(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007367
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】保護包装アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20240110BHJP
B65D 85/30 20060101ALI20240110BHJP
B65D 81/02 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/30 500
B65D81/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097862
(22)【出願日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】63/357,011
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】112115403
(32)【優先日】2023-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
(71)【出願人】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100182143
【弁理士】
【氏名又は名称】赤川 誠一
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
(72)【発明者】
【氏名】沈 恩年
(72)【発明者】
【氏名】莊 家和
(72)【発明者】
【氏名】李 國華
(72)【発明者】
【氏名】呂 俊明
(72)【発明者】
【氏名】江 子昂
(72)【発明者】
【氏名】黄 乙峯
(72)【発明者】
【氏名】林 宗毅
【テーマコード(参考)】
3E066
3E096
5F131
【Fターム(参考)】
3E066AA02
3E066BA02
3E066CA01
3E066DA01
3E066DB01
3E066HA01
3E066JA01
3E066KA20
3E066NA43
3E096AA01
3E096BA15
3E096BA16
3E096BB08
3E096CA02
3E096DA03
3E096EA03X
3E096FA09
3E096GA03
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131CA09
5F131DA02
5F131DA05
5F131DA08
5F131DA09
5F131DA24
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5F131GA09
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5F131GA22
5F131GA53
5F131GA69
5F131GA82
5F131GA87
5F131GA99
(57)【要約】
【課題】保護包装アセンブリを提供する。
【解決手段】保護包装アセンブリは、中間包装部材、上部包装部材及び下部包装部材を備える。中間包装部材は複数のサイド緩衝板を含む。サイド緩衝板はリング状に連結されて、上開口及び下開口を連通する収容空間を形成する。上部包装部材は上部緩衝板及び複数の上部緩衝体を含む。上部緩衝板は、上開口にカバーするように配置される。上部緩衝体は、間隔をあけて分布しており、上部緩衝板の表面から突出してなる。上部緩衝体は収容空間内に向かって配置される。下部包装部材は下部緩衝板及び複数の下部緩衝体を含む。下部緩衝板は、下開口にカバーするように配置される。下部緩衝体は、間隔をあけて分布しており、下部緩衝板の表面から突出してなる。下部緩衝体は収容空間内に向かって配置される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング状に連結されて、上開口及び下開口を連通する収容空間を形成する複数のサイド緩衝板を含む中間包装部材と、
前記上開口にカバーするように配置される上部緩衝板、及び
間隔をあけて分布しており、前記上部緩衝板の表面から突出してなり、前記収容空間内に向かって配置される複数の上部緩衝体を含む上部包装部材と、
前記下開口にカバーするように配置される下部緩衝板、及び
間隔をあけて分布しており、前記下部緩衝板の表面から突出してなり、前記収容空間内に向かって配置される複数の下部緩衝体を含む下部包装部材と、
を備える保護包装アセンブリ。
【請求項2】
前記中間包装部材の前記収容空間はリング状内表面を有し、前記複数の上部緩衝体は第1の上部緩衝体及び第2の上部緩衝体を含み、前記第1の上部緩衝体の高さは前記第2の上部緩衝体の高さより大きく、且つ前記第2の上部緩衝体から前記リング状内表面までの最短距離は前記第1の上部緩衝体から前記リング状内表面までの最短距離より大きい請求項1に記載の保護包装アセンブリ。
【請求項3】
前記複数の上部緩衝体は複数の第1の上部緩衝体及び第2の上部緩衝体を含み、前記複数の第1の上部緩衝体の高さは前記第2の上部緩衝体の高さより大きく、且つ前記複数の第1の上部緩衝体は前記第2の上部緩衝体の周縁を取り囲むように配列する請求項1に記載の保護包装アセンブリ。
【請求項4】
前記複数の下部緩衝体の頂面は面一である請求項1に記載の保護包装アセンブリ。
【請求項5】
前記複数の上部緩衝体は異なる面積の組合わせであり、且つ間隔を空けて配置される請求項1に記載の保護包装アセンブリ。
【請求項6】
前記複数の下部緩衝体は同等な面積の組合わせである請求項1に記載の保護包装アセンブリ。
【請求項7】
前記保護包装アセンブリは重量が10キロ未満の物体を収容し、高度が10センチより大きい落下試験を行う場合、前記保護包装アセンブリの総緩衝作用力は前記保護包装アセンブリの角、エッジ及び面の緩衝作用力より大きく、且つ前記角と前記エッジの緩衝作用力は前記面の緩衝作用力より大きい請求項1に記載の保護包装アセンブリ。
【請求項8】
前記保護包装アセンブリは前記中間包装部材と、前記上部包装部材と、前記下部包装部材との組み合わせ構造である請求項1に記載の保護包装アセンブリ。
【請求項9】
前記中間包装部材、前記上部包装部材及び前記下部包装部材の材料は発泡ポリエチレンである請求項1に記載の保護包装アセンブリ。
【請求項10】
前記複数のサイド緩衝板のうちの少なくとも1つの板厚はその他の前記複数のサイド緩衝板の板厚より小さい請求項1に記載の保護包装アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は半導体キャリアに適用する保護包装アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体業界では、基板容器を使用して基板を載置する。基板は、プリント回路基板(PCB)、ウェーハ(wafer)などの半導体素子であってもよい。基板容器は、輸送中、上下の振動が大きすぎて、基板が割れたり、基板容器内の素子同士が緩んだりすることが発生する。または、基板容器内の素子同士が摩擦して粉塵が発生し、基板容器内の清浄度に大きな影響を及ぼす可能性もある。また、基板容器は、設備のインターフェイスと合わせて搬送位置決め操作を行う過程で粉塵の問題が発生する可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
基板容器を運ぶ過程で基板容器を緩衝保護するために、従来の方法は、緩衝機能を持つ包装材を使用して基板容器を被覆することである。従来の包装材の構造設計は、基板容器の縁と隅を被覆し、基板容器の表面全体を貼り合う態様を採用することが多く、基板容器が振動を受けた場合、包装材の緩衝機能が被覆と保護の役割を果たすことができる。しかし、前述の方法は、小さな振動に対して多少の効用しか生じず、大きな振動に対して、或いは基板容器を例えば10センチ以上の高さから落とした場合には、保護と緩衝の役割を果たさない。
【0004】
したがって、上記課題を解決できる保護包装アセンブリを如何に提案するかは、現在業界では早急に研究開発資源を投入して解決したい課題の一つである。
【0005】
これに鑑みて、本開示の一目的は、上記課題を効果的に解決できる保護包装アセンブリを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一実施形態によれば、保護包装アセンブリは、複数のサイド緩衝板を含み、リング状に連結されて、上開口及び下開口を連通する収容空間を形成する中間包装部材と、上開口にカバーするように配置される上部緩衝板、及び、間隔をあけて分布しており、上部緩衝板の表面から突出してなり、収容空間内に向かって配置される複数の上部緩衝体を含む上部包装部材と、下開口にカバーするように配置される下部緩衝板、及び、間隔をあけて分布しており、下部緩衝板の表面から突出してなり、収容空間内に向かって配置される複数の下部緩衝体を含む下部包装部材と、を備える。
【0007】
本開示の1つまたは複数の実施形態において、中間包装部材の収容空間はリング状内表面を有する。上部緩衝体は第1の上部緩衝体及び第2の上部緩衝体を有する。第1の上部緩衝体の高さは第2の上部緩衝体の高さより大きい。第2の上部緩衝体からリング状内表面までの最短距離は第1の上部緩衝体からリング状内表面までの最短距離より大きい。
【0008】
本開示の1つまたは複数の実施形態において、上部緩衝体は複数の第1の上部緩衝体及び第2の上部緩衝体を含む。第1の上部緩衝体の高さは第2の上部緩衝体の高さより大きい。第1の上部緩衝体は第2の上部緩衝体の周縁を取り囲むように配列する。
【0009】
本開示の1つまたは複数の実施形態において、下部緩衝体の頂面は面一である。
【0010】
本開示の1つまたは複数の実施形態において、上部緩衝体は異なる面積の組合わせであり、且つ間隔を空けて配置される。
【0011】
本開示の1つまたは複数の実施形態において、下部緩衝体は同等な面積の組合わせである。
【0012】
本開示の1つまたは複数の実施形態において、保護包装アセンブリは重量が10キロ未満の物体を収容し、高度が10センチより大きい落下試験を行う場合、保護包装アセンブリの総緩衝作用力は保護包装アセンブリの角、エッジ及び面の緩衝作用力より大きく、且つ角とエッジの緩衝作用力は面の緩衝作用力より大きい。
【0013】
本開示の1つまたは複数の実施形態において、保護包装アセンブリは中間包装部材、上部包装部材及び下部包装部材の組合わせ構造である。
【0014】
本開示の1つまたは複数の実施形態において、上部包装部材、上部包装部材及び下部包装部材の材料は発泡ポリエチレンである。
【0015】
本開示の1つまたは複数の実施形態において、サイド緩衝板のうちの少なくとも1つの板厚は他のサイド緩衝板の板厚より小さい。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本開示の保護包装アセンブリでは、中間包装部材、上部包装部材及び下部包装部材の組合わせ構造により、基板容器の外周縁を完全に被覆することができる。特に、上部包装部材の上部緩衝板に複数の上部緩衝体が設けられ、且つ下部包装部材の下部緩衝板に複数の下部緩衝体が設けられる。これらの上部緩衝体と下部緩衝体の高さを、保護包装アセンブリによって包装された基板容器の頂部構造と底面構造に応じて対応的に調整することができ、さらに、上部包装部材と下部包装部材をそれぞれ基板容器の頂面及び底部の不規則な起伏のある輪廓に密着させることができる。また、本開示の上部包装部材と下部包装部材が受ける緩衝力は、基板容器に全体的に貼り合わせる従来の構造設計より大きいため、緩衝防振の効果をより効果的に達成することができる。
【0017】
上記は、ただ本開示が解決しようとする課題、課題を解決するための手段、及び生じた効果等を述べるためのものであり、本開示の具体的な細部については、下文の実施形態及び関連図面において詳しく紹介する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
下記図面の説明は、本開示の前記や他の目的、特徴、メリット及び実施例をより分かりやすくするためのものである。
【
図1A】本開示の一実施形態による保護包装アセンブリを示す斜視分解図である。
【
図1B】
図1Aの保護包装アセンブリを示す斜視組み合わせ図である。
【
図2】本開示の一実施形態による保護包装アセンブリと基板容器の斜視分解図である。
【
図3】
図2の保護包装アセンブリが基板容器を包装する様子を示す側面図である。
【
図4】
図2の保護包装アセンブリが基板容器を包装する様子を示す正面図である。
【
図5】
図3の構造が線分5-5に沿って切断した断面図である。
【
図6】
図4の構造が線分6-6に沿って切断した断面図である。
【
図7】
図3の構造が線分7-7に沿って切断した断面図である。
【
図8】
図3の構造が線分8-8に沿って切断した断面図である
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面で本開示の複数の実施形態を開示し、明らかに説明するために、数多くの実務上の細部を下記の記述で合わせて説明する。しかしながら、理解すべきなのは、これらの実際の細部が、本開示を制限するためのものではない。つまり、本開示の実施形態の一部において、これらの実際の細部は、必ずしも必要ではない。また、図面を簡略化するために、ある従来慣用の構造及び素子は、図面において簡単で模式的に示される。
【0020】
図1A、
図1B及び
図2を参照されたい。
図1Aは本開示の一実施形態による保護包装アセンブリ100を示す斜視分解図である。
図1Bは
図1Aの保護包装アセンブリ100を示す斜視組み合わせ図である。
図2は本開示の一実施形態による保護包装アセンブリ100と基板容器200を示す斜視分解図である。具体的な構造を明らかに説明するために、中間包装部材110は、
図1Aと
図2において透視的に示される。
図1A~
図2に示すように、本実施形態において、保護包装アセンブリ100は中間包装部材110、上部包装部材120及び下部包装部材130を含む。中間包装部材110は複数のサイド緩衝板111を含む。サイド緩衝板111はリング状に連結されて、上開口110a及び下開口110bを連通する収容空間Sを形成する。具体的に、中間包装部材110の収容空間Sはリング状内表面110cを有する。上部包装部材120は上部緩衝板121を含む。上部緩衝板121は、中間包装部材110の上開口110aにカバーするように配置される。下部包装部材130は下部緩衝板131を含む。下部緩衝板131は中間包装部材110の下開口110bにカバーするように配置される。これによって、上部包装部材120と下部包装部材130は中間包装部材110の収容空間Sを密封して、基板容器200を保護包装アセンブリ100内部に完全に包装する目的を達成することができる。換言すれば、保護包装アセンブリ100は中間包装部材110、上部包装部材120及び下部包装部材130の組み合わせ構造である。
【0021】
実際の使用では、基板容器200は、前開きの基準ウェハカセット(Front Opening Unified Pod、 FOUP)、基準メカニカルインターフェース(Standard Mechanical Interface、 SMIF)または前開きのウェーハシッピングボックス(Front Opening Shipping Box、 FOSB)などであってもよい。本開示が適用可能な保護包装アセンブリ100であれば、本開示の範囲に含まれるべきであり、本開示は、基板容器200の種類を制限しない。
【0022】
図3、
図4、
図5及び
図6を参照されたい。
図3は
図2の保護包装アセンブリ100が基板容器200を包装する様子を示す側面図である。
図4は
図2の保護包装アセンブリ100が基板容器200を包装する正面図である。
図5は
図3の構造が線分5-5に沿って切断した断面図である。
図6は
図4の構造が線分6-6に沿って切断した断面図である。
図3~
図6に示すように、本実施形態において、上部包装部材120は複数の上部緩衝体122a、122bをさらに含む。上部緩衝体122a、122bは、間隔をあけて分布しており、上部緩衝板121の表面121aから突出してなる。上部緩衝体122a、122bは収容空間S内に向かって配置される。下部包装部材130は複数の下部緩衝体132をさらに含む。下部緩衝体132は、間隔をあけて分布しており、下部緩衝板131の表面131aから突出してなる。下部緩衝体132は収容空間S内に向かって配置される。間隔をあけて分布している上部緩衝体122a、122bが基板容器200の上表面200aに当接することにより、上部緩衝体122a、122bの間の間隙は基板容器200によって押圧される際(例えば、保護包装アセンブリ100が衝突、圧迫または落下した場合)の側方変形空間として使用できる。同様に、間隔をあけて分布している下部緩衝体132が基板容器200の底部に当接することにより、下部緩衝体132の間の間隙は基板容器200によって押圧された際の側方変形空間として使用できる。したがって、本実施形態による上部包装部材120と下部包装部材130が受ける緩衝力は、基板容器200に全体的に貼り合わせる従来の構造設計より大きいため、緩衝防振の効果をより効果的に達成することができる。これによって、全体構造設計で側方変形空間を提供せず、効果的に防振、保護できないという従来の技術における欠点を解決する。
【0023】
図2に示すように、基板容器200の上表面200aにリブ部210及び把持部220が設けられる。把持部220は上表面200aの中央に位置し、リブ部210は把持部220を取り囲む。これから、基板容器200の頂部構造は不規則な起伏のある輪廓を有する。実際の使用では、基板容器200の把持部220は、オーバーヘッドリフティングコンベアシステム(図示せず)に把持されて昇降し、基板容器200を所定の位置に搬送して載置することができる。
【0024】
図7を参照されたい。それは、
図3の構造が線分7-7に沿って切断した断面図である。
図5~
図7に示すように、本実施形態において、基板容器200のリブ部210は上表面200aを複数の領域に分割する。基板容器200の把持部220はリブ部210の分割された1つの領域、例えば中央領域に位置する。以上のように、上部緩衝体122a、122bが間隔をあけて分布しているため、上部緩衝体122a、122bの間の間隙はリブ部210を譲る退避空間として使用できる。また、上部緩衝体122a、122bは上部緩衝板121の中間包装部材110に向かう表面121aに対して異なる高さを有する。本実施例では、表面121aから突出した上部緩衝体122aの高さは上部緩衝体122bより大きい。詳しくは、高さが大きい上部緩衝体122aは、リブ部210を譲って基板容器200の上表面200aに当接するように配置される。高さが小さい上部緩衝体122bは、基板容器200の把持部220に当接するように配置される。
図7に示すように、把持部220は上表面200aの中央領域に位置するため、把持部220に当接する上部緩衝体122bの周縁はその他の上部緩衝体122aによって取り囲まれる。
【0025】
具体的に、
図7では、基板容器200のリブ部210は上表面200aを7つの領域に分割し、左上部領域、中上部領域、右上部領域、左中部領域、中央領域、右中部領域及び下部領域を含む。上表面200aの左上部領域、中上部領域、右上部領域、左中部領域及び右中部領域などの5つの領域の面積が近いため、それぞれ5つの上部緩衝体122aにより当接することができる。上表面200aの下部領域の面積はその他の領域より大きく、且つ形状が長方形に近似し、2つの上部緩衝体122aにより当接することができる。このため、合計で7つの上部緩衝体122aは中央の上部緩衝体122bの周縁を取り囲むように配列する。
【0026】
図7に示すように、本実施形態において、上部緩衝体122a、122bは異なる面積の組合わせであり、且つ間隔を空けて配置される。また、上部緩衝体122a、122bの間に複数の異なるピッチを有する。例えば、上表面200aの下部領域に当接する2つの上部緩衝体122aの間にピッチG1があり、上表面200aの右中部領域に当接する上部緩衝体122aと上表面200aの中央領域に当接する上部緩衝体122bとの間にピッチG2があり、且つピッチG2はピッチG1より大きい。上部緩衝体122a、122bの間のピッチはピッチG1、G2に制限されず、リブ部210の位置に応じて柔軟に調整できる。これによって、上部包装部材120は上部緩衝体122a、122bによって基板容器200の頂部構造に対して最大きい面密着面積となるようにすることができる。
【0027】
また、上部緩衝体122bが上表面200aの中央領域に当接するため、上部緩衝体122bからリング状内表面110cまでの最短距離D1はその他の上部緩衝体122aからリング状内表面110cまでの最短距離D2より大きい。例えば、
図7に示すように、上表面200aの中上部領域に当接する上部緩衝体122aの最短距離D2は最短距離D1より小さい。
【0028】
実際の使用では、上部緩衝体122a、122bの実際の数と配置方式は、基板容器200の上表面200aの構造に合わせて設計される。また、上記の上表面200aは7つの領域に分割されるのは、ただ好ましい実施例であるが、この構造設計に制限されず、実際の用途に応じて調整できる。
【0029】
いくつかの実施形態において、
図7に示すように、上部緩衝体122a、122bの横断面の輪廓は矩形(正方形と長方形を含む)であるが、本開示はこれに制限されない。例えば、
図5と
図7を併せて参照されたい。前述横断面は上部緩衝板121の中間包装部材110に向かう表面121aに平行である。
【0030】
図8を参照されたい。それは、
図3の構造が線分8-8に沿って切断した断面図である。
図5、
図6及び
図8に示すように、本実施形態において、基板容器200は底板230をさらに含む。底板230は基板容器200の底部に設けられ、且つ下表面230aを有する。下表面230aは、平面から凹んで不規則的な起伏のある輪廓を形成する表面に相当する。下部包装部材130の下部緩衝体132は下部緩衝板131の中間包装部材110に向かう表面131aに対して同じ高さを有する。底板230の下表面230aによりスムーズに当接するために、下部緩衝体132の頂面132a(
図2も参照)は底板230の下表面230aにより多くの部位の面に密着するように、面一である。
【0031】
いくつかの実施形態において、下部緩衝体132は同等な面積の組合わせである。また、下部緩衝体132の間に同等なピッチがある。例えば、
図8に示すように、いずれかの隣り合う下部緩衝体132の間にピッチG3があるが、本開示はこれに制限されない。
【0032】
いくつかの実施形態において、下部緩衝体132の数は9つであるが、本開示はこれに制限されない。実際の使用では、下部緩衝体132の実際の数は柔軟に変更でき、
図8に示すような実施形態の数に制限されない。
【0033】
いくつかの実施形態において、下部緩衝体132はマトリクスに配列される。例えば、
図8に示すように、前述マトリクスを構成する2つの次元は互いに垂直であるが、本開示はこれに制限されない。
【0034】
いくつかの実施形態において、
図8に示すように、下部緩衝体132の横断面の輪廓はいずれも矩形(例えば、正方形)であるが、本開示はこれに制限されない。例えば、
図5と
図8を併せて参照し、前述横断面は下部緩衝板131の中間包装部材110に向かう表面131aに平行である。
【0035】
いくつかの実施形態において、サイド緩衝板111のうちの少なくとも1つの板厚はその他のサイド緩衝板111の板厚より小さい。例えば、
図7と
図8に示すように、上方のサイド緩衝板111が有する板厚T1は隣接側、反対側のサイド緩衝板111が有する板厚T2より小さい。これによって、その他のサイド緩衝板111に対して、上方のサイド緩衝板111は小さい板厚T1を有し、基板容器200からの距離を増加でき、これにより、緩衝空間を拡大する効果を達成する。
【0036】
いくつかの実施形態において、中間包装部材110は単体構造であり、且つ単体構造の材料は発泡綿を含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、上部包装部材120は単体構造であり、且つ単体構造の材料は発泡綿を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、下部包装部材130は単体構造であり、且つ単体構造の材料は発泡綿を含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、前述発泡綿は帯電防止発泡綿、例えば発泡ポリエチレン(Foamed Polyethylene)であるが、本開示はこれに制限されない。発泡ポリエチレンは軽量で柔らかく、弾性に優れ且つ良好な緩衝性能を持つ材料である。通常、ポリエチレン(PE)樹脂を加工、発泡及び成形したものである。発泡ポリエチレンの主な特性は、軽量、柔軟、耐久性、耐水性及び成形しやすいなどである。
【0040】
申請者は、以下で、実際の試験結果を参照として提供する。試験はISTA 2A(落下)仕様に従って実施される。ISTA 2Aは、国際輸送包装テスト基準であり、包装が輸送中に受ける可能性がある落下衝撃を評価することを目的とする。前記基準では、テスト中に包装を面、エッジ及び角の3つの方向に落下させることを要求する。テスト高度は要件を満たさなければならない。包装が落下テストで破損したと、前記包装がテスト基準を満たしなく、包装が落下テストで破損しないと、前記包装がテスト基準を満たす。ISTA 2A落下テストによって、製品が輸送中に落下衝撃の影響を受けないようにすることができ、これにより、製品の輸送安全性と信頼性を高めることができる。
【0041】
下記表1はISTA 2A(落下)仕様に従う落下条件である。
【表1】
【0042】
例えば、本開示による保護包装アセンブリ100は重量が10キロ未満の物体を収容し、高度が10センチより大きい落下試験を行う場合、保護包装アセンブリ100の総緩衝作用力は保護包装アセンブリの角、エッジ及び面の緩衝作用力より大きく、且つ角とエッジの緩衝作用力は面の緩衝作用力より大きい。なお、本開示の保護包装アセンブリ100は中間包装部材110、上部包装部材120及び下部包装部材130の組み合わせ構造であるため、保護包装アセンブリ100が落下試験時にどの部位で衝突しても、すべての部位が互いに影響を与え、共に総緩衝作用力に貢献する。また、保護包装アセンブリ100の角とエッジの領域は面の領域より小さいため、角とエッジとの緩衝作用力は面の緩衝作用力より大きい。
【0043】
下記表2は、本開示の保護包装アセンブリ100により物体を被覆した後に落下テストを行ったテスト結果である。被覆された物体は、例えば前開きの基準ウェハカセットである。試験された保護包装アセンブリ100は、長さ、幅、高さのサイズがそれぞれ異なる立方体である。
【表2】
【0044】
上の表2に示されるテスト結果によれば、本開示の保護包装アセンブリ100は、基板容器200を保護するための十分な緩衝を確実に提供できることが明らかに分かる。
【0045】
以上で本開示の具体的な実施形態に対する詳しい説明によると、本開示の保護包装アセンブリは、中間包装部材、上部包装部材及び下部包装部材の組合わせ構造により、基板容器の外周縁を完全に被覆することができることが明らかである。特に、上部包装部材の上部緩衝板に複数の上部緩衝体が設けられ、且つ下部包装部材の下部緩衝板に複数の下部緩衝体が設けられる。これらの上部緩衝体と下部緩衝体の高さを、保護包装アセンブリによって包装された基板容器の頂部構造と底面構造に応じて対応的に調整することができ、さらに、上部包装部材と下部包装部材をそれぞれ基板容器の頂面及び底部の不規則な起伏のある輪廓に密着させることができる。また、本開示の上部包装部材と下部包装部材が受ける緩衝力は、基板容器に全体的に貼り合わせる従来の構造設計より大きいため、緩衝防振の効果をより効果的に達成することができる。
【0046】
本開示では、実施形態を前述の通りに開示したが、実施形態は本開示を限定するものではなく、当業者なら誰でも、本開示の精神と領域から逸脱しない限り、多様の変更や修正を加えることができる。従って、本開示の保護範囲は、後の特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0047】
100 保護包装アセンブリ
110 中間包装部材
110a 上開口
110b 下開口
110c リング状内表面
111 サイド緩衝板
120 上部包装部材
121 上部緩衝板
121a、131a 表面
122a、122b 上部緩衝体
130 下部包装部材
131 下部緩衝板
132 下部緩衝体
132a 頂面
200 基板容器
200a 上表面
210 リブ部
220 把持部
230 底板
230a 下表面
5-5、6-6、7-7、8-8 線分
G1、G2、G3 ピッチ
S 収容空間
T1、T2 板厚