…第1Z軸ガイドレール、31ZB…第2Z軸ガイドレール、32X…X軸テーブル、32YA…第1Y軸テーブル、32YB…第2Y軸テーブル、32ZA…第1Z軸テーブル、32ZB…第2Z軸テーブル、33X…X軸アクチュエータ、33YA…第1Y軸アクチュエータ、33YB…第2Y軸アクチュエータ、33ZA…第1Z軸アクチュエータ、33ZB…第2Z軸アクチュエータ、40A…第1加工ユニット、40B…第2加工ユニット、41…ブレード、42A…第1スピンドル、42B…第2スピンドル、43A…第1スピンドルモータ、43B…第2スピンドルモータ、44A…ブラケット、44B…ブラケット、50…第1撮像ユニット、51…第1顕微鏡部、52…照明部、52A…照明光源、52B…照明用レンズ、53…ビームスプリッタ、54…対物レンズ、55…結像レンズ、56…第1カメラ部、56A…撮像素子、56B…アナログ信号処理部、56D…デジタル信号処理部、56E…第1カメラ制御部、60…第2撮像ユニット、60B…第2撮像ユニット、61…第2顕微鏡部、62…照明部、62A…照明光源、62B…照明用レンズ、63…第1ビームスプリッタ、64…対物レンズ、65…ガラスプレート、65A…参照ミラー、66…第2ビームスプリッタ、67…結像レンズ、68…第2カメラ部、68A…撮像素子、68B…アナログ信号処理部、68D…デジタル信号処理部、68D1…バッファ処理部、68D2…画像認識部、68D3…画像出力処理部、68E…第2カメラ制御部、68E1…ワーク情報取得部、68E2…撮像条件設定部、68E3…照明制御部、68E4…ゲイン制御部、68E5…露光制御部、68E6…階調制御部、68E7…画素出力制御部、68E8…画像出力範囲設定部、68E9…画像出力制御部、100…システムコントローラ、110…画像処理部、110A…アライメント部、110B…カーフチェック部、110C…カーフ形状測定部、120…操作部、130…表示部、140…通信部、C…切溝、DF…ダイシングフレーム、DT…ダイシングテープ、F1…枠、F2…枠、F2A…枠、F2B…枠、F2a…枠、F2b…枠、F3…枠、F4…枠、F5…枠、Fa1…ウェーハの表面、Fa2…切溝の内壁面、Fa3…切溝の底面、L…切溝の断面の輪郭形状、W…ウェーハ、Z0…撮像開始位置、Z1…ウェーハの表面の位置、Z2…切溝の底面の位置、ZE…撮像終了位置