(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073497
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】NANDメモリ操作のためのアーキテクチャおよび方法
(51)【国際特許分類】
G11C 16/34 20060101AFI20240522BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20240522BHJP
G11C 16/10 20060101ALI20240522BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240522BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240522BHJP
H10B 43/40 20230101ALI20240522BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240522BHJP
H10B 41/40 20230101ALI20240522BHJP
【FI】
G11C16/34 116
G11C16/04 170
G11C16/10 140
H10B43/27
H01L29/78 371
H10B43/40
H10B41/27
H10B41/40
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024032962
(22)【出願日】2024-03-05
(62)【分割の表示】P 2022579006の分割
【原出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チャンヒュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】シャンナン・ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ハイボ・リ
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225BA01
5B225BA19
5B225CA04
5B225DA03
5B225DB09
5B225DB22
5B225EA05
5B225EG14
5B225FA02
5B225FA06
5B225FA07
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP76
5F083ER22
5F083GA05
5F083GA10
5F083GA11
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083KA18
5F083LA03
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA20
5F083ZA21
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE02
5F101BE05
5F101BF05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ホットキャリア注入(HCI)が誘発するエッジ合計(ESUM)損失を低減し、3D-NANDメモリデバイスのメモリセルを検証する/読み取る間の電力消費を低減する装置及び方法を提供する。
【解決手段】方法は、プレ検証段階において、第1の検証電圧を第1のメモリセルストリングの選択したメモリセルのゲート端子に印加し、選択したメモリセルを、第1の隣接メモリセルと第2の隣接メモリセルの間でプログラミングして配置し、第1のバイアス電圧を、プログラミングされない第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加し、検証段階において、第2の検証電圧を、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に印加し、第1のバイアス電圧より小さい第2のバイアス電圧を、プログラミングされない第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含む第1のメモリセルストリングと、直列に接続されたBSGトランジスタ、メモリセル、およびTSGトランジスタを含む第2のメモリセルストリングとを含むメモリデバイスを読み取るための方法であって、
プレ検証段階において、第1の検証電圧を、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に印加するステップであって、前記選択されたメモリセルは、第1の隣接メモリセルと第2の隣接メモリセルの間でプログラミングされ、配置される、ステップと、
前記プレ検証段階において、第1のバイアス電圧を、前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタの間に位置付けられた前記第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加するステップと、
検証段階において、第2の検証電圧を、前記第1のメモリセルストリングの前記選択されたメモリセルの前記ゲート端子に印加するステップと、
前記検証段階において、第2のバイアス電圧を、前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタの間に位置付けられた前記第1のメモリセルストリングの前記少なくとも1つのメモリセルの前記ゲート端子に印加するステップであって、前記第2のバイアス電圧は、前記第1のバイアス電圧より小さい、ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第2のバイアス電圧は、前記第1のバイアス電圧より20%から30%小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プレ検証段階において、
第1のゲート電圧を、前記第2のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタのゲート端子に印加するステップと、
第1のパス電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルのゲート端子に印加するステップと、
第1の読取り電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルのゲート端子に印加するステップと、
前記検証段階において、
第2のゲート電圧を、前記第2のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタの前記ゲート端子に印加するステップと、
第2のパス電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルの前記ゲート端子に印加するステップと、
第2の読取り電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルの前記ゲート端子に印加するステップと
をさらに含み、
前記第2のパス電圧と前記第2の読取り電圧のうちの少なくとも1つは、前記第2のゲート電圧より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ボトムバイアス電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタのゲート端子に印加するステップと、
トップバイアス電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタのゲート端子に印加するステップと、
正電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタの間に位置付けられた任意のメモリセルのゲート端子に印加するステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の検証電圧は、前記第2の検証電圧より小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のバイアス電圧は、前記プレ検証段階の第1の部分において、初期電圧から増加され、その後、前記第2のバイアス電圧にまで低減され、前記第1のバイアス電圧は、前記プレ検証段階の第2の部分において前記第2のバイアス電圧と等しく、
前記第1のパス電圧は、前記プレ検証段階において、前記初期電圧から前記第2のパス電圧にまで増加され、
前記第1の読取り電圧は、前記プレ検証段階において、前記初期電圧から前記第2の読取り電圧にまで増加され、
前記第1のゲート電圧は、前記プレ検証段階の前記第1の部分において、前記初期電圧から、ある持続時間にわたって維持される電圧にまで増加され、その後、前記第1のゲート電圧は、前記第2のゲート電圧にまで低減され、前記第1のゲート電圧は、前記プレ検証段階の前記第2の部分において、前記第2のゲート電圧と等しい、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ボトムバイアス電圧は、前記初期電圧から、前記プレ検証段階の前記第2の部分、および前記検証段階を通して維持される電圧にまで増加され、
前記トップバイアス電圧は、前記初期電圧から、前記プレ検証段階の前記第2の部分、および前記検証段階を通して維持される電圧にまで増加され、
前記正電圧は、前記プレ検証段階において、前記初期電圧から増加される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含む第1のメモリセルストリングと、直列に接続されたBSGトランジスタ、メモリセル、およびTSGトランジスタを含む第2のメモリセルストリングとを含むメモリデバイスを読み取るための方法であって、
プレ検証段階において、第1の検証電圧を、前記第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に印加するステップであって、前記選択されたメモリセルは、第1の隣接メモリセルと第2の隣接メモリセルの間でプログラミングされ、配置される、ステップと、
前記プレ検証段階において、第1のバイアス電圧を、前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタの間に位置付けられた前記第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加するステップと、
検証段階において、第2の検証電圧を、前記第1のメモリセルストリングの前記選択されたメモリセルの前記ゲート端子に印加するステップと、
前記検証段階において、第2のバイアス電圧を、前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタの間に位置付けられた前記第1のメモリセルストリングの前記少なくとも1つのメモリセルの前記ゲート端子に印加するステップであって、前記第2のバイアス電圧は、前記第1のバイアス電圧より小さい、ステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記第2のバイアス電圧は、前記第1のバイアス電圧より20%から30%小さい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記プレ検証段階において、
第1のゲート電圧を、前記第2のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタのゲート端子に印加するステップと、
第1のパス電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルのゲート端子に印加するステップと、
第1の読取り電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルのゲート端子に印加するステップと、
前記検証段階において、
第2のゲート電圧を、前記第2のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタの前記ゲート端子に印加するステップと、
第2のパス電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルの前記ゲート端子に印加するステップと、
第2の読取り電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルの前記ゲート端子に印加するステップと
をさらに含み、
前記第2のパス電圧と前記第2の読取り電圧のうちの少なくとも1つは、前記第2のゲート電圧より大きい、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ボトムバイアス電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタのゲート端子に印加するステップと、
トップバイアス電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタのゲート端子に印加するステップと、
正電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタとの間に位置付けられた任意のメモリセルのゲート端子に印加するステップと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の検証電圧は、前記第2の検証電圧より小さい、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のバイアス電圧は、前記プレ検証段階の第1の部分において、初期電圧から増加され、その後、前記第2のバイアス電圧にまで低減され、前記第1のバイアス電圧は、前記プレ検証段階の第2の部分において、前記第2のバイアス電圧と等しく、
前記第1のパス電圧は、前記プレ検証段階において、前記初期電圧から前記第2のパス電圧にまで増加され、
前記第1の読取り電圧は、前記プレ検証段階において、前記初期電圧から前記第2の読取り電圧にまで増加され、
前記第1のゲート電圧は、前記プレ検証段階の前記第1の部分において、前記初期電圧から、ある持続時間にわたって維持される電圧にまで増加され、その後、前記第1のゲート電圧は、前記第2のゲート電圧にまで低減され、前記第1のゲート電圧は、前記プレ検証段階の前記第2の部分において、前記第2のゲート電圧と等しい、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ボトムバイアス電圧は、前記初期電圧から、前記プレ検証段階の前記第2の部分、および前記検証段階を通して維持される電圧にまで増加され、
前記トップバイアス電圧は、前記初期電圧から、前記プレ検証段階の前記第2の部分、および前記検証段階を通して維持される電圧にまで増加され、
前記正電圧は、前記プレ検証段階において前記初期電圧から増加される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含む第1のメモリセルストリングと、直列に接続されたBSGトランジスタ、メモリセル、およびTSGトランジスタを含む第2のメモリセルストリングとを含むメモリデバイスを読み取るための装置であって、
プレ検証段階において、第1の検証電圧を、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に印加することであって、前記選択されたメモリセルは、第1の隣接メモリセルと第2の隣接メモリセルの間でプログラミングされ、配置される、印加することと、
前記プレ検証段階において、第1のバイアス電圧を、プログラミングされない前記第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加することと、
検証段階において、第2の検証電圧を、前記第1のメモリセルストリングの前記選択されたメモリセルの前記ゲート端子に印加することと、
前記検証段階において、第2のバイアス電圧を、プログラミングされない前記第1のメモリセルストリングの前記少なくとも1つのメモリセルの前記ゲート端子に印加することであって、前記第2のバイアス電圧は、前記第1のバイアス電圧より小さい、印加することとを行うように構成された処理回路を含む装置。
【請求項16】
前記第1のバイアス電圧および前記第2のバイアス電圧を受ける前記第1のメモリセルストリングの前記少なくとも1つのメモリセルは、前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタの間に位置付けられる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のバイアス電圧および前記第2のバイアス電圧を受ける前記第1のメモリセルストリングの前記少なくとも1つのメモリセルは、前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタの間に位置付けられる、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記処理回路は、
前記プレ検証段階において、
第1のゲート電圧を、前記第2のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタのゲート端子に印加することと、
第1のパス電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルのゲート端子に印加すること、および第1の読取り電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルのゲート端子に印加することと、
前記検証段階において、
第2のゲート電圧を、前記第2のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタの前記ゲート端子に印加することと、
第2のパス電圧を、前記第1のメモリセルストリングにおける前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルの前記ゲート端子に印加することと、
第2の読取り電圧を、前記第1のメモリセルストリングの前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルの前記ゲート端子に印加することとを行うようにさらに構成され、
前記第2のパス電圧と前記第2の読取り電圧のうちの少なくとも1つは、前記第2のゲート電圧より大きい、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記処理回路は、
ボトムバイアス電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタのゲート端子に印加することと、
トップバイアス電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタのゲート端子に印加することと、
正電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記選択されたメモリセルの前記第2の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタの間に位置付けられた任意のメモリセルのゲート端子に印加することとを行うようにさらに構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記処理回路は、
ボトムバイアス電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタのゲート端子に印加することと、
トップバイアス電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタのゲート端子に印加することと、
正電圧を、前記プレ検証段階および前記検証段階において、前記選択されたメモリセルの前記第1の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタの間に位置付けられた任意のメモリセルのゲート端子に印加することとを行うようにさらに構成される、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フラッシュメモリデバイスは、近年、急速な発展を遂げている。フラッシュメモリデバイスは、記憶されたデータを、電圧が印加されることなしに長期間にわたって保持することができる。さらに、フラッシュメモリデバイスの読取りレートは、比較的高く、記憶されたデータを消去して、フラッシュメモリデバイスにデータを書き換えることも容易である。このため、フラッシュメモリデバイスは、マイクロコンピュータ、自動制御システム、およびそれに類するものにおいて広く使用されてきた。ビット密度を増加させ、フラッシュメモリデバイスのビット費用を低減すべく、3次元(3D)NAND(Not AND)フラッシュメモリデバイスが、開発されてきた。
【0002】
3D-NANDメモリデバイスは、複数のメモリセルストリングを含むことが可能である。メモリセルストリングのそれぞれは、直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含むことが可能である。プログラミングされた3D-NANDフラッシュメモリデバイスのメモリセルを検証する/読み取る方法において、プレパルススキーム(または段階)および検証/読取りスキーム(または段階)が、含められることが可能である。プレパルススキームにおいて、6.8ボルトなどのパス電圧が、選択されたメモリセルストリングにおけるメモリセルのワード線(WL)に印加され得る一方で、TSGトランジスタのゲート端子が、選択されないメモリセルストリングにおいてオンにされることが可能である。検証/読取りスキームにおいて、パス電圧は、選択されたメモリセルストリングの選択されないWLにおける検証/読取りスキームをさらに介して維持されることが可能であり、検証電圧が、選択されたメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルのWLに印加されることが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、ホットキャリア注入(HCI)が誘発するエッジ合計(ESUM)損失を低減し、3D-NANDメモリデバイスのメモリセルを検証する/読み取る間の電力消費を低減する、3D-NANDメモリデバイスのメモリセルを検証する/読み取るための装置および方法と一般的に関係する実施形態について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の態様によれば、メモリデバイスを読み取るための方法が、提供される。メモリデバイスは、第1のメモリセルストリングと、第2のメモリセルストリングとを含むことが可能であり、第1のメモリセルストリングは、直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含むことが可能であり、第2のメモリセルストリングは、直列に接続されたBSGトランジスタ、メモリセル、およびTSGトランジスタを含むことが可能である。方法において、プレ検証段階において、第1の検証電圧が、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に印加されることが可能であり、選択されたメモリセルは、第1の隣接メモリセルと第2の隣接メモリセルの間でプログラミングされ、配置されることが可能である。プレ検証段階において第1のバイアス電圧が、選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルと、第1のメモリセルストリングのTSGトランジスタの間に位置付けられた第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。検証段階において、第2の検証電圧が、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。さらに、検証段階において、第2のバイアス電圧が、選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルとTSGトランジスタの間に位置付けられた第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。第2のバイアス電圧は、第1のバイアス電圧より小さい。
【0005】
一部の実施形態において、第2のバイアス電圧は、第1のバイアス電圧よりも20%から30%小さいことが可能である。
【0006】
方法において、プレ検証段階において、第1のゲート電圧が、第2のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子に印加されることが可能である。第1のパス電圧が、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。第1の読取り電圧が、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。さらに、検証段階において、第2のゲート電圧が、第2のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子に印加されることが可能である。第2のパス電圧が、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。第2の読取り電圧が、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。さらに、第2のパス電圧と第2の読取り電圧のうちの少なくとも1つが、第2のゲート電圧より大きいことが可能である。
【0007】
方法において、ボトムバイアス電圧が、プレ検証段階および検証段階において第1のメモリセルストリングのBSGトランジスタのゲート端子に印加されることが可能である。トップバイアス電圧が、プレ検証段階および検証段階において第1のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子に印加されることが可能である。プレ検証段階および検証段階において、正電圧が、選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルと第1のメモリセルストリングのBSGトランジスタの間に位置付けられた任意のメモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。
【0008】
一部の実施形態において、第1の検証電圧が第2の検証電圧より小さいことが可能である。
【0009】
一部の実施形態において、第1のバイアス電圧が、プレ検証段階の第1の部分において、初期電圧から増加されること、および、その後、第2のバイアス電圧まで低減されることが可能であり、第1のバイアス電圧は、プレ検証段階の第2の部分において、第2のバイアス電圧と等しいことが可能である。第1のパス電圧が、初期電圧から、プレ検証段階における第2のパス電圧にまで増加されることが可能である。第1の読取り電圧が、初期電圧から、プレ検証段階における第2の読取り電圧にまで増加されることが可能である。第1のゲート電圧が、初期電圧から、ある持続時間にわたって維持される電圧にまで増加されることが可能であり、その後、第1のゲート電圧が、プレ検証段階の第1の部分において、第2のゲート電圧にまで低減され、第1のゲート電圧は、プレ検証段階の第2の部分において、第2のゲート電圧と等しいことが可能である。
【0010】
一部の実施形態において、ボトムバイアス電圧が、初期電圧から、プレ検証段階の第2の部分、および検証段階を通して維持される電圧にまで増加されることが可能である。トップバイアス電圧が、初期電圧から、プレ検証段階の第2の部分、および検証段階を通して維持される電圧にまで増加されることが可能である。正電圧は、プレ検証段階における初期電圧から増加されることが可能である。
【0011】
本開示の別の態様によれば、メモリデバイスを読み取るための方法が、提供される。メモリデバイスは、第1のメモリセルストリングと、第2のメモリセルストリングとを含むことが可能である。第1のメモリセルストリングは、直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含むことが可能である。第2のメモリセルストリングは、直列に接続されたBSGトランジスタ、メモリセル、およびTSGトランジスタを含むことが可能である。方法において、プレ検証段階において、第1の検証電圧が、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に印加されることが可能であり、選択されたメモリセルは、第1の隣接メモリセルと第2の隣接メモリセルの間でプログラミングされ、配置されることが可能である。プレ検証段階において、第1のバイアス電圧が、選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルと第1のメモリセルストリングのBSGトランジスタの間に位置付けられた第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。検証段階において、第2の検証電圧が、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。さらに、検証段階において、第2のバイアス電圧が、選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルと第1のメモリセルストリングのBSGトランジスタの間に位置付けられた第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。第2のバイアス電圧は、第1のバイアス電圧より小さいことが可能である。
【0012】
一部の実施形態において、第2のバイアス電圧は、第1のバイアス電圧よりも20%から30%小さいことが可能である。
【0013】
方法において、プレ検証段階において、第1のゲート電圧が、第2のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子に印加されることが可能である。第1のパス電圧が、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。第1の読取り電圧が、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。さらに、検証段階において、第2のゲート電圧が、第2のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子に印加されることが可能である。第2のパス電圧が、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。第2の読取り電圧が、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。さらに、第2のパス電圧と第2の読取り電圧のうちの少なくとも1つが、第2のゲート電圧より大きいことが可能である。
【0014】
方法において、ボトムバイアス電圧が、プレ検証段階および検証段階において第1のメモリセルストリングのBSGトランジスタのゲート端子に印加されることが可能である。トップバイアス電圧が、プレ検証段階および検証段階において第1のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子に印加されることが可能である。正電圧が、プレ検証段階および検証段階において、選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルと第1のメモリセルストリングのTSGトランジスタの間に位置付けられた任意のメモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。
【0015】
一部の実施形態において、第1の検証電圧が、第2の検証電圧より小さいことが可能である。
【0016】
一部の実施形態において、第1のバイアス電圧が、プレ検証段階の第1の部分において、初期電圧から増加されること、および、その後、第2のバイアス電圧にまで低減されることが可能である。第1のバイアス電圧は、プレ検証段階の第2の部分において、第2のバイアス電圧と等しいことが可能である。第1のパス電圧が、初期電圧から、プレ検証段階における第2のパス電圧にまで増加されることが可能である。第1の読取り電圧が、初期電圧から、プレ検証段階における第2の読取り電圧にまで増加されることが可能である。第1のゲート電圧が、初期電圧から、ある持続時間にわたって維持される電圧まで増加されることが可能であり、その後、第1のゲート電圧は、プレ検証段階の第1の部分において、第2のゲート電圧にまで低減される。第1のゲート電圧は、プレ検証段階の第2の部分において、第2のゲート電圧と等しいことが可能である。
【0017】
一部の実施形態において、ボトムバイアス電圧が、初期電圧から、プレ検証段階の第2の部分、および検証段階を通して維持される電圧にまで増加されることが可能である。トップバイアス電圧が、初期電圧から、プレ検証段階の第2の部分、および検証段階を通して維持される電圧にまで増加されることが可能である。正電圧は、プレ検証段階における初期電圧から増加されることが可能である。
【0018】
本開示のさらに別の態様によれば、メモリデバイスを読み取るための装置が、提供される。メモリセルが、第1のメモリセルストリングと、第2のメモリセルストリングとを含むことが可能である。第1のメモリセルストリングは、直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含むことが可能である。第2のメモリセルストリングは、直列に接続されたBSGトランジスタ、メモリセル、およびTSGトランジスタを含むことが可能である。装置は、プレ検証段階において、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に第1の検証電圧を印加するように構成された処理回路を含むことが可能であり、選択されたメモリセルは、第1の隣接メモリセルと第2の隣接メモリセルの間でプログラミングされ、配置されることが可能である。また、処理回路が、プレ検証段階において、プログラミングされない第1のメモリセルストリング少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に第1のバイアス電圧を印加するように構成されることも可能である。処理回路は、検証段階において、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に第2の検証電圧を印加するように構成されることが可能である。さらに、処理回路は、検証段階において、プログラミングされない第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に第2のバイアス電圧を印加するように構成されることが可能である。第2のバイアス電圧は、第1のバイアス電圧より小さいことが可能である。
【0019】
一部の実施形態において、第1のバイアス電圧および第2のバイアス電圧を受ける第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルは、選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルと第1のメモリセルストリングのTSGトランジスタの間に位置付けられることが可能である。
【0020】
一部の実施形態において、第1のバイアス電圧および第2のバイアス電圧を受ける第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルは、選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルと第1のメモリセルストリングのBSGトランジスタの間に位置付けられる。
【0021】
プレ検証段階において、処理回路は、第2のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子に第1のゲート電圧を印加するようにさらに構成されることが可能である。処理回路は、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルのゲート端子に第1のパス電圧を印加するように構成されることが可能である。処理回路は、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルのゲート端子に第1の読取り電圧を印加するように構成されることが可能である。検証段階において、処理回路は、第2のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子に第2のゲート電圧を印加するように構成されることが可能である。また、処理回路は、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルのゲート端子に第2のパス電圧を印加するように構成されることも可能である。処理回路は、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルのゲート端子に第2の読取り電圧を印加するように構成されることが可能であり、第2のパス電圧と第2の読取り電圧のうちの少なくとも1つは、第2のゲート電圧より大きいことが可能である。
【0022】
実施形態において、処理回路は、プレ検証段階および検証段階において第1のメモリセルストリングのBSGトランジスタのゲート端子にボトムバイアス電圧を印加されることが可能である。処理回路は、プレ検証段階および検証段階において第1のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子にトップバイアス電圧を印加するように構成されることが可能である。処理回路は、プレ検証段階および検証段階において、選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルと第1のメモリセルストリングのBSGトランジスタの間に位置付けられた任意のメモリセルのゲート端子に正電圧を印加するように構成されることが可能である。
【0023】
別の実施形態において、処理回路は、プレ検証段階および検証段階において第1のメモリセルストリングのBSGトランジスタのゲート端子にボトムバイアス電圧を印加するように構成されることが可能である。処理回路は、プレ検証段階および検証段階において第1のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子にトップバイアス電圧を印加するように構成されることが可能である。処理回路は、プレ検証段階および検証段階において、選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルと第1のメモリセルストリングのTSGトランジスタの間に位置付けられた任意のメモリセルのゲート端子に正電圧を印加するように構成されることが可能である。
【0024】
また、本開示の態様は、メモリデバイスを検証する/読み取るためにコンピュータによって実行されると、コンピュータに、前段で説明される方法のうちの1つまたは複数を実行させる命令を記憶する非一過性のコンピュータ可読記憶媒体も提供する。
【0025】
本開示の態様は、添付の図と一緒に読まれるとき、後段の詳細な説明から理解され得る。業界の標準の慣行により、様々なフィーチャは、一律の縮尺で描かれているわけではないことに留意されたい。実際、様々なフィーチャの寸法は、説明を明確にするため、拡大されることも、縮小されることもある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による3D-NANDメモリデバイスを示す概略図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による3D-NANDメモリデバイスを示す断面図である。
【
図3】本開示の例示的な実施形態によるNANDメモリセルストリングを示す概略図である。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による、関連する実施例においてメモリセルを検証すること/読み取ることを示す第1の概略図である。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による、関連する実施例においてメモリセルを検証すること/読み取ることを示す第2の概略図である。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による、順方向の順序でプログラミングされたメモリセルを検証すること/読み取ることを示す第1の概略図である。
【
図7】本開示の例示的な実施形態による、順方向の順序でプログラミングされたメモリセルを検証すること/読み取ることを示す第2の概略図である。
【
図8】本開示の例示的な実施形態による、逆方向の順序でプログラミングされたメモリセルを検証すること/読み取ることを示す第1の概略図である。
【
図9】本開示の例示的な実施形態による、逆方向の順序でプログラミングされたメモリセルを検証すること/読み取ることを示す第2の概略図である。
【
図10】本開示の例示的な実施形態によるメモリセルを検証する/読み取るための方法を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の例示的な実施形態による電子システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の開示は、提示される主題の異なるフィーチャを実施するための異なる多くの実施形態、または実施例を提供する。構成要素および配置の具体例について、本開示を簡略化すべく後段で説明される。これらは、無論、例に過ぎず、限定することは意図していない。例えば、後段の説明における第2のフィーチャの上方、または上における第1のフィーチャの形成は、第1のフィーチャと第2のフィーチャとが直接に接触していてよい実施形態を含むことがあり、また、第1のフィーチャと第2のフィーチャとが直接に接触していないことがあるように第1のフィーチャと第2のフィーチャの間に追加のフィーチャが形成されてよい実施形態を含んでもよい。さらに、本開示は、様々な実施例において参照番号および/または参照文字を繰り返すことがある。この繰返しは、簡単明瞭のためであり、そのこと自体が、説明される様々な実施形態および/または構成の間の関係を規定するわけではない。
【0028】
さらに、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間的に相対的な用語は、図に例示される1つの要素またはフィーチャの別の要素またはフィーチャに対する関係を説明すべく、説明を容易にするために本明細書において使用されることがある。空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加えて、使用中または操作中のデバイスの異なる向きを包含することを意図している。装置は、別の向きであってよく(90度、回転させられて、またはその他の向きで)、本明細書において使用される空間的に相対的な記述語も同様に、それに応じて解釈されてよい。
【0029】
関連する実施例において、プログラミングされた3D-NANDメモリデバイスのメモリセルを検証する/読み取るために、プレパルススキーム(または段階)および検証/読取りスキーム(または段階)が、検証/読取り操作に含められることが可能である。プレパルススキームにおいて、6.8ボルトなどのパス電圧が、選択されたメモリセルストリングにおけるメモリセルのワード線(WL)に印加され得る一方で、TSGトランジスタのゲート端子が、選択されないメモリセルストリングにおいてオンにされることが可能である。検証/読取りスキームにおいて、パス電圧は、選択されたメモリセルストリングの選択されないWLにおいて検証/読取りスキームをさらに通じて維持されることが可能であり、検証電圧が、選択されたメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルのWLに印加されることが可能である。
【0030】
プレパルススキームにおいて充分なプレパルス時間が適用されたとき、パス電圧は、選択されないメモリセルストリングにおいてTSGトランジスタがオフにされるのに先立って十分に高められることが可能である。その結果、選択されないメモリセルストリングのTSGトランジスタが検証/読取りスキームにおいてオフにされたとき、選択されないメモリセルストリングのドレイン側チャネル(または端子)が、選択されないメモリセルストリングに結合されたビット線から絶縁されるものの、チャネル電位の大きな勾配が、検証/読取りスキームにおける後続の検証/読取り電圧によって誘発されなくてよい。したがって、選択されたメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの上側メモリセルに対して選択されたメモリセルからホットキャリア注入(HCI)が生成されなくてよい。このため、エッジ合計(ESUM)損失が、防止されることが可能である。ESUM損失は、3D-NANDメモリデバイスの読取りマージンに関連することが可能である。
【0031】
しかし、プレパルススキームにおいて不十分なプレパルス時間が適用されたとき、パス電圧は、選択されないメモリセルストリングにおいてTSGトランジスタがオフにされるのに先立って十分に高められないことがある。検証/読取りスキームにおいて、選択されないメモリセルストリングにおいてTSGトランジスタがオフにされたとき、選択されたメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの上方に位置付けられたメモリセルのWLに印加されるパス電圧は、6.8ボルトなどの目標値にまで依然として高められることが可能である。このため、選択されないメモリセルストリングのドレイン側チャネルが、検証/読取りスキームにおけるパス電圧の増分によって追加で上昇させられることが可能であり、このことが、選択されたメモリセルと選択されたメモリセルの上側隣接メモリセルの間でHCIをもたらして、ESUM損失を結果として生じることが可能である。
【0032】
本開示において、3D-NANDメモリデバイスのプログラミングされたメモリセルを検証する/読み取るために、プレ検証スキームにおいて、プレパルス電圧が、選択されたメモリセルストリングの上側隣接メモリセルの上方に位置付けられた選択されたメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルに印加されることが可能である。検証/読取りスキームにおいて、プレパルス電圧より小さいパス電圧が、選択されたメモリセルの上側隣接メモリセルの上方に位置付けられた選択されたメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルに印加されることが可能である。さらに、選択されたメモリセルの上側隣接メモリセルと下側隣接メモリセルのうちの1つに印加されるパス電圧が、検証/読取りスキームにおける選択されないメモリセルストリングのTSGトランジスタに印加されるバイアス電圧より大きいことが可能であり、そのバイアス電圧は、選択されないメモリセルストリングのTSGトランジスタをオフにすべく印加される。したがって、ホットキャリア注入(HCI)が誘発するESUM損失が、防止されることが可能であり、3D-NANDメモリデバイスのメモリセルを検証する/読み取る間の電力消費が、低減されることが可能である。
【0033】
3D-NANDデバイスは、複数のプレーンを含み得る。プレーンのそれぞれは、複数のブロックを含み得る。
図1は、3D-NANDデバイス100(またはデバイス100)の例示的な実施形態である。
図1に示されるように、デバイス100は、プレーン102と、プレーン104とを含み得る。プレーン102およびプレーン104のそれぞれは、それぞれの2つのブロックを含み得る。例えば、プレーン102が、2つのブロック106および108を含むことが可能であり、プレーン104が、2つのブロック110および112を含むことが可能である。さらに、ブロックのそれぞれが、メモリセルがデバイス100の高さ方向に沿って基板上に順次に、直列で配置された、複数のメモリセルストリングを含むことが可能である。無論、
図1は、実施例に過ぎず、デバイス100は、任意の数のプレーンを含むことが可能であり、プレーンのそれぞれが、デバイス設計により任意の数のブロックを含むことが可能であることに留意されたい。
【0034】
デバイス100において、プレーンのそれぞれが、ダイナミックデータキャッシュ(DDC)などのそれぞれのキャッシュ構造、またはスタティックページバッファ(SPB)に結合されることが可能である。例えば、ブロック106が、キャッシュ構造114に結合されることが可能であり、ブロック108が、キャッシュ構造116に結合されることが可能である。キャッシュ構造は、ビット線に結合されて、D-NANDデバイス100のメモリセルを検証すること/読み取ること、プログラミングすること、または消去することなどの3D-NANDデバイス100の操作中に信号を検出するように構成されたセンスアンプを含むことが可能である。また、デバイス100は、メモリセルを操作するデコーダ構造、ドライバ構造、充電構造、およびその他の構造を含み得る周辺回路122を含むことも可能である。
【0035】
デバイス100において、ブロックのそれぞれが、ワード線層および絶縁層のスタックに形成された階段領域およびアレイ領域を含むことが可能である。
図2は、デバイス100のブロック106の例示的な実施形態である。
図2に示されるように、ブロック106は、誘電体層24に配置されたアレイ領域200Aおよび階段領域200B~200Cを含むことが可能である。アレイ領域200Aが、階段領域200B~200Cの間に配置されて、基板10上の交互するワード線層12a~12pおよび絶縁層14a~14qのスタックに形成されることが可能である。ワード線層12a~12pは、基板10上に順次に配置された、1つまたは複数のボトムセレクトゲート(BSG)層、ゲート層(またはワード線層)、および1つまたは複数のトップセレクトゲート(TSG)層を含むことが可能である。例えば、ワード線層12aは、BSG層であることが可能であり、ワード線層12pは、デバイス100におけるTSG層であることが可能である。
【0036】
一部の実施形態において、デバイス100は、1つまたは複数のBSG(例えば、ワード線層12aにおける)において形成された1つまたは複数のボトム誘電体トレンチ(例えば、26および28)を含むことが可能である。ボトム誘電体トレンチ26および28は、BSGを複数の下位BSG(例えば、12a-1、12a-2、および12a-3)に分離すべく基板10のX方向で延びることが可能である。さらに、1つまたは複数のトップ誘電体トレンチ(例えば、30および32)が、1つまたは複数のTSG(例えば、ワード線層12pにおける)において形成されることが可能である。トップ誘電体トレンチ30および32もまた、TSGを複数の下位TSG(例えば、12p-1、12p-2、および12p-3)に分離すべく基板10のX方向で延びることが可能である。下位BSGおよび下位TSGは、デバイス100を複数の下位ブロックに分割することが可能である。下位ブロックのそれぞれが、それぞれの下位BSGと、それぞれの下位TSGとを有することが可能である。このため、対応する下位ブロックにおけるメモリセルストリングは、それぞれの下位BSG、およびそれぞれの下位TSGを制御することを介して個々に操作されることが可能である。
【0037】
アレイ領域200Aは、複数のチャネル構造18を含むことが可能である。チャネル構造18のそれぞれは、それぞれのトップチャネル接点19と、それぞれのボトムチャネル接点21とを含むことが可能である。チャネル構造18のそれぞれは、スタックを通って延びて、それぞれの垂直NANDメモリセルストリングを形成するようにワード線層12a~12pに結合されることが可能である。垂直NANDメモリセルストリングは、基板10の高さ方向(例えば、Z方向)に沿って基板上に順次に、直列で配置された、1つまたは複数のボトムセレクトトランジスタ(BST)、複数のメモリセル(MC)、および1つまたは複数のトップセレクトトランジスタ(TST)を含むことが可能である。1つまたは複数のBSTは、チャネル構造、および1つまたは複数のBSG層から形成されることが可能であり、MCは、チャネル構造およびワード線層から形成されることが可能であり、1つまたは複数のTSTは、チャネル構造、および1つまたは複数のTSG層から形成されることが可能である。
【0038】
デバイス100において、メモリセルのそれぞれが、デバイス設計により、1論理ビットまたは複数論理ビットを記憶することが可能である。例えば、メモリセルは、シングルレベルセル(SLC)、マルチレベルセル(MLC)、またはトリプルレベルセル(TLC)であることが可能である。したがって、メモリセルのそれぞれが、1論理ビット、2論理ビット、または3論理ビットを記憶することが可能である。
【0039】
図2を依然として参照すると、ワード線層12a~12pが、階段領域200A~200Bにおける階段型の構成で形成されることが可能であり、複数のワード線接点22が、高さ方向に沿って形成されて、ワード線層12a~12pに結合されることが可能である。このため、ゲート電圧は、ワード線層12a~12pに結合されたワード線接点22を介してメモリセルのゲートに印加されることが可能である。
【0040】
さらに、チャネル構造のそれぞれが、それぞれのビット線(またはビット線構造)にさらに結合されることが可能である。一部の実施形態において、ビット線は、チャネル構造18のトップチャネル接点19に接続されて、チャネル構造をプログラミングすること、消去すること、または読み取ることなど、チャネル構造を操作するときにバイアス電圧を印加するように構成されることが可能である。デバイス100は、複数のスリット構造(またはゲートラインスリット構造)を有することが可能である。例えば、2つのスリット構造20a~20bが、
図2に含まれる。スリット構造20a~20bは、導電材料で作られて、接点の役割をするようにアレイコモンソース(ACS)領域16上に位置付けられることが可能である。ACS領域は、デバイス100のコモンソースの役割をするように基板10において形成される。
【0041】
図3は、デバイス100において形成され得るNANDメモリセルストリング(またはストリング)300Aおよび300Bの概略図である。
図3に示されるように、ストリング300Aは、基板10の高さ方向(例えば、Z方向)に沿って基板上に順次に、直列で配置された、ボトムセレクトトランジスタ(BST)またはボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ302A、複数のメモリセル(MC)304A、およびトップセレクトトランジスタ(TST)またはトップセレクトゲート(TSG)トランジスタ306Aを含むことが可能である。同様に、ストリング300Bは、基板10の高さ方向(例えば、Z方向)に沿って基板上に順次に、直列で配置された、ボトムセレクトトランジスタ(BST)またはボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ302B、複数のメモリセル(MC)304B、およびトップセレクトトランジスタ(TST)またはトップセレクトゲート(TSG)トランジスタ306Bを含むことが可能である。ストリング300Aは、TST306Aのドレイン端子を介してビット線308Aに結合されることが可能であり、BST302Aのソース端子を介してACS(例えば、16)に結合されることが可能である。ストリング300Bは、TST306Bのドレイン端子を介してビット線308Bに結合されることが可能であり、BST302Bのソース端子を介してACS(例えば、16)に結合されることが可能である。デバイス100の操作中、適切な電圧が、ビット線308Aおよび308Bに、下位TSG層(例えば、12p-1、12p-2、および12p-3)を介してTST306Aおよび306Bのゲートに、WL層(例えば、12b~12o)を介してMC304Aおよび304Bのゲートに、下位BSG層(例えば、12a-1、12a-2、および12a-3)を介してBST302Aおよび302Bのゲートに、さらにスリット構造(例えば、20aまたは20b)を介してACSに印加されることが可能である。
【0042】
3D-NANDメモリデバイスの選択されたメモリセルがプログラミングされると、選択されたメモリセル(例えば、MCn)がプログラミングされることに成功したかどうかを検証するように検証/読取り操作が、適用されることが可能である。検証/読取り操作において、バイアス電圧(またはパス電圧)が、それぞれ、TSG層を介してTSGトランジスタのゲート端子(またはゲート)に、BSG層を介してBSGトランジスタに、さらにWL層を介して選択されないMCに印加されることが可能である。6.8ボルトなどのバイアス電圧が、TSGトランジスタ、BSGトランジスタ、および選択されないMCをオンにするのに充分であり得る。さらに、読取り(または検証)電圧が、選択されたメモリセルMCnに結合されたWL層(例えば、WLn)を介して選択されたメモリセルMCnのゲート端子(またはゲート)に印加されることが可能である。読取り電圧は、選択されたメモリセルがプログラミングされないときの選択されたメモリセルのしきい値電圧と等しいことが可能である。選択されたメモリセルがプログラミングされると、しきい値電圧は、増加されることが可能である。このため、選択されたメモリセルがプログラミングされることに成功すると、読取り電圧は、選択されたメモリセルをオンにすることができない。したがって、センスアンプは、メモリセルストリングを通ってACS領域(例えば、16)からビット線に流れる電流を検出することができない。選択されたメモリセルがプログラミングされることに成功しなかったとき、読取り電圧は、選択されたメモリセルをオンにすることができ、センスアンプは、メモリセルストリングを通ってACS領域(例えば、16)からビット線に流れる電流を検出することができる。
【0043】
図4は、関連する実施例における3D-NANDメモリデバイス(例えば、デバイス100)のメモリセルを検証する/読み取る検証/読取り操作の第1の概略図である。
図4に示されるように、検証/読取り操作は、初期段階と、プレパルス段階と、検証/読取り段階と、ポストパルス段階と、回復段階とを含むことが可能である。検証/読取り操作は、メモリセルのワード線層、TSGトランジスタのTSG層、およびBSGトランジスタのBSG層に適切なバイアス電圧を印加することによって、メモリセルがプログラミングされることに成功したかどうかを検証するように構成されることが可能である。
図4の例示的な実施形態において、デバイス100のメモリセルが、順方向の順序でプログラミングされることが可能である。このため、メモリセルストリングにおけるメモリセルが、BSGトランジスタに隣接するボトムMCからTSGトランジスタに隣接するトップMCまでプログラミングされる。例えば、メモリセルストリング300Aにおいて、メモリセルが、MC0から、TSGトランジスタ306Aに隣接するトップMCまで順次にプログラミングされる。
【0044】
図4は、選択されたメモリセルストリング(例えば、300A)と、選択されないメモリセルストリング(例えば、300B)とを含む2つの例示的なメモリセルストリングに印加されたバイアス電圧を示す。選択されたメモリセルストリングは、TSGトランジスタ(例えば、306A)に結合された選択されたTSG層と、選択されたメモリセル(例えば、MCn)に結合された選択されたワード線層WLnと、選択されたメモリセルMCnの上側隣接メモリセルであるメモリセルMCn+1に結合されたワード線層WLn+1と、選択されたメモリセルMCnの下側隣接メモリセルであるメモリセルMCn-1に結合されたワード線層WLn-1と、選択されず、かつメモリセルMCn+1の上方に位置付けられたメモリセルに結合されたワード線層WL(>n+1)と、選択されず、かつメモリセルMCn-1の下方に位置付けられたメモリセルに結合されたワード線層WL(<n-1)と、BSGトランジスタ(例えば、302A)に結合されたBSG層とを有することが可能である。TSGトランジスタ(またはTST)306A、メモリセル、およびBSGトランジスタ(BST)302Aは、
図3に示され得るとおり、直列に接続される。
【0045】
図4を依然として参照すると、選択されないメモリセルストリング(例えば、300B)が、TSGトランジスタ(例えば、306B)に結合された選択されないTSG層と、選択されたメモリセル(例えば、MCn)に結合された選択されたワード線層WLnと、選択されたメモリセルMCnの上側隣接メモリセルであるメモリセルMCn+1に結合されたワード線層WLn+1と、選択されたメモリセルMCnの下側隣接メモリセルであるメモリセルMCn-1に結合されたワード線層WLn-1と、選択されず、かつメモリセルMCn+1の上方に位置付けられたメモリセルに結合されたワード線層WL(>n+1)と、選択されず、かつメモリセルMCn-1の下方に位置付けられたメモリセルに結合されたワード線層WL(<n-1)と、BSGトランジスタ(例えば、302B)に結合されたBSG層とを有することが可能である。
図3に示されるように、TSGトランジスタ(またはTST)306B、メモリセル、およびBSGトランジスタ(またはBST)302Bは、直列に接続される。
【0046】
一部の実施形態において、選択されたTSG層および選択されないTSG層は、例えば、トップ誘電体トレンチ30および32によって互いに分離された下位TSG層12p-1、12p-2、および12p-3のうちの1つであり得る。一部の実施形態において、選択されたメモリセルストリングにおけるワード線層、および選択されないメモリセルストリングにおけるワード線層は、
図2に例示されるワード線層12b-12oであり得る。このため、選択されたメモリセルストリングのメモリセルが、選択されないメモリセルの対応する位置におけるメモリセルに結合される。例えば、選択されたメモリセルストリング300Aの選択されたメモリセルMCnが、同一のワード線層を介して選択されないメモリセルストリング300Bの選択されたメモリセルMCnに結合される。
【0047】
検証/読取り操作が開始されると、
図4に示される検証/読取り操作の初期段階において、0ボルトなどの初期電圧が、選択されたTSG層、選択されないTSG層、WL(>n+1)、WLn+1、WLn、WL(<n-1)、およびBSG層に印加されることが可能である。さらに、プレパルス段階において、適切なバイアス電圧が、選択されたTSG層、選択されないTSG層、WL(>n+1)、WLn+1、WLn、WL(<n-1)、およびBSG層にそれぞれ印加されることが可能である。例えば、5ボルトなどのバイアス電圧(またはトップバイアス電圧)が、選択されたメモリセルストリングの選択されたTSG層に印加されることが可能である。5ボルトなどのバイアス電圧(またはゲート電圧)が、選択されないメモリセルストリングの選択されないTSG層に印加されることが可能である。6.8ボルトなどのバイアス電圧が、WL(>n+1)に印加されることが可能である。6.8ボルトなどのバイアス電圧(またはパス電圧)が、WLn+1に印加されることが可能である。6.8ボルトなどのバイアス電圧(または検証電圧)が、選択されたワード線層WLnに印加されることが可能である。6.8ボルトなどのバイアス電圧(または読取り電圧)が、WLn-1に印加されることが可能である。6.8ボルトなどのバイアス電圧(または正電圧)が、WL(<n-1)に印加されることが可能である。さらに、5ボルトなどのバイアス電圧(またはボトムバイアス電圧)が、BSG層に印加されることが可能である。プレパルス段階は、選択されたメモリセルストリングおよび選択されないメモリセルストリングにおいてそれぞれ導電チャネルを形成すべく十分なバイアス電圧を印加するように構成されることが可能である。
【0048】
検証/読取り操作が検証/読取り段階に進むと、選択されたメモリセルストリングの選択されたTSG層に印加されたバイアス電圧(またはトップバイアス電圧)は、そのままである。選択されないメモリセルストリングの選択されないTSG層に印加されたバイアス電圧(またはゲート電圧)は、選択されないメモリセルストリングのTSGトランジスタ(例えば、306B)をオフにするように、0電圧などのより低い電圧にまで低減されることが可能である。したがって、選択されないメモリセルストリングは、ビット線(例えば、308B)から絶縁される。WL(>n+1)に印加されたバイアス電圧は、選択されたメモリセルストリングのチャネルを導電性に保つように維持されることが可能である。WLn+1に印加されたバイアス電圧(またはパス電圧)は、プレパルス段階で印加されたバイアス電圧から、1ボルトだけなど、増加されることが可能である。さらに、WLn-1に印加されたバイアス電圧(または読取り電圧)は、プレパルス段階で印加されたバイアス電圧から、1ボルトだけなど、増加されることが可能である。WLn+1およびWLn-1に印加されたより高いバイアス電圧が、選択されたメモリセルMCnに関してソース/ドレイン領域を形成するのに役立ち得る。
【0049】
図4を依然として参照すると、選択されたワード線層WLnに印加されたバイアス電圧(または検証電圧)が、プログラミング検証(PV)レベルにまで低減されることが可能である。一部の実施形態において、PVレベルは、0ボルトから1ボルトまでの範囲内にあることが可能である。WL(<n-1)に印加されたバイアス電圧(または正電圧)が、選択されたメモリセルストリングのチャネルを導電性に保つように維持されることが可能である。さらに、BSG層に印加されたバイアス電圧(またはボトムバイアス電圧)が、選択されたメモリセルストリングのチャネルを導電性に保つように維持されることが可能である。前述したとおり、選択されたワード線層WLnに印加されたバイアス電圧(または検証電圧)は、選択されたメモリセルがプログラミングされないときの選択されたメモリセルのしきい値電圧と等しいことが可能である。選択されたメモリセルがプログラミングされると、しきい値電圧は、増加されることが可能である。このため、選択されたメモリセルがプログラミングされることに成功すると、読取り電圧は、選択されたメモリセルをオンにすることができない。したがって、センスアンプは、メモリセルストリングを通ってACSからビット線に流れる電流を検出することができない。選択されたメモリセルがプログラミングされることに成功しなかったとき、読取り電圧は、選択されたメモリセルをオンにすることができ、センスアンプは、メモリセルストリングを通ってACSからビット線に流れる電流を検出することができる。
【0050】
図4において、プレパルス段階において、1ナノ秒から10マイクロ秒までの範囲内などの長いプレパルス時間が適用されることに留意されたい。その長いプレパルス時間が、選択されないメモリセルストリングにおいてTSGトランジスタがオフにされるのに先立ってバイアス電圧が十分に高められるのに充分であるとき、チャネル電位の大きな勾配が、検証/読取り段階における後続の検証/読取りパルスによって誘発されなくてよい。このため、選択されたメモリセルにおける選択されたメモリセルの上側隣接メモリセルに対して選択されたメモリセルからホットキャリア注入(HCI)が生成されなくてよい。しかし、その長いプレパルス時間が、選択されないメモリセルストリングにおいてTSGトランジスタがオフにされるのに先立って、プレパルス段階におけるバイアス電圧が十分に高められるのに不充分であるとき、チャネル電位の大きな勾配が、検証/読取り段階における後続の検証/読取りパルスによって誘発されることが可能であり、HCIが、選択されたメモリセルにおける選択されたメモリセルの上側メモリセルに対して選択されたメモリセルから生成されることが可能である。
【0051】
図5は、関連する実施例における順方向の順序でやはりプログラミングされる3D-NANDメモリデバイス(例えば、デバイス100)のメモリセルを検証する/読み取る検証/読取り操作の第2の概略図である。検証/読取り操作は、短いプレパルス時間を有するプレパルス段階を有することが可能である。短いプレパルス時間は、プレパルス段階において、WL(>n+1)、WLn+1、WLn、WLn-1、およびWL(<n-1)に印加されるバイアス電圧が十分に高められるのには不十分であることがある。例えば、
図5に示されるように、バイアス電圧が、6.8ボルトなどの目標値未満である。バイアス電圧は、検証/読取り段階において6.8ボルトなどの目標値まで依然として高められることが可能である。このため、選択されないメモリセルストリングのドレイン側チャネルは、検証/読取り段階においてバイアス電圧を増分することによって追加で上昇させられることが可能であり、このことが、選択されたメモリセル(WLn)と選択されたメモリセルの上側隣接メモリセル(WLn+1)の間でHCIをもたらして、ESUM損失を結果として生じることが可能である。
【0052】
図6は、本開示の例示的な実施形態による3D-NANDメモリデバイス(例えば、デバイス100)のメモリセルを検証する/読み取る検証/読取り操作の第1の概略図である。
図6に示されるように、メモリセルは、順方向の順序でプログラミングされることが可能であり、検証/読取り操作は、プレパルス段階における長いプレパルス時間を含むことが可能である。
図6の例示的な実施形態において、メモリセルMC0~MCnが、プログラミングされ、MCnの上方のメモリセルは、プログラミングされない。さらに、WLnに結合されたメモリセルMCnが、検証/読取り操作を受けるように選択される。
【0053】
図4の検証/読取り操作と比べて、検証/読取り段階においてWL(>n+1)に印加されるバイアス電圧は、プレパルス段階においてWL(>n+1)に印加されるバイアス電圧より低い。
図6の例示的な実施形態において、検証/読取り段階においてWL(>n+1)に印加されるバイアス電圧は、3ボルトであることが可能であり、プレパルス段階においてWL(>n+1)に印加されるバイアス電圧は、6.8ボルトであることが可能である。一部の実施形態において、検証/読取り段階においてWL(>n+1)に印加されるバイアス電圧は、プレパルス段階においてWL(>n+1)に印加されるバイアス電圧より、あるパーセンテージ(例えば、20%から30%)低い。一部の実施形態において、選択されたメモリセルMCnの上側隣接メモリセルの上方に位置付けられたメモリセルのそれぞれは、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を、WL(>n+1)を通して受け取ることが可能である。一部の実施形態において、選択されたメモリセルMCnの上側隣接メモリセルとTSGトランジスタの間に位置付けられたメモリセルのうちの少なくとも1つのメモリセルが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を、WL(>n+1)を通して受け取ることが可能である。例えば、TSGトランジスタに隣接するメモリセルが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を受け取ることが可能である。
【0054】
選択されたメモリセルMCnの上側隣接メモリセルMCn+1の上方に位置付けられたメモリセルに検証/読取り段階においてより低いバイアス電圧を導入することによって、選択されたメモリセルストリングのチャネル電位の勾配が、低減されることが可能である。したがって、HCIが、選択されたメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの上側隣接メモリセルに対して選択されたメモリセルから生成され得ない。このため、ESUM損失が、防止され得る。
【0055】
図7は、本開示の例示的な実施形態による3D-NANDメモリデバイス(例えば、デバイス100)のメモリセルを検証する/読み取る検証/読取り操作の第2の概略図である。
図7に示されるように、メモリセルは、順方向の順序でプログラミングされることが可能であり、検証/読取り操作は、プレパルス段階において短いプレパルス時間を含むことが可能である。
図7に示されるように、プレパルス段階は、第1の部分T1と、第2の部分T2とを含むことが可能である。
図5における検証/読取り操作と比べて、プレパルス段階において印加されるバイアス電圧は、
図7における目標値にまで十分に高められる(または完全に到達する)ことが可能である。例えば、WL(>n+1)に印加されるバイアス電圧は、プレパルス段階において十分に高められることが可能である。
図7に示されるように、WL(>n+1)に印加されるバイアス電圧が、プレパルス段階の第1の部分において、初期電圧から目標値にまで増加されることが可能である。目標値は、例えば、6.8ボルトであることが可能である。その後、バイアス電圧は、プレ検証段階の第1の部分において、検証/読取り段階のバイアス電圧と等しい、より低い値(例えば、3ボルト)まで低減されることが可能である。バイアス電圧は、プレ検証段階の第2の部分においてさらに維持される。
【0056】
図7を依然として参照すると、プレ検証段階において、WLn+1に印加されるパス電圧が、初期電圧から目標値(例えば、7.8ボルト)に増加されることが可能であり、目標値は、検証/読取り段階のパス電圧と等しい。プレ検証段階において、WLn-1に印加される読取り電圧が、初期電圧から目標値(例えば、7.8ボルト)に増加されることが可能であり、目標値は、検証/読取り段階の読取り電圧と等しい。プレパルス段階の第1の部分において、選択されないTSGに印加されるゲート電圧が、初期電圧から目標値(例えば、5ボルト)まで増加されることが可能である。その後、ゲート電圧は、ある持続時間にわたって維持されて、その後、プレ検証段階の第1の部分において、検証/読取り段階のゲート電圧と等しい値にまで低減されることが可能である。ゲート電圧は、プレ検証段階の第2の部分において、検証/読取り段階のゲート電圧と等しいように維持されることが可能である。
【0057】
プレパルス段階の第1の部分において、BSGトランジスタに印加されるボトムバイアス電圧が、初期電圧から目標値(例えば、5ボルト)にまで増加されることが可能であり、目標値は、検証/読取り段階のボトムバイアス電圧と等しい。ボトムバイアス電圧は、プレ検証段階の第2の部分、および検証段階を通して維持されることが可能である。同様に、プレパルス段階の第1の部分において、選択されたTSGトランジスタに印加されるトップバイアス電圧が、初期電圧から目標値(例えば、5ボルト)にまで増加されることが可能である。トップバイアス電圧は、プレ検証段階の第2の部分、および検証段階を通してさらに維持されることが可能である。プレパルス段階において、WL(<n-1)に印加される正電圧が、プレ検証段階における初期電圧から目標値(例えば、6.8ボルト)に増加されることが可能であり、目標値は、検証/読取り段階において印加される正電圧と等しい。
【0058】
図7における検証/読取り操作において、検証/読取り段階においてWL(>n+1)に印加されるバイアス電圧は、プレパルス段階においてWL(>n+1)に印加されるバイアス電圧より低いことが可能である。
図7の例示的な実施形態において、検証/読取り段階においてWL(>n+1)に印加されるバイアス電圧は、3ボルトであることが可能であり、プレパルス段階においてWL(>n+1)に印加されるバイアス電圧は、6.8ボルトであることが可能である。一部の実施形態において、選択されたメモリセルMCnの上側隣接メモリセルMCn+1の上方に位置付けられたメモリセルのそれぞれが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を、WL(>n+1)を通して受けることが可能である。一部の実施形態において、選択されたメモリセルMCnの上側隣接メモリセルMCn+1とTSGトランジスタの間に位置付けられたメモリセルのうちの少なくとも1つのメモリセルが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を、WL(>n+1)を通して受けることが可能である。例えば、TSGトランジスタに隣接するメモリセルが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を受けることが可能である。
【0059】
さらに、
図7の検証/読取り操作において、選択されたメモリセルMCnの上側隣接メモリセルMCn+1と下側隣接メモリセルMCn-1のうちの少なくとも1つが、検証/読取り段階において、選択されないTSGトランジスタに印加されるバイアス電圧より高いバイアス電圧を受けることが可能である。
【0060】
図5の検証/読取り操作と比べて、
図7における検証/読取り操作のプレパルス段階において印加されるバイアス電圧は、目標値にまで十分に高められる。さらに、選択されたメモリセルMCnの上側隣接メモリセルの上方に位置付けられたメモリセルに関して、検証/読取り段階において、より低いバイアス電圧が、導入される。したがって、選択されたメモリセルストリングのチャネル電位の勾配が、低減されることが可能であり、選択されたメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの上側隣接メモリセルに対する選択されたメモリセルからのHCIの形成が、防止され得る。このため、ESUM損失が、防止され得る。
【0061】
図8は、本開示の例示的な実施形態による、逆方向の順序でプログラミングされるメモリセルを検証する/読み取る検証/読取り操作の第1の概略図である。
図8に示されるように、メモリセルは、メモリセルが、TSGトランジスタに隣接するトップメモリセルから、BSGトランジスタに隣接するボトムメモリセル(例えば、MC0)までプログラミングされるという点で、逆方向の順序でプログラミングされることが可能である。
図8の例示的な実施形態において、選択されたメモリセルMCn、および選択されたメモリセルMCnの上方のメモリセルが、プログラミングされる。さらに、
図8における検証/読取り操作のプレパルス段階は、長いプレパルス時間を有することが可能である。
【0062】
図8に示されるように、順方向の順序でプログラミングされるメモリセルを検証する/読み取る、
図6に示される検証/読取り操作と比べて、検証/読取り段階においてWL(<n-1)に印加されるバイアス電圧は、プレパルス段階においてWL(<n-1)に印加されるバイアス電圧より低い。一部の実施形態において、選択されたメモリセルMCnの下側隣接メモリセルMCn-1とBSGトランジスタの間に位置付けられたメモリセルのそれぞれが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を、WL(<n-1)を通して受けることが可能である。一部の実施形態において、選択されたメモリセルMCnの下側隣接メモリセルMCn-1とBSGトランジスタの間に位置付けられたメモリセルのうちの少なくとも1つのメモリセルが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を、WL(<n-1)を通して受けることが可能である。例えば、BSGトランジスタに隣接するメモリセルが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を受けることが可能である。
【0063】
図9は、本開示の例示的な実施形態による、逆方向の順序でプログラミングされるメモリセルを検証する/読み取る検証/読取り操作の第2の概略図である。順方向の順序でプログラミングされるメモリセルを検証する/読み取る、
図7に示される検証/読取り操作と比べて、検証/読取り段階においてWL(<n-1)に印加されるバイアス電圧は、プレパルス段階においてWL(<n-1)に印加されるバイアス電圧より低い。一部の実施形態において、選択されたメモリセルMCnの下側隣接メモリセルMCn-1の下方に位置付けられたメモリセルのそれぞれが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を、WL(<n-1)を通して受けることが可能である。一部の実施形態において、選択されたメモリセルMCnの下側隣接メモリセルMCn-1とBSGトランジスタの間に位置付けられたメモリセルのうちの少なくとも1つのメモリセルが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を、WL(<n-1)を通して受けることが可能である。例えば、BSGトランジスタに隣接するメモリセルが、検証/読取り段階において、プレパルス段階におけるバイアス電圧より低いバイアス電圧を受けることが可能である。
【0064】
図6および
図7に示される検証/読取り操作と同様に、
図8および
図9に示される検証/読取り操作は、プレパルス段階において十分に高められ得るバイアス電圧を含む。さらに、プレパルス段階においてプログラミングされないメモリセルのうちの少なくとも1つに印加されるバイアス電圧は、検証/読取り段階に印加されるバイアス電圧より低いことが可能である。したがって、選択されたメモリセルストリングのチャネル電位の勾配が、低減されることが可能であり、選択されたメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの下側隣接メモリセルMCn-1に対する選択されたメモリセルMCnからのHCIの形成が、防止され得る。このため、ESUM損失が、防止され得る。
【0065】
図10は、第1のメモリセルストリングと、第2のメモリセルストリングとを含むメモリデバイスを読み取るための方法1000のフローチャートである。第1のメモリセルストリングは、直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含むことが可能である。第2のメモリセルストリングは、直列に接続されたBSGトランジスタ、メモリセル、およびTSGトランジスタを含むことが可能である。
図10に示されるように、方法1000は、S1002で開始して、S1004に進むことが可能であり、第1の検証電圧が、プレ検証段階において、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に印加され得る。選択されたメモリセルは、第1の隣接メモリセルと第2の隣接メモリセルの間でプログラミングされ、配置されることが可能である。
【0066】
S1004において、プレ検証段階において、第1のバイアス電圧が、プログラミングされない第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。
【0067】
S1006において、検証段階において、第2の検証電圧が、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。
【0068】
方法1000のS1008において、検証段階において、第2のバイアス電圧が、プログラミングされない第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルのゲート端子に印加されることが可能であり、第2のバイアス電圧は、第1のバイアス電圧より小さい。
【0069】
一部の実施形態において、第1のバイアス電圧および第2のバイアス電圧を受ける第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルが、選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルと第1のメモリセルストリングのTSGトランジスタの間に位置付けられることが可能である。
【0070】
一部の実施形態において、第1のバイアス電圧および第2のバイアス電圧を受ける第1のメモリセルストリングの少なくとも1つのメモリセルが、選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルと第1のメモリセルストリングのBSGトランジスタの間に位置付けられることが可能である。
【0071】
方法1000において、プレ検証段階において、第1のゲート電圧が、第2のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子に印加されることが可能である。第1のパス電圧が、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルにおける第1の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。第1の読取り電圧が、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第2の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。さらに、検証段階において、第2のゲート電圧が、第2のメモリセルストリングのTSGトランジスタのゲート端子に印加されることが可能である。第2のパス電圧が、第1のメモリセルストリングにおける選択されたメモリセルの第1の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。第2の読取り電圧が、第1のメモリセルストリングの選択されたメモリセルにおける第2の隣接メモリセルのゲート端子に印加されることが可能である。さらに、第2のパス電圧と第2の読取り電圧のうちの少なくとも1つが、第2のゲート電圧より大きいことが可能である。
【0072】
図11は、本開示の実施形態による、本開示の様々な実施形態が実装され得るメモリデバイス1001の簡略化されたブロック図である。メモリデバイス1001は、行と列に配置されたメモリアレイ1004を含むことが可能である。メモリアレイ1004は、複数のチャネル構造(例えば、
図2におけるチャネル構造18)に基づいて形成されたメモリセル(例えば、
図3におけるMC304)を含むことが可能である。チャネル構造は、交互するワード線層(例えば、
図2における12)および絶縁層(例えば、
図2における14)のスタックに形成されることが可能である。行デコード回路1008および列デコード回路1010が、メモリデバイス1001に与えられるアドレス信号をデコードすべく備えられる。アドレス信号は、メモリアレイ1004にアクセスすべく受信され、デコードされる。また、メモリデバイス1001は、メモリデバイス1001に対するコマンド、アドレス、およびデータの入力、ならびにメモリデバイス1001からのデータおよびステータス情報の出力を管理すべく入出力(I/O)制御回路を含むことも可能である。アドレスレジスタ1014が、デコードすることに先立ってアドレス信号をラッチすべくI/O制御回路と、行デコード回路1008および列デコード回路1010との間に結合される。コマンドレジスタ1024が、入って来るコマンドをラッチすべくI/O制御回路1012と制御ロジック1016の間に結合される。
【0073】
制御ロジック1016は、コマンドに応答してメモリアレイ1004に対するアクセスを制御すること、および外部プロセッサ1030に関するステータス情報を生成することができる。制御ロジック1016は、アドレスに応答して行デコード回路1008および列デコード回路1010を制御すべく行デコード回路1008および列デコード回路1010に結合される。例えば、バイアス電圧が、メモリセルを読み取ること、メモリセルに書き込むこと、またはメモリセルを消去することなど、選択されたメモリセルを操作するように制御ロジック1016によって行デコード回路1008および列デコード回路1010を介して、選択されたメモリセルに印加されることが可能である。また、制御ロジック1016は、コマンドに応答してセンスアンプおよびラッチ回路1018を制御すること、および外部プロセッサ1030に関するステータス情報を生成することを行うべくセンスアンプおよびラッチ回路1018に結合されることも可能である。センスアンプおよびラッチ回路1018は、メモリアレイ1004に結合されることが可能であり、アナログ電圧レベルの形態で、入って来るデータであれ、出て行くデータであれ、ラッチすることができる。センスアンプおよびラッチ回路1018は、メモリセルが操作されるとき、メモリセルの信号を読み取るように構成されることが可能である。
【0074】
図11を依然として参照すると、ステータスレジスタ1022が、外部プロセッサ1030に対する出力に関するステータス情報をラッチすべくI/O制御回路1012と制御ロジック1016の間に結合されることが可能である。メモリデバイス1001が、制御リンク1032上で制御ロジック1016において制御信号を受信する。制御信号は、チップイネーブルCE#、コマンドラッチイネーブルCLE、アドレスラッチイネーブルALE、および書込みイネーブルWE#を含んでよい。メモリデバイス1001は、コマンド信号の形態のコマンド、アドレス信号の形態のアドレス、ならびに多重化された入出力(I/O)バス1034を介する外部プロセッサからのデータ信号の形態のデータ、およびI/Oバス1034を介する外部プロセッサに対する出力データを受信してよい。
【0075】
本明細書において説明される様々な実施形態は、プログラミングされる3D-NANDメモリデバイスのメモリセルを検証する/読み取る、関連する実施例における方法に優るいくつかの利点を提供する。関連する実施例において、HCIが、選択されたメモリセルと、選択されたメモリセルの隣接メモリセルのうちの1つの間で生成されて、ESUM損失を結果として生じることが可能である。本開示において、ホットキャリア注入(HCI)が誘発するエッジ合計(ESUM)損失が、防止されることが可能であり、3D-NANDメモリデバイスのメモリセルを検証する/読み取る間の電力消費が、低減されることが可能である。
【0076】
以上が、当業者が本開示の態様をよりよく理解することが可能であるように、いくつかの実施形態のフィーチャの概略を述べる。当業者は、本明細書において概説される実施形態と同一の目的を実行するため、および/または同一の利点を実現するための他のプロセスおよび構造を設計するため、または変形するための基礎として本開示を直ちに用いてよいことが当業者には認識されよう。また、そのような均等の構築物は、本開示の趣旨および範囲を逸脱しないこと、および当業者は、本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、および代替を行ってよいことも当業者には理解されよう。
【符号の説明】
【0077】
10 基板
12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、12h、12i、12j、12k、12l、12m、12n、12o、12p ワード線(WL)層
12a-1、12a-2、12a-3 下位BSG、下位BSG層
12p-1、12p-2、12p-3 下位TSG、下位TSG層
14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g、14h、14i、14j、14k、14l、14m、14n、14o、14p、14q 絶縁層
16 アレイコモンソース領域
18 チャネル構造
19 トップチャネル接点
20a、20b スリット構造
21 ボトムチャネル接点
22 ワード線接点
24 誘電体層
26、28 誘電体トレンチ
30、32 トップ誘電体トレンチ
100 3D-NANDデバイス
102、104 プレーン
106、108、110、112 ブロック
114、116 キャッシュ構造
122 周辺回路
200A アレイ領域、階段領域
200B、200C 階段領域
300A、300B メモリセルストリング
302A ボトムセレクトトランジスタ(BST)、ボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ
302B ボトムセレクトトランジスタ(BST)、ボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ
304A、304B メモリセル(MC)
306A トップセレクトトランジスタ(TST)、トップセレクトゲート(TSG)トランジスタ
306B トップセレクトトランジスタ(TST)、トップセレクトゲート(TSG)トランジスタ
308A、308B ビット線
1001 メモリデバイス
1004 メモリアレイ
1008 行デコード回路
1010 列デコード回路
1012 I/O制御回路
1014 アドレスレジスタ
1016 制御ロジック
1018 センスアンプおよびラッチ回路
1022 ステータスレジスタ
1024 コマンドレジスタ
1030 プロセッサ
1032 制御リンク
1034 入出力(I/O)バス
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含む第1のメモリセルストリングであって、前記メモリセルが、選択されたメモリセルおよび選択されないメモリセルを含み、前記選択されないメモリセルが、第1の隣接メモリセル、第2の隣接メモリセル、および第3のメモリセルを含み、前記第1の隣接メモリセルおよび前記第2の隣接メモリセルが、前記選択されたメモリセルに隣接しており、前記選択されたメモリセルが、前記第1の隣接メモリセルと前記第2の隣接メモリセルとの間でプログラミングされ、配置される、第1のメモリセルストリングと、
前記メモリセルとそれぞれ結合されるワード線と、
前記ワード線に結合される処理回路であって、
プレ検証段階において、第1の検証電圧を、前記選択されたメモリセルが結合される選択されたワード線に印加し、
前記プレ検証段階において、第1のバイアス電圧を、前記第3のメモリセルが結合される第1のワード線に印加し、
検証段階において、第2の検証電圧を前記選択されたワード線に印加し、
前記検証段階において、第1のパス電圧を、前記第2の隣接メモリセルが結合される第2のワード線に印加し、
前記検証段階において、第2のパス電圧を、前記第1の隣接メモリセルが結合される第3のワード線に印加し、
前記検証段階において、第2のバイアス電圧を前記第1のワード線に印加する
ように構成される、処理回路と、
を含み、
前記第2のバイアス電圧が前記第1のバイアス電圧よりも小さく、前記第1のパス電圧および前記第2のパス電圧のうちの少なくとも1つが前記第2のバイアス電圧よりも大きい、メモリデバイス。
【請求項2】
前記第2のバイアス電圧は、前記第1のバイアス電圧より20%から30%小さい、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第2のバイアス電圧は、3ボルト以下である、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1のパス電圧および前記第2のパス電圧のうちの少なくとも1つは、前記第1のバイアス電圧よりも大きい、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1の検証電圧は、前記第2の検証電圧よりも大きい、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含む第2のメモリセルストリングをさらに含み、
前記処理回路が、
前記プレ検証段階において、第1のゲート電圧を、前記第2のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタのゲート端子に印加し、
前記プレ検証段階において、第3のパス電圧を、前記第1の隣接メモリセルが結合される第3のワード線に印加し、
前記プレ検証段階において、第4のパス電圧を、前記第2の隣接メモリセルが結合される第2のワード線に印加し、
前記プレ検証段階および前記検証段階において、ボトムバイアス電圧を、前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタのゲート端子に印加し、
前記プレ検証段階および前記検証段階において、トップバイアス電圧を、前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタのゲート端子に印加し、
前記検証段階において、第2のゲート電圧を、前記第2のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタの前記ゲート端子に印加する
ようにさらに構成され、
前記第1のパス電圧および前記第2のパス電圧のうちの少なくとも1つは、前記第2のゲート電圧よりも大きい、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記第1のワード線に印加された電圧は、前記プレ検証段階の第1の部分において、初期電圧から増加され、その後、前記第2のバイアス電圧にまで低減され、前記プレ検証段階の第2の部分において、前記第2のバイアス電圧と等しい、請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記第3のパス電圧は、前記プレ検証段階において、前記初期電圧から前記第2のパス電圧まで増加され、
前記第4のパス電圧は、前記プレ検証段階において、前記初期電圧から前記第1のパス電圧まで増加される、
請求項7に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記第1の隣接メモリセルは、前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタと前記選択されたメモリセルとの間に配置され、
前記第3のメモリセルは、前記第1の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタとの間に位置付けられる、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記処理回路は、
前記プレ検証段階および前記検証段階において、正電圧を、第4のメモリセルが結合される第4のワード線に印加し、前記第4のメモリセルは、前記第2の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタとの間に位置付けられる
ようにさらに構成される、請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記第2の隣接メモリセルは、前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタと前記選択されたメモリセルとの間に配置され、
前記第3のメモリセルは、前記第2の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタとの間に配置される、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記処理回路は、
前記プレ検証段階および前記検証段階において、正電圧を、第4のメモリセルが結合される第4のワード線に印加し、前記第4のメモリセルは、前記第2の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタとの間に位置付けられる
ようにさらに構成される、請求項11に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記ボトムバイアス電圧は、前記初期電圧から、前記プレ検証段階の前記第2の部分および前記検証段階を通して維持される電圧まで増加され、
前記トップバイアス電圧は、前記初期電圧から、前記プレ検証段階の前記第2の部分および前記検証段階を通して維持される電圧まで増加される、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル(MCs)、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含む第1のメモリセルストリングを含み、前記メモリセルが、選択されたメモリセルおよび選択されないメモリセルを含み、前記選択されないメモリセルが、第1の隣接メモリセル、第2の隣接メモリセル、および第3のメモリセルを含み、前記第1の隣接メモリセルおよび前記第2の隣接メモリセルが、前記選択されたメモリセルに隣接しており、前記選択されたメモリセルが、前記第1の隣接メモリセルと前記第2の隣接メモリセルとの間でプログラミングされ、配置される、メモリデバイスの操作方法であって、
プレ検証段階において、第1の検証バイアス電圧を、前記選択されたメモリセルが結合される選択されたワード線に印加するステップと、
前記プレ検証段階において、第1のバイアス電圧を、前記第3のメモリセルが結合される第1のワード線に印加するステップと、
検証段階において、第2の検証電圧を前記選択されたワード線に印加するステップと、
前記検証段階において、第1のパス電圧を、前記第2の隣接メモリセルが結合される第2のワード線に印加するステップと、
前記検証段階において、第2のパス電圧を、前記第1の隣接メモリセルが結合される第3のワード線に印加するステップと、
前記検証段階において、第2のバイアス電圧を前記第1のワード線に印加するステップと、
を含み、
前記第2のバイアス電圧が前記第1のバイアス電圧よりも小さく、前記第1のパス電圧および前記第2のパス電圧のうちの少なくとも1つが前記第2のバイアス電圧よりも大きい、方法。
【請求項15】
前記第2のバイアス電圧は、前記第1のバイアス電圧より20%から30%小さい、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のバイアス電圧は、3ボルト以下である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のパス電圧および前記第2のパス電圧のうちの少なくとも1つは、前記第1のバイアス電圧よりも大きい、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の隣接メモリセルは、前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタと前記選択されたメモリセルとの間に配置され、
前記第3のメモリセルは、前記第1の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記TSGトランジスタとの間に位置付けられる、
請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の隣接メモリセルは、前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタと前記選択されたメモリセルとの間に配置され、
前記第3のメモリセルは、前記第2の隣接メモリセルと前記第1のメモリセルストリングの前記BSGトランジスタとの間に位置付けられる、
請求項14に記載の方法。
【請求項20】
電子システムであって、
メモリデバイスであって、
直列に接続されたボトムセレクトゲート(BSG)トランジスタ、メモリセル、およびトップセレクトゲート(TSG)トランジスタを含む第1のメモリセルストリングであって、前記メモリセルが、選択されたメモリセルおよび選択されないメモリセルを含み、前記選択されないメモリセルが、第1の隣接メモリセル、第2の隣接メモリセル、および第3のメモリセルを含み、前記第1の隣接メモリセルおよび前記第2の隣接メモリセルが、前記選択されたメモリセルに隣接しており、前記選択されたメモリセルが、前記第1の隣接メモリセルと前記第2の隣接メモリセルとの間でプログラミングされ、配置される、第1のメモリセルストリングと、
前記メモリセルとそれぞれ結合されるワード線と、
前記ワード線に結合される処理回路であって、
プレ検証段階において、第1の検証電圧を、前記選択されたメモリセルが結合される選択されたワード線に印加し、
前記プレ検証段階において、第1のバイアス電圧を、前記第3のメモリセルが結合される第1のワード線に印加し、
検証段階において、第2の検証電圧を前記選択されたワード線に印加し、
前記検証段階において、第1のパス電圧を、前記第2の隣接メモリセルが結合される第2のワード線に印加し、
前記検証段階において、第2のパス電圧を、前記第1の隣接メモリセルが結合される第3のワード線に印加し、
前記検証段階において、第2のバイアス電圧を前記第1のワード線に印加する
ように構成される、処理回路と、
を含み、
前記第2のバイアス電圧が前記第1のバイアス電圧よりも小さく、前記第1のパス電圧および前記第2のパス電圧のうちの少なくとも1つが前記第2のバイアス電圧よりも大きい、メモリデバイスと、
前記メモリデバイスに結合され、前記メモリデバイスにコマンドを送るように構成される、プロセッサと、
を含む、電子システム。
【外国語明細書】